JP6189221B2 - 回転釜 - Google Patents

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Description

本発明は、回転釜に関する。
従来、厨房等では、釜内で加熱された被加熱物を、釜を回転させて傾斜させることによって取り出すことが可能な回転釜が使用されている。
この種の回転釜としては、例えば、特許文献1には、煮炊きを行う内釜と、内釜の周囲を覆う外釜と、内釜と外釜との間に設けられた遮熱壁と、遮熱壁と内釜との間に設けられた燃焼排気のための排気流路と、外釜と遮熱壁との間に設けられた外気導入路とを有しており、外気導入路の下端がブンゼン式バーナーの周辺部において排気路側に連通しており、外気をブンゼン式バーナーの燃焼空気として供給するように構成した回転釜が開示されている。
特開2000−325230号公報
しかしながら、従来知られる回転釜は、以下の点で問題がある。すなわち、従来の回転釜は、ブンゼン式バーナーの燃焼時に大量の二次空気を必要とする。そのため、大量の二次空気により燃焼室が冷却され、熱効率が悪くなる。
また、例えば、排気口などを閉じると、燃焼室内の圧力が上昇し、外部から二次空気を吸い込むことができなくなり、COの発生等に繋がる。そのため、ブンゼン式バーナーを用いる回転釜は、燃焼により生じた排ガスを排気するための排気流路の容積を大きく設計する必要がある。排気流路の容積が大きくなると、排気抵抗が小さくなるため、排ガスは均一に排気されず、バーナーから排気煙突を目指して短絡して流れる。そのため、排ガスが釜底を通過して排気されるまでの間に伝熱による熱交換を十分に行うことができない。それ故、これによっても熱効率を向上させることが難しい。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、従来に比べ、熱効率を向上させることが可能な回転釜を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、
内釜と、
該内釜の外周を空間を保持した状態で覆う外釜と、
上記内釜と上記外釜との間の上記空間における上記内釜の下方に配設された燃焼室と、
該燃焼室の上端縁から上記内釜の外側面に沿って上方に延設された延設壁部と、
該延設壁部における上記内釜側の面と上記内釜の外側面との間に形成される隙間より構成される排ガスの排気流路と、
上記内釜と上記外釜との間の上記空間における上記燃焼室の下方に主に配設され、燃料と強制的に供給された空気とが予め混合されてなる予混合ガスを上記燃焼室に噴出可能なブラスト式バーナーとを有しており、
上記隙間の大きさの最小値は、1mm以上20mm以下の範囲内に設定されており、
上記隙間における上記延設壁部の上記内釜側の面と上記内釜の外側面との間に、複数の区画壁が設けられており、互いに隣接する上記区画壁の間は、下方から上方への上記排ガスの排出を促す排ガス誘導路とされており、
上記区画壁は、上記隙間を形成するためのスペーサ―として機能していることを特徴とする回転釜にある。
上記回転釜は、上記構成を有しており、特に、バーナーとしてブラスト式バーナーを用いている。そのため、上記回転釜は、燃焼時に大量の二次空気を必要とせず、燃焼室が大量の二次空気によって冷却されずに済み、熱効率の向上に寄与することができる。
また、上記回転釜は、上記構成を有しており、特に、燃焼室の上端縁から内釜の外側面に沿って上方に延びる延設壁部の内釜側の面と内釜の外側面との間に形成される隙間が排ガスの排気流路とされており、隙間の大きさの最小値が1mm以上20mm以下の範囲内に設定されている。そのため、上記回転釜は、排気流路を流れる排ガスの流速を向上させやすい。さらに、上記回転釜は、ブンゼン式バーナーを用いた場合に比べ、排ガスの排気抵抗が大きくなるものの、ブラスト式バーナーの燃焼によって生成する燃焼室内の正圧を利用し、排ガスが均一に排気流路を通過して排気されやすい。それ故、排ガスが内釜の外側面と十分に接触し、伝熱面積が増加し、排ガスが持つ熱エネルギーをより多く熱交換させやすくなり、熱効率の向上に寄与することができる。なお、ブラスト式バーナーには強制的に燃焼のための空気が供給されるため、燃焼性が悪くなり難い。また、排ガスの排気流路に上記隙間を用いているので、回転釜の小型化も図りやすくなる。
よって、本発明によれば、従来に比べ、熱効率を向上させることが可能な回転釜を提供することが可能となる。
また、上記回転釜は、熱効率を向上させることができるので、燃料の使用を節約することができ、省エネルギーである。また、上記回転釜は、二酸化炭素の排出量削減にも寄与することができる。さらに、上記回転釜は、回転釜のランニングコストも削減することができる。また、上記回転釜は、排ガスの熱エネルギーを内釜の加熱に十分に利用するため、排出される排ガス温度を低減しやすくなり、排ガスの排気構造を小型化するのに有利である。また、上記回転釜を例えば、厨房用の回転釜として使用した場合には、排ガスによって厨房内の温度を過度に上昇させ難く、厨房環境を涼しくするのに大きく貢献できる。この場合は、厨房空調のランニングコストの節約にも有利である。
実施例1の回転釜の正面図(蓋部が開いた状態)である。 実施例1の回転釜の右側面図(蓋部が閉じた状態)である。 実施例1の回転釜の平面図(蓋部が閉じた状態)である。 実施例1の回転釜の内部構造を透視して模式的に示す正面図である。 実施例1の回転釜の内部構造を透視して模式的に示す右側面図である。 実施例1の回転釜の内部構造を透視して模式的に示す平面図である。 実施例1の回転釜の内部構造を模式的に示す部分断面図である 実施例1の回転釜におけるバーナー構造を模式的に示す説明図である。 実施例1の回転釜おける排気流路の構成を説明するための説明図である。 実施例1の回転釜におけるブラスト式バーナーのバーナーヘッドを模式的に示す平面図である。 図10におけるXI−XI断面図である。 図10におけるXII−XII断面図である。 図10におけるXIII−XIII断面図である。 実施例1の回転釜において、内釜を取り外した状態を模式的に示す平面図である。
上記回転釜において、上記隙間の大きさの最小値は1mm以上20mm以下の範囲内に設定されている。なお、上記隙間の大きさの最小値は、実際の回転釜から測定することもできるし、当該回転釜の設計図面から把握することもできる。
上記隙間の大きさの最小値が過度に大きくなると、排気抵抗の最も小さい部分を通って排ガスが排気されるようになり、排ガスが均一に排気流路を通過せず、排ガスの流れを制御し難くなる。そのため、排ガスが持つ熱エネルギーを伝熱によって内釜に十分に伝え難くなる。それ故、隙間の大きさの最小値は、熱効率の向上の観点から、好ましくは19mm以下、より好ましくは18mm以下、さらに好ましくは15mm以下、さらにより好ましくは13mm以下、さらに一層好ましくは10mm以下とすることができる。一方、上記隙間の大きさの最小値が過度に小さくなると、回転釜の製造時に安定して一定の隙間を確保することが困難となり、回転釜の量産性が低下する。また、燃焼室の圧力も上昇し過ぎる。それ故、上記隙間の大きさの最小値は、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは2.5mm以上とすることができる。
上記回転釜は、上記隙間における延設壁部の内釜側の面と内釜の外側面との間に、複数の区画壁が設けられており、互いに隣接する上記区画壁の間、下方から上方への上記排ガスの排出を促す排ガス誘導路とされている。
この構成によれば、隙間に設けられた複数の排ガス誘導路により下方から上方へ排ガスの排出が促される。そのため、この構成によれば、各排ガス誘導路において、各排ガス誘導路を流れる排ガスが、各排ガス誘導路に面する内釜の外側面と十分に接触する。それ故、この構成によれば、排ガスが持つ熱エネルギーを無駄なく熱交換させることができ、熱効率をより一層向上させることができる。また、内釜の底部における熱分布も均一化しやすくなり、局所的な加熱による内釜の割れ等を抑制しやすくなる。
上記回転釜において、区画壁は、例えば、丸棒、角棒形状等の棒状部材、板状部材など、内釜および延設壁部とは別の部材より構成してもよいし、延設壁部における内釜側の面を突出させて形成した突条、内釜の外側面を突出させて形成した突条など、内釜や延設壁部の一部を利用して構成することもできる。好ましくは、回転釜の生産性、排ガス誘導路の形成性、低コスト化などの観点から、区画壁は、内釜および延設壁部とは別の部材より構成されているとよい。特に好ましくは、区画壁は、棒状部材から構成されているとよい。この場合は、区画壁の強度を確保しやすく、また、一定の隙間を形成しやすいなどの利点がある。
上記区画壁が内釜および延設壁部とは別の部材より構成されている場合、区画壁は、延設壁部の内釜側の面に固定されていてもよいし、内釜の外側面に固定されていてもよい。好ましくは、区画壁は、延設壁部の内釜側の面に固定されているとよい。この場合は、区画壁が内釜の外側面に固定されている場合に比べ、熱膨張差を小さくしやすい。そのため、この場合は、区画壁の耐久性向上に有利であり、隙間や排ガス誘導路を長期にわたって維持しやすくなる。
上記回転釜において、上記区画壁は、隙間を形成するためのスペーサ―として機能している。
この構成によれば、隙間を確実に確保することが可能となり、また、隙間の大きさの最小値を区画壁の高さによって簡単に規定することができる。例えば、上記区画壁が棒状部材より構成されている場合には、棒状部材の直径により隙間の大きさの最小値を決定することができ、棒状部材の直径を変えることによって隙間の大きさの最小値を容易に設定することが可能となる。
上記回転釜において、上記区画壁は、上方から見た場合に、右回りまたは左回りのらせん状、あるいは、中央部から外方に向かって放射状となるように、下方から上方に向かって排ガスが誘導されるように配置されていることが好ましい。
この場合は、下方から上方に向かって排ガスを誘導しやすい。とりわけ、区画壁が右回りまたは左回りのらせん状に配置されている場合には、区画壁が中央部から外方に向かって放射状に配置されている場合に比べ、内釜の外側面に排ガスが接する距離(時間)を長くすることができるので、熱分布の均一化を図りやすく、熱効率の向上に有利である。
上記回転釜は、排ガスを外部に排気するための排気部を有しており、排気部の周囲における隙間に、排気部への排ガスの流れを制限するための排ガス制限部が設けられている構成とすることができる。
この場合は、上記排ガス制限部により、排気部の周囲における燃焼室内の排ガスが、排気部の周囲で十分に熱交換を行えずに排気部から排気されるのを抑制しやすくなる。そのため、この場合は、熱効率の向上に有利である。
上記排ガス制限部は、排ガスの流れを完全に堰き止めないものであれば特に限定されない。排ガス制限部は、例えば、丸棒、角棒形状等の棒状部材、板状部材など、内釜および延設壁部とは別の部材より構成されていてもよいし、延設壁部における内釜側の面を突出させて形成した突条、内釜の外側面を突出させて形成した突条など内釜や延設壁部の一部を利用して構成されていてもよい。好ましくは、回転釜の生産性、排ガスの流れの制御容易性、低コスト化などの観点から、排ガス制限部は、内釜および延設壁部とは別の部材より構成されているとよい。特に好ましくは、排ガス制限部は、棒状部材から構成されているとよい。この場合は、排ガス制限部を比較的容易に形成しやすいなどの利点がある。
また、上記排ガス制限部は、具体的には、延設壁部における内釜側の面に周方向に沿って配置することができる。また、排ガス制限部を周方向に複数並べて配置する場合、排ガス制限部は、上方から見て、複数の排ガス制限部のうち、両外側に配置される一方の排ガス制限部における外側端部と回転釜の中心とを結ぶ線、両外側に配置される他方の排ガス制限部における外側端部と回転釜の中心とを結ぶ線とのなす角が、例えば、10°〜120°の範囲内となるように配置することができる。この場合は、排気部の周囲における排ガスの流れを適切な状態に制御しやすくなる。上記なす角は、上記効果を確実にする等の観点から、好ましくは15°以上、より好ましくは20°以上、さらに好ましくは25°以上、さらにより好ましくは30°以上とすることができる。また、上記なす角は、好ましくは110°以下、より好ましくは100°以下、さらに好ましくは90°以下、さらにより好ましくは80°以下とすることができる。
上記回転釜において、上記隙間の大きさが最小値をとる部分の長さは、縦断面で見た場合に、50mm以上550mm以下の範囲内に設定することができる。
この場合は、排ガスが内釜と十分に熱交換しやすく、熱効率の向上に有利である。
隙間の大きさが最小値をとる部分の長さは、熱効率の向上の観点から、好ましくは100mm以上、より好ましくは150mm以上、さらに好ましくは200mm以上とすることができる。一方、隙間の大きさが最小値をとる部分の長さは、小型化、熱効率向上等の観点から、好ましくは500mm以下、より好ましくは400mm以下、さらに好ましくは300mm以下とすることができる。
上記回転釜において、内釜は、ステンレス製、鋳鋼製、アルミ製、銅製などとすることができる。
これらのうち、ステンレスは、鋳鉄に比べ、熱伝導性が悪い。しかしながら、上記回転釜は、上述したように熱効率を向上させることができる。そのため、鋳鋼に比べ、熱効率の面から材質的に不利であるステンレス鋼を用いても、高い熱効率を確保することができる。それ故、この場合は、水等による掃除、衛生管理、耐久性等に優れた回転釜が得られる。なお、上記外釜もステンレス製とすることにより、上記作用効果が大きくなる。また、内釜が鋳鋼製である場合は、鋳鉄の熱伝導性の良さと相まって、高い熱効率を得やすくなる。また、回転釜の製造コストも低減しやすくなる。
上記回転釜は、各種の用途に適用することができる。上記回転釜は、例えば、厨房における調理に用いることができる。この場合、内釜に入れられる加熱対象は加熱調理される具材、スープ等である。また、上記回転釜は、医療用途に用いることもできる。この場合、内釜に入れられる加熱対象は、例えば、煮沸に供される医療器具等である。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の回転釜について、図面を用いて説明する。なお、同一部材については同一の符号を用いて説明する。また、各図面において、一部の部材については厚みが省略されている。
(実施例1)
図1〜図14に示すように、本例の回転釜1は、煮物、揚げ物、汁物、炒め物、茹で物等、厨房にて各種の調理に用いられるものであり、内釜2と、外釜3と、燃焼室4と、延設壁部5と、排ガスEの排気流路6と、ブラスト式バーナー7とを有している。以下、本例の回転釜1について詳説する。
本例の回転釜1は、外釜3を空中に浮かせた状態で回転可能に支持する一対の脚部10と、内釜2の蓋部11と、内釜2および外釜3を回転させる回転機構12とを有している。一方の脚部10の上端部には、回動可能に構成されたアーム部110が設けられ、アーム部110の先端に内釜2の蓋部11が取り付けられている。そのため、一方の脚部10の上端部を支点にアーム部110を回動させることによって内釜2に蓋部11を嵌めたり、蓋部11を外したりすることが可能とされている。他方の脚部10には、ギア機構による回転機構12に接続された操作ハンドル部120が設けられており、操作ハンドル部120の回転量に応じて回転釜1を支持軸回りに回転可能とされている。また、他方の脚部10の上端部から上方に延びる支柱部13の先端には制御ボックス14が設けられている。制御ボックス14には、電源ボタン141、運転開始ボタン142、運転停止ボタン143、リセットボタン144、火力調整つまみ145、ブザーボタン146等の各種の操作ボタンや操作つまみ等が配設されている。
本例の回転釜1において、内釜2は、加熱に供される加熱対象が入れられる容器である。内釜2は、釜底21と、釜底21の外周縁から上方に向かって拡径するよう構成された釜側面部22とを有している。内釜2の材質は、ステンレスである。なお、内釜2は、釜底21と釜側面部22との境界がほとんど区別できないように構成されていてもよい。
本例の回転釜1において、外釜3は、空間30を保持した状態で内釜2の外周を覆っている。つまり、内釜2の外側面と外釜3の内側面との間には空間30が存在している。外釜3は、内釜2の外周を主に覆う第1被覆部31と、ブラスト式バーナー7の外周を主に覆う第2被覆部32とを有している。外釜3の底部となる第2被覆部32の底部には、外部からの空気を空間30内に流入させる空気流入口33が設けられている。なお、空気流入口33の内方には、回転釜1を洗浄する際等における水が空間30内に浸入しないように防水板331が設けられている。内釜2は、その上端縁が外釜3の上端縁に固定されている。外釜3の材質は、ステンレスである。
本例の回転釜1において、燃焼室4は、内釜2と外釜3との間の空間30における内釜2の下方に配設されている。本例では、具体的には、燃焼室4は、内釜2の釜底21よりも小さな外径の筒状に形成されており、内釜2の釜底21の下方に燃焼室4の上端開口が配置されている。燃焼室4の材質は、ステンレスである。また、燃焼室4の外側面には、断熱材43が取り付けてある。
本例の回転釜1において、延設壁部5は、燃焼室4の上端縁から内釜2の外側面に沿って上方に延設されている。燃焼室4の材質は、ステンレスである。また、延設壁部5における外釜3側の面には、断熱材53が取り付けてある。延設壁部5における内釜2側の面と内釜2の外側面との間には、内釜2の外側面に沿って隙間60が形成されている。本例の回転釜1において、排ガスの排気流路6は、当該隙間60より構成される。
本例の回転釜1を縦断面で見た場合に、隙間60は、燃焼室4よりも外側に配設された内釜2の釜底21部分と延設壁部5における釜底21部分と対向する部分との間(以下、「隙間上流域」ということがある。)に比べて、内釜2の釜側面部22と延設壁部5における内釜2の釜側面部22と対面する部分との間(以下、「隙間下流域」ということがある。)の方が狭くなるように構成されている。また、隙間下流域において、隙間60の大きさ(内釜2の外側面と延設壁部5における内釜2側の面との間の距離)が最小値をとるように設定されている。
本例の回転釜1において、隙間60の大きさの最小値は、1mm以上20mm以下の範囲内に設定されている。本例では、具体的には、隙間60の大きさの最小値は、10mmに設定されている。また、隙間60の大きさが最小値をとる部分の長さは、隙間下流域の長さとほぼ同等に設定されており、本例では、約200mmに設定されている。
本例の回転釜1は、内釜2の上端部における外側に環状流路15を有している。環状流路15は、延設壁部5の上端縁から外方に突出する突出部151と、突出部151の先端部から上方に延び、内釜2の外側面に当接する当接部152と、内釜2の上端部における外側面とによって区画された区画空間153より構成されている。上述した排気流路6は、その下端部が燃焼室4に連通するとともに、その上端部は環状流路15に連通している。本例では、排気流路6を通った排ガスEは、環状流路15を介して排ガスEを外部に排気するための筒状の排気部16から排気されるよう構成されている。
本例では、排気流路6を構成する隙間60を形成するため、スペーサ―として、延設壁部5の内釜2側の面と内釜2の外側面との間に複数の区画壁51が設けられている。各区画壁51は、棒状部材から構成されており、延設壁部5の内釜2側の面に溶接等により固定されている。より具体的には、各区画壁51は、隙間下流域に配置されている。なお、各区画壁51を構成する棒状部材は、隙間60の大きさの最小値を規定できるように、直径10mmとされている。各区画壁51は、釜周方向に配置されており、互いに隣接する区画壁51の間は、下方から上方への排ガスEの排出を促す排ガス誘導路52とされる。本例では、複数の区画壁51は、上方から見た場合に、左回りのらせん状となるように、下方から上方に向かって排ガスEが誘導されるように配置されている。
また、本例では、排気部16の周囲における隙間60に、排気部16への排ガスEの流れを制限するための排ガス制限部53が複数設けられている。排ガス制限部53は、具体的には、延設壁部5の中間部位に周方向に配置されている。より具体的には、排ガス制限部53は、区画壁51と同様に棒状部材から構成されており、延設壁部5における内釜2側の面に溶接等により固定されている。但し、排ガス制限部53を構成する棒状部材は、隙間60の大きさの最小値よりも小さい直径とされており、排ガスEの流れを完全に堰き止めないように設定されている。なお、本例では、排ガス制限部53は、上方から見て、複数の排ガス制限部53のうち、両外側に配置される一方の排ガス制限部53における外側端部と回転釜1の中心とを結ぶ線M1、両外側に配置される他方の排ガス制限部53における外側端部と回転釜1の中心とを結ぶ線M2とのなす角θが約100°となるように設定されている。
本例の回転釜1において、ブラスト式バーナー7は、内釜2と外釜3との間の空間30における燃焼室4の下方に主に配設されている。なお、「主に配設」とは、ブラスト式バーナー7の大部分が燃焼室4の下方に配設されておれば、ブラスト式バーナー7の一部が燃焼室4の中に配設されていてもよいという意味である。本例では、ブラスト式バーナー7は、後述するバーナーヘッド71が燃焼室4の下端開口よりも上方に若干入り込んだ状態で配置されており、その大部分は、燃焼室4の下端開口よりも下方に配置されている。
ブラスト式バーナー7は、都市ガス等の燃料Fと強制的に供給された空気Aとが予め混合されてなる予混合ガスAFを燃焼室4に噴出可能に構成されておれば、特に制限されることはない。本例では、ブラスト式バーナー7は、燃焼室4の下端部に配置され、予混合ガスAFを燃焼室4に噴出する炎孔713を複数有するバーナーヘッド71と、バーナーヘッド71の下方に設けられ、バーナーヘッド71に予混合ガスAFを供給する予混合ガス供給路72と、予混合ガス供給路72の上流側に燃料Fを供給可能に構成された燃料供給路73と、バーナーヘッド71の下方に設けられ、予混合ガス供給路72の上流側に空気Aを強制的に供給可能に構成されたブロアー74とを有している。なお、ブラスト式バーナー7は、内釜2と外釜3との間に収容されている。
ブラスト式バーナー7において、バーナーヘッド71は、具体的には、板材よりなるヘッド基部710と、ヘッド基部710の一方面に沿って環状空間712が構成されるようにヘッド基部710の一方面を環状に覆うヘッド上面部711と、ヘッド上面部711に形成され、予混合ガスAFを噴出させる複数の炎孔713と、ヘッド基部710の他方面に形成され、予混合ガスAFを供給する予混合ガス供給路72の端部が接続される接続部714とを有している。バーナーヘッド71の材質は、ステンレスである。本例では、燃焼室4の底部における下端開口は、バーナーヘッド71によってほぼ塞がれている。なお、バーナヘッド71のヘッド上面部711と内釜2の釜底21の最も下方に位置する部分との距離は、約80mmに設定されている。
ヘッド基部710には、接続部714が二つ設けられており、各接続部714は互いに対向する位置に配置されている。本例では、接続部714は、予混合ガス供給路72を接続可能なソケットを用いている。また、接続部714の上方における環状空間712には、供給される予混合ガスAFの流れを周方向に変更させる邪魔板715が設けられている。邪魔板715は、具体的にはヘッド基部710と平行に配置されている。また、複数の炎孔713は、ヘッド上面部711に環状に配置されており、ニット状に編み込まれた金属繊維よりなるメタルニット部716で被覆されている。より具体的には、バーナーヘッド71は、ヘッド上面部711に複数の炎孔713の一部が環状に配置されて構成された内リング炎孔部713aと、内リング炎孔部713aの外周におけるヘッド上面部711に複数の炎孔713の残りが環状に配置されて構成された外リング炎孔部713bとを有している。そして、内リング炎孔部713bを構成する炎孔713は、ニット状に編み込まれた金属繊維よりなる内メタルニット部716aで被覆されるとともに、外リング炎孔部713bを構成する炎孔713は、ニット状に編み込まれた金属繊維よりなる外メタルニット部716bで被覆されている。内メタルニット部716aの外周縁および外メタルニット部716bの内周縁は、内リング炎孔部713aと外リング炎孔部713bとの間のヘッド上面部711に溶接されている。また、内メタルニット部716aの内周縁および外メタルニット部716bの外周縁は、それぞれヘッド上面部711に溶接されている。
ブラスト式バーナー7において、予混合ガス供給路72は、具体的には、その途中で2つに分岐されている。一方の分岐路721は、ヘッド基部710の一方の接続部714に接続されており、他方の分岐路721は、ヘッド基部710の他方の接続部714に接続されている。つまり、本例では、2つの分岐路721を通じてバーナーヘッド71に予混合ガスAFが供給されるようになっている。
その他、本例では、燃料供給路73の途中に、生成させる予混合ガスAFの空燃比を比例制御により制御する電磁弁731を有している。電磁弁731には、エアフロースイッチ(不図示)を介してブロアー74(本例ではDCブロアー)が接続されている。そして、ブラスト式バーナー7は、燃料源(不図示)より燃料供給路73を通じて供給される燃料Fとブロアー74から供給される空気Aとを電磁弁731による比例制御により最適な空燃比となるように混合し、生成させた予混合ガスAFを予混合ガス供給路72に供給することができるように構成されている。なお、燃料供給路73は、一方の脚部10における支持軸内を通って外釜3と内釜2との間の空間30に引き込まれている。また、燃焼室4には、イグナイター(不図示)に接続されたスパークロッド41が配置されており、バーナーヘッド71から噴出される予混合ガスAFに点火できるようになっている。また、燃焼室4には、制御盤に接続されたフレームロッド42が配置されており、火炎を検知できるようになっている。また、本例では、バーナーヘッド71におけるヘッド上面部711の外周縁と燃焼室4の内周面との間に断熱材44が設けられている。この断熱材44は、ヘッド上面部711から排気流路6に向かって傾斜する傾斜面を有している。また、断熱材44の傾斜面の表面には、排ガスEの排気流路6への排出を促す反射板45が設けられている。また、環状に形成されたヘッド上面部711の中央部の凹部717は、内釜2の外側面を伝って下方に落下する水滴(結露水)を貯留するためのドレン貯留部として使用される。凹部717には、断熱材718が設けられている。断熱材718は、上記水滴を吸収保持する役割も果たす。なお、凹部717には、受け皿(不図示)などを配設することもできる。
本例の回転釜1は、バーナーヘッド71とブロアー74との間に、バーナーヘッド71の輻射熱を遮蔽するための遮蔽板75が設けられている。本例では、遮蔽板75は、具体的には、バーナーヘッド71の下方約30mmの位置に配設されており、バーナーヘッド71と遮蔽板75との間には空間部753が形成されている。遮蔽板75は、より具体的には、バーナーヘッド71のヘッド基部710の下方面より突出する2つの接続部714と対応する位置に周部貫通穴751を有しており、予混合ガス供給路72の2つの分岐路721は、2つの周部貫通穴751にそれぞれ貫通させた状態で各接続部714に接続されている。また、遮蔽板75の中央部には、後述する予熱空気供給路8の端部が接続される中央接続穴752が形成されている。なお、本例では、遮蔽板75の下面に断熱材754が設けられている。
本例の回転釜1は、バーナーヘッド71と遮蔽板75との間に形成される空間部753に一端部が連通されるとともに、他端部がブロアー74の空気取入口(不図示)に接続された予熱空気供給路8を有している。本例では、具体的には、予熱空気供給路8の一端部は、遮蔽板75の中央接続穴752に接続されている。これにより、本例の回転釜1は、内釜2と外釜3との間に存在する空気Aが空間部753に吸引され、吸引された空気Aが予熱空気供給路8を通じてブロアー74の空気取入口に供給されるように構成されている。
次に、本例の回転釜による加熱について説明する。
都市ガス等の燃料Fは、燃料源(不図示)から燃料供給路73を通じて予混合ガス供給路72の上流側に供給される。一方、外釜3の底部に設けられた空気流入口33より外釜3と内釜2との間に流入した空気Aは、ブロアー74によって予混合ガス供給路72の上流側に強制的に供給される。本例では、具体的には、バーナーヘッド71と遮蔽板75との間に形成される空間部753の外方から内方に向かって空気Aが吸引され、吸引された空気Aは、空間部753の中央部から予熱空気供給路8を通じてブロア74ーの空気取入口に供給される。このようにしてブロアー74に供給された空気Aがブロアー74の動作により予混合ガス供給路72の上流側に強制的に供給される。また、回転釜1内の空気Aがブロアー74によって予混合ガス供給路72に供給されるに伴い、外釜3の底部に設けられた空気流入口33から外部の新鮮な空気が回転釜1内に取り込まれる。
予混合ガス供給路72の上流側に供給された燃料Fと空気Aとは所定の空燃比で混合され、予混合ガスAFが生成する。生成した予混合ガスAFは、予混合ガス供給路72内を下方から上方に向かって流れる。本例では、予混合ガス供給路72が途中から分岐しているので、予混合ガスAFは、各分岐路721に分かれて流れ、各接続部714よりバーナーヘッド71における環状空間712に流入する。この際、本例では、各接続部714の上方における環状空間712内に邪魔板715が配置されているので、邪魔板715にぶつかった予混合ガスAFは、環状空間712の周方向に流れが変更され、環状空間712内に拡がる。
環状空間712内に拡散した予混合ガスAFは、バーナーヘッド71のヘッド上面部711に形成された複数の炎孔713より燃焼室4内に噴出される。炎孔713より噴出された予混合ガスAFがスパークロッド41にて点火されると、燃焼室4内で予混合ガスAFの燃焼が生じる。燃焼によるバーナーヘッド71の輻射熱は、遮蔽板75により遮蔽され、遮蔽板75よりも下方への拡散が抑制される。また、燃焼が開始されると、バーナーヘッド71と遮蔽板75との間の空間部753に吸引された空気Aは、上記輻射熱によって予熱される。そして、この予熱された空気Aが予熱空気供給路8を通じてブロアー74に取り込まれ、予混合ガスAFの生成に使用される。
予混合ガスAFの燃焼により生じた排ガスE(燃焼ガス)は、燃焼によって生成する燃焼室4内の正圧によって排気流路6に送られ、排気流路6内を流れる。本例では、排気流路6に上述した複数の区画壁51が配置されており、隣接する区画壁51の間が排ガス誘導路52とされている。そして、複数の排ガス誘導路52により、左回りのらせん状に下方から上方に向かって排ガスEが誘導される。この際、排ガス誘導路52のうち、排ガス制限部53が配設されている部分では、排ガス制限部53が配設されていない部分に比べ、排ガスの下方から上方に向かう流れが制限される。排気流路6の上端部から流出した排ガスEは、環状流路15内に流入し、排気部16より排気される。
次に、本例の回転釜の作用効果について説明する。
回転釜1は、バーナーとしてブラスト式バーナー7を用いている。そのため、回転釜1は、燃焼時に大量の二次空気を必要とせず、燃焼室4が大量の二次空気によって冷却されずに済み、熱効率の向上に寄与することができる。
また、回転釜1は、燃焼室4の上端縁から内釜2の外側面に沿って上方に延びる延設壁部5の内釜2側の面と内釜2の外側面との間に形成される隙間60が排ガスEの排気流路6とされており、隙間60の大きさの最小値が1mm以上20mm以下の範囲内に設定されている。そのため、回転釜1は、排気流路6を流れる排ガスEの流速を向上させやすい。さらに、回転釜1は、ブンゼン式バーナーを用いた場合に比べ、排ガスEの排気抵抗が大きくなるものの、ブラスト式バーナー7の燃焼によって生成する燃焼室4内の正圧を利用し、排ガスEが均一に排気流路6を通過して排気されやすい。それ故、排ガスEが内釜2の外側面と十分に接触し、伝熱面積が増加し、排ガスEが持つ熱エネルギーをより多く熱交換させやすくなり、熱効率の向上に寄与することができる。
また、本例では、隙間60における延設壁部5の内釜2側の面と内釜2の外側面との間に、複数の区画壁51が設けられており、互いに隣接する区画壁51の間を、下方から上方への排ガスEの排出を促す排ガス誘導路52として構成している。そのため、本例の回転釜1は、隙間60に設けられた複数の排ガス誘導路52により下方から上方へ排ガスEの排出が促される。そのため、本例の回転釜1は、各排ガス誘導路52において、各排ガス誘導路52を流れる排ガスEが、各排ガス誘導路52に面する内釜2の外側面と十分に接触する。それ故、本例の回転釜1は、排ガスEが持つ熱エネルギーを無駄なく熱交換させることができ、熱効率をより一層向上させることができる。また、本例の回転釜1は、内釜2の底部における熱分布も均一化しやすくなり、局所的な加熱による内釜2の割れ等を抑制しやすくなる。
また、本例では、区画壁51は、棒状部材から構成されている。そのため、本例の回転釜1は、区画壁51の強度を確保しやすく、また、一定の隙間を形成しやすいなどの利点がある。さらに、区画壁51は、延設壁部5の内釜2側の面に固定されている。区画壁51が内釜2の外側面に固定されている場合に比べ、熱膨張差を小さくしやすい。そのため、本例の回転釜1は、区画壁51の耐久性向上に有利であり、隙間60や排ガス誘導路52を長期にわたって維持しやすくなる。
また、本例では、区画壁51を、隙間60を形成するためのスペーサ―として機能させている。そのため、本例の回転釜1は、隙間60を確実に確保することができ、また、隙間60の大きさの最小値を、区画壁51を構成する棒状部材の直径により決定することができ、棒状部材の直径を変えることによって隙間60の大きさの最小値を容易に設定することができる。
また、本例では、区画壁51は、上方から見た場合に、左回りのらせん状となるように、下方から上方に向かって排ガスEが誘導されるように配置されている。そのため、本例の回転釜1は、下方から上方に向かって排ガスEを誘導しやすい。本例では、とりわけ、区画壁51が左回りのらせん状に配置されているので、区画壁51が中央部から外方に向かって放射状に配置されている場合に比べ、内釜2の外側面に排ガスEが接する距離(時間)を長くすることができ、熱分布の均一化を図りやすく、熱効率の向上に有利である。
また、本例では、排ガスEを外部に排気するための排気部16を有しており、排気部16の周囲における隙間60に、排気部16への排ガスEの流れを制限するための排ガス制限部53が設けられている。そのため、本例の回転釜1は、排ガス制限部53により、排気部16の周囲における燃焼室4内の排ガスEが、排気部16の周囲で十分に熱交換を行えずに排気部16から排気されるのを抑制しやすく、熱効率の向上に有利である。
また、本例では、バーナーヘッド71の輻射熱の影響を受けやすいブロアー74をバーナーヘッド71とできるだけ離した位置に配置することができる。とりわけ、バーナーヘッド71とブロアー74の間に遮蔽板75が設けられているので、遮蔽板75によってバーナーヘッド71の輻射熱が遮蔽され、遮蔽板75よりも下方に輻射熱が拡散するのを抑制することができる。ブロアー74は、通常、電子制御によるモーターを備えているので、熱による影響を受けやすいところ、上記構成によれば、ブロアー74の温度が耐熱温度を超えることがなくなる。そのため、本例の回転釜1は、回転釜1の耐久性、信頼性を向上させることができる。また、本例では、外釜3と内釜21との間の空間30にバーナー関連の部品が配置されているので、バーナー関連の部品を釜内にて一括して防水しやすく、防水性を向上させることができる。そのため、本例の回転釜1は、回転釜1を水洗いしやすく、清掃性も向上する。
また、本例では、内釜2と外釜3との間に存在していた空気Aがバーナーヘッド71と遮蔽板75との間の空間部753に吸引され、輻射熱によって予熱される。そして、この予熱された空気が予熱空気供給路8を通じてブロアー74に供給される。そのため、本例の回転釜1は、予混合ガスAF中に含まれる空気Aを事前に温めることができるので、熱効率をより向上させやすい。
また、本例では、予混合ガス供給路72が、その途中に複数の分岐路721を有しており、複数の分岐路721を通じてバーナーヘッド71に予混合ガスAFが供給される。そのため、本例の回転釜1は、複数の分岐路721によってバーナーヘッド71の全体に均一に予混合ガスAFが供給され、各炎孔713から均一に予混合ガスAFが噴出されやすくなる。それ故、本例の回転釜1は、均一な火炎が形成されやすく、内釜2の釜底21全体を均一に加熱しやすくなり、熱効率の向上に有利である。
また、本例では、燃焼室4の底部がバーナーヘッド71により塞がれている。そのため、本例の回転釜1は、燃焼室4をほぼ密閉状態とすることができるので、内釜2と外釜3との間に存在していた空気Aが燃焼室4に流入し難くなる。そのため、本例の回転釜1は、燃焼室4内が冷却され難くなり、熱効率の向上に寄与することができる。
また、本例では、バーナーヘッド71の複数の炎孔713がメタルニット部716で被覆されている。そのため、本例の回転釜1は、メタルニット部716における金属繊維面での表面燃焼により、内釜2の底部全体を均一に加熱することが可能となり、熱効率の向上に有利である。また、メタルニット部716により炎が戻り難く、青色から赤色にわたる炎を幅広く形成しやすくなる。
また、本例では、内メタルニット部716aの外周縁および外メタルニット部716bの内周縁が、内リング炎孔部713aと外リング炎孔部713bとの間のヘッド上面部711に溶接されている。そのため、溶接部位で定在火炎が保持形成される。それ故、ブラスト式バーナーの空気比が大きい場合でも、リフト燃焼が抑制されやすくなり、火炎の吹き消えを防止しやすくなる。
また、本例では、バーナーヘッドは、環状に形成されたヘッド上面部711の中央部に、内釜の外側面を伝って下方に落下する水滴(結露水)を貯留するためのドレン貯留部としての凹部717を有している。そのため、本例の回転釜1は、バーナーヘッド71やバーナーヘッド71上に設けられるメタルニット部716を構成する金属材料が腐食するのを抑制することができ、バーナーヘッドの耐久性を向上させることができる。また、本例では、水滴を吸収保持する吸収材の機能を兼ね備える断熱材718が凹部717内に設けられている。そのため、上記作用効果がより一層高められる。
また、本例の回転釜1は、熱効率を向上させることができるので、燃料Fの使用を節約することができ、省エネルギーである。また、本例の回転釜1は、二酸化炭素の排出量削減にも寄与することができる。さらに、本例の回転釜1は、回転釜1のランニングコストも削減することができる。また、本例の回転釜1は、排ガスEの熱エネルギーを内釜2の加熱に十分に利用するため、排出される排ガス温度を低減しやすくなり、排ガスEの排気構造を小型化するのに有利である。また、本例の回転釜1は、排ガスによって厨房内の温度を過度に上昇させ難く、厨房環境を涼しくするのに大きく貢献できる。また、この場合は、厨房空調のランニングコストの節約にも有利である。
<実験例>
排気流路を構成する隙間の大きさの最小値を、3mm、6mm、9mmとし、各種条件にて熱効率を求めた。表1に各種条件とともに熱効率を示す。
Figure 0006189221
表1に示すように、上記隙間の大きさの最小値が狭くなるにつれて、熱効率が向上することがわかる。これは、上記隙間を狭くすることにより、排ガスの流れが制限されるとともに、排ガスが内釜の外側面に沿って隙間内を流れながら内釜に十分に接触して伝熱面積が増加し、排ガスが持つ熱エネルギーをより多く熱交換させることができたためである。上記隙間をさらに狭くすることにより熱効率が向上する可能性もあるが、上記隙間が過度に狭くなると、回転釜の製造時に安定して一定の隙間を確保することが困難となり、回転釜の量産性が低下することが懸念される。この点を考慮すると上記隙間の大きさの最小値は1mm以上あれば十分である。また、上記隙間が過度に広くなると、排気抵抗の最も小さい部分を通って排ガスが排気されるようになり、排ガスが均一に排気流路を通過し難くなる傾向がある。上記結果を考慮すると、上記隙間の大きさの最小値は20mm以下であれば十分であり、特に好ましくは10mm以下とするのがよいといえる。なお、表1の結果から、バーナーヘッドから釜底までの距離を適宜調整すれば、熱効率をさらに向上できることも確認された。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 回転釜
2 内釜
3 外釜
30 空間
4 燃焼室
5 延設壁部
60 隙間
6 排気流路
7 ブラスト式バーナー
F 燃料
A 空気
AF 予混合ガス
E 排ガス

Claims (6)

  1. 内釜と、
    該内釜の外周を空間を保持した状態で覆う外釜と、
    上記内釜と上記外釜との間の上記空間における上記内釜の下方に配設された燃焼室と、
    該燃焼室の上端縁から上記内釜の外側面に沿って上方に延設された延設壁部と、
    該延設壁部における上記内釜側の面と上記内釜の外側面との間に形成される隙間より構成される排ガスの排気流路と、
    上記内釜と上記外釜との間の上記空間における上記燃焼室の下方に主に配設され、燃料と強制的に供給された空気とが予め混合されてなる予混合ガスを上記燃焼室に噴出可能なブラスト式バーナーとを有しており、
    上記隙間の大きさの最小値は、1mm以上20mm以下の範囲内に設定されており、
    上記隙間における上記延設壁部の上記内釜側の面と上記内釜の外側面との間に、複数の区画壁が設けられており、互いに隣接する上記区画壁の間は、下方から上方への上記排ガスの排出を促す排ガス誘導路とされており、
    上記区画壁は、上記隙間を形成するためのスペーサ―として機能していることを特徴とする回転釜。
  2. 上記区画壁は、棒状部材から構成されていることを特徴とする請求項に記載の回転釜。
  3. 上記区画壁は、上記延設壁部の上記内釜側の面に固定されていることを特徴とする請求項またはに記載の回転釜。
  4. 上記区画壁は、上方から見た場合に、右回りまたは左回りのらせん状、あるいは、中央部から外方に向かって放射状となるように、下方から上方に向かって上記排ガスが誘導されるように配置されていることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の回転釜。
  5. 上記排ガスを外部に排気するための排気部を有しており、該排気部の周囲における上記隙間に、上記排気部への上記排ガスの流れを制限するための排ガス制限部が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転釜。
  6. 上記隙間の大きさが最小値をとる部分の長さは、縦断面で見た場合に、50mm以上550mm以下の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転釜。
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