JP6192080B2 - 電動機、掻上げ部材、およびロータ - Google Patents

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Description

本発明は、電動機、掻上げ部材、およびロータに関する。
鉄道、車両、産業機器などの分野で、電動機は多方面にわたって使用されている。
本技術分野の背景技術として、特開2011−120417号公報(特許文献1)がある。この公報には、「ロータ20と一体回転してオイル貯留部に貯留されたオイルの掻き上げを行う掻き上げ部材30を備え、掻き上げ部材30が、ステータ10に対して軸方向一方側であってステータコア11の内周対向面より径方向外側に位置する本体部31を備える。」と記載されている(要約書参照)。
また、本技術分野の背景技術として、特開2010−60026号公報(特許文献2)がある。この公報には、「内部が中空に形成されるとともに、この内部に潤滑油を導入可能な連通開口58と連通開口58を介して内部に流れ込んだ潤滑油を排出可能な開口部56cとが形成された掻き上げ歯56を有する掻き上げリング50を、ロータ24の内周面に圧入により取り付ける。これにより、ロータ24が回転すると、掻き上げ歯56内に潤滑油を溜め込みながら潤滑油を掻き上げる。この結果、より多くの潤滑油を掻き上げることができる。しかも、掻き上げ歯56を中空に形成するだけだから、潤滑油を掻き上げる際のフリクション増加を抑えながら潤滑油を効率良く掻き上げることができる。」と記載されている(要約書参照)。
さらに、本技術分野の背景技術として、国際公開第2010/067426号(特許文献3)がある。この公報には、「周方向両側側面80a,80bと径方向端面80cとを有して回転軸12の径方向外側に突出する突極部80が、周方向に所定の間隔で配列されたロータ18を備え、ロータ18を収容するモータ室10aに潤滑油および空気が存在する状態で作動する回転電機であって、突極部80には、ロータ18の回転時に潤滑油および空気が周方向一方側面80aに形成された開口部81aから周方向他方側面80bに形成された開口部81bへと通り抜ける流体通路90が形成されている。」と記載されている(要約書参照)。
特開2011−120417号公報 特開2010−60026号公報 国際公開第2010/067426号 特開2009−261137号公報
インナーロータ型などの電動機においては、そのハウジング内に冷却油を導入し、内蔵のコイルを冷却することが行われる。しかし、この場合、冷却油はハウジング内の下側に滞留してしまうため、電動機の下側に位置するコイルは冷却することはできても、上側に位置するコイルは、冷却油が行き渡らずに充分に冷却できない。
そこで、前記特許文献1〜3などにおいては、掻き上げ部材、掻き上げリング、突極部などをロータに取り付けて、これらの部材で冷却油を掻き上げるようにしている点が記載されている。
しかしながら、比較的単純な板状をなしている掻き上げ部材、掻き上げリング、突極部などを用いて冷却油を掻き上げても、充分な量の冷却油を上側のコイルに供給することができない。
そこで、本発明は、電動機のコイルに充分な冷却油を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態は、ロータの回転軸方向の側部側に設けられていて、当該ロータの回転に連れ回りして冷却油を掻き上げる掻上げ部材には、前記回転軸の径方向の内側の周面または軸方向の側面を前記冷却油の入口となる開口とする凹部が形成され、当該凹部内に前記径方向の内側から外側にかけて貫通する導油孔が形成されている。
本発明によれば、電動機のコイルに充分な冷却油を提供することができる電動機および掻上げ部材を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の実施例1にかかる電動機の縦断面図である。 図2(a)は、本発明の実施例1にかかる電動機の右側部分の拡大縦断面図である。図2(b)は、図2(a)のA−A線切断断面図である。 図3は、本発明の実施例1にかかる掻上げ部材を縦に切断し、径方向の内側から見た図である。図3(a)〜図3(e)は、それぞれ掻上げ部材の異なる構成例を図示している。 図4(a)、図4(b)は、それぞれ実施例1の変形例である電動機の掻上げ部材上部の部分拡大縦断面図である。 図5(a)は、実施例1の変形例である電動機の右側部分の拡大縦断面図であり、図5(b)は、図5(a)のB−B線切断断面図である。 図6(a)は、実施例1の変形例である電動機の右側部分の拡大縦断面図であり、図6(b)は、図6(a)のC−C線切断断面図である。 図7は、実施例1の変形例である電動機の右側部分の拡大縦断面図である。 図8(a)は、実施例2にかかる電動機の右側部分の縦断面図である。図8(b)は、図8(a)のD−D線切断断面図である。 図9は、実施例2にかかる掻上げ部材を縦に切断し、径方向の内側から見た図である。 図10(a)は、実施例3にかかる電動機の右側部分の縦断面図である。図10(b)は、図10(a)のE−E線切断断面図である。 図11は、実施例3にかかる掻上げ部材を縦に切断し、径方向の内側から見た図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
なお、本明細書および図面におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は所定平面内の軸とし、Z軸は当該所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」(鉛直上方)がZ軸の矢印方向で「下」(鉛直下方)がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」が紙面に直交する手前方向であってY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
本実施例では、円環状の掻上げ部材により電動機のコイルに充分な冷却油を提供することができる電動機の例を説明する。
図1は、本実施例にかかる電動機の縦断面図である。
この電動機10は、例えば、かご型三相誘導モータであり、ロータ(ロータ本体)11と、ロータ11を取り囲むステータ21と、ロータ11およびステータ21を収納するハウジング31とを備えている。すなわち、電動機10は、インナーロータ型の電動機である。
ロータ11は、回転軸12に固定されたロータコア13と、ロータコア13の外周面をくり抜いて嵌め込まれている、電流を流すための銅バー14と、銅バー14をロータコア13に固定するためにロータコア13の左右から嵌め込まれたエンドリング15とを備えている。
ステータ21は、ハウジング31の内周面34に形成されたコアバック24と、ハウジング31の内周面34に周方向に等間隔で複数個並べて設けられたティース22と、ティース22に巻き付けられているコイル(コイル胴部)23とを備えている。コアバック24は、ティース22を支持し、コイル23に流れる電流により生じる磁力線の通り道となる。各ティース22の左右に飛び出しているのは、コイル23の左右の端部(コイル端部)23aである。
ハウジング31は、ステータ21の一部を構成している。ハウジング31は、その内周面34にコアバック24が形成されているハウジング胴体32と、ハウジング胴体32の左右両側にそれぞれ固定されたエンドブラケット33とを備えている。左右のエンドブラケットには、それぞれ軸受37が設けられ、回転軸12を回転自在に軸受している。
このような基本構成を備えた電動機10は、コイル23に電流を流してステータ21側に磁場を発生させ、その電流の調整で当該磁場を電動機10の周方向に回転するように発生させると、電磁誘導により銅バー14に電流が誘起される。そして、電動機10において、さらに磁場を回転させ続けると、銅バー14に流れる電流が当該磁場を横切ることになるので、銅バー14に電磁力が働き、ロータ11が回転する。
電動機10のハウジング31内には、を冷却するための冷却油41が収納されている。この冷却油41は、ハウジング31内の下側に滞留している。
ロータ11の右側のロータコア13には、回転軸12の軸方向の右側部側に掻上げ部材51が設けられている。同様に、左側のロータコア13にも、回転軸12の軸方向の左側部側に掻上げ部材51が設けられている。各掻上げ部材51は、ロータコア13に固定された複数本の支持部材52に支持されている。掻上げ部材51の径サイズは、ロータ11の径サイズより大きく、掻上げ部材51の下側は冷却油41に浸かっている。掻上げ部材51は、ロータ11の回転に連れ回りして冷却油41を掻き上げる機能を有する。
ここで、掻上げ部材51が比較的単純な平板状などの部材であると、十分な量の冷却油41を掻き上げて、的確にコイル23に供給することにより、コイル23を十分に冷却することはできない。そのため、十分な量の冷却油41を掻き上げて、的確にコイル23に供給することができる構成の掻上げ部材51が必要である。以下では、それを可能とする掻上げ部材51などについて説明する。
まず、図2(a)は、電動機10の右側部分の拡大縦断面図である。図2(b)は、図2(a)のA−A線切断断面図である。図2(a)の断面図は、掻上げ部材51を上下方向に切断した断面を示している。また、図3は、掻上げ部材51を縦に切断し、径方向の内側から見た図である。図3(a)〜図3(e)は、それぞれ掻上げ部材51の異なる構成例を図示している。
図2(b)の断面形状は、図3(a)に示す掻上げ部材51の断面形状を図示している。
図3の何れの例においても、掻上げ部材51は、回転軸12の径方向の内側の周面または軸方向の側面(図3(b)〜図3(e)の例は、いずれも内側の周面57、図3(a)の例では内側の周面全体)に、冷却油41の入口となる開口53とする凹部54が形成されている。また、当該凹部54内に回転軸12の径方向の内側から外側にかけて貫通する導油孔55が所定間隔で複数個形成されている。
よって、ロータ11の回転に連れ回りして回転する掻上げ部材51は、冷却油41に浸かることで、開口53から冷却油41が流入し、この冷却油41を凹部54で掬う。そして、掻上げ部材51の回転とともに、凹部54内の冷却油41は上方に引き上げられ、遠心力により導油孔55から回転軸12の径方向外側に放出される。
このように、凹部54により掬って冷却油41を汲み上げ、この冷却油41を遠心力により導油孔55から回転軸12の径方向外側に放出するので、充分な量の冷却油41をコイル23(特にコイル端部23a)に供給し、上側のコイル23も充分に冷却することができる。
また、掻上げ部材51は、回転軸12の径方向の外側の周面56(内側の周面57とは反対側の面)の冷却油41と触れる部分が、回転軸12の軸方向の断面形状は導油孔55の形成部以外については全周にわたって同一である。そして、周面56の冷却油41と触れる部分は、掻上げ部材51の回転中心(回転軸12の軸心)から等距離である。
よって、掻上げ部材51の回転により、掻上げ部材51の冷却油41に次々と浸かり込む部分の表面形状や大きさ、冷却油41に潜り込む深さなどは常に一定である。そのため、掻上げ部材51が回転する際に冷却油41から受ける抵抗を比較的小さくすることができ、ロータ11の回転を良好に維持することができる。
図3(a)〜図3(e)の例の掻上げ部材51は、いずれも環状の部材であり、内部が中空で、もって凹部54を形成している。
図3(a)の例は、図1、図2に図示している掻上げ部材51の例であり、掻上げ部材51における回転軸12の軸方向断面形状が矩形状であり、凹部54の内表面の断面形状も矩形状である。
図3(b)〜図3(e)の例は、いずれも、掻上げ部材51における回転軸12の軸方向断面形状が略円形状であり、凹部54の内表面の断面形状も略円形状である。
図3(b)の例と比べて、図3(c)〜図3(e)の例は、開口53の幅が拡く、また、開口53は内側から外側に向かって拡大するような形状になっている。
そのため、図3(b)の例と比べて、図3(c)〜図3(e)の例は、一気に大量の油を凹部54で汲み上げることができる。
図3(d)の例は、凹部54内が、導油孔55同士の間に形成された仕切部材58により仕切られている。
そのため、図3(d)の例では、仕切部材58により冷却油41を持ち上げることができるので、他の例に比べて大量の冷却油41を掻き上げることができる。
また、図3(e)の例では、掻上げ部材51の径方向の内側(凹部54側)から外側に向かう導油孔55の向きがステータ21のコイル23(コイル端部23a)側に向いている。
そのため、図3(e)の例では、コイル23(コイル端部23a)に向けて的確に冷却油41を供給し、効果的にコイル23(コイル端部23a)を冷却することができる。
次に、図1に戻り、ハウジング31内に収容された冷却油41の液面41aはロータ11の外周面に達しない高さに設定されている。
そのため、ロータ11は、冷却油41には直接接触せず、冷却油41から直接的に抵抗を受けることがないので、ロータ11の回転を良好に維持することができる。
図4(a)、図4(b)は、本実施例の変形例である電動機10の掻上げ部材51上部の部分拡大縦断面図である。図4(a)の例では、掻上げ部材51上部のハウジング31の内周面34から張り出させた傾斜面である反射部61を設けている。この反射部61は、掻上げ部材51から遠心力で飛び出した冷却油41を反射してコイル23(コイル端部23a)に供給するための部材である。
また、図4(b)の例では、掻上げ部材51上部のハウジング31の内周面34に凹部を形成して、反射部62としている。この反射部62も、掻上げ部材51から遠心力で飛び出した冷却油41を反射してコイル23(コイル端部23a)に供給するための部材である。
反射部61の例も、反射部62の例も、取り付け位置や傾斜角度を適切に調節することにより、掻上げ部材51から飛び出した冷却油41を反射してコイル23(コイル端部23a)に供給することで、コイル23(コイル端部23a)を効果的に冷却することができる。
図5(a)は、本実施例の変形例である電動機10の右側部分の拡大縦断面図であり、図5(b)は、図5(a)のB−B線切断断面図である。図5の例では、ハウジング31の内周面34の隣り合うティース22同士の間のステータスロット35には、冷却油41をコイル(コイル胴部)23に供給する微細な溝71が形成されている。図5(a)、図5(b)には、左右方向に一直線に延びる溝71のみを図示しているが、この溝71は、コイル(コイル胴部)23の近くに冷却油41を導けるように適宜枝分かれさせ、また、一か所のステータスロット35に複数本形成するなどしてもよい。
このような微細な溝71を形成することで、冷却油41は毛細管現象によりコイル(コイル胴部)23近傍に供給され、コイル(コイル胴部)23を充分に冷却することができる。
図6(a)は、本実施例の変形例である電動機10の右側部分の拡大縦断面図であり、図6(b)は、図6(a)のC−C線切断断面図である。図6の例では、ハウジング31の内周面34の隣り合うティース22同士の間のステータスロット35には、ロータ11側に張り出した張出し部81が形成されている。この張出し部81のロータ11側の先端部82は、掻上げ部材51側からロータ11のコイル23側に向かって(図6(a)の例では、右側から左側に向かって)ロータ11に漸次近づくように、張出し高さが漸次高く(厚さが増すように)なっている。すなわち、電動機10の上側においては、先端部82は、掻上げ部材51側からロータ11のコイル23側に向かって下り傾斜している。
このような張出し部81を冷却油41に浸かっていないステータスロット35に設けることで、掻上げ部材51から飛ばされて張出し部81に付着した冷却油41は、先端部82の傾斜によって、掻上げ部材51側からロータ11のコイル23側に向かって先端部82を伝って流れていくので、冷却油41はコイル(コイル胴部)23近傍に供給され、コイル(コイル胴部)23を充分に冷却することができる。
なお、図5の溝71も、図6の張出し部81も冷却油41に浸かっていないハウジング31の内周面34の上側のみに形成するようにしてもよいし、内周面34の全周にわたって形成するようにしてもよい。
図7は、本実施例の変形例である電動機10の右側部分の拡大縦断面図である。図7の例では、冷却油41が滞留している下方のハウジング31に冷却装置91が設けられている。この冷却装置91は、ハウジング31に冷却水などの冷媒を流通して冷却するために冷媒が流通する流路として構成することができる。あるいは、冷却装置91は、ハウジング31の外周面に形成された冷却フィンで構成され、電動機10の外部を流通する空気により空冷によりハウジング31を冷却する構成としてもよい。
そして、冷却装置91の上方の冷却油41内には、ハウジング31の内周面34に冷却フィン92が設けられている。
これにより、冷却装置91が冷却フィン92を冷却する。一方、掻上げ部材51は冷却油41を掻き上げる機能のみならず、冷却油41を攪拌する機能も有する。そして、冷却油41が攪拌されることも利用し、冷却フィン92が冷却油41を効果的に冷却することができる。
本実施例では、円板状の掻上げ部材により電動機のコイルに充分な冷却油を提供することができる電動機の例を説明する。
図8(a)は、本実施例の電動機100の右側部分の縦断面図である。図8(b)は、図8(a)のD−D線切断断面図である。本実施例が実施例1と異なるのは、掻上げ部材51に代えて掻上げ部材111が設けられている点であり、その他の実施例1の電動機10と共通の部材などには、実施例1の場合と同一の符号を図面に付し、詳細な説明は省略する。図9は、掻上げ部材111を縦に切断し、径方向の内側から見た図である。
掻上げ部材111は、回転軸12の径方向の内側の周面または軸方向の面(本例は、軸方向の側面112)を冷却油41の入口となる開口113とする凹部114が形成され、当該凹部114内に回転軸12の径方向の内側から外側にかけて貫通する導油孔115が所定間隔で複数個形成されている。
よって、ロータ11の回転に連れ回りして回転する掻上げ部材111は、冷却油41に浸かることで、開口113から冷却油が流入し、この冷却油41を凹部114で掬う。そして、掻上げ部材111の回転とともに、凹部114内の冷却油41は上方に引き上げられ、遠心力により導油孔115から回転軸12の径方向外側に放出される。
このように、凹部114により掬って冷却油を汲み上げ、この冷却油を遠心力により導油孔115から回転軸12の径方向外側に放出するので、充分な量の冷却油41をコイル23(特にコイル端部23a)に供給し、上側のコイル23も充分に冷却することができる。
また、掻上げ部材111は、回転軸12の径方向の外側の周面116の冷却油41と触れる部分が、回転軸12の軸方向の断面形状は導油孔115の形成部以外については全周にわたって同一である。そして、周面116の冷却油41と触れる部分は、掻上げ部材111の回転中心から等距離である。
よって、掻上げ部材111の回転により、掻上げ部材111の冷却油41に次々と浸かり込む部分の表面形状や大きさ、冷却油41に潜り込む深さなどは常に一定である。そのため、掻上げ部材111が回転する際に冷却油41から受ける抵抗を比較的小さくすることができ、ロータ11の回転を良好に維持することができる。
掻上げ部材111は、中心に挿通孔121が形成され、その挿通孔121に回転軸12が挿し通されて、支持部材122により回転軸12に固定されている。掻上げ部材111は円板状で(符号123が円板状部分)、回転軸12の軸方向のステータ21側の面(図8では掻上げ部材111の左側の面)に開口113が形成されている。
ここで、前記実施例1の掻上げ部材51は、円環状で、支持部材52によってロータ11の側部(エンドリング15)に支持されている。このように、支持部材52によってロータ11の側部から延ばした支持部材52で掻上げ部材51を支持する場合は、支持部材52を長くするのにはある程度限度がある。支持部材52を長くし過ぎると、ロータ11の高速回転で急な速度変動などが生じた場合などに支持部材52が撓み、掻上げ部材51にガタつきを生じるおそれがあり、これを防止するためには、支持部材52を大型で振動などに強いものにする必要性が生じる場合も考えられる。
これに対して、掻上げ部材111は、このような不具合を生じることなく、支持部材122により回転軸12の軸方向の様々な位置に取り付け可能であり、実施例1の掻上げ部材51に比べて、取付位置の自由度を高めることができる。
また、掻上げ部材111の径方向の周縁部125は、ステータ21のコイル23側に鉤状に内側に折れ曲がっている。
これにより、凹部114内の冷却油41が流れ出るのを防止し、コイル23側を充分な冷却油41で冷却することができる。
また、実施例1の図3(d)の例のように、凹部114内における導油孔115同士の間に前記の仕切部材58に相当する部材を設けてもよい。また、導油孔115は、実施例1の図3(e)の導油孔55のように、その向きがステータ21のコイル23(コイル端部23a)側に向いていてもよい。
電動機100において、冷却油41の液面41aはロータ11の外周面に達しない高さに設定されているのも、実施例1と同様である。また、電動機100にも、実施例1の変形例と同様の反射部61や反射部62を設けてもよい。さらに、電動機100にも、実施例1の変形例と同様の微細な溝71や張出し部81を設けてもよい。その上、電動機100にも、実施例1の変形例と同様の冷却装置91および冷却フィン92を設けてもよい。
本実施例では、ロータに直接固定した円環状の掻上げ部材により電動機のコイルに充分な冷却油を提供することができる電動機の例を説明する。
図10(a)は、本実施例の電動機200の右側部分の縦断面図である。図10(b)は、図10(a)のE−E線切断断面図である。本実施例が実施例1と異なるのは、掻上げ部材51に代えて掻上げ部材211が設けられている点であり、その他の実施例1の電動機10と共通の部材などには、実施例1の場合と同一の符号を図面に付し、詳細な説明は省略する。図11は、掻上げ部材211を縦に切断し、径方向の内側から見た図である。
掻上げ部材211は、回転軸12の径方向の内側の周面または軸方向の側面(本例は、軸方向の側面212)を冷却油41の入口となる開口213とする凹部214が形成され、当該凹部214内に回転軸12の径方向の内側から外側にかけて貫通する導油孔215が所定間隔で複数個形成されている。
よって、ロータ11の回転に連れ回りして回転する掻上げ部材211は、冷却油41に浸かることで、開口213から冷却油が流入し、この冷却油41を凹部214で掬う。そして、掻上げ部材211の回転とともに、凹部214内の冷却油41は上方に引き上げられ、遠心力により導油孔215から回転軸12の径方向外側に放出される。
このように、凹部214により掬って冷却油を汲み上げ、この冷却油を遠心力により導油孔215から回転軸12の径方向外側に放出するので、充分な量の冷却油41をコイル23(特にコイル端部23a)に供給し、上側のコイル23も充分に冷却することができる。
また、掻上げ部材211は、回転軸12の径方向の外側の周面216(図10)(内側の周面212とは反対側の面)の冷却油41と触れる部分が、回転軸12の軸方向の断面形状は導油孔215の形成部以外については全周にわたって同一である。そして、周面216の冷却油41と触れる部分は、掻上げ部材211の回転中心から等距離である。
よって、掻上げ部材211の回転により、掻上げ部材211の冷却油41に次々と浸かり込む部分の表面形状や大きさ、冷却油41に潜り込む深さなどは常に一定である。そのため、掻上げ部材211が回転する際に冷却油41から受ける抵抗を比較的小さくすることができ、ロータ11の回転を良好に維持することができる。
掻上げ部材211は、環状で、外側221がロータ11の外周側に張り出すように内側222がロータ11のエンドリング15に固定され、凹部214は回転軸12の軸方向のステータ21側の側面212を開口213としている。
前記の実施例1では、掻上げ部材51をロータ11の側部に張り出させた支持部材52で支持させているため、支持部材52を張り出させた分だけ、電動機10は、回転軸12の軸方向に大型化せざるを得ない。
これに対して、本実施例では、環状の掻上げ部材211の内側222をロータ11の側部に直接取り付けているため、前記の支持部材52を張り出させるためのスペースは不要であり、その分だけ電動機200を回転軸12の軸方向に小型化することができる。
特に、掻上げ部材211は、開口213から凹部214内にロータ11のコイル端部23aが入り込んでいる(図10)。
そのため、電動機200の回転軸12方向のサイズを一層小型化することができる。
また、掻上げ部材211は、環状の径方向の外周部225が冷却油41を凹部214内に保持可能に、ステータ21のコイル23側に鉤状に内側に折れ曲がっている。
これにより、凹部214内の冷却油41が流れ出るのを防止し、コイル23側を充分な冷却油41で冷却することができる。
また、実施例1の図3(d)の例のように、凹部214内における導油孔215同士の間に前記の仕切部材58に相当する部材を設けてもよい。また、導油孔215は、実施例1の図3(e)の導油孔55のように、その向きがステータ21のコイル23(コイル端部23a)側に向いていてもよい。
電動機200において、冷却油41の液面41aはロータ11の外周面に達しない高さに設定されているのも、実施例1と同様である。また、電動機200にも、実施例1の変形例と同様の反射部61や反射部62を設けてもよい。さらに、電動機200にも、実施例1の変形例と同様の微細な溝71や張出し部81を設けてもよい。その上、電動機200にも、実施例1の変形例と同様の冷却装置91および冷却フィン92を設けてもよい。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
10 電動機
11 ロータ
12 回転軸
21 ステータ
23 コイル
23a コイル端部
31 ハウジング
35 ステータスロット
41 冷却油
41a 液面
51,111,211 掻上げ部材
53,113,213 開口
54,114,214 凹部
55,115,215 導油孔
56 外周面
57 内側の周面
58 仕切部材
61,62 反射部
71 溝
81 張出し部
82 先端部
91 冷却装置
92 冷却フィン
112 回転軸の軸方向の面
125,225 回転軸の径方向の外周部
212 回転軸の軸方向のステータ側の側面
222 内側

Claims (15)

  1. ロータと、
    前記ロータを取り囲むステータと、
    前記ロータおよびステータを収納するハウジングと、
    前記ロータの回転軸方向の側部側に設けられていて、当該ロータの回転に連れ回りして前記ハウジング内に収容される冷却油を掻き上げる掻上げ部材とを備え、
    前記掻上げ部材には、前記回転軸の径方向の内側の周面または軸方向の側面を前記冷却油の入口となる開口とする凹部が形成され、当該凹部内に前記径方向の内側から外側にかけて貫通する導油孔が形成されている
    ことを特徴とする電動機。
  2. 請求項1において、
    前記掻上げ部材は、前記径方向の外周面の前記冷却油と触れる部分が、前記回転軸の軸方向の断面形状が全周にわたって同一で、回転中心から等距離である
    ことを特徴とする電動機。
  3. 請求項2において、
    前記掻上げ部材は、前記凹部内には前記導油孔が複数個形成されているとともに、前記導油孔間に仕切部材が形成されている
    ことを特徴とする電動機。
  4. 請求項2において、
    前記掻上げ部材は、その径方向の内側から外側に向かう前記導油孔の向きが前記ステータのコイル側に向いている
    ことを特徴とする電動機。
  5. 請求項2において、
    前記掻上げ部材は、中心が前記回転軸に固定された円板状で、前記回転軸の軸方向の面に前記開口が形成されている
    ことを特徴とする電動機。
  6. 請求項2において、
    前記掻上げ部材は、環状で、外側が前記ロータの外周側に張り出すように内側が前記ロータに取り付けられ、前記凹部は前記軸方向の側面を前記開口とする
    ことを特徴とする電動機。
  7. 請求項6において、
    前記掻上げ部材は、前記開口から前記凹部内に前記ロータのコイル端部が入り込んでいる
    ことを特徴とする電動機。
  8. 請求項5または6において、
    前記掻上げ部材は、前記径方向の外周部が前記冷却油を前記凹部内に保持可能に前記ステータのコイル側に鉤状に内側に折れ曲がっている
    ことを特徴とする電動機。
  9. 請求項1において、
    前記ハウジング内に収容される冷却油の液面は前記ロータの外周面に達しない高さである
    ことを特徴とする電動機。
  10. 請求項1において、
    前記ハウジングの内周面には、前記掻上げ部材から飛ばされた前記冷却油を前記ロータのコイル側に反射する反射部が形成されている
    ことを特徴とする電動機。
  11. 請求項1において、
    前記ハウジングの内周面のステータスロットには、前記冷却油を前記ロータのコイルに供給する溝が形成されている
    ことを特徴とする電動機。
  12. 請求項1において、
    前記ステータの内周面のステータスロットには、前記ロータ側に張り出した張出し部が形成されていて、当該張出し部の先端部は、前記掻上げ部材側から前記ロータのコイル側に向かって前記ロータに漸次近づく
    ことを特徴とする電動機。
  13. 請求項1において、
    冷却油の下方の前記ハウジングには冷却装置が設けられ、
    前記冷却装置の上方の前記冷却油内には冷却フィンが設けられている
    ことを特徴とする電動機。
  14. インナーロータ型の電動機のロータの回転軸方向の側部側に設けられ、
    前記回転軸の径方向の内側の周面または軸方向の側面を前記電動機のハウジング内に収容される冷却油の入口となる開口とする凹部が形成され、当該凹部内に前記径方向の内側から外側にかけて貫通する導油孔が形成され、
    前記ロータの回転に連れ回りして冷却油を掻き上げる
    ことを特徴とする掻上げ部材。
  15. インナーロータ型の電動機のロータ本体と、
    前記ロータ本体の回転軸方向の側部側に設けられ、前記回転軸の径方向の内側の周面または軸方向の側面を前記電動機のハウジング内に収容される冷却油の入口となる開口とする凹部が形成され、当該凹部内に前記径方向の内側から外側にかけて貫通する導油孔が形成され、前記ロータの回転に連れ回りして冷却油を掻き上げる掻上げ部材とを備える
    ことを特徴とするロータ。
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