JP6179809B2 - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッド、及び、この液滴吐出ヘッドから液滴を記録材上に吐出して画像を形成する画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置(例えばインクジェット記録装置)が知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク液滴を、搬送される記録材に対して吐出して、画像形成を行うものである。記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
ここでいう画像形成装置は、記録材上に画像を形成するものであるが、その記録材の材質は紙に限定されるものではなく、OHP、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等のあらゆる記録材に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を記録材に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を記録材に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、液滴として吐出される液体は、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
液滴吐出ヘッドとしては、複数のノズルと、各ノズルに連通した複数の個別液室と、各個別液室内を昇圧するエネルギーを発生するアクチュエータと、各個別液室に連通する共通液室と、共通液室に連通するインクタンクとを備えた構成が知られている。この液滴吐出ヘッドでは、インクタンク内に貯留されたインクを共通液室内に供給し、共通液室内のインクを各ノズルに連通する各個別液室に供給する。インクタンクは、ノズルからのインク漏れを抑制するため、インクタンク内の圧力が外部の圧力よりも高くなったときに開く大気開放弁を有している。画像形成時は、各個別液室に対応するアクチュエータを駆動することで各個別液室内を昇圧してノズルからインクの液滴を吐出させる。この際、個別液室内で生じた圧力変動が、各個別液室に連通する共通液室にも伝播する。共通液室に伝播した圧力変動によって隣接する個別液室内のインクにも影響が及ぶ相互干渉が発生すると、意図しないノズルからの液滴の漏洩や吐出、吐出状態の不安定を誘発し、結果として高品位な画像出力を得ることを妨げる。
上記相互干渉の問題を解決すべく、共通液室の一壁面を変形能が高い樹脂膜等の可撓性部材で形成し、樹脂膜を介して共通液室に対向するよう設けられた空気貯留室と、この空気貯留室を外部に連通させる連通路とを有するダンパ機構を設けた構成が知られている(例えば、特許文献1)。この構成では、各個別液室内を昇圧するようアクチュエータを駆動した際に共通液室に伝播した圧力変動を、共通液室の一壁面を形成する樹脂膜が共通液室と対向する空気貯留室側に変形することで空気貯留室に逃している。
特許文献1の液滴吐出ヘッドでは、空気貯留室は連通路により外部と連通しているので、空気貯留室内の圧力は外部と同圧に保たれる。これにより、空気貯留室内と外部とに圧力差が発生し、この圧力差により樹脂膜が変形してしまい、その結果、共通液室の圧力変動に対して樹脂膜が変形し難くなりダンパ効果が低下してしまうことを防止している。しかし、樹脂膜を介して共通液室に対向する空気貯留室が外部に連通しているため、長期に渡って使用せずに保管されると、徐々に共通液室内のインクの水分が水蒸気となって樹脂膜を透過して空気貯留室に拡散した後、連通路を介して外部に拡散していく。このような共通液室内のインクからの水分の蒸発により、インクの粘度が次第に上昇して、良好な吐出性能が得られなくなる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、共通液室内に伝播した圧力変動の良好なダンパ効果を得ると共に、共通液室からの水分の蒸発を抑制して長期に渡って良好な吐出性能を得ることのできる液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液滴を吐出するための複数のノズルと、該ノズルに連通する複数の個別液室と、該複数の個別液室に連通する共通液室と、該個別液室内を昇圧するためのアクチュエータと、該共通液室の少なくとも一部を形成する可撓性部材と、該可撓性部材を介して該共通液室に対向するよう設けられた空気貯留室と、該共通液室に供給する液体を貯留する液体タンクとを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、上記液体タンクは液体がない空気領域と、該空気領域と外部との圧力差を所定の範囲に維持するための大気開放弁を有し、該空気領域と上記空気貯留室とを連通する連通路を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、共通液室内に伝播した圧力変動の良好なダンパ効果を得ると共に、共通液室からの水分の蒸発を抑制して長期に渡って良好な吐出性能を得ることができるという優れた効果がある。
本実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの分解斜視図である。 実施例1に係るインクジェット記録ヘッドのA−A’線断面図である。 実施例2に係るインクジェット記録ヘッドのA−A’線断面図である。 実施例3に係るインクジェット記録ヘッドのA−A’線断面図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る液滴吐出ヘッドの一実施形態のインクジェット記録ヘッドに適用して説明する。
図1は本実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの分解斜視図である。インクジェット記録ヘッドは、ノズル板2、流路板101、アクチュエータ基板14、保護基板102、マニホールド形成基板103、ダンパ108、バッファ形成部材106、および、中継基板104を順に図1中に示すZ2の方向に積層して構成される。また、中継基板104の上側にはインクタンク200を備えている。なお、添字y、m、c、kはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応するとともに添字y、m、c、kが付されていない部材は総称した部材である。
ノズル板2には、各色毎のインクを吐出するノズル1y、1m、1c、1kがそれぞれ長手方向で列状に形成されている。ノズル板2に積層された流路板101には、各ノズルに連通して設けられた個別液室としての圧力室3y、3m、3c、3kがそれぞれ形成されている。ノズル板2に積層されたアクチュエータ基板14には、各圧力室3y、3m、3c、3kに対応するアクチュエータ15y、15m、15c、15kと、各アクチュエータに吐出信号を出力する駆動回路105a、105b、105c、105dが形成されている。アクチュエータ15y、15m、15c、15kとしては、下部電極、圧電体及び上部電極からなる圧電素子を用いた圧電方式を用いることができる。また、静電方式やサーマル方式を用いることも可能である。また、アクチュエータ基板14には、圧力室3y、3m、3c、3kにそれぞれ連通する第1液体流路215y、215m、215c、215kが形成されている。さらに、外部配線からの駆動信号を駆動回路105a、105b、105c、105dに供給するためのFPC(Flexible printed circuits)111が電気的に接続されている。
アクチュエータ基板14には、アクチュエータ15y、15m、15c、15kを覆って保護する保護基板102が積層されている。保護基板102には、アクチュエータ基板14の第1液体流路215y、215m、215c、215kに連通する第2液体流路217y、217m、217c、217k等が形成されている。保護基板102には、第2液体流路217y、217m、217c、217kに連通する共通液室としてのマニホールド121y、121m、121c、121kを形成するマニホールド形成基板103が積層されている。マニホールド形成基板103には、インクタンク200y,200m、200c、200kからインクを供給するインク供給管107y,107m、107c、107kが設けられている。マニホールド形成基板103上には、変形能の高いシリコーンエラストマー等のエラストマー、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの樹脂からなる可撓性部材であるダンパ108が積層されている。ダンパ108上にはバッファ形成部材106が接合され、マニホールド121y、121m、121c、121k内の圧力変動を逃すようダンパ108が変形する空気貯留空間としてのバッファ室109を形成している。
バッファ形成部材106の上には中継基板104が設けられている。中継基板104には、マニホールド121y、121m、121c、121kにインクを供給するためのインク供給路204y、204m、204c、204kを貫通させるための貫通穴124y、124m、124c、124kが形成されている。また、後述する連通管205y、205m、205c、205k(図2参照)を貫通させるための貫通穴123y、123m、123c、123kが形成されている。
インクタンク200y,200m、200c、200kはマニホールド121y、121m、121c、121kに供給するインク210y,210m、210c、210kがそれぞれ貯留されている。また、外部からインクを受けるための供給ポート201y、201m、201c、201kを備えている。また、インクタンク200y,200m、200c、200kの内圧を外部の圧力に対して調整するための大気開放弁202y,202m、202c、202kを有する大気開放管203y,203m、203c、203kを備えている。インクジェット記録ヘッドは、ノズル1y、1m、1c、1kからのインク漏れを抑制するため、大気開放弁202y,202m、202c、202kによりインクタンク200y,200m、200c、200k内部が外部の圧力に対して負圧になるよう調整する。
<実施例1>
図2は、実施例1に係るインクジェット記録ヘッドの図1におけるA−A’線断面図である。インクタンク200yは、内部に貯留するインク210yの水位を調節するためのインク水位調節電極212yを備えている。インクタンク200yは、インク水位調節電極212yに基づきインクの水位を調整し、インク210yが貯留された上部が空気領域211yとなるようにしている。大気開放弁202yと大気開放管203yとは、この空気領域211yと外部とを連通可能なように配置されている。通常、大気開放弁202yは閉まっておりインクタンク200yは密閉状態となっている。
また、インクタンク210y内の空気領域211yとバッファ室109とを連通する連通路としての連通管205yをインクタンク200y内部に備えている。インクタンク200yとバッファ室109との間の連通管205y部分にはインク漏れを防止するためのシール部材120を備えている。バッファ室109は、インクタンク200y内の空気領域211yと連通管205yにより連通しているため、インクタンク200yの大気開放弁202yが閉まっているときは、バッファ室109も密閉状態となっている。このため、マニホールド121y内のインク210yからダンパ108を介してバッファ室109に水分が蒸発しても外部までは拡散しないので、マニホールド121y内のインク210yの粘度増加を抑制できる。
ここで、インクタンク200y内では、貯留された多量のインクから空気領域211yに水分が蒸発する。一方、バッファ室109には、インクタンク200yに比べて小さいマニホールド121yからダンパ108を介して水分が蒸発するが、インクタンク200y内における水分の蒸発と比較して遅い。このため、インクタンク200yのインクから空気領域211yに蒸発した水蒸気は連通管205yを通ってバッファ室109に広がり、最終的に連通する空気領域211yとバッファ室109とは飽和水蒸気量となる。すなわち、バッファ室109はインクタンク200yのインクから蒸発した水蒸気を多く含んで飽和水蒸気圧になる。このため、バッファ室109にマニホールド121y内のインク210yからダンパ108を通しての水分の蒸発が抑制され、マニホールド121y内のインク210yの粘度上昇が抑制される。なお、インクタンク200y内には、多量のインクが貯留されているので、貯留されたインク210yからが飽和水蒸気圧となるまで水分が蒸発しても、インクの粘度増加の問題は発生しない。
また、インクタンク200では空気領域211yと外部との圧力差が変化すると、大気開放弁202yが開いて、空気領域211yの圧力を外部に対して所定の範囲となるよう調整している。これと同時に、空気領域211yと連通するバッファ室109内の圧力も外部に対して調整され、バッファ室109と外部との圧力差は所定の範囲に維持される。これにより、バッファ室109と外部との圧力差が大きくなり、この圧力差によりダンパ108が変形してしまい、マニホールド121yの圧力変動に対するダンパ108の変形能が低下してしまうことを抑制できる。このため、外部の圧力が変わった場合でも、ダンパ108は高い変形能が維持でき、マニホールド121yのコンプライアンスは低下することなく、良好なダンパ効果を得ることができる。
このように、実施例1のインクジェット記録ヘッドではバッファ室109と空気領域211yとを連通することで良好なダンパ効果を得ると共に、従来のバッファ室を外部と連結する構成に比べて、マニホールド121内のインクからの水分の蒸発を抑制できる。さらに、バッファ室109内の水蒸気が、インクタンク200yのインクから蒸発した水蒸気を多く含むため、単にバッファ室109に大気開放弁を設けた構成と比べても、より良好にマニホールド121内のインクからの水分の蒸発を抑制できる。なお、連通管205はインクタンク200ごとに設けられているが、一つのインクタンク200に設けた構成としても構わない。
<実施例2>
図3は、実施例2に係るインクジェット記録ヘッドの図1におけるA−A’線断面図である。実施例2は、バッファ室109とインクタンク210y内の空気領域211yとを連通する連通路をインクタンク200yの外部に設けた構成である。バッファ室109にはバッファ室用連通ポート214yが設けられており、インクタンク200yの空気領域211yに対応するようインクタンク用連通ポート215yが設けられている。このバッファ室用連通ポート214yとインクタンク用連通ポート215yの間を連通路としての連通チューブ206yにより連結する。
実施例2においても、実施例1の構成と同様に、バッファ室109がインクタンク200yの空気領域211yにおける飽和水蒸気圧と同じ飽和水蒸気圧を有する密閉状態となる。このため、マニホールド121y内からダンパ108を介してバッファ室109に拡散してくる水分の蒸発が抑えられ、マニホールド121y内のインク水分の蒸発を抑制することができる。また、大気開放弁202yによるインクタンク200yの圧力調整機構により、バッファ室109と外部との圧力差の調整も同時に行われ、バッファ室109内と外部間の圧力差は所定の範囲に維持できる。このため、マニホールド121yの圧力変動に対するダンパ108の変形能が低下してしまうことを抑制でき、マニホールド121yのコンプライアンスは低下することなく、良好なダンパ効果を得ることができる。
また、実施例2ではバッファ室109とインクタンク210y内の空気領域211yとを連通する連通路をインクタンク200yの外部に設けている。このため、実施例1に示す、インクタンク200yのインクが貯留されている領域を介して連通管205yを設けた構成のようにバッファ室109とインクタンク200yとの間の連通路部分のシール部材120が不要となるというメリットがある。
<実施例3>
図4は、実施例3に係るインクジェット記録ヘッドの図1におけるA−A’線断面図である。実施例3では、実施例2においてインクタンク200yはT字状大気開放管207yを備えており、バッファ室用連通ポート214yからの連通チューブ206yはT字状大気開放管207yに連結されている。
実施例3においては、T字状大気開放管207yが実施例2における大気開放管203yとインクタンク用連通ポート215yの役割を有する。このため、実施例2よりも低コストで製作できるという利点がある。
次に、本実施形態の画像形成装置として、上記インクジェット記録ヘッドを液滴吐出ヘッドとして搭載したインクジェット記録装置の一例について説明する。
図5は本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。図5に示す本実施形態のインクジェット記録装置300は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ301を備えている。このキャリッジ301に搭載した液滴吐出ヘッド(不図示)及び、液滴吐出ヘッドに対してインクを供給するインクカートリッジ302等で構成される印字機構部303等を収納している。装置本体の下方部には前方側から多数枚の記録材を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)(不図示)を抜き差し自在に装着されている。また、記録材を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ(不図示)を有している。給紙カセットあるいは手差しトレイから給送される記録材を取り込み、印字機構部303によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ(不図示)に排紙する。なお、記録材は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の材質の媒体を含むものとする。
印字機構部303は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド304と従ガイドロッド305とでキャリッジ301を主走査方向に摺動自在に保持する。このキャリッジ301には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドを複数のノズルを主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ301には液滴吐出ヘッドに各色のインクを供給するための各インクカートリッジ302を交換可能に装着している。
インクカートリッジ302は、上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッドへインクを供給する供給口が設けられている。内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド(不図示)へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッドとしては各色毎に液滴吐出ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液滴吐出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ301は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド304に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド305に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ301を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ306で回転駆動される駆動プーリ307と従動プーリ308との間にタイミングベルト309を張装している。このタイミングベルト309をキャリッジ301に固定し、主走査モータ306の正逆回転によりキャリッジ301が往復に走査される。
このインクジェット記録装置300で記録時には、キャリッジ301を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッドを駆動することにより、停止している記録材にインクを吐出して1行分を記録し、その後、記録材を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または記録材の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ記録材を排紙する。
また、キャリッジ301の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッドの吐出不良を回復するための回復装置310を配置している。回復装置310はそれぞれ図示していないキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ301は印字待機中にはこの回復装置310側に移動されてキャッピング手段で液滴吐出ヘッドをキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインクの乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインクの粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
インクなどの液滴を吐出するための複数のノズル1と、ノズルに連通する複数の圧力室3などの個別液室と、複数の個別液室に連通するマニホールド121などの共通液室と、個別液室内を昇圧するためのアクチュエータ15と、共通液室の少なくとも一部を形成するダンパ108などの可撓性部材と、可撓性部材を介して共通液室に対向するよう設けられたバッファ室109などの空気貯留室と、共通液室に供給するインク210などの液体を貯留するインクタンク200などの液体タンクとを備えたインクジェット記録ヘッドなどの液滴吐出ヘッドである。この液滴吐出ヘッドにおいて、液体タンクに液体がない空気領域211と、空気領域の圧力を所定の範囲に維持するための大気開放弁202とを有し、液体タンクの空気領域と空気貯留室とを連通する連通管205などの連通路を備える。
(態様A)においては、空気貯留室は液体タンクの空気領域と連通しているため、大気開放弁により液体タンクの空気領域と外部との圧力差を所定の範囲に維持するときに、同時に空気貯留室と外部との圧力差は所定の範囲に維持される。このため、空気貯留室と外部との圧力差により可撓性部材が変形してしまい、共通液室の圧力変動に対する可撓性部材の変形能が低下してしまうことを抑制できる。このため、共通液室のコンプライアンスは低下することなく、良好なダンパ効果を維持することができる。
また、液体タンクの大気開放弁が閉まっているときは、液体タンクと共に空気貯留室は密閉状態になっている。このため、共通液室内の液体から水分が蒸発して可撓性部材を介して空気貯留室に拡散しても、外部までは拡散しないので、共通液室内の液体の粘度増加を抑制できる。さらに、詳しく説明すると、空気貯留室と連通する液体タンクの空気領域には、液体タンク内に貯留された多量の液体から空気領域に水分が蒸発する。一方、空気貯留室には共通液室から可撓性部材を介して水分が蒸発するが、可撓性部材を介しているため液体タンク内における空気領域への水分の蒸発と比較して遅い。そこで、空気貯留室には、液体タンクの液体から空気領域に蒸発した水蒸気が連通路を通って空気貯留室に拡散し、最終的に連通する空気領域と空気貯留室とが飽和水蒸気量に達する。すなわち、空気貯留室は液体タンクの液体から蒸発した水蒸気を多く含んで飽和水蒸気圧になるため、共通液室内の液体から水分が蒸発して可撓性部材を介して空気貯留室に拡散することが抑制される。このため、例えば、共通液室に直接大気開放弁を設け、共通液室の液体から蒸発した水蒸気のみにより空気貯留室を飽和水蒸気圧とする構成に比べて、より効果的に共通液室内の液体の粘度増加を抑制できる。なお、液体タンク内には多量の液体が貯留されているので、飽和水蒸気量となるまで水分が蒸発しても液体の粘度変化は問題とならない。
(態様B)
(態様A)において、連通路が液体タンクの内部に設けられた連通管205である。これによれば、実施例1に示すように本発明を容易に具現化できる。
(態様C)
(態様A)において、連通路が液体タンクの外部に設けられた連通チューブ206である。これによれば、実施例2に示すように本発明を容易に具現化できる。また、液体タンクの外部に連通路を設けているので、液体タンクの内部に設けた構成のようにインクタンクからのインク漏れを防止するシール部材などを必要としないというメリットがある。
(態様D)
(態様C)において、液体タンクは空気開放弁が配設されたT字状大気開放路207などの外気連通路を有し、外気連通路の大気開放弁よりも液体タンク側の部分に連通路を連結する。これによれば、実施例3に示すように、本発明を容易に具現化できる。また、T字状大気開放路207を利用することで、実施例2よりも低コストで製作できるという利点がある。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)の何れかにおいて、可撓性部材がエラストマーである。これによれば、可撓性部材の変形能が高く、良好なダンパ効果が得られる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)の何れかの液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置300などの画像形成装置する。これによれば、長期に渡って良好な画像が得られる。
1 ノズル
2 ノズル板
3 圧力室
14 アクチュエータ基板
15 アクチェータ
101 流路板
102 保護基板
103 マニホールド形成基板
104 中継基板
106 バッファ形成部材
108 ダンパ
109 バッファ室
111 FPC
120 シール部材
121 マニホールド
200 インクタンク
202 大気開放弁
203 大気開放管
204 インク供給路
205 連通管
206 連通チューブ
207 T字状大気開放管
210 インク
211 空気領域
300 インクジェット記録装置
301 キャリッジ
302 インクカートリッジ
303 印字機構部
304 主ガイドロッド
305 従ガイドロッド
306 主走査モータ
307 駆動プーリ
308 従動プーリ
309 タイミングベルト
310 回復装置
特許4285453号公報

Claims (6)

  1. 液滴を吐出するための複数のノズルと、該ノズルに連通する複数の個別液室と、該複数の個別液室に連通する共通液室と、該個別液室内を昇圧するためのアクチュエータと、該共通液室の少なくとも一部を形成する可撓性部材と、該可撓性部材を介して該共通液室に対向するよう設けられた空気貯留室と、該共通液室に供給する液体を貯留する液体タンクとを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    上記液体タンクは液体がない空気領域と、該空気領域と外部との圧力差を所定の範囲に維持するための大気開放弁を有し、該空気領域と上記空気貯留室とを連通する連通路を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1の液滴吐出ヘッドにおいて、上記連通路が上記液体タンクの内部に設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1の液滴吐出ヘッドにおいて、上記連通路が上記液体タンクの外部に設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項3の液滴吐出ヘッドにおいて、上記液体タンクは上記大気開放弁が配設された外気連通路を有し、該外気連通路の該大気開放弁よりも該液体タンク側に上記連通路を連結したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至4の何れかの液滴吐出ヘッドにおいて、上記可撓性部材がエラストマーであることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至5の何れかの液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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