JP2015085524A - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】共通液室内に伝播した圧力変動の良好なダンパ効果を得ると共に、共通液室からの水分の揮発を抑制して長期に渡って良好な吐出性能を得る。【解決手段】複数のノズル211と、ノズルに連通する複数の個別液室213と、個別液室に液体を供給する第2共通液室219と、個別液室内を昇圧するためのアクチュエータ215と、第2共通液室の一部を形成し、ダンパ機能を有する可撓性部材からなる第3共通液室部材208と、第3共通液室部材を介して第2共通液室に対向するよう設けられた空間241と、空間を外部に連通させるための連通路231とを備えたインクジェット記録ヘッドで、空間のうち第2共通液室に対向する第3共通液室部材上に流動性を有する液体232を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッド、及び、この液滴吐出ヘッドから液滴を記録材上に吐出して画像を形成する画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置(例えばインクジェット記録装置)が知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク液滴を、搬送される記録材に対して吐出して、画像形成を行うものである。記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
ここでいう画像形成装置は、記録材上に画像を形成するものであるが、その記録材の材質は紙に限定されるものではなく、OHP,糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等のあらゆる記録材に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を記録材に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を記録材に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、液滴として吐出される液体は、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
液滴吐出ヘッドとしては、複数のノズルと、各ノズルに連通した複数の個別液室と、各個別液室内を昇圧するエネルギーを発生するアクチュエータと、各個別液室に連通する共通液室とを備えた構成が知られている。アクチュエータを駆動することで個別液室内を昇圧してノズルからインクの液滴を吐出させる。この際、個別液室内で生じた圧力変動が、各個別液室に連通する共通液室にも伝播する。共通液室に伝播した圧力変動によって隣接する個別液室内のインクにも影響が及ぶ相互干渉が発生すると、意図しないノズルからの液滴の漏洩や吐出、吐出状態の不安定を誘発し、結果として高品位な画像出力を得ることを妨げる。
上記相互干渉の問題を解決すべく、共通液室の一壁面を可撓性部材である樹脂膜で形成し、樹脂膜を介して共通液室に対向するよう設けられた空間と、この空間を外部に連通させるための連通路とを有するダンパ機構を設けた構成が知られている。この構成では、各個別液室を昇圧するようアクチュエータを駆動した際に共通液室に伝播した圧力変動を、共通液室の一壁面を形成する樹脂膜が共通液室と対向する空間側に変形することで、空間に逃す。空間は連通路により外部と連通しているので、空間内の圧力は外部と同圧に保たれる。
また、特許文献1には、共通液室の一壁面を可撓性を有する薄膜部材で形成し、薄膜部材の共通液室とは反対側の空間内に薄膜部材と接し、薄膜部材の振動を吸収して減衰させる粘弾性物質からなる制振部材を配置したダンパ機構の液滴吐出ヘッドが記載されている。
上記、樹脂膜を介して共通液室に対向するよう設けられた空間が連通路により外部に連通している構成では、空間は大気に開放されている。空間が大気に開放されていると、徐々に、共通液室内のインク中の水分が水蒸気となって樹脂膜を透過して空間に拡散した後、連通路を介して大気へ拡散する。このように共通液室内のインクから水分が揮発すると、インクの粘度が次第に上昇して、良好な吐出性能が得られなくなる。
共通液室内のインクから水分が揮発することを抑制するために、樹脂膜の厚みを厚くして水蒸気の透過性を低下させる構成が考えられる。しかし、樹脂膜の厚みを厚くすると樹脂膜が変形し難くなり、ダンパ効果が低下する。また、樹脂膜の両面または片面に金属膜を設けて水蒸気の透過性を低下させる構成も考えられる。しかし、金属膜は樹脂膜ほど変形できないので、樹脂膜の変形量が制限されてダンパ効果が低下する。さらに、樹脂膜が大きく変形した際に金属膜が破れ、透過性の低下の効果が無くなる場合もある。
一方、特許文献1の液滴吐出ヘッドのダンパ機構は、薄膜部材は共通液室内の圧力を吸収するために変形し、薄膜部材に接する粘弾性物質からなる制振部材が薄膜部材の振動を減衰させることで、共通液室に伝播した圧力変動を吸収する。また、薄膜部材の共通液室とは反対側の空間内に薄膜部材と接する粘弾性物質を設けたことで、薄膜部材が空間に対向する構成に比べて、共通液室内のインクから水分が揮発することを抑制できる。しかし、この構成では、薄膜部材が制振部材である粘弾性物質と接しているため薄膜部材自体の変形が、粘弾性物質のない構成に比べて抑制され、ダンパ効果が低下する。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、共通液室内に伝播した圧力変動の良好なダンパ効果を得ると共に、共通液室からの水分の揮発を抑制して長期に渡って良好な吐出性能を得ることのできる液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液滴を吐出するための複数のノズルと、該ノズルに連通する複数の個別液室と、該複数の個別液室に液体を供給する共通液室と、該個別液室内を昇圧するためのアクチュエータと、該共通液室の少なくとも一部を形成する可撓性部材と、該可撓性部材を介して該共通液室に対向するよう設けられた空間と、該空間を外部に連通させるための連通路とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
上記空間内の上記共通液室に対向する部分に流動性を有する液体を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、共通液室内に伝播した圧力変動の良好なダンパ効果を得ると共に、共通液室からの水分の揮発を抑制して長期に渡って良好な吐出性能を得ることができるという優れた効果がある。
本実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの分解斜視図である。 図1のインクジェット記録ヘッドのA−A’線断面図である。 本実施形態の他の例に係るインクジェット記録ヘッドのA−A’線断面図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る液滴吐出ヘッドの一実施形態のインクジェット記録ヘッドに適用して説明する。なお、本実施形態のインクジェット記録ヘッドでは、アクチュエータとしてピエゾ方式を用いた例であるが、静電方式やサーマル方式を用いた例でもよい。
図1は本実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの分解斜視図である。図2は、図1のA−A’線断面図である。インクジェット記録ヘッド200は、ノズル板201、個別液室形成基板202、アクチュエータ基板203、保護基板204、第1共通液室基板205、第2共通液室基板206、ハウジング207、第3共通液室部材208およびインク供給部材209を有している。これらを、図1に示すように、Z2の方向に積層して構成される。
ノズル板201には、各色毎のインクを吐出するノズル211y、211m、211c、211kがそれぞれ長手方向で列状に形成されている。個別液室形成基板202には、各ノズル毎に連通して設けられた個別液室213y、213m、213c、213kがそれぞれ形成されている。アクチュエータ基板203には、アクチュエータ215y、215m、215c、215kが各個別液室213y、213m、213c、213kに対応して形成されている。各アクチュエータに吐出信号を出力する駆動ICチップ214a、214bが長手方向に延在して形成されている。アクチュエータ215yは、下部電極215ay,圧電体215by及び上部電極215cyを有し、アクチュエータ215mは、下部電極215am,圧電体215bm及び上部電極215cmを有している。アクチュエータ215cは、下部電極215ac,圧電体215bc及び上部電極215ccを有し、アクチュエータ215kは、下部電極215ak,圧電体215bk及び上部電極215ckを有している。
また、アクチュエータ基板203には、個別液室213y、213m、213c、213kにそれぞれ連通する第1液体流路212y、212m、212c、212kが形成されている。保護基板204には、アクチュエータ215y、215m、215c、215kを覆って保護する空洞部216a,216bが形成されている。更に、第1液体流路212y、212m、212c、212kにそれぞれ連通する第2液体流路217y、217m、217c、217kが形成されている。
第1共通液室基板205には、第2液体流路217y、217m、217c、217kにそれぞれ連通する第1共通液室218y、218m、218c、218kが形成されている。第2共通液室基板206には、第1共通液室218y、218m、218c、218kにそれぞれ連通する第2共通液室219y、219m、219c、219kが形成されている。更に、第2共通液室219y、219m、219c、219kにそれぞれ連通する貫通孔の液体供給部220y、220m、220c、220kが形成されている。第3共通液室部材208には、液体供給部220y、220m、220c、220kが挿入される孔223y、223m、223c、223kが形成されている。ハウジング207は、第1共通液室基板205、第2共通液室基板206及び第3共通液室部材208の周りを囲むように設けられ、これらと接合されている。
ハウジング207の上には、インク供給部材209が接合されている。インク供給部材209には、液体供給部220y、220m、220c、220kが挿入される孔224y、224m、224c、223kが形成されている。また、インク供給部材209には、ハウジング207とインク供給部材209で囲まれた空間241と外部とを連通させるための連通路231が形成されている。
なお、添字y、m、c、kはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応するとともに添字y、m、c、kが付されていない部材は総称した部材である。
第1共通液室基板205は、保護基板204との接合精度を上げるため、表面の平坦度が高い方がよく、表面の平坦度を高く保ちやすい金属板であることが好ましい。さらに、第1共通液室基板205において、インクに触れる部分の材質は、耐腐食性が高いステンレススチールが好ましい。第2共通液室基板206は、射出成形法のうちインサート成形法を用いて、第1共通液室基板205上に一体成形される。更に、第3共通液室部材208は、インサート成形法を用いて、一体成形された第2共通液室基板206上に一体成形される。
第2共通液室基板206は第1共通液室基板205に一体成形できるように熱可塑性樹脂であることが好ましく、材質は対溶剤性のあるポリフェニレンサルファイドが好ましい。また、第1共通液室基板205と第2共通液室基板206の熱膨張係数を近づけるため、ポリフェニレンサルファイドはガラス繊維を50[%]以上含んでいることが好ましい。
第3共通液室部材208は第2共通液室基板206などに一体成形できるように熱可塑性樹脂であることが好ましく、材質はダンパ機能を付与できる熱可塑性エラストマーが好ましい。また、ダンパ機能を得るために、第3共通液室部材208が共通液室219y、219m、219c、219kと接する部分の厚みは0.3[mm]以下であることが好ましく、ヤング率は5[MPa]以下であることが好ましい。
次に、本実施形態のインクジェット記録ヘッド200の特徴部について、図2を参照して説明する。本実施形態のインクジェット記録ヘッド200では、第2共通液室219y、219m、219c、219kの一壁面を形成し、ダンパ機能を有する第3共通液室部材208の上に流動性を有する液体232を有している。ここで、「流動性を有する液体」とは液体232の容器となる第3共通液室部材208の形状に合わせて形を変えられる状態の液体である。流動性を有する液体232の上方は、ハウジング207とインク供給部材209で囲まれた空気層からなる空間241となっている。
このインクジェット記録ヘッド200で、アクチュエータ215y、215m、215c、215kを駆動して、各個別液室213y、213m、213c、213k内を昇圧し、ノズル211y、211m、211c、211からインクの液滴を吐出させる。この際、個別液室213y、213m、213c、213k内で生じた圧力変動が、各個別液室に連通する第2共通液室219y、219m、219c、219kにも伝播する。第2共通液室219y、219m、219c、219kに伝播した圧力変動により、第2共通液室219y、219m、219c、219kの一壁面を形成する第3共通液室部材208が変形する。第3共通液室部材208の変形に伴い、第3共通液室部材208上の液体232が流動する。液体232が流動した分、空間241の空気層の体積が変化して、空間241に圧力変動を逃す。空間241は連通路231により外部と連通しているので、空気層からなる空間241の圧力は外部と同圧に保たれる。
なお、図2に示すように、第3共通液室部材208の上に流動性を有する液体232がある状態で、空間241に連通路231が連通する位置は空気層であることが好ましい。空間241に連通路231が連通する位置に空気層がない場合は、第3共通液室部材208の変形により、第3共通液室部材208上の流動性を有する液体232が移動して連通路231内を通ることになる。液体232が連通路231内を通ると抵抗が発生し、第3共通液室部材208の変形が阻害され、ダンパ機能が低下する。これに対して、液体232上方に空気層があり、空間241に連通路231が連通する位置が空気層である場合は、液体232が移動した分は空気層の体積変化となるので抵抗が発生しない。このため、良好なダンパ機能を得ることができる。
第3共通液室部材208上にある流動性を有する液体232は、第3共通液室部材208が変形するとその形状に合わせて流動して形が変わるため、第3共通液室部材208の変形を阻害する影響は小さい。一方、粘弾性物質は、高い粘性をもち、流動性がなく、その形は第3共通液室部材208よりも変形し難い。このため、特許文献1の第3共通液室部材208に接するよう粘弾性物質を配置した構成では、粘弾性物質が第3共通液室部材208の変形を大きく阻害してしまう。よって、第3共通液室部材208上に流動性を有する液体232を配置した構成は、特許文献1の構成に比べて、ダンパ機能の低減を抑えることができ、共通液室内に伝播した圧力変動に対して良好なダンパ効果を得ることができる。
また、第3共通液室部材208上の流動性を有する液体232は、蒸発しない、もしくは、蒸発しにくい液体である方が好ましい。このような流動性を有する液体232は、長期間に渡って第3共通液室部材208上にとどまるようになり、初めに必要な液体232の量を少なくすることができる。このため、流動性を有する液体232の重さが第3共通液室部材208の変形を阻害する影響を少なくでき、良好なダンパ機能が得られる。
また、このインクジェット記録ヘッド200では、第2共通液室219y、219m、219c、219kから蒸発した水分は第3共通液室部材208と液体232とを通って空間241に拡散したのち、連通路231を通って大気に拡散することになる。水分が液体232を通る際、液体232への水分の吸収、液体232内での水分の拡散、液体232表面からの水分の蒸発という経路を経るため、液体232がない場合に比べて、インクの水分の揮発が遅くなる。これによりインク増粘を抑え、良好な吐出性能を維持することができる。この効果は、第2共通液室219y、219m、219c、219kが液体232で覆われているほど効果があるので、第3共通液室部材208の第2共通液室219y、219m、219c、219kと対向する部分の全てが覆われていることが好ましい。
さらに、流動性を有する液体232は疎水性であることが好ましい。液体232が疎水性であると液体232を通過しての水分の移動が無く、インク水分の蒸発がなくなる。このため、このような液体232としては、非水溶性の油などがよく、例えば、蒸発しにくい第4石油類に分類される機械油などがよい。
流動性を有する液体232は、その粘度が低い方が第3共通液室部材208の変形を阻害する影響が小さく、300[mPa・s]以下であることが好ましい。また、流動性を有する液体232の粘度が低いと、第3共通液室部材208の変形を阻害する影響が同じでも、粘度が高い場合に比べて液体232の層を厚くできる。このため、長期保存時にインクジェット記録ヘッド200が傾いていても、液体232が第2共通液室219y、219m、219c、219kに対向する位置にとどまり易くなり、インクの水分の蒸発を良好に抑えることができる。これより、流動性を有する液体232の粘度は、100[mPa・s]以下であることがより好ましい。
図3は、他の例に係るインクジェット記録ヘッドのA−A’線断面図である。図3のインクジェット記録ヘッドでは、第3共通液室部材208の第2共通液室219y、219m、219c、219kと接する部分が凹構造となっている。少なくともこの凹構造部に液体232を入れることで、液体232が、選択的に第2共通液室219y、219m、219c、219kと対向する位置に有るようにできる。これにより、液体232の量が少なくて済み、液体232によるコスト増加を抑制できる。また、長期保存時にインクジェット記録ヘッド200が多少傾いていても、液体232が第2共通液室219y、219m、219c、219kに対向する位置にとどまることができるので、インクの水分の蒸発を良好に抑えることができる。
なお、図3では第2共通液室219y、219m、219c、219kの短手方向に凹構造部を有しているが、もちろん、長手方向に凹構造部を有していてもよい。この場合、インクジェット記録ヘッドが長手方向に傾いても、液体232が第2共通液室219y、219m、219c、219kに対向する位置にとどまることができるので、インクの水分の蒸発を抑えることができる。
次に、本実施形態の画像形成装置として、上記インクジェット記録ヘッドを液滴吐出ヘッドとして搭載したインクジェット記録装置の一例について説明する。
図4は本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。図4に示す本実施形態のインクジェット記録装置100は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101を備えている。このキャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッド(不図示)及び、液滴吐出ヘッドに対してインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103等を収納している。装置本体の下方部には前方側から多数枚の記録材を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)(不図示)を抜き差し自在に装着されている。また、記録材を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ(不図示)を有している。給紙カセットあるいは手差しトレイから給送される記録材を取り込み、印字機構部103によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ(不図示)に排紙する。なお、記録材は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の材質の媒体を含むものとする。
印字機構部103は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド104と従ガイドロッド105とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持する。このキャリッジ101には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドを複数のノズルを主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ101には液滴吐出ヘッドに各色のインクを供給するための各インクカートリッジ102を交換可能に装着している。
インクカートリッジ102は、上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッドへインクを供給する供給口が設けられている。内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド(不図示)へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッドとしては各色毎に液滴吐出ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液滴吐出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド104に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド105に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ106で回転駆動される駆動プーリ107と従動プーリ108との間にタイミングベルト109を張装している。このタイミングベルト109をキャリッジ101に固定し、主走査モータ106の正逆回転によりキャリッジ101が往復に走査される。
このインクジェット記録装置100で記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッドを駆動することにより、停止している記録材にインクを吐出して1行分を記録し、その後、記録材を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または記録材の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ記録材を排紙する。
また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッドの吐出不良を回復するための回復装置110を配置している。回復装置110はそれぞれ図示していないキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置110側に移動されてキャッピング手段で液滴吐出ヘッドをキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインクの乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインクの粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
インク滴などの液滴を吐出するための複数のノズル211と、ノズルに連通する複数の個別液室213と、複数の個別液室に液体を供給する第2共通液室219などの共通液室と、個別液室内を昇圧するためのアクチュエータ215と、共通液室の少なくとも一部を形成する第3共通液室部材208などの可撓性部材と、可撓性部材を介して共通液室に対向するよう設けられた空間241と、空間を外部に連通させるための連通路231とを備えたインクジェット記録ヘッド200などの液滴吐出ヘッドである。この液滴吐出ヘッドで、上記空間内の共通液室に対向する部分に流動性を有する液体232を有する。
(態様A)においては、共通液室から蒸発した水分が、可撓性部材と流動性を有する液体を透過して空間に拡散したのち、連通路を通って大気に拡散することになる。水分がこの液体を透過する際、液体への水分の吸収、液体内での水分の拡散、および、液体表面からの水分の蒸発という工程を経る。このため、流動性を有する液体がない場合に比べて、共通液室の液体からの水分の揮発が遅くなる。よって、共通液室の液体の粘度変化が抑制され、長期に渡って良好な吐出性能を得ることができる。
また、「流動性を有する液体」とは、液体の容器の形状に合わせて形を変えられる状態の液体であり、共通液室内に圧力変動が伝播した場合、可撓性部材が変形し、この変形した形状に合わせて流動性を有する液体が流動して形が変わる。このように流動性を有する液体は可撓性部材の変形に合わせて変形するため、流動性を有する液体が可撓性部材の変形を阻害する影響は小さい。一方、粘弾性物質は、高い粘性をもち、流動性がなく、その形は可撓性部材よりも変形し難いため、特許文献1の可撓性部材に接するよう粘弾性物質を配置した構成では、粘弾性物質が可撓性部材の変形を大きく阻害してしまう。よって、特許文献1の構成に比べて、ダンパ機能の低減を抑えることができ、共通液室内に伝播した圧力変動の良好なダンパ効果を得ることができる。
(態様B)
(態様A)において、流動性を有する液体が疎水性である。この液体が疎水性であると、疎水性物質を通過しての水分の移動が無く、共通液室内の液体の水分の蒸発がなくなる。このため、共通液室からの水分の揮発を良好に抑制することができる。
(態様C)
(態様A)または(態様B)において、空間内の共通液室に対向する部分の全面に流動性を有する液体を有する。これによれば、水分の蒸発が可能な、共通液室に対向する部分の全面において水分の蒸発を抑える効果が得られるので、共通液室内の液体の水分の揮発を良好に抑制することができる。
(態様D)
(態様A)、(態様B)または(態様C)において、空間内の連通路が連通する位置に空気層を有している。空間内の連通路が連通する位置に空気層がない場合は、可撓性部材の変形により、流動性を有する液体が移動して連通路を通ることになり抵抗が発生し、可撓性部材の変形が阻害され、ダンパ機能が低下する。これに対して、空間内の連通路が連通する位置に空気層がある場合は、流動性を有する液体が移動した分は空気層の体積変化となるので抵抗が発生しない。このため、良好なダンパ機能を得ることができる。
(態様E)
(態様A)、(態様B)、(態様C)または(態様D)において、可撓性部材の共通液室に対向する部分を凹部状に形成し、凹部状部分に流動性を有する液体を有する。これによれば、流動性を有する液体がある領域を凹部状部分に限定でき、この液体の量を少なくでき、液体によるコスト増加を抑制できる。また、液体が移動できる範囲が制約され、液体を必要な部分に留めることができるので、水分の蒸発を抑える効果を効率的に得ることができる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)の何れかの液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置100などの画像形成装置である。これによれば、長期に渡って良好な画像が得られる。
100 インクジェット記録装置
101 キャリッジ
102 インクカートリッジ
200 インクジェット記録ヘッド
201 ノズル板
202 個別液室形成基板
203 アクチュエータ基板
204 保護基板
205 第1共通液室基板
206 第2共通液室基板
207 ハウジング
208 第3共通液室部材
209 インク供給部材
211 ノズル
213 個別液室
215 アクチュエータ
219 第2共通液室
231 連通路
232 流動性を有する液体
241 空間
特開2012−139990号公報

Claims (6)

  1. 液滴を吐出するための複数のノズルと、該ノズルに連通する複数の個別液室と、該複数の個別液室に液体を供給する共通液室と、該個別液室内を昇圧するためのアクチュエータと、該共通液室の少なくとも一部を形成する可撓性部材と、該可撓性部材を介して該共通液室に対向するよう設けられた空間と、該空間を外部に連通させるための連通路とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    上記空間内の上記共通液室に対向する部分に流動性を有する液体を有すること特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1の液滴吐出ヘッドにおいて、上記流動性を有する液体が疎水性であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1または2の液滴吐出ヘッドにおいて、上記空間内の上記共通液室に対向する部分の全面に上記流動性を有する液体を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1、2または3の液滴吐出ヘッドにおいて、上記空間内の上記連通路が連通する位置に空気層を有していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1、2、3または4の液滴吐出ヘッドにおいて、上記可撓性部材の上記共通液室に対向する部分を凹部状に形成し、該凹部状部分に上記流動性を有する液体を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至5の何れかの液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11040544B2 (en) 2019-03-20 2021-06-22 Ricoh Company, Ltd. Liquid discharge head, head module, head unit, liquid discharge device, and liquid discharge apparatus

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