JP6192207B2 - バルクヘッドの形成方法及び形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば廃坑、老朽化した坑道、鉱山の地下採掘場などの地下空洞の充填を行う場合に用いられるバルクヘッドの形成方法及び形成装置に関する。
廃坑、老朽化した坑道、鉱山の地下採掘場などの地下空洞が地下で崩落すると、地盤沈下・地表の陥没や地上構造物の沈下等の悪影響が生ずるため、こうした地下空洞に充填材を充填して埋め戻す充填工法が行われている。このような充填工法では、地下空洞の全域に隈無く充填材を充填するのは非現実的であることから、地下空洞で問題のある対象領域に向かって地上からボーリング孔を穿孔し、対象領域に充填材を充填して埋め戻すことがなされる。
そして、充填工法で充填される充填材は流動性を有することから、対象領域に限定して充填材を充填すべく、充填対象領域の端部に流動性の低い充填材を注入して端部壁体を形成し、端部壁体で閉塞された空間に流動性の高い中詰充填材を充填する工法(特許文献1参照)、更には、充填材を注入する注入管の吐出孔を地下空洞の横断方向に向けて充填材を吐出させ、少ない充填材の量で端部壁体を形成して充填対象領域に充填材を充填する工法(特許文献2参照)が提案されている。
特開2002−81054号公報 特開2006−177073号公報
しかしながら、充填対象領域を閉塞する充填材は、流動性の度合いや吐出方向の調整が可能であるとしても、図11に示すように、ボーリング孔1に挿入された注入管2から地下空洞3に吐出された後は基本的には火山の溶岩が流れるようにゆるい勾配で円錐状に拡散し、最後には山状の充填材の塊4が形成される。そのため、所望の対象領域を閉塞せんとしても、充填材が必要以上に流れてしまうのは避けられない。
また、立坑から充填材の注入を行う場合、地上の作業位置からは充填状況が目視できず、充填材の圧送圧力や充填量で閉塞が完了したことを判断することになるが、充填材が投下させた位置近傍に傾斜やクラックがあれば、そこへも充填材が逸走している可能性もあるため、対象領域の閉塞が完了したか否かの判断も難しい。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、地下空洞の充填対象領域の端部など、所望の位置を閉塞するバルクヘッドを確実に形成することができると共に、最小限の充填材で経済的にバルクヘッドを形成することができるバルクヘッドの形成方法及びバルクヘッドの形成装置を提供することを目的とする。
本発明のバルクヘッドの形成方法は、地下空間の閉塞すべき箇所に、前記箇所をエアの供給で閉塞可能な大きさに復元可能であり且つ所定圧以上でエアを透過して排出する素材で形成されている袋体を折り畳み状態で配置する第1の工程と、前記袋体にエアを供給して膨張させる第2の工程と、前記袋体の膨張状態を保持しつつ前記袋体内に発泡性充填材を供給して、エアと置換するように前記袋体内に前記発泡性充填材を充填することにより、前記袋体が前記箇所の周囲に押し付けられたバルクヘッドを形成する第3の工程とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、折り畳んだ袋体をエアで膨張させエアと置換するように発泡性充填材を充填することにより、地下空洞の充填対象領域の端部など、所望の位置を閉塞するバルクヘッドを確実に形成することができる。また、発泡性充填材は袋体内に充填されるので、充填材が必要以上に使用されることが無くなり、最小限の充填材で経済的にバルクヘッドを形成することができる。また、地下空洞に傾斜やクラックがある場合でも充填材の逸走を防止することができ、適正な箇所へ充填材を充填することができる。また、所定圧以上で開口する弁等の手段を用いずとも、エアと置換するように発泡性充填材を充填することができる。
本発明のバルクヘッドの形成方法は、前記袋体が、段折り部を有するように折り畳まれていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば袋体の高さを閉塞箇所の高さより短くする等、比較的高さの低い箇所や狭い箇所にもきちんと入り込んで、確実に閉塞するように袋体を設置することができる。
本発明のバルクヘッドの形成方法は、前記第3工程において、前記発泡性充填材の供給過程における前記袋体内のエア圧をエア圧検知手段で検知して前記発泡性充填剤の供給過程のエア圧の変化を認識することを特徴とする。
この構成によれば、エア圧検知手段によるエア圧の変化を認識し、エア圧の変化に基づいてバルクヘッドの形成、閉塞状態を確認することができる。
本発明のバルクヘッド形成装置は、折り畳み状態で設けられ、エアの供給で膨張して所定の大きさに復元可能な袋体と、前記袋体内にエアを供給する送気管と、前記袋体内に発泡性充填材を供給する発泡性充填材注入管とを備え、前記袋体が、所定圧以上でエアを透過して排出する素材で形成されており、前記袋体内のエアを前記発泡性充填材の供給に応じて排出可能であることを特徴とする。
この構成によれば、折り畳んだ袋体をエアで膨張させエアと置換するように発泡性充填材を充填することが可能となり、地下空洞の充填対象領域の端部など、所望の位置を閉塞するバルクヘッドを確実に形成することができる。また、発泡性充填材は袋体内に充填されるので、充填材が必要以上に使用されることが無くなり、最小限の充填材で経済的にバルクヘッドを形成することができる。また、地下空洞に傾斜やクラックがある場合でも充填材の逸走を防止することができ、適正な箇所へ充填材を充填することができる。また、所定圧以上で開口する弁等の手段を用いずとも、エアと置換するように発泡性充填材を充填することができる。
本発明のバルクヘッド形成装置は、前記折り畳み状態の前記袋体を結束する結束手段と、前記結束を解放する解放手段とを有し、前記解放手段が、地上からの解放操作が可能であることを特徴とする。
この構成によれば、ボーリング孔内など、袋体の折り畳み状態の維持が必要な箇所では確実に折り畳み状態を維持することができると共に、閉塞すべき箇所では地上からの操作で結束状態を容易に解放することができる。
本発明のバルクヘッド形成装置は、前記袋体が、段折り部を有するように折り畳まれていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば袋体の高さを閉塞箇所の高さより短くする等、比較的高さの低い箇所や狭い箇所にもきちんと入り込んで、確実に閉塞するように袋体を設置することができる。
本発明のバルクヘッド形成装置は、前記発泡性充填材の供給過程における前記袋体内のエア圧を検知可能なエア圧検知手段を備えることを特徴とする。
この構成によれば、エア圧検知手段によるエア圧の変化を認識し、エア圧の変化に基づいてバルクヘッドの形成、閉塞状態を確認することができる。
本発明のバルクヘッド形成装置は、前記折り畳み状態の前記袋体を結束し、ミシン目を有する結束手段と、引掛部を有するワイヤーとを有し、前記ワイヤーが、前記送気管に挿通されて地上から引っ張り可能に配置され、且つ前記袋体近傍で前記送気管から取り出されて前記袋体と供に前記結束手段で結束され、前記引掛部が前記引っ張り動作で前記ミシン目に引っ掛かるように配置されることを特徴とする。
この構成によれば、ボーリング孔内など、袋体の折り畳み状態の維持が必要な箇所では確実に折り畳み状態を維持することができると共に、閉塞すべき箇所では地上からの操作で結束状態を容易に解放することができる。また、結束手段を解放するワイヤーを送気管に挿通することにより、送気管を有効利用して、ワイヤーの絡まりを防止することができる。
本発明によれば、地下空洞の充填対象領域の端部など、所望の位置を閉塞するバルクヘッドを確実に形成することができると共に、最小限の充填材で経済的にバルクヘッドを形成することができる。
(a)は充填工法の施工前の地下空洞を示す縦断面図、(b)は第1実施形態のバルクヘッド形成装置により地下空洞にバルクヘッドが形成された状態を示す縦断面図。 (a)は第1実施形態のバルクヘッド形成装置における膨らんだ状態の袋体を示す斜視図、(b)はその袋体を折り込んで注入管を取り付けた状態を示す要部正面図、(c)は同図(b)の袋体を巻いて切断ワイヤーと結束フィルムを取り付けた状態を示す要部斜視図。 第1実施形態のバルクヘッド形成装置で袋体を折り込んで注入管を取り付けた状態を示す縦断面図。 変形例のバルクヘッド形成装置で袋体を巻いて切断ワイヤーと結束バンドを取り付けた状態を示す要部斜視図。 (a)〜(d)は第1実施形態のバルクヘッドの形成方法の施工手順を示す縦断説明図。 第1実施形態のバルクヘッドの形成方法によるバルクヘッドで閉塞された充填対象領域に中詰充填材を充填する工程を示す縦断説明図。 第2実施形態のバルクヘッド形成装置で袋体を折り込んで注入管を取り付けた状態を示す縦断面図。 (a)は第2実施形態のバルクヘッドの形成方法におけるエア供給工程のバルクヘッドの形成装置を示す縦断説明図、(b)はその充填材の充填工程のバルクヘッドの形成装置を示す縦断説明図。 (a)〜(c)は第1実施形態のバルクヘッド形成装置の別の使用例を示す縦断説明図。 実施例の充填材の充填工程における時間と袋体内の圧力の関係を示すグラフ。 従来の注入方式で注入された充填対象領域の端部を閉塞する充填材の塊を示す縦断説明図。
〔第1実施形態のバルクヘッド形成装置及び形成方法〕
本発明による第1実施形態のバルクヘッド形成装置は、例えば図1に示すように、地山50に、地下空洞として既存の坑道51と坑道51の途中の上側にあいた上側空洞52がある場合に、上側空洞52を挟む坑道51の所定箇所にバルクヘッド30を形成する際に用いられる。このバルクヘッド30の形成では、地山50に地表面からボーリングマシーン41でボーリング孔53を坑道51に到達するまで穿孔し、このボーリング孔53から後述するバルクヘッド形成装置の袋体11、送気管12、発泡性充填材注入管13等を坑道51に降下し、中詰充填材の充填対象領域の端部である閉塞すべき所定箇所に配置する。そして、後述する袋体11内へのエア供給、エアと置換しての発泡性充填材の充填により、所定箇所にバルクヘッド30を形成する。
バルクヘッド30の形成後には、バルクヘッド30・30で閉塞された充填対象領域、本例では上側空洞52とその下側で端部を閉塞されている坑道51にセメント等の中詰充填材を充填する。中詰充填材の充填では、地山50に、地表面からボーリングマシーン41で上側空洞52に到達するまでボーリング孔を穿孔し、このボーリング孔を介して充填対象領域に中詰充填材を充填する。図1(b)の二点鎖線の矢印Cは、中詰充填材の充填方向を示している。
第1実施形態のバルクヘッド形成装置は、図2及び図3に示すように、折り畳み状態で設けられ、エアの供給で膨張して所定の大きさに復元可能な袋体11と、袋体11内にエアを供給する送気管12と、袋体11内に発泡性充填材を供給する発泡性充填材注入管13を有する。
袋体11は、供給され袋体11内にたまったエアを発泡性充填材の供給に応じて置換するように排出可能で、アクリルコートナイロン等の所定圧以上でエアを透過して排出する素材で形成されており、例えば420デニール、耐圧力0.5Mpa等のアクリルコートナイロン生地等とすると好ましい。
袋体11は、膨らんだ状態において例えば略直方体又は略立方体の形状であり、上面に注入口111が設けられ、段折り部112を有するように折り畳まれる。図示例の袋体11は、2.5m×2.5m×2.5mの立方体形状であり、注入口111の部分に布が縫い付けられている。尚、袋体11の形状・サイズは、坑道51等の空洞の形状が多少いびつでも追随できるものが好ましい。
送気管12は、先端側を注入口111から袋体11内に挿入して設けられており、袋体11を設置位置まで吊り下げられる強度を有する。送気管12の先端側における袋体11内に位置する箇所にはエア吐出孔121が形成されていると共に、その先端には逆止弁122が設けられ、エアの逆流を防止しつつ先端からもエアが吐出可能になっている。尚、送気管12の先端を閉塞してエア吐出孔121のみからエアを吐出する構成、或いはエア吐出孔121を設けずに、逆止弁122を有する送気管12の先端開口のみからエアを吐出する構成とすることも可能である。
送気管12の先端側における袋体11近傍で袋体11外に位置する箇所には、後述する送気管12に挿通されるワイヤー15の先端側を取り出すワイヤー取出孔123が形成されている。送気管12の後端側は、エアの供給時にはエアの供給ポンプに接続され、送気管12から袋体11内にエアが供給される。
発泡性充填材注入管13は、第1注入管131、第2注入管132、ミキシングユニット133、塩化ビニル等の合流管134で構成され、第1注入管131と第2注入管132の各先端がミキシングユニット133に接続されると共に、合流管134の後端がミキシングユニット133に接続される。合流管134の先端側は注入口111から袋体11内に挿入して設けられ、合流管134の先端開口から袋体11内に発泡性充填材を注入可能になっている。
発泡性充填材の供給時には、例えば2液混合タイプの発泡ウレタン等の発泡性充填材が用いられ、注入ポンプにより、第1注入管131からウレタンA液等の第1の原液が供給され、第2注入管132からウレタンB液等の第2の原液が供給され、第1の原液と第2の原液がミキシングユニット133で混合され、混合液となった発泡性充填材が合流管134から袋体11内に供給される。
そして、送気管12、発泡性充填材注入管13を取り付けられて折り畳まれた袋体11が、細く巻かれると共に、送気管12の後端開口近傍から袋体11の下端近傍まで延びる長さを有するワイヤー15が送気管12に挿通され、ワイヤー取出孔123から先端側を取り出され、ワイヤー15の先端側が巻かれた袋体11の側面に添うように配置される。ワイヤー15は送気管12に挿通されることにより、送気管を有効利用しつつ、絡まりが防止されている。また、ワイヤー15の先端は外側に鈎状に曲げられた引掛部151になっている。この状態で袋体11を結束する結束手段である結束フィルム14により袋体11とワイヤー15が供に結束される。
結束フィルム14は、ワイヤー15の延びる方向に沿ってミシン目を有し、送気管12の後端開口からワイヤー15を引っ張って引掛部151を上昇させると、引掛部151がミシン目に引っ掛かってミシン目に沿って結束フィルム14が切断され、袋体11の結束が解放されるようになっている。即ち、ワイヤー15は、袋体11の結束を解放する解放手段であり、地上からの解放操作が可能になっている。
尚、結束手段は、折り畳み状態の袋体11を結束可能なものであれば適宜であり、例えば図4に示すようなミシン目を有する結束バンド14aとし、結束バンド14aで袋体11とワイヤー15を結束するようにしてもよい。また、ワイヤー15は送気管12に挿通してワイヤー取出孔123から取り出す構成以外にも、例えば送気管12とは別に袋体11を設置位置まで吊り下げられるガイド管を設け、このガイド管に絡まりが防止されるようにワイヤー15を挿通し、袋体11の近傍でワイヤー取出孔から取り出す構成や、送気管12或いはガイド管に挿通せずに露出してワイヤー15を設け、袋体11の側面に添うように配置する構成とすることも可能である。
また、折り畳み状態の袋体11の結束を解放する解放手段はワイヤー15以外にも適宜であり、例えば結束フィルム14若しくは結束バンド14aのミシン目間の領域の下端に固着された紐若しくはテープを解放手段とし、これを送気管12に挿通して若しくは送気管12とは別に設け、引っ張ることによりミシン目間の領域が切断されて結束が解放されるようにすることも可能である。
第1実施形態のバルクヘッド形成装置でバルクヘッド30を形成する際には、袋体11の送気管12、発泡性充填材注入管13を取り付け、これらの管を芯として折り畳み状態の袋体11を巻き、巻いた袋体11とワイヤー15を結束フィルム14又は結束バンド14aで結束したバルクヘッド形成装置を用い、図5に示すように、このバルクヘッド形成装置の送気管12にエアホース12mを接続すると共に、発泡性充填材注入管13に注入ホース13mを接続、換言すれば第1注入管131、第2注入管132に第1注入ホース、第2注入ホースを各々接続する。尚、送気管12へのエアホース12mの接続においては、ワイヤー15が接続される各エアホース12m内に挿通される。
そして、例えば地山50の土被り30m程度で高さ2m×幅2m等の坑道51について、エアホース12m、注入ホース13mを数m間隔で連結しながら、坑道51を閉塞可能な大きさに復元可能な袋体11が折り畳み状態で巻かれているバルクヘッド形成装置を、地上から穿孔したボーリング孔53内を坑道51内まで下げて所定箇所に配置する(図5(a)参照)。
その後、送気管12及びエアホース12mを挿通されているワイヤー15を地上に位置するエアホース12mの開口から引き上げ、結束フィルム14又は結束バンド14aのミシン目をワイヤー15の引掛部151で切断し、袋体11の結束を解放する(図5(b)参照)。
次いで、エアの供給ポンプからエアホース12m及び送気管12を介して袋体11内にエアAを供給し、供給されるエアAによって段折り部112が開いて袋体11が膨張し、袋体11は数秒程度で坑道51の所定箇所を閉塞するように膨らんで定置される(図5(c)参照)。供給するエアAの圧力は、袋体11の耐圧力以下とし、袋体11が周囲を押し付けるように膨張して定置されればよいので耐圧力を超える加圧は不要である。
その後、袋体11内へのエアAの供給を継続して袋体11の膨張状態を保持しつつ、注入ポンプから注入ホース13m及び発泡性充填材注入管13を介して発泡性充填材を所定量注入し、例えば第1注入管131から供給されるウレタンA液等と、第2注入管132から供給されるウレタンB液等がミキシングユニット133で混合され、混合液となった発泡性充填材Uが合流管134から袋体11内に所定量供給される。
そして、ウレタン等の発泡性充填材Uの発泡圧により、ナイロン布製等の袋体11の目からエアAが排出され、エアAと置換されるように発泡性充填材Uが充填され、袋体11が坑道51の所定箇所の周囲に押し付けられたバルクヘッド30が形成される(図5(d)参照)。この際、袋体11を一旦エアAできちんと膨らませ、膨らんだ状態でウレタン等の発泡性充填材Uの注入を行うので、バランス良く略均等に周囲に拡がって所定箇所の閉塞を確実に行うバルクヘッド30を得ることができる。尚、バルクヘッド30は坑道11を気密に間仕切る必要はなく、中詰充填材C1等の流出を防止できる程度に閉塞できればよい。
好適には、例えばエアホース12mに圧力計を設置する等により、発泡性充填材Uの供給過程における袋体11内のエア圧を検知可能なエア圧検知手段を設け、エア圧検知手段によるエア圧の変化を認識し、エア圧の変化に基づいてバルクヘッド30の形成、閉塞状態を確認するようにするとよい。即ち、発泡性充填材Uの注入時には、袋体11内のエアAは徐々に発泡性充填材Uと置換され、完全に袋体11内に発泡性充填材Uが充填され、バルクヘッド30が形成されると、図10に示すように、圧力(エア圧)が急激に上昇するため、エア圧検知手段により、バルクヘッド30の形成、閉塞状態を確認することが可能である。
その後、図6に示すように、前述のバルクヘッド30による閉塞箇所と、上側空洞52を挟むように配置される坑道51の別の箇所に、同様にバルクヘッド30を形成することにより、少なくとも2箇所にバルクヘッド30を形成する。そして、バルクヘッド30で閉塞される充填対象領域、図6の例では、バルクヘッド30・30間の坑道11と上側空洞52に対して中詰充填材C1を充填する。中詰充填材C1の充填では、地上から上側空洞52までボーリング孔54を穿孔し、そこに挿設する注入管42を介して既存の中詰充填材を注入する。
第1実施形態によれば、折り畳んだ袋体11をエアAで膨張させエアAと置換するように発泡性充填材Uを充填することが可能となり、地下空洞の充填対象領域の端部など、所望の位置を閉塞するバルクヘッド30を確実に形成することができる。また、発泡性充填材Uは袋体11内に充填されるので、充填材が必要以上に使用されることが無く、最小限の充填材で経済的にバルクヘッド30を形成することができる。また、地下空洞に傾斜やクラックがある場合でも充填材の逸走を防止することができ、適正な箇所へ充填材を充填することができる。
また、結束フィルム14或いは結束バンド14aと、解放手段であるワイヤー15により、ボーリング孔53内など、袋体11の折り畳み状態の維持が必要な箇所では確実に折り畳み状態を維持することができると共に、閉塞すべき箇所では地上からの操作で結束状態を容易に解放することができる。
また、袋体11を所定圧以上でエアを透過して排出する素材で形成することにより、所定圧以上で開口する弁等の手段を用いずとも、エアと置換するように発泡性充填材を充填することができる。また、袋体11を段折り部112を有するように折り畳むことにより、例えば袋体11の高さを閉塞箇所の高さより短くする等、比較的高さの低い箇所や狭い箇所にもきちんと入り込んで、確実に閉塞するように袋体11を設置することができる。
〔第2実施形態のバルクヘッド形成装置及び形成方法〕
第2実施形態のバルクヘッド形成装置は、図7に示すように、袋体11aが非通気性の素材で形成されており、袋体11aの注入口111には排気管21が設けられている。排気管21の袋体11内に配置される一方の端部には所定圧力で開放する定圧開放弁の排気バルブ211が設けられており、袋体11外に位置する他方の端部の先端開口は排気口212になっている。その他の構成や変形例は第1実施形態のバルクヘッド形成装置と同様である。
第2実施形態のバルクヘッド形成装置でバルクヘッドを形成する工程順も、基本的に第1実施形態と同様であるが、図8(a)に示すように、エア供給時に送気管12を介して供給されるエアAの過剰分は排気バルブ211の開放により排気口212から外部に排出されるようになっている。
その後、図8(b)に示すように、袋体11aの膨張状態を保持しつつ袋体11a内に発泡性充填材Uを供給する際には、少なくとも袋体11aの膨張状態を保持可能なエア圧を送気管12を介して袋体11内に加え、この状態で発泡性充填材Uを供給し、エアAと置換するように袋体11内に発泡性充填材Uを充填することにより、バルクヘッド30を形成する。発泡性充填材Uの充填時にも、排気バルブ211が開放されて袋体11内のエアAが排気口212から外部に排出される。
尚、第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、発泡性充填材Uの供給過程における袋体11内のエア圧を検知可能なエア圧検知手段を設け、エア圧検知手段によるエア圧の変化を認識し、エア圧の変化に基づいてバルクヘッド30の形成、閉塞状態を確認するようにすると好ましい。その他の構成や変形例は第1実施形態のバルクヘッドの形成方法と同様である。
第2実施形態によれば、エアAと置換しての発泡性充填材Uの充填を確保しつつ、非通気性の多様な素材で袋体11を形成することが可能となる。その他、第1実施形態と対応する構成から対応する効果を奏する。
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明は、各発明、各実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含むものであり、下記変形例も包含する。
本発明のバルクヘッド形成装置或いはバルクヘッドの形成方法の用途は地下空洞の充填以外にも適宜であり、例えば立杭の埋め戻し等に用いることが可能である。即ち、鉱山では既存の坑道と同程度の径の立坑が複数配置していることがあるが、これらの立杭に袋体11を降ろして所定位置にバルクヘッド30を形成する。
立杭にバルクヘッド30を形成して埋め戻す場合、例えば図9に示すように、立杭55の所定位置までバルクヘッド形成装置の袋体11を降下させ、所定位置で結束フィルム14等の結束手段をワイヤー15で解放し、送気管12を介してエア供給して袋体11を膨張させ、膨張状態を保持しつつ発泡性充填材注入管13から発泡性充填材を注入して、立杭55の所定位置に発泡性充填材Uが充填されたバルクヘッド30を形成する。その後、立杭55のバルクヘッド30で閉塞された位置の上側に注入管43から埋戻用充填材C2を注入して立杭55を埋め戻す。
また、バルクヘッド30は地下空洞等の地下空間の適宜の位置に形成することが可能であり、例えば坑道51の途中以外に、坑道51の距離が短い場合には、坑道51の入口と出口にバルクヘッド30を形成してもよく、更に、出入口をバルクヘッド30で閉塞した坑道51について、必要に応じて坑道51の全長に亘って中詰充填材C1を充填するようにしてもよい。
本発明は、例えば廃坑、老朽化した坑道、鉱山の地下採掘場などの地下空洞の充填を行う場合や、立杭の埋め戻しを行う場合等に利用することができる。
1…ボーリング孔 2…注入管 3…地下空洞 4…山状の充填材の塊 11、11a…袋体 111…注入口 112…段折り部 12…送気管 121…エア吐出孔 122…逆止弁 123…ワイヤー取出孔 12m…エアホース 13…発泡性充填材注入管 131…第1注入管 132…第2注入管 133…ミキシングユニット 134…合流管 13m…注入ホース 14…結束フィルム 14a…結束バンド 15…ワイヤー 151…引掛部 21…排気管 211…排気バルブ 212…排気口 30…バルクヘッド 41…ボーリングマシーン 42、43…注入管 50…地山 51…坑道 52…上側空洞 53、54…ボーリング孔 55…立杭 A…エア U…発泡性充填材 C…中詰充填材の充填方向 C1…中詰充填材 C2…埋戻用充填材

Claims (8)

  1. 地下空間の閉塞すべき箇所に、前記箇所をエアの供給で閉塞可能な大きさに復元可能であり且つ所定圧以上でエアを透過して排出する素材で形成されている袋体を折り畳み状態で配置する第1の工程と、
    前記袋体にエアを供給して膨張させる第2の工程と、
    前記袋体の膨張状態を保持しつつ前記袋体内に発泡性充填材を供給して、エアと置換するように前記袋体内に前記発泡性充填材を充填することにより、前記袋体が前記箇所の周囲に押し付けられたバルクヘッドを形成する第3の工程と、
    を備えることを特徴とするバルクヘッドの形成方法。
  2. 前記袋体が、段折り部を有するように折り畳まれていることを特徴とする請求項1記載のバルクヘッドの形成方法。
  3. 前記第3工程において、前記発泡性充填材の供給過程における前記袋体内のエア圧をエア圧検知手段で検知して前記発泡性充填剤の供給過程のエア圧の変化を認識することを特徴とする請求項1又は2記載のバルクヘッドの形成方法。
  4. 折り畳み状態で設けられ、エアの供給で膨張して所定の大きさに復元可能な袋体と、
    前記袋体内にエアを供給する送気管と、
    前記袋体内に発泡性充填材を供給する発泡性充填材注入管とを備え、
    前記袋体が、所定圧以上でエアを透過して排出する素材で形成されており、前記袋体内のエアを前記発泡性充填材の供給に応じて排出可能である
    ことを特徴とするバルクヘッド形成装置。
  5. 前記折り畳み状態の前記袋体を結束する結束手段と、
    前記結束を解放する解放手段とを有し、
    前記解放手段が、地上からの解放操作が可能である
    ことを特徴とする請求項記載のバルクヘッド形成装置。
  6. 前記袋体が、段折り部を有するように折り畳まれていることを特徴とする請求項4又は5記載のバルクヘッド形成装置。
  7. 前記発泡性充填材の供給過程における前記袋体内のエア圧を検知可能なエア圧検知手段を備えることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のバルクヘッド形成装置。
  8. 前記折り畳み状態の前記袋体を結束し、ミシン目を有する結束手段と、
    引掛部を有するワイヤーとを有し、
    前記ワイヤーが、前記送気管に挿通されて地上から引っ張り可能に配置され、且つ前記袋体近傍で前記送気管から取り出されて前記袋体と供に前記結束手段で結束され、
    前記引掛部が前記引っ張り動作で前記ミシン目に引っ掛かるように配置される
    ことを特徴とする請求項4〜7の何れかに記載のバルクヘッド形成装置。
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