JP6181736B2 - 仮設フェンス構造 - Google Patents

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本発明は、仮設フェンス構造に関する。
従来、戸建て住宅やマンション等の建築現場あるいは改修工事現場に於て、不法侵入を防止する防犯上の観点から、足場を囲むように仮設フェンスが設置されていた(特許文献1参照)。
特開2002−167974号公報
図11に示すように、特許文献1記載の仮設フェンス100は、複数本の金属パイプ104によって足場105が組まれ、足場105の横方向の金属パイプ104に装着された複数個のパネル留めクランプ101に、仮囲いパネル102が掛着される構造である。
しかし、仮囲いパネル102は、鋼板を使用していたため重量が大きく、施工上、作業能率が悪かった。また、仮囲いパネル102自体のコストが高いという欠点があった。
また、図12と図13に示すように、仮設フェンス100を設置する現場の長さ寸法に、仮囲いパネル102がぴったり隙間無く対応することは稀で、仮囲いパネル102の幅寸法Wよりも小さな幅寸法W´の中途半端な余剰間隙103ができてしまうことが多かった。この余剰間隙103を塞ぐために、余剰間隙103より広い幅寸法Wを有する仮囲いパネル102を取付けると、見栄えが悪いという問題があった。
また、鋼板を用いた仮囲いパネル102は、見通しが悪く、好ましくなかった。曲がり角の見通しが悪くなることで、出会い頭事故の原因となる問題があった。しかも、落書きされ易く、悪戯により見栄えが悪くなる虞れがあった。
そこで、本発明は、外観上の見栄えが良く、設置する現場の長さ寸法に自由自在に対応できる仮設フェンス構造を提供することを目的とする。
本発明に係る仮設フェンス構造は、縦横に組み立てられた複数本の金属パイプから成る足場構造体を取り囲むように設置される仮設フェンス構造であって、縦長矩形状のメッシュ体の各辺に縁材が取着された基本フェンス単体と、縦長矩形状のメッシュ体の一側辺に縁材が取着された幅調整用フェンス部材とを、備え、使用状態で、上記足場構造体の横方向の上記金属パイプに沿って、複数枚の上記基本フェンス単体が縦長鉛直状姿勢で取着され、かつ、上記幅調整用フェンス部材が、上記メッシュ体の一部を上記基本フェンス単体に重ね合わせ状として、該基本フェンス単体の幅寸法より狭い余剰間隙を閉鎖するように構成されたものである。
また、2枚の縦長矩形状メッシュ体と、2枚の該メッシュ体を揺動自在に連結するヒンジ部材とを、有するコーナー用フェンス部材を備え、上記コーナー用フェンス部材が、上記足場構造体のコーナー部に配設されているものである。
本発明の仮設フェンス構造によれば、設置する現場の長さ寸法に自由自在に対応でき、しかも、外観上の見栄えが良い。容易に設置でき、かつ、安価に製造でき、コストを低減できる。見通しが良く、防犯上、好ましい。工事期間中も、住人に過度な圧迫感を感じさせることなく、快適に平常の生活ができる。落書きの対象となることが少なく、外面を見栄え良く保つことができる。
本発明の実施の一形態を示した正面図である。 基本フェンス単体を示す拡大正面図である。 図2のA−A拡大断面図である。 幅調整用フェンス部材を示す拡大正面図である。 図4のB−B拡大断面図である。 コーナー用フェンス部材を示す斜視図である。 コーナー用フェンス部材の拡大断面平面図である。 本発明の仮設フェンス構造の使用状態を示した平面図であり、(A)は全体の平面図であり、(B)は他の使用状態を示した拡大断面平面図である。 基本フェンス単体を金属パイプに取着する前の状態を示す斜視図である。 基本フェンス単体を金属パイプに取着した状態を示す斜視図である。 従来の仮設フェンスを示した斜視図である。 従来の仮設フェンスを示した背面図である。 従来の仮設フェンスを示した平面図である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1と図8(A)に示すように、本発明の仮設フェンス構造は、縦横に組み立てられた複数本の金属パイプ2から成る足場構造体5を取り囲むように設置されるものである。
本発明の仮設フェンス構造は、縦長矩形状のメッシュ体3の各辺に縁材4が取着された基本フェンス単体1と、縦長矩形状のメッシュ体13の一側辺に縁材14が取着された幅調整用フェンス部材10とを、備えている。
図2と図3に示すように、基本フェンス単体1は、縦長矩形状のメッシュ体3を有し、その各辺に縁材4が取着されている。
メッシュ体3は、エキスパンドメタルから成り、その材質は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等が好ましい。エキスパンドメタルとは、金属板を、エキスパンド製造機によって、千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形乃至亀甲形に成形したメッシュ状の金属板である。メッシュ体3は、パンチングメタルや、鉄線を編んだ網状体を用いても良い。
メッシュ体3は、上辺・下辺に、上部横縁材43・下部横縁材44が取着され、かつ、上下中間位置に、中間部横縁材40が取着されている。メッシュ体3の両側辺に取着される第1縦縁材41と第2縦縁材42は、その形状が相違している。第1縦縁材41は、断面コの字状の嵌合凸部45を側方突出状に有し、第2縦縁材42は、嵌合凸部45が嵌込自在の嵌合凹部46が形成されている。第1縦縁材41・第2縦縁材42は、先端縁に直角折曲状の折曲部47,47が形成されている。メッシュ体3に対し、上部横縁材43・下部横縁材44・中間部横縁材40・第1縦縁材41・第2縦縁材42が、複数のリベットRによって係止され、外れないように固着(鋲着)されている。基本フェンス単体1は、幅寸法Wが400mm〜600mmに設定され、より好ましくは、幅寸法Wが480mm〜520mmに設定される。高さ寸法は、2m〜3mである。
図4と図5に示すように、幅調整用フェンス部材10は、(上述のメッシュ体3と同様の)縦長矩形状のメッシュ体13を備え、その一側辺に縁材14が取着されている。
図例では、縁材14は、基本フェンス単体1の第2縦縁材42と同一形状に形成され、第1縦縁材41の嵌合凸部45に嵌込可能として対応する嵌合凹部46が形成され、先端縁に折曲部47が形成されている。即ち、幅調整用フェンス部材10は、基本フェンス単体1の上部横縁材43・下部横縁材44・中間部横縁材40・第1縦縁材41を省略して形成され、共通部品のみで構成されているため、安価に製造できる。なお、幅調整用フェンス部材10の他側辺に、第1縦縁材41と同一形状の縁材を取着し、一側辺の縁材14を省略しても良い(図示省略)。
図6と図7に示すように、2枚の縦長矩形状メッシュ体23,23と、2枚のメッシュ体23,23を揺動自在に連結するヒンジ部材22とを、有するコーナー用フェンス部材20を備えている。
コーナー用フェンス部材20のメッシュ体23は、エキスパンドメタルから成り、基本フェンス単体1のメッシュ体3の2/3倍〜1/3倍の幅寸法に形成されている。より好ましくは、約1/2倍の幅寸法に設定する。2枚のメッシュ体23,23が、ヒンジ部材22によって揺動自在に連結一体化され、メッシュ体23,23の外方側辺には、基本フェンス単体1の第1縦縁材41・第2縦縁材42と同一形状の縁材48,49が取着されている。なお、ヒンジ部材22は金属製の蝶番であり、メッシュ体23,23を任意の角度θに調整可能である。メッシュ体23の一部には、曲がり角を通行する人に注意を促すため、目立ち易いように着色部50が設けられている。
図1と図8(A)に示すように、使用状態で、足場構造体5の横方向の金属パイプ2に沿って、複数枚の基本フェンス単体1が縦長鉛直状姿勢で取着され、基本フェンス単体1の幅寸法Wより狭い小幅寸法Wの余剰間隙6が形成されている。幅調整用フェンス部材10が、メッシュ体13の一部を、基本フェンス単体1に重ね合わせ状として、(基本フェンス単体1の幅寸法Wより狭い)余剰間隙6を閉鎖するように構成されている。コーナー用フェンス部材20は、足場構造体5のコーナー部に配設されている。
図8(A)では、幅調整用フェンス部材10のメッシュ体13が、基本フェンス単体1の裏面側に重ねられ、メッシュ体13が折り曲がって図示されているが、実際は、基本フェンス単体1の縁材4(第2縦縁材42)の寸法比率が小さいため、幅調整用フェンス部材10のメッシュ体13と、基本フェンス単体1のメッシュ体3とが、ほぼ平行に重ね合わされて、外観上、違和感なく設置される。
なお、図8(B)に示すように、幅調整用フェンス部材10のメッシュ体13が、基本フェンス単体1の表て面側に重ねられても良い。
図9と図10に示すように、基本フェンス単体1を金属パイプ2に係止(固定)するための取付部材30を備えている。
取付部材30は、U字状の取り付け用金具から成り、弯曲部に設けた貫通孔に、締め付け用のボルト31が挿通状に螺着されている。取付部材30は、U字の先端部の各々に、係止爪部32を有している。
隣接する基本フェンス単体1,1の第1縦縁材41と第2縦縁材42(嵌合凸部45と嵌合凹部46)を互いに嵌め合せて、隙間ができないように基本フェンス単体1,1同士を接合させ、取付部材30の弯曲部を金属パイプ2に掛着すると共に、第1縦縁材41・第2縦縁材42の折曲部47,47に係止爪部32,32を引っ掛けて係合させる。この状態で、取付部材30のボルト31を、(金属パイプ2を押圧する方向に)螺進させれば、係止爪部32と折曲部47の係合によって、取付部材30が金属パイプ2を抱き込んだ状態で基本フェンス単体1に取着される。取付部材30は、基本フェンス単体1の第1縦縁材41・第2縦縁材42の上下方向の何れの位置にでも取着可能である。
図8(A)に示すように、基本フェンス単体1は、取付部材30によって、金属パイプ2に取着されている。また、コーナー用フェンス部材20も同様に、取付部材30によって、金属パイプ2に取着されている。幅調整用フェンス部材10は、メッシュ体13の一側辺に取着された縁材14が、取付部材30によって、金属パイプ2に取着され、メッシュ体13の他側辺は、金属パイプ2に直接に固定しても良い。あるいは、図8(B)に示すように、基本フェンス単体1のメッシュ体3と、幅調整用フェンス部材10のメッシュ体13とが、なまし鉄線(番線)又は結束バンド等の締結手段35によって、連結されるも好ましい。
上述した本発明の仮設フェンス構造の使用方法(作用)について説明する。
図8(A)に示すように、足場構造体5の横方向の金属パイプ2に沿って、複数枚の基本フェンス単体1とコーナー用フェンス部材20と幅調整用フェンス部材10が取着され、足場構造体5を取り囲むように設置される。
幅調整用フェンス部材10は、基本フェンス単体1の幅寸法Wより狭い小幅寸法Wの余剰間隙6を塞ぎ、外観上、違和感なく、基本フェンス単体1とコーナー用フェンス部材20を継ぎ合せる。勿論、幅調整用フェンス部材10が、基本フェンス単体1と基本フェンス単体1の間隙を継ぎ合せるように配設されても良い。
幅調整用フェンス部材10は、(基本フェンス単体1に対する)メッシュ体13の重なり巾を調節することで、余剰間隙6の小幅寸法Wが大小変化しても自由自在に対応可能である。
基本フェンス単体1は、メッシュ体3を有しているため、重量が小さく、施工上、取り扱いが容易である。また、外部からの見通しが良く、足場構造体5に囲まれた住宅の住人に、過度の圧迫感を与えず、工事期間中のストレスを軽減できる。その上、足場構造体5の内部への不法侵入を防止できる防犯上の利点がある。メッシュ体3には、落書きし難いので、悪戯によって見栄えが悪くなることも少ない。
幅調整用フェンス部材10及びコーナー用フェンス部材20も、重量が小さい点、見通しが良い点で共通している。特に、コーナー用フェンス部材20は、足場構造体5のコーナー部の見通しを向上させて、曲がり角での出会い頭事故を防止でき、工事現場の安全性を向上する。
基本フェンス単体1は、第1縦縁材41の嵌合凸部45と、他の基本フェンス単体1の第2縦縁材42に設けた嵌合凹部46とを、互いに嵌め合せて、隙間が形成されることなく設置される。嵌合凸部45と嵌合凹部46の嵌め合いにより、隣接する基本フェンス単体1,1の厚み方向への位置ずれを防ぐことができる。即ち、複数枚の基本フェンス単体1は、外面が同一面状のフラットな状態に保たれて、外観上の見栄えが良く、そのフラットな状態を、長期にわたって維持することができる。これは、基本フェンス単体1とコーナー用フェンス部材20の関係性、及び、幅調整用フェンス部材10とコーナー用フェンス部材20の関係性に於ても同様である。
基本フェンス単体1は、取付部材30によって、金属パイプ2に迅速かつ容易に取着され、作業能率が向上する。
取付部材30は、基本フェンス単体1の上下方向取着位置の調整を容易とし、図1のように、基本フェンス単体1は、足場構造体5の設置面(地面)との間に、ほとんど隙間を開けることなく、設置することができる。また、複数枚の基本フェンス単体1とコーナー用フェンス部材20と幅調整用フェンス部材10の上下方向取着位置を揃えることも簡単である。
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、基本フェンス単体1は、上下中間位置に2本以上の中間部横縁材40が取着されていても良い。また、メッシュ体3の目の大きさは、自由に変更できる。コーナー用フェンス部材20の着色部50は省略しても良い。
以上のように、本発明に係る仮設フェンス構造は、縦横に組み立てられた複数本の金属パイプ2から成る足場構造体5を取り囲むように設置される仮設フェンス構造であって、縦長矩形状のメッシュ体3の各辺に縁材4が取着された基本フェンス単体1と、縦長矩形状のメッシュ体13の一側辺に縁材14が取着された幅調整用フェンス部材10とを、備え、使用状態で、上記足場構造体5の横方向の上記金属パイプ2に沿って、複数枚の上記基本フェンス単体1が縦長鉛直状姿勢で取着され、かつ、上記幅調整用フェンス部材10が、上記メッシュ体13の一部を上記基本フェンス単体1に重ね合わせ状として、該基本フェンス単体1の幅寸法Wより狭い余剰間隙6を閉鎖するように構成されたので、設置する現場の長さ寸法に自由自在に対応でき、しかも、外観上の見栄えが良い。容易に設置でき、かつ、安価に製造でき、コストを低減できる。見通しが良く、防犯上、好ましい。工事期間中も、住人に過度な圧迫感を感じさせることなく、快適に平常の生活ができる。落書きの対象となることが少なく、外面を見栄え良く保つことができる。
また、2枚の縦長矩形状メッシュ体23,23と、2枚の該メッシュ体23,23を揺動自在に連結するヒンジ部材22とを、有するコーナー用フェンス部材20を備え、上記コーナー用フェンス部材20が、上記足場構造体5のコーナー部に配設されているので、外観上の見栄えが良く、かつ、メッシュ体23,23を任意の角度θに調整可能であって、足場構造体5のコーナー部の角度(形状)にぴったりと対応できる。容易に設置でき、かつ、安価に製造でき、コストを低減できる。足場構造体5のコーナー部の見通しを向上させて、曲がり角での出会い頭事故を防止でき、工事現場の安全性を向上できる。
1 基本フェンス単体
2 金属パイプ
3 メッシュ体
4 縁材
5 足場構造体
6 余剰間隙
10 幅調整用フェンス部材
13 メッシュ体
14 縁材
20 コーナー用フェンス部材
22 ヒンジ部材
23 メッシュ体
幅寸法

Claims (2)

  1. 縦横に組み立てられた複数本の金属パイプ(2)から成る足場構造体(5)を取り囲むように設置される仮設フェンス構造であって、
    縦長矩形状のメッシュ体(3)の各辺に縁材(4)が取着された基本フェンス単体(1)と、縦長矩形状のメッシュ体(13)の一側辺に縁材(14)が取着された幅調整用フェンス部材(10)とを、備え、
    使用状態で、上記足場構造体(5)の横方向の上記金属パイプ(2)に沿って、複数枚の上記基本フェンス単体(1)が縦長鉛直状姿勢で取着され、かつ、上記幅調整用フェンス部材(10)が、上記メッシュ体(13)の一部を上記基本フェンス単体(1)に重ね合わせ状として、該基本フェンス単体(1)の幅寸法(W)より狭い余剰間隙(6)を閉鎖するように構成されたことを特徴とする仮設フェンス構造。
  2. 2枚の縦長矩形状メッシュ体(23)(23)と、2枚の該メッシュ体(23)(23)を揺動自在に連結するヒンジ部材(22)とを、有するコーナー用フェンス部材(20)を備え、
    上記コーナー用フェンス部材(20)が、上記足場構造体(5)のコーナー部に配設されている請求項1記載の仮設フェンス構造。
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