JP5446954B2 - インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドへのインク充填方法 - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドへのインク充填方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドへのインク充填方法に関する。
従来、記録ヘッドのノズルからインク滴を吐出させて記録媒体に所望の画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。近年では、インクジェット記録装置は、例えば、プリントオンデマンド(POD)等の印刷用途にも用いられるようになっている。
インクジェット記録装置は、小型化のニーズが高く、画像形成に重要な役割を果たすインクジェットヘッドにも小型化が求められている。そのため、ノズルや圧力室等が従来に比べて密集するように配置された構造となっている。また、インクジェットヘッドの軽量化、小型化を図ることで、高速印字が可能となっている。
このように、ノズルを密集させると共に高速印字を可能とすることで、インクの消費量も大きくなる。そのため、圧力室に供給するインクが途中で不足しないよう、大型の共通インク室が設けられている。
また、共通インク室を大きく形成することにより、各チャネルの圧力室から伝わるインクの振動を吸収する機能を持たせることができる。
共通インク室を大型にすると、空の共通インク室にインクを供給する際に供給口から底面までの高低差により、気泡ができてしまう。気泡ができると、インク中又はインクの液面に気泡が存在したまま圧力室に送られて圧力室の充填不良やノズルからの吐出不良を引き起こしてしまう。
このような問題を解決するため、共通インク室の壁面に接触しながら移動する可動部材により気泡を除去する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の構成として、共通インク室の下方にアセンブリ部材を設けてインクの流れを向上することで気泡を排出しやすくした構成が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−98807号公報 特開2008−6646号公報
しかし、特許文献1に記載の発明においては、可動部材の駆動機構を設ける必要があるため、共通インク室まわりの構造が複雑になるという問題があった。
また、特許文献2に記載の発明においては、アセンブリ部材は、共通インク室の下方に設けられていることから、インクの液面まで上昇した気泡を取り除ける構成ではなかった。
また、特許文献1,2においては、発生した気泡を取り除くためのものであり、共通インク室内において気泡の発生を抑制できるものではなかった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、インクに発生した気泡が圧力室に送られることを防止することができるインクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドへのインク充填方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
インクを吐出する複数のノズルと、
各ノズルにそれぞれ個別に連通され、吐出するインクを貯留する複数の圧力室と、
前記複数の圧力室に連通され、各圧力室に供給するインクを貯留する共通インク室と、
前記複数の圧力室にそれぞれ個別に対応して設けられ、各圧力室のインクを吐出させるための力を付与するアクチュエータと、を備え、前記ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドにおいて、
前記共通インク室は、
室内を複数の空間に仕切る隔壁と、
前記隔壁に形成され、隣接する空間にインクを流通させる流通孔と、
を備え
前記流通孔は、前記隔壁の高さ方向の下半分の領域に形成されており、
前記流通孔を通ったインクが流入される空間に面する前記隔壁の壁面には、前記流通孔に連続し、インクを下方に導く溝が形成されており、
前記隔壁は、前記流通孔から流出したインクを所定の領域に集約する集約部を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記集約部は、前記共通インク室から前記圧力室へのインクの流入口の上方から外れた位置に配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記集約部は、前記隔壁の下端部に形成された傾斜面の最下点であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記共通インク室の空間には、前記共通インク室の底面よりも高い位置で落下するインクを受ける緩衝部材を設けたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、インクジェットヘッドにおいて、
インクを吐出する複数のノズルと、
各ノズルにそれぞれ個別に連通され、吐出するインクを貯留する複数の圧力室と、
前記複数の圧力室に連通され、各圧力室に供給するインクを貯留する共通インク室と、
前記複数の圧力室にそれぞれ個別に対応して設けられ、各圧力室のインクを吐出させるための力を付与するアクチュエータと、を備え、前記ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドにおいて、
前記共通インク室は、
室内を複数の空間に仕切る隔壁と、
前記隔壁に形成され、隣接する空間にインクを流通させる流通孔と、
を備え、
前記流通孔を通ったインクが流入される空間に面する前記隔壁の壁面には、前記流通孔に連続し、インクを下方に導く溝が形成され、
前記共通インク室の空間には、前記共通インク室の底面よりも高い位置で落下するインクを受ける緩衝部材を設けたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記流通孔は、前記隔壁の高さ方向の下半分の領域に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記隔壁は、前記流通孔から流出したインクを所定の領域に集約する集約部を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記集約部は、前記共通インク室から前記圧力室へのインクの流入口の上方から外れた位置に配置されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8の何れか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記集約部は、前記隔壁の下端部に形成された傾斜面の最下点であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項4〜9の何れか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記緩衝部材は、多孔質材で形成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記多孔質材は、樹脂材料を発泡させて作製されたものであることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、インクジェット記録装置において、
請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備えることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの共通インク室にインクを充填するインクジェットヘッドへのインク充填方法において、
前記共通インク室は、
インクが供給される第1の空間と、
前記第1の空間に前記隔壁を介して隣接し、前記第1の空間から前記流通孔を介してインクが流入する第2の空間と、
前記第1の空間に接続され、前記第1の空間内にインクを供給する供給口と、
前記第1の空間に接続され、前記第1の空間内のインク又は空気を排出する第1の排出口と、
前記第2の空間に接続され、前記第2の空間内のインク又は空気を排出する第2の排出口と、を備え、
前記第1の排出口を開くと共に前記第2の排出口を閉じるステップと、
前記供給口を開いて前記第1の空間内にインクを供給するステップと、
前記第1の空間内のインクの液面が前記流通孔よりも上方にきたときに、前記第2の排出口を開くステップと、
前記第1の空間内がインクで満たされたときに前記第1の排出口を閉じるステップと、
前記第2の空間内がインクで満たされたときに前記第2の排出口を閉じるステップと、
を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、共通インク室内には隔壁が設けられているので、共通インク室内に供給されたインクは、隔壁内に貯留されていく。このとき、インクの供給時に気泡ができることもある。
その場合、インク内の気泡は、インクの液面まで上昇し、下がることはないので、流通孔から隣接する空間内に流出することはない。
このように、インクだけを流通孔から流出させ、気泡をインクが供給される最初の空間内に残すようにすることで、隣接する空間内に貯留された気泡を含まないインクを圧力室に送ることが可能となる。
よって、インクに発生した気泡が圧力室に送られることを防止することができる。
これにより、インク吐出時におけるインク滴の曲がりやブレ、吐出速度のばらつきのない安定した吐出を実現できる。
請求項2に記載の発明によれば、流通孔を隔壁の高さ方向の下半分の領域に形成することで、発生した気泡が隔壁を挟んで隣接する空間に移動することを防止する効果をより高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、流通孔を通ったインクが流入される空間に面する隔壁の壁面には、流通孔に連続し、インクを下方に導く溝が形成されているので、流通孔を通過したインクは、溝に沿って移動し、共通インク室の下方に移動する。
これにより、インクの落下高さをより低くすることができ、気泡の発生をより効果的に防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、隔壁が集約部を有することにより、インクは集約部に集められ、集約部から下方に落下する。
これにより、共通インク室の底面へのインクの落下位置を決めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、集約部は、共通インク室から圧力室へのインクの流入口の上方から外れた位置に配置されているので、集約部から落下したインクが圧力室へのインクの流入口に接触してその位置で気泡が生じる危険性を排除することができる。
請求項6に記載の発明によれば、集約部は、隔壁の下端部に形成された傾斜面の最下点であることから、簡易な構成で集約部を形成することができる。
請求項7に記載の発明によれば、緩衝部材を設けることにより、共通インク室の底面よりも高い位置で落下してくるインクを受けることができる。
これにより、インクの落下高さをより低くすることができ、気泡の発生をより効果的に防止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、緩衝部材を多孔質材で形成することにより、気泡の発生をより効果的に防止することができる。
請求項9に記載の発明によれば、多孔質材は、樹脂材料を発泡させて作製されているので、軽量な多孔質材を作ることができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備えることにより、インクに発生した気泡が圧力室に送られることを防止することができる。
請求項11に記載の発明によれば、最初に、第1の排出口を開くと共に第2の排出口を閉じる。次いで、供給口を開いて第1の空間内にインクを供給する。次いで、第1の空間内のインクの液面が流通孔よりも上方にきたときに、第2の排出口を開く。次いで、第1の空間内がインクで満たされたときに第1の排出口を閉じる。次いで、第2の空間内がインクで満たされたときに第2の排出口を閉じる。
これにより、インク内の気泡を排出しつつ、気泡を含まないインクを第2の空間内に貯留することができる。
インクジェット記録装置の要部を示す模式図。 インクジェットヘッドの斜視図。 インクジェットヘッドの縦断面図。 共通インク室の斜視図。 共通インク室の分解斜視図。 共通インク室の筐体の一方向からの斜視図。 共通インク室の筐体の他方向からの斜視図。 インクジェットヘッドへのインクの充填方法の流れを示すフローチャート。 共通インク室にインクを充填しているときの状態を説明する図4におけるA−A断面図。 共通インク室の斜視図。 共通インク室の分解斜視図。 共通インク室の筐体の一方向からの斜視図。 共通インク室の筐体の他方向からの斜視図。 共通インク室にインクを充填しているときの状態を説明する正面図。
以下、図面を参照して、インクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置及びインクジェットヘッドへのインク充填方法について説明する。
以下、インクジェット記録装置の全体構成について説明した後、インクジェット記録装置の一構成となるインクジェットヘッドについて説明し、最後にインクジェットヘッドへのインク充填方法について説明する。
[第1の実施形態]
<インクジェット記録装置>
図1は、インクジェット記録装置1の要部を示す模式図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、記録媒体Pを矢印Zの方向(以下、搬送方向Zという)へ搬送する搬送部2を備えている。搬送部2は接地されており、接地電位に維持されている。記録媒体Pとしては、紙や布帛のほか、インク吸収性の無いプラスチックフィルムや金属類等を用いることが可能であり、特に限定されない。なお、ここでの紙とは、インク吸収性を有するインクジェットプリンタ専用紙は勿論のこと、インク吸収性の弱いコート紙やアート紙、及び普通紙を含むものである。
搬送部2の上方には、搬送部2上の記録媒体Pへインク滴Dを吐出するインクジェットヘッド3が配設されている。このインクジェットヘッド3には、インク滴Dを吐出する複数のノズル11が、図中のX方向及びY方向に配列されている(図2参照)。また、搬送部2の上方であって、インクジェットヘッド3よりも搬送方向Zの下流側には、記録媒体Pの表面に着弾したインク滴Dへ紫外線を照射する照射装置4が配設されている。
搬送部2、インクジェットヘッド3、照射装置4は、制御部5に接続されており、この制御部5により制御される。制御部5には、インクジェットヘッド3のノズルプレート20に静電電圧を印加する静電電圧電源5aが備えられている。この静電電圧電源5aにより、ノズルプレート20の下面と搬送部2上面との間、ひいてはノズルプレート20の下面と記録媒体P表面との間のギャップGに、所定の静電電圧を印加可能となっている。
<インクジェットヘッドの構成>
図2は、インクジェットヘッド3の斜視図である。
この図に示すように、インクジェットヘッド3はその下端にインク滴Dを吐出する複数のノズル11が形成されたノズルプレート20を備えている。
図3は、インクジェットヘッドの縦断面図である。図3に示すように、インクジェットヘッド3は、インクを吐出する複数のノズル11が形成されたノズルプレート20を有している。ノズルプレート20は、ノズル11からインクと下方に吐出する際にインクジェットヘッド3の最下層に位置する。ノズルプレート20には、ノズル11及びインク流路12が形成されている。
ノズルプレート20には、中間プレート層部30が積層され、接合されている。中間プレート層部30には、ノズル11へのインク流路31が中間プレート層部30の厚さ方向に貫通するように形成されている。インク流路31は、中間プレート層部30をノズルプレート20に積層した際に、インク流路12に連通する位置に形成されている。
中間プレート層部30には、圧力室層部40が積層され、接合されている。圧力室層部40には、ノズル11から吐出するインクを貯留する圧力室41が形成されている。圧力室41は、圧力室層部40の下面側から上面側に向けて掘り込むように形成されている。すなわち、圧力室41は下面側で開口され、上面側は、わずかな厚さだけ残すように圧力室層部40の厚さ方向に彫り込まれている。圧力室層部40における圧力室41の上方に位置する薄層部が振動板50として機能する。すなわち、振動板50は、圧力室41の一壁部を構成している。
圧力室41は、圧力室層部40を中間プレート層部30に積層した際に、インク流路31に連通する位置に形成されている。
圧力室層部40には、圧力室41へのインク流路となるインレット(絞り流路)42が当該圧力室層部40の厚さ方向に貫通するように形成されている。圧力室41とインレット42は、圧力室層部40においては互いに独立するように形成されているが、中間プレート層部30に圧力室層部40を積層した際に、中間プレート層部30に形成されたインク流路32を介して連通される。従って、インクは、インレット42、インク流路31を通って圧力室41に貯留される。
振動板50には、当該振動板50を挟んで圧力室41に対向する位置に圧電素子60が設けられている。
圧電素子60は、PZT(lead zirconium titanate)からなるアクチュエータである。圧電素子60は、複数の圧力室41にそれぞれ個別に対応して設けられ、各圧力室41のインクを吐出させるための力を付与する。圧電素子60は、上面側及び下面側から二つの電極により挟まれている。
電極に電圧を印加すると、電極に挟まれた圧電素子60が変位し、圧電素子60の変位により振動板50も変位する。この振動板50の動作により、振動板50の下方に存在する圧力室41内のインクがノズルからインク滴D(図1参照)として吐出される。
振動板50には、振動板50と後述する配線層部80とを接着する感光性の接着剤からなる感光性接着層部(感光性ドライフィルム)70が積層され、接合されている。
感光性接着層部70には、当該振動板50を挟んで圧力室41に対向する位置に圧電素子60を収容する空間71が感光性接着層部70の厚さ方向に貫通するように形成されている。空間71は、各圧電素子60を個別に収容するように複数形成されている。
感光性接着層部70には、空間71とは独立してインク流路72が感光性接着層部70の厚さ方向に貫通するように形成されている。インク流路72は、振動板50に感光性接着層部70を積層した際に、インレット42に連通するように形成されている。
感光性接着層部70には、配線基板を有する配線層部80が積層され、接合されている。配線層部80は、配線基板であるインターポーザを絶縁層部で挟み込んで構成されている。
配線層部80には、感光性接着層部90が積層され、接合されている。感光性接着層部90は、配線層部80の上面に積層され、接合されている。感光性接着層部90は、上方の共通インク室100を積層、接合する感光性の接着剤である。
感光性接着層部90には、インクを圧力室41に導くためのインク流路92が感光性接着層部90の厚さ方向に貫通するように形成されている。インク流路92は、配線層部80に感光性接着層部90を積層した際に、配線層部80のインク流路88に連通するように形成されている。
感光性接着層部90には、共通インク室100が設けられている。共通インク室100は、感光性接着層部90により配線層部80に接着、固定されている。
共通インク室100は、各層部における各インク流路を介して圧力室41に連通されている。共通インク室100は、全ての圧力室41にインク流路を介して連通されており、全ての圧力室41にインクを供給することができるように形成されている。
<共通インク室の構成>
次に、本発明の特徴部分である共通インク室100の構成について詳細に説明する。
図4は共通インク室100の斜視図、図5は共通インク室100の分解斜視図、図6は共通インク室100の筐体101の一方向からの斜視図、図7は共通インク室100の筐体101の他方向からの斜視図である。
図4〜図7に示すように、共通インク室100は、筐体101と、隔壁102と、供給口103と、排出口104,105とを備えている。
筐体101は、内部が中空に形成され、感光性接着層部90の上面に取り付けられている。筐体101は、二つの側壁部106と、二つの側壁部106の上端に連続するように形成された天板部107とを備えている。筐体101の正面及び背面には、蓋部108が筐体101に対して着脱自在に設けられている。蓋部108は、プラスチック、金属、ガラス等の材料から形成されている。
従って、筐体101は、二つの側壁部106及び天板部107と、正面及び背面の蓋部108と、底面となる感光性接着層部90とによって閉塞された内部空間が形成される。この内部空間にインクを貯留することができる。
隔壁102は、筐体101の天板部107の裏面側(下面側)から連続するように形成されている。隔壁102は、筐体101内の空間を複数の空間に仕切るものである。隔壁102は、直壁部110,111と傾斜壁部112,113,114とを備えている。
直壁部110,111は、天板部107の裏面から下方(Z方向)に延びるように形成されている。直壁部110,111は、一定の間隔をあけて互いに対向するように二つ形成されている。直壁部110,111の奥行きは、二つの側壁部106と同じ奥行きに形成されており、蓋部108を取り付けた際に、側壁部106、天板部107、直壁部110,111が蓋部108に当接する。
傾斜壁部112は、直壁部110の下端に連続するように形成されている。傾斜壁部112は、その下端が、下方かつ対向する直壁部111に向けて傾斜するように形成されている。傾斜壁部112の一方の側縁の上端から下端までは蓋部108に密着できるよう、二つの側壁部106の一端面と面一となるように形成されている。
傾斜壁部113は、直壁部111の下端に連続するように形成されている。傾斜壁部113は、その下端が、下方かつ対向する直壁部110に向けて傾斜するように形成されている。傾斜壁部113の一方の側縁の上端から下端までは蓋部108に密着できるよう、二つの側壁部106の一端面と面一となるように形成されている。
傾斜壁部114は、傾斜壁部112と傾斜壁部113とを連結するように、双方の傾斜壁部112,113の他方の側縁に連続するように形成されている。傾斜壁部114は、下方かつ筐体101の背面側(一方の蓋部側)に向けて傾斜するように形成されている。
このように、隔壁102によって囲まれる内側の空間は、インクが直接供給される第1の空間121となり、隔壁102を介して第1の空間121に隣接する隔壁102の外側の空間は、隔壁102の後述する流通孔115を介してインクが流入する第2の空間122となる。
傾斜壁部114には、ほぼ同じ高さに複数の流通孔115が形成されている。流通孔115は、第1の空間121から傾斜壁部114を挟んで隣接する第2の空間122にインクを流通させるための孔である。ここで、隔壁102において、直壁部110,111の高さと、傾斜壁部112,113,114の高さはほぼ等しくなるように形成されている。そのため、傾斜壁部114に形成された流通孔115は、隔壁102の高さ方向の下半分の領域に形成されていることになる。
第2の空間122に面する傾斜壁部114の壁面には、各流通孔115に個別に連続し、流通孔115から下方に延びる溝116が形成されている。溝116は、傾斜壁部114の傾斜面に沿って下方に直線状に形成されている。溝116は、流通孔115を通過して第2の空間122に流入したインクを傾斜壁部114の下端に導くものである。
傾斜壁部112,113,114の下端は、同じ高さに形成され、各下端が連なるように形成されている。傾斜壁部112,113,114の下端(最下点)は、流通孔115から流出したインクを集約させる領域であり、集約部117として機能する。
集約部117は、共通インク室100から圧力室41に向かう感光性接着層部90のインク流路92の上方から外れた位置になるように形成、配置されている。すなわち、集約部117から落下するインクがインク流路92に直接流入することを防止してインク流路92内に気泡が混じることを防止している。
供給口103は、第1の空間121にインクを供給するためのものであり、天板部107に設けられている。供給口103は、第1の空間121に連通するように形成されている。供給口103は、例えば、電磁弁により構成され、制御部5によって開閉される。もちろん、手作業によって開閉する機械的な弁であってもよい。
排出口104は、第1の空間121内のインク又は空気を排出するためのものであり、天板部107に設けられている。排出口104は、第1の空間121に連通するように形成されている。すなわち、排出口104は、第1の排出口として機能する。排出口104は、例えば、電磁弁により構成され、制御部5によって開閉される。もちろん、手作業によって開閉する機械的な弁であってもよい。
排出口105は、第2の空間122内のインク又は空気を排出するためのものであり、天板部107に二つ設けられている。排出口105は、第2の空間122に連通するように形成されている。すなわち、排出口105は、第2の排出口として機能する。排出口105は、例えば、電磁弁により構成され、制御部5によって開閉される。もちろん、手作業によって開閉する機械的な弁であってもよい。
<インクジェットヘッドへのインク充填方法>
次に、上記の共通インク室を有するインクジェットヘッドへのインクの充填方法について説明する。
図8は、インクジェットヘッドへのインクの充填方法の流れを示すフローチャートである。図9は、共通インク室100にインクを充填しているときの状態を説明する図である。
図8に示すように、インクジェット記録装置1の制御部5は電磁弁を駆動させ、第1の排出口104を開くと共に第2の排出口105を閉じる(ステップS1)。
次いで、制御部5は、供給口103を開いて第1の空間121内にインクを供給する(ステップS2)。
次いで、制御部5は、第1の空間121内のインクの液面が流通孔115よりも上方であるか否かを判断する(ステップS3)。ここで、制御部5による第1の空間121内のインクの液面が流通孔115よりも上方にきたか否かの判断は、隔壁102における流通孔115よりも上方に設けられた液面センサからの検出結果によって判断する。
ステップS3において、制御部5は、第1の空間121内のインクの液面が流通孔115よりも上方にきたと判断した場合(ステップS3:YES)、制御部5は、第2の排出口105を開き、第2の空間122内にインクを流入させる(ステップS4)。
第2の排出口105を開くことにより、第1の空間121と第2の空間122との圧力差により、図9に示すように、第1の空間121内のインクは流通孔115から第2の空間122内に流出する。流通孔115から流出したインクは、溝116に案内されて傾斜壁部114の下端の集約部117に集まる。集約部117に到達したインクは、蓋部108を伝って感光性接着層部90の上面に導かれ、第2の空間122内にインクが溜まっていく。
次いで、制御部5は、第1の空間121内がインクで満たされたか否かを判断する(ステップS5)。ここで、制御部5による第1の空間121内がインクで満たされたか否かの判断は、第1の空間121の最上端に設けられた液面センサからの検出結果によって判断する。
ステップS5において、制御部5は、第1の空間121内がインクで満たされたと判断した場合(ステップS5:YES)、制御部5は、第1の排出口104を閉じる(ステップS6)。
次いで、制御部5は、第2の空間122内がインクで満たされたか否かを判断する(ステップS7)。ここで、制御部5による第2の空間122内がインクで満たされたか否かの判断は、第2の空間122の最上端に設けられた液面センサからの検出結果によって判断する。
ステップS7において、制御部5は、第2の空間122内がインクで満たされたと判断した場合(ステップS7:YES)、制御部5は、供給口103及び第2の排出口105を閉じる(ステップS8)。
以上の手順により、共通インク室100内にインクを充填することができる。
<作用効果>
以上のように、上記のインクジェットヘッド3によれば、共通インク室100内には隔壁102が設けられているので、第1の空間121内に供給されたインクは、隔壁102内に貯留されていく。このとき、インクの供給時に気泡ができることもある。
その場合、インク内の気泡は、インクの液面まで上昇し、下がることはないので、流通孔115から隣接する第2の空間112内に流出することはない。
このように、インクだけを流通孔115から流出させ、気泡をインクが供給される第1の空間121内に残すようにすることで、第2の空間122内に貯留された気泡を含まないインクを圧力室41に送ることが可能となる。
よって、インクに発生した気泡が圧力室41に送られることを防止することができる。
これにより、インク吐出時におけるインク滴の曲がりやブレ、吐出速度のばらつきのない安定した吐出を実現できる。
また、流通孔115を傾斜壁部114に形成することで、流通孔115は隔壁102の高さ方向の下半分の領域に形成されることになる。これにより、発生した気泡が隔壁102を挟んで第2の空間122に移動することを防止する効果をより高めることができる。
また、流通孔115を通ったインクが流入される第2の空間122に面する傾斜壁部114の壁面には、流通孔115に連続し、インクを下方に導く溝116が形成されているので、流通孔115を通過したインクは、溝116に沿って移動し、共通インク室100の下方に移動する。
これにより、インクの落下高さをより低くすることができ、気泡の発生をより効果的に防止することができる。
また、隔壁102の傾斜壁部112,113,114の下端に集約部117が形成されていることにより、インクは集約部117に集められ、集約部117から下方に落下する。
これにより、共通インク室100の底面へのインクの落下位置を決めることができる。
また、集約部117は、共通インク室100から圧力室41へのインクの流入口の上方から外れた位置に配置されているので、集約部117から落下したインクが圧力室41へのインクの流入口に接触してその位置で気泡が生じる危険性を排除することができる。
また、集約部117は、隔壁102の下端部に形成された傾斜面の最下点であることから、簡易な構成で集約部117を形成することができる。
また、共通インク室100にインクを充填する際には、最初に、第1の排出口104を開くと共に第2の排出口105を閉じる。次いで、供給口103を開いて第1の空間121内にインクを供給する。次いで、第1の空間121内のインクの液面が流通孔115よりも上方にきたときに、第2の排出口105を開く。次いで、第1の空間121内がインクで満たされたときに第1の排出口104を閉じる。次いで、第2の空間122内がインクで満たされたときに第2の排出口105を閉じる。
これにより、インク内の気泡を排出しつつ、気泡を含まないインクを第2の空間122内に貯留することができる。
[第2の実施形態]
次に、インクジェットヘッドの第2の実施形態について説明する。なお、インクジェットヘッドの第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、共通インク室の構造であるため、相違点である共通インク室について説明し、第1の実施形態と同じ点については、説明を省略する。
<共通インク室の構成>
図10は共通インク室200の斜視図、図11は共通インク室200の分解斜視図、図12は共通インク室200の筐体201の一方向からの斜視図、図13は共通インク室200の筐体201の他方向からの斜視図である。
図10〜図13に示すように、共通インク室200は、筐体201と、隔壁202と、供給口203と、排出口204,205とを備えている。
筐体201は、内部が中空に形成され、感光性接着層部90の上面に取り付けられている。筐体201は、二つの側壁部206と、二つの側壁部206の上端に連続するように形成された天板部207と、二つの側壁部206及び天板部207に連続し、筐体201の背面側の蓋となる背面壁部212とを備えている。筐体201の正面には、蓋部208が筐体201に対して着脱自在に設けられている。蓋部208は、プラスチック(PS,PE,PC,POM等)、金属(SUS,Al等)、ガラス等の材料から形成されている。
従って、筐体201は、二つの側壁部206、天板部207及び背面壁部212と、正面の蓋部208と、底面となる感光性接着層部90とによって閉塞された内部空間が形成される。この内部空間にインクを貯留することができる。
隔壁202は、筐体201の天板部207の裏面側(下面側)から連続するように形成されている。隔壁202は、筐体201内の空間を複数の空間に仕切るものである。隔壁202は、直壁部210,211と傾斜壁部214とを備えている。
直壁部210,211は、天板部207の裏面から下方(Z方向)に延びるように形成されている。直壁部210,211は、一定の間隔をあけて互いに対向するように二つ形成されている。直壁部210,211の奥行きは、二つの側壁部206と同じ奥行きに形成されており、蓋部208を取り付けた際に、側壁部206、天板部207、直壁部210,211が蓋部208に当接する。
傾斜壁部214は、直壁部210,211の下端に連続するように形成されている。傾斜壁部214は、直壁部210と直壁部211との間を架け渡すように形成され、それぞれの直壁部210(211)の下端から対向する直壁部211(210)側に向けて下方に傾斜し、その中間位置において、最も低くなるように湾曲形成されている。
この傾斜壁部214における最下点は、背面壁部212に向けて下方に傾斜するように形成されている。傾斜壁部214の一方の側縁の上端から下端までは背面壁部212に密着できるよう、二つの側壁部206の一端面と面一となるように形成されている。傾斜壁部214の他方の側縁の上端から下端までは蓋部208に密着できるよう、二つの側壁部206の一端面と面一となるように形成されている。
このように、隔壁202によって囲まれる内側の空間は、インクが直接供給される第1の空間221となり、隔壁202を介して第1の空間221に隣接する隔壁202の外側の空間は、隔壁202の後述する流通孔215を介してインクが流入する第2の空間222となる。
傾斜壁部214には、その奥行き方向に複数の流通孔215が形成されている。流通孔215は、第1の空間221から傾斜壁部214を挟んで隣接する第2の空間222にインクを流通させるための孔である。ここで、隔壁202において、直壁部210,211の高さと、傾斜壁部214の高さはほぼ等しくなるように形成されている。そのため、傾斜壁部214に形成された流通孔215は、隔壁202の高さ方向の下半分の領域に形成されていることになる。
第2の空間222に面する傾斜壁部214の壁面には、各流通孔215に個別に連続し、流通孔215から下方に延びる溝216が形成されている。溝216は、傾斜壁部214の傾斜面に沿って下方に直線状に形成されている。溝216は、流通孔215を通過して第2の空間222に流入したインクを傾斜壁部214の下端に導くものである。
傾斜壁部214の下端(最下点)は、流通孔215から流出したインクを集約させる領域であり、集約部217として機能する。
集約部217は、共通インク室200から圧力室41に向かう感光性接着層部90のインク流路92の上方から外れた位置になるように形成、配置されている。すなわち、集約部217から落下するインクがインク流路92に直接流入することを防止してインク流路92内に気泡が混じることを防止している。
第2の空間222内には、緩衝部材250が設けられている。緩衝部材250は、第2の空間222の形状に合わせて、できるだけ隔壁202との隙間が少なくなるように形成されている。緩衝部材250は、共通インク室200の底面(感光性接着層部90の上面)よりも高い位置で落下してきたインクを受け止めるものであり、多孔質材料で形成されている。多孔質材料としては、例えば、樹脂材料を発泡させて作製されたスポンジ状のポリウレタン、ポリビニルアルコール(PVA)を用いることが好ましい。なお、気泡の発生を抑えるために多孔質材料を用いているが、共通インク室200の底面よりも高い位置で落下してきたインクを受け止めることができれば、緩衝部材250は必ずしも多孔質材料で形成する必要はなく、表面を粗く形成したプラスチック等を用いてもよい。
供給口203は、第1の空間221にインクを供給するためのものであり、天板部207に設けられている。供給口203は、第1の空間221に連通するように形成されている。供給口203は、例えば、電磁弁により構成され、制御部5によって開閉される。もちろん、手作業によって開閉する機械的な弁であってもよい。
排出口204は、第1の空間221内のインク又は空気を排出するためのものであり、天板部207に設けられている。排出口204は、第1の空間221に連通するように形成されている。すなわち、排出口204は、第1の排出口として機能する。排出口204は、例えば、電磁弁により構成され、制御部5によって開閉される。もちろん、手作業によって開閉する機械的な弁であってもよい。
排出口205は、第2の空間222内のインク又は空気を排出するためのものであり、天板部207に二つ設けられている。排出口205は、第2の空間222に連通するように形成されている。すなわち、排出口205は、第2の排出口として機能する。排出口205は、例えば、電磁弁により構成され、制御部5によって開閉される。もちろん、手作業によって開閉する機械的な弁であってもよい。
図14は、共通インク室にインクを充填しているときの状態を説明する正面図である。
共通インク室200へのインク充填の際には、図14に示すように、第1の空間221内のインクは流通孔215から第2の空間222内に流出する。流通孔215から流出したインクは、溝216に案内されて傾斜壁部214の下端の集約部217に集まる。集約部217に到達したインクは、背面壁部212を伝って感光性接着層部90の上面に導かれ、第2の空間222内にインクが溜まっていく。なお、共通インク室200へのインクの充填方法は、第1の実施形態と同様であるため省略する。
<作用効果>
以上のように、インクジェットヘッドの第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏するほか、緩衝部材250を設けることにより、共通インク室200の底面よりも高い位置で落下してくるインクを受けることができる。これにより、インクの落下高さをより低くすることができるので、気泡の発生をより効果的に防止することができる。
また、緩衝部材250を多孔質材で形成することにより、気泡の発生をより効果的に防止することができる。
また、多孔質材は、樹脂材料を発泡させて作製されているので、軽量な多孔質材を作ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の本質的部分を変更しない範囲内で自由に設計変更が可能である。
1 インクジェット記録装置
3 インクジェットヘッド
11 ノズル
41 圧力室
60 圧電素子(アクチュエータ)
100,200 共通インク室
102,202 隔壁
103,203 供給口
104,204 第1の排出口
105,205 第2の排出口
115,215 流通孔
116,216 溝
117,217 集約部
121,221 第1の空間
122,222 第2の空間
250 緩衝部材

Claims (13)

  1. インクを吐出する複数のノズルと、
    各ノズルにそれぞれ個別に連通され、吐出するインクを貯留する複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室に連通され、各圧力室に供給するインクを貯留する共通インク室と、
    前記複数の圧力室にそれぞれ個別に対応して設けられ、各圧力室のインクを吐出させるための力を付与するアクチュエータと、を備え、前記ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドにおいて、
    前記共通インク室は、
    室内を複数の空間に仕切る隔壁と、
    前記隔壁に形成され、隣接する空間にインクを流通させる流通孔と、
    を備え
    前記流通孔は、前記隔壁の高さ方向の下半分の領域に形成されており、
    前記流通孔を通ったインクが流入される空間に面する前記隔壁の壁面には、前記流通孔に連続し、インクを下方に導く溝が形成されており、
    前記隔壁は、前記流通孔から流出したインクを所定の領域に集約する集約部を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記集約部は、前記共通インク室から前記圧力室へのインクの流入口の上方から外れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記集約部は、前記隔壁の下端部に形成された傾斜面の最下点であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記共通インク室の空間には、前記共通インク室の底面よりも高い位置で落下するインクを受ける緩衝部材を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  5. インクを吐出する複数のノズルと、
    各ノズルにそれぞれ個別に連通され、吐出するインクを貯留する複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室に連通され、各圧力室に供給するインクを貯留する共通インク室と、
    前記複数の圧力室にそれぞれ個別に対応して設けられ、各圧力室のインクを吐出させるための力を付与するアクチュエータと、を備え、前記ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドにおいて、
    前記共通インク室は、
    室内を複数の空間に仕切る隔壁と、
    前記隔壁に形成され、隣接する空間にインクを流通させる流通孔と、
    を備え、
    前記流通孔を通ったインクが流入される空間に面する前記隔壁の壁面には、前記流通孔に連続し、インクを下方に導く溝が形成され、
    前記共通インク室の空間には、前記共通インク室の底面よりも高い位置で落下するインクを受ける緩衝部材を設けたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 前記流通孔は、前記隔壁の高さ方向の下半分の領域に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記隔壁は、前記流通孔から流出したインクを所定の領域に集約する集約部を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記集約部は、前記共通インク室から前記圧力室へのインクの流入口の上方から外れた位置に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記集約部は、前記隔壁の下端部に形成された傾斜面の最下点であることを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記緩衝部材は、多孔質材で形成されていることを特徴とする請求項4〜9の何れか一項に記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記多孔質材は、樹脂材料を発泡させて作製されたものであることを特徴とする請求項10に記載のインクジェットヘッド。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの共通インク室にインクを充填するインクジェットヘッドへのインク充填方法において、
    前記共通インク室は、
    インクが供給される第1の空間と、
    前記第1の空間に前記隔壁を介して隣接し、前記第1の空間から前記流通孔を介してインクが流入する第2の空間と、
    前記第1の空間に接続され、前記第1の空間内にインクを供給する供給口と、
    前記第1の空間に接続され、前記第1の空間内のインク又は空気を排出する第1の排出口と、
    前記第2の空間に接続され、前記第2の空間内のインク又は空気を排出する第2の排出口と、を備え、
    前記第1の排出口を開くと共に前記第2の排出口を閉じるステップと、
    前記供給口を開いて前記第1の空間内にインクを供給するステップと、
    前記第1の空間内のインクの液面が前記流通孔よりも上方にきたときに、前記第2の排出口を開くステップと、
    前記第1の空間内がインクで満たされたときに前記第1の排出口を閉じるステップと、
    前記第2の空間内がインクで満たされたときに前記第2の排出口を閉じるステップと、
    を有することを特徴とするインクジェットヘッドへのインク充填方法。
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