JP6183268B2 - 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
酸解離性基を含む構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)、下記式(1)で表される酸拡散制御剤(以下、「[C]酸拡散制御剤」ともいう)、及び溶媒(以下、「[D]溶媒」ともいう)を含有する感放射線性樹脂組成物である。
レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
また、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、及び[D]溶媒を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が大きい重合体(以下、「[E]重合体」ともいう)を含有してもよい。さらに当該感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物によれば、放射線の照射により[B]酸発生体等から生じる酸により露光部の[A]重合体の酸解離性基が解離して、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差異が生じ、その結果、レジストパターンを形成することができる。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。[A]重合体は、通常、当該感放射線性樹脂組成物におけるベース重合体となる。「ベース重合体」とは、レジストパターンを構成する重合体のうちの主成分となる重合体であって、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上を占める重合体をいう。
構造単位(I)は、酸解離性基を含む構造単位である。
上記構造単位(I)としては、例えば下記式(2−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)、下記式(2−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)等が挙げられる。
上記式(2−2)中、R8は、水素原子又はメチル基である。L1は、単結合、−CCOO−又は−CONH−である。R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造等が挙げられる。
構造単位(I−2)としては下記式(2−2−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2−1)」ともいう)が好ましい。
上記式(2−2−1)中、R8〜R11は、上記式(2−2)と同義である。
構造単位(II)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である(但し、構造単位(I)を除く)。[A]重合体は、構造単位(II)をさらに有することで、現像液への溶解性を適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(III)は、下記式(3)で表される構造単位である。照射する放射線として、KrFエキシマレーザー光、EUV、電子線等を用いる場合には、当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(III)を有することで、感度を高めることができる。
これらの中で、1価の鎖状炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
構造単位(IV)は、ヒドロキシ基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(IV)を有することで、溶解性をより適度に調製することができる。また、当該樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性を高めることがでる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位としては、例えば、ケトン性カルボニル基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位、非解離性の1価の脂環式炭化水素基を含む(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位等が挙げられる。その他の構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
[A]重合体は、例えば、各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。
これらの中で、AIBN、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
GPCカラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、これらの重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物から、レジストパターンを形成することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
ノルボルナンラクトン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等のイオウ原子含有複素環基等が挙げられる。
これらの中で、SO3 −基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO3 −基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基がさらに好ましい。
上記式(X−2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。qは、0〜3の整数である。
上記式(X−3)中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO2−RR若しくは−SO2−RSであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。RR及びRSは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1、Rc2、RR及びRSがそれぞれ複数の場合、複数のRc1、Rc2、RR及びRSはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rc1及びRc2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rb1及びRb2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
[C]酸拡散制御剤は、下記式(1)で表される化合物である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体に加えて、[C]酸拡散制御剤を含有することで、良好な保存安定性を確保しつつ、LWR性能等に優れる。
また、[C]酸拡散制御剤は弱塩基であるため、[C]酸拡散制御剤の含有量を高めてレジスト膜内に[C]酸拡散制御剤を均一に分布させることができる。これにより、従来の強塩基の酸拡散制御剤がレジスト膜内に不均一に分布していること等に起因するLWR性能等の低下を招来せず、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等を向上させることができると考えられる。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記X3としては、OR”、COOR”、OCOR”、CONR”2、SR”、SO2R”、ラクトン構造を有する1価の基が好ましい。上記R”としては、水素原子、メチル基が好ましい。
[C]酸拡散制御剤は、例えば式(1)におけるX1及びX2が酸素原子である場合、下記反応スキームに従い合成することができる。
上記化合物(i−c)を、トリフルオロ酢酸無水物等の脱水剤の存在下、脱水ジクロロメタン等の溶媒中で閉環脱水反応させることにより、下記式(i)で表される酸拡散制御剤が得られる。生成した酸拡散制御剤(i)は、溶媒洗浄、再結晶等により精製することにより単離することができる。
当該感放射線性樹脂組成物は、[D]溶媒を含有する。[D]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、必要に応じて含有される[E]重合体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール(メチルフェニルエーテル)等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン(メチル−n−ペンチルケトン)、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[E]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が大きい重合体である。当該感放射線性組成物が、[E]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、膜中の[E]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があり、液浸露光時における酸発生剤や酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[E]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
構造単位(Va)は、下記式(5a)で表される構造単位である。[E]重合体は構造単位(Va)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
構造単位(Vb)は、下記式(5b)で表される構造単位である。[E]重合体は構造単位(Vb)を有することで、フッ素原子含有率を調整すると共に、アルカリ現像前後における撥水性及び親水性を変化させることができる。
上記sとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
上記R11としては、sが1の場合、単結合、2価の炭化水素基が好ましく、単結合、アルカンジイル基がより好ましく、単結合、炭素数1〜4のアルカンジイル基がさらに好ましく、単結合、メタンジイル基、プロパンジイル基が特に好ましい。
上記R12としては、単結合、ラクトン構造を有する基が好ましく、単結合、多環のラクトン構造を有する基がより好ましく、単結合、ノルボルナンラクトン構造を有する基がより好ましい。
フルオロメタンジイル基、ジフルオロメタンジイル基、フルオロエタンジイル基、ジフルオロエタンジイル基、テトラフルオロエタンジイル基、ヘキサフルオロプロパンジイル基、オクタフルオロブタンジイル基等のフッ素化アルカンジイル基;
フルオロエテンジイル基、ジフルオロエテンジイル基等のフッ素化アルケンジイル基などが挙げられる。
これらの中で、フッ素化アルカンジイル基が好ましく、ジフルオロメタンジイル基がより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
偏在化促進剤は、当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体として撥水性重合体添加剤を含有する場合等に、この撥水性重合体添加剤を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、上記撥水性重合体添加剤の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、解像性、LWR性能及び現像欠陥抑制性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ニトリル化合物としては、例えばスクシノニトリル等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えばグリセリン等が挙げられる。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、DIC製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業製)等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常5質量部以下である。
増感剤は、[B]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、必要に応じて含有される任意成分及び[D]溶媒を所定の割合で混合することにより調製できる。当該感放射線性樹脂組成物は、混合後に、例えば、孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度としては、0.1質量%〜50質量%が好ましく、0.5質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%がさらに好ましく、1.5質量%〜10質量%が特に好ましい。
当該レジストパターン形成方法は、レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)
を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成する。
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物によりレジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃〜140℃であり、80℃〜120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚としては、10nm〜1,000nmが好ましく、10nm〜500nmがより好ましい。
本工程では、レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介するなどして(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)放射線を照射し、露光する。放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線等が挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV、電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV、電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV、電子線がさらに好ましい。
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。
アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
また、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば上述の樹脂組成物の[B]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
日本電子社の「JNM−Delta400」を用いて測定した。
[合成例1]化合物(C−1)の合成
500mLのナス型フラスコにアラニン3.56g(40.0mmol)と炭酸ナトリウム4.24g(40.0mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム1.29g(4.0mmol)及び脱水テトラヒドロフラン200mLを加えた後、室温にて30分間撹拌した。そこへ塩化シクロヘキサンカルボニル5.86gを加え、80℃にて12時間撹拌し、TLCにて原料の消失を確認した。ジイソプロピルエーテルと水を加えて分液精製を行い、水層を回収した。水層はジイソプロピルエーテルで2回洗浄した後、3N塩酸を加えてpH3の酸性条件にした。そこに酢酸エチルを加えて分液精製を行い、有機層を回収した。溶媒を留去した後、再結晶精製することにより、2−(シクロヘキサンカルボキサミド)プロピオン酸6.38gを得た(収率80%)。
300mLのナス型フラスコに2−(シクロヘキサンカルボキサミド)プロピオン酸6.38g(32.0mmol)及び脱水ジクロロメタン160mLを加えた後、氷水浴にて0℃に冷却した。そこへ、トリフルオロ酢酸無水物6.72g(32.0mmol)を加え、0℃にて30分間撹拌した後、室温で2時間撹拌した。TLCにて原料の消失を確認した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液精製を行い、有機層を回収した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィで精製することにより、下記式(C−1)で表される化合物4.93gを得た(収率85%)。
前駆体を適宜選択し、合成例1と同様の操作を行うことによって、下記式(C−2)〜(C−21)で表される化合物を合成した。
各実施例及び比較例における各重合体の合成で用いた単量体を以下に示す。
化合物(M−1)7.97g(35モル%)、化合物(M−2)7.44g(45モル%)、及び化合物(M−3)4.49g(20モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル開始剤としてAIBN0.80g(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した(15.2g、収率76%)。重合体(A−1)のMwは7,300であり、Mw/Mnは1.53であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)、(M−2)、(M−3)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ34.3モル%、45.1モル%、及び20.6モル%であった。
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例22と同様の操作を行うことによって、重合体(A−2)〜(A−11)、(A−13)及び(A−14)を合成した。
化合物(M−22)55.0g(65モル%)及び化合物(M−21)45.0g(35モル%)、ラジカル開始剤としてAIBN4g、並びにt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル100gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間共重合させた。重合反応終了後、重合溶液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで上記重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、更に、メタノール150g、トリエチルアミン34g及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−12)を得た(65.7g、収率77%)。重合体(A−12)のMwは7,500であり、Mw/Mnは1.90であった。13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレン及び(M−21)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ65.4モル%及び34.6モル%であった。
化合物(M−25)82.2g(70モル%)及び化合物(M−10)17.8g(30モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、ラジカル開始剤としてAIBN0.46g(全単量体に対して1モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで100gの2−ブタノンを入れた500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。アセトニトリル400gに溶媒を置換した後、ヘキサン100gを加えて撹拌しアセトニトリル層を回収する作業を3回繰り返した。溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換することで、重合体(E−1)を60.1g含む溶液を得た(収率60%)。重合体(E−1)のMwは15,000であり、Mw/Mnは1.90であった。13C−NMR分析の結果、(M−25)、(M−10)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ70.3モル%、29.7モル%であった。
各感放射線性樹脂組成物の調製に用いた各成分を以下に示す。
下記式(Q−1)〜(Q−9)で表される化合物。
下記式(B−1)〜(B−9)で表される化合物
D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
D−2:シクロヘキサン
D−3:γ−ブチロラクトン
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)10質量部、[C]酸拡散制御剤としての化合物(C−1)7質量部、[E]重合体としての(E−1)3質量部、[D]溶媒としての(D−1)2,427質量部、(D−2)1,040質量部及び(D−3)200質量部を混合し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
下記表2に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例1と同様に操作して、各感放射線性樹脂組成物を調製した。
12インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して各感放射線性樹脂組成物を塗布し、100℃で50秒間PBを行った。その後23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、この塗膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「TWINSCAN XT−1900i」)を用い、NA=1.35、Dipole35X(σ=0.97/0.77)の光学条件にて、38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターン形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で50秒間PEBを行った。その後、2.38質量%TMAH水溶液を用い、23℃で30秒間パドル現像を行い、次いで、超純水を用いて7秒間リンスし、その後、2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターンを形成した。
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(1)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
上記形成したレジストパターンについて、下記方法に従って測定することにより、各感放射線性樹脂組成物の評価を行った。評価結果を下記表3に示す。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4100」)を用いた。
上記レジストパターンの形成において、38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop)として求め、これを放射線感度(mJ/cm2)とした。
上記で求めたEopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど、ラインのがたつきが小さく良好である。LWR性能は、2.5nm以下の場合は「良好」と、2.5を超える場合は「不良」と評価できる。
上記で求めたEopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。400nmの範囲で線幅を20点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをCDU性能(nm)とした。CDU性能は、その値が小さいほど、長周期での線幅のばらつきが小さく良好である。CDU性能は、1.5nm以下の場合は「良好」と、2.0を超える場合は「不良」と評価できる。
各感放射線性樹脂組成物のEL性能は、下記方法で測定される10%EL、Bridge限界及びCollapse限界の各値により評価した。
38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターン形成用のマスクパターンを用いた場合に解像されるレジストパターンの寸法が、マスクの設計寸法の±10%以内となる場合の露光量の範囲の上記Eopに対する割合を10%EL(%)とした。10%ELは、その値が大きいほど、露光量変化に対するパターニング性能の変化量が小さく良好である。10%ELは、18%以上の場合は「良好」と、18%未満の場合は「不良」と評価できる。
上記レジストパターンの形成において、上記Eopからアルカリ現像の場合は露光量を小さくしていく場合に、有機溶剤現像の場合は露光量を大きくしていく場合に、ブリッジが発生する最小のパターン幅(Bridge限界)(nm)を求め、この値をBridge限界の指標とした。Bridge限界の値が大きいほど、ブリッジ欠陥が発生し難く良好である。Bridge限界は、50nm以上の場合は「良好」と、50nm未満の場合は「不良」と評価できる。
上記レジストパターンの形成において、上記Eopからアルカリ現像の場合は露光量を大きくしていく場合に、有機溶剤現像の場合は露光量を小さくしていく場合にパターン倒れが発生する最小のパターン幅(Collapse限界)(nm)を求め、この値をCollapse限界の指標とした。Collapse限界の値が小さいほど、レジストパターンの倒れが発生し難く良好である。Collapse限界は、28nm以下の場合は「良好」と、28nmを超える場合は「不良」と評価できる。
下層反射防止膜形成用組成物(日産化学社の「ARC66」)により下層反射防止膜を形成した12インチシリコンウェハ上に、感放射線性樹脂組成物により塗膜を形成し、120℃で50秒間SBを行い、膜厚110nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜についてArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Dipoleの条件により、ターゲットサイズが幅38nmのラインアンドスペース(1L/1S)形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、95℃で50秒間PEBを行った。その後、現像装置(東京エレクトロン社の「クリーントラック ACT8」)のGPノズルによって2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液又は酢酸ブチルにより10秒間現像した。なお、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液現像の場合には引き続き15秒間純水によりリンスをし、2,000rpmで液振り切り乾燥させた。このとき、幅38nmの1L/1Sを形成する露光量を最適露光量とした。この最適露光量にてウェハ全面に線幅38nmの1L/1Sを形成し、欠陥検査用ウェハとした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社、CC−4000)を用いた。この欠陥検査用ウェハ上の欠陥数を、欠陥検査装置(KLA−Tencor社の「KLA2810」)を用いて測定した。そして、上記測定された欠陥をレジスト膜由来と判断されるものと外部由来の異物とに分類し、レジスト膜由来と判断されるものの数を算出した。欠陥抑制性は、このレジスト膜由来と判断される欠陥の数が少ないほど良好である。欠陥抑制性は、このレジスト膜由来を判断される欠陥の数が0.1個/cm2以下の場合は「良好」と、0.1個/cm2を超える場合は「不良」と評価できる。
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)20質量部、[C]酸拡散制御剤としての化合物(C−1)3.6質量部、[D]溶媒としての(D−1)4,280質量部及び(D−2)1,830質量部を混合し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J−27)を調製した。
下記表4に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例27と同様にして、各感放射線性樹脂組成物を調製した。
8インチのシリコンウエハー表面にスピンコーター(CLEAN TRACK ACT8、東京エレクトロン社)を使用して、表4に記載の各感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社、型式「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm2)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(3)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
上記レジストパターンの形成(3)及び(4)で形成したレジストパターンについて、上記実施例と同様の評価を実施した。結果を下記表5に示す。
上記感放射線性樹脂組成物(J−1)〜(J−9)及び(CJ−1)〜(CJ−9)について、保存安定性の評価を行った。
各感放射線性樹脂組成物を35℃で3ケ月保管した後、各感放射線性樹脂組成物の濁り具合を目視にて確認した。保存安定性は濁りが確認されなかった場合には「良好」と、濁りが確認された場合は「不良」と評価した。その結果を以下に示す。
Claims (7)
- 上記式(1)におけるX1及びX2が共に酸素原子である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記式(1)におけるnが1である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記第1重合体よりもフッ素原子含有率が大きい第2重合体
をさらに含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。 - レジスト膜を形成する工程、
上記レジスト膜を露光する工程、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を備え、
上記レジスト膜を請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
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