JP6185130B1 - 歯列矯正用インプラント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に作成することができ、かつ、エクステンションアームを構成する材料選択の幅を広げることができる歯列矯正用インプラント装置を提供する。【解決手段】口蓋M1に固定される一対のアンカー部材10と、一対のアンカー部材10の間を結ぶように配設されるブリッジ部材20と、ブリッジ部材20に配設される配設部材30と、歯M2を移動させるエクステンションアーム40とを備える。配設部材30は、エクステンションアーム40を固定するための固定部31と、この固定部31をブリッジ部材20に配設するためのワイヤ状の突起部とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、口腔内に固定して歯を移動させるための歯列矯正用インプラント装置に関する。
矯正治療において固定源の確保は治療を成功に導く為の重要な要素であり、従来これを強化するために顎内固定や顎外固定など様々な装置が用いられてきた。しかしそれらの装置はその効果が患者の協力度に依存する欠点があった。そこで近年、骨を固定源(インプラントアンカー)として歯を移動させる方法が考案され、マルチブラケットシステムの一部に組み込まれる装置として急速に普及した。インプラントアンカーとしては、スクリュー型のものが安価で簡便であり、埋め込み時の外科的侵襲が非常に小さいことから広く使用されている。しかし、スクリュー型のインプラントアンカーは、埋め込み位置に制限があり、また、脱落してしまう場合があるという問題があった。特に、上顎の頬側は、隣接歯の歯根の近接、上顎洞の歯根間への張り出し、付着歯肉幅が狭いなどの理由から埋め込み位置が制限されることが多い。また、狭い歯根間の歯槽骨に埋込できたとしても、その存在が歯の移動を制限してしまう場合がある。更に、骨質が悪いと脱落率が増加してしまい、埋め込み時の歯根損傷とそれに伴うインプラントアンカーの脱落や、遊離歯肉部位への埋め込み時におこるインプラントアンカー頭部の歯肉への埋没など問題が多い。
そこで、近年では、スクリュー型のインプラントアンカーを骨質がよく、歯の移動に制限のない口蓋に埋め込んだ歯列矯正用インプラント装置が提案されている。例えば、本願出願人は、口腔内に固定される一対のアンカー部材と、この一対のアンカー部材の間を結ぶように伸長して形成され、一対のアンカー部材に固定されるブリッジ部材と、このブリッジ部材に配設され、角ワイヤを挿入可能な角柱状受部が設けられており、この角柱状受部にエクステンションアームの一部が挿入されて接続される接続部材とを備えた歯列矯正用インプラント装置を開発した(特許文献1参照)。この歯列矯正用インプラント装置によれば、角柱状受部に、エクステンションアームの角ワイヤよりなる挿入部を挿入することにより、回転することなく安定してエクステンションアームを口腔内に固定することができる。
特開2016‐36474号公報
しかしながら、従来は、例えば、歯に対して固定して歯を移動させるワイヤよりなるアーム部に、角ワイヤよりなる挿入部をろう着などで接合していたので、ニッケル・チタン合金等の超弾性合金によりアーム部を構成しようとしても、ろう着時の加熱により弾性が失われてしまうという問題があった。また、アーム部に接合する挿入部は非常に小さいので、特に、歯科医師が治療内容に応じてアーム部を作成する場合等、ろう着は面倒であり、手間がかかるという問題もあった。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、容易に作成することができ、かつ、エクステンションアームを構成する材料選択の幅を広げることができる歯列矯正用インプラント装置を提供することを目的とする。
本発明の歯列矯正用インプラント装置は、口腔内に固定し、歯を移動させるためのワイヤよりなるエクステンションアームを接続して歯列矯正を行うものであって、口腔内に固定され、ねじ山が形成された軸と、この軸の一端部に形成された頭部とを有し、この頭部に、側面と底面とが垂直の関係を有する頭部溝が形成された一対のアンカー部材と、この一対のアンカー部材の間を結ぶように配設されるブリッジ部材と、エクステンションアームを固定するための固定部と、この固定部をブリッジ部材に配設するためのワイヤ状の突起部とを有する配設部材とを備え、ブリッジ部材は、突起部を挿入する挿入孔が設けられた接続部と、この接続部に配設され、一対のアンカー部材の頭部溝にはめ合わせる一対の角ワイヤ状部とを有し、固定部は、側面と底面とが垂直の関係を有する固定溝を有し、エクステンションアームの一部を嵌め合わせてかしめることにより固定するものである。
本発明の他の歯列矯正用インプラント装置は、ワイヤよりなり、歯に対して固定して歯を移動させるエクステンションアームと、口腔内に固定され、ねじ山が形成された軸と、この軸の一端部に形成された頭部とを有し、この頭部に、側面と底面とが垂直の関係を有する頭部溝が形成された一対のアンカー部材と、この一対のアンカー部材の間を結ぶように配設されるブリッジ部材と、エクステンションアームを固定するための固定部と、この固定部をブリッジ部材に配設するためのワイヤ状の突起部とを有する配設部材とを備え、ブリッジ部材は、突起部を挿入する挿入孔が設けられた接続部と、この接続部に配設され、一対のアンカー部材の頭部溝にはめ合わせる一対の角ワイヤ状部とを有し、固定部は、側面と底面とが垂直の関係を有する固定溝を有し、エクステンションアームの一部を嵌め合わせてかしめることにより固定するものである。
本発明の歯列矯正用インプラント装置によれば、エクステンションアームを固定するための固定部と、この固定部をブリッジ部材に配設するためのワイヤ状の突起部とを有する配設部材を備え、固定部には側面と底面とが垂直の関係を有する固定溝を形成し、エクステンションアームの一部を嵌め合わせてかしめることにより固定するようにしたので、エクステンションアームを熱に弱い超弾性合金等により構成することもでき、材料選択の幅を広げることができる。また、部材の大きさが小さくても容易に固定することができ、手間を軽減することができる。
また、配設部材に突起部を複数設けると共に、ブリッジ部材の接続部に挿入孔を複数設けるようにすれば、配設部材が回転してぐらつくことを抑制することができ、安定して配設することができる。
更に、配設部材に固定部を複数設けるようにすれば、配設部材の突起部をブリッジ部材の挿入孔に挿入し、例えば、各固定部の間に結紮線を通して、結紮線により配設部材とブリッジ部材とを容易に固定することができる。よって、結紮線を引掛けるための引掛け部を特別に設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。
本発明の一実施の形態に係る歯列矯正用インプラント装置の構成を表す図である。 図1に示したアンカー部材の構成を表す図である。 図1に示したアンカー部材にブリッジ部材を配設した状態を表す図である。 図1に示したブリッジ部材の構成を表す図である。 図1に示した配設部材の構成を表す図である。 図1に示したエクステンションアームの構成を表す図である。 図1に示した歯列矯正用インプラント装置の取付工程を表す図である。 図7に続く取付工程を表す図である。 図8に続く取付工程を表す図である。 配設部材の変形例を表す図である。 ブリッジ部材の変形例を表す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(一実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係る歯列矯正用インプラント装置1の構成を表すものである。この歯列矯正用インプラント装置1は、口腔内、具体的には口蓋M1に固定される一対のアンカー部材10と、この一対のアンカー部材10の間を結ぶように配設されるブリッジ部材20と、このブリッジ部材20に配設される配設部材30とを備えている。この歯列矯正用インプラント装置1は、また、ワイヤよりなり、歯M2に対して固定して、歯M2を移動させるエクステンションアーム40を備えていてもよい。
図2は、アンカー部材10の構成を表すものである。図2(A)は横から見た構成を表し、図2(B)は上から見た構成を表している。一対のアンカー部材10は、例えば、チタニウム合金により構成されており、ねじ山が形成された軸11と、この軸11の一端部に形成された頭部12とを有している。頭部12の軸11と反対側には、直線状の頭部溝13が形成されている。頭部溝13は、アンカー部材10を口蓋M1に埋め込む際に、ドライバなどの道具を挿入して回転させるために用いられると共に、アンカー部材10を口蓋M1に埋め込んだ後に、ブリッジ部材20を配設するために用いられるものである。頭部溝13は、頭部12の周縁部から中央部を通り対向する周縁部まで上部全面にわたって形成されていることが好ましい。ブリッジ部材20を配設するためである。
頭部溝13は、例えば、一対の側面13Aとその間の底面13Bとを有しており、一対の側面13Aと底面13Bとが垂直の関係、すなわち直角に交わる関係を有するように構成されていることが好ましい。例えば、頭部溝13の伸長方向に対して垂直な面における断面形状は長方形となるように構成されていることが好ましい。なお、長方形には正方形を含む。頭部溝13は、例えば、1条であってもよいが、頭部12の中央部において直交するように2条形成されていることが好ましい。ブリッジ部材20を配設するために一対のアンカー部材10の頭部溝13が同一直線上に位置するように調節しやすいからである。
図3は、アンカー部材10にブリッジ部材20を配設した状態を表すものである。図3(A)は横から見た断面構成を表し、図3(B)は上から見た構成を表している。アンカー部材10には、軸11の頭部12の側に、結紮線14を通すための貫通孔15が設けられていることが好ましい。頭部溝13にブリッジ部材20を配設したのち、貫通孔15に通した結紮線14でアンカー部材10とブリッジ部材20とを結紮することにより、容易にブリッジ部材20を固定することができるからである。貫通孔15は、例えば、軸11を幅方向に貫通するように設けられている。なお、結紮線14は、図1においては省略している。
図4は、ブリッジ部材20の構成を表すものである。図4(A)は上から見た構成を表し、図4(B)は図4(A)に示したI−I線に沿った断面構成を表し、図4(C)は図4(A)に示したII−II線に沿った断面構成を表し、図4(D)は横から見た構成を表している。ブリッジ部材20は、例えば、チタン、チタン合金、又は、ステンレススチールにより構成されており、配設部材30を接続する接続部21と、この接続部21に配設され、一対のアンカー部材10の頭部溝13に嵌め合せる一対の角ワイヤ状部22とを有している。接続部21は、例えば、直方体状に構成されている。なお、直方体には立方体も含む。
接続部21には、例えば、配設部材30の後述する突起部32を挿入するための挿入孔21Aが設けられている。挿入孔21Aは、伸長方向を変えて複数箇所に設けることが好ましく、例えば、一対の角ワイヤ状部22の伸長方向と、その垂直方向にそれぞれ伸長して設けることが好ましい。治療内容に応じて、配設部材30の接続方向を変えることができるようにするためである。
角ワイヤ状部22は、例えば、頭部溝13に適合する角ワイヤ状に構成されている。頭部溝13に嵌め合せることにより、ぐらつきを抑制して安定して配設することができるからである。また、角ワイヤ状部22は、例えば、貫通孔15に通した結紮線14によりアンカー部材10に固定され、更に、補強として図示しない接合剤によりアンカー部材10に固定されることが好ましい。接合剤としては、例えば、光硬化樹脂などのプラスチックが好ましく挙げられる。各角ワイヤ状部22の接続部21と反対側の端部には、例えば、リング状に形成された環状部23が設けられていることが好ましい。環状部23は、エラスティックや結紮線などの矯正装置を固定するために有利な構造であると共に、口腔内での為害性を低くするためのものある。なお、環状部23は、完全なリング状でなくてもよく、一部において環が切断されていてもよい。
図5は、配設部材30の構成を表すものである。図5(A)は上から見た構成を表し、図5(B)は横から見た構成を表し、図5(C)は配設部材30にエクステンションアーム40を固定した状態を表している。配設部材30は、例えば、ステンレススチールにより構成されており、エクステンションアーム40を固定するための固定部31と、この固定部31をブリッジ部材20に配設するためのワイヤ状の突起部32とを有している。なお、配設部材30には、結紮する際に、結紮線を引掛ける引掛け部が設けられていてもよい。
固定部31は、固定溝31Aを有しており、固定溝31Aにエクステンションアーム40の一部を嵌め合わせてかしめることにより固定することができるようになっている。固定溝31Aは、例えば、一対の側面31Bとその間の底面31Cとを有しており、一対の側面31Bと底面31Cとが垂直の関係、すなわち直角に交わる関係を有するように構成されていることが好ましい。エクステンションアーム40の少なくとも一部を角ワイヤで構成し、この角ワイヤ部分を固定溝31Aに嵌め合せることにより、ぐらつきを抑制し、安定して固定することができるからである。一対の側面31Bの上側には、内側に突出して係止部31Dがそれぞれ設けられていることが好ましい。エクステンションアーム40をより安定して固定することができるからである。
突起部32は、1本でもよいが、間隔を開けて複数設けられることが好ましく、例えば、間隔を開けて平行に2本設けられることが好ましい。配設部材30が突起部32のたわみにより回転してぐらつくことを抑制することができ、安定して配設することができるからである。これに合わせて、ブリッジ部材20の接続部21には、突起部32に対応して、挿入孔21Aが間隔を開けて複数設けられていることが好ましい。また、例えば、伸長方向を変えて挿入孔21Aを複数箇所に設ける場合には、各伸長方向について、突起部32に対応して、挿入孔21Aを複数本ずつ設けることが好ましい。
突起部32を複数本設ける場合には、突起部32は丸ワイヤ状でも、角ワイヤ状でもよいが、角ワイヤ状とすればより好ましい。ブリッジ部材20の挿入孔21Aを突起部32に適合する角柱状とすることにより、より安定して配設することができるからである。なお、突起部32を1本とする場合には、突起部32は角ワイヤ状とし、ブリッジ部材20の挿入孔21Aを突起部32に適合する角柱状とすることが好ましい。配設部材30の回転を抑制するためである。
図6はエクステンションアーム40の構成を表すものである。エクステンションアーム40は、例えば、ステンレススチールにより構成してもよいが、ニッケルチタン合金などの超弾性合金により構成してもよく、治療内容に応じて適宜選択することができる。固定溝31に嵌め合わせてかしめることにより固定することができるので、ろう着などの加熱工程がなく、熱に弱い材料でも用いることができるからである。エクステンションアーム40は、例えば、角ワイヤにより構成することが好ましいが、固定溝31に嵌め合わせる部分を角ワイヤにより構成し、その先は丸ワイヤとなるようにしてもよい。エクステンションアーム40の形状はどのようなものでもよく、治療内容に応じて決定される。なお、エクステンションアーム40は、治療内容に応じて、歯科医師などが作成してもよい。
この歯列矯正用インプラント装置1は、例えば、次のようにして用いられる。まず、例えば、図7に示したように、歯列矯正を行う患者の口蓋M1に一対のアンカー部材10を埋め込む。具体的には、例えば、ドライバなどの道具を頭部溝13に挿入して、アンカー部材10を回転させることにより埋め込む。その際、最終的に、一対のアンカー部材10の頭部溝13が同一直線上に位置するように調節することが好ましい。なお、一対のアンカー部材10の頭部溝13が同一直線上からずれていても、後述する手順において対応することは可能である。
次いで、例えば、図8に示したように、ブリッジ部材20を用意し、一対のアンカー部材10に固定する。具体的には、例えば、一対のアンカー部材10の頭部溝13に、ブリッジ部材20の一対の角ワイヤ状部22を嵌め合わせ、結紮線14により固定する。なお、一対のアンカー部材10の頭部溝13が同一直線上からずれている場合には、ブリッジ部材20の一対の角ワイヤ状部22を屈曲させて頭部溝13に嵌め合わせることができる。
続いて、例えば、図9に示したように、エクステンションアーム40を用意し、配設部材30の固定溝31Aに嵌め合わせてかしめることにより固定する。次に、例えば、図1に示したように、配設部材30の突起部32をブリッジ部材20の挿入孔21Aに挿入し、図示しない結紮線で固定する。また、エクステンションアーム40は、移動させる歯M2に固定する。これにより、歯列矯正が行われる。
なお、治療の進行状況に応じて、エクステンションアーム40の形状を変更する必要がある場合には、エクステンションアーム40を交換する。すなわち、エクステンションアーム40が固定されている配設部材30をブリッジ部材20から抜き取り、新しいエクステンションアーム40を配設部材30に固定して、ブリッジ部材20に挿入する。
このように本実施の形態によれば、エクステンションアーム40を固定するための固定部31と、この固定部31をブリッジ部材20に配設するためのワイヤ状の突起部32とを有する配設部材30を備え、固定部31には側面31Bと底面31Cとが垂直の関係を有する固定溝31Aを形成し、エクステンションアーム40の一部を嵌め合わせてかしめることにより固定するようにしたので、エクステンションアーム40を熱に弱い超弾性合金等により構成することもでき、材料選択の幅を広げることができる。また、部材の大きさが小さくても容易に固定することができ、手間を軽減することができる。
また、配設部材30に突起部32を複数設けると共に、ブリッジ部材20の接続部21に挿入孔21Aを複数設けるようにすれば、配設部材30が回転してぐらつくことを抑制することができ、安定して配設することができる。
(変形例1)
図10は、本発明の変形例1に係る配設部材30の構成を表すものである。図10(A)は上から見た構成を表し、図10(B)は横から見た構成を表し、図10(C)は配設部材30にエクステンションアーム40を固定した状態を表している。この配設部材30は、固定部31が間隔を開けて複数、例えば2個設けられたものである。他は上述した一実施の形態と同様である。このように構成すれば、配設部材30の突起部32をブリッジ部材20の挿入孔21Aに挿入し、各固定部31の間に図示しない結紮線を通して、結紮線により配設部材30とブリッジ部材20とを容易に固定することができる。よって、結紮線を引掛けるための引掛け部を特別に設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。
(変形例2)
図11は、本発明の変形例2に係るブリッジ部材20の構成を表すものである。図11(A)は上から見た構成を表し、図11(B)は図11(A)に示したIII−III線に沿った断面構成を表し、図11(C)は横から見た構成を表している。
このブリッジ部材20は、角ワイヤ状部22の端部に、環状部23に変えて、接続部21と反対側に向かい突出するように湾曲された湾曲部24が設けられている。この湾曲部24は、例えば、角ワイヤ状部22よりも幅が広く、両側に突出して設けられており、錨状に形成されていることが好ましい。このように構成しても、環状部23と同様に、エラスティックや結紮線などの矯正装置を固定することができると共に、口腔内での為害性を低くすることができるので好ましい。湾曲部24には、エラスティックや結紮線などの矯正装置を固定するための孔24Aを設けるようにしてもよい。なお、図11では、一方の角ワイヤ状部22の端部に湾曲部24を設け、他方の角ワイヤ状部22の端部に環状部23を設ける場合について示したが、これは食物の流れを妨げぬよう後方部を円形としたもので、症例に応じて両方とも湾曲部24としてもよい。
また、このブリッジ部材20には、例えば、接続部21から突出して、エラスティックや結紮線などの矯正装置を固定する係止部21Bが設けられていてもよい。係止部21Bは、例えば、一対の角ワイヤ状部22の伸長方向の両側に2個ずつ設けられていることが好ましい。他の構成は上述した一実施の形態と同様である。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素を備えていなくてもよく、また、他の構成要素を備えていてもよい。また、各構成要素は、他の構成を備えていてもよい。また、アンカー部材10を固定する部位も、口蓋M1に限定されるものではなく、口腔内において付着歯肉が存在し歯の移動に支障がない部位、例えば、無歯顎部歯槽頂にも固定可能である。
歯列矯正に用いることができる。
1…歯列矯正用インプラント装置、10…アンカー部材、11…軸、12…頭部、13…頭部溝、13A…側面、13B…底面、14…結紮線、15…貫通孔、20…ブリッジ部材、21…接続部、21A…挿入孔、21B…係止部、22…角ワイヤ状部、23…環状部、24…湾曲部、24A…孔、30…配設部材、31…固定部、31A…固定溝、31B…側面、31C…底面、31D…係止部、32…突起部、40…エクステンションアーム

Claims (4)

  1. 口腔内に固定し、歯を移動させるためのワイヤよりなるエクステンションアームを接続して歯列矯正を行う歯列矯正用インプラント装置であって、
    口腔内に固定され、ねじ山が形成された軸と、この軸の一端部に形成された頭部とを有し、この頭部に、側面と底面とが垂直の関係を有する頭部溝が形成された一対のアンカー部材と、
    この一対のアンカー部材の間を結ぶように配設されるブリッジ部材と、
    前記エクステンションアームを固定するための固定部と、この固定部を前記ブリッジ部材に配設するためのワイヤ状の突起部とを有する配設部材とを備え、
    前記ブリッジ部材は、前記突起部を挿入する挿入孔が設けられた接続部と、この接続部に配設され、前記一対のアンカー部材の頭部溝にはめ合わせる一対の角ワイヤ状部とを有し、
    前記固定部は、一対の側面と底面とが垂直の関係を有する固定溝を有し、前記一対の側面の上側には内側に突出して係止部がそれぞれ設けられ、前記エクステンションアームの一部を嵌め合わせてかしめることにより固定する
    ことを特徴とする歯列矯正用インプラント装置。
  2. ワイヤよりなり、歯に対して固定して歯を移動させるエクステンションアームと、
    口腔内に固定され、ねじ山が形成された軸と、この軸の一端部に形成された頭部とを有し、この頭部に、側面と底面とが垂直の関係を有する頭部溝が形成された一対のアンカー部材と、
    この一対のアンカー部材の間を結ぶように配設されるブリッジ部材と、
    前記エクステンションアームを固定するための固定部と、この固定部を前記ブリッジ部材に配設するためのワイヤ状の突起部とを有する配設部材とを備え、
    前記ブリッジ部材は、前記突起部を挿入する挿入孔が設けられた接続部と、この接続部に配設され、前記一対のアンカー部材の頭部溝にはめ合わせる一対の角ワイヤ状部とを有し、
    前記固定部は、一対の側面と底面とが垂直の関係を有する固定溝を有し、前記一対の側面の上側には内側に突出して係止部がそれぞれ設けられ、前記エクステンションアームの一部を嵌め合わせてかしめることにより固定する
    ことを特徴とする歯列矯正用インプラント装置。
  3. 前記配設部材には、前記突起部が間隔を開けて複数設けられ、
    前記ブリッジ部材の前記接続部には、前記突起部に対応して、前記挿入孔が間隔を開けて複数設けられた
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の歯列矯正用インプラント装置。
  4. 前記配設部材には、前記固定部が間隔を開けて複数設けられた
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の歯列矯正用インプラント装置。
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