JP6237182B2 - 樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 - Google Patents
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Description
下記式(a)で表される基(以下、「基(a)」ともいう)及び下記式(b)で表される基(以下、「基(b)」ともいう)を含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び溶媒(以下、「[B]溶媒」ともいう)を含有する樹脂組成物である。
式(b)中、R’は、水素原子、酸解離性基又はアルカリ解離性基である。)
レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程、上記保護膜が積層されたレジスト膜を液浸露光する工程、及び上記液浸露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記保護膜を当該樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
上記式(1)で表される基を含む構造単位を有する重合体である。
下記式(i)で表される化合物である。
また、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
当該樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]溶媒を含有する。
当該樹脂組成物が樹脂組成物(A)(感放射線性樹脂組成物)の場合、[A]重合体及び[B]溶媒を含有し、感放射線性酸発生体(以下、「[C]酸発生体」ともいう)をさらに含有し、好適成分として、[D]酸拡散制御体、[E][A]重合体以外のフッ素原子含有重合体(以下、「[E]重合体」ともいう)、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、上記構造単位(I)以外の構造単位であって酸解離性基を含む第2構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)を有する第2重合体(以下、「[F]重合体」ともいう)を含有してもよく、本発明の効果を損なわない範囲においてその他の任意成分を含有していてもよい。
当該樹脂組成物が樹脂組成物(B)(液浸露光用保護膜形成樹脂組成物)の場合、[A]重合体及び[B]溶媒を含有し、好適成分として、後述する[E2]重合体及び[F]を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有してもよい。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)を有することで、優れた焦点深度及び露光余裕度を発揮して、LWR性能、CDU性能、解像性及び断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる(これらの性能を、以下、「リソグラフィー性能」ともいう)。当該樹脂組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、構造単位(I)は、基(a)及び基(b)を含む特定構造を含み、高い極性を有している。そのため、[A]重合体は、現像液に対する溶解性をより適度に調整することができる。また、樹脂組成物(A)の場合には、[C]酸発生体から生じる酸の拡散長をより適度に短くすることできる。これらの結果、当該樹脂組成物によれば、形成されるレジストパターンのリソグラフィー性能を向上させることができる。加えて、基(a)及び基(b)は、加水分解するとそれぞれヒドロキシ基とカルボキシ基とを与えるので、[A]重合体は、アルカリ現像の際に高い親水性を有するようになり、その結果、アルカリ現像液への親和性がさらに高くなる。その結果、当該樹脂組成物によれば、形成されるレジストパターンのリソグラフィー性能をさらに向上させることができると考えられる。
樹脂組成物(A)における撥水性重合体添加剤としての[A]重合体(以下、「[A2]重合体」ともいう)は、構造単位(I)以外にも、上記構造単位(II)及び構造単位(I)以外の構造単位であってフッ素原子を含む構造単位(V)を有することが好ましく、上記構造単位(III)及び/又は構造単位(IV)を有してもよく、上記構造単位(I)〜(V)以外の構造単位を有してもよい。
樹脂組成物(B)における[A]重合体(以下、「[A3]重合体」ともいう)は、構造単位(I)以外にも、末端にヒドロキシ基を有しこのヒドロキシ基に隣接する炭素原子が少なくとも1個のフッ素原子又はフッ素化アルキル基を有する基(z)を含む構造単位(VI)を有することが好ましく、上記構造単位(V)及び/又はスルホ基を含む構造単位(VII)を有してもよく、上記(I)及び(V)〜(VII)以外の構造単位を有してもよい。
[A]重合体は、上記各構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。
以下、各構造単位について説明する。
構造単位(I)は、基(a)及び基(b)を含む。構造単位(I)としては、下記式(1)で表される基を含むものが挙げられる。
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基等が挙げられる。
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の単環のシクロアルカンジイル基;
シクロプロペンジイル基、シクロブテンジイル基等の単環のシクロアルケンジイル基;
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基等の多環のシクロアルカンジイル基;
ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基等の多環のシクロアルケンジイル基等が挙げられる。
メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基等のアルカントリイル基;
エテントリイル基、プロペントリイル基、ブテントリイル基等のアルケントリイル基;
プロピントリイル基、ブチントリイル基等のアルキントリイル基等が挙げられる。
シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基等の単環のシクロアルカントリイル基;
シクロプロペントリイル基、シクロブテントリイル基等の単環のシクロアルケントリイル基;
ノルボルナントリイル基、アダマンタントリイル基、トリシクロデカントリイル基、テトラシクロドデカントリイル基等の多環のシクロアルカントリイル基;
ノルボルネントリイル基、トリシクロデセントリイル基等の多環のシクロアルケントリイル基等が挙げられる。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
これらの中で、アルキル基が好ましく、t−ブチル基がより好ましい。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらの中で、フェニル基が好ましい。
上記アルカリ解離性基としては、−CORf(Rfは、フッ素化炭化水素カルボニル基である)等が挙げられる。
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基等が挙げられる。
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の単環のシクロアルカンジイル基;
シクロプロペンジイル基、シクロブテンジイル基等の単環のシクロアルケンジイル基;
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基等の多環のシクロアルカンジイル基;
ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基等の多環のシクロアルケンジイル基等が挙げられる。
上記式(2−1)中、R6は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合若しくは2価の有機基であるか、又はZにおけるR5と互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。
上記式(2−2)中、R7は、水素原子又はメチル基である。R8、R9及びR10は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は1若しくは複数のR8及びR9並びにR10のうちの2つ以上は、互いに合わせられ構成される環員数3〜20の環構造を表す。Aは、単結合若しくは2価の有機基であるか、又はR10と互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。aは、1〜4の整数である。aが2以上の場合、複数のR8及びR9はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R10とZにおけるR5とは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表してもよい。
上記式(2−3)中、R11は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Aは、単結合若しくは2価の有機基であるか、又はZにおけるR5と互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。
上記式(2−2)におけるR7としては、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R8及びR9としては、水素原子、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
構造単位(II)は、構造単位(I)以外の構造単位であって酸解離性基を含む構造単位である。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、フェノール性水酸基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。[A]重合体が構造単位(II)を有することで、樹脂組成物(A)の感度が向上し、結果として、リソグラフィー性能を向上させることができる。
上記式(3−2)中、R16は、水素原子又はメチル基である。L1は、単結合、−CCOO−又は−CONH−である。R17、R18及びR19は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造等が挙げられる。
構造単位(II−2)としては下記式(3−2−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−2−1)」ともいう)が好ましい。
上記式(3−2−1)中、R16〜R19は、上記式(3−2)と同義である。
[A2]重合体の構造単位(II)の含有割合としては、[A2]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜80モル%が好ましく、15モル%〜60モル%がより好ましく、20モル%〜50モル%がさらに好ましく、25モル%〜45モル%が特に好ましい。
[A]重合体の構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、樹脂組成物(A)の感度をより高めることができ、結果として、リソグラフィー性能をより向上させることができる。
構造単位(III)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である(但し、構造単位(I)を除く)。[A]重合体は、構造単位(III)をさらに有することで、現像液への溶解性を適度に調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。また、当該樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
[A]重合体は構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。また、当該樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性をより向上させることができる。
構造単位(IV)は、極性基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(IV)をさらに有することで、現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能を向上させることができる。また、当該樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
[A]重合体は構造単位(IV)の含有割合を上記範囲とすることで、現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。また、当該樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性をより向上させることができる。
構造単位(V)は、上記構造単位(I)以外の構造単位であってフッ素原子を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(I)に加え、構造単位(V)をさらに有することで、フッ素原子含有率を調整することができ、その結果、当該樹脂組成物から形成されるレジスト膜表面の動的接触角を向上させることができる。
構造単位(V−1)は、下記式(4a)で表される構造単位である。
これらの中で、2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
[A]重合体は、構造単位(V−1)の含有割合を上記範囲とすることで、液浸露光時においてレジスト膜表面のより高い動的接触角を発現させることができる。
構造単位(V−2)は、下記式(4b)で表される構造単位である。
[A]重合体は構造単位(V−2)の含有割合を上記範囲とすることで、当該樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面は、アルカリ現像において動的接触角の低下度をより向上させることができる。
構造単位(VI)は、末端にヒドロキシ基を有しこのヒドロキシ基に隣接する炭素原子が少なくとも1個のフッ素原子又はフッ素化アルキル基を有する基(z)を含む構造単位である(但し、構造単位(I)及び構造単位(V)を除く)。[A]重合体は、構造単位(VI)を有することで、現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。また、EUV露光の場合の当該樹脂組成物の感度を高めることができる。
これらの中で、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
[A]重合体は構造単位(VI)の含有割合を上記範囲とすることで、現像液への溶解性をさらに適度に調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能をさらに向上させることができる。また、EUV露光の場合の当該樹脂組成物の感度をより高めることができる。
構造単位(VII)は、スルホ基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(VII)を有することで、基板への密着性を高めることができ、例えば液浸露光用保護膜形成樹脂組成物として好適に用いることができる。
[A]重合体の構造単位(VII)の含有割合を上記範囲とすることで、当該樹脂組成物から形成される膜と基板との密着性をさらに向上させることができる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(VII)以外のその他の構造単位を有していてもよい。上記その他の構造単位としては、例えば非解離性の脂環式炭化水素基を含む構造単位等が挙げられる。上記その他の構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
GPCカラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
当該樹脂組成物は、[B]溶媒を含有する。[B]溶媒は、少なくとも[A]重合体、及び所望により含有される[C]酸発生体及び[D]酸拡散制御体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。当該樹脂組成物は、[B]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[C]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、[A]重合体の現像液への溶解性が変化するため、樹脂組成物(A)からレジストパターンを形成することができる、当該樹脂組成物における[C]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、適宜「[C]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
ノルボルナンラクトン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等のイオウ原子含有複素環基等が挙げられる。
これらの中で、SO3 −基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO3 −基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基がさらに好ましい。
上記式(X−2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。qは、0〜3の整数である。
上記式(X−3)中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO2−RR若しくは−SO2−RSであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。RR及びRSは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1、Rc2、RR及びRSがそれぞれ複数の場合、複数のRc1、Rc2、RR及びRSはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rc1及びRc2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rb1及びRb2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
当該樹脂組成物は、必要に応じて、[D]酸拡散制御体を含有してもよい。
[D]酸拡散制御体は、露光により[C]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られる樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた樹脂組成物が得られる。[D]酸拡散制御体の当該樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[D]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[E]重合体は、[A]重合体以外のフッ素原子含有重合体である。[E]重合体は、フッ素原子を含む構造単位を有している。
樹脂組成物(A)は、ベース重合体としての[A]重合体を含有し、液浸露光に用いる場合には、[E]重合体(以下、「「E1」重合体」ともいう)を含有することが好ましい。
樹脂組成物(B)は、形成する液浸露光用保護膜の撥水性を調整する観点から、[A]重合体以外に、[E]重合体(以下、「[E2]重合体」ともいう)を含有することが好ましい。樹脂組成物(B)は、[E2]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
樹脂組成物(A)が[E1]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、レジスト膜中の[E1]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があり、液浸露光時における酸発生剤や酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[E1]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該樹脂組成物が[E1]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
上記構造単位(V−1)及び構造単位(V−2)の含有割合としては、[E1]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜90モル%が好ましく、20モル%〜85モル%がより好ましく、30モル%〜80モル%がさらに好ましい。
上記酸解離性基を含む構造単位の含有割合としては、[E1]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜90モル%が好ましく、15モル%〜85モル%がより好ましく、20モル%〜50モル%がさらに好ましい。
また、[E1]重合体は、上記構造単位以外にも、例えばアルカリ可溶性基を含む構造単位、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位、脂環式基を含む構造単位等のその他の構造単位を有していてもよい。上記アルカリ可溶性基としては、例えばカルボキシ基、スルホンアミド基、スルホ基等が挙げられる。ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有する構造単位としては、[A]重合体における構造単位(III)等が挙げられる。
樹脂組成物(B)の[E2]重合体におけるフッ素原子を含む構造単位として、例えば[A]重合体における構造単位(V)、構造単位(VI)等が挙げられる。
上記構造単位(V)及び構造単位(VI)の含有割合としては、[E2]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%〜100モル%が好ましく、40モル%〜90モル%がより好ましく、60モル%〜90モル%がさらに好ましい。
上記構造単位(VII)の含有割合としては、[E2]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜50モル%が好ましく、5モル%〜30モル%がより好ましく、10モル%〜20モル%がさらに好ましい。
[F]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、酸解離性基を含む構造単位を有する重合体である。当該樹脂組成物は、例えば[A]重合体が撥水性重合体添加剤として用いられている場合([A2]重合体)に、ベース重合体として[F]重合体を含有することが好ましい。[F]重合体としては、[A]重合体における構造単位(II)及び構造単位(III)を有するものが好ましく、構造単位(IV)〜(VI)を有していてもよい。
上記構造単位(III)の含有割合としては、[F]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%〜70モル%が好ましく、30モル%〜60モル%がより好ましい。
上記構造単位(IV)〜(VI)の含有割合としてはそれぞれ、[F]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜40モル%が好ましく、10モル〜30モル%がより好ましい。
当該樹脂組成物は、上記[A]〜[F]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
偏在化促進剤は、樹脂組成物(A)が[A]重合体及び/又は[E]重合体として撥水性重合体添加剤を含有する場合等に、この撥水性重合体添加剤を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、上記撥水性重合体添加剤の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、解像性、LWR性能及び欠陥抑制性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ニトリル化合物としては、例えばスクシノニトリル等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えばグリセリン等が挙げられる。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、DIC製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業製)等が挙げられる。当該樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常5質量部以下である。
増感剤は、[C]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
当該樹脂組成物は、例えば[A]重合体、必要に応じて含有される任意成分及び[B]溶媒を所定の割合で混合することにより調製できる。当該樹脂組成物は、混合後に、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することが好ましい。当該樹脂組成物の固形分濃度としては、通常0.1質量%〜50質量%であり、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。
上記樹脂組成物(A)を用いる当該レジストパターン形成方法(以下、「レジストパターン形成方法(A)」ともいう)は、
レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、
上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)
を備え、
上記レジスト膜を当該樹脂組成物により形成する。
レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、
上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程(以下、「保護膜積層工程」ともいう)、
上記保護膜が積層されたレジスト膜を液浸露光する工程(以下、「液浸露光工程」ともいう)、及び
上記液浸露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)
を備え、
上記保護膜を当該樹脂組成物により形成する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該樹脂組成物によりレジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃〜140℃であり、80℃〜120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚としては、10nm〜1,000nmが好ましく、10nm〜500nmがより好ましい。
本工程では、レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介するなどして(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)露光光を照射し、露光する。露光光としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線等が挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV、電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV、電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV、電子線がさらに好ましい。
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。
アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
また、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば上述の樹脂組成物の[B]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、レジスト膜を形成する。このレジスト膜は、例えば酸解離性基を含む構造単位を有する重合体及び感放射線性酸発生体を含有する感放射線性樹脂組成物等により形成される。このレジスト膜を形成する方法としては、上記「レジストパターン形成方法(A)におけるレジスト膜形成工程の場合と同様の方法が挙げられる。
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜上に保護膜を積層する。樹脂組成物(B)の塗布方法としては、上記レジストパターン形成方法(A)のレジスト膜形成工程における樹脂組成物(A)の塗布方法と同様の方法が挙げられる。本工程においては、樹脂組成物(B)を塗布した後、プレベーク(PB)を行うことが好ましい。レジスト膜上に保護膜を形成することによって、液浸液とレジスト膜とが直接接触しなくなるため、液浸液がレジスト膜に浸透することに起因してレジスト膜のリソグラフィー性能が低下したり、レジスト膜から液浸液に溶出した成分によって投影露光装置のレンズが汚染されたりすることが効果的に抑制される。
本工程では、上記保護膜積層工程で形成した保護膜が積層されたレジスト膜を液浸露光する。この液浸露光は、上記積層された保護膜上に液浸液を配置し、この液浸液を介して露光することにより行う。
本工程では、上記液浸露光工程で液浸露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。本工程を行う方法としては、上述のレジストパターン形成方法(A)の現像工程と同様の方法等が挙げられる。
本発明の重合体は、上記式(1)で表される基を含む構造単位を有する。
当該重合体は、上述の当該樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。
当該重合体については、当該樹脂組成物における[A]重合体として上述している。
本発明の化合物は、上記式(i)で表される。
当該化合物は、上記式(i)で表される構造を有するので、当該重合体中に構造単位(I)を組み込む単量体化合物として好適に用いられる。
当該化合物については、当該樹脂組成物の[A]重合体における構造単位(I)を与える単量体として上述している。
GPCカラム(東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折計の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して、各重合体における各構造単位の含有割合(モル%)を求める分析を行った。
[実施例1](化合物(M−1)の合成)
1,000mLの丸底フラスコに5−ヒドロキシ−2−ペンタノン30.6g(300mmol)、トリエチルアミン39.5g(390mmol)、及び溶媒としてのアセトニトリル300gを加え、窒素雰囲気下で氷浴にて冷却撹拌した。そこへ、塩化メタクリロイル34.5g(330mmol)をゆっくりと滴下した。氷浴中で1時間撹拌した後、室温にて18時間撹拌した。水を加えて反応を停止した後、酢酸エチルで抽出した。カラムクロマトグラフィで精製することで、下記式(A)で表される化合物49.2gを得た(収率86%(5−ヒドロキシ−2−ペンタノン基準))。LC−MS測定により、化合物(A)のM+=191が観測された。
前駆体を適宜選択し、実施例1と同様の操作を行うことによって、下記式(M−2)〜(M−12)で表される化合物を合成した。
[[A]重合体、[E]重合体及び[F]重合体の合成]
[A]重合体として、ベース重合体として用いられる[A1]重合体、撥水性重合体添加剤として用いられる[A2]重合体、及び液浸露光用保護膜形成樹脂組成物に用いられる[A3]重合体、[E]重合体として、撥水性重合体添加剤として用いられる[E1]重合体、液浸露光用保護膜形成樹脂組成物に用いられる[E2]重合体、並びにベース重合体として用いられる[F]重合体をそれぞれ合成した。
[合成例1]
上記化合物(M’−1)7.97g(35モル%)、化合物(M’−2)7.44g(45モル%)、化合物(M’−3)4.49g(20モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.80g(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に冷却した重合反応液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(F−1)を合成した(15.2g、収率76%)。重合体(F−1)のMwは7,300、Mw/Mnは1.53であった。また、13C−NMR分析の結果、(M’−1)、(M’−2)及び(M’−3)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ35.1モル%、44.8モル%、及び20.1モル%であった。
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行うことによって、各重合体を合成した。表1中の「−」は該当する単量体を用いなかったことを示す。
[実施例13]
化合物(M’−12)23.01g(30モル%)及び化合物(M−1)76.99g(70モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、ラジカル開始剤としてのAIBN2.40gを溶解させて単量体溶液を調製した。次いで100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。重合反応液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンで上記重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、固形分である重合体(A2−1)を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率60%)。重合体(A2−1)のMwは4,200であり、Mw/Mnは1.62であった。13C−NMR分析の結果、(M’−12)及び(M−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ30.4モル%及び69.6モル%であった。
下記表2に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、実施例13と同様の操作を行うことによって、各重合体を合成した。表2中の「−」は該当する単量体を用いなかったことを示す。
[合成例7]
ラジカル重合開始剤としてのジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.7gをメチルエチルケトン0.7gに溶解させた重合開始剤溶液を調製した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた200mLの三口フラスコに、上記化合物(M’−17)9.4g(50モル%)、化合物(M’−18)10.6g(50モル%)、及びメチルエチルケトン19.3gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内をマグネティックスターラーで撹拌しながら75℃になるように加熱した。続いて、滴下漏斗を用い、上記調製した重合開始剤溶液を5分かけて滴下し、360分間熟成させた。その後、30℃以下に冷却して重合反応液を得た。次いで、得られた重合反応液を44gに濃縮した後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール44g、及びn−ヘキサン220gを投入し、分液精製を実施した。分離後、下層液を回収した。回収した下層液にn−ヘキサン220gを投入し、分液精製を実施した。分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、固形分として重合体(E2−1)を含む溶液(収率73%)を得た。重合体(E2−1)のMwは10,100、Mw/Mnが2.1であった。また、13C−NMR分析の結果、(M’−17)及び(M’−18)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50.5モル%、49.5モル%であった。
下記表3に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例7と同様の操作を行うことによって、重合体(A3−1)〜(A3−15)及び(E2−2)を合成した。表3中の「−」は、該当する単量体を用いなかったことを示す。
樹脂組成物の調製に用いた[B]溶媒、[C]酸発生剤、[D]酸拡散制御剤及び[G]偏在化促進剤について以下に示す。
B−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル B−2:シクロヘキサノン
B−3:4−メチル−2−ペンタノール
B−4:ジイソアミルエーテル
各構造式を以下に示す。
C−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
C−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
C−3:トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート
C−4:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
各構造式を以下に示す。
D−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート
D−2:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
D−3:N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
D−4:2,6−ジi−プロピルアニリン
D−5:トリn−ペンチルアミン
G−1:γ−ブチロラクトン
(樹脂組成物(J2):[A2]重合体を撥水性重合体添加剤として含有する樹脂組成物(A)の調製)
[実施例45]
[A2]重合体としての(A2−1)3質量部、[B]溶媒としての(B−1)2,240質量部及び(B−2)960質量部、[C]酸発生剤としての(C−1)8.5質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)2.3質量部、[F]重合体としての(F−1)100質量部並びに[G]偏在化促進剤としての(G−1)30質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより樹脂組成物(J2−1)を調製した。
下記表4に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例45と同様に操作して、樹脂組成物(J2−2)〜(J2−17)及び(CJ2−1)を調製した。
(樹脂組成物(J3):[A3]重合体を含有する樹脂組成物(B)の調製)
[実施例62]
[A3]重合体としての(A3−1)50質量部、[B]溶媒としての(B−3)1,000質量部及び(B−4)4,000質量部並びに[E2]重合体としての(E2−2)50質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより樹脂組成物(J3−1)を調製した。
下記表5に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例62と同様に操作して、樹脂組成物(J3−2)〜(J3−15)及び(CJ3−1)を調製した。
(樹脂組成物(A)を用いるArF露光による場合)
[レジストパターンの形成(1)]
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した樹脂組成物(A)を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量(Eop)とした。
上記[レジストパターンの形成(1)]においてTMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記[レジストパターンの形成(1)]と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
[レジストパターンの形成(3)]
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した感放射線性樹脂組成物(J2−1)を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜上に上記調製した樹脂組成物(B)を塗布し、90℃で60秒間PBを行うことにより膜厚30nmのレジスト上層膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。次いで、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量(Eop)とした。
上記[レジストパターンの形成(3)]においてTMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記[レジストパターンの形成(3)]と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
上記樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、下記方法により測定を行うことにより、樹脂組成物についてのLWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度及び露光余裕度を評価した。評価結果を表6及び表7に示す。上記レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−9380」)を用いた。なお、LWR性能、CDU性能、解像性、焦点深度及び露光余裕度における判定基準となる比較例は、実施例45〜61については比較例1、実施例62〜76については比較例2である。
上記Eopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能とした。LWR性能は、その値が小さいほどラインのガタつきが小さく良いことを示す。LWR性能は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(LWR性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(LWR性能の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用いてパターン上部から観察した。400nmの範囲で線幅を20点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをCDU性能とした。CDU性能は、その値が小さいほど長周期での線幅のバラつきが小さく良いことを示す。CDU性能は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(CDU性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(CDU性能の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して解像される最小のレジストパターンの寸法を測定し、この測定値を解像性とした。解像性は、その値が小さいほどより微細なパターンを形成でき良いことを示す。解像性は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(解像性の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(解像性の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンの断面形状を観察し、レジストパターンの高さ方向での中間での線幅Lb及びレジストパターンの上部での線幅Laを測定した。断面形状の矩形性は、その値が1に近いほど、レジストパターンがより矩形であり良いことを示す。断面形状の矩形性は、0.9≦(La/Lb)≦1.1である場合は「良好」と、(La/Lb)<0.9又は1.1<(La/Lb)である場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンにおいて、深さ方向にフォーカスを変化させた際の寸法を観測し、ブリッジや残渣が無いままパターン寸法が基準の90%〜110%に入る深さ方向の余裕度を測定し、この測定値を焦点深度とした。焦点深度は、その値が大きいほど、焦点の位置が変動した際に得られるパターンの寸法の変動が小さく、デバイス作製時の歩留まりを高くすることができる。焦点深度は、その値を比較例のものと比べたとき10%以上の向上(焦点深度が110%以上)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(焦点深度が110%未満)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopを含む露光量の範囲において、露光量を1mJ/cm2ごとに変えて、それぞれレジストパターンを形成し、上記走査型電子顕微鏡を用いて、それぞれの線幅を測定した。得られた線幅と露光量の関係から、線幅が44nmとなる露光量E(44)、及び線幅が36nmとなる露光量E(36)を求め、露光余裕度=(E(36)−E(44))×100/(最適露光量)の式から露光余裕度(%)を算出した。露光余裕度は、その値が大きいほど、露光量が変動した際に得られるパターンの寸法の変動が小さく、デバイス作製時の歩留まりを高くすることができる。露光余裕度は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(露光余裕度の値が110%以上)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(露光余裕度の値が110%未満)の場合は「不良」と評価した。
Claims (14)
- 下記式(1)で表される基を含む第1構造単位を有する第1重合体、及び
溶媒
を含有する樹脂組成物。
- 上記第1構造単位が、下記式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表される請求項1に記載の樹脂組成物。
式(2−1)中、R6は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合若しくは2価の有機基であるか、又はZにおけるR5と互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。
式(2−2)中、R7は、水素原子又はメチル基である。R8、R9及びR10は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は1若しくは複数のR8及びR9並びにR10のうちの2つ以上は、互いに合わせられ構成される環員数3〜20の環構造を表す。Aは、単結合若しくは2価の有機基であるか、又はR10と互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。aは、1〜4の整数である。aが2以上の場合、複数のR8及びR9はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R10とZにおけるR5とは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表してもよい。
式(2−3)中、R11は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Aは、単結合若しくは2価の有機基であるか、又はZにおけるR5と互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。) - 上記式(1)におけるR4 が酸解離性基又はアルカリ解離性基であり、このR 4 のうちCOOに隣接する炭素原子に結合する基が、フッ素原子を有する請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 上記式(1)におけるR2が、アルカリ解離性基である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の樹脂組成物。
- 上記式(1)におけるR2が、酸解離性基である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の樹脂組成物。
- 上記式(1)におけるnが2である場合において、上記式(1)における−R1−(OR 2 )2の2つの酸素原子が、R1の同一の炭素原子に結合する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 感放射線性樹脂組成物として用いられ、
感放射線性酸発生体をさらに含有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 上記第1重合体が、上記第1構造単位以外の構造単位であって酸解離性基を含む第2構造単位をさらに有する請求項7に記載の樹脂組成物。
- 上記第1重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、かつ酸解離性基を含む構造単位を有する第2重合体をさらに含有する請求項7又は請求項8に記載の樹脂組成物。
- 液浸露光用保護膜形成樹脂組成物として用いられる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- レジスト膜を形成する工程、
上記レジスト膜を露光する工程、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を備え、
上記レジスト膜を請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。 - レジスト膜を形成する工程、
上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程、
上記保護膜が積層されたレジスト膜を液浸露光する工程、及び
上記液浸露光されたレジスト膜を現像する工程
を備え、
上記保護膜を請求項10に記載の樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。 - 下記式(1)で表される基を含む構造単位を有する重合体。
- 下記式(i)で表される化合物。
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