以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成図である。
この実施形態の組合せ秤1は、計量すべき菓子類等の物品を振動によって供給する供給装置2と、供給装置2から供給される物品を放射状に振り分けて搬送する円錐状のトップコーン3a及びトップコーン3aを振動させる加振器3bを有するメインフィーダ(分散フィーダ)3と、トップコーン3aから供給される物品を外方へ搬送するリニアフィーダトラフ(直進トレイ)4a及びリニアフィーダトラフ4aを振動させる加振器4bをそれぞれ有する複数のリニアフィーダ(直進フィーダ)4と、各リニアフィーダ4から供給された物品を一時的に保持して排出する複数の供給ホッパ5と、各供給ホッパ5から供給された物品を収容して計量するための複数の計量ホッパ6と、計量ホッパ6から排出される物品を集合させ、下流へ供給する複数の集合シュート7と、集合シュート7から供給される物品を集めて図示しない包装機へ排出する排出シュート8とを備えている。
上記メインフィーダ3、リニアフィーダ4、供給ホッパ5及び計量ホッパ6等は、中央のセンター基体22に装備されている。
各供給ホッパ5及び各計量ホッパ6は、下部にそれぞれホッパゲート5a,6aを備えており、ホッパゲート5a,6aを閉止、開放することによって、それぞれ物品を保持し、排出する。
また、本実施形態に係る組合せ秤1は、制御系統として、制御装置9と、トップコーン3a上の物品の量を検出する、例えば光学センサからなるレベル検出器10と、計量ホッパ6に収容された物品の重量を検出するロードセル等からなる重量センサ11と、操作設定表示器12と、を備えている。
図2は、この実施形態における組合せ秤1の制御系統の要部の概略構成を示すブロック図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
図2に示すように、制御装置9は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される制御部21を有する。この制御部21は、各部を制御すると共に、組合せ演算を行う主演算制御部17と、記憶部18と、複数の計量ホッパ6にそれぞれ連結された複数の重量センサ11の荷重信号が与えられるA/D変換部15と、計量ホッパ6毎に供給された物品の重量等を個別に演算する個別演算部16と、複数のリニアフィーダ4の振動を制御する振動制御回路部19とを備えている。記憶部18は、組合せ秤1の動作プログラム、及び、操作設定表示器12で設定される動作パラメータ等を記憶しており、また、主演算制御部17の演算などの作業領域となる。前記動作パラメータには、振動によって物品を搬送するリニアフィーダ4等の振動強度(振動振幅)や駆動時間、目標組合せ重量Wtなどを含む。
組合せ演算では、各計量ホッパ6の計量値を種々に組合せ、組合せた合計重量である組合せ重量が、目標組合せ重量Wt以上、許容上限値Wu以下であって、目標組合せ重量Wtに一致するか、最も近い計量ホッパ6の組合せを最適組合せとして選択する。
なお、制御部21は、図1のレベル検出器10の検出出力に基づいて、供給装置2の駆動を制御し、トップコーン3a上の物品の量が、下限値になると、トップコーン3aへの物品の供給を開始し、物品の量が上限値なると、トップコーン3aへの物品の供給を停止するというように、物品をトップコーン3aへ間欠的に供給する。また、制御部21は、図1の供給ホッパ5及び計量ホッパ6のホッパゲート5a,6aの開閉を制御する。
上記のように、組合せ秤1では、供給装置2からトップコーン3a上に物品を間欠的に供給するので、トップコーン3a上の重なり合った物品の層の厚み、すなわち、物品の層厚に変動が生じ、更に、トップコーン3a上での物品の不均等な配分による層厚の変動やトップコーン3a上の各部位における物品の挙動の相違などによって、各リニアフィーダトラフ4aに供給される物品の重量には、周期が比較的短い傾向的な増減変動が生じる場合がある。
この場合、各リニアフィーダトラフ4aから各供給ホッパ5へ供給される物品の重量、したがって、各供給ホッパ5から各計量ホッパ6へ供給される物品の重量にも傾向的な増減変動が生じる。
このような傾向的な増減変動は、周囲温度変化などを要因とする変動に比べて変動速度が速く、且つ変動量も大きい。各計量ホッパ6へ供給される物品の重量のばらつきには、このように比較的速い速度(短い周期)での傾向的な増減変動が含まれる場合がある。
この実施形態では、計量ホッパ6へ供給される物品の重量に、このような傾向的な増減変動がある場合にも、それに追従した制御を行えるようにするために、次のようにしている。
すなわち、計量ホッパ6毎に、供給される物品の供給重量を、物品が供給される度に取得すると共に、目標供給重量Wt/Mからの誤差を算出し、算出した少なくとも3回以上の所定回数の供給重量誤差の傾向的な増減変動を推定し、推定した傾向的な増減変動に基づいて、次回の供給重量誤差を予測する。この供給重量誤差の予測値をキャンセルして目標供給重量Wt/Mとなるように、リニアフィーダ4の操作量を算出し、リニアフィーダ4による物品の供給重量を制御する。
ここで、目標供給重量Wt/Mは、上記と同様であり、組合せ演算における目標組合せ重量Wtを、計量ホッパ6の目標組合せ台数Mで除算した値である。
この実施形態では、リニアフィーダ4の駆動時間は、一定時間に設定されており、リニアフィーダ4に対する操作量は、リニアフィーダ4の振動強度、すなわち、振動の振幅を規定する。
計量ホッパ6への物品の供給重量の比較的周期の短い傾向的な増減変動に対する予測制御について詳細に説明する。この予測制御は、上記のように計量ホッパ6毎に行われる。
重量センサ11に連結された計量ホッパ6に物品が供給される度に、計量ホッパ6で計量される供給重量に基づいて、次式のように供給重量誤差を算出する。
供給重量誤差=供給重量−目標供給重量Wt/M
そして、予め定めた少なくとも3回以上の最新の所定回数N1の供給重量誤差に基づいて、供給重量誤差の傾向的な増減変動を表す近似関数である誤差変動関数eを後述のようにして求める。この誤差変動関数eによって、次回の供給重量誤差を予測して、その誤差を打消すようにリニアフィーダ4による物品の供給重量を制御する。
少なくとも3回以上の供給重量誤差を用いるのは、2回では、差分となり、傾向的な増減変動を求めることができないからである。
この誤差変動関数eに基づく供給重量誤差の予測について、図3に基づいて説明する。
図3は、縦軸が計量ホッパ6への物品の供給重量を示し、横軸が計量ホッパ6への物品の供給回数xをそれぞれ示している。この図3は、供給重量の制御を行っていない状態における、供給回数1回から10回までの計量ホッパ6への物品の供給重量(W1,W2,…W10)の変化を示し、11回目は、1回〜10回の供給重量に基づく予測値を示している。また、目標供給重量(Wt/M)を併せて示している。
この図3では、計量ホッパ6への供給重量が、毎回ばらつきながらも、1回から10回まで全体としては増加傾向にある場合、すなわち、傾向的な増加変動がある場合の例を示している。
この実施形態では、最新の所定回数N1の供給重量誤差に基づいて、関数近似し、供給重量誤差の傾向的な変動を表す1次式の誤差変動関数eを求める。
図3では、所定回数N1を10回とし、1回から10回までの供給重量W1〜W10の目標供給重量(Wt/M)からの各供給重量誤差に基づいて、最小二乗法等によって一点鎖線で示される右上がりの直線である誤差変動関数e=ax+bを求める。この誤差変動関数eにおいて、xは、計量ホッパ6への物品の供給回数であり、aは、図3に示すように、直線の勾配であって、回数当たりの供給重量の変化量を表し、傾向的な変動の度合を表すものであり、傾向変動量という。
この実施形態では、求めた誤差変動関数eによって、次回である11回目の計量ホッパ6への供給重量の、目標供給重量(Wt/M)からの供給重量誤差を予測する。
図3では、11回目の供給重量誤差の予測値は、e11´で示され、11回目の供給重量の予測値は、W11´で示される。すなわち、11回目の供給重量の予測値W11´は、直線状の誤差変動関数e=ax+b上にあり、供給重量誤差の予測値e11´は、供給重量予測値W11´の目標供給重量Wt/Mからの差となる。
このように次回である11回目の供給重量誤差の予測値e11´あるいは供給重量の予測値W11´は、1回から10回までの10回の供給重量W1〜W10の傾向的な増加変動を反映した値となる。そして、この実施形態では、この傾向的な増加変動を反映した供給重量誤差の予測値e11´を打ち消して11回目の計量ホッパ6への供給重量が、目標供給重量(Wt/M)となるように、リニアフィーダ4の振動強度を制御する。
ここで、上記特許文献1のように、計量ホッパ6に供給される供給重量の所定回数の平均値を算出し、算出した供給重量の平均値に基づいて、次回の供給重量を制御した場合に、傾向的な変動には、正確に追従できない点について説明する。
所定回数、例えば、図3に示すように1回から10回までの供給重量W1〜W10を平均すると、供給重量の平均値はWaで示され、供給重量誤差の平均値はeaで示される。特許文献1では、実質的には、供給重量誤差の平均値eaを、次回である11回目の供給重量誤差の予測値とし、それを打ち消すように制御する。
供給重量誤差の平均値eaや供給重量の平均値Waは、1回〜10回までの供給重量W1〜W10に基づいて、単に平均をとっただけであって、毎回ばらつきながらも全体として増加傾向にある傾向的な増加変動は、考慮されていない。このため、供給重量誤差の平均値eaや供給重量の平均値Waは、供給回数が中間程度の供給回数、例えば、4回〜6回程度の供給回数時点の供給重量誤差や供給重量W4〜W6に対応したものとなり、最新の供給回数である10回付近の供給回数時点の供給重量誤差や供給重量W10に比べて小さくなっている。
すなわち、実際の供給重量は、1回から10回へと供給回数が増えるにつれて、毎回ばらつきながらも全体としては増加しており、1回目付近に比べて10回目付近の供給回数の方が、供給重量は大きくなるのに対して、特許文献1では、1回から10回までの単に平均値を算出するので、実際の供給重量誤差に比べて、供給重量誤差が少なく見積もられ、この少なく見積もられた供給重量誤差に基づいて制御することになる。このため、傾向的な増加変動に即した制御とならず、計量ホッパ6への供給重量を、目標供給重量(Wt/M)に正しく制御することができない。
これは、傾向的な増加変動に限らず、傾向的な減少変動の場合も同様であり、傾向的な減少変動の場合には、実際の供給重量誤差に比べて、供給重量誤差が大きく見積もられることになる。
このように特許文献1では、傾向的な増減変動がある場合に、十分に追従することができない。このようにしていた理由は、平均回数が少ないと、平均値のばらつきが大きく、ばらつきの大きさ次第で、実際の誤差から離れた値を予測してしまうことを回避するためであった。
次の上記誤差変動関数eの算出及びそれに基づくリニアフィーダ4に対する操作量の算出について詳細に説明する。
この実施形態では、最新の少なくとも3回以上の所定回数N1の供給重量の誤差を、図2の各個別演算部16のシフトレジスタにストアし、ストアした最新のN1個の供給重量誤差の傾向的な変動を表す誤差変動関数を最小2乗法などの方法によって求める。この方法であれば、供給重量の誤差が毎回ランダムにばらついてもばらつき成分を減縮させ、傾向的な変動量を精確に推定できる。
例えば、計量ホッパ6への物品の供給回数を、サンプル数xiとし、このサンプル数xiの供給重量に現れる誤差の変動関数をeiとして最小2乗法によって、上記のように1次式
e=ax+b ・・・(1)
に定めるとすると、
b=(eiの平均値)−a・(xiの平均値)
であるから、仮に供給重量誤差の傾向的な変動が小さいとき、すなわちa=0に近く、傾向的な変動が殆どないときは、誤差変動関数は、
b=(eiの平均値)として求まる。
この場合は、次回の供給重量誤差の予測値は、サンプル数N1個の供給重量誤差の平均値となり、所定回数の平均値を算出して制御する上記特許文献1と同等となる。
すなわち、傾向的な変動以外の予測できないランダム外乱による毎回のばらつきに対する平滑効果は、本実施形態と特許文献1とは同等である。
しかし、上記のように、供給重量誤差に傾向的な変動があれば、変動の変化率(勾配)である傾向変動量aは、
a={Σ(xi・ei)−N1・(xiの平均値)・(eiの平均値)}/{ Σ(xi2)− N1・(xiの平均値)2}
と求まるので、図3に示すように、傾向変動量aは、最新のサンプル数N1個の供給重量誤差の傾向的な変動を表す値となる。
この傾向変動量aについて、各計量ホッパ毎に、調整運転時であれば所定回数などの制御条件を決める前に、各リニアフィーダに一定の操作量を与え、制御を施さない状態における各計量ホッパ毎の供給重量の目標値に対する誤差の傾向変動量aを推定算出し、操作設定表示器12に表示させれば、ばらつき成分が除去され変動の傾向のみ抽出された値となるので、精確に各リニアフィーダの物品供給特性の実態が把握でき、制御運転に際して所定回数の決定や、供給装置2の物品投入位置、供給流量の調節が容易にできるようになる。
また、調整運転中であっても稼動運転中であっても、制御を実施しながら各計量ホッパ毎の誤差の変動傾向量aを表示させると、現在の制御追従性の状況が精確に把握できるので、作業者は、よりよい制御を行うための再調整が容易にできるようになる。
誤差の傾向変動量は供給重量の変動傾向量でもある。
供給重量の制御のため、次回の計量ホッパ6への物品の供給重量誤差の予測値ei´は、上記(1)式に、サンプル数xi=N1+1を代入して求める。
求めた供給重量誤差の予測値ei´によって、その予測値ei´をキャンセルするように、次回の計量ホッパ6への物品の供給重量yを
y=(Wt/M)−ei´
と算出し、この次回の供給重量yによって、次回のリニアフィーダ4の操作量であるフィーダ操作量Yxを、後述のように調整時点で予め求めたフィーダ操作量への変換関数f(y)を用いて算出する。
なお、傾向的な変動を2次式で表し、傾向変動量aは、2次式を微分した結果のxの係数として求めてもよい。
次に、上記のようにして求められる次回の供給重量yに基づくフィーダ操作量の算出方法について説明する。
図4に、個別の計量ホッパ6に対する供給重量のフィードバック制御のモデルを示す。リニアフィーダ4によって供給ホッパ5へ供給される物品の重量には、毎回のランダムなばらつきや傾向的な変動による外乱信号が加わる。計量ホッパ6には、供給ホッパ5を介して物品が供給されるので、1回分の無駄時間が生じるが、この無駄時間要素は無視する。
計量ホッパ6に供給される物品の供給重量Wxと設定値である目標供給重量Wt/Mとの偏差に基づいて、上記フィーダ操作量Yxを算出するコントローラ13は、上記図2の制御部21に相当する。
コントローラ13は、上記のようにして供給重量誤差の予測値を算出すると共に、その供給重量誤差の予測値をキャンセルするように計量ホッパ6への次回の供給重量yを算出する。
算出された供給重量yは、次のようにしてフィーダ操作量Yxに変換され、コントローラ13に内蔵のD/A変換器によってD/A変換されて、アナログ出力信号がフィーダドライバ14へ与えられ、このフィーダドライバ14によってリニアフィーダ4が駆動される。
リニアフィーダ4は、例えば、一定の設定時間、所定の周波数にて、コントローラ13から出力されるアナログ出力信号によって決まる振幅の大きさで振動する。
供給重量yを、操作量に変換するために、先ず、組合せ秤1の調整時点において、コントローラ13に内蔵のD/A変換器の入力値について、実際に計量ホッパ6へ供給される物品の供給重量が、目標供給重量Wt/MとなるD/A変換器への入力値pを求める。
入力値pが求まると、Wt/M=K・pとなる変換係数Kを求める。
計量ホッパ6への物品の供給重量yとして、種々の値yが与えられたときに、実際にリニアフィーダ4を介して計量ホッパ6に供給される物品の重量が、yの値の通りになるようにしなければならない。
供給重量yの物品を供給する操作量をYxとし、供給重量が、目標供給重量Wt/Mを中心に変化するように操作量Yxの値を増減変化させ、Yxに上記変換係数Kを掛けてD/A変換器へ入力したときに、実際に計量ホッパ6に供給される物品の重量値Wxをそれぞれ測定する。
そのとき実際に供給された重量Wxと入力値Yxの値との複数組により、最小2乗法などによって、供給重量Wxを得るために必要な操作量入力値Yxを求める関係式
Yx=f(Wx)
を作成する。稼働運転時には、下記の制御演算によって次回の供給重量Wxは、yによって与えられるので、
Yx=f(y)
とする。Yxをフィーダ操作量と呼ぶ。
稼働運転時には、制御演算によって次回の供給重量yが算出されると、次回の計量ホッパ6への物品の供給重量が、算出された供給重量yの通りに実際になるように、フィーダ操作量Yxを、上記式より算出する。
Yxと変換係数KをもってD/A変換器への入力値であるpを定め、D/A変換器へ入力する。なお、変換係数K=1とし、Yx=Wt/MをD/A変換器へ入力させたときのアナログ出力電圧によって実際の供給重量がWt/Mになるようにフィーダドライバー14の振幅ゲインを調整するようにしてもよい。
稼働運転時は、次回の供給重量値yが求まると、Yx=f(y)によって求めたYxの値に変換係数Kを掛けてD/A変換器へ与え、リニアフィーダ4を制御する。
以上のように、本実施形態では、最新の少なくとも3回以上の所定回数N1の計量ホッパ6への供給重量誤差に基づいて、リニアフィーダ4に対する操作量を制御する、すなわち、計量ホッパ6への供給重量誤差のN1個分をサンプルとして、リニアフィーダ4に対する操作量を制御するのであるが、このサンプル数N1の設定について説明する。
計量ホッパ6への物品の供給重量誤差の要因には、上記のように予測できないランダム外乱によるばらつきと、傾向的な増減変動とが存在し、上記サンプル数N1は、ランダム外乱によるばらつきの影響を抑制できると共に、傾向的な増減変動に追従できるような値に設定するのが好ましい。
上記特許文献1では、比較的周期の短い傾向的な増減変動については、特段考慮されておらず、専らランダム外乱によるばらつきの影響を抑制するように、平均値を算出するための所定回数、すなわち、サンプル数が設定されている。
サンプル数N1を大きくすれば、ランダム外乱によるばらつきを平滑化してその影響を抑制することができるけれども、比較的周期の短い傾向的な増減変動に追従するのが難しくなり、逆に、サンプル数N1を小さくすれば、比較的周期の短い傾向的な増減変動に追従することができるけれども、ランダム外乱によるばらつきの影響を十分に抑制することができない。
この実施形態では、ランダム外乱によるばらつきの影響を抑制すると共に、比較的周期の短い傾向的な増減変動に追従できるサンプル数N1を、作業者が選択する際の指針を与えるようにしている。
具体的には、稼働運転に先立って、適切なサンプル数N1を選択設定するための調整運転を行うようにしている。
この調整運転では、サンプル数N1として、下限値NLと上限値NUとを設定する。設定された下限値NLから上限値NUまでサンプル数N1を異ならせて、計量ホッパ6へ供給される物品の供給重量を計測し、サンプル数毎に、ランダム外乱によるばらつきと、傾向的な変動とをそれぞれ評価するための評価用指標値として、後述の区間平均値標準偏差及び区間傾向変動量を算出し、操作設定表示器12に表示する。
この調整運転では、サンプル数の大きさに応じて、計量ホッパ6へ供給される物品の重量がどのようにばらつくかを把握するものであるので、リニアフィーダ4の制御は行わず、リニアフィーダ4に対する操作量は、目標供給重量Wt/Mに対応する一定の操作量に維持する。
また、この調整運転は、稼働運転時に使用するための適切なサンプル数を選択するための指針を与えるものであるから、リニアフィーダ4の制御を行わないことを除いて、出来るだけ定められた仕様条件に合せて稼働運転と同じ運転条件、同じ物品、同様の組合せ演算の条件でテスト的に行う。
この調整運転では、上記のように、サンプル数を、下限値NLから上限値NUまで異ならせて、計量ホッパ6へ供給される物品の供給重量を計測してデータを集計し、ランダム外乱によるばらつきと、傾向的な変動とをそれぞれ評価するための評価用指標値を算出する。下限値NL及び上限値NUは、作業者が、操作設定表示器12を操作して設定し、データを集計する期間は、作業者が、操作設定表示器12を操作して指令する。この例では、サンプル数の下限値NLとして、3個以上である5個を、上限値として15個を設定した場合について説明する。
図5は、この調整運転時において、計量ホッパ6へ供給される物品の重量の取得タイミング等を示す動作シーケンス図であり、指定した或る1つの計量ホッパ61についての動作シーケンスを示している。
データの集計指令ONからの集計指令OFFまでの期間に亘って、計量ホッパ61へ供給される物品の供給重量である計量値が取得されて集計される。この例は、上記のようにサンプル数の下限値NL=5、上限値NU=15であるので、サンプル数の5個〜15個を1つの単位であるブロックとし、データの集計演算処理を繰り返すようにしている。なお、CAは、上限値NUである15個までのサンプル数を計数するカウンタを示し、CBは、ブロック数を計数するカウンタを示している。なお、これらカウンタCA,CBやシフトレジスタ等は、図2の制御部21に備えられている。
この調整運転の集計処理では、各サンプル数に応じた区間毎の供給重量、例えば、サンプル数が5個の場合は、1個から5個までの区間の供給重量、サンプル数が6個の場合は、1個から6個までの区間の供給重量、サンプル数が7個の場合は、1個から7個までの区間の供給重量といったようにサンプル数に応じた区間毎の供給重量に基づいて集計処理を行う。
この実施形態では、各サンプル数に応じた区間毎の供給重量に基づいて、区間の標準偏差である区間標準偏差を求め、さらに区間標準偏差の値によって区間の平均値の標準偏差である区間平均値標準偏差を次のようにして求める。
すなわち、サンプル数がN1個、区間標準偏差がσであれば、区間平均値標準偏差は、σ/(N1)1/2として求める。
また、区間毎の上記の誤差変動関数eの傾向変動量を、区間傾向変動量aとして求める。
サンプル数に応じた各区間毎に、区間平均値標準偏差と、区間傾向変動量とが求まるので、調整運転においては、集計指令ONから集計指令OFFまでのデータ集計期間に亘って区間平均値標準偏差及び区間傾向変動量について、それぞれ最大値、最小値、及び平均値を算出して記憶する処理を行う。
区間傾向変動量aは、計量ホッパ61へ供給される物品の供給重量誤差の増減に伴って、正負何れかの極性を持つが、ここでは正負いずれであっても傾向変動量の大小を表す値として絶対値を用いる。
集計指令ONから集計指令OFFまでのデータ集計期間における区間平均値標準偏差の最大値、最小値、平均値、及び、区間傾向変動量の最大値、最小値、平均値を、例えば、図6に示すように、サンプル数の下限値NL=5から上限値NU=15まで、サンプル数別にテーブルを作成し、操作設定表示器12に表示する。
この図6のテーブルにおいて、区間平均値標準偏差は、ランダム外乱によるばらつきを表し、区間傾向変動量は、傾向的な変動を表す。
これらは、制御を行っていない調整運転において、組合せ秤1が持つばらつき量や傾向変動量の大きさに関する供給重量誤差の特性を評価するための評価用の指標値である。これらの指標値を参考に、作業者は、稼働運転開始に当たって設定すべき適切なサンプル数N1を決定する。
組合せ演算において、選択の対象となる組合せ個数を多くして組合せ重量を精度よく選択できるように、各計量ホッパ6に供給する物品の供給重量を、目標供給重量Wt/Mに制御するには、供給重量の変動について、ランダムなばらつきの影響が少なく、かつ、比較的周期の短い傾向的な変動に追従可能な制御が求められる。
図6において、ランダム外乱によるばらつきを表す誤差の区間平均値標準偏差、及び、傾向的な変動による誤差の区間傾向変動量は、いずれもサンプル数が小さいほど大きく現れ、サンプル数が大きいほど小さく現れる。
この図6のテーブルの区間平均値標準偏差の数値、及び、区間傾向変動量の数値の大小に基づいて、ランダム外乱によるばらつきの程度、及び、傾向的な変動の程度を判定し、適切なサンプル数を決定する。
例えば、区間傾向変動量が小さい場合、すなわち、傾向的な変動が小さい場合には、予測できないランダム外乱によるばらつきの影響を抑制する、すなわち、ばらつきを平滑化するためにサンプル数を大きくする必要がある。
一方、区間傾向変動量が大きい場合、すなわち、傾向的な変動が大きい場合には、傾向的な変動に追従して制御を行うために、サンプル数を小さくする必要がある。
作業者は、サンプル数を小さい値に設定して制御すると、物品の層厚の速い変動、すなわち、傾向的な変動に対して制御の追従性はよいが、予測できないランダム外乱によるばらつきが大きい場合には、十分に平滑できず、算出される操作量のばらつきを拡大させ、その結果として発生する供給重量誤差のばらつきを拡大させてしまう弊害を考慮しなければならない。
反対にサンプル数を大きい値に設定して制御すると、大きいランダム外乱に対する平滑特性は良好であるが、供給重量誤差の傾向的な変動に対する追従遅れによって供給誤差を拡大させてしまう弊害を考慮しなければならない。
ランダム外乱によるばらつきは小さいが、傾向的な変動周期の短い物品を対象として運転する場合は、サンプル数を小さめの値に設定し、傾向的な変動周期は長いが、ランダム外乱によるばらつきの大きい物品を対象として運転する場合は、サンプル数を大きめの値に設定するのが好ましい。
ランダム外乱によるばらつき、及び、傾向的な変動速度の双方が大きい場合には、双方の大きさのバランスを勘案した中間のサンプル数に設定する。
なお、調整運転におけるデータの集計期間を変更して、例えば、図6のテーブルを複数作成し、それらに基づいて、サンプル数を設定してもよい。
このように、作業者は、操作設定表示器12に表示される図6のテーブルを見ることによって、サンプル数毎の区間平均値標準偏差及び区間傾向変動量からランダム外乱のよるばらつき及び傾向的な変動によるばらつきを判断した上で、稼働運転の開始時に使用する適切なサンプル数を選択することができる。
この適切なサンプル数を選択するための調整運転における計量ホッパ6の供給重量の計測及び前記評価用の指標値の取得は、上記のように指定した或る1つの計量ホッパ61について行ってもよいし、全計量ホッパ61〜6nについて行ってその平均値を代表値として表示してもよい。
また、この調整運転は、主に製造メーカにおいて行われ、適切なサンプル数N1が設定されて製品として出荷される。なお、ユーザにおいても、調整運転を行ってサンプル数N1を設定変更するようにしてもよい。
次に、図7のフローチャートに基づいて、図5の調整運転における集計処理について説明する。
先ず、データ集計指令がONされているか否かを判断し(ステップn1)、ONされていないときには、全ての集計用レジスタ、フラグをクリヤして終了する(ステップn15)。
データ集計指令がONされているときには、指定された或る1つの計量ホッパ61の重量値Wx1を読取り(ステップn2)、読取った重量値Wx1が、零付近検出レベルWzt1未満であるか否かを判断し(ステップn3)、零付近検出レベルWzt1未満でないときには、計量ホッパ61は空でないとしてステップn5に移り、零付近検出レベルWzt1未満であるときには、計量ホッパ61が、零付近検出レベルWzt1未満の状態、すなわち、空の状態を経たことを示すフラグF0を「1」にセットしてステップn5に移る(ステップn4)。
ステップn5では、フラグF0が「1」であるか否かを判断し、「1」でないときには、計量ホッパ61が空の状態を経ていないとしてステップn1に戻り、「1」であるときには、計量ホッパ61が空の状態を経たとしてステップn6に移る。ステップn6では、読取った重量値Wx1が、物品が載置されたことを示す物品載置検出レベルWzt2より大きいか否かを判断し、物品載置検出レベルWzt2より大きくないときには、物品が載置されていないとしてステップn1に戻る。ステップn6で、読取った重量値Wx1が、物品載置検出レベルWzt2より大きいときには、計量ホッパ61が空の状態を経た後に、物品が供給されたとして、計量ホッパ61が空の状態を経たことを示すフラグF0を「0」にクリヤし(ステップn7)、安定待ちタイマによる時間が経過して安定した重量値を再度読み込む(ステップn8,n9)。
次に、ステップn10では、サンプル数の上限個数である15個までのサンプル数を計数するカウンタCAをインクリメントし、読取った重量値Wx1の二乗を求め(ステップn11)、積算する(ステップn12)。また、読取った重量値Wx1を積算し(ステップn13)、重量値をストアするシフトレジスタを右シフトして最新の重量値Wx1を左端にストアし(ステップn14)、図8のステップn16に移る。
次に、図8のステップn16では、5個までのデータの集計演算処理が完了していることを示すフラグF5が「0」にクリヤされているか否か、すなわち、5個までの集計演算処理が完了していないか否かを判断し、完了していないときには、ステップn17に移り、完了しているときには、図9のステップn27に移る。
ステップn17では、サンプル数を計数するカウンタCAが「5」になったか否かを判断し、「5」になっていないときには、5個までのデータが収集されていないとしてステップn1に戻る。ステップn17で、サンプル数を計数するカウンタCAが「5」になったときには、サンプル数の下限値である5個分のデータが収集されたので、ブロック数を計数するカウンタCBをインクリメントし(ステップn18)、5個分のデータの集計演算処理を行う。すなわち、CA、ΣWx1、Σ(Wx1)2によって区間標準偏差Ws5´を算出し、Ws5´/√5によって区間平均値標準偏差Ws5を算出する(ステップn19)。
次に、取得した重量値をストアする上記シフトレジスタの左端から5個までのデータで誤差変動関数を算出し、区間傾向変動量a5を算出する。この区間傾向変動量a5は、絶対値とする(ステップn20)。
次に、区間平均値標準偏差Ws5と、区間傾向変動量a5とのそれぞれについて、最大値、最小値を更新する(ステップn21)。ここで、最大値、最小値は、集計期間における、区間平均値標準偏差Ws5及び区間傾向変動量a5のそれぞれの最大値、最小値である。したがって、最初の1ブロック目は、区間平均値標準偏差Ws5及び区間傾向変動量a5のそれぞれの最大値、最小値をそれぞれストアする最大値及び最小値のレジスタには、上記ステップn19,n20でそれぞれ算出された区間平均値標準偏差Ws5及び区間傾向変動量a5が、最大値及び最小値としてそれぞれストアされる。すなわち、最大値及び最小値が同じ値となる。
次に、ステップn22では、上記のようにして、図2の個別演算部16で算出された区間平均値標準偏差Ws5及び区間傾向変動量a5の最大値及び最小値を、主演算制御部17へ送信し、表示用テーブルにストアし、区間平均値標準偏差Ws5と区間傾向変動量a5とをそれぞれ積算し(ステップn23)、各積算値を、ブロック数を計数するカウンタCBで除算して集計期間における平均値を求め(ステップn24)、主演算制御部17へ送信して表示用テーブルにストアし、5個までのデータによる集計処理が完了したことを示すフラグF5に「1」をセットしてステップn1に戻る。
上記ステップn16において、5個までのデータによる集計演算処理が完了しているときには、図9のステップn27に移る。図9のステップn27では、6個までのデータによる集計演算処理が完了していることを示すフラグF6が「0」にクリヤされているか否か、すなわち、6個までのデータによる集計演算処理が完了していないか否かを判断し、完了していないときには、ステップn28の6個までのデータの集計演算処理に移り、完了しているときには、ステップn30に移る。
ステップn28の6個までのデータの集計演算処理では、先ず、6個分の集計データである、CA、ΣWx1、Σ(Wx1)2によって区間標準偏差Ws6´を算出し、Ws6´/√6によって区間平均値標準偏差Ws6を算出する(ステップn28−1)。
シフトレジスタの左端から6個までのデータで誤差変動関数を算出し、区間傾向変動量a6を算出する(ステップn28−2)。この区間傾向変動量a6は、絶対値とする。
次に、区間平均値標準偏差Ws6と、区間傾向変動量a6とのそれぞれについて、最大値、最小値を更新し(ステップn28−3)、主演算制御部17へ送信し、表示用テーブルにストアし(ステップn28−4)、区間平均値標準偏差Ws6と区間傾向変動量a6とをそれぞれ積算し(ステップn28−5)、各積算値を、ブロック数を計数するカウンタCBで除算して集計期間における平均値を求め(ステップn28−6)、主演算制御部17へ送信して表示用テーブルにストアし(ステップn28−7)、6個までのデータによる集計演算処理が完了したことを示すフラグF6に「1」をセットし(ステップn29)、ステップn1に戻る。
上記ステップn27において、6個までのデータによる集計演算処理が完了しているときには、ステップn30に移り、7個までのデータによる集計演算処理が完了しているか否かを判断し、完了しているときには、図10のステップn33に移り、完了していないときには、ステップn31の7個までのデータによる集計演算処理に移る。この7個までのデータによる集計演算処理は、上記6個までのデータによる集計演算処理と基本的に同様であり、7個までのデータによる集計演算処理が終了すると、フラグF7に「1」をセットし(ステップn32)、ステップn1に戻る。
ステップn30において、7個までのデータによる集計演算処理が完了しているときには、図10のステップn33に移り、8個までのデータによる集計演算処理が完了しているか否かを判断し、8個までのデータによる集計演算処理が完了しているときには、ステップn36に移り、完了していないときには、ステップn34の8個までのデータによる集計演算処理に移る。
以下、同様にして、9個、10個、…、15個までのデータによる集計演算処理を行い、ステップn54において、上限値NUである15個までのデータによる集計演算処理が完了し、1ブロック分の集計が完了したと判断されたときには、カウンタCAを「0」にクリヤし(ステップn57)、重量値の積算値ΣWx1、重量値の二乗の積算値Σ(Wx1)2を「0」にクリヤし(ステップn58)、カウンタCBの計数値、すなわち、集計演算処理済みのブロック数を、主演算制御部17へ送信して表示し(ステップn59)、集計演算処理の完了を示す各フラグF5,F6,…,F15を「0」にクリヤして図8のステップn16に戻る(ステップn60)。
以上のようにして、調整運転では、サンプル数毎に、区間平均値標準偏差の最大値、最小値、平均値、及び、区間傾向変動量の最大値、最小値、平均値が算出されて操作設定表示器12に表示される。
次に、調整運転によってサンプル数N1が選択されて設定された後のユーザによる稼働運転時の動作を図11のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、上記ように各計量ホッパ6毎に行われる。
先ず、ステップn101では、稼働運転がONされているか否かを判断し、ONされていないときには、シフトレジスタをクリヤして終了する(ステップn101)。
稼働運転がONされているときには、計量ホッパ6の重量値を読取り(ステップn102)、読取った重量値Wxが、零付近検出レベルWzt1未満であるか否かを判断し、零付近検出レベルWzt1未満でないときには、ステップn105に移り、零付近検出レベルWzt1未満であるときには、計量ホッパ6が空の状態を経たことを示すフラグF0を「1」にセットしてステップn105に移る(ステップn104)。
ステップn105では、フラグF0が「1」であるか否かを判断し、「1」でないときには、ステップn101に戻り、「1」であるときには、ステップn106に移り、読取った重量値Wxが、物品が載置されたことを示す物品載置検出レベルWzt2より大きいか否かを判断し、物品載置検出レベルWzt2より大きくないときには、ステップn101に戻り、物品載置検出レベルWzt2より大きいときには、計量ホッパ6が空の状態を経たことを示すフラグF0を「0」にクリヤし(ステップn107)、安定待ちタイマによる時間が経過して安定した重量値を再度読み込み(ステップn108,n109)、ステップn110では、シフトレジスタを右シフトして最新の重量値Wxを左端にストアする。
次に、制御を開始可能か否か、すなわち、シフトレジスタにN1個以上のデータがあるか否かを判断し(ステップn111)、N1個以上のデータがないときには、ステップn101に戻り、N1個以上のデータがあるときには、制御演算できるデータが揃っているので、N1個の標準偏差を求め、最新のN1個のデータで誤差変動関数を求める。更に、傾向変動量aを求め(ステップn112)、図12のステップn114に移る。この傾向変動量aは、極性を有する。
次に、図12のステップn114では、平均値、標準偏差、極性付きの傾向変動量aを主演算制御部17へ送信し、表示させる。
次に、傾向変動量aによって、次回の予測供給重量誤差e´を求める。求めた予測供給重量誤差e´によって、次回の供給重量値yを求め、リニアフィーダ4のフィーダ操作量Yxを算出し(ステップn115)、フィーダ操作量Yxを、主演算制御部17へ送信してステップn101に戻る(ステップn116)。主演算制御部17は、フィーダ操作量Yxによってリニアフィーダ4による物品の供給量を制御する。
以上のようにして稼働運転時には、傾向変動量aによって、次回の予測供給重量誤差e´を求め、予測供給重量誤差e´をキャンセルするように次回の供給重量値yを求め、リニアフィーダ4のフィーダ操作量Yxを算出して制御するので、傾向的な増減変動がある場合にも、正しく追従して制御することができる。
上記実施形態では、計量ホッパ6への物品の供給重量誤差の傾向的な変動を示す誤差変動関数を、最小2乗法を使用して求めたが、他の方法を用いて求めるようにしてもよい。
例えば、N1個のサンプル数の区間で1〜(N1/2)までの前半の区間の供給重量誤差の平均値と、(N1/2)〜N1までの後半の区間の供給重量誤差の平均値とを結ぶ直線を、誤差変動関数としてもよい。
また、図13に示すように、例えば、N1=9個の供給重量誤差e1〜e9が発生した場合に、隣接する誤差の間の9個の変動量(傾き)a1〜a9の平均値をaとし、供給重量誤差e0〜e9の平均値をE、9回の誤差取得タイミングの平均値4.5によって(4.5,E)を通って平均の変動量aの直線をもって誤差の動関数eを求めてもよい。
計量ホッパで計量された物品が供給されるメモリホッパを設け、計量ホッパ及びメモリホッパの物品の重量に基づいて、組合せ演算を行うようにしてもよい。
また、予め傾向変動量aの絶対値に対する許容値ahを操作設定表示器12において設定し、稼動運転時において各計量ホッパにおいて新たに傾向変動量aが推定算出される度に許容値ahと比較し、算出された傾向変動量aが許容値ahを超える場合は、物品の性状変化や供給装置における物品量の減量など、何らかの異常で追従制御が精確に行われず、組合せ精度が低下する虞があるとして警報する制御追従性警報手段を備えると、作業者は傾向変動量の数値を逐次確認する必要が無く、好都合である。