JP6457802B2 - ガラス板の製造方法、および、ガラス板の製造装置 - Google Patents
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Description
本発明に係るガラス板の製造方法、および、ガラス板の製造装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係るガラス板の製造方法、および、ガラス板の製造装置は、ガラス板の端面を加工するガラス板端面加工装置を用いる。図1は、ガラス板端面加工装置1の概略図である。ガラス板端面加工装置1は、ガラス板3を固定した状態で、ガラス板3の端面3aを研削する。ガラス板端面加工装置1によって加工されるガラス板3は、フロート法およびダウンドロー法等によって熔融ガラスから成形された板状のガラスを、所定の寸法に切断して得られる。ガラス板端面加工装置1は、特に、0.25mm以下の厚みを有するガラス板3の端面3aの加工に適している。ガラス板端面加工装置1によって加工されたガラス板3は、必要に応じて研磨等による端面加工がさらに行われ、洗浄工程および検査工程等を経て、製品として出荷される。
図2は、ガラス板3の一方の端面3aを研削する研削機構20の外観図である。図2には、金属定盤10に固定された状態で金属定盤10と共に移動するガラス板3の移動方向が矢印で示されている。図2に示される研削機構20は、ガラス板3の他方の端面3aを研削する研削機構20と同じ構成および動作を有する。以下の説明において、「端面方向」は、ガラス板3の端面3aの長手方向であって、ガラス板3が移動する方向を意味する。「幅方向」は、ガラス板3の表面に沿う方向であって、端面方向に直交する方向を意味する。「鉛直方向」は、ガラス板3の表面に直交する方向を意味する。図面において、端面方向は「y軸」で示され、幅方向は「x軸」で示され、鉛直方向は「z軸」で示されている。鉛直方向に直交する平面を、「水平面」と呼ぶ。ガラス板3の表面は、水平面に平行である。
研削ホイール21は、円盤形状の砥石である。図3は、研削ホイール21の外観図である。研削ホイール21は、円盤形状の上表面21a、円盤形状の下表面21b、および、上表面21aと下表面21bとを連結する側周面21cを有する。図3に示されるように、研削ホイール21の側周面21cには、凹部21dが形成されている。凹部21dは、側周面21cの全周に亘って形成されている溝である。研削ホイール21は、上表面21aの中心と下表面21bの中心とを結ぶ回転軸21eを中心に回転する。研削ホイール21の回転方向は、図1に示されるように、ガラス板3が移動する方向と反対の方向にガラス板3を移動させようとする方向である。なお、研削ホイール21は、複数の凹部21dを有していてもよい。
フロートパネル22は、金属定盤10の幅方向両側にそれぞれ設置されている。すなわち、フロートパネル22は、金属定盤10と各研削ホイール21との間に設置されている。フロートパネル22は、ガラス板3の端部3fを非接触で支持して、端部3fを研削ホイール21の凹部21dに導くための装置である。フロートパネル22の鉛直方向の位置は、フロートパネル位置調節機構(図示せず)によって調節可能である。フロートパネル22の鉛直方向の位置は、ガラス板端面加工装置1の使用前に予め調節されている。図5は、フロートパネル22によって非接触で支持されている端部3fを示す図である。図5は、図4に示される研削機構20をy軸に沿って見た図に相当する。図5に示されるように、フロートパネル22の上方において、ガラス板3の端部3fは、フロートパネル22と接触することなく支持されている。端部3fとフロートパネル22との間の隙間の鉛直方向の寸法は、例えば5μm〜40μmであり、好ましくは10μ〜30μmであり、より好ましくは15μ〜30μmである。図6は、図5に示されるフロートパネル22近傍の拡大図である。
基体23は、移動機構24、研削ホイール位置調節機構25およびカウンターウエイト(図示せず)を有する。カウンターウエイトは、研削ホイール21を水平面内において移動させる動力を発生する機構である。カウンターウエイトは、例えば、研削ホイール21の凹部21dの表面をガラス板3の端面3aに押し付け、または、研削ホイール21の凹部21dの表面をガラス板3の端面3aから離す。
移動機構24は、基体23に固定され、基体23を端面方向および幅方向に沿って移動させる。移動機構24は、研削機構20を端面方向および幅方向に沿って移動させて、研削ホイール21の水平面内の位置を調節する。なお、本実施形態では、ガラス板3の端面3aの加工時において、移動機構24の位置は固定されている。
研削ホイール位置調節機構25は、基体23に固定され、研削ホイール21を鉛直方向に沿って移動させる。研削ホイール位置調節機構25は、研削ホイール2の鉛直方向の位置を調節する。
制御部は、主として、CPU、ROM、RAMおよびハードディスク等から構成されているコンピュータである。制御部は、研削機構20の駆動モータおよびカウンターウエイト等に接続されている。制御部は、ROM、RAMまたはハードディスク等に記憶されているプログラムおよびデータに基づいて、制御部に接続されている構成要素の制御を行う。例えば、制御部は、駆動モータを制御して、研削ホイール21の回転速度を調節する。制御部は、カウンターウエイトを制御して、研削ホイール21の水平面内の位置を調節し、研削ホイール21がガラス板3の端面3aに与える力を調節する。制御部は、フロートパネル22の鉛直方向の位置、流体噴出孔22bから噴出される第1流体F1の流量、および、流体吸引孔22cに吸入される第2流体F2の流量を制御する。
ガラス板端面加工装置1が、ガラス板3の端面3aを研削して、上角部3dおよび下角部3eを面取りする工程について説明する。最初に、ガラス板3が、金属定盤10によって吸着固定される。図5に示されるように、ガラス板3の端部3fは、金属定盤10によって吸着固定されていない。図5に示されていないガラス板3の他方の端部も、金属定盤10によって吸着固定されていない。ガラス板3の幅方向の両端部であって、金属定盤10の上面と接触していない部分の幅方向の寸法である非接触端部寸法Lは、15mm〜40mmである。このとき、フロートパネル22のパネル表面22aの鉛直方向の位置は、ガラス板3の下面3cより下方となるように予め調節されている。なお、非接触端部寸法Lは、研削ホイール21とガラス板3との間の研削抵抗と、ガラス板3の剛性とのバランスから決定されることが好ましい。例えば、ディスプレイ用ガラス基板であるガラス板3の加工においては、非接触端部寸法Lは、ガラス板3の厚みに応じて決定されてもよい。ガラス板3の厚みが大きいほど、ガラス板3の剛性は高くなる。具体的には、ガラス板3の厚みが0.5mmの場合、非接触端部寸法Lを30mm〜40mmに設定し、ガラス板3の厚みが0.4mmの場合、非接触端部寸法Lを25mm〜35mmに設定し、ガラス板3の厚みが0.3mmの場合、非接触端部寸法Lを15mm〜20mmに設定してもよい。
本実施形態に係るガラス板端面加工装置1は、フロート法およびダウンドロー法等によって熔融ガラスから成形され、製品サイズの寸法に切断されたガラス板3の端面3aを研削する。ガラス板3の切断面である端面3aには、ガラス板3の割れおよび欠けの原因となり得る微小の凹凸およびクラックが形成されやすい。ガラス板3の端面3aを研削して、ガラス板3を面取りすることで、微小の凹凸およびクラックの発生が抑制される。ガラス板端面加工装置1は、研削ホイール21をガラス板3の端面3aに押し当てた状態で、ガラス板3を端面3aに沿って移動させて、端面3aを研削する。
(5−1)変形例A
実施形態に係るガラス板端面加工装置1は、ガラス板3を金属定盤10に固定した状態で、ガラス板3を端面方向に移動させて、ガラス板3の端面3aを研削する。研削ホイール21が端面3aと接触する前に、ガラス板3の端部3fは、フロートパネル22によって研削ホイール21の凹部21dに導かれる。ガラス板3の端面3aは、凹部21dの表面である上内面21g、中央内面21hおよび下内面21iと接触する。これにより、ガラス板3の上角部3dおよび下角部3eは、同時に面取りされる。
実施形態に係るガラス板端面加工装置1では、フロートパネル22の上方において、ガラス板3は、フロートパネル22と接触することなく支持されている。しかし、フロートパネル22の下方において、ガラス板3は、フロートパネル22と接触することなく支持されてもよい。図14は、本変形例の研削機構220を示す。図14は、y軸方向に沿って見た図である。図14には、ガラス板3の下方に設置されているフロートパネル222が示されている。フロートパネル222の下面であるパネル表面222aは、ガラス板3の端部3fの上面3bと対向している。
実施形態に係るガラス板端面加工装置1は、多孔質体から成形されるフロートパネル22を有し、ガラス板3に上向きの力を作用させる流体噴出孔22bは、多孔質体の細孔である。しかし、流体噴出孔22bは、流体吸引孔22cと同様に、ドリル等を用いてパネル表面22aに形成される孔であってもよい。
実施形態に係るガラス板端面加工装置1は、ガラス板3を金属定盤10に固定した状態で、ガラス板3を端面方向に移動させて、ガラス板3の端面3aを研削する。しかし、ガラス板3の端面3aを研削する際に、ガラス板3は固定されていなくてもよい。例えば、金属定盤10の代わりに、ガラス板3の下面3cに空気を吹き付けてガラス板3を浮上させる装置を用いて、ガラス板3全体が、ガラス板3のガイド部材以外、何物とも接触していない状態で、ガラス板3を端面方向に沿って搬送してもよい。
実施形態に係るガラス板端面加工装置1は、研削ホイール21を有する研削機構20が固定された状態で、ガラス板3が固定された金属定盤10をガラスガイドによって端面方向に移動させて、ガラス板3の端面3aを研削する。しかし、他の方法を用いることによって、研削ホイール21と端面3aとを端面方向に沿って相対的に移動させて、ガラス板3の端面3aを研削してもよい。例えば、ガラス板3を固定している金属定盤10を固定して、かつ、研削ホイール21を有する研削機構20の端面方向の位置を移動機構24によって変化させてもよい。この場合においても、回転している研削ホイール21は、ガラス板3の端面3aに接触しながら、端面方向に沿って端面3aに対して相対的に移動することができる。そのため、研削ホイール21は、ガラス板3の端面3aを研削することができる。なお、金属定盤10および研削機構20の両方を、端面方向に沿って互いに相対的に移動させて、ガラス板3の端面3aを研削してもよい。
実施形態に係るガラス板端面加工装置1は、メタルボンド砥石で成形された研削ホイール21を有している。しかし、研削ホイール21は、弾性砥石で成形されてもよい。弾性砥石は、硬い粒である砥粒を、弾性を有する軟らかい結合材で結び付けて成形した砥石である。砥粒は、ダイヤモンド、酸化アルミニウムおよび炭化ケイ素等の微小な粒である。結合材は、ポリビニルアルコールおよびポリウレタン等の軟質樹脂である。弾性砥石は、結合材から構成されるスポンジ構造の内部に、無数の砥粒が保持されている構造を有している。
実施形態に係るガラス板端面加工装置1は、研削ホイール21によって研削されたガラス板3の端面3aを研磨する研磨機構をさらに備えてもよい。研磨機構は、弾性砥石で成形された研磨ホイールを用いて、端面3aを研磨する。研磨ホイールの砥粒は炭化ケイ素が好ましく、炭化ケイ素砥粒の粒度は♯400〜#1200であることが好ましい。研磨ホイールの砥粒を結び付ける結合剤は、柔軟性および弾性を有するポリウレタン系の樹脂結合剤であることが好ましい。研磨機構は、端面3aを研磨する前に、研磨ホイールと端面3aとの間の鉛直方向における位置関係を調節してもよい。
3a ガラス板の端面
3b ガラス板の上面(ガラス板の主表面)
3c ガラス板の下面(ガラス板の主表面)
3f ガラス板の端部
10 金属定盤(固定部)
20 研削機構(研削部)
21 研削ホイール(研削手段)
21d 凹部(加工溝)
22 フロートパネル
22a パネル表面
22b 流体噴出孔
22c 流体吸引孔
F1 第1流体(流体)
F2 第2流体(流体)
W1 第1研削幅
W2 第2研削幅
D 面幅差
Claims (5)
- ガラス板の端面と対向するように配置されている研削手段を前記端面に接触させながら、前記研削手段と前記ガラス板とを前記端面の長手方向に沿って相対的に移動させて、前記研削手段の加工領域において前記端面を研削する研削工程と、
前記ガラス板の端部であって、前記研削工程において研削される前記端面を含む前記端部を、前記ガラス板の主表面と直交する第1方向に沿って位置調整可能であるフロートパネルを用いて、非接触で支持する端部支持工程と、
を備え、
前記主表面は、水平面に平行であり、
前記フロートパネルは、
前記端部の前記主表面と対向するパネル表面と、
前記パネル表面に形成され、前記パネル表面と対向する前記端部の前記主表面に向かって流体を噴出し、前記ガラス板に上向きの力を作用させる複数の流体噴出孔と、
前記パネル表面に形成され、前記パネル表面と前記端部の前記主表面との間の空間から前記流体を吸引し、前記ガラス板に下向きの力を作用させる複数の流体吸引孔と、
を有し、
前記端部支持工程は、前記フロートパネルに対する前記研削手段の位置、前記上向きの力、および、前記下向きの力を調整して、前記端面を前記加工領域に導き、
前記フロートパネルは、多孔質体から成形され、
前記流体噴出孔は、前記多孔質体の細孔であり、
前記流体吸引孔は、前記長手方向、および、前記長手方向および前記第1方向に直交する第2方向における複数の位置に形成されている、
ガラス板の製造方法。 - 前記端部支持工程は、前記ガラス板の上側の前記主表面に含まれ、前記研削工程における前記端面の研削によって除去される領域の前記第2方向の寸法である第1研削幅、および、前記ガラス板の下側の前記主表面に含まれ、前記研削工程における前記端面の研削によって除去される領域の前記第2方向の寸法である第2研削幅に関して、前記第1研削幅と前記第2研削幅との差である面幅差を小さくするように、前記端部を支持する、
請求項1に記載のガラス板の製造方法。 - 前記研削手段は、前記加工領域を有する加工溝が形成された研削ホイールであり、
前記端部支持工程は、前記ガラス板の前記第1方向の中心と、前記加工溝の前記第1方向の中心とが、前記加工領域において一致するように、前記端面を前記加工領域に導く、
請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。 - 前記ガラス板は、0.25mm以下の厚みを有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。 - ガラス板の端面と対向するように配置され、前記端面と接触しながら、前記端面の長手方向に沿って前記ガラス板に対して相対的に移動することで前記端面を研削する加工領域を有する研削部と、
前記ガラス板の端部であって、前記研削部によって研削される前記端面を含む前記端部を非接触で支持し、かつ、前記ガラス板の主表面と直交する第1方向に沿って位置調整可能であるフロートパネルと、
制御部と、
を備え、
前記主表面は、水平面に平行であり、
前記フロートパネルは、
前記端部の前記主表面と対向するパネル表面と、
前記パネル表面に形成され、前記パネル表面と対向する前記端部の前記主表面に向かって流体を噴出し、前記ガラス板に上向きの力を作用させる複数の流体噴出孔と、
前記パネル表面に形成され、前記パネル表面と前記端部の前記主表面との間の空間から前記流体を吸引し、前記ガラス板に下向きの力を作用させる複数の流体吸引孔と、
を有し、
前記制御部は、前記フロートパネルに対する前記研削手段の位置、前記上向きの力、および、前記下向きの力を調整して、前記端面を前記加工領域に導き、
前記フロートパネルは、多孔質体から成形され、
前記流体噴出孔は、前記多孔質体の細孔であり、
前記流体吸引孔は、前記長手方向、および、前記長手方向および前記第1方向に直交する第2方向における複数の位置に形成されている、
ガラス板の製造装置。
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