JP6186641B1 - プレキャストコンクリート擁壁、プレキャストコンクリート擁壁製造装置、プレキャストコンクリート擁壁の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1は 外装材先付けコンクリート製品の成形時における外装材表面の汚損発生を防ぎ、外装材の剥れ発生がない良質の製品を低コストで製作できるようにすることを課題として、外装材ユニット用型枠内に外装材を並べると共に、注入した水又は温水に外装材の下半部を浸漬させ、この状態でパラフィンを流し込んで固化させることにより、外装材ユニットを形成し、次にこのユニットをコンクリート製品用型枠内に並べてコンクリートを打設し、パラフィンを溶かして除去すれば、表面に外装材が固定されたコンクリート製品が得られるとする外装材先付けコンクリート製品の製造方法を開示した。
特許文献4の可変勾配L型擁壁ブロック製造用型枠に開示される天然石貼付のL型擁壁ブロックも一定以上の震度の地震等が発生した場合には、前壁部に貼付けられた天然石が容易に剥れ、高い耐震性能が求められる近時のプレキャストコンクリート擁壁としては不適切である。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑み、熟練した作業員による現場作業は必要なく、生産性の向上が可能で、また高い耐震性能を具えるプレキャストコンクリート擁壁、プレキャストコンクリート擁壁作成パネル、プレキャストコンクリート擁壁の製造方法を提供することを目的とする。
図1〜図6に示す様に本発明のプレキャストコンクリート擁壁の一態様であるL型コンクリート擁壁1は鉄筋13によって強化されたL型コンクリート擁壁基体2に対して複数の肉厚の薄い単位板石3を相互に密接して配置し、単位板石3の縁部3a相互を接着してなり、鉄筋13によって強化されたL型コンクリート擁壁基体2からの複数の単位板石3の剥離を防止する剥離防止金具4が鉄筋によって強化されたL型コンクリート擁壁基体2と複数の単位板石3各々との間に張設されており、単位板石3の縁部3a相互接着部に形成された取付穴5にコーキングが施されてなる。
そのコーキングの表面には単位板石3と同一素材のカバーが接着されて閉止される。
以上において取付穴5は単位板石3の縁部3a相互接着部に形成されているためL型コンクリート擁壁1全体の美観にその存在が過度の影響を及ぼすことはなく、またコーキングの表面に単位板石3と同一素材のカバーが接着された場合には殆ど影響はなくなる。
かかるL型コンクリート擁壁1は図7に示すL型コンクリート擁壁作成パネル6を用いて構築される。
A 単位板石加工
石加工プロセスにおいて得られた単位板石3を配置するL型コンクリート擁壁1はJISでその寸法等は規定されており、係るJIS基準に適合する鋼製型枠パネル7を形成する鋼製型枠パネル7に整合的に複数整列させて配置されるように複数の同一形状の単位板石3を製作する。
先ず単位板石3の形状(パターン)、厚さ、重さ、石種、石色等、の設計を行う。係る設計内容に基づき原石の切削・研磨・形状切断加工を行い複数の同一形状の単位板石3を製作する。次いで加工された単位板石3に対して単位板石3を鋼製型枠パネル7に対して固定する金具である図8等に示す板石取付ボルトセット9を取付るための取付穴5を形成する。
B 鋼製型枠パネル加工
次に設計に応じた単位板石3を整列配置する位置に対応した位置であって、単位板石3の取付穴5に対応した位置に、板石取付ボルトセット9によって単位板石3を取り付けるための取付穴10を鋼製型枠パネル7に形成する。次に複数の単位板石3の仕上げ面11を鋼製型枠パネル7表面に密着させる態様で複数の単位板石3を鋼製型枠パネル7表面上に整列配置する。その状態で単位板石3の仕上げ面11と反対側の面(以下「コンクリート接合面」という)12には剥離防止金具4を取り付ける。一方、接着剤により複数の単位板石3間を接着し、その複数の単位板石3相互間の接着部にセメント流出を防ぐためのコーキングを行う。
図8、図9(a)(b)に示す様に板石取付ボルトセット9は軸足ボルト15の両端に一対のパッド16a,bを螺合してなる。
係る板石取付ボルトセット9を用い、単位板石3の取付穴5及び鋼製型枠パネル7の取付穴10を貫通させて軸足ボルト15の一端をパッド16aに螺合し、軸足ボルト15の他端はパッド16bに螺合して、パッド16aとパッド16bとの間に単位板石3及び鋼製型枠パネル7を挟持する。なおその際、16b側に単位板石3が配置され、パッド16a側に鋼製型枠パネル7が配置される。
図11は本発明のさらに他の実施の形態のL型コンクリート擁壁1を示し、本実施の形態のL型コンクリート擁壁1はL型コンクリート擁壁基体2の表面2aから単位板石3の表面3aを突出させて配置してなる。
一方、可動型枠24は底板23に立設された側板26を有する。側板26は図6、図7に示す鋼製型枠パネル7であり、側面御影石板27を配置してL型コンクリート擁壁作成パネル6として構成される。また底板23上には上面御影石板28が配置される。
御影石板27及び傘板石である御影石板28が取り付けられたL型コンクリート擁壁1が得られる。
Claims (9)
- 鉄筋によって強化されたプレキャストコンクリート擁壁基体に対して複数の肉厚の薄い単位板石を相互の端部同士を突き合わせて密接して配置し、前記単位板石の縁部相互の側面を接着してなり、前記複数の単位板石の前記コンクリート基体からの剥離を防止する剥離防止金具が前記複数の単位板石各々と前記コンクリート基体間に張設されており、前記単位板石の縁部相互接着部に形成された貫通孔部にコーキングが施されてなることを特徴とするプレキャストコンクリート擁壁。
- 前記プレキャストコンクリート擁壁基体はL型プレキャストコンクリート擁壁基体である請求項1記載のプレキャストコンクリート擁壁。
- 前記コーキングの表面に前記単位板石と同一素材のカバーが接着されてなる請求項1又は請求項2に記載のプレキャストコンクリート擁壁。
- 前記プレキャストコンクリート擁壁基体の2以上の面に複数の肉厚の薄い単位板石を相互の端部同士を突き合わせて密接して配置し、前記単位板石の縁部相互の側面を接着してなる請求項1〜請求項3のいずれか一に記載のプレキャストコンクリート擁壁。
- 前記プレキャストコンクリート擁壁基体の表面から単位板石の表面を突出させて配置してなる請求項1〜請求項4のいずれか一に記載のプレキャストコンクリート擁壁。
- 固定型枠と、複数の肉厚の薄い単位板石が相互の端部同士を突き合わせて板石取付ボルトセットによって組み付けられる鋼製型枠パネルを具えた可動型枠とを有し、前記複数の単位板石の各々の仕上げ面と鋼製型枠パネルとを密着させて前記鋼製型枠パネルに対して前記複数の単位板石を前記板石取付ボルトセットによって取付けると共に、前記複数の単位板石のコンクリートからの剥離を防止する剥離防止金具を前記複数の単位板石各々の仕上げ面と反対側の面(以下「コンクリート接合面」という)に取り付けてなり、接着剤によって前記複数の単位板石縁部相互の側面を接着してなることを特徴とするプレキャストコンクリート擁壁製造装置。
- 前記板石取付ボルトセットは、単位板石の取付穴及び鋼製型枠パネルの取付穴を貫通させて軸足ボルトの一端を一のパッドに螺合し、前記軸足ボルトの他端は他のパッドに螺合して、一対のパッドの間に単位板石及び鋼製型枠パネルを挟持する請求項6記載のプレキャストコンクリート擁壁製造装置。
- 前記コンクリート接合面側に鉄筋及び/又はワイヤメッシュを組み込んでなる請求項6又は請求項7記載のプレキャストコンクリート擁壁製造装置。
- 固定型枠と、鋼製型枠パネルを具えた可動型枠とを用い、複数の肉厚の薄い単位板石の各々の仕上げ面と前記鋼製型枠パネルとを密着させ、かつ前記複数の単位板石を相互の端部同士を突き合わせて密接して配置し、前記単位板石の取付孔及び鋼製型枠パネルの取付孔を貫通させて軸足ボルトの一端を一のパッドに螺合し、前記軸足ボルトの他端は他のパッドに螺合して、一対のパッドの間に単位板石及び鋼製型枠パネルを挟持して前記鋼製型枠パネルに対して前記複数の単位板石を取付けると共に、接着剤によって前記単位板石の縁部相互の側面を接着し、前記固定型枠及び可動型枠によって形成された型内にコンクリートを打設後、養生後コンクリートが固化した後に前記可動型枠を移動させて前記鋼製型枠パネルを取り外し、脱型することを特徴とするプレキャストコンクリート擁壁の製造方法。
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