以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットまたは数字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
[実施形態の説明]
まず、本発明の実施形態に係る自動取引装置10の概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る自動取引装置10の外観例を示す図である。図1に示すように、自動取引装置10は、操作部120、カード挿入口131、通帳挿入口132、スピーカ133、紙幣挿入口141、硬貨投入口142および表示部160を備えている。
以下では、自動取引装置10が銀行の店舗に設置されるATM(Automated Teller Machine)である場合について主に説明するが、自動取引装置10は、ATM以外の装置であってもよい。また、以下では、自動取引装置10において紙幣が取り扱われる場合について主に説明するが、自動取引装置10において取り扱われる券は、紙幣以外の券であってもよい。
自動取引装置10は、カード挿入口131に挿入されたカードからカード情報を読み取って記録しておくことが可能である。カード情報は、利用者を特定することが可能な情報であればよく、例えば、口座番号であってもよいし、口座番号と他の情報(例えば、銀行コード、店舗コードなど)との組み合わせであってもよい。自動取引装置10は、カード情報に基づいて利用者を特定することに成功した場合には、操作部120に与えられる操作に基づいて、利用者の口座に対して各種の取引を実行することが可能である。取引の種類としては、現金の預け入れ、振り込み、引き落としなどが挙げられる。
現金の預け入れや振り込みなどにおける紙幣の投入は、紙幣挿入口141を介して利用者から紙幣が投入されることによって行われ得る。また、現金の引き出しなどにおける紙幣の取り出しは、紙幣挿入口141を介して利用者に紙幣が供給されることによって行われ得る。現金の預け入れや振り込みなどにおける硬貨の投入は、硬貨投入口142を介して利用者から硬貨が投入されることによって行われ得る。また、現金の引き出しなどにおける硬貨の取り出しは、硬貨投入口142を介して利用者に硬貨が供給されることによって行われ得る。
通帳の挿入は、通帳挿入口132を介して利用者から通帳が挿入されることによって行われ得る。また、取引が終了すると、通帳挿入口132を介して利用者に通帳が提供される。スピーカ133は、利用者の操作を誘導するためのメッセージなどを音声として出力することが可能である。表示部160は、各種の情報を表示することが可能である。例えば、表示部160は、取引の種類を選択するための画面を表示することができる。また、表示部160は、自動取引装置10による取引の実行結果を表示することが可能である。
ここで、利用者が偽造券を利用した場合に、カード情報に基づいて偽造券の利用者を特定する技術を用いるだけでは、偽造券が再度利用されてしまうことを十分には抑止することができない。本発明の実施形態においては、カード情報を用いて、偽造券が再度利用されてしまう可能性を低減させることが可能な技術を提案する。
以上、本発明の実施形態に係る自動取引装置10の概要について説明した。
[第1の実施形態の説明]
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。まず、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの機能構成例について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの機能構成例を示す図である。図2に示すように、自動取引装置10Aは、制御部110Aと、操作部120と、カード読取部130と、カード挿入口131と、通帳挿入口132と、スピーカ133と、紙幣読取部140と、紙幣挿入口141と、硬貨投入口142と、記憶部150と、表示部160とを備えている。
制御部110Aは、自動取引装置10Aの動作全体を制御する機能を有する。操作部120は、利用者から与えられた操作を受け付ける機能を有する。カード読取部130は、利用者によって挿入されたカードからカード情報を読み取る機能を有する。紙幣読取部140は、取引において利用される紙幣の読み取りを行う機能を有する。記憶部150は、制御部110Aを動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部150は、制御部110Aの動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。表示部160は、制御部110Aの制御に従って各種の情報を表示する機能を有する。
なお、図2に示した例では、操作部120、カード読取部130、紙幣読取部140、記憶部150および表示部160は、自動取引装置10Aの内部に存在するが、操作部120、カード読取部130、紙幣読取部140、記憶部150および表示部160は、自動取引装置10Aの外部に備えられていてもよい。また、制御部110Aは、比較部111と、カード位置制御部112と、紙幣判別部113と、記憶制御部114Aとを備える。
以上、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの機能構成例について説明した。以下、制御部110Aが備えるこれらの各機能部の詳細について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aにより利用される偽造券データの構成例を示す図である。図3に示すように、自動取引装置10Aにより利用される偽造券データは、取引において偽造券を利用したカード(以下、単に「偽造券利用カード」とも言う。)から読み取られたカード情報(以下、単に「偽造券利用カード情報」とも言う。)を有している。
その他、偽造券データは、偽造券が利用された日付を示す偽造券利用日を有しており、偽造券に関する情報(以下、単に「偽造券情報」とも言う。)を有している。偽造券情報は、偽造券に関する情報であれば特に限定されないが、例えば、偽造券の記番号であってもよい。偽造券データは、例えば、記憶部150によって記憶されており、後に説明するように、自動取引装置10Aによって適宜に更新され得る。
比較部111は、利用者からカード挿入口131にカードが挿入されると、挿入されたカード(以下、単に「挿入カード」とも言う。)からカード読取部130によって読み取られたカード情報(以下、単に「挿入カード情報」とも言う。)を取得する。また、比較部111は、偽造券データが有する偽造券利用カード情報を取得する。続いて、比較部111は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とを比較して比較結果を得る。
カード位置制御部112は、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合、挿入カードが返却されないように、挿入カードの位置を制御する。一方、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との不一致を示す場合には、取引が行われた後、カード位置制御部112は、挿入カードが返却されるように、挿入カードの位置を制御すればよい。ここで、挿入カードの返却としては、カード挿入口131を介した返却を想定しているが、挿入カードの返却は、他の場所からの返却であってもよい。
より詳細には、カード位置制御部112は、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合、挿入カードが自動取引装置10Aの内部の所定の位置に維持されるように制御すればよい。ここで、所定の位置は、挿入カードを退避させるために設けられた領域または挿入カードの読み取りがなされた領域の位置であってもよい。挿入カードを退避させるために設けられた領域は、挿入カードを退避させるために設けられた搬送路であってもよいし、挿入カードを退避させるために設けられた収納庫であってもよい。また、カード位置制御部112は、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合、カード挿入口131のシャッタを閉めるように制御してもよい。
所定の位置が挿入カードを退避させるために設けられた領域である場合には、次の挿入カードがカード挿入口131から挿入されても、当該次の挿入カードの読み取りを行うことが可能であるため、取引を中止しなくても済むという効果を奏する。一方、所定の位置が挿入カードの読み取りがなされた領域の位置である場合には、次の挿入カードがカード挿入口131から挿入されても、当該次の挿入カードの読み取りを行うことが不可能であるため、取引を中止する必要が生じる。
このようにして、本発明の第1の実施形態においては、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致する場合に、挿入カードが返却されないように、挿入カードの位置を制御する。かかる構成によって、偽造券を利用したカードを発見した場合に、そのカードを利用した取引がなされることを防止することができる。したがって、本発明の第1の実施形態によれば、偽造券が再度利用されてしまう可能性を低減させることが可能である。
なお、上記では、本発明の第1の実施形態においては、カード位置制御部112は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致する場合に、挿入カードが返却されないように、挿入カードの位置を制御することとしたが、挿入カードの位置制御とともに、他の動作がなされてもよい。例えば、制御部110Aは、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致する場合に、所定のメッセージを表示部160に表示させてもよい。
所定のメッセージは特に限定されない。例えば、所定のメッセージは、「インターフォンで問い合わせを行ってください。」といったように、利用者に問い合わせを促すための注意事項であってもよい。また、例えば、所定のメッセージは、「不正なカードが挿入されたため、カードを返却することができません。」といったように、カードが返却されない理由を伝えるための説明事項であってもよい。
以上、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの制御部110Aが備える各機能部の詳細について説明した。
続いて、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの動作例について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの動作例を示すフローチャートである。図4に示すように、まず、利用者によってカード挿入口131からカードが挿入されると、カード読取部130は、挿入されたカードから挿入カード情報を読み取る(ステップS1)。
続いて、比較部111は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致するか否かを判断する(ステップS2)。カード位置制御部112は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致すると判断された場合には(ステップS2で「Yes」)、挿入カードが返却されないように、挿入カードの位置を制御する(ステップS3)。
一方、カード位置制御部112は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致しないと判断された場合には(ステップS2で「No」)、取引が行われた後(ステップS4)、挿入カードが返却されるように、挿入カードの位置を制御する(ステップS5)。取引動作の例については、後に詳細に説明する。その後、制御部110Aは、動作を終了する。
以上、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの動作例について説明した。続いて、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る自動取引装置10Aについて説明する。ただし、本発明の第1の実施形態の変形例1においては、本発明の第1の実施形態と異なる部分を主に説明する。したがって、本発明の第1の実施形態と同様な部分については、説明を省略する。まず、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る自動取引装置10Aの制御部110Aが備える各機能部の詳細について説明する。
本発明の第1の実施形態においては、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合には、挿入カードが返却されないように制御することとした。しかし、挿入カードが返却されない状況が頻繁に起こってしまう場合などには、利用者に与える利便性が低下することもある。また、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一度だけ一致したというだけでは、善意の利用者が、偶然、偽造券を利用してしまった可能性もある。そこで、本発明の第1の実施形態の変形例1においては、挿入カードが返却されないように制御するための条件をより厳しくする。
より詳細には、本発明の第1の実施形態の変形例1においては、カード位置制御部112は、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合であり、かつ、挿入カードを利用してなされる取引において偽造券が検出された場合には、挿入カードが返却されないように制御する。挿入カードを利用してなされる取引は特に限定されないが、現金の預け入れであってもよいし、現金の振り込みであってもよい。
一方、カード位置制御部112は、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合であり、かつ、挿入カードを利用してなされる取引において偽造券が検出されなかった場合には、挿入カードが返却されるように制御すればよい。
なお、上記においては、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aと当該実施形態に係る変形例1に係る自動取引装置10Aとが独立して記載されている。しかし、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aと当該実施形態に係る変形例1に係る自動取引装置10Aとのうちの何れの自動取引装置10Aとして動作させるかについては、管理者(例えば、銀行の行員など)によって選択することが可能であってもよい。
以上、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る自動取引装置10Aの制御部110Aが備える各機能部の詳細について説明した。
続いて、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る自動取引装置10Aの動作例について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る自動取引装置10Aの動作例を示すフローチャートである。図5に示すように、本発明の第1の実施形態の変形例1においては、取引が行われた後(ステップS4)、カード位置制御部112は、挿入カードを利用してなされる取引において偽造券が検出されなかったか否かを判断する(ステップS41)。
カード位置制御部112は、取引において偽造券が検出された場合には(ステップS41で「No」)、挿入カードが返却されないように制御する(ステップS3)。一方、カード位置制御部112は、取引において偽造券が検出されなかった場合には(ステップS41で「Yes」)、挿入カードが返却されるように、挿入カードの位置を制御する(ステップS5)。その後、制御部110Aは、動作を終了する。
なお、カード位置制御部112は、例えば、取引に使用された紙幣と登録されている偽造券情報とが一致する場合に、当該紙幣が偽造券であると判断し、挿入カードが返却されないように制御してもよいが、登録されている偽造券情報すべてを比較対象にしなくてもよい。例えば、カード位置制御部112は、その挿入カードを用いた取引が初回である場合には、登録されている偽造券情報のすべてを比較対象にし、そのカードを用いた取引が初回ではない場合には、前回取引より後の取引において登録された偽造券情報を比較対象にしてもよい。このようにすれば、今回の取引が初回ではない場合に、前回取引より後の取引において登録された偽造券情報との比較を行えばよいため、処理時間を軽減することが可能となる。
以上、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る自動取引装置10Aの動作例について説明した。
続いて、本発明の第1の実施形態の変形例2に係る自動取引装置10Aの動作例について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態の変形例2に係る自動取引装置10Aの動作例を示すフローチャートである。図6に示すように、本発明の第1の実施形態の変形例2においては、挿入カード情報の読み取りが行われた後(ステップS1)、比較部111は、その挿入カードを用いた取引は今回が初回であるか否かを判断する(ステップS11)。
比較部111は、今回が初回であると判断した場合には(ステップS11で「Yes」)、登録されている偽造券利用カード情報のすべてを取得する(ステップS12)。一方、比較部111は、今回が初回ではないと判断した場合には(ステップS11で「No」)、前回取引より後の取引において登録された偽造券利用カード情報を取得する(ステップS13)。
続いて、比較部111は、挿入カード情報と取得した偽造券利用カード情報とが一致するか否かを判断する(ステップS2)。その後の動作は、既に説明した本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの動作と同様になされ得る。このように、変形例2においては、今回の取引が初回ではない場合に、前回取引より後の取引において登録された偽造券利用カード情報との比較を行えばよいため、処理時間を軽減することが可能となる。
以上、本発明の第1の実施形態の変形例2に係る自動取引装置10Aの動作例について説明した。続いて、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aについて説明する。ただし、本発明の第1の実施形態の変形例3においては、本発明の第1の実施形態と異なる部分を主に説明する。したがって、本発明の第1の実施形態と同様な部分については、説明を省略する。まず、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aの制御部110Aが備える各機能部の詳細について説明する。
本発明の第1の実施形態においては、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合には、挿入カードが返却されないように制御することとした。しかし、挿入カードが返却されない状況が頻繁に起こってしまう場合などには、利用者に与える利便性が低下することもある。また、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致したというだけでは、善意の利用者が、偶然、偽造券を利用してしまった可能性もある。そこで、本発明の第1の実施形態の変形例3においては、挿入カードが返却されないように制御するための条件をより厳しくする。
図7は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aにより利用される口座データの構成例を示す図である。図7に示すように、自動取引装置10Aにより利用される口座データは、利用者のために開設された口座を識別するための口座番号を有している。挿入カードから読み取られるカード情報に口座番号が含まれている場合には、カード情報に含まれる口座番号と口座データに含まれる口座番号とのマッチングにより口座データが取得され得る。
その他、口座データは、口座が開設された日付を示す開設日を有しており、口座に対して行われた取引の種類を有している。取引の種類としては、例えば、図7に示したように、「給与振込」「引き落とし」などが設定され得る。また、口座データは、カードの紛失届けの提出状況を有している。カードの紛失届けの提出状況としては、例えば、図7に示したように、「未提出」「提出済み」などが設定され得る。口座データは、例えば、記憶部150によって記憶されており、後に説明するように、自動取引装置10Aによって適宜に更新され得る。
図8は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aにより利用される記番号の構成例を示す図である。図8に示すように、自動取引装置10Aにより利用される記番号は、例えば、偽造券を識別するための記番号に相当する。かかる記番号は、例えば、記憶部150によって記憶されており、偽造券が検出された場合には、検出された偽造券の記番号が管理者によって適宜に登録され得る。また、かかる記番号は、後に説明する所定の記番号に相当する。
図9は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aにより利用される偽造券量の閾値の構成例を示す図である。図9に示すように、自動取引装置10Aにより利用される偽造券量の閾値は、偽造券の枚数であってもよいし、認識された券全体に占める偽造券の割合であってもよいし、偽造券が検出される頻度であってもよい。かかる偽造券量の閾値は、例えば、記憶部150によって記憶されており、管理者によって適宜に更新され得る。あるいは、偽造券量の閾値は、検出された偽造券の量に応じて自動取引装置10Aにより更新されてもよい。
本発明の第1の実施形態の変形例3においては、カード位置制御部112は、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合であり、かつ、挿入カードの紛失届けの提出状況が紛失届けの未提出を示す場合であり、かつ、所定の条件が満たされている場合には、挿入カードが返却されるように制御する。
一方、カード位置制御部112は、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合であり、かつ、挿入カードの紛失届けの提出状況が紛失届けの未提出を示す場合であり、かつ、所定の条件が満たされていない場合には、挿入カードが返却されないように制御すればよい。挿入カードの紛失届けの提出状況については、図7を参照しながら既に説明した通りである。
なお、カード位置制御部112は、比較結果が挿入カード情報と偽造券利用カード情報との一致を示す場合であり、かつ、挿入カードの紛失届けの提出状況が紛失届けの提出済みを示す場合には、挿入カードが返却されないように制御すればよい。挿入カードの紛失届けの提出状況が紛失届けの提出済みである場合には、挿入カードが本人のカードではない可能性が高いために偽造券が利用されてしまう可能性が高く、挿入カードを本人に返却する必要があるからである。
ここで、所定の条件は特に限定されない。図10は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aにより判断される所定の条件の例を示す図である。図10に示すように、例えば、所定の条件は、「1.取引の種類に関する条件」であってもよい。すなわち、所定の条件は、挿入カードを利用してなされる取引の種類に関する条件を含んでもよい。
例えば、口座に対してなされた取引の種類が「給与振込」や「引き落とし」などである場合には、利用者が善意で取引を行おうとしている可能性が高い。したがって、カード位置制御部112は、口座に対してなされた取引の種類がこれらの場合には、挿入カードが返却されるように制御してもよい。一方、カード位置制御部112は、口座に対してなされた取引の種類がこれら以外の場合には、挿入カードが返却されないように制御してもよい。取引の種類については、図7を参照しながら既に説明した通りである。
また、図10に示すように、例えば、所定の条件は、「2.口座が開設されてから現在に至るまでの期間に関する条件」であってもよい。すなわち、所定の条件は、挿入カードに対応する口座が開設されてから現在に至るまでの期間に関する条件を含んでもよい。
例えば、口座が開設されてから現在に至るまでの期間が所定期間よりも長い場合には、利用者が善意で取引を行おうとしている可能性が高い。したがって、カード位置制御部112は、口座が開設されてから現在に至るまでの期間が所定期間よりも長い場合には、挿入カードが返却されるように制御してもよい。一方、カード位置制御部112は、口座が開設されてから現在に至るまでの期間が所定期間よりも短い場合には、挿入カードが返却されないように制御してもよい。口座の開設日については、図7を参照しながら既に説明した通りである。
また、図10に示すように、例えば、所定の条件は、「3.偽造券の量に関する条件」であってもよい。すなわち、所定の条件は、挿入カードを利用してなされる取引において検出される偽造券の量に関する条件を含んでもよい。
例えば、挿入カードを利用してなされる取引において検出される偽造券の量が偽造券の閾値よりも小さい場合には、利用者が善意で取引を行おうとしている可能性が高い。したがって、カード位置制御部112は、挿入カードを利用してなされる取引において検出される偽造券の量が偽造券量の閾値よりも小さい場合には、挿入カードが返却されるように制御してもよい。一方、カード位置制御部112は、挿入カードを利用してなされる取引において検出される偽造券の量が偽造券量の閾値よりも大きい場合には、挿入カードが返却されないように制御してもよい。偽造券量の閾値については、図9を参照しながら既に説明した通りである。
また、図10に示すように、例えば、所定の条件は、「4.過去に偽造券が検出されてから現在に至るまでの期間に関する条件」であってもよい。すなわち、所定の条件は、挿入カードを利用してなされる取引において過去に偽造券が検出されてから現在に至るまでの期間に関する条件を含んでもよい。
例えば、挿入カードを利用してなされる取引において過去に偽造券が検出されてから現在に至るまでの期間が所定期間よりも長い場合には、利用者が善意で取引を行おうとしている可能性が高い。したがって、カード位置制御部112は、挿入カードを利用してなされる取引において過去に偽造券が検出されてから現在に至るまでの期間が所定期間よりも小さい場合には、挿入カードが返却されるように制御してもよい。一方、カード位置制御部112は、挿入カードを利用してなされる取引において過去に偽造券が検出されてから現在に至るまでの期間が所定期間よりも短い場合には、挿入カードが返却されないように制御してもよい。
また、図10に示すように、例えば、所定の条件は、「5.所定の記番号が付された券が検出されないという条件」であってもよい。すなわち、所定の条件は、挿入カードを利用してなされる取引において所定の記番号が付された券が検出されないという条件を含んでもよい。
例えば、所定の記番号が付された券が検出されない場合には、利用者が善意で取引を行おうとしている可能性が高い。したがって、カード位置制御部112は、所定の記番号が付された券が検出されない場合には、挿入カードが返却されるように制御してもよい。一方、カード位置制御部112は、所定の記番号が付された券が検出された場合には、挿入カードが返却されないように制御してもよい。所定の記番号については、図8を参照しながら既に説明した通りである。
なお、上記した所定の条件1〜5はどのように用いられてもよい。すなわち、上記した所定の条件1〜5のうち、何れか1つの条件が単独で使用されてもよいし、何れか複数の条件が論理演算子「AND」により組み合わされて使用されてもよいし、何れか複数の条件が論理演算子「OR」により組み合わされて使用されてもよい。
以上、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aの制御部110Aが備える各機能部の詳細について説明した。
続いて、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aの動作例について説明する。図11は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aの動作例を示すフローチャートである。図11に示すように、本発明の第1の実施形態の変形例3においては、カード位置制御部112は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致すると判断された場合には(ステップS2で「Yes」)、挿入カードの紛失届けの提出状況が紛失届けの未提出を示すか否かを判断する(ステップS21)。
カード位置制御部112は、挿入カードの紛失届けの提出状況が紛失届けの未提出を示さない場合(ステップS21で「No」)、すなわち、挿入カードの紛失届けの提出状況が紛失届けの提出済みを示す場合には、挿入カードが返却されないように、挿入カードの位置を制御する(ステップS3)。一方、カード位置制御部112は、挿入カードの紛失届けの提出状況が紛失届けの未提出を示す場合(ステップS21で「Yes」)、所定の条件が満たされているか否かを判断する(ステップS22)。
カード位置制御部112は、所定の条件が満たされていないと判断した場合には(ステップS22で「No」)、挿入カードが返却されないように、挿入カードの位置を制御する(ステップS3)。一方、カード位置制御部112は、所定の条件が満たされていると判断した場合には(ステップS22で「Yes」)、取引が行われた後(ステップS4)、挿入カードが返却されるように、挿入カードの位置を制御する(ステップS5)。取引動作の例については、後に詳細に説明する。その後、制御部110Aは、動作を終了する。
以上、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る自動取引装置10Aの動作例について説明した。続いて、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの取引動作の例について説明する。図12は、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの取引動作例を示すフローチャートである。
図12に示すように、取引が開始されると、紙幣判別部113は、取引における対象の券が偽造券であるか否かを判別する(ステップS61)。ここで、取引における対象の券は、例えば、取引の種類が「預け入れ」や「振り込み」の場合には、紙幣挿入口141から挿入された紙幣に相当する。紙幣挿入口141から挿入された紙幣は、紙幣読取部140により読み取られて紙幣判別部113に提供される。記憶制御部114Aは、紙幣判別部113により取引における対象の券が偽造券ではないと判別された場合には(ステップS61で「No」)、ステップS65に進む。
一方、記憶制御部114Aは、紙幣判別部113により取引における対象の券が偽造券であると判別された場合には(ステップS61で「Yes」)、挿入カード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させる(ステップS62)。また、記憶制御部114Aは、当該対象の券に関する情報を偽造券情報として記憶部150に記憶させる(ステップS63)。さらに、記憶制御部114Aは、現在日付を偽造券利用日として記憶部150に記憶させる(ステップS64)。
なお、ここでは、記憶制御部114Aが、偽造券検出時の取引において使用されていたカードに相当する挿入カード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させることとした。しかし、記憶制御部114Aは、当該偽造券を過去に利用したカードが存在する場合には、そのカードから読み取られたカード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させてもよい。
例えば、過去の取引に利用されたカード情報とその取引に利用された紙幣に関する情報(例えば、紙幣の記番号)とが関連付けられて記録されている場合には、当該偽造券に関する情報と一致する紙幣に関する情報に関連付けられて記録されているカード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させてもよい。また、記憶制御部114Aは、その紙幣に関する情報を偽造券情報として記憶部150に記憶させてもよい。さらに、紙幣に関する情報とその紙幣の利用日とが関連付けられて記録されている場合には、当該偽造券に関する情報と一致する紙幣に関する情報に関連付けられて記録されている紙幣の利用日を偽造券利用日として記憶部150に記憶させてもよい。
このようにすれば、自動取引装置10Aは、偽造券が過去の取引において検出された場合であっても、その偽造券を利用したカードを発見した場合に、そのカードを利用した取引がなされることを防止することができる。したがって、偽造券が再度利用されてしまう可能性をさらに低減させることが可能である。
制御部110Aは、対象の券が処理されるように制御して(ステップS65)、取引終了であれば(ステップS66で「Yes」)、取引動作を終了するが、取引終了でなければ(ステップS66で「No」)、ステップS61に戻る。
以上、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aの取引動作の例について説明した。続いて、本発明の第1の実施形態の変形例4にかかる自動取引装置10Aについて説明する。ただし、本発明の第1の実施形態の変形例4においては、本発明の第1の実施形態と異なる部分を主に説明する。したがって、本発明の第1の実施形態と同様な部分については、説明を省略する。
上記では、記番号等の偽造券情報により、利用者が利用した挿入カード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させ、挿入カードと偽造券利用カード情報が一致した場合に、挿入カードを返却されないように、挿入カード位置を制御する例を示した。しかし、ここでは、利用者が利用した挿入カード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させる手法の変形例を以下に説明する。
例えば、自動取引装置10Aの取引において、偽造券ではないと判断された紙幣が、その後、偽造券であると判断される場合も想定できる。そのような場合であっても、自動取引装置10Aは、偽造券ではないと判断された紙幣を利用した挿入カード情報を、偽造券利用カード情報として設定できるとよい。
以下、過去の取引に利用された挿入カード情報とその取引に利用された紙幣に関する情報(例えば記番号)とが関連付けられて記憶されている場合について説明する。図13は、本発明の第1の実施形態の変形例4に係る自動取引装置10Aの動作例を示すフローチャートである。
自動取引装置10Aは、挿入カードを利用してなされる取引において、過去に偽造券とは判断されなかった紙幣を受け付ける。その後、過去に偽造券とは判断されなかった紙幣が、偽造券と判断された場合に(ステップS14で「Yes」)、過去に偽造券と判断されなかった紙幣を利用した挿入カード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させればよい(ステップS15)。
具体的には、記憶制御部114Aは、偽造券と判断された紙幣の記番号等の偽造券情報と、過去の取引に利用された挿入カード情報とその取引に利用された紙幣に関する情報(例えば記番号)とが関連付けられて記憶されている記憶部150とを参照し、その偽造券情報と同一の紙幣を利用した利用者がいれば、その利用者の挿入カード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させる。
かかる場合、過去に偽造券とは判断されなかった紙幣を利用した利用者が自動取引装置10Aに訪れ、挿入カードを挿入したときに、所定の利用者推定のタイミングで、比較部111は、挿入カード情報と記憶部150により記憶された偽造券カード情報とを比較すればよい。所定の利用者推定のタイミングは、この例に示すように過去に当該紙幣が偽造券と判断された取引の次の取引において挿入カードが挿入された時点であってもよいし、新しい偽造券情報が登録された時点であってもよいし、一定の間隔において定期的に到来する時点であってもよい。
続いて、比較部111は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致するか否かを判断する(ステップS2)。カード位置制御部112は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致すると判断された場合には(ステップS2で「Yes」)、挿入カードが返却されないように、挿入カードの位置を制御する(ステップS3)。
一方、カード位置制御部112は、挿入カード情報と偽造券利用カード情報とが一致しないと判断された場合には(ステップS2で「No」)、取引が行われた後(ステップS4)、挿入カードが返却されるように、挿入カードの位置を制御する(ステップS5)。その後、制御部110Aは、動作を終了する。このようにすれば、偽造券が再度利用されてしまう可能性をさらに低減させることが可能である。
以上、本発明の第1の実施形態の変形例4に係る自動取引装置10Aの動作例について説明した。
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
[第2の実施形態の説明]
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態においては、本発明の第1の実施形態と異なる部分を主に説明する。したがって、本発明の第2の実施形態における構成要素のうち、本発明の第1の実施形態と重複する構成要素には、本発明の第1の実施形態において付されていた符号と同一の符号を付し、当該構成要素の説明を省略する。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図14に示すように、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システム1は、自動取引装置10Bとサーバ20とを備えている。自動取引装置10Bとサーバ20とはネットワーク30を介して接続されている。以下では、本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置10Aと異なる自動取引装置10Bおよび本発明の第2の実施形態に係るサーバ20について主に説明する。なお、図14に示された例では、自動取引装置10Bが4つ存在するが、自動取引装置10Bの数は特に限定されない。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る自動取引装置10Bの構成例を示す図である。図15に示すように、自動取引装置10Bは、制御部110Bと、操作部120と、カード読取部130と、カード挿入口131と、通帳挿入口132と、スピーカ133と、紙幣読取部140と、紙幣挿入口141と、硬貨投入口142と、記憶部150と、表示部160と、通信部170とを備えている。通信部170は、制御部110Bによる制御に従ってネットワーク30を介してサーバ20と通信を行う機能を有する。制御部110Bは、比較部111、カード位置制御部112、紙幣判別部113および記憶制御部114Bを備えている。
以上、本発明の第2の実施形態に係る自動取引装置10Bの機能構成例について説明した。以下、本発明の第2の実施形態に係る自動取引装置10Bの取引動作の例について説明する。図16は、本発明の第2の実施形態に係る自動取引装置10Bの取引動作例を示すフローチャートである。
図16に示すように、取引が開始されると、紙幣判別部113は、取引における対象の券が偽造券であるか否かを判断する(ステップS61)。記憶制御部114Bは、紙幣判別部113により取引における対象の券が偽造券であると判断された場合には(ステップS61で「Yes」)、挿入カード情報を偽造券利用カード情報としてサーバ20に記憶させる(ステップS67)。また、記憶制御部114Bは、紙幣判別部113により偽造券に関する情報を偽造券情報としてサーバ20に記憶させる(ステップS68)。さらに、記憶制御部114Bは、現在日付を偽造券利用日としてサーバ20に記憶させる(ステップS69)。
制御部110Bは、対象の券が処理されるように制御して(ステップS65)、取引終了であれば(ステップS66で「Yes」)、取引動作を終了するが、取引終了でなければ(ステップS66で「No」)、ステップS61に戻る。
以上、本発明の第2の実施形態に係る自動取引装置10Bの取引動作の例について説明した。
続いて、本発明の第2の実施形態に係るサーバ20の機能構成例について説明する。図17は、本発明の第2の実施形態に係るサーバ20の機能構成例を示す図である。図17に示すように、サーバ20は、制御部210と、記憶部220と、通信部230とを備えている。
制御部210は、サーバ20の動作全体を制御する機能を有する。記憶部220は、制御部210を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部220は、制御部210の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。通信部230は、制御部210による制御に従ってネットワーク30を介して自動取引装置10Bと通信を行う機能を有する。
なお、図17に示した例では、記憶部220および通信部230は、サーバ20の内部に存在するが、記憶部220および通信部230は、サーバ20の外部に備えられていてもよい。また、記憶部220は、取得部211と、記憶制御部212と、通知部213とを備える。
取得部211は、自動取引装置10Bから、偽造券利用カード情報と偽造券情報と偽造券利用日とを取得する。記憶制御部212は、取得部211によって取得された、偽造券利用カード情報と偽造券情報と偽造券利用日とを、記憶部150に記憶させる。通知部213は、所定のタイミングが到来した場合には、記憶部150に記憶された、偽造券利用カード情報と偽造券情報と偽造券利用日とを、自動取引装置10Bに通知する。
所定のタイミングは、特に限定されない。例えば、所定のタイミングは、所定周期ごとに到来してもよいし、自動取引装置10Bから偽造券利用カード情報と偽造券情報と偽造券利用日とが取得部211によって取得される度に到来してもよい。あるいは、所定のタイミングは、自動取引装置10Bからの要求をサーバ20が受け付けたときであってもよい。当該要求は、自動取引装置10Bに利用者が訪れたとき(例えば、利用者からカードが挿入されたとき)に自動取引装置10Bからサーバ20に対して出されてもよい。通知部213による通知先の自動取引装置10Bは、ネットワーク30に接続されている自動取引装置10Bの全部であってもよいし、一部であってもよい。
サーバ20から自動取引装置10Bに通知された偽造券利用カード情報と偽造券情報と偽造券利用日とは、記憶制御部114Bにより記憶部150に記憶される。その後、比較部111は、このようにして記憶部150により記憶された偽造券利用カード情報と挿入カード情報とを比較することが可能となる。
このようにして、本発明の第2の実施形態においては、本発明の第1の実施形態と同様に、偽造券を利用したカードを発見した場合に、そのカードを利用した取引がなされることを防止することができる。したがって、本発明の第2の実施形態によれば、本発明の第1の実施形態と同様に、偽造券が再度利用されてしまう可能性を低減させることが可能である。
さらに、本発明の第2の実施形態によれば、自動取引装置10Bは、偽造券が他の自動取引装置10Bによって検出された場合であっても、偽造券を利用したカードを発見した場合に、そのカードを利用した取引がなされることを防止することができる。したがって、本発明の第2の実施形態によれば、偽造券が再度利用されてしまう可能性をさらに低減させることが可能である。
なお、例えば、第1の自動取引装置10Bの取引においては偽造券ではないと判断された紙幣が、第1の自動取引装置10Bとは異なる第2の自動取引装置10Bの取引においては偽造券であると判断される場合も想定される。そのような場合であっても、第1の自動取引装置10Bは、第2の自動取引装置10Bにおいて発見された偽造券を利用したカードを次回以降の取引において発見した場合に、そのカードを利用した取引がなされることを防止することができるとよい。
具体的には、第1の自動取引装置10Bの記憶制御部114Bは、第2の自動取引装置10Bの取引において偽造券が検出された場合に、その偽造券を利用した取引が第1の自動取引装置10Bにおいても(第2の自動取引装置10Bの取引より前または第2の自動取引装置10Bの取引以降に)なされた場合には、その取引に利用されたカード情報を偽造券利用カード情報として、記憶部150に記憶させればよい。かかる場合、その後、比較部111は、記憶部150により記憶された偽造券利用カード情報と挿入カード情報とを比較すればよい。
例えば、過去の取引に利用されたカード情報とその取引に利用された紙幣に関する情報(例えば、紙幣の記番号)とが関連付けられて記録されている場合には、第1の自動取引装置10Bの記憶制御部114Bは、サーバ20から通知された偽造券情報と一致する紙幣に関する情報に関連付けられて記録されているカード情報を偽造券利用カード情報として記憶部150に記憶させればよい。このようにすれば、偽造券が再度利用されてしまう可能性をさらに低減させることが可能である。
以上、本発明の第2の実施形態に係るサーバ20の機能構成例について説明した。
続いて、本発明の第2の実施形態に係るサーバ20の動作例について説明する。図18は、本発明の第2の実施形態に係るサーバ20の動作例を示すフローチャートである。なお、当該フローチャートにおいては、取得部211および記憶制御部212の動作が省略されている。
図18に示すように、制御部210は、所定のタイミングが到来しない間は(ステップS71で「No」)、ステップS75に進むが、通知部213は、所定のタイミングが到来した場合には(ステップS71で「Yes」)、偽造券利用カード情報をそれぞれの自動取引装置10Bに通知する(ステップS72)。また、通知部213は、偽造券情報をそれぞれの自動取引装置10Bに通知する(ステップS73)。さらに、通知部213は、偽造券利用日をそれぞれの自動取引装置10Bに通知する(ステップS74)。
制御部210は、動作終了であれば(ステップS75で「Yes」)、動作を終了するが、動作終了でなければ(ステップS75で「No」)、ステップS71に戻る。
以上、本発明の第2の実施形態に係るサーバ20の動作例について説明した。
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
制御部110を構成する各ブロックは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などから構成され、記憶部150により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。あるいは、制御部110を構成する各ブロックは、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
制御部210を構成する各ブロックは、例えば、CPU、RAMなどから構成され、記憶部220により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。あるいは、制御部210を構成する各ブロックは、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。