JP6191070B2 - アンモニア処理システム - Google Patents
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Description
ヒドラジンを用いない脱酸素剤としては、水素イオン指数(pH)の値を大きくした(例えばpH7〜pH9)アンモニアが知られているが、脱酸素剤としてアンモニアを用いることにより今後プラントからの排水のアンモニア濃度が高くなることが想定されている(例えば非特許文献1参照)。一方、排水規制により窒素の低減も求められており、早急な対応が望まれている。
また、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を用い、塩素処理によってアンモニアを分解するアンモニア処理システムも知られている。
また、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品によるアンモニア分解の場合、強アルカリの酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムタンク等を設置するスペースが必要となり、既存の設備の中に組み入れることが難しかった。
本発明のアンモニア処理システムは、熱回収をするボイラ設備と、前記ボイラ設備内の給水系統にアンモニアを注入するアンモニア注入手段と、前記給水系統又は前記ボイラ設備からのブロー水のアンモニア濃度を測定するアンモニア濃度測定手段と、前記ブロー水の水量を測定する流量測定手段と、塩化物イオン源として塩化ナトリウム水溶液を導入する塩化物イオン供給手段と、前記塩化物イオン供給手段に設けられ、前記塩化ナトリウム水溶液の導入量を制御するポンプと、前記塩化物イオン供給手段によって前記塩化ナトリウム水溶液が導入される循環調整槽と、前記循環調整槽からの処理水が導入され、前記処理水が電気分解される電解槽と、前記電解槽で処理した電解処理液を前記循環調整槽へ循環させるための循環ポンプと、前記ブロー水を受け入れるとともに、前記循環調整槽からの処理水を受け入れる混合槽と、前記電気分解の際の電流、及び処理時間を制御する制御装置と、を有し、前記循環調整槽には、前記処理水のpHを測定するpH測定装置と、前記処理水の温度を測定する温度測定装置と、前記処理水の塩化物イオン濃度を測定する塩化物イオン濃度測定装置と、が設けられ、前記制御装置は、前記アンモニア濃度測定手段で測定された前記アンモニア濃度及び前記流量測定手段で測定された前記ブロー水の水量に基づいて前記電気分解の際の電流量を制御し、前記塩化物イオン濃度測定装置で測定された前記処理水の塩化物イオン濃度が所定濃度以上、かつ、前記処理水のpHが7〜9となるように前記ポンプを制御し、前記混合槽の下流側に設けられた脱塩装置と、前記脱塩装置によって濃縮された濃縮水の一部を前記循環調整槽に塩化物イオン源として供給する濃縮水再利用配管と、をさらに備えることを特徴とする。
また、塩化物イオン濃度が高い状態で塩化ナトリウム水溶液が電解槽に導入されるため、電流密度を増大させることができる。
さらに、電解槽に供給する塩化物イオンを脱塩装置から回収して供給する構成としたことによって、塩化物イオンの供給コストを低減することができる。
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のアンモニア処理システム1は、排熱回収ボイラ3を備えたコンバインドサイクル発電プラント2に設けられたものである。コンバインドサイクル発電プラント2は、ガスタービン4と、ガスタービン4からの排気ガスが送られる排熱回収ボイラ3と、蒸気タービン5と、ガスタービン4と蒸気タービン5の回転駆動力により駆動されて発電する発電機(図示せず)と、排熱回収ボイラ3から排出されるブロー水の処理を行うアンモニア処理システム1と、を有している。
なお、給水ライン11と給水ライン29との間のラインには、低圧節炭器26からの給水を循環する循環ポンプ32が設けられている。
電解処理装置37は、受入槽36から流出するブロー水と海水からなる処理水が導入される循環調整槽38と、循環調整槽38からの調整液が導入される電解槽39と、電解処理液を循環させるための循環ポンプ40と、を備え、電解槽39内にて処理された電解処理液を循環調整槽38に循環させる構成となっている。
また、電解槽39には、電解槽39内の残留塩素の濃度を測定する残留塩素測定装置52が設けられている。残留塩素測定装置52は、制御装置41と接続されている。
まず、受入槽36にアンモニアを含有するブロー水が導入され、貯留されたブロー水に海水導入ライン42を介して塩化ナトリウムを含有する海水が導入される。
ここで、処理水は、電解処理装置37の循環調整槽38に供給され、次いで、電解槽39に供給される。電解槽39では、電解槽39内の電極間に所定電圧を印加され、所定の電流密度となるように電流が供給されて、陽極では、数式(1)の電極反応により塩素(Cl2)が発生する。
Cl− → Cl2+2e− ・・・ (1)
Cl2+H2O → HClO+H++Cl− ・・・ (2)
NH3+HClO → NH2Cl+H2O ・・・ (3)
NH2Cl+HClO → NHCl2+H2O ・・・ (4)
NH2Cl+NHCl2 → N2+3H++3Cl− ・・・ (5)
なお、アンモニア濃度測定装置は、一ヶ所に設置する構成としてもよく、その場合は、より復水器9に近いアンモニア濃度測定装置47の設置場所が優先される。
具体的には、制御装置41は、残留塩素の濃度が設定値以上かどうか判断する。そして、事前に行うテストに基づきアンモニア濃度が所定値以下となったと判断できる残留塩素の濃度を設定し、その残留塩素の濃度の設定値に達した場合に電気分解を止める。処理水は、図示しない残留塩素処理器を介して放出される。
即ち、アンモニア濃度によって設定された電気分解の処理時間では、アンモニア濃度が適切に低下しなかった場合においても、アンモニア濃度が所定値以下となるまで処理時間が延長される。
同様に、海水の量は、温度測定装置51の測定値に応じて制御される。即ち、制御装置41は、処理水の温度が20℃〜50℃となるように、海水ポンプ46を制御して、海水の量を調整する。
同様に、海水の量は、塩化物イオン濃度測定装置44の測定値に基づいて制御される。即ち、制御装置41は、処理水の塩化物イオン濃度が2,000mg/リットル以上となるように海水ポンプ46を制御して海水の量を調整する。
また、処理水の塩化物イオン濃度が2,000mg/リットル以上となるように海水の導入量が調整されているため、電気分解に必要な塩化物イオンを安定して確保することができる。
さらに、次亜塩素酸ナトリウムタンク等を設置するスペースが必要ないため、既存の設備の中に組み入れることが容易となる。
以下、本発明の第二実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
受入槽36には、塩化物イオン源として海水を導入するための海水導入ライン70が接続されている。海水導入ライン70には海水ポンプ71が設けられており、この海水ポンプ71は、制御装置41によって制御可能とされている。さらに、受入槽36には、ブロー水の温度を測定する温度測定装置72が設けられている。
塩化ナトリウムを含有する海水は、電解処理装置37Bの循環調整槽38Bに直接導入され、次亜塩素酸(HClO)を生成する。次亜塩素酸を含む処理水は、ブロー水が貯留された混合槽55に導入され、ブロー水中に存在するアンモニアと次亜塩素酸とが溶液反応して、窒素ガス(N2)まで分解される。
また、受入槽36に導入される海水の量は、温度測定装置72の測定値に応じて制御される。制御装置41は、受入槽36内の処理水の温度が50℃以下となるように、海水ポンプ71を制御して、海水の量を調整する。
以下、本発明の第三実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図4は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
以下、本発明の第四実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図5は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第三実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
以下、本発明の第五実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第三実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
以下、本発明の第六実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第二実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
また、脱塩装置63から排出される処理水は、放流水として排出するか、ボイラ給水、工業用水、雑用水として再利用する。
脱塩装置61としては、逆浸透膜、電気透析、キャパシタ脱塩、イオン交換樹脂、軟水器などを用いた装置を採用することができる。
以下、本発明の第七実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図8は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第六実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
以下、本発明の第八実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第六実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
以下、本発明の第九実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図10は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第六実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
Cl除去装置67としては、活性炭、空気曝気、還元剤供給などを利用した装置を採用することができる。還元剤としては、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)などを採用することができる。
以下、本発明の第十実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図11は、本実施形態に係るアンモニア処理システムの詳細系統図である。なお、本実施形態では、上述した第九実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
また、Cl除去装置67の下流側(脱塩装置63の上流側)には、Cl除去装置67から排出される処理水を脱塩装置63の下流側の濃縮水再利用配管64にバイパスさせるバイパス配管69が設けられている。Cl除去装置67から排出される処理水は、制御装置41の指令によって脱塩装置63とバイパス配管69のいずれかに導入される。この切替えは、図示しないバルブによってなされる。
残留塩素濃度が検出された場合、脱塩装置63への流路をバルブで遮断し、バイパス流路69に処理水を導入し、濃縮水再利用配管64へバイパスする。
2 コンバインドサイクル発電プラント
3 排熱回収ボイラ(ボイラ設備)
11 給水ライン(給水系統)
34 アンモニア注入手段
35 ブローライン
36 受入槽
37 電解処理装置
38 循環調整槽
39 電解槽
41 制御装置
42,42B 海水導入ライン(塩化物イオン供給手段)
44 塩化物イオン濃度測定装置(塩化物イオン濃度測定手段)
45 直流電源装置
46 海水ポンプ
47 アンモニア濃度測定装置(アンモニア濃度測定手段)
48 アンモニア濃度測定装置(アンモニア濃度測定手段)
49 アンモニア濃度測定装置(アンモニア濃度測定手段)
52 残留塩素測定装置(残留塩素測定手段)
53 流量測定装置(流量測定手段)
55 混合槽
60 濃縮装置
63 脱塩装置
64 濃縮水再利用配管
Claims (2)
- 熱回収をするボイラ設備と、
前記ボイラ設備内の給水系統にアンモニアを注入するアンモニア注入手段と、
前記給水系統又は前記ボイラ設備からのブロー水のアンモニア濃度を測定するアンモニア濃度測定手段と、
前記ブロー水の水量を測定する流量測定手段と、
塩化物イオン源として塩化ナトリウム水溶液を導入する塩化物イオン供給手段と、
前記塩化物イオン供給手段に設けられ、前記塩化ナトリウム水溶液の導入量を制御するポンプと、
前記塩化物イオン供給手段によって前記塩化ナトリウム水溶液が導入される循環調整槽と、
前記循環調整槽からの処理水が導入され、前記処理水が電気分解される電解槽と、
前記電解槽で処理した電解処理液を前記循環調整槽へ循環させるための循環ポンプと、
前記ブロー水を受け入れるとともに、前記循環調整槽からの処理水を受け入れる混合槽と、
前記電気分解の際の電流、及び処理時間を制御する制御装置と、を有し、
前記循環調整槽には、
前記処理水のpHを測定するpH測定装置と、
前記処理水の温度を測定する温度測定装置と、
前記処理水の塩化物イオン濃度を測定する塩化物イオン濃度測定装置と、が設けられ、
前記制御装置は、前記アンモニア濃度測定手段で測定された前記アンモニア濃度及び前記流量測定手段で測定された前記ブロー水の水量に基づいて前記電気分解の際の電流量を制御し、前記塩化物イオン濃度測定装置で測定された前記処理水の塩化物イオン濃度が所定濃度以上、かつ、前記処理水のpHが7〜9となるように前記ポンプを制御し、
前記混合槽の下流側に設けられた脱塩装置と、
前記脱塩装置によって濃縮された濃縮水の一部を前記循環調整槽に塩化物イオン源として供給する濃縮水再利用配管と、をさらに備えることを特徴とするアンモニア処理システム。 - 前記電解槽は、前記処理水の残留塩素濃度を電気分解中に測定する残留塩素測定手段を有し、
前記制御装置は、前記残留塩素濃度によって電気分解の終了点を決定することを特徴とする請求項1に記載のアンモニア処理システム。
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