JP6191528B2 - 合成イソプレン重合体ラテックスの製造方法、合成イソプレン重合体ラテックス、ディップ成形用組成物およびディップ成形体 - Google Patents
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Description
(i)合成イソプレン重合体を含む廃液(遠心分離後の重液等)に、凝固剤を添加して凝固させることにより、合成イソプレン重合体を回収・再利用しても、回収された合成イソプレン重合体に凝固剤が残留し、該合成イソプレン重合体の有機溶剤溶液を乳化して得られる乳化混合液から有機溶剤を除去して合成イソプレン重合体ラテックスを得る際に、多量の凝集物が発生すること(再利用に適さない合成イソプレン重合体になってしまうこと)、
(ii)遠心分離による濃縮で発生する重液(合成イソプレン重合体および界面活性剤を含有している)を、そのままディップ成形用組成物にしても、固形分濃度が低すぎてディップ成形時にラテックスが凝固せず、ディップ成形体が得られないこと、
(iii)遠心分離による濃縮で発生する重液(合成イソプレン重合体および界面活性剤を含有している)の固形分濃度を上げるために水を留去して濃縮した後、ディップ成形用組成物にしても、ディップ成形時にラテックスが凝固せず、ディップ成形体が得られないこと、
および、
(iV)遠心分離による濃縮で発生する重液(合成イソプレン重合体および界面活性剤を含有している)から水のみならず界面活性剤も除去して特定の含有量にすることにより上記課題が達成されること、
を見出し、上記(iV)の知見にもとづいて本発明を完成するに至った。
合成イソプレン重合体の有機溶剤溶液(A)と、界面活性剤の水溶液(B)とを、混合および乳化して乳化混合液(C)を得た後、該乳化混合液(C)から有機溶剤を除去して合成イソプレン重合体ラテックス(D)を得る工程、
得られた合成イソプレン重合体ラテックス(D)を遠心分離して、軽液として合成イソプレン重合体ラテックス(E)を得、重液として合成イソプレン重合体と界面活性剤を含有し、固形分濃度が1〜30重量%の廃液(F)を得る工程、および
得られた廃液(F)から界面活性剤および水を除去して、固形分濃度35〜70重量%、かつ、合成イソプレン重合体100重量部に対し界面活性剤を1〜10重量部含有する合成イソプレン重合体ラテックス(G)を得る工程を含むことを特徴とする合成イソプレン重合体ラテックス(G)の製造方法が提供される。
そして、本発明においては、上記廃液(F)を限外濾過して界面活性剤および水を除去することが好ましい。
さらに、本発明によれば、上記の製造方法で得られた合成イソプレン重合体ラテックス(G)、硫黄系加硫剤および加硫促進剤を含有してなるディップ成形用組成物、および該ディップ成形用組成物を、ディップ成形してなるディップ成形体が提供される。
得られた合成イソプレン重合体ラテックス(D)を遠心分離して、軽液として合成イソプレン重合体ラテックス(E)を得、重液として合成イソプレン重合体と界面活性剤を含有し、固形分濃度が1〜30重量%の廃液(F)を得る工程、および
得られた廃液(F)から界面活性剤および水を除去して、固形分濃度35〜70重量%、かつ、合成イソプレン重合体100重量部に対し界面活性剤を1〜10重量部含有する合成イソプレン重合体ラテックス(G)を得る工程を含むことを特徴とする。
本発明で用いる合成イソプレン重合体は、イソプレンを重合して得られる合成イソプレン重合体である。
合成イソプレン重合体は、イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体を共重合したものであってもよい。合成イソプレン重合体のイソプレン単位の含有量は、柔軟で、引張強度に優れるディップ成形体が得られ易いことから、全単量体単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%(イソプレンの単独重合体)である。
この際、合成した後に重合体溶液中に残った重合触媒の残渣などの不純物を取り除いてもよい。そして、重合中または重合後の溶液に、後述する老化防止剤を添加してもよい。
また、市販の固形の合成イソプレン重合体を、合成イソプレン重合体ラテックスの製造に用いることもできる。
そして、ディップ成形体の引張強度向上の観点から、合成イソプレン重合体に含まれるイソプレン単位中のシス結合単位の含有割合は、全イソプレン単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
また、合成イソプレン重合体のポリマームーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は、好ましくは50〜80、より好ましくは60〜80、特に好ましくは70〜80である。
本発明で用いる合成イソプレン重合体の有機溶剤溶液(A)は、合成イソプレン重合体が有機溶剤に溶解しているものである。なお、合成イソプレン重合体としては、上述したものを用いることができる。
本発明で用いる界面活性剤の水溶液(B)は、界面活性剤が水に溶解しているものである。
本発明の製造方法においては、合成イソプレン重合体の有機溶剤溶液(A)と、界面活性剤の水溶液(B)とを、混合および乳化して乳化混合液(C)を得る。
本発明の製造方法においては、上記乳化混合液(C)から有機溶剤を除去することにより、合成イソプレン重合体ラテックス(D)を得る。
減圧蒸留および常圧蒸留の温度は、50〜100℃が好ましい。
減圧蒸留の圧力は、−50〜−1kPa(ゲージ圧)が好ましい。
また、合成イソプレン重合体ラテックス(D)中の有機溶剤の含有量は500重量ppm以下であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、上記合成イソプレン重合体ラテックス(D)を、濃縮のために遠心分離して、軽液として濃縮された合成イソプレン重合体ラテックス(E)を得、重液として合成イソプレン重合体と界面活性剤を含有し、固形分濃度が1〜30重量%の廃液(F)を得る。なお、合成イソプレン重合体ラテックス(E)は、ディップ成形用組成物に好適に用いられる。
また、連続遠心分離機を用いる場合は、連続遠心分離機に送り込む流速は、500〜2000Kg/hrが好ましい。
本発明の製造方法においては、遠心分離して得られた、固形分濃度が1〜30重量%の重液(廃液(F)、合成イソプレン重合体と界面活性剤を含有する)から界面活性剤および水を除去し、固形分濃度35〜70重量%で、合成イソプレン重合体100重量部に対し界面活性剤を1〜10重量部含有する合成イソプレン重合体ラテックス(G)を得る。
なお、合成イソプレン重合体ラテックス(G)は、ディップ成形用組成物に好適に用いられる。そのため、従来は廃棄せざるを得なかった合成イソプレン重合体(廃液(F))をディップ成形用組成物として用いることが出来ることから、上述した合成イソプレン重合体ラテックス(E)と合わせた合計の収率を、従来より大幅に向上させるという著効を奏する。
なお、合成イソプレン重合体ラテックス(G)中の界面活性剤の含有量(残留量)は、上述の合成イソプレン重合体ラテックス(E)中における界面活性剤の含有量(残留量)より多いことが好ましく、合成イソプレン重合体ラテックス(E)中における界面活性剤の含有量(残留量)が合成イソプレン重合体100重量部に対して0.5〜3重量部で、合成イソプレン重合体ラテックス(G)中の界面活性剤の含有量(残留量)が合成イソプレン重合体100重量部に対して4〜8重量部であることが特に好ましい。
合成イソプレン重合体ラテックス(G)中の界面活性剤の含有量(残留量)が合成イソプレン重合体ラテックス(E)中における界面活性剤の含有量(残留量)より少ない場合には、合成イソプレン重合体ラテックス(G)の粘度が高くなり過ぎる傾向がある。そして、合成イソプレン重合体ラテックス(E)中における界面活性剤の含有量(残留量)および合成イソプレン重合体ラテックス(G)中の界面活性剤の含有量(残留量)が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。
生産性向上の観点から、(1)廃液(F)から、遠心分離により界面活性剤および水を除去する方法、および、(2)廃液(F)を限外濾過して界面活性剤および水を除去する方法、が好ましい。
また、連続遠心分離機を用いる場合は、連続遠心分離機に送り込む流速は、500〜2000Kg/hrが好ましい。
減圧蒸留および常圧蒸留の温度は、50〜100℃が好ましい。
減圧蒸留の圧力は、−50〜−1kPa(ゲージ圧)が好ましい。
図1の限外濾過装置は、回転可能な中空構造のシャフト(SF1)に、中空構造のディスク状のセラミック製濾過材(DS1)が、複数個連結されている。遠心分離後の重液(FE1)は、ポンプ(P)により、限外濾過装置の内部に供給される。そして、ポンプ(P)の圧力により、セラミック製濾過材(DS1)によって濾過され、界面活性剤と水がある程度除去された濃縮液(DP1)として、外部へ排出される。なお、界面活性剤は水に溶解しているため、セラミック製濾過材(DS1)によってはほとんど除去されないので、濾液(FE2)は実質的に界面活性剤と水のみを含有するものとなり易い。これにより、遠心分離後の重液を再利用した場合に、濃縮液(DP1)中の合成イソプレン重合体量および界面活性剤量を所定の範囲に制御することが可能になる。また、中空構造のシャフト(SF1)を回転させることにより、セラミック製濾過材(DS1)上のケーキ層の形成を防止(孔詰まりを防止)することができる。
なお、セラミック製濾過材(DS1)上のケーキ層の形成を防止するため、所定間隔で逆洗を行うことが好ましい。逆洗は、中空構造のシャフト(SF1)に、水または空気を供給することにより、該水または空気がセラミック製濾過材(DS1)の内側(中空構造部)から外側に向かって流れるため、セラミック製濾過材(DS1)上のケーキ層を除去することができる。
シャフトの回転数は、ディスク状のセラミック製濾過材(DS1)の先端速度(周速)が、4〜10m/sとなるようにすることが好ましい。
また、セラミック製濾過材(DS1)によって濾過される際の圧力(背圧)は、0.05〜1MPaが好ましい。
さらに、限外濾過時の温度は、5〜30℃が好ましい。
本発明のディップ成形用組成物は、上記合成イソプレン重合体ラテックス(G)に加えて、硫黄系加硫剤および加硫促進剤を含有してなる。
酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、合成イソプレン重合体ラテックス(G)中の合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜2重量部である。この量が少な過ぎるとディップ成形体の引張強度が低下する傾向があり、逆に多過ぎると、ディップ成形用組成物中の合成イソプレン重合体粒子の安定性が低下し、粗大な凝集物が発生する場合がある。
この量が少な過ぎると、合成イソプレン重合体が劣化する場合がある。また、この量が多過ぎると、ディップ成形体の引張強度が低下する場合がある。
そして、前加硫した後、ディップ成形に供されるまで、好ましくは10〜30℃の温度で貯蔵することが好ましい。高温のまま貯蔵すると、得られるディップ成形体の引張強度が低下する場合がある。
本発明のディップ成形体は、本発明のディップ成形用組成物をディップ成形して得られる。ディップ成形は、ディップ成形用組成物に型を浸漬し、型の表面に当該組成物を沈着させ、次に型を当該組成物から引き上げ、その後、型の表面に沈着した当該組成物を乾燥させる方法である。なお、ディップ成形用組成物に浸漬される前の型は予熱しておいてもよい。また、型をディップ成形用組成物に浸漬する前、または、型をディップ成形用組成物から引き上げた後、必要に応じて凝固剤を使用できる。
凝固剤の使用方法の具体例としては、ディップ成形用組成物に浸漬する前の型を凝固剤の溶液に浸漬して型に凝固剤を付着させる方法(アノード凝着浸漬法)、ディップ成形用組成物を沈着させた型を凝固剤溶液に浸漬する方法(ティーグ凝着浸漬法)などがあるが、厚みムラの少ないディップ成形体が得られる点で、アノード凝着浸漬法が好ましい。
これらの水溶性多価金属塩は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
次いで、加熱して、型上に形成された沈着物を加硫する。
加硫時の加熱条件は、特に限定されないが、好ましくは60〜150℃、より好ましくは100〜130℃の加熱温度で、好ましくは10〜120分の加熱時間である。
加熱の方法は、特に限定されないが、オーブンの中で温風で加熱する方法、赤外線を照射して加熱する方法などがある。
レーザ回折式粒度分布測定装置(商品名「SALD2200」、島津製作所製)を用いて、体積平均粒子径を求めた。
試料を0.15g精秤して超純水2mlに添加した後、アセトニトリルを添加することで、溶液を10mlに調整した。次いで、上澄み液を0.2μmのディスクフィルターでろ過した後、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて下記の条件で測定した。
カラム:商品名「ZORBOX XDB−C18 1.8μ」(アジレント・テクノロジー社製)
カラム温度:40℃
流速:0.75 ml/min.
検出器:DAD(ダイオードアレイ検出器)
注入量:2μL
アルミ皿(重量:X1)に試料2gを精秤し(重量:X2)、これを105℃の熱風乾燥器内で2時間乾燥させた。デシケーター内で冷却した後、アルミ皿ごと重量を測定し(重量:X3)、下記の計算式で計算を実施した。
固形分濃度(重量%)=(X3−X1)×100/X2
ラテックス中の固形分濃度(重量%)を上記の方法で求め、該固形分濃度から、上記の方法で求めたラテックス中の界面活性剤の含有量を計算で除き、合成イソプレンの重合体の含有量とした。
使用した合成イソプレン重合体の重量(Y1)、合成イソプレン重合体ラテックス(e1)中の固形分の重量(Y2)、重液(廃液(f1))から回収した合成イソプレン重合体ラテックス中の固形分の重量(Y3)から、下記の式で計算した。
なお、重液(廃液(f1))から回収した合成イソプレン重合体ラテックスから、ディップ成形体が得られなかった場合には、Y3=0として計算した。
収率(重量%)=(Y2+Y3)×100/Y1
ディップ成形体の引張強度は、ASTM D412に基づいて測定した。
フィルム状のディップ成形体を、ダンベル(商品名「スーパーダンベル(型式:SDMK−100C)」、(株)ダンベル社製)で打ち抜き、引張強度測定用試験片を作製した。当該試験片をテンシロン万能試験機(商品名「RTG−1210」、(株)オリエンテック製)で引張速度500mm/minで引っ張り、破断直前の引張強度(単位:MPa)、破断直前の伸び(単位:%)を測定した。
重量平均分子量が1,300,000の合成イソプレン重合体(商品名「IR2200L」、日本ゼオン(株)製、イソプレンの単独重合体、シス結合単位量98%)100部を、シクロヘキサン(和光純薬工業(株)製)1150部に溶解し、合成イソプレン重合体のシクロヘキサン溶液(a1)を得た。次に、ロジン酸ナトリウム(商品名「ロンジスN−18」、荒川化学(株)社製)1重量%およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名「ネオペレックスG−15」、花王(株)製)0.5重量%を含有してなる、合成イソプレン重合体を含まない界面活性剤水溶液(b1)1245部を調整した。
そして、上記合成イソプレン重合体のシクロヘキサン溶液(a1)の全量、および、上記界面活性剤水溶液(b1)の全量を、SUS304製の容器に入れて攪拌混合し、続いてホモジナイザー(商品名「マイルダーMDN−303V」、太平洋機工(株)製)によって乳化分散処理を施し、乳化混合液(c1)を得た。
そして、200メッシュステンレス製金網を用い、合成イソプレン重合体ラテックス(d1)中の凝集物を除去した。
次に、凝集物を除去後の合成イソプレン重合体ラテックス(d1)に対し、遠心分離機(商品名「H−2000B」、コクサン社製)を使用して、5,000G、40分間、20℃の条件で遠心分離を実施し、軽液として固形分濃度56重量%(合成イソプレン重合体100部に対し界面活性剤を2.9部含有)の合成イソプレン重合体ラテックス(e1)(固形分83部)と、重液として固形分濃度9.5重量%(合成イソプレン重合体100部に対し界面活性剤を30.1部含有)の廃液(f1)を得た。
また、合成イソプレン重合体ラテックス(e1)と合成イソプレン重合体ラテックス(g1)の固形分から求めた固形分換算の収率は、98重量%であった。
先ず、スチレン−マレイン酸モノ−sec−ブチルエステル−マレイン酸モノメチルエステル重合体(商品名「Scripset550」、Hercules社製)を、水酸化ナトリウムを用い、重合体中のカルボキシル基を100%中和して、分散剤(p)としてのナトリウム塩水溶液(濃度10重量%)を調整した。そして、この分散剤(p)を、上記の合成イソプレン重合体100部に対して、固形分換算で0.8部になるようにして、合成イソプレン重合体ラテックス(g1)に添加した。
そして、得られた混合物を攪拌しながら、混合物中の合成イソプレン重合体100部に対して、固形分換算で、酸化亜鉛1.5部、硫黄1.5部、老化防止剤(商品名「Wingstay L」、グッドイヤー社製)2部、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.3部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛0.5部、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩0.7部となるように、各配合剤の水分散液を添加した後、水酸化カリウム水溶液を添加して、pHを10.5に調整したディップ成形用組成物を得た。その後、得られたディップ成形用組成物を、25℃の恒温槽で48時間熟成した。
表面がすり加工されたガラス型(直径約5cm、すり部長さ約15cm)を洗浄し、70℃のオーブン内で予備加熱した後、18重量%の硝酸カルシウムおよび0.05重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名「エマルゲン109P」、花王(株)製)からなる凝固剤水溶液に5秒間浸漬し、取り出した。
次いで、凝固剤で被覆されたガラス型を70℃のオーブン内で乾燥した。その後、凝固剤で被覆されたガラス型をオーブンから取り出し、25℃の上記ディップ成形用組成物に10秒間浸漬してから取り出し、室温で60分間乾燥してフィルムで被覆されたガラス型を得た。そして、このフィルムで被覆されたガラス型を60℃の温水中に2分間浸漬した後、室温で30分間風乾した。その後、このフィルムで被覆されたガラス型を120℃のオーブン内に置き20分間加硫を行った。加硫されたフィルムで被覆されたガラス型を室温まで冷却し、タルクを散布した後、当該フィルムをガラス型から剥離した。得られたフィルム(ディップ成形体)の引張強度および伸びの測定結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、固形分濃度9.5重量%、合成イソプレン重合体100部に対し界面活性剤を30.1部含有する廃液(f1)を得た。
次に、遠心分離機(商品名「H−2000B」、コクサン社製)を使用して、7,000G、60分間、20℃の条件で遠心分離を実施し、軽液として、合成イソプレン重合体ラテックス(g2)(固形分11部)を得た。合成イソプレン重合体ラテックス(g2)の固形分濃度は52.5重量%であり、合成イソプレン重合体100部に対し、界面活性剤を4.2部含有していた。
また、合成イソプレン重合体ラテックス(e1)と合成イソプレン重合体ラテックス(g2)の固形分から求めた固形分換算の収率は、94重量%であった。
そして、合成イソプレン重合体ラテックス(g1)に代えて、合成イソプレン重合体ラテックス(g2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルム(ディップ成形体)を得た。該フィルム(ディップ成形体)の引張強度および伸びの測定結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、固形分濃度9.5重量%、合成イソプレン重合体100部に対し界面活性剤を30.1部含有する廃液(f1)を得た。
そして、合成イソプレン重合体ラテックス(g1)に代えて、廃液(f1)を用いた以外は、実施例1と同様にしてディップ成形用組成物を調製し、フィルム(ディップ成形体)を得ようとしたが、ディップ成形時に凝固せず、フィルム(ディップ成形体)を得ることができなかった。
結局、比較例1においては、廃液(f1)からディップ成形に適した合成イソプレン重合体ラテックスを回収することができなかったため、固形分換算の収率は、合成イソプレン重合体ラテックス(e1)のみの83重量%であった。
実施例1と同様にして、固形分濃度9.5重量%、合成イソプレン重合体100部に対し界面活性剤を30.1部含有する廃液(f1)を得た。
次に、廃液(f1)を、セラミック製濾過材を設置した限外濾過装置(商品名「ロータリーフィルターR−ファインSSDF−0.5」、寿工業(株)製、φ0.2μmのセラミック製濾過材(Novoflow社製)を使用)を用いて、濾過圧180kPa、逆洗圧160kPa(濾過2分間毎に逆洗を5秒間行う)で処理し、限外濾過後の廃液(fs1)(固形分15部)を得た。なお、廃液(fs1)の固形分濃度は29.4重量%であり、合成イソプレン重合体100部に対し、界面活性剤を6.2部含有していた。
そして、合成イソプレン重合体ラテックス(g1)に代えて、限外濾過後の廃液(fs1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルム(ディップ成形体)を得た。該フィルム(ディップ成形体)の引張強度および伸びの測定結果を表1に示す。
なお、比較例2においては、限外濾過後の廃液(fs1)から、ディップ成形は可能な合成イソプレン重合体ラテックスを回収することはできていたため、合成イソプレン重合体ラテックス(e1)と廃液(fs1)の固形分から求めた固形分換算の収率は、98重量%であった。
実施例1と同様にして、固形分濃度9.5重量%、合成イソプレン重合体100部に対し界面活性剤を30.1部含有する廃液(f1)を得た。
次に、廃液(f1)から、ロータリーエバポレーター(商品名「RE600」、ヤマト科学社製)にて水を加熱留去し、合成イソプレン重合体ラテックス(h)を得た。
合成イソプレン重合体ラテックス(h)の固形分濃度は44.3重量%であり、合成イソプレン重合体100部に対し、界面活性剤を15.4部含有していた。
そして、合成イソプレン重合体ラテックス(g1)に代えて、合成イソプレン重合体ラテックス(h)を用いた以外は、実施例1と同様にしてディップ成形用組成物を調製し、フィルム(ディップ成形体)を得ようとしたが、ディップ成形時に凝固せず、フィルム(ディップ成形体)を得ることができなかった。
結局、比較例3においては、合成イソプレン重合体ラテックス(h)からディップ成形に適した合成イソプレン重合体ラテックスを回収することができなかったため、固形分換算の収率は、合成イソプレン重合体ラテックス(e1)のみの83重量%であった。
また、合成イソプレン重合体100重量部に対する界面活性剤の含有量は本発明で規定する範囲内であるが、固形分濃度が低すぎる限外濾過後の廃液(fs1)を用いた場合には、フィルム(ディップ成形体)を得ることはできるため、従来からディップ成形に用いられていた合成イソプレン重合体ラテックス(e1)との合計収率は高かった。しかしながら、得られるフィルム(ディップ成形体)は、引張強度が大幅に劣っていた(比較例2)。
さらに、固形分濃度は本発明で規定する範囲内であるが、合成イソプレン重合体100重量部に対する界面活性剤の含有量が多すぎる合成イソプレン重合体ラテックス(h)を用いた場合には、ディップ成形時に凝固せず、フィルム(ディップ成形体)を得られなかった。そのため、合成イソプレン重合体ラテックス(h)中の合成イソプレン重合体を廃棄せざるを得ず、合成イソプレン重合体ラテックスの製造工程における、合成イソプレン重合体の廃棄量を低減できるものではなかった(比較例3)。
DS1 セラミック製濾過材
FE1 重液(廃液(F))
FE2 限外濾過後の濾液
DP1 限外濾過後の濃縮液
P ポンプ
AR1 ガス抜きライン
Claims (6)
- 合成イソプレン重合体の有機溶剤溶液(A)と、界面活性剤の水溶液(B)とを、混合および乳化して乳化混合液(C)を得た後、該乳化混合液(C)から有機溶剤を除去して合成イソプレン重合体ラテックス(D)を得る工程、
得られた合成イソプレン重合体ラテックス(D)を遠心分離して、軽液として合成イソプレン重合体ラテックス(E)を得、重液として合成イソプレン重合体と界面活性剤を含有し、固形分濃度が1〜30重量%の廃液(F)を得る工程、および
得られた廃液(F)から界面活性剤および水を除去して、固形分濃度35〜70重量%、かつ、合成イソプレン重合体100重量部に対し界面活性剤を1〜10重量部含有する合成イソプレン重合体ラテックス(G)を得る工程を含むことを特徴とする合成イソプレン重合体ラテックス(G)の製造方法。 - 前記廃液(F)から、遠心分離により、界面活性剤および水を除去することを特徴とする請求項1に記載の合成イソプレン重合体ラテックス(G)の製造方法。
- 前記廃液(F)を限外濾過して界面活性剤および水を除去することを特徴とする請求項1に記載の合成イソプレン重合体ラテックス(G)の製造方法。
- 前記合成イソプレン重合体ラテックス(E)中における界面活性剤の含有量が合成イソプレン重合体100重量部に対して0.5〜3重量部であり、前記合成イソプレン重合体ラテックス(G)中の界面活性剤の含有量が合成イソプレン重合体100重量部に対して4〜8重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成イソプレン重合体ラテックス(G)の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で得られる合成イソプレン重合体ラテックス(G)に、硫黄系加硫剤および加硫促進剤を配合するディップ成形用組成物の製造方法。
- 請求項5に記載の製造方法で得られるディップ成形用組成物を、ディップ成形するディップ成形体の製造方法。
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