JP6192985B2 - 包装箱、及び、箱原板 - Google Patents

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Description

本発明は、包装箱の技術に関する。
パウチに封入したまま電子レンジで加熱することで調理するレトルト食品がある。例えば、特許文献1〜3では、電子レンジで加熱されるパウチを所定の傾斜で保持する包装箱に関する技術が開示されている。
特開2006−044695号公報 特開2006−044696号公報 特開2012−246056号公報
ところで、上述した従来の包装箱では、以下のような問題があった。図1は、電子レンジ内でのレトルト食品の加熱状態を例示する。図中の斜線部は、マイクロ波の影響受けにくい領域を示す。レトルト食品が塩分を含む場合、マイクロ波はレトルト食品表面で熱に変換されやすくなる。そのため、マイクロ波は、レトルト商品内部に到達しにくくなる。
例えば、塩分濃度が0.5〜2%のレトルト食品の場合には、マイクロ波は、約5mm(ミリメートル)程度で、約半分のエネルギーを消費する。その結果、深さ約1cm(センチメートル)を超えるレトルト食品では、マイクロ波の影響が小さく、加熱の遅れる領域が発生しやすくなる。
この点、図1に例示されるように、パウチの傾斜が高くなるほど、パウチの内容物は下部にたまり、パウチの内容物の厚みが増加する。そのため、パウチの傾斜が高くなるほど、パウチの内容物の加熱効率は悪くなる。
一方、図2は、パウチの内容物と蒸気口との関係を例示する。パウチに封入したままレトルト食品をレンジで加熱すると、レトルト食品(内容物)から蒸気が発生する。内容物から蒸気が発生すると、パウチ内の内部圧力が上昇し、パウチが破裂してしまうことがある。これを防止するために、電子レンジで加熱する型の食品の多くのパウチは、パウチ内で発生した蒸気を逃すための蒸気口を有する。
このとき、図2に例示されるように、パウチの傾斜が高くなるほど、パウチの内容物と蒸気口との間の距離が長くなる。そのため、パウチの傾斜が高くなるほど、パウチの内容物は蒸気口から噴出しにくくなる。
すなわち、パウチの蒸気口から蒸気が噴出しない程度の加熱状態では、内容物の噴出は考慮しなくてもよいため、パウチの傾斜は、加熱効率が良くなるように、低い方がよい。一方で、パウチの蒸気口から蒸気が噴出するまで加熱が進むと、加熱効率を多少犠牲にしたとしても、パウチの傾斜は、内容物が噴出しにくいように、高い方がよい。
したがって、パウチに封入された食品を電子レンジで加熱する場合に、加熱状態に応じてパウチの傾斜角度を調節することができれば、理想的な電子レンジ加熱を実現することが可能になる。しかしながら、電子レンジで加熱されるパウチを保持する従来型の包装箱は、基本的には、パウチの姿勢を一定に保つように構成されていた。そのため、従来型の包装箱は、加熱状態に応じてパウチの傾斜角度を調節することができなかった。
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、その目的は、加熱状態に応じてパウチの傾斜角度を調節可能にする技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の第1形態は、上部付近に蒸気口を有し、電子レンジで加熱されるパウチを収納するための扁平状の包装箱である。当該包装箱は、正面板と、前記正面板の横方向の右端に位置する右側面板と、前記正面板の横方向の左端に位置する左側面板と、前記正面板の縦方向の上端に位置する上面板と、前記正面板の縦方向の下端に位置する底面板と、前記正面板の高さ方向に対向する背面板と、を備える。
また、前記正面板は、縦方向上側に、前記包装箱を開封するための第1切り込み線を有する。前記右側面板は、前記第1切り込み線と連続する第2切り込み線を有する。前記左側面板は、前記第1切り込み線と連続する第3切り込み線を有する。前記背面板は、ヒンジ部と、前記ヒンジ部の両端に配置された第4切り込み線及び第5切り込み線と、を有する。前記第4切り込み線は前記第2切り込み線と連続する。前記第5切り込み線は前記第3切り込み線と連続する。
そして、前記包装箱は、第1切り込み線、第2切り込み線、第3切り込み線、第4切り込み線、及び、第5切り込み線に沿って開封されることで、本体部と蓋部とに分かれる。前記本体部は、前記パウチを前記電子レンジで加熱する際に、前記パウチを保持する。また、前記蓋部は、前記背面板側領域で前記ヒンジ部により前記本体部と接続しており、前記ヒンジ部に沿って折り曲げられて、前記本体部の前記背面板側領域と接触することで、前記本体部を支える。
更に、前記本体部は、前記第4切り込み線及び前記第5切り込み線の横方向の長さがそれぞれ前記背面板の横方向の長さの10%以上であることにより、前記電子レンジで加熱されることで前記パウチが高さ方向に膨らんだ際に、高さ方向に変形するように構成され、当該変形により前記パウチを保持する傾斜を高くすることが可能となっている。
上記構成によれば、包装箱は、一連の切り込み線に沿って仰開型に開封されることで、本体部と蓋部とに分かれる。包装箱の背面板は、ヒンジ部と、第4切り込み線と、第5切り込み線とを有しており、本体部と蓋部とは、各々の背面板側領域で当該ヒンジ部により、接続される。
本体部は、パウチを電子レンジで加熱する際に、当該パウチを保持可能に構成される。また、蓋部は、背面板側領域のヒンジ部に沿って折り曲げられて、本体部の背面板側領域と接触することで、当該パウチを保持する本体部を支持する。
ここで、背面板の第4切り込み線及び第5切り込み線の横方向の長さは、背面板の横方向の長さの10%以上となるように構成される。これにより、本体部は、電子レンジで加熱されることでパウチが高さ方向に膨らんだ際に、当該高さ方向に変形するように構成される。そして、本体部は、当該変形によって、パウチを保持する傾斜を高くすることが可能に構成される。
したがって、本発明に一側面に係る包装箱は、収納するパウチが高さ方向に膨らむことに応じて、パウチを保持する傾斜を高くすることが可能である。そのため、上記構成によれば、加熱状態に応じてパウチの傾斜角度を調節することが可能になる。
本発明の第2形態は、前記第4切り込み線及び前記第5切り込み線が、前記背面板の縦方向上側に凸となる弧状に形成され、前記ヒンジ部が、前記第4切り込み線が前記第2切り込み線と接続する位置、及び、前記第5切り込み線が前記第3切り込み線と接続する位置、よりも、前記背面板の縦方向下側に位置する、第1形態の包装箱である。
当該構成によれば、蓋部により本体部を支える位置を当該本体部の縦方向の比較的下側にすることが可能になる。本体部の縦方向の下側で支えれば支えるほど、パウチを保持する本体部の傾斜は高くなるため、当該構成によれば、本体部の背面板側領域の高さ方向下側への変形に対するパウチを保持する傾斜の増加量を高めることができる。
本発明の第3形態は、前記ヒンジ部が、前記背面板の横方向の中央付近に配置され、所定間隔をおいて配置された複数の切断部を有する、第1形態又は第2形態の包装箱である。当該構成によれば、本体部の背面板側領域は、当該背面板の横方向の中央付近において、高さ方向下側に変形しやすくなる。そのため、パウチの高さ方向の膨張に対するパウチを保持する傾斜の増加量を高めることができる。
本発明の第4形態は、前記ヒンジ部の横方向の長さが、前記背面板の横方向の長さの15%以上である第1形態から第3形態のいずれか1形態の包装箱である。当該構成によれば、包装箱の開封等の際に、ヒンジ部に沿って背面板が破れてしまい、本体部から蓋部が分離してしまうことを防止することが可能になる。
本発明の第5形態は、第1形態から第4形態のいずれか1形態の包装箱を作製するための箱原板である。当該構成によれば、加熱状態に応じてパウチの傾斜角度を調節できるようになる。
本発明によれば、加熱状態に応じてパウチの傾斜角度を調節できるようになる。
図1は、電子レンジ内でのレトルト食品の加熱状態を例示する。 図2は、パウチの内容物と蒸気口との関係を例示する。 図3は、実施の形態に係る包装箱を展開した状態(箱原板)を例示する。 図4Aは、実施の形態に係る包装箱を例示する斜視図である。 図4Bは、実施の形態に係る包装箱を背面から見た状態を例示する斜視図である。 図5は、実施の形態に係る包装箱に収納されるパウチを例示する。 図6は、実施の形態に係る包装箱を開封した状態を例示する。 図7は、実施の形態に係る包装箱の使用状態を例示する。 図8は、実施の形態に係る包装箱の使用状態を例示する。 図9は、実施の形態に係る包装箱の変形時の状態を例示する。 図10は、ヒンジ部に含まれる切断部の変形例を示す。 図11は、比較例に係る包装箱を展開した状態を示す。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形が行われてもよい。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 構成例
<包装箱>
図3は、本実施形態に係る包装箱1を展開した状態(箱原板10)を例示する。図4Aは、箱原板10を組み立てて作成される包装箱1を例示する斜視図である。また、図4Bは、箱原板10を組み立てて作成される包装箱1を背面から見た状態を例示する斜視図である。これらの図を用いて、まずは、本実施形態に係る包装箱1の基本的な構造を説明する。
本実施形態に係る包装箱1は、後述するように食品などのパウチ2が収容されるものであり、図3で例示される、予め裁断された紙製の平坦な箱原板10を折り曲げて糊付けすることで、図4A及び図4Bに示すような直方体状の包装箱が形成される。なお、箱原板10(包装箱1)は、コートボール紙、カード紙等の紙を主な原料として作製される。
図4A、及び図4Bで例示されるように、この包装箱1は、正面板11と、正面板11の横方向の右端に位置する右側面板12と、正面板11の横方向の左端に位置する左側面板13と、正面板11の縦方向の上端に位置する上面板15と、正面板11の縦方向の下端に位置する底面板16と、正面板11の高さ方向に対向する背面板14と、を備える。
なお、本実施形態に係る包装箱1は、右側面板12と左側面板13との間及び上面板15と底面板16との間より、正面板11と背面板14との間の距離が短い扁平状の直方体を呈している。ただし、包装箱1の大きさ及び形状は、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。
例えば、長辺方向と短辺方向とは入れ替わってもよいし、包装箱1は、本実施形態で例示されるような直方体以外の形状であってもよい。なお、本実施形態では、後述するとおり、パウチ2の膨らみに応じて包装箱1が変形するため、例えば、後述するパウチ2の大きさ及び形状を考慮して、包装箱1の大きさ及び形状が設計されてよい。
ここで、本実施形態において引用する各方向について、説明する。図3における紙面横方向(x軸方向)は、矩形状の正面板11の短辺方向に対応し、本発明の「横方向」に相当する。そして、x軸の正の向きが、横方向の右向きに対応する。x軸の負の向きが、横方向の左向きに対応する。
また、図3における紙面縦方向(y軸方向)は、正面板11の長辺方向に対応し、本発明の「縦方向」に相当する。そして、y軸の正の向きが、縦方向の上向きに対応する。y軸の負の向きが、縦方向の下向きに対応する。
更に、図3における紙面垂直方向(z軸方向)は、正面板11と背面板14とが対抗する方向に対応し、本発明の「高さ方向」に相当する。そして、z軸の正の向きが、高さ方向の上向きに対応する。z軸の負の向きが、高さ方向の下向きに対応する。
なお、図4A以降の図におけるx軸、y軸、及び、z軸は、それぞれ、図3におけるx軸、y軸、及び、z軸に対応する。
次に、この包装箱1の詳細を図3の展開図を参照しつつ説明する。図3で例示されるように、正面板11は、縦方向上側に、包装箱1を開封するための第1切り込み線111を有する。第1切り込み線111の形態は、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。
本実施形態では、第1切り込み線111は、正面板11の横方向中央付近において、縦方向下側に突出する円弧状の中央破断部111aと、中央破断部111aの右端から右側面板12に延びる右破断部111bと、中央破断部111aの左端から左側面板13に延びる左破断部111cとを有している。
また、正面板11は、開封の際に利用される正面板折り曲げ部112を有する。この正面板折り曲げ部112は、中央破断部111aより上面板15側寄りの部位に形成されており、右破断部111bと左破断部111cとの間で連続的に延びている。包装箱1が開封する際、正面板11は、第1切り込み線111に沿って破断される。このとき、正面板折り曲げ部112及び当該正面板折り曲げ部112と中央破断部111aとに囲まれた領域Pは、包装箱1の内部空間へ押し込まれ、正面板11に開口を形成する。この開口には、指が引っ掛けられるようになっており、第1切り込み線111に沿って正面板11を破断するために、利用される。
右側面板12は、正面板11の第1切り込み線111と連続する第2切り込み線121を有する。第2切り込み線121は、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。本実施形態では、第2切り込み線121は、高さ方向に平行に延びている。
また、右側面板12は、箱原板10の背面板14の横方向(図3の右側)に連結された糊代片17に糊付けされる。糊代片17は、右側面板12の第2切り込み線121に重ねられる糊代片用切り込み線171を有する。糊代片用切り込み線171が第2切り込み線121と重ねられることで、第2切り込み線121に沿って包装箱1が開封される際に、糊代片17は、糊代片用切り込み線171に沿って破断される。
なお、本実施形態に係る箱原板10は、右側面板12に糊代片17が糊付けされるように形成されている。しかしながら、箱原板10は、このような形態に限定されず、例えば、左側面板13に糊代片17が糊付けされるように、形成されてもよい。
同様に、左側面板13は、正面板11の第1切り込み線111と連続する第3切り込み線131を有する。第3切り込み線131は、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。本実施形態では、第3切り込み線131は、高さ方向に平行に伸びている。
背面板14は、ヒンジ部141と、ヒンジ部141の両端に配置される第4切り込み線142及び第5切り込み線143と、を有する。ヒンジ部141は、後述するとおり、包装箱1を開封した際に本体部A1と蓋部A2とを接続するための構成となる。第4切り込み線142は、第2切り込み線121と連続し、第5切り込み線143は、第3切り込み線131と連続する。
第4切り込み線142の横方向の長さ(w2)及び第5切り込み線143の横方向の長さ(w3)は、後述するとおり、パウチ2の膨張に応じて包装箱1が変形しやすいようにするために、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の10%以上となるように形成される。
なお、第4切り込み線142及び第5切り込み線143の形状は、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。例えば、第4切り込み線142及び第5切り込み線143は、左右対称に形成されなくてもよい。本実施形態では、第4切り込み線142及び第5切り込み線143は、背面板の縦方向上側に凸となる弧状に形成されている。これにより、ヒンジ部141は、第4切り込み線142が第2切り込み線121と接続する位置、及び、第5切り込み線143が第3切り込み線131と接続する位置、よりも、背面板14の縦方向下側に位置するように形成される。
また、ヒンジ部141の形態についても、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。例えば、図3及び図4Bで例示されるように、ヒンジ部141は、背面板14の横方向の中央付近に配置される切断部144を有してもよい。なお、切断部144の形状、及び、個数についても、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよいが、例えば、図3及び図4Bに示すように、上に凸及び下に凸の円弧状の切断部144を所定間隔をおいて互い違いに形成することで、ヒンジ部141を構成することができる。
更に、ヒンジ部141の形状及び長さについても、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。本実施形態では、ヒンジ部141の横方向の長さ(w1)は、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の15%以上であるように形成される。
上面板15は、フラップ122及びフラップ132、並びに、それらの上に重なる第1上面板用片151及び第2上面板用片152で形成される。フラップ122は、右側面板12の縦方向の上端に位置する。フラップ132は、左側面板13の縦方向の上端に位置する。第1上面板用片151は、正面板11の縦方向の上端に位置する。第2上面板用片152は、背面板14の縦方向の上端に位置する。
また、底面板16は、フラップ123及びフラップ133、並びに、それらの上に重なる第1底面板用片161及び第2底面板用片162で形成される。フラップ123は、右側面板12の縦方向の下端に位置する。フラップ133は、左側面板13の縦方向の下端に位置する。第1底面板用片161は、正面板11の縦方向の下端に位置する。第2底面板用片162は、背面板14の縦方向の下端に位置する。
次に、上記のように構成された箱原板10から包装箱1を作製する手順について、説明する。まず、箱原板10において、正面板11、右側面板12、左側面板13、背面板14、及び、糊代片17がそれぞれ隣接する境目で折り曲げられて、糊代片17の上に右側面板12が重ねられて糊付けされる。
次に、フラップ122及びフラップ132がそれぞれ内側へ折り曲げられ、フラップ122及びフラップ132上に、第1上面板用片151及び第2上面板用片152が曲げ重ねられる。そして、第1上面板用片151及び第2上面板用片152は互いに糊付けされる。
更に、フラップ123及びフラップ133がそれぞれ内側へ折り曲げられ、フラップ123及びフラップ133上に、第1底面板用片161及び第2底面板用片162が曲げ重ねられる。そして、第1底面板用片161及び第2底面板用片162は互いにのり付けられる。
このように箱原板10を組み立てることで、図4A及び図4Bで例示される包装箱1が形成される。当該包装箱1の形成過程において、当該包装箱1には、上部付近に蒸気口を有し、電子レンジで加熱されるパウチが収納される。包装箱1に収納されるパウチは、実施の形態に応じて、適宜、選択されてよい。本実施形態では、以下のようなパウチ2が選択される。
<パウチ>
図5は、本実施形態に係る包装箱1に収納されるパウチ2の平面図を例示する。パウチ2は、マイクロ波透過可能なフィルムで形成された袋本体を備え、この袋本体の内部に電子レンジで加熱可能な食品Fが密閉状態で収容されている。そして、全体としては、上述した包装箱1に収容できるように、矩形の扁平状に形成されている。
パウチ2は、矩形状に形成された2枚のフィルムの周縁部21をヒートシールすることで、袋状に形成されている。そして、パウチ2の左上の角部には、周縁部21の内側に蒸気口22が形成されている。これは、次の理由からである。パウチ2を電子レンジで加熱すると、食品Fから蒸気が発生し、パウチ2の内部圧力が上昇する。そのために、パウチ2には、当該内部圧力の上昇により開封され、パウチ2内部の蒸気を逃すための蒸気口22が設けられている。
蒸気口22は、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。本実施形態では、蒸気口22は、図5で例示されるように、パウチ2の袋本体を構成しているフィルムに円形のヒートシール221を施し、さらにこのヒートシール221の中央に透孔222を設けることで、形成される。
ヒートシール221は、電子レンジでパウチ2を加熱することでパウチ2本体の内部圧力が上昇する際に、パウチ2が破裂しない圧力範囲内で、フィルム間を剥がして、パウチ2内を透孔222に連通させることができる。つまり、ヒートシール221は、周縁部21よりも弱いシール部分である。
パウチ2は、後述するとおり、包装箱1の本体部A1に収納されて、電子レンジで加熱される。このとき、本実施形態では、パウチ2は、長辺方向(縦方向、図中のy軸方向)で本体部A1に収納される。そのため、蒸気口22は、パウチ2の縦方向上半分の領域(上部付近)に設けられる。
なお、パウチ2の形状及び大きさは、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。本実施形態では、パウチ2は包装箱1に収納される。また、後述するとおり、パウチ2が膨らむことで、包装箱1は変形する。更に、パウチ2は、食品Fを収容する。そのため、これらの要因を考慮して、パウチ2の形状及び大きさが作成されてよい。
<開封状態>
本実施形態に係る包装箱1は、このようなパウチ2を収納して包装体100を形成する。そして、ユーザは、次のように包装箱1を開封する。第1切り込み線111、第2切り込み線121、第3切り込み線131、第4切り込み線142、及び、第5切り込み線143は、例えば、それぞれの板を貫通形成された、ミシン状の切り込みを有する。
まず、図4Aに示す包装箱1の領域Pを内側へ指で押し込むことで、第1切り込み線111の中央破断部111aに沿って正面板11を破断する。このとき、ユーザは、正面板折り曲げ部112に沿って包装箱1内側に領域Pを折り曲げる。
そして、ユーザは、包装箱1内側へ向けて折り曲げた領域P付近を引き上げるようにすることで、中央破断部111a付近から、第1切り込み線111の右破断部111b及び左破断部111cに沿って、正面板11を破断する。
続いて、ユーザは、右破断部111bに沿った正面板11の破断に続けて、第2切り込み線121に沿って、右側面板12を破断する。同時に、左破断部111cに沿った正面板11の破断に続けて、第3切り込み線131に沿って、左側面板13を破断する。
更に、ユーザは、右側面板12の破断に続けて、背面板14の第4切り込み線142の破断を行うとともに、左側面板13の破断に続けて背面板14の第5切り込み線143の破断を行う。このようなユーザの開封行為により、包装箱1は、第1切り込み線、第2切り込み線、第3切り込み線、第4切り込み線、及び、第5切り込み線に沿って開封されて、開封口が形成され、包装箱1は、ヒンジ部141でつながった状態で、本体部A1と蓋部A2とに分かれる。こうして、本体部A1の開封口からパウチ2が外部へ露出する。
図6は、包装体100の包装箱1を開封した状態を例示する。図6で例示されるように、包装箱1の開封口より下側の部分が本体部A1となり、包装箱1の開封口より上側の部分が蓋部A2となる。蓋部A2は、ヒンジ部141で折り曲げられ、本体部A1の背面板14側に配置される。本体部A1は、パウチ2を電子レンジで加熱する際に、パウチ2を保持する部分となる。一方、蓋部A2は、後述するとおり、パウチ2を電子レンジで加熱する際に、パウチ2を保持する本体部A1を支える部分となる。
なお、本実施形態では、パウチ2は、蒸気口22のある面が本体部A1の正面板11側領域に向くように、包装箱1に収納されている。また、パウチ2は、パウチ2の縦方向上側が上面板15を向くように、包装箱1に収納されている。更に、本実施形態では、パウチ2の両機構が本体部A1内で覆われるように、パウチ2は包装箱1に収納されている。このようにすることで、蒸気口22から食品Fが噴出したとしても、噴出した食品Fの少なくとも一部を本体部A1内に留めることが可能になる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、本体部A1と蓋部A2とを結合するヒンジ部141の横方向の長さ(w1)は、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の15%以上となるように形成される。これにより、包装箱1の開封等の際に、ヒンジ部141に沿って背面板14が破れてしまい、本体部A1と蓋部A2とが分離してしまう可能性を軽減することが可能となる。
<使用状態>
次に、図7〜9を用いて、パウチ2の収容された食品Fを電子レンジで加熱する際の包装箱1の使用状態について説明する。図7は、加熱初期における包装箱1の状態を例示する。図8は、加熱が進行した際の包装箱1の状態を例示する。図9は、加熱が進行した際の図8とは異なる方向から見た包装箱1の状態を例示する。
まず、電子レンジで食品Fを加熱することを所望するユーザは包装箱1を開封する。包装箱1に予めパウチ2が収納されている場合、換言すると、包装体100のうち包装箱1を開封した後に、ユーザは、本体部A1にパウチ2が収納された状態を維持しつつ、蓋部A2をヒンジ部141に沿って折り曲げる(図7)。蓋部A2は、背面板14側の領域でヒンジ部141により本体部A1と接続しており、ヒンジ部141に沿って折り曲げられて、本体部A1の背面板14側の領域と接触することで、本体部A1を支持する。ユーザは、図7で例示されるような状態で包装箱1を電子レンジ内に設置し、パウチ2に収容された食品Fを包装箱1ごと加熱する。
パウチ2が本体部A1を変形させるまでに加熱が進行していない段階では、図7に例示されるように、本体部A1及び蓋部A2は、変形しておらず、原形のままである。そのため、パウチ2の傾斜は、初期状態のまま、換言すると、原形状態の蓋部A2が同じく原形状態の本体部A1を支持する角度α(初期角度)のまま、維持される。
この状態で加熱が進行すると、食品Fから蒸気が発生し、パウチ2の内部圧力が上昇する。これにより、パウチ2は、周縁部21で密封されているため、高さ方向(図5のz軸方向、パウチ2の面の垂直方向)の上下に膨張する。パウチ2が膨張すると、本体部A1の正面板11側領域と背面板14側領域とがパウチ2に圧迫される。そして、パウチ2の膨張に応じて、次第に、本体部A1は、正面板11側領域と背面板14側領域とにおいて、変形することになる。また、パウチ2の膨張により、これを構成する2枚のフィルムが互いに離間するため、蒸気口22を構成するヒートシール221が剥がれる。これにより、食品Fから発生する蒸気は、蒸気口22の透孔222から外部へ放出される。
図8及び9は、パウチ2が本体部A1を変形させるまでに加熱が進行した段階の状態を例示する。図8及び9で例示されるように、正面板11側領域と背面板14側領域とにおいて、本体部A1が変形すると、本体部A1に保持されるパウチ2の傾斜角度βは、初期角度αに比べて、大きくなる。すなわち、本体部A1は、高さ方向(図3等参照)に変形することにより、パウチ2を保持する傾斜を高くすることが可能となっている。
この点、本実施形態では、第4切り込み線142及び第5切り込み線143の横方向の長さ(w2、w3)は、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の10%以上となるように形成される。これにより、ヒンジ部141の長さが調節されて、ヒンジ部141による拘束力が低減するため、本体部A1の背面板14側領域の変形が容易になり、図8及び9で例示されるように、パウチ2を保持する傾斜を良好に高くする程度に変形可能となる。
したがって、本実施形態に係る包装箱1は、収納するパウチ2の膨張に応じて、パウチ2を保持する傾斜を高くすることが可能である。すなわち、包装箱1は、加熱が進行していない状況ではパウチの傾斜を低くし(初期状態)、これによって、内部の食品Fの加熱効率を向上させている。そして、加熱が進行するにつれて、パウチの傾斜を高くすることで、パウチ2内の食品Fと蒸気口22との距離が長くなるため、食品Fの噴出を防止することができる。そのため、本実施形態に係る包装箱1によれば、加熱状態に応じてパウチの傾斜角度を調節することが可能になり、理想的な電子レンジ加熱を実現することが可能となる。
また、本実施形態においては、上述した効果を得るに当たって、次のように構成されている。なお、この点について、図3を参照しつつ説明する。同図に示すように、本実施形態では、第4切り込み線142及び第5切り込み線143は、背面板14の縦方向上側に凸となる弧状に形成される。そして、ヒンジ部141は、第4切り込み線142が第2切り込み線121と接続する位置X1、及び、第5切り込み線143が第3切り込み線131と接続する位置X2、よりも、背面板14の縦方向下側に位置するように形成される。
ここで、蓋部A2の基本的な空間部分は、正面板11、右側面板12、左側面板13、及び、背面板14の一部の領域、並びに、上面板15で囲まれる領域であるとする。従来技術のように、この蓋部A2の基本的な空間部分で折り曲げた場合、蓋部A2は、背面板14の縦方向下方にh1の位置、換言すると、本体部A1の開封口付近の位置、で本体部A1を支えることになる。
これに対して、本実施形態では、蓋部A2は、さらに縦方向下方にh2の位置にあるヒンジ部で折り曲げられて、本体部A1を支えることになる。したがって、蓋部A2の基本的な空間部分で折り曲げる場合よりも、本実施形態では、蓋部A2は、縦方向下方に長さh2×2のところで本体部A1を支えることになる。
よって、本実施形態によれば、蓋部A2により本体部A1を支える位置を本体部A1の縦方向の比較的下側にすることが可能になる。このように、本体部A1の縦方向の下側で支えれば支えるほど、パウチ2を保持する本体部A1の傾斜を高くすることが可能になる。そのため、本実施形態によれば、本体部A1の背面板14側領域の高さ方向下側への変形に対するパウチ2を保持する傾斜の増加量を高めることができる。
また、第4切り込み線142及び第5切り込み線143を直線状に形成する場合に比べて、第4切り込み線142及び第5切り込み線143が背面板14の縦方向上側に凸となる弧状となっている。そのため、本実施形態に係る本体部A1では背面板14側において、パウチ2を覆う面積が広くなる。その結果、蒸気口22から噴出した食品F等を本体部A1内に留める蓋然性を高めることができる。
更に、第4切り込み線142及び第5切り込み線143が弧状であることにより、本体部A1の背面板14とパウチ2との接触面積を広くできるという効果も得ることができる。そのため、本実施形態に係る本体部A1は、パウチ2の変形の影響を受けやすくなり、パウチ2の高さ方向下側への変形力を受けやすくなる。したがって、パウチ2の変形に対するパウチ2を保持する傾斜の増加量を高めることができる。
ここで、第4切り込み線142及び第5切り込み線143の横方向の長さが長くなるほど、第4切り込み線142及び第5切り込み線143を直線状に形成する場合に比べて、第4切り込み線142及び第5切り込み線143を弧状に形成した方が、背面板14側において、本体部A1がパウチ2を覆う面積が広くなる。そのため、第4切り込み線142及び第5切り込み線143の横方向の長さが長くなるほど、第4切り込み線142及び第5切り込み線143を弧状に形成することで得られる上記メリットは大きくなる。
なお、蓋部A2の基本的な空間部分の縦方向の長さh1と当該空間部分からヒンジ部141までの縦方向の長さh2とは、実施の形態に応じて、適宜、設計される。例えば、パウチ2が倒れないように、少なくとも上記初期状態において、食品Fを収容するパウチ2を含む本体部A1の重心よりも縦方向下方で蓋部A2が本体部A1を支えることがないように、h1及びh2の長さが設計されてよい。
ここで、食品Fが流動物である場合、食品Fが固形物である場合に比べて、本体部A1の傾斜により、食品Fはパウチ2の下部にたまりやすい。そのため、食品Fが流動物である場合、食品Fが固形物である場合に比べて、パウチ2を含む本体部A1の重心は縦方向下方に位置しやすい。
したがって、流動物の食品Fを収容するパウチ2を収納する場合、固形物の食品Fを収容するパウチ2を収納する場合に比べて、長さh2が長くなるように、本実施形態に係る包装箱1を形成することができる。なお、食品Fが流動物である場合、食品Fが固形物である場合に比べて、パウチ2の蒸気口22から食品Fが噴出しやすくなるという問題が生じえるが、そのように包装箱1を形成することで、当該問題を解消することができる。
また、本実施形態では、ヒンジ部141は、背面板14の横方向の中央付近に配置され、所定間隔をおいて配置される複数の切断部144を有する。これにより、ヒンジ部141による拘束力を良好に低減することが可能になるため、本体部A1の背面板14側領域の変形が容易になり、パウチ2の膨張に対するパウチ2を保持する傾斜の増加量を高めることができる。
§2 変形例
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
<ヒンジ部における切り込みの形状>
図10は、ヒンジ部141に含まれる切断部144の形状の変形例を説明する。上述のとおり、切断部144の形状及び個数は、実施の形態に応じて、適宜、設計されてよい。例えば、図10で例示されるように、背面板14の横方向の中央付近にある切断部144は、背面板14の縦方向上側にT字状の形状を有してもよい。このように、縦方向上側に切れ目を入れることで、本体部A1が変形することに対するヒンジ部141の拘束力を良好に低減することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
<背面板の切り込み線の長さと、パウチの傾斜の増加量との関係評価>
まず、第4(5)切り込み線の横方向の長さ(w2、w3)とパウチの傾斜の増加量との関係を調べるために、第4(5)切り込み線の横方向の長さ(w2、w3)加熱前と加熱後とのパウチ2の角度及び高さを検討した。
図3により示される箱原板10から実施例で用いる5種類の包装箱1を作成した。本実施例に係る包装箱1は、コートボール紙、カード紙で作成した。正面板11(背面板14)の横方向の長さは130mmとし、正面板11(背面板14)の縦方向の長さは160mmとした。また、蓋部A2の基本的な空間部分の縦方向の長さ(h1)は20mmとし、当該空間部分とヒンジ部141との間の長さ(h2)は25mmとした。実施例1〜5に係る包装箱の詳細は、表1に示すとおりである。更に、各包装箱1に収納したパウチ2の横方向の長さは130mmとし、パウチ2の縦方向の長さは165mmとした。パウチ2には食品Fとしてカレーを収容した。
次に、図11に示すような比較例を準備した。図11は、比較例に係る包装箱3を展開した状態(箱原板30)を例示する。比較例に係る包装箱3は、実施例に係る包装箱1とほぼ同様に説明できる。図11における符号30〜34及び37は、それぞれ、図3における符号10〜14及び17に対応する。また、図11における符号311、321〜323、331〜333、341〜344、351、352、361、362、及び371は、それぞれ、図3における符号111、121〜123、131〜133、141〜144、151、152、161、162、及び171に対応する。更に、図11における符号wh1〜wh3、hh1、及び、hh2は、それぞれ、図3における符号w1〜w3、h1、及び、h2に対応する。
ただし、比較例に係る包装箱3の第4切り込み線342及び第5切り込み線343は、実施例に係る包装箱1とは異なり、直線状に形成される。また、ヒンジ部341の幅(wh1)は、114mmに設定される。第4切り込み線342及び第5切り込み線343の横方向の長さ(wh2、wh3)は、8mmに設定される。すなわち、第4切り込み線342の横方向の長さ(wh2)及び第5切り込み線343の横方向の長さ(wh3)は、背面板14の横方向の長さ(wh1+wh2+wh3=130mm)の6.2%に設定される。更に、また、蓋部の基本的な空間部分とヒンジ部341との間の長さ(hh2)は9mmとした。
そして、実施例1〜5及び比較例に係る包装箱1にパウチ2を図7に例示されるように設置し、電子レンジ(三菱電機株式会社、型番:RO−LE25、600W)で1分40秒間加熱して、加熱前と加熱後とのパウチ2の角度及び高さを確認した。結果は以下の表1に示される。なお、「通蒸時間」とは、パウチ2の蒸気口22から蒸気が噴出していた時間を示す。
当該結果より、実施例1〜5と比較例とを対比すると、第4切り込み線142の横方向の長さ(w2)及び第5切り込み線143の横方向の長さ(w3)を背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の10%以上となるように形成することで、パウチ2を保持する傾斜が良好に高くなることが示された。この場合、ヒンジ部141の幅(w1)は、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の80%以下となるように形成される。
なお、実施例1と比べて、実施例2〜5では、通蒸時において、比較的に安定したパウチ2の高さを得ることができた。そのため、パウチ2を保持する傾斜を更に良好に高くするために、第4切り込み線142の横方向の長さ(w2)及び第5切り込み線143の横方向の長さ(w3)は、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の15%以上となるように設定されてもよい。この場合、ヒンジ部141の幅(w1)は、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の70%以下となるように形成されてよい。
また、実施例1〜5と比較例とを対比すると、ヒンジ部141の幅(w1)を20mm以下にすると、包装箱1を開封する際にヒンジ部141に沿って背面板14が破れてしまい、本体部A1と蓋部A2とが分離してしまうケースが増えた。そのため、ヒンジ部141の幅(w1)は、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の15%以上となるように形成するのが好ましいことが分かった。この場合、第4切り込み線142の横方向の長さと第5切り込み線143の横方向の長さの和(w2+w3)が背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の85%以下となるように、第4切り込み線142及び第5切り込み線143は形成されてよい。
なお、図9で例示されるように、パウチ2が膨張することで生じる本体部A1の高さ方向の変形は、本体部A1の横方向の中央付近で生じやすい。ここで、本実施形態に係る包装箱1は、本体部A1の高さ方向の変形によって、蓋部A2が本体部A1を支持する傾斜が高くなることで、パウチ2の傾斜が高くなる。そのため、本体部A1の高さ方向の変形をパウチ2の傾斜の変化に効率よく伝えるためには、本体部A1の高さ方向の変形が生じやすい位置で蓋部A2が本体部A1を支持する、換言すると、本体部A1の横方向の中央付近にヒンジ部141が配置される、のが好ましい。そこで、第4切り込み線142の横方向の長さ(w2)及び第5切り込み線143の横方向の長さ(w3)は、それぞれ、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の50%未満となるように形成されてよい。
<内容物の噴出に関する評価>
次に、ヒンジ部141の幅(w1)を45mmとした実施例6の包装箱1と、比較例の包装箱3とで、内容物が噴出するか否かを検討した。
そして、実施例6の包装箱1及び比較例の包装箱3にそれぞれ内容物を変更したパウチ2を図7に例示されるように設置し、電子レンジ(パナソニック株式会社、型番:NE−EH212、750W)で加熱して、各々の内容物が噴出するか否かを試験した。結果は、以下の表2に示される。なお、「庫内飛散」とは、電子レンジ内に内容物が飛散したことを示す。「噴出」における「パウチ」の項は、蒸気口から噴出した内容物がパウチの蒸気口周辺部分に付着したことを示す。また、「包装箱」の項は、蒸気口から噴出した内容物が包装箱に付着したことを示す。パウチの内容物は、蒸気口から勢いよく噴出するほど、包装箱に付着しやすくなる。
当該結果より、実施例6と比較例とを比較すると、第4切り込み線142の横方向の長さ(w2)及び第5切り込み線143の横方向の長さ(w3)を背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の10%未満となるように形成すると(比較例1)、食品Fの噴出が生じやすく、パウチ2を保持する傾斜は良好に高くならないことが示された。
また、実施例6と比較例とを比較すると、第4切り込み線142及び第5切り込み線143を直線状に形成する場合に比べて、第4切り込み線142及び第5切り込み線143が背面板14の縦方向上側に凸となる弧状に形成する方が、蒸気口22からの噴出を良好に防止することが示された。
ここで、表1では、ヒンジ部141の幅(w1)が短いほど、加熱時のパウチの高さが高くなることが示されている。一方で、ヒンジ部141の幅を短くすると、ヒンジ部141の強度が低くなり、包装箱1を開封する際にヒンジ部141に沿って背面板14が破れてしまいやすくなる。
この点、表2により示される試験結果から、実施例6に係る包装箱1で、比較的に、様々な食品において、安定して当該食品の庫内飛散を抑えることができることが分かった。そのため、例えば、ヒンジ部141の幅(w1)を背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の30%〜40%の範囲で形成することで、ヒンジ部141の強度を確保しつつ、安定して食品の庫内飛散を抑えることができる。
このとき、第4切り込み線142の横方向の長さと第5切り込み線143の横方向の長さの和(w2+w3)が背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の60〜70%の範囲に含まれるように、第4切り込み線142及び第5切り込み線143は形成されてよい。更に、ヒンジ部141を背面板14の横方向の中央付近に配置するためには、第4切り込み線142の横方向の長さ(w2)及び第5切り込み線143の横方向の長さ(w3)は、例えば、それぞれ、背面板14の横方向の長さ(w1+w2+w3)の30〜35%の範囲で形成されてよい。
1…包装箱、10…箱原板、100…包装体、
11…正面板、111…第1切り込み線、
12…右側面板、121…第2切り込み線、122・123…フラップ、
13…左側面板、131…第3切り込み線、132・133…フラップ、
14…背面板、141…ヒンジ部、142…第4切り込み線、143…第5切り込み線、
144…切断部、
15…上面板、151…第1上面板用片、152…第2上面板用片、
16…底面板、161…第1底面板用片、162…第2底面板用片、
17…糊代片、171…糊代片用切り込み線、
2…パウチ、21…周辺部、22…蒸気口、221…ヒートシール、222…透孔、
F…食品、
A1…本体部、A2…蓋部

Claims (4)

  1. 上部付近に蒸気口を有し、電子レンジで加熱されるパウチを収納するための扁平状の包装箱であって、
    当該包装箱は、
    正面板と、
    前記正面板の横方向の右端に位置する右側面板と、
    前記正面板の横方向の左端に位置する左側面板と、
    前記正面板の縦方向の上端に位置する上面板と、
    前記正面板の縦方向の下端に位置する底面板と、
    前記正面板の高さ方向に対向する背面板と
    備え、
    前記正面板は、縦方向上側に、前記包装箱を開封するための第1切り込み線を有し、
    前記右側面板は、前記第1切り込み線と連続する第2切り込み線を有し、
    前記左側面板は、前記第1切り込み線と連続する第3切り込み線を有し、
    前記背面板は、ヒンジ部と、前記ヒンジ部の両端に配置された第4切り込み線及び第5切り込み線と、を有し、
    前記第4切り込み線は前記第2切り込み線と連続し、
    前記第5切り込み線は前記第3切り込み線と連続し、
    前記包装箱は、第1切り込み線、第2切り込み線、第3切り込み線、第4切り込み線、及び、第5切り込み線に沿って開封されることで、本体部と蓋部とに分かれ、
    前記本体部は、前記パウチを前記電子レンジで加熱する際に、前記パウチを保持し、
    前記蓋部は、前記背面板側領域で前記ヒンジ部により前記本体部と接続しており、前記ヒンジ部に沿って折り曲げられて、前記本体部の前記背面板側領域と接触することで、前記本体部を支え、
    前記本体部は、前記第4切り込み線及び前記第5切り込み線の横方向の長さがそれぞれ前記背面板の横方向の長さの10%以上であることにより、前記電子レンジで加熱されることで前記パウチが高さ方向に膨らんだ際に、高さ方向に変形するように構成され、当該変形により前記パウチを保持する傾斜を高くすることが可能となっており
    前記第4切り込み線及び前記第5切り込み線は、前記背面板の縦方向上側に凸となる弧状に形成され、
    前記ヒンジ部は、前記第4切り込み線が前記第2切り込み線と接続する位置、及び、前記第5切り込み線が前記第3切り込み線と接続する位置、よりも、前記背面板の縦方向下側に位置する、
    包装箱。
  2. 前記ヒンジ部は、前記背面板の横方向の中央付近に配置され、所定間隔をおいて配置された複数の切断部を有する、
    請求項1に記載の包装箱。
  3. 前記ヒンジ部の横方向の長さは、前記背面板の横方向の長さの15%以上である、
    請求項1又は2に記載の包装箱。
  4. 請求項1からのいずれか1項の包装箱を作成するための箱原板。
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