JP6190108B2 - 板ガラス等ワークの周縁部を研磨テープにより研磨する研磨装置及び研磨方法 - Google Patents

板ガラス等ワークの周縁部を研磨テープにより研磨する研磨装置及び研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、携帯電話表示窓、液晶パネル、有機ELパネル、プラズマパネル、太陽電池パネル等のフラットディスプレイや電子部品用のカバーガラス、光学フィルター等に使用される板ガラス等のワークを研磨する装置及び研磨方法に関する。特に、板ガラス等のワークの周縁部を、研磨テープを使用して高精度に研磨する研磨装置及び研磨方法に関する。
近年、スマートフォン、タブレット型端末等の市場が拡大している。これらの電子機器は、ディスプレイがむき出しになっているものが多く、落下や衝撃時に傷がつきやすい。ディスプレイのサイズは、例えば、スマートフォンで5インチ前後、タブレット型端末で6インチ〜10インチ前後、フィーチャーフォンは3インチ前後(アスペクト比は、通常は4:3の横:縦比率であり、ワイドの場合16:9)である。このような電子機器用のディスプレイを保護するためのカバー部材の需要が増大している。
ディスプレイ(メインディスプレイ、サブディスプレイ、カメラのディスプレイ等)のカバー部材の材料として、従来の片面(又は両面)にハードコートを施した耐傷性のアクリルやポリカーボネートに代わって、近年はカバーガラスの採用が増大しており、このカバーガラスの強度を向上させることが課題となっている。
ガラスは、理論的には強度の高い材料であるが(1000〜2000kg/mm)、実際の強度は低い(3〜20kg/mm)。これは、ガラスの表面等に目に見えない微細な傷、クラック、チッピング等(潜傷)があり、ガラスに引張応力が作用した際に応力集中が起こり、破損の原因となることが多いためである。
ガラスの強度を向上させるために、さまざまな物理的な方法(表面急冷法等)や化学的な方法(化学エッチング処理、イオン交換法等)が考案されているが、これらの強化方法を採用する場合も、破損の原因となるガラスの微細な傷を取り除くことが重要である。
カバーガラスは、概して、材料であるガラス素板を所定のサイズに切断し、これにさまざまな加工を施すことにより製造される。ガラス素板の切断面である端面には、微細な傷やクラック等が形成されている。このような端面に形成されている微細な傷を取り除くために、稜部や角部を取り除く面取り(糸面取り)が行われる。
面取りでは、所定形状(矩形等)の板ガラスの辺部(端面と上面又は下面との境界部)を研磨するいわゆるC面取り、または、角部(一つの端面と隣り合う端面との境界部)を研磨するいわゆるR面取り等が行われる。
従来、C面取りやR面取りには砥石等の研磨材料が使用され、特にR面取りではR形状によって(例えば、R1、R10等)、対応する形状の研磨材料が必要であり、研磨材料の形状を高精度に形成することが困難であった。また、研磨プログラムの作成や研磨により形成される被研磨面の品質の維持、向上が困難であった。
従来、略円盤状の研削砥石の円盤面を傾けて板ガラスの稜部に押し当てることにより稜部のみを除去するC面取り加工が行われていた(特開2000−233351公報:特許文献1)。また、研削砥石の端面に傾斜面を設け、該傾斜面を板ガラスの稜部に押し当てて稜部のみを除去するC面取り加工が行われていた(特開2003−231046公報:特許文献2、特開2011−51068公報:特許文献3)。
さらに、研削砥石の端面に円弧状の凹部又は所望の形状の凹部を形成して、板ガラスの端面を研削砥石の端面形状に倣って除去する、R面取り加工又は総形加工が行われていた(特開2002−59346公報:特許文献4、特開2001−85710公報:特許文献5)。
上記のような従来の面取り加工では、研削砥石として、金属の粉末を固めて焼結しダイヤモンド砥粒を固定したメタルボンドのダイヤモンドホイール等が使用され、砥粒のサイズが異なるホイール(砥石)を使用して、一次加工と二次加工が行われた。一次加工には、メッシュサイズで#325〜#600のダイヤモンド粒子を用いたホイールが使用され、加工した板ガラス端縁部の平均表面粗さRaは、概して、0.5μm〜1.0μmの範囲にあった。この表面粗さを小さくするために、二次加工には、一次加工用のホイールと同じ断面形状に成形された、メッシュサイズで#1000〜#2000のダイヤモンド粒子を用いた仕上げ加工用のホイールが使用された。
また、上記のようなメタルボンドのダイヤモンドホイールに代えて、繊維間が樹脂で充填された繊維構成体の面取りホイール、又はメッシュサイズで#500〜#2000の炭化ケイ素、アルミナ等の研磨砥粒が配された樹脂構成体の面取りホイールが提案された(特開2002−160147公報:特許文献6)。この面取りホイール(砥石)を回転させながら、断面凹状に形成されたホイールの周縁部を液晶ディスプレイ用板ガラス等の端面に押し当てることにより、加工が行われた。加工むらをなくし均一な研磨を行うために、面取りホイールは、回転軸を板ガラスの表面に立てた垂線に対して所定の角度傾けて使用された。
特開2000−233351公報 特開2003−231046公報 特開2011−51068公報 特開2002−59346公報 特開2001−85710公報 特開2002−160147公報
上記のような砥石(ホイール)を板ガラスの端縁部に押し当てて回転させながら面取りを行うと、砥石の目詰まりや砥石の磨耗が徐々に進行するという問題があった。目詰まりや摩耗により砥石の加工部の形状等が悪くなると、板ガラスの周縁部に研削傷が発生するようになり、砥石が板ガラスの周縁部の一部に接触しないことにより未加工部(加工むら)を生じ、また、加工圧力の不均一により焼け等を生ずることがあった。
砥石の加工部の形状等が悪くなった場合、ドレッシングやツルーイングが行われるが、ダイヤモンドホイールには、高度な成形精度が不可欠とされ、ドレッシング等や砥石の位置調整に時間を要するため、作業効率が低下した。また、砥石の未使用領域が多く残ったまま加工部のドレッシング等を行ったり、寿命として砥石の交換を行ったりする必要があるため、コストが増大するという問題があった。
また、砥石を使用して板ガラスの周縁部の面取りを行うと、砥石を加工物に当接するときに機械的衝撃が加わり、その衝撃で板ガラスが破損し、加工歩留りが悪くなるという問題があった。
メタルボンドのダイヤモンドホイールと比べて剛性が低い樹脂構成体等の面取りホイール(特許文献6)では、板ガラスの端縁部への衝撃が減少し、欠けや傷の発生は減少した。しかし、砥石の磨耗が激しくなって加工部の形状変化が速く、目詰まりも起こるため、砥石のドレッシング(又はツルーイング)の頻度が高いという問題があった。また、砥石の摩耗カスが板ガラス等ワークに付着してしまい、洗浄装置や洗浄工程が必要になり、あるいは装置自体が汚れるため、装置メンテナンスに時間がかかるという問題があった。
さらに、近年需要が拡大しているディスプレイ用のカバーガラス(板ガラス)は厚みが薄く(例えば、1mm以下)、より高精度に周縁部(稜部や角部)が面取り加工されることが要求されるようになった。従来の研削砥石を使用して板ガラスの周縁部を面取りした場合、得られる加工面の精度が不十分で、周縁部に微細な傷又はチッピングが残ってしまい、研磨によって板ガラスの強度を向上させることができなかった。
上記の問題に鑑みて、本発明は、板ガラス等のワークの周縁部(辺部、角部等)を、研磨テープを使用して研磨し、高精度に加工することができる研磨装置を提供することを目的とする。また、研磨装置と研磨テープを使用して、さまざまな形状を有するワークの周縁部を研磨することができる研磨装置を提供する。
また、板ガラスの強度を向上するように、板ガラスの周縁部を高精度に研磨する研磨方法を提供することを目的とする。該方法により研磨され、強度が向上した板ガラスを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の一つの態様に係るワークの周縁部を研磨テープを使用して研磨するための研磨装置は、ワークの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨する、水平な第1の研磨軸線を有する第1の研磨部と、ワークの周縁部の非直線的な被研磨部分を研磨する、水平な第2の研磨軸線を有する第2の研磨部と、を含み、第1の研磨部が、ワークを保持するための第1のワークユニットと、第1の研磨軸線を挟んで、第1のワークユニットに対向して第1の研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための第1の研磨テープユニットと、を含み、第2の研磨部が、ワークを保持するための第2のワークユニットと、第2の研磨軸線を挟んで、第2のワークユニットに対向して第2の研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための第2の研磨テープユニットと、を含み、第1の研磨部において、配置された第1の研磨テープの表面が第1の研磨面を画成し、直線的な被研磨部分と第1の研磨面とが接して第1の研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われ、第2の研磨部において、配置された第2の研磨テープの表面が第2の研磨面を画成し、非直線的な被研磨部分と第2の研磨面とが接して第2の研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われる、ことを特徴とする。
このように構成することで、研磨テープを使用して、ワークの周縁部の直線的な被研磨部分、例えば、矩形の板ガラスの辺部(稜部)と、ワークの周縁部の非直線的な被研磨部分、例えば、矩形の板ガラスの角部とを研磨装置で研磨することができる。また、上記のように構成することで、例えば、第1の研磨テープと第2の研磨テープ(同じものであってもよい)を研磨装置に配置することで、さまざまな形状(例えば、直線的な形状や所定の曲率を有する形状)の被研磨部分を研磨することができる。本発明に係る研磨装置は、厚さが1mm以下の薄板ワークの周縁部を高精度に研磨することができる。ワークは板ガラスであってよく、シリコン等の結晶材料から成る板であってよい。本発明は特に、劈開性を有する結晶材料から成る板の強度を向上するように、周縁部を研磨するために有効である。ワークは、劈開性を有しない結晶材料から成る板であってもよく、ステンレスやアルミ等の金属材料から成る板であってもよい。
本発明に係る研磨装置は、好適に、第1研磨部から第2研磨部にかけて自動的な連続研磨を行うために、ワーク搬送ユニットを含んでよい。ワーク搬送ユニットは、好適に、ワークの上面を吸着し搬送するためのアーム手段を有する。ワーク搬送ユニットのアーム手段はまた、ワークユニット上でワークを回転して配置する。例えば、図15に図示されているように、矩形のワークWについて、ワークの対角線の交点である中心C1、またはワークの短辺を含む正方形の対角線の交点である中心C2を中心として、ワークを回転(90度ずつ、又は180度ずつ)する。ワーク搬送ユニットを有することにより、例えば、矩形のワークの四つの端面(または、上面、下面に係る八辺)や四つの角部を含むワークの周縁部全体を、連続して自動で研磨することができる。
本発明に係る研磨装置は、好適に、板ガラスからなるワークの周縁部を研磨する。板ガラスからなるワークの周縁部を研磨するとき、研磨装置の第1の研磨部において、直線的な被研磨部分と第1の研磨面とが、板ガラスの周縁部の直線的な被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成するように相対移動し、研磨装置の第2の研磨部において、非直線的な被研磨部分と第2の研磨面とが、板ガラスの周縁部の非直線的な被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成するように相対移動する。
本発明に係る研磨装置は、板ガラスの周縁部を研磨して、板ガラスの機械的強度を向上するように構成されたものである。図16に示されているように、被研磨物である板ガラスWは、主表面(上面、下面)や端面の周縁部(稜部、角部)に、素板を割断した際に形成された(A)凹部や凸部、及び(B)クラック等を有する。稜部に形成された鋭い凸部はチッピングの起点となり、クラックは板ガラスの破壊の起点となる。本発明に係る研磨装置は、板ガラスの製造時に発生したクラック等が伝搬することなく消滅するように周縁部を高精度に研磨して、板ガラスの強度を向上させるものである。板ガラスの強度を向上させることができる高精度な表面性状を形成するために、研磨面が研磨テープにより構成され、被研磨部分に傷やチッピングを形成しないように研磨面と被研磨部分とが相対移動する。
具体的に、第1のワークユニットが、ワークを保持するための第1のワーク保持台と、第1のワーク保持台を前記第1の研磨軸線に沿って揺動させるための揺動手段と、を含む。
本発明に係る研磨装置においては、静止した研磨面に対して、直線的な被研磨部分が水平に、所定のストロークで往復移動(揺動)することにより研磨が行われる。ワークユニットは小型化、軽量化され、またバランサー等を配置することにより、揺動の際の振動を低減することができる。これによって、振動に起因する被研磨面の傷の発生が低減し、高精度に平滑な被研磨面に仕上げることができる。研磨面の位置は静止し、研磨面を形成する研磨テープは走行していてもよい。
本発明に係る研磨装置において、ワーク保持ユニットにより保持された板ガラスと、研磨テープユニットの研磨面とが(相対的に)揺動する範囲(ストローク)は、好適に、プラスマイナス1〜200mmの範囲にある。このようにすることで、研磨量のバラつき(ダレ)が発生しにくくなる。
また、第2のワークユニットが、水平なベース上に、水平方向且つ第2の研磨軸線に垂直な方向(X方向)に移動可能に設けられたX方向可動ステージと、第2の研磨軸線に平行な方向(Y方向)に移動可能に設けられたY方向可動ステージであって、X方向に伸長する溝部を一体的に有するY方向可動ステージと、X方向可動ステージに一体的に設けられた第1の鉛直軸により回転可能に水平支持された第2のワーク保持台と、を含み、第2のワーク保持台が、該第2のワーク保持台の表面から垂直に伸長する第2の鉛直軸であって、前記Y方向可動ステージの前記溝部内に摺動可能に位置する第2の鉛直軸を有し、ワークが前記第2のワーク保持台に保持され、非直線的な被研磨部が、第1の鉛直軸及び前記第2の鉛直軸の移動によって、首振り運動しながら前記第2の研磨軸線に沿って揺動する、ことを特徴とする。
第2の研磨部においても、静止した研磨面に対して、非直線的な被研磨部分が、水平面内で首振り運動しながら所定のストロークで往復移動することにより研磨が行われる。このとき、首振り運動は、被研磨部分の曲率等に従って(あるいは、形成したい曲率に従って)決定することができ、水平な往復運動の軌跡は、研磨軸線に一致するので、非直線的な被研磨部分が平坦な研磨面に順次的に当接しながら研磨が行われる。
二つの鉛直軸の位置は、サーボモータ等により同期制御されることが好ましい。第1の鉛直軸のX方向の位置x、及び第2の鉛直軸のX方向の位置x’、Y方向の位置yが同期して制御されることにより、板ガラスの角部等の非直線的な被研磨部分を、所望のR形状(例えば、R1、R10等)に形成することができる。
好適に、一種類の研磨テープであっても、さまざまな曲率を有する被研磨部分を研磨することができる。R形状に合わせて研磨材料(砥石等)を作製する必要がなく、コストを削減しながらワークの角部に高精度な仕上がり面を形成することができる。
また、第1の研磨テープユニットが、第1の研磨面を水平方向且つ第1の研磨軸線に垂直な方向に移動させるための第1の研磨テープ移動手段を有し、それによって、直線的な被研磨部分と第1の研磨面とが前記第1の研磨軸線において当接することができ、第2の研磨テープユニットが、第2の研磨面を水平方向且つ第2の研磨軸線に垂直な方向に移動するための第2の研磨テープ移動手段を有し、それによって、非直線的な被研磨部分の少なくとも一部と第2の研磨面とが第2の研磨軸線において当接することができる、ことを特徴とする。
上記のような位置決め機構を有することにより、例えば、矩形のワークの辺部全体が研磨軸線において平坦な研磨面に当接することができ、片あたりのない、均一な研磨を行うことができる。また、ワークの一点への機械的衝撃が抑制されるため、チッピングの発生とワークに存在していたクラックの伝搬も抑えられ、ワークの破壊強度を向上させる高精度な研磨を行うことができる。また、ワーク毎の強度のバラツキがなく、品質を安定させることができる。
さらに、第1の研磨テープユニットが、第1の研磨面の長手軸線を、第1の研磨軸線に対して傾斜させるための第1の傾斜手段を含み、第2の研磨テープユニットが、第2の研磨面の長手軸線を、第2の研磨軸線に対して傾斜させるための第2の傾斜手段を含む、ことを特徴とする。
本発明に係る研磨テープユニットは、好適に、ワークユニットに対向して位置する、研磨軸線に平行な研磨パッドを有し、該研磨パッドに(走行可能に)配置された研磨テープの表面が、ワークの被研磨部分を研磨するための研磨面を画成する。研磨パッドに配置された研磨テープは所定の幅と長さを有し、長手方向の軸線(長手軸線)を有する。該長手軸線は、研磨テープが走行される場合、走行方向に等しい。該長手軸線は研磨軸線と一致してもよく、研磨軸線に対して傾斜していてもよい。
研磨面の長手軸線を、例えば、θ度だけ傾けることができる。研磨面が鉛直な面である場合、θ度は水平面に対する傾斜角度となる。
研磨面を画成する研磨テープは、所定の幅を有する。また、所定の速度で連続走行されることがある。研磨テープの長手軸線を水平にすると、例えば、水平なワークの直線状の辺部に当接する研磨面(研磨テープ)はわずかとなり、研磨を行うことなく使用済みとなって巻き取られる研磨テープの量が多くなる。本発明に係る研磨装置は、研磨面の長手軸線を傾斜させる手段を有するので、コスト面でも利益が大きい。すなわち、研磨面の長手軸線(走行される場合は、走行方向)を研磨軸線に対して傾けることにより、研磨テープの広い範囲(好適に、全面)を有効に使用することができ、ランニングコスト(研磨テープのコスト)を低減することができる。板ガラス等のワークの辺部の長さに応じて、傾斜する角度θを、例えば、0度<θ≦90度の範囲において決定することができる。一定の幅の研磨テープでサイズが異なる板ガラス等ワークに対応することができ、研磨テープユニットの構造を簡素化することができる。複数のテープユニットを使用する際も、仕様が均一となり、研磨テープユニットの製造コストを低減することができる。また、一種類の研磨テープで多種のワーク(板ガラス等)に対応することができるので、ワーク毎にテープを交換する必要がなく、サイクルタイムを低減することができる。研磨テープの種類が少なくて済むので、在庫管理も容易になる(不良在庫の低減、同じ種類のテープをまとめて購入することによるボリュームディスカウント等)。狭い幅の研磨テープを使用して、研磨テープを軽量化することができ、テープの交換作業が簡便になる。また、一定の幅の研磨テープを使用して、複数の板ガラスを同時に研磨することができ、サイクルタイムの一層の低減を図ることができる。
さらに、第1の研磨テープユニットが、第1の研磨面を、第1の研磨軸線を中心に回動させるための第1の回動手段を含み、第2の研磨テープユニットが、第2の研磨面を、第2の研磨軸線を中心に回動させるための第2の回動手段を含む、ことを特徴とする。
本発明に係る研磨装置は、研磨面を鉛直に配置することができ、また、研磨面を、研磨軸線(または、研磨軸線に平行な回動軸線)を中心に回動させ、鉛直面に対して傾斜させることができる。このようにすることで、ワークの直線的な辺部をC面研磨することができる。研磨テープユニットが回動するので、ワークユニットに水平に固定されたワークの上面及び下面係る辺部に、所望のC面研磨を行うことができる。ワークユニットは、ワークを傾斜等する必要がなく、構成を簡素化することができる。研磨テープユニットの研磨面が、研磨軸線を中心に回動する角度αの範囲は、好適に、鉛直面に平行な研磨面を0度として上下方向に最大で90度(このとき、研磨面は水平)である。
あるいは、研磨テープユニットは回動機構を有しなくてもよい。この場合、水平に置かれた板ガラス等ワークの上面(又は下面)に係る一つの辺部(稜部)をC面研磨するために、研磨テープユニットの研磨面を、鉛直面(又は水平面)に対して、例えば45度傾斜した状態で固定して、研磨テープユニットを構成してもよい。
さらに、第1のワークユニットが、ワークを水平方向且つ第1の研磨軸線に垂直な方向に移動させるためのワーク移動手段を含む、ことを特徴とする。このようにすることで、直線的な被研磨部分と研磨面とが、研磨軸線において確実に当接することができる。
さらに、本発明に係る研磨装置は、第1のワークユニットが、ワークを押圧して固定する、及び/又は吸着して固定するための第1のワーク固定手段を含み、第2のワークユニットが、ワークを、押圧して固定する、及び/又は吸着して固定するための第2のワーク固定手段を含む、ことを特徴とする。
ワークユニット(第1、第2)に置かれた板ガラス等のワークは、実際の研磨処理の前にワークユニットのワーク保持台に固定される。固定手段として、好適に、吸引力と押し付け力が用いられる。板ガラス等のワークは、固定板等により上方から押圧されて固定されてよく、真空吸着法等により保持台に固定されてもよい。保持台の表面及び固定板の裏面には、板ガラス等ワークの上面及び下面に傷が発生しないよう、布類やゴム等の弾性シートが貼り付けられてよい。
上面を押圧し、併せて下面を吸着することにより、ワーク保持台にワークが高い保持力で保持される。研磨処理中、研磨テープユニットの研磨面により押圧された際にも板ガラスの移動がなく、効率良く研磨を行うことができる。
また、第1の研磨テープユニットが、第1の研磨テープを走行させるための第1の研磨テープ走行手段を含み、第2の研磨テープユニットが、第2の研磨テープを走行させるための第2の研磨テープ走行手段を含む、ことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る研磨装置は、ワークの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、ワークを保持するためのワークユニットと、研磨軸線を挟んで、ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、直線的な被研磨部分と研磨面とが接して研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われる、ことを特徴とする。
また、ワークが板ガラスから成り、ワークユニットが、ワークを保持するためのワーク保持台と、ワーク保持台を研磨軸線に沿って揺動させるための揺動手段と、を含み、直線的な被研磨部分と研磨面とが、板ガラスの周縁部の直線的な被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成するように相対移動する、ことを特徴とする。
さらに、研磨テープユニットが、研磨面を水平方向且つ研磨軸線に垂直な方向に移動させるための研磨テープ移動手段であって、それによって、直線的な被研磨部分と前記研磨面とが研磨軸線において当接することができる、研磨テープ移動手段と、研磨面の長手軸線を、研磨軸線に対して傾斜させるための傾斜手段と、研磨面を、研磨軸線を中心に回動させるための回動手段と、を含む、ことを特徴とする。
さらに、ワークユニットが、ワークを水平方向且つ研磨軸線に垂直な方向へ移動させるためのワーク移動手段を含む。
このように構成することで、研磨テープを使用して、矩形の板ガラスの辺部等、ワークの直線的な被研磨部分を、研磨テープを使用して、所望のC面研磨を行うことができる研磨装置とすることができる。また、板ガラスの辺部又は端面を、板ガラスの強度を向上させるように、高精度に研磨することができる研磨装置とすることができる。
本発明に係るもう一つの他の態様の研磨装置は、ワークの周縁部の非直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、ワークを保持するためのワークユニットと、研磨軸線を挟んで、ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、非直線的な被研磨部分と研磨面とが接して研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われる、ことを特徴とする。
また、ワークが板ガラスから成り、ワークユニットが、水平なベース上に、水平方向且つ研磨軸線に垂直な方向(X方向)に移動可能に設けられたX方向可動ステージと、研磨軸線に平行な方向(Y方向)に移動可能に設けられたY方向可動ステージであって、X方向に伸長する溝部を一体的に有するY方向可動ステージと、X方向可動ステージに一体的に設けられた第1の鉛直軸により回転可能に水平支持されたワーク保持台と、を含み、ワーク保持台が、該ワーク保持台の表面から垂直に伸長する第2の鉛直軸であって、Y方向可動ステージの溝部内に摺動可能に位置する第2の鉛直軸を有し、ワークがワーク保持台に保持され、非直線的な被研磨部が、第1の鉛直軸及び第2の鉛直軸の移動によって、首振り運動しながら前記研磨軸線に沿って揺動し、非直線的な被研磨部分と研磨面とが、板ガラスの周縁部の非直線的な被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成するように相対移動する、ことを特徴とする
このように構成することで、研磨テープを使用して、板ガラス等ワークの非直線的な被研磨部分の研磨(例えば、角部のR面研磨)を行う研磨装置とすることができる。曲率が異なるR形状を有する被研磨部分を研磨するとき(例えば、R1、R10等)、ワークユニットが該形状に応じて首振り運動しながら研磨軸線上を揺動するので、R形状に対応して研磨材料(砥石等)を変更することを要することなく、高精度な研磨を行うことができる。
上記の本発明に係る研磨装置に使用される研磨テープは、プラスチック製の基材フィルムの表面に樹脂バインダーに砥粒を分散させた溶液を塗布し、乾燥、硬化させたシートを必要幅にスリットし、リールに巻かれたものである。
基材フィルムとして、柔軟性を有する合成樹脂製のプラスチックフィルムが使用される。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール又はメタクリルアルコールを主成分とするアクリル系樹脂等から成るフィルムが基材フィルムとして使用される。
砥粒(研磨粒子)としては、アルミナ(Al)、酸化セリウム(CeO)、シリカ(SiO)、ダイヤモンド、炭化珪素(SiC)、酸化クロム(Cr)、ジルコニア(ZrO)、立方晶窒化ホウ素(cBN)等及びその混合物が使用できる。
砥粒の平均粒径は、好適に、0.2μm以上(#20000)、3μm以下(#4000)の範囲にある。平均粒径が3μmを超えると、研磨前の端面の比較的大きな傷や欠けは除去できるが、仕上がり面に新たに微細な傷や欠けが発生し、板ガラスに十分な強度を与えることができず好ましくない。平均粒径が0.2μm未満であると、研磨効率が極端に下がり生産性が悪くなるため、工業上、実用的ではない。
さらに、本発明は、上で述べた研磨装置を使用して、板ガラスから成るワークの強度を向上させるように該ワークの周縁部を研磨する方法を与える。該方法は、ワークの周縁部の直線的な被研磨部分、又は非直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨し、被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成する研磨工程、から成り、研磨テープが、基材フィルムに樹脂バインダにより所定の粒径を有する砥粒が固着されて成る。
板ガラスに十分な機械的強度を付与するために、板ガラスの周縁部に、上記の表面粗さRa及び最大谷深さRvの仕上がり面を形成することが有効である。周縁部が上記の表面性状を有するように、研磨された板ガラスは、周縁部の微細な傷や欠けを起点にした割れの発生を防ぎ、機械的応力や熱ショックによる破損を防止することができる。また、後工程の加工歩留まりを改善し、板ガラスが組み込まれた製品の信頼性を向上させることができる。
本発明の研磨装置又は研磨方法を実施することにより、スマートフォンやタブレット型端末のパネル、液晶パネル、有機ELパネル、プラズマパネル、太陽電池パネル等のフラットディスプレイ用のカバーガラス、その他電子部品用のカバーガラス等の製造に使用される板ガラスの辺部及び/又は角部の潜傷を取り除き高精度な表面性状を形成し、板ガラスに高い機械的強度を付与することができる。本発明に係る板ガラスを使用してカバーガラスを製造し、携帯端末等に採用することにより、各種製品の製造工程での製造歩留まりを改善することができ、該板ガラスが組み込まれた製品の品質を向上させることができる。
また、本発明に係る研磨装置、研磨方法によれば、板ガラス等ワークの辺部、端面、角部、角部の稜部などを研磨することができ、被研磨物に形状に合わせて研磨材料を作製する必要がない。また、研磨テープを効率的に使用することができるので、コストを低減しながら、品質を向上することができる。
図1は一つの態様のワークを模式的に示す図である。 図2(A)はワークの部分断面図であり、図2(B)はワークの平面図である。 図3は、本発明に係る一つの態様の研磨装置1を模式的に示す省略された正面図である。 図4Aは、本発明に係る一つの態様の研磨部を模式的に示す平面図である。 図4Bは、本発明に係る一つの態様の研磨テープユニットの位置決め機構を模式的に示す平面図である 図5は、本発明に係る一つの態様の研磨テープユニットの回動機構を模式的に示す、図4AのX−X’線に沿った一部省略側面図である。 図6は、本発明に係る一つの態様の研磨テープユニットの傾斜機構を模式的に示す一部省略正面図である。 図7は、本発明に係る一つの態様のワークユニットの揺動機構を模式的に示す平面図である。 図8は、本発明に係る一つの態様のワークユニットのワーク移動機構を模式的に示す平面図である。 図9、本発明に係る他の態様の研磨部を模式的に示す平面図である。 図10Aは、本発明に係る他の態様のワークユニットを模式的に示す平面図である。 図10Bは、本発明に係る他の態様のワークユニットを模式的に示す側面図である。 図11は、砥石を使用したワーク辺部(稜部)の研磨方法を模式的に示す図である。 図12は、実施例及び比較例の被研磨面の拡大写真である。 図13は、他の比較例の被研磨面の拡大写真である。 図14は、エッジ強度試験の方法を模式的に示す図である。 図15は長方形の板ガラス等ワークの中心C1、C2を示す図である。 図16はワークである板ガラスの(A)側面観察像、及び(B)上面観察像である。
以下、図面を参照しながら、本発明のさまざまな特徴が、本発明の限定を意図するものではない好適な実施例とともに説明される。図面は説明の目的で単純化され、尺度も必ずしも一致しない。
図1に、被研磨物であるワークWが模式的に示されている。ワークWはガラス板、ステンレス板、アルミ板、太陽電池基板として用いられるシリコン板等であってよい。ワークは矩形であってよく、その他の形状であってもよい。ワークWは、上面又は下面(主表面)と端面との境界部に辺部(稜部)を有し、また、一つの端面と隣り合う端面との境界部に角部(コーナー部)を有する。端面や角部は、素板から切り出したまま(アズスライス)であってよく、粗研磨が施されていてもよい。
図2(A)に、少なくとも二つの辺部がいわゆるC面取りされたワークW1の部分断面が示され、図2に、四つの角部がいわゆるR面取りされたワークW2が示されている。辺部又は角部を研磨することにより、仕上がり面S1、S1’、又はS2、S2’、S2’’、S2’’’を有するワークW1、W2が得られる。
ワークWは、板ガラスから成ってよい。板ガラスの強度を向上させるために、周縁部を研磨して傷やチッピングを取り除き、仕上がり面S1等又はS2等の表面粗さや最大谷深さを小さくすることが重要である。板ガラスWに高い機械的強度を付与するために、仕上がり面S1等又はS2等は、平均表面粗さRaが20nm以下、粗さ曲線の最大谷深さRvが200nm以下に形成されることが好ましい。
図3に、本発明に係る一つの態様の研磨装置1が模式的に示されている。研磨装置1は、ベース2上に配置されたワークWの置き台10、ワークWの流れ方向Wfに従ってワークWを搬送するワーク搬送ユニット20、第1の研磨部30、第2の研磨部40、及び研磨処理が終了したワークW12が置かれる置き台50から構成される。第1の研磨部30は、直線的な被研磨部分を研磨するよう構成され、第2の研磨部40は、非直線的な被研磨部分を研磨するよう構成されている。これら研磨部の数や組合せはこれに限定されなくてよい。
図4Aに、第1の研磨部30が模式的に示されている。第1の研磨部30は、水平なベース2上に水平な研磨軸線Aを挟んで対向して配置された研磨テープユニット300及びワークユニット350から成る。
研磨テープユニット300は、水平方向且つ研磨軸線Aに垂直な方向であるA1方向に移動可能にベース2上に設けられた研磨テープユニットステージ301を含む。ステージ301は、ステージ301とベース2との間に設けられた、押し出し制御のためのモータ302、LMガイド303、304によって、A1方向に往復移動することができる。ステージ301上に、支柱305、306、307が鉛直方向に伸長している。連結ブロック311は、支柱305に平行に設けられたLMガイド309及び単軸ロボット310により支柱305に沿って鉛直方向に移動可能である。連結ブロック311を、好適に、2本のシャフト312、312’(図5)が水平方向に摺動可能に貫通している。シャフト312、312’の先端に連結部材313が取り付けられている。連結部材313は、回動アーム314と一体的な延長アーム314’に、軸支ピン316により回転可能に連結されている。回動アーム314(及び延長アーム314’)と回動アーム315とは、略左右対称の形状を有し、接続治具330、331、プレート317、及び傾斜プレート318を介して、研磨テープTを収容・配置する箱体である研磨ヘッド319を左右から保持している。回動アーム314(314’)、315は、軸A2を中心に回動可能に支柱306、307に取り付けられている。軸A2は研磨軸線Aに平行である。
研磨ヘッド319は、底面と側面とを有する箱体の中に研磨テープTを配置するためのロールが回転可能に配置されて成る。好適に研磨ヘッド319の頂面は開閉可能な蓋から成る。研磨ヘッド319はパッド部材(研磨パッド)324を備え、ロールにより供給される研磨テープがパッド部材324に配置される。研磨テープTは、供給ロール321から供給され、巻取りロール322により巻き取られる。供給ロール321は、研磨テープTに適度な張力を与えるため、トルクモータ(図示せず)に接続されている。巻取りロール322はステッピングモータ(図示せず)に接続され、供給ロール321から供給された研磨テープTを巻き取る。研磨テープTに適度な張力を与えるためのストッパーローラ、研磨テープTをパッド部材324に適切に配置するための補助ローラ等がさらに配置されていてよい。研磨パッド324に配置された研磨テープTは、研磨パッド324の表面の形状(例えば、平坦な長方形)に従って、所定の長さと幅とを有する研磨面320を画成する。
パッド部材324は、ワークWの被研磨部分に高精度な表面性状を形成するために、適切に選択されることが好ましい。パッド部材324の弾性があまりに大きいと(例えば、ショアA硬度が20未満)、ワークWの被研磨部分(例えば、辺部)の仕上がり面がだれてしまい、エッジ部の直線性が失われやすくなる。また、研磨テープTの表面に含まれる砥粒の平均粒径が1μm以下(#8000)である場合は、弾性の大きい発泡樹脂板等のパッド部材では研磨速度が急激に遅くなって実用的でない。弾性が小さい場合(例えば、ショアA硬度が90を超える)、仕上がり面のエッジ部の直線性は十分だが、機械的衝撃によってワークに発生する傷や欠けの除去が不十分になりやすい。
例えば、パッド部材324として、機械的衝撃を緩和するために、ショアA硬度が20ないし50の範囲の発泡樹脂板を使用することができる。弾性を有するパッド部材324を介して、研磨テープTにより形成される研磨面320をワークに当接することにより、機械的衝撃を緩和することができ、研磨とともに被研磨部の形状が変化しても追従しやすい。
または、パッド部材324として、上記のような発泡樹脂板と、ショアA硬度が80ないし90の範囲にあるゴム板とを組み合わせたものを使用することもできる。このようにすることで、平均粒径が極めて微細な(例えば、1μm以下)砥粒の研磨テープを使用しても、研磨速度をあまり遅くすることなく、高精度な表面性状(Ra、Rv)を有する、エッジ部の直線性に優れた仕上がり面を形成することができる。
パッド部材324は、MCナイロン等の弾性を有しないものであってもよい。パッド部材324が弾性を有しない場合、機械的衝撃が発生しないように、押圧制御を行うことが好ましい。
パッド部材324の表面は、平坦ではない凸状の曲面であってもよい。被研磨部分の端部(例えば、辺部の両端等)の研磨テープT(研磨面)への接触を制限し、研磨テープTを保護しながら研磨することができるからである。
柔軟性のある研磨テープと弾性のあるパッド部材を使用してワークWの周縁部のC面研磨を行うことにより、仕上がり面(S1、図2)において、概して、エッジ部(上面又は下面と仕上がり面S1の境界部)が断面R形状の曲面に形成され、新たなエッジ部に新たな傷や欠けが形成されることがない。
研磨処理中、研磨テープTは静止した状態でよく、連続的または断続的に走行されてもよい。短時間で研磨が終了する場合は、研磨テープTを走行させずに静止した状態で使用し、研磨後に次の研磨のために新しい研磨テープTの表面を研磨面としてパッド部材に供給するようにしてよい。このようにすれば、コストを低減できるからである。研磨が長時間に及ぶ場合は、継続して安定した研磨面、すなわち砥粒を含む研磨テープの表面を供給するために、連続的または断続的に研磨テープを走行させることが好ましい。このようにすれば、研磨効率を高めることができるからである。
パッド部材324に配置された研磨テープTにより画成される研磨面320を板ガラス等ワークWの辺部や端面に押圧するための押圧力は、ワークWの状態によって、研磨初期は小さく、研磨の進行とともに次第に大きくしてよい。例えば、板ガラスの場合、アズスライスの角部や端面に鋭角な部分があり、研磨初期から強い押圧力を加えると、鋭角な部分によって研磨面320の研磨テープTに傷がついたり、研磨テープTが破損したりする場合がある。押圧力を調節することにより、研磨テープ表面を保護しながら研磨を行うことができる。
ワークユニット350は、ワークWを水平に保持するための水平なワーク保持台351を有する。研磨処理の前、ワークWは好適に、(ワーク搬送ユニット20によって)研磨軸線Aをまたいでワーク保持台351に配置される。
図4Bに、本発明の研磨装置の第1の研磨部における位置決め機構が図示されている。研磨テープユニットステージ301が、モータ302(図4A)とLMガイド303、304(同)によりA1方向に移動し、ワーク保持台351に置かれたワークWの一つの端面(又は辺部)の少なくとも一部が研磨面320に当接する。さらに研磨面320に押されることにより、一つの端面(辺部)全体が、研磨軸線Aにおいて研磨面320に当接する。このとき研磨軸線Aは、回動軸線A2に一致してよい。
このように位置決めされたワークWが、ワーク保持台351に固定されて、研磨処理が行われるので、矩形のワークの一つの端面(辺部)に対し、片あたりのない、均一な研磨を行うことができる。
図5に、図4Aの一部省略されたX−X’線側面図が示されている。回動アーム314と延長アーム314’は簡略化のため一体に図示され、研磨ヘッド319は破線で図示されている。研磨ヘッド319を、接続治具330、プレート317、傾斜プレート318を介して保持する回動アーム314(314’)が、回動軸線A2(好適に、研磨面320上に位置する)を中心に回動可能に、支柱306に取り付けられている。研磨ヘッド319を挟んで反対側に、アーム315が支柱307に取り付けられている(図4A)。回動アームや接続治具の形状は特に限定されるものではなく、研磨ヘッド319及び研磨ヘッド319と一体的な部材(プレート、モータ等)を保持するよう適宜選択することができる。
上記したように、回動アーム314(314’)は、連結部材313に軸支ピン316により枢着され、連結部材313の後端に、連結ブロック311を貫通するシャフト312、312’が固着され、連結ブロック311は、LMガイド309及び単軸ロボット310により、支柱305に沿って鉛直方向に移動可能である。
連結ブロック311が支柱305に沿って上方へ移動するのに従って、連結部材313と一体的なシャフト312、312’が図面の右方向へ引き出され、回動アーム314(314’)が回動軸線A2の周りを回動し、回動アームに保持される研磨ヘッド319が回動軸線A2の周りを回動して、研磨面320が、鉛直面に対し、α度傾くことができる。角度αの範囲は、図示の例に限定されず、連結ブロック311の鉛直方向の移動距離やシャフト312、312’の長さ等によって任意に決定することができる。好適に、角度αの範囲は、回動軸線A2を含む鉛直面に対し、−90度≦α≦90度である。
このように、研磨ヘッド319の研磨面320が鉛直面に対して角度αだけ傾斜することにより、ワークユニットに水平に保持されたワークW(図示せず)の上面の一つの辺部(稜部)に所望のC面研磨を行うことができる。
同様に、連結ブロック311が支柱305に沿って下方へ移動することにより、研磨面320は、ワークユニットに水平に保持されたワークW(図示せず)の下面の辺部(稜部)に当接し所望のC面研磨を行うことができる。
図6に、本発明に係る研磨テープユニット300の傾斜機構が図示されている。上記したように、回動アーム314、314’(図4A、図5)と一体的な接続治具330、331がプレート317を一体的に保持している。傾斜プレート318が、軸支ピン325により、軸支ピン325を貫通する軸線A7(図5)の周りを回動可能にプレート317に取り付けられている。研磨ヘッド319の下面が、傾斜プレート318の平坦な上端(図4A)に一体的に連結されている。プレート317に、軸支ピン325(軸線A7)を中心とする円の円弧を形成するガイド溝326a、326b、326c、326dが設けられている。傾斜プレート318に一体的に設けられた固定治具327a、327b、327c、327dが、傾斜プレート318の回動に従って、各々、ガイド溝326a、326b、326c、326d内を摺動し、任意の位置で傾斜プレート318をプレート317に対して固定することができる。
傾斜プレートが回動しないとき、研磨テープTの表面により形成された研磨面320の長手軸線A3は、研磨軸線A(ワークの被研磨部分と研磨面とが接して研磨のために相対移動する軌跡)と一致する。傾斜プレート318が回動すると、研磨面320の長手軸線A3が、例えば、長手軸線A3’へと、θだけ傾斜する。角度θの範囲は、好適に、0度<θ≦90度である。
図7に、本発明に係るワークユニット350における、ワークWを保持するワーク保持台351の揺動機構が図示されている。
ワーク保持ユニット350は、ベース2の上に鉛直方向に伸長する支柱(図示せず)の頂部に水平に載置された、上面に研磨軸線Aに平行なLMレール360a、360bを有する固定プレート359を有する。固定プレート359の下方に、モータ352とタイミングベルト355により連動して駆動されるタイミングプーリ354a、354b、354c、及び353a、353b、353c、353dが設けられている。固定プレート359の上方に、LMレール360a、360b上を揺動可能なLMブロック361a、361b、361c、361dと一体的にワーク保持台351が水平に載置されている。同様に、固定プレート359の上方に、LMレール360a、360b上を揺動可能なLMブロック362a、362bと一体的にバランサー(重り)358bが載置され、LMブロック363a、363bと一体的にバランサー(重り)358cが載置されている。
ワーク保持台351の下面に設けられた溝357aに、タイミングプーリ354aの上面から鉛直に伸長するロッド356aが挿入されている。また、バランサー358bの下面に設けられた溝357bに、タイミングプーリ354bの上面から鉛直に伸長するロッド356bが挿入され、バランサー358cの下面に設けられた溝357cに、タイミングプーリ354cの上面から鉛直に伸長するロッド356cが挿入されている。
モータ352の駆動により、タイミングプーリ354a、354b、354cが回転し、ロッド356a、356b、356cが同期して回転することにより、ワーク保持台351、バランサー358b、358cが各々、研磨軸線Aに沿って揺動する。
ここで、ワーク保持台351は、固定手段(図示せず)により水平に保持したワークWの振動を十分に抑えるように構成されている。ワーク保持台351が図面の左方向へ移動すると、バランサー358b、358cは各々右方向へ移動する。ワーク保持台351が図面の右方向へ移動すると、バランサー358b、358cは各々左方向へ移動する。このようにすることで、ワーク保持台351が揺動する際の振動が打ち消され、高精度な研磨を行うことができる。
揺動機構は、振動を抑えるために、ワーク保持台351を複数台(例えば、二台)隣り合わせて設け、研磨軸線Aに沿って、同期して反対方向へ揺動するように構成されてもよい。この場合、複数台のワーク保持台によって振動が打ち消されるので、バランサーは不要となる。
研磨面(研磨テープT)を押圧する力、パッド部材の柔軟性、弾力性、及び板ガラスの強度により、研磨体(研磨面)に対して被研磨体(板ガラス)を移動させて研磨処理を行っても、研磨中に被研磨体が破損することはない。研磨の際の被研磨部分と研磨面(研磨テープの表面)との相対移動が、振動を抑えて研磨軸線に沿って行われるので、板ガラスの強度を向上するように高精度な表面性状を被研磨面(仕上がり面S1等、図2)に与えることができる。
図8に、本発明の研磨装置に係る他の態様の位置決め機構が図示されている。ワークユニット350のワーク保持台351’は、上面に溝334を有し、該溝内に、モータ332の駆動軸A1’方向に移動可能なロッド333が位置している。
図8(A)のように、ワークWが研磨軸線Aをまたがないで置かれた場合、モータ332によって駆動されたロッド333がワークWをA1方向に、研磨軸線Aに向かって押し出す。このようにすることで、研磨テープユニットの研磨面とワークWの被研磨部分が、研磨軸線Aにおいて確実に当接することができる。
図9に、本発明の研磨装置1(図3)に係る第2の研磨部40が図示されている。第2の研磨部40は、研磨テープユニット300’と、研磨軸線Aを挟んで該研磨テープユニット300’に対向して配置される、ワークWが配置されるワーク保持台401を有するワークユニット400を含んで成る。研磨テープユニット300’は、好適に、研磨テープユニット300と同様の構成を有する。研磨軸線Aは第1の研磨部と一致していてよい。また、第1の研磨軸線Aと一致しない水平な研磨軸線A’を有していてもよい。
図10A、図10Bに、ワークユニット400が図示されている。図10Aにおいて、ワークW及びワーク保持台401は破線で示されている。
ワークユニット400は、水平なベース2上から鉛直上方に伸長する支柱402、402’の上に水平に載置された固定プレート403、固定プレート403の上面から鉛直上方に伸長する支柱404の上に水平に載置された固定プレート405を有する。
固定プレート405の上に、X方向可動ステージ413が、サーボモータ414及び1軸可動ユニット408によりX方向に往復移動可能に取り付けられている。X方向可動ステージ413の上にX方向可動プレート406が一体的に取り付けられている。X方向可動プレート406の上面から鉛直に軸部材から成る軸A4が伸長し、ワーク保持台401を回転可能に、水平に支持している。
また、固定プレート405の上に、孔429を有するY方向可動ステージ407が、リニアガイド409によりY方向に往復移動可能に取り付けられている。Y方向可動ステージ407の上に、Y方向可動プレート410が一体的に設けられており、その上にガイド溝412を有するガイド部材411が一体的に取り付けられている。ワーク保持台401の下面から鉛直に伸長するロッド(又はピン)から成る軸A5が、X方向に形成されたガイド溝412内に摺動可能に位置している。
プレート403とプレート405との間に、モータ420及びタイミングベルト423によって連動して駆動されるタイミングプーリ422、424が設けられており、タイミングプーリ422とY方向可動ステージ407との間に、タイミングプーリ422と同期して回転可能な回転部材425が設けられている。回転部材425の上面から鉛直上方に伸長するロッド427がY方向可動ステージ407の孔429内に挿入されている。
モータ420の駆動により、タイミングベルト423を介してタイミングプーリ422が回転すると、プーリ422に同期して回転部材425が回転する。回転部材425が回転すると、一体的なロッド427が回転しY方向可動ステージ407に設けられた孔429内を移動しながら、可動ステージ407をY方向に一定のストロークで往復移動させる。Y方向可動ステージ407の往復移動に従って、一体的なプレート410及びガイド部材411がY方向に往復移動し、ガイド溝412内の鉛直軸A5がY方向へ移動する。鉛直軸A5のY方向への移動に対応して、鉛直軸A5のY方向の位置yが、シーケンサを介してサーボモータ414に伝られ、サーボモータ414により、鉛直軸A4が同期して、ワークWの非直線的な被研磨部分(所定の曲率を有する角部)が研磨軸線A上に位置する、鉛直軸A4のX方向の位置xへ移動される。鉛直軸A4のX方向への移動によって、該鉛直軸A4に回転可能に水平保持されたワーク保持台401がX方向へ移動し、ワーク保持台401と一体的な鉛直軸A5が、溝412内を摺動してX方向へ移動する。鉛直軸A5の動きは、X方向とY方向の動きを組み合わせたものになり、鉛直軸A4の周りを回動するような動きになる。例えば、鉛直軸A5は、揺動のストロークの中心Cを中心とし、長径を2dとする楕円の円周上を移動してよい。
このように、鉛直軸A4がX方向へ移動し、鉛直軸A5がX方向及びY方向へ移動することにより、ワーク保持台401が首振り運動しながら研磨軸線Aに沿って揺動し、矩形のワークの角部等の非直線的な被研磨部分を順次的に研磨面に当接させながら研磨することができる。
サーボモータを使用して位置制御を行うことにより、研磨軸線A上の非直線的な被研磨部分の首振り、揺動のストロークを容易に制御することができ、所望の曲率のR面研磨を行うことができる。ワークの被研磨部分の形状に沿ってワークが揺動し研磨を行うことができるので、ワークの被研磨部分の形状に応じて研磨物(砥石等)を作製する必要がない。
上記の構成に代えて、X軸とY軸の2軸制御をサーボモータにより行ってもよい。あるいは、サーボモータによる制御に代えて、カム制御により、上記の二つの鉛直軸の位置が制御されてもよい。その場合は、サーボモータに代えて鉛直軸A4をX方向へ移動させるためのタイミングプーリ、及び鉛直軸A5のY方向の移動と同期するカムを使用して、装置を構成することができる。
研磨テープユニット300’の研磨面320’が、鉛直面に対してα度傾くことにより、ワークWの角部の上面(又は下面)に係る稜部の研磨を行うこともできる。
本発明に係る研磨装置は、好適に、各ユニットを制御するための制御装置(図示せず)を含む。
本発明に係る研磨装置は、乾式又は湿式いずれでも研磨を行うことができる。好適に、湿式で研磨を行うために、水や界面活性剤を加えた水溶液を供給するための水供給機や水パイプ(図示せず)を有する。研磨面又はワークに水等を供給することにより、研磨効率を向上することができ、または、研磨屑を洗い流すことができる。研磨装置は、エアを噴射するためのエアノズルを備えていてもよい。ワークユニット等に水や研磨屑が付着することを防ぐことができるからである。また、好適に、金属材料から成るワークの焼けを防止するために、加工油を供給する供給機やパイプ(図示せず)を有する。
本発明に係る研磨装置は、上記のワークの直線的な被研磨部分を研磨する第1の研磨部及びワークの非直線的な被研磨部分を研磨する第2研磨部を含んで成ってよい。このようにすることで、板ガラスの周縁部の全体を一台の研磨装置で研磨することができる。また、研磨テープを使用して研磨するので、仕上がり面に高精度な表面性状を形成することができ、被研磨物の品質を向上することができる。研磨テープを使用してさまざまな形状のワークを研磨できるので、コストを低減することができ、研磨の際の研磨屑の発生も少なく、装置のメンテナンスも容易である。
また、本発明に係る研磨装置は、上記の第1の研磨部及び第2の研磨部のどちらか一方から成ってもよい。
実施例1
本発明に係る研磨装置を使用して、ワークの辺部(稜部)が研磨された。ワークとして、長さ70mm、幅40mm、厚さ0.8mmの長方形のソーダライムガラスが使用された。この板ガラスの上面及び下面に係る8辺が研磨されて仕上がり面(S1等、図2)に形成された。研磨において、研磨テープユニットの研磨面の長手軸線は、研磨軸線に対して10度傾けられた(θ=10°)。また、研磨面は、鉛直面に対して45度傾けられた(α=45°)。このようにして板ガラスの一つの辺部と研磨面が当接し、ワークユニットが研磨軸線に沿って揺動して板ガラスと研磨面が相対移動することにより研磨が行われた。C面研磨の研磨量は50μmとし、一定の研磨量とするために、研磨テープの表面に含まれる砥粒径によって、板ガラスの往復回数(1往復=1パス)が調節された。研磨面は研磨軸線に平行であり、研磨テープは走行されなかった。また、研磨面に小量の水を供給しながら研磨が行われた。
その他の実施例1の研磨条件は、以下のとおりである。
研磨条件(1辺)
板ガラスの往復運動のストローク長さ(L):150mm
研磨テープの幅:30mm
研磨テープの押圧力(推力):15N
研磨テープとして、GC(グリーンカーボランダム)#4000(SiC:平均砥粒径3μm)が使用され、パッド部材として、ショアA硬さ30の発泡樹脂パッドが使用された。板ガラスの往復回数は21パスであった。
実施例2
実施例2の製造方法において、研磨テープとして、GC#6000(平均砥粒径2μm)が使用された。板ガラスの往復回数は24パスであった。そのほかの条件は実施例1と同様であった。
実施例3
実施例3の製造方法において、研磨テープとして、GC#10000(平均砥粒径0.5μm)が使用された。パッド部材として、ショアA硬さ80のゴム板及びショアA硬さ30の発泡樹脂板が使用された。板ガラスの往復回数は31パスであった。そのほかの条件は実施例1と同様であった。
比較例1
比較例1の製造方法において、研磨テープとして、GC#1000(平均砥粒径16μm)が使用された。板ガラスの往復回数は7パスであった。そのほかの条件は実施例1と同様であった。
比較例2
比較例2の製造方法において、研磨テープとして、GC#2000(平均砥粒径9μm)が使用された。板ガラスの往復回数は11パスであった。そのほかの条件は実施例1と同様であった。
比較例3
比較例3の製造方法において、研磨テープとして、GC#3000(平均砥粒径5μm)が使用された。板ガラスの往復回数は17パスであった。そのほかの条件は実施例1と同様であった。
比較例4
比較例4の製造方法において、メッシュサイズ#1000のダイヤモンド砥粒(平均粒径14〜22μm)をメタルボンドした砥石500が使用された。図11に示すように、砥石と板ガラスの主表面(上面及び下面)の稜部を配置し、砥石を回転させることにより稜部の面取り研磨が行われた。
上記のように仕上げ研磨された実施例、比較例の平均表面粗さRa及び粗さ曲線の最大谷深さRvが、以下の表1に示されている。平均表面粗さRa及び最大谷深さRvは表面粗さ計(製品名NewView5000:Zygo社製)により測定された。
実施例1ないし3の製造方法により、被研磨部分が高精度な仕上がり面(平均表面粗さRa:1.7nm〜11.5nm、最大谷深さRv:32nm〜162nm)に形成された板ガラスが得られた。往復パス回数は20回から30回程度で、研磨速度も十分であった。比較例の製造方法による板ガラスの仕上がり面は、最大谷深さが1000nmを超えたものが多かった。
実施例、比較例の仕上がり面の拡大写真が図12に示されている。左側はデジタルマイクロスコープ(製品名VHX500:KEYENCE社製)による光学写真であり、右側は表面粗さ計(製品名NewView5000:Zygo社製)よるものである。(A)は比較例1、(B)は比較例2、(C)は実施例1、(D)は実施例3による仕上がり面である。
比較例に係る(A)、(B)は、表面の凹凸が多く仕上がり面の表面性状として不十分であった。実施例に係る(C)、(D)は、凹凸や傷がない高精度の仕上がり面となっており、エッジ部の直線性にも優れていた。研磨テープを使用したことにより、仕上がり面が曲面を有していた。
図13は、比較例4の製造方法で得られた板ガラスの仕上がり面の拡大写真である。表面に研磨痕(ホイールマーク)があり、傷が多く見られた。砥石で研磨したことにより、仕上がり面は曲面に形成されていなかった。
実施例、比較例の各板ガラスのエッジ強度(MPa)が測定された。エッジ強度とは、ガラスの端縁部の強度を指すものである。エッジ強度は、室温曲げ強さ試験方法(JIS R1601)に基づいて、市販の4点曲げ試験機を使用して測定された。エッジ強度試験(4点曲げ)の方法が図14に模式的に示されている。負荷治具間隔が10mm、支持治具間隔が30mm、負荷速度が5mm/minの条件で試験が行われた。
表1に、実施例、比較例の板ガラスを各10枚試験し、得られたエッジ強度を平均した値が記載されている。本発明に係る研磨装置により、微細な砥粒を表面に含む研磨テープを使用して端縁部が研磨され仕上がり面に形成された板ガラスは、仕上がり面の平均表面粗さRa及び最大谷深さRv値を大幅に低減することができた結果、従来の砥石による加工と比較して、エッジ強度が3倍以上に向上した。このように、本発明に係る板ガラスは、エッジ強度が著しく向上しているため、当該板ガラスを使用する製品の製造工程で、板ガラスが機械的応力や熱ショックにより破損することを防ぐことができるものである。また、板ガラスが製品に組み込まれた後も破損しにくく、製品の信頼性を向上させることができるものである。
実施例4
本発明に係る研磨装置を使用して、板ガラスの角部が研磨された。該板ガラスは、予め砥石により所定のR形状加工(粗研磨)を施したものを使用した。実施例1と同じ研磨テープが使用された。圧力は1N、往復回数は5パスであった。
実施例5
粗研磨が施されていない(アズスライス)板ガラスの角部が研磨された。研磨テープは、D#600(30μm)でR形状加工(粗研磨)を施した後、実施例1と同じ研磨テープが使用された。
実施例4、5おいても、高精度な仕上がり面(平均表面粗さRa:約1.5nm〜12nm、最大谷深さRv:約30nm〜165nm)が得られた。
本発明の思想及び態様から離れることなく多くのさまざまな修正が可能であることは当業者の知るところである。したがって、言うまでもなく、本発明の態様は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
W ワーク
T 研磨テープ
A 研磨軸線
1 研磨装置
2 べース
10 ワーク置き台1
20 ワーク搬送ユニット
30 第1の研磨部
40 第2の研磨部
50 ワーク置き台2
300 研磨テープユニット1
300’ 研磨テープユニット2
350 ワークユニット1
400 ワークユニット2

Claims (20)

  1. ワークの周縁部を研磨テープを使用して研磨するための研磨装置であって、
    前記ワークの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨する、水平な第1の研磨軸線を有する第1の研磨部と、
    前記ワークの周縁部の非直線的な被研磨部分を研磨する、水平な第2の研磨軸線を有する第2の研磨部と、を含み、
    前記第1の研磨部が、前記ワークを保持するための第1のワークユニットと、前記第1の研磨軸線を挟んで、前記第1のワークユニットに対向して第1の研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための第1の研磨テープユニットと、を含み、
    前記第2の研磨部が、前記ワークを保持するための第2のワークユニットと、前記第2の研磨軸線を挟んで、前記第2のワークユニットに対向して第2の研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための第2の研磨テープユニットと、を含み、
    前記第1の研磨部において、前記配置された第1の研磨テープの表面が第1の研磨面を画成し、前記直線的な被研磨部分と前記第1の研磨面とが接して前記第1の研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われ、
    前記第2の研磨部において、前記配置された第2の研磨テープの表面が第2の研磨面を画成し、前記非直線的な被研磨部分と前記第2の研磨面とが接して前記第2の研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われる、ことを特徴とする研磨装置。
  2. 前記ワークが板ガラスから成り、
    前記第1の研磨部において、前記直線的な被研磨部分と前記第1の研磨面とが、前記板ガラスの周縁部の直線的な被研磨部分を、平均表面粗さRaが200nm以下、且つ最大谷深さRvが20nm以下に形成するように相対移動し、
    前記第2の研磨部において、前記非直線的な被研磨部分と前記第2の研磨面とが、前記板ガラスの周縁部の非直線的な被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成するように相対移動する、ことを特徴とする請求項1に記載された研磨装置。
  3. 前記第1のワークユニットが、
    前記ワークを保持するための第1のワーク保持台と、
    前記第1のワーク保持台を前記第1の研磨軸線に沿って揺動させるための揺動手段と、を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された研磨装置。
  4. 前記第2のワークユニットが、水平なベース上に、
    水平方向且つ前記第2の研磨軸線に垂直な方向(X方向)に移動可能に設けられたX方向可動ステージと、
    前記第2の研磨軸線に平行な方向(Y方向)に移動可能に設けられたY方向可動ステージであって、X方向に伸長する溝部を一体的に有するY方向可動ステージと、
    前記X方向可動ステージに一体的に設けられた第1の鉛直軸により回転可能に水平支持された第2のワーク保持台と、を含み、
    前記第2のワーク保持台が、該第2のワーク保持台の表面から垂直に伸長する第2の鉛直軸であって、前記Y方向可動ステージの前記溝部内に摺動可能に位置する第2の鉛直軸を有し、
    前記ワークが前記第2のワーク保持台に保持され、
    前記非直線的な被研磨部が、前記第1の鉛直軸及び前記第2の鉛直軸の移動によって、首振り運動しながら前記第2の研磨軸線に沿って揺動する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された研磨装置。
  5. 前記第1の研磨テープユニットが、前記第1の研磨面を水平方向且つ前記第1の研磨軸線に垂直な方向に移動させるための第1の研磨テープ移動手段を有し、それによって、前記直線的な被研磨部分と前記第1の研磨面とが前記第1の研磨軸線において当接することができ、
    前記第2の研磨テープユニットが、前記第2の研磨面を水平方向且つ前記第2の研磨軸線に垂直な方向に移動するための第2の研磨テープ移動手段を有し、それによって、前記非直線的な被研磨部分の少なくとも一部と前記第2の研磨面とが前記第2の研磨軸線において当接することができる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された研磨装置。
  6. 前記第1の研磨テープユニットが、前記第1の研磨面の長手軸線を、前記第1の研磨軸線に対して傾斜させるための第1の傾斜手段を含み、
    前記第2の研磨テープユニットが、前記第2の研磨面の長手軸線を、前記第2の研磨軸線に対して傾斜させるための第2の傾斜手段を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された研磨装置。
  7. 前記第1の研磨テープユニットが、前記第1の研磨面を、前記第1の研磨軸線を中心に回動させるための第1の回動手段を含み、
    前記第2の研磨テープユニットが、前記第2の研磨面を、前記第2の研磨軸線を中心に回動させるための第2の回動手段を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された研磨装置。
  8. 前記第1のワークユニットが、前記ワークを水平方向且つ前記第1の研磨軸線に垂直な方向に移動させるためのワーク移動手段を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された研磨装置。
  9. 前記第1のワークユニットが、前記ワークを押圧して固定する、及び/又は吸着して固定するための第1のワーク固定手段を含み、
    前記第2のワークユニットが、前記ワークを、押圧して固定する、及び/又は吸着して固定するための第2のワーク固定手段を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された研磨装置。
  10. 前記第1の研磨テープユニットが、前記第1の研磨テープを走行させるための第1の研磨テープ走行手段を含み、
    前記第2の研磨テープユニットが、前記第2の研磨テープを走行させるための第2の研磨テープ走行手段を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された研磨装置。
  11. ワークの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、
    前記ワークを保持するためのワーク保持台と、該ワーク保持台を前記研磨軸線に沿って所定のストロークで往復移動させるための揺動手段とを備えたワークユニットと、
    前記研磨軸線を挟んで、前記ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、
    前記配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、
    前記ワークユニットにおいて、前記ワーク保持台が往復移動する際に振動を抑えるように構成され、
    前記ワーク保持台に保持された前記ワークの前記直線的な被研磨部分と、所定の位置で静止した前記研磨面とが接して前記研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われる、ことを特徴とする研磨装置。
  12. 前記ワークが板ガラスから成り
    記直線的な被研磨部分と前記研磨面とが、前記板ガラスの周縁部の直線的な被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成するように相対移動する、ことを特徴とする請求項11に記載された研磨装置。
  13. 前記研磨テープユニットが、
    前記研磨面を水平方向且つ前記研磨軸線に垂直な方向に移動させるための研磨テープ移動手段であって、それによって、前記直線的な被研磨部分と前記研磨面とが前記研磨軸線において当接することができる、研磨テープ移動手段と、
    前記研磨面の長手軸線を、前記研磨軸線に対して傾斜させるための傾斜手段と、
    前記研磨面を、前記研磨軸線を中心に回動させるための回動手段と、を含む、ことを特徴とする請求項11又は12に記載された研磨装置。
  14. 前記ワークユニットが、前記ワークを水平方向且つ前記研磨軸線に垂直な方向へ移動させるためのワーク移動手段を含む、ことを特徴とする請求項11又は12に記載された研磨装置。
  15. ワークの周縁部の非直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、
    前記ワークを保持するためのワーク保持台を備えるワークユニットと、
    前記研磨軸線を挟んで、前記ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、
    前記配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、
    前記ワーク保持台が第1の鉛直軸に回転可能に水平支持され、該第1の鉛直軸が、前記非直線的な被研磨部分を前記研磨軸線に配置するように、前記ワーク保持台と一体的な第2の鉛直軸の回動に同期して水平且つ前記研磨軸線に垂直な方向へ移動し、
    前記ワーク保持台に保持された前記ワークの前記非直線的な被研磨部分と前記研磨面とが接して前記研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われる、ことを特徴とする研磨装置。
  16. ワークの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、
    前記ワークを保持するためのワークユニットと、
    前記研磨軸線を挟んで、前記ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、
    前記配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、前記直線的な被研磨部分と前記研磨面とが接して前記研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われ、
    前記ワークが板ガラスから成り、
    前記ワークユニットが、水平なベース上に、
    水平方向且つ前記研磨軸線に垂直な方向(X方向)に移動可能に設けられたX方向可動ステージと、
    前記研磨軸線に平行な方向(Y方向)に移動可能に設けられたY方向可動ステージであって、X方向に伸長する溝部を一体的に有するY方向可動ステージと、
    前記X方向可動ステージに一体的に設けられた第1の鉛直軸により回転可能に水平支持されたワーク保持台と、を含み、
    前記ワーク保持台が、該ワーク保持台の表面から垂直に伸長する第2の鉛直軸であって、前記Y方向可動ステージの前記溝部内に摺動可能に位置する第2の鉛直軸を有し、
    前記ワークが前記ワーク保持台に保持され、
    前記非直線的な被研磨部が、前記第1の鉛直軸及び前記第2の鉛直軸の移動によって、首振り運動しながら前記研磨軸線に沿って揺動し、
    前記非直線的な被研磨部分と前記研磨面とが、前記板ガラスの周縁部の非直線的な被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成するように相対移動する、ことを特徴とする研磨装置。
  17. ワークの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、前記ワークを保持するためのワークユニットと、前記研磨軸線を挟んで、前記ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、前記配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、前記直線的な被研磨部分と前記研磨面とが接して前記研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われることを特徴とする研磨装置を使用して、板ガラスから成るワークの強度を向上させるよう該ワークの周縁部を研磨する方法であって、
    前記ワークの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨し、前記被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成する研磨工程、から成り、
    前記研磨テープが、基材フィルムに樹脂バインダにより砥粒が固着されて成り、
    前記砥粒の粒径が、0.2μm以上、3μm以下の範囲にある、研磨方法。
  18. ワークの周縁部の非直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、前記ワークを保持するためのワークユニットと、前記研磨軸線を挟んで、前記ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、前記配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、前記非直線的な被研磨部分と前記研磨面とが接して前記研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われることを特徴とする研磨装置を使用して、板ガラスから成るワークの強度を向上させるよう該ワークの周縁部を研磨する方法であって、
    前記ワークの周縁部の非直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨し、前記被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成する研磨工程、から成り、
    前記研磨テープが、基材及び該基材にバインダ樹脂により固着された砥粒から成り、
    前記砥粒の粒径が、0.2μm以上、3μm以下の範囲にある、研磨方法。
  19. ワークの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、前記ワークを保持するためのワークユニットと、前記研磨軸線を挟んで、前記ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、前記配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、前記直線的な被研磨部分と前記研磨面とが接して前記研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われることを特徴とする研磨装置を使用して、板ガラスの周縁部を研磨することにより強度が向上した板ガラスを製造する方法であって、
    前記板ガラスの周縁部の直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨し、前記被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成する研磨工程を含み、
    前記研磨テープが、基材フィルムに樹脂バインダにより砥粒が固着されて成り、
    前記砥粒の粒径が、0.2μm以上、3μm以下の範囲にある、板ガラスの製造方法。
  20. ワークの周縁部の非直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨するための、水平な研磨軸線を有する研磨装置であって、前記ワークを保持するためのワークユニットと、前記研磨軸線を挟んで、前記ワークユニットに対向して研磨テープの少なくとも一部の表面を配置するための研磨テープユニットと、を含み、前記配置された研磨テープの表面が研磨面を画成し、前記非直線的な被研磨部分と前記研磨面とが接して前記研磨軸線において相対移動することにより研磨が行われることを特徴とする研磨装置を使用して、板ガラスの周縁部を研磨することにより強度が向上した板ガラスを製造する方法であって、
    前記板ガラスの周縁部の非直線的な被研磨部分を研磨テープを使用して研磨し、前記被研磨部分を、平均表面粗さRaが20nm以下、且つ最大谷深さRvが200nm以下に形成する研磨工程を含み、
    前記研磨テープが、基材及び該基材にバインダ樹脂により固着された砥粒から成り、
    前記砥粒の粒径が、0.2μm以上、3μm以下の範囲にある、板ガラスの製造方法。
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