JP6177442B2 - 金属溶湯濾過装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウムやアルミニウム合金を始めとする各種の金属の溶湯中に存在する介在物等を除去する金属溶湯濾過装置に関する。
アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属を含む溶湯(以下、単に「溶湯」ともいう)は、これらに介在物等が含まれていると、鋳造などをした場合に鋳造物に欠陥等が生じる原因となったり、鋳造物を圧延した際に割れの起点となるので、該溶湯を濾過して介在物等を取り除くことが行われている。このような金属溶湯の濾過を行う濾過装置としては、例えば1本以上の多孔質セラミックス製の濾過チューブを、溶湯の貯留部内に横向きに配した装置が広く知られている。かかる濾過装置においては、溶湯をこの濾過チューブの外側から内側に流すことによって、溶湯中の介在物等を除去し、品質を高めることができるので、例えばアルミニウム製品の圧延時の割れやキズを減らすことができる。このような濾過装置としては、例えば特許文献1及び2に記載のものが知られている。
図24に、従来の濾過装置210の構造を模式的に示す。濾過チューブ241は、その端部の双方が、鏡板と呼ばれる2枚で一対の支持板242に支持されており、それによって濾過ユニット240が形成されている。濾過ユニット240は、くさび板290によって濾過装置210の缶体部220内に押し付けられ、それによって溶湯に対するシールが保たれている。一対の支持板242はそれぞれ、支持台230に支持されている。
また、出願人は先に、濾過チューブを溶湯の貯留部内に、横向きではなく、水平面と交差するように配置した濾過装置を提案した(特許文献3)。同文献の図1〜図3に示す形態においては、濾過ユニットが缶体部内に装着されたときに、濾過チューブの長手方向が缶体部の水平方向と交差し、且つ該濾過チューブの開口部が上方を向くように構成されている。
特開平5−195101号公報 特開平9−137235号公報 特開2013−136812号公報
図24に示す濾過装置210のように濾過チューブ241が横向きに配置された濾過装置では、長期間の使用に伴い、支持台230への溶湯の付着及び固化等により、濾過チューブでの支持台230の高さがわずかに異なってしまう場合がある。この場合、くさび板290によって缶体部220内に押し付けられたときの支持板242の支持台230に対する当接の強弱が、2枚の支持板242の間でずれてしまう。そうすると、濾過ユニット240のシール性が低下して金属溶湯の漏れに繋がる恐れがある。ひとたび金属溶湯の漏れが起こると、フィルターを通過していない溶湯が漏れとして存在することから、漏れが発生した際の金属溶湯全ての再処理が必要となって、その再処理に時間と手間がかかり、多大な損失が発生してしまう。
また特許文献3に記載された濾過チューブを縦向きに配した濾過装置では、金属溶湯はその濾過時、濾過チューブの外側から内側に入り込んでチューブ内を上方に流れ、チューブの上方の開口部を通じて装置外へ出湯される。出湯時における金属溶湯の上方への流れに伴って濾過チューブを固定する支持板が浮いてしまうと、金属溶湯が漏れてしまう恐れがある。このため特許文献3では、支持板の浮き防止のための錘等が提案されている。
しかしながら、特許文献3に記載の濾過装置は、支持板の浮きを効果的に防止する観点から、改善の余地があった。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る金属溶湯濾過装置を提供することにある。
本発明は、上部に開口部を有する缶体部と、
前記缶体部内の貯留部に着脱可能に装着される濾過ユニットと、を有する金属溶湯濾過装置であって、
前記濾過ユニットは、支持板と、該支持板の厚み方向に沿って該支持板に固定された1本又は複数本の有底筒状の多孔質セラミックス製濾過チューブとを有し、
前記濾過ユニットは、該濾過ユニットが前記缶体部内に装着されたときに、前記濾過チューブの長手方向が前記缶体部の水平方向と交差し、且つ該濾過チューブの開口部が上方を向くように構成されており、
前記支持板を前記缶体部内に装着するための係止部が、該缶体部の壁面部から水平方向内方に向けて突出するように該缶体部の壁面部に設けられており、
前記係止部に係止した状態の前記支持板における、前記濾過チューブの固定位置よりも周縁部側の部分を、該支持板の上面側から下方に押圧するための押圧部材を設け、
前記係止部と前記押圧部材によって前記支持板を挟圧固定可能とした、金属溶湯濾過装置を提供するものである。
本発明の金属溶湯濾過装置によれば、濾過ユニットのシールが容易であり、且つ、支持板の浮き上がり及びそれによる金属溶湯の漏れを効果的に防止できる。
図1は、本発明の一実施形態である金属溶湯濾過装置10を、缶体部20を一部切り欠いて示した分解斜視図である。 図2は、濾過ユニット40を装着した後、蓋体52(加熱ユニット50)及び蓋体92を装着する前の装置10を図1のI−I線に沿って切断矢視した端面図である。 図3は、図2の状態の濾過装置10を図1のII−II線で切断矢視した端面図である。 図4は、図2及び図3の状態の濾過装置10を同図のIII−III線で切断矢視した断面図である。 図5は、図1に示す濾過ユニット40を、支持板42の背面側から示す斜視図である。(a)は装着手段に係合していない状態、(b)が装着手段に係合した状態を示す。 図6は、濾過ユニット40を缶体部20内に装着する途中の状態の濾過装置10を、缶体部を一部切り欠いて示した斜視図である。 図7は、濾過ユニット40の装着から楔体70の凹部39への嵌入までの動作を、(a)、(b)及び(c)の順に示した図であり、図3に相当する端面図を一部拡大した図である。 図8は、図1に示す加熱ユニット50の分解斜視図である。 図9は、蓋体52を装着した後の濾過装置10の図2相当図である。 図10は、第1の蓋体52に代えて第2の蓋体92を装着する場合の濾過装置10の図1相当図である。 図11は、第1の蓋体52に代えて第2の蓋体92を装着する場合の濾過装置10の図9相当図である。 図12は、本発明の他の実施形態である金属溶湯濾過装置110の分解斜視図である。 図13は、蓋体(加熱ユニット)装着前の濾過装置110を図12のI’−I’線で切断矢視した断面図である。 図14は、図13の状態の濾過装置110を図12のII’−II’線で切断矢視した端面図である。 図15は、図14のうち、缶開口部9付近を一部拡大した拡大断面図である。 図16は、図13の状態の濾過装置を同図のIII’−III’線で切断矢視した断面図である。 図17は、第2の蓋体を装着した後の濾過装置の図13相当図である。 図18は、本発明のさらに別の実施形態である濾過装置110Aの分解斜視図である。 図19は、加熱ユニット装着後の濾過装置110Aを図18のA−A線で切断矢視した断面図である。 図20は、加熱ユニット装着前の濾過装置110Aを図19のB−B線で切断矢視した断面図である。 図21は、加熱ユニットに代えて第2の蓋体を取り付けた濾過装置110Aを図20のC−C線で切断矢視した端面図である。 図22は、缶体部20上における蓋材90の位置を固定するための留め具を設けた濾過装置110A’の図20相当図である。 図23は、加熱ユニットに代えて第2の蓋体を取り付けた濾過装置110A’を、図22のD−D線で切断矢視した端面図である。(a)は濾過装置110A’の上側を示す図であり、(b)は(a)の一部拡大図である。 図24は、従来の金属溶湯濾過装置210の構造を示す断面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の金属溶湯濾過装置(以下、単に「濾過装置」ともいう。)の一実施形態を示す分解斜視図である。図1に示すように、金属溶湯濾過装置10は、上部に開口部9(以下、「缶開口部9」ともいう)を有し、内部に溶湯が貯留される缶体部20と、缶体部20内に配された濾過ユニット40とを有している。濾過ユニット40は、支持板42と、該支持板42の厚み方向に沿って該支持板42に固定された1本又は複数本の有底筒状の多孔質セラミックス製濾過チューブ41とを有する。図2及び図3に示すように、濾過ユニット40は缶開口部9を通じて缶体部20内に着脱可能なものである。缶開口部9は後述する蓋体52、92により閉塞可能である。缶体部20は、例えば鉄等の金属を含むケーシングと、耐火物の内張とから構成される。
まず、図1〜図7に基づき、蓋体52、92を装着する前(従って、加熱ユニット50を装着する前)の状態の濾過装置10について説明する。図2〜図7はいずれもこの状態の濾過装置10を示している。図1等に缶体部20の深さ方向を符号Xにて示している。以下で水平面というとき、この深さ方向Xに垂直な面を意味し、水平方向というとき、深さ方向Xに垂直な方向を意味するものとする。
図1に示す缶体部20は、上部が開口した箱状の外観を呈し、平面視矩形状をした底面部21と、該底面部の四辺から起立した壁面部22とを有する。図1及び図4等に示すように、底面部21は平面視したときに略長方形状をしている。壁面部22の上端は、底面部21と平行な平坦面となっており、この面が缶体部20の上面部23を構成している。この上面部23に、缶開口部9が設けられている。
図1〜図3に示すように、缶体部20は、底面部21と壁面部22とに囲まれた内部空間4を有する。内部空間4は、その底面部21側に溶湯を貯留する貯留部3を有し、上方に開口して缶開口部9を構成している。貯留部3は平面視において略矩形状、具体的には底面部21と同方向に長い略長方形状をしており、内部に濾過ユニット40が配置可能となっている。貯留部3の内部は溶湯の濾過を実施する際において、該溶湯によって満たされる。
図1、図2及び図4に示すように、貯留部3を四方に取り囲む壁面部22の一方に、濾過すべき金属溶湯を貯留部3に入湯する入湯口5が設けられている。入湯口5には入湯樋24が設けられている。濾過すべき溶湯は、この入湯樋24に案内されて、入湯口5を通じ貯留部3へと流入する。入湯口5と出湯口6とは、缶開口部9及び貯留部3を挟んで対向している。底面部21は、この対向方向に延びる辺が短辺となり、これと直交する辺が長辺となっている。
更に、壁面部22には、底面部21付近に、該壁面部22を貫通する貫通孔8が設けられている(図3参照)。この貫通孔は、金属溶湯の濾過操作の終了後に、貯留部3内に残留している溶湯を外部に抜き出すために用いられる。
図1、図2及び図4等に示すように、缶体部20の壁面部22には、濾過した溶湯を出湯する出湯口6が設けられている。図2に示す通り、出湯口6は、缶体部20に濾過ユニット40が装着されたときに濾過チューブ41の開口部43と通じるように設けられている。出湯口6は、その下端6bが、缶体部20に装着された濾過ユニット40の支持板42の上面42bと略同じ高さ位置において、缶開口部9に通じている。出湯口6には出湯樋26が設けられている。図4に示す通り、出湯口6は、平面視したときに、貯留部3及び缶開口部9を介して入湯口5と相対する位置に設けられている。但し、入湯口5と出湯口6との配置位置は、これに限定されるものではない。後述する濾過ユニット40によって濾過された溶湯は、出湯口6を経て、出湯樋26から濾過装置10の外部に送られ、次工程へと導かれる。
図1ないし図3等に示すように、缶体部20には、濾過ユニット40を缶体部20内に装着するときに濾過ユニット40の支持板42を係止する係止部30が、缶体部20の壁面部22から水平方向内方に向けて突出するように、設けられている。この係止部30は、貯留部3の上方、缶開口部9の下端部に位置している。ここで缶体部20と係止部30とは、一体成型されたセラミックスであることが好ましい。
図1等に示す例では、缶体部20は、缶開口部9を構成する壁面部22の内面から水平方向内方に突出した突出部32を有しており、この突出部32が前記の係止部30を構成している。突出部32は缶開口部9の周方向に沿って連続的に設けられており、略平坦な上面32aを有する。図1等に示す例では突出部32は缶開口部9の内周全体に亘って環状に形成されている。なお、この係止部30を設けたことにより、内部空間4は深さ方向Xと垂直な方向からみたときに、底面部21から缶開口部9に向かう形状の一部が幅狭となっている。
図2及び図3に示すように、突出部32の上面32aは、深さ方向Xに略垂直な平坦面であり、この上面32aにパッキン31が戴置される。突出部32の上面32aは、パッキン31を介して後述する濾過ユニット40の支持板42の下面42aを係止する。パッキン31は、耐熱性とシール性を兼ね備えたものであり、例えば繊維状のアルミナや、繊維状のアルミナシリカ等の断熱繊維から構成されている。
ここで、突出部32(係止部30)の上面32aについて付着した金属を除去する作業を適宜行うことにより、上面32aの深さ方向Xの位置が変動することを防止できる。このため、この上面32aは、溶湯が付着して固化しても、容易に剥がすことができるようにコーティング処理されていることが好ましい。例えば、濾過装置10をアルミニウム又はアルミニウム合金の濾過に用いる場合は、上面32aのコーティング処理に用いる材料としては、アルミナ、窒化ホウ素、窒化珪素又はジルコニア等の、アルミニウム溶湯との濡れ性が良好でないセラミックスを挙げることができる。このようにコーティング処理を施しておくと、濾過装置10を長期間使用しても、濾過ユニット40がシールされた状態を維持しやすく、また、該上面32aがパッキン31を介して濾過ユニット40の支持板42を係止した場合、この支持板42を、パッキン31を介した上面32aと、後述する凹部39に嵌入した楔体70とで深さ方向Xの一定の位置で挟圧固定可能である。このようなコーティング処理は、後述する側面対向部33及び凹部39にも施されていることが好ましい。
図2及び図3に示すように、突出部32の先端には水平面と略垂直な面である先端面32bが形成されている。濾過ユニット40が缶体部20に装着されたときには、この先端面32bが濾過チューブ41の側方を取り囲む。突出部32の先端面32bは平面視において略円形状に形成されているが、これに限定されず、略多角形、例えば濾過ユニット40の支持板42と同様の略八角形状をしていてもよい。
図1〜図3等に示すように、壁面部22はその内面における突出部32の上側に、濾過ユニット40の支持板42の側面42cと相補した形状を有する側面対向部33を有している。
ここで、濾過ユニット40の支持板42の形状を説明する。図1〜図3等に示すように、濾過ユニット40の支持板42は、濾過ユニット40が缶体部20内に装着される際に缶体部の深さ方向を向く第1の板面(以下、「下面」ともいう)42aと下面42aと反対側に位置する第2の板面(以下、「上面」ともいう」)42bを有する。下面42aと上面42bとは略平行である。濾過ユニット40の支持板42は、側面視したときに、濾過チューブ41の開口部43側から底部41b側に向けて(支持板42の上面42b側から下面42a側に向けて)嵌め込み可能な形状を有している。支持板42が側面視したときに、開口部43側から底部41b側に向けて嵌め込み可能な形状を有しているとは、支持板を、その板面に沿うある一方向から側面視したときに支持板42の上面42b側よりも下面42a側の水平方向幅(支持板42の板面に沿う方向の幅)が小さい形状であることをいい、好ましくは、上面42b側から下面42a側に向けて(開口部43側から底部41b側に向けて)前記の水平方向幅が小さくなっていく形状であることをいう。こうした形状としては、例えば、テーパ等、連続的に前記の水平方向幅が小さくなっていく形状以外に、段差形状等の非連続的に前記の水平方向幅が小さくなっていく形状も含まれる。
支持板42は、上記の嵌め込み可能な形状をしている場合に、前記の嵌め込み可能な形状を有している一方向とは異なる一方向から側面視したときに、開口部43側から底部41b側に向けて前記の水平方向幅が小さくなっていない形状を有していてもよい。そのような形状とは、支持板42を側面視したときの両側端縁部が、開口部43側から底部41b側に向けて(支持板42の板面に対して)鉛直状になっている等、平面視したときに支持板42の上面42bから外側に膨らんでいない形状が挙げられる。
なお、テーパや段差といった「嵌め込み可能な形状」の部分は支持板42の側面の一部のみに形成されていてもよい。例えば、支持板42が平面視略多角形の場合、全ての側面にテーパや段差が形成されている必要はなく、テーパや段差のない側面を有していてもよい。また一つの側面をみたときに該側面の全体にテーパや段差が形成されている必要はなく、下側の一部又は上側の一部など該側面の一部のみに形成されていてもよい。
図1〜図7等に示す例では、支持板42は、水平面に沿ういずれの方向から側面視したときにも支持板42の上面42b側から下面42a側に向けて嵌め込み可能な形状を有している。図2及び図3では、濾過ユニット40の支持板42の側面42cは、上面42b側から下面42a側に向けて缶体部20の内側に傾斜したテーパ面を有しているもので、支持板42は、側面42cの略全体がテーパ面を形成している。本実施形態において支持板42は平面視したときに略多角形状、具体的には略八角形状をしている(図4参照)が、これに限られない。
壁面部22の側面対向部33は前記の支持板42の側面形状に対応して、側面視したときに、底面部21側から上面部23側に向けて内幅が広がる形状を有している。すなわち図2に示す例では、壁面部22における側面対向部33は、当該側面42cのテーパ面に相補する形状として、底面部21側から上面部23側に向けて缶体部20の外側に傾斜したテーパ面を有している。上述したように、本実施形態では、支持板42の側面の略全体がテーパ面を形成しており、側面対向部33も支持板42の各側面に対向する部分の略全体が底面部21側から上面部23側に向けて缶体部20の外側に傾斜したテーパ面に形成され、支持板42と互いに嵌め込み可能なものとなっている。
図1、図3及び図7等に示すように、壁面部22には、略同一の水平面上に、壁面部22の内面から水平方向外方に向けて延びる凹部39が凹設されている。凹部39は、缶開口部9の内周に沿って複数個設けられている。図3及び図7に示すように、凹部39は、濾過ユニット40の支持板42が係止部30に係止された状態における支持板42の上面42bと缶体部20の深さ方向における略同位置に設けられている。
図3及び図7に示すように、凹部39は、缶体部20の水平面に沿う面である下面39aを有しているところ、この下面39aは、濾過ユニット40の支持板42が係止部30に係止された状態における支持板42の上面42bより低い位置に設けられていることが好ましい。この理由としては凹部39の下面39aに溶融金属が付着することがあり、その場合に下面39aが支持板42の上面42bと面一となる位置にあると、上面42bより高い位置にアルミの凝固物が残留し、上述の係止機構が利かなくなる可能性があるからである。
図3、図7(a)及び(b)等に示す例では、凹部39は、水平面と略平行な下面39aと、水平方向外方に向かって下側に傾斜するテーパ面を有する上面39bとを有し、後述する楔体70が嵌入可能な形状を有している。凹部39は、壁面部22に2個以上設けられていることが後述する支持板42の浮きの防止の観点から好ましく、3個以上が最も好ましい。図4に示すように、本実施形態では凹部39は3個である。また少なくとも一つの凹部39が、缶体部20を平面視したときに入湯口5と出湯口6とが相対する方向と略直交する方向に向けて凹設されていることが同様の観点から好ましい。支持板42を平面視略多角形状に形成する場合、凹部39は、支持板42の多角形の角部に対向する位置に設けられていても良いが、角部と角部の間に対向する位置に設けられることが好ましく、角部と角部の間における辺の略中央部分に対向する位置に設けられていることがより好ましい。
図1等に示すように、濾過装置10は、凹部39に嵌入する1以上の楔体70を有している。楔体70は凹部39に嵌入する方向に長い棒状であって、凹部39に嵌入した状態における深さ方向Xの幅が凹部39に嵌入する先端側に向かって先細りとなる形状を有している。図1等に示す例では、楔体70は、凹部39に嵌入した状態において、缶体部20の下方を向く略水平な平坦面である下面70aと、凹部39に嵌入する方向に向かって該下面70a側に傾斜したテーパ面からなる上面70bとを有している。また、楔体70は、凹部39に嵌入する側と反対側に位置する端部が下面70aとは反対側に突出した突出部70cを有している。図1に示すように楔体70の突出部70cの端面と上面70bとは角部70dを形成している。また図3等に示すように缶開口部9を構成する壁面部22と、凹部39の上面39bとは角部39cを形成している。図3等に示すように、凹部39に嵌入する状態の楔体70を、その嵌入の方向と直交し且つ水平面に沿う一方向から側面視したときに、楔体70の上記の角部70dは、上記の角部39cと相補する形状を有している。楔体70は、角部70dと凹部39の角部39cとが当接した状態において、その下面70aが、係止部30に係止した状態の支持板42の上面42bと略面一となるように構成されている。図4に示すように、凹部39及び凹部39に嵌入した楔体70は、平面視においていずれも略矩形状をしているがこれに限定されない。楔体70の構成材料としては、例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化珪素、ジルコニアの少なくとも1つ以上を有したセラミックスが挙げられ、特に好ましい材質は、窒化珪素結合炭化珪素煉瓦質セラミックである。楔体70の好ましい数は、凹部39と同数である。
図1に示すように、缶体部20は、突出部32及び側面対向部33の上方において、平面視略円形の貫通孔状の蓋閉塞部29を有する。蓋閉塞部29は、上面部23の略中央で開口しており、突出部32及び側面対向部33により囲まれた孔部とともに缶開口部9を構成する。缶開口部9(具体的には蓋閉塞部29)は、後述する蓋体52、92と相補形状を有している。
図1、図3、図6及び図7に示す通り、濾過ユニット40を缶体部20に装着するための装着手段を係止部30に容易に案内するための装着用溝部37が、缶体部20における側面対向部33に設けられている。装着用溝部37は、缶開口部9における側面対向部33における周方向の一部を、側面対向部33の内面から缶体部20の外方に向けて凹設して形成された、缶体部20の内側に開口する溝部である。図6に示すように、装着用溝部37は、側面対向部33を(具体的には側面対向部33の周方向の一部)をその上端33bから深さ方向Xに沿って切り欠いて形成されており、深さ方向Xにおいて側面対向部33の略全体に亘って設けられている。図3及び図7(c)等に示すように、装着用溝部37の下端部37aは、側面対向部33の下端部33aと同じ深さ位置に設けられているか、或いは装着用溝部37の下端部37aが側面対向部33の下端部33aよりも上側に位置することが、支持板42と缶体部20との間のシール性の低減を防止しやすいため好ましい。また図1、図3、図6及び図7に示すように、装着用溝部37は側面対向部33よりも上方に位置する蓋閉塞部29に設けられないことが、蓋52、92で缶開口部9を隙間なく閉塞しやすいために好ましい。装着用溝部37は、缶体部20の内側を向く側端面部(溝の底面部)37bを有している。図3、図6及び図7によれば、装着用溝部37の側端面部37bは蓋閉塞部29の周面と略面一に形成されているが、これに限定されず、缶体部20の径方向(平面視したときの缶開口部9の径方向)において側端面部37bが蓋閉塞部29よりも外側に位置するように装着用溝部37を形成してもよい。また、装着用溝部37の側端面部37bの形状は、蓋閉塞部29の周面と同様に上方から下方に向けて内向きに傾斜したテーパ面に形成されていてもよく、側面視したときに水平面に垂直な鉛直面に形成されていてもよい。装着用溝部37の幅や深さ(側方の深さ)等は、装着手段の形状によって適宜変更される。
図4に示すように、装着用溝部37は、缶開口部9の周方向に沿って複数設けられている。装着用溝部37は、装着手段による濾過ユニット40の安定的な保持及び搬送を容易とする観点から、例えば壁面部22に、2個以上設けられていることが好ましく、3個以上設けられていることが最も好ましい。図4に示す例では、装着用溝部37は、3個設けられている。装着用溝部37は、支持板42に係合した装着手段の鉤部を、支持板42の装着箇所である係止部30まで案内するために設けられている。このため、通常、装着用溝部37は、支持板42の鉤部係合部46と同数、鉤部係合部46と対応する位置に設けられている。図4に示すように、装着用溝部37を、缶開口部9の周方向において凹部39同士の間に設けると、適切な数の装着用溝部37及び凹部39を容易に配置できる。
続いて、缶体部20に装着される濾過ユニット40を更に詳しく説明する。図1及び2等に示すように、濾過ユニット40の支持板42は溶湯と反応しづらいセラミックス製である。一方、濾過チューブ41は、多孔質セラミックス製であり、溶湯の流通及び濾過が可能な細孔を有するものである。図2及び図3に示すように、濾過チューブ41は、その一端41aに開口部43を有し、かつ他端41bが閉じている有底筒状の形状をしており、その外周面側から内部に向けて溶湯が浸透し、内部に達した溶湯が開口部43から流出するように構成されている。図1等に示す例では、濾過チューブ41は、その横断面の形状が一般には円環状に形成されているが、本発明の実施形態はこれに限られない。
濾過チューブ41は、用いられる溶湯と反応性の低い耐火物から形成されている。溶湯が例えばアルミニウム又はアルミニウム合金を含む場合には、濾過チューブ41を、炭化珪素系セラミックス、窒化珪素系セラミックス、アルミナ系セラミックス、ジルコニア系セラミックス等から構成することができる。アルミニウム溶湯への成分流出及び濾過チューブ製造時のコスト低減の観点や製造の容易さから好ましくは濾過チューブ41は、アルミナ系セラミックス製である。
図1〜図4等に示すように、支持板42には、その厚み方向を貫通する複数の開口部44が設けられている。また、濾過ユニット40においては、各濾過チューブ41は、支持板42の厚み方向に沿って該支持板に固定されている。具体的には、各濾過チューブ41は、該濾過チューブ41の長手方向が、支持板42の板面に対して略直交するように、該濾過チューブ41の一方の端部41a、すなわち開口部43を有する側の端部41aにおいて、該支持板42に取り付けられている。従って、各濾過チューブ41は支持板42の2つの板面のうち下面42a側のみに突出するように設けられている。濾過ユニット40を平面視したときに、各濾過チューブ41が支持板42に取り付けられる位置は、該支持板42に設けられた開口部44の位置と一致している。従って、濾過ユニット40を、支持板42の上面42b側から見ると、支持板42に設けられた開口部44と、濾過チューブ41の中空部位とが連通している。濾過チューブ41を支持板42に取り付けるための手段としては、例えばアルミナ系セメント等のセラミックスセメントを用いればよい。
本発明で用いる濾過ユニット40を缶体部20内に装着する際には、通常、濾過装置10の外部の装着手段を用いて、濾過ユニット40を、缶開口部9内で下方に搬送する。このような装着手段としては、各種の移送用装置を用いることができるが、例えば、ホイスト等の昇降用装置が簡易な装置であるため好ましい。装着手段の鉤部80に係合する鉤部係合部46が、支持板42に形成されている。
図3及び図5に示すように、本実施形態では、支持板42における鉤部係合部46は、支持板42の周縁部Sにおける下面42a側の一部を切り欠いて形成されている。ここでいう周縁部における下面42a側の一部の切り欠きとは、支持板42の側面42c及び下面42aのいずれか一方のみに施されていても良いし、両方に施されていても良い。支持板42と缶体部20とのシール性を考慮すると、支持板42の側面42cを切り欠き、下面42aは切り欠かないか、或は、下面42aの切り欠き部分を最小限とすることが好ましい。従って、鉤部係合部46は、支持板42の側面42cの下面42a側に位置して、支持板42の内側に向けて凹設した凹部であることが好ましい。鉤部係合部46は例えばザグリ加工により形成することができる。鉤部係合部46は平面視において開口部44よりも径方向外側に位置する。
図5(a)に示す例では鉤部係合部46は、濾過チューブ41の底部41b側を向いた上面46a及び支持板42の側方を向いた先端面46bを有しており、上面46aに鉤部80が係合できるように形成されている。しかしながら、鉤部係合部46の形状はこの図に示す例に限られない。例えば、開口部44と連通しなければ、側面42cから支持板42の内側に向けて細長く伸びるように凹設された細長形状の凹部であってもよい。また鉤部係合部46の上面46aは支持板42と略平行であってもなくても良く、例えば、側面42cから先端面46bに向かうにつれて支持板の上面42b側に傾斜するテーパ面であってもよいし、上面46aにおいて、支持板の上面42b上側に向けて凹設した凹部を設けてもよい。先端面46bは支持板42の径方向と略垂直な鉛直面であってもなくてもよく、例えば支持板42の上面42b側から下面42a側に向かうにつれて支持板42の外側に傾斜したテーパ面を有していても良く、また段差を有していても、わん曲面であってもよい。
鉤部係合部46は支持板42の周縁部Sに沿って設けられ、通常、缶体部20の装着用溝部37と同様に、2個以上設けられていることが好ましく、3個以上設けられていることが最も好ましい。図3〜図5等に示す例では、鉤部係合部46は3個設けられている。支持板42を平面視略多角形状に形成する場合、鉤部係合部46は、その略多角形の角部に設けられていても良いが、角部と角部の間に設けられることが好ましく、辺の略中央部分に設けられていることがより好ましい。また図3〜図5等に示す例では、鉤部係合部46は、支持板42のテーパを有する側面42cに設けられているが、テーパまたは段差を支持板42の側面の一部のみに設ける場合は、鉤部係合部46が設けられた側面はテーパまたは段差を有していてもよく、有していなくても良い。
以下では、図5〜図7に基づき、濾過ユニット40を装着手段により缶体部20内に装着する過程を説明する。
図5(b)に示すように、濾過チューブ41を深さ方向Xの下方に向けた状態で、ホイストクレーン等の装着手段の鉤部80を鉤部係合部46に係合する。鉤部係合部46と鉤部80との係合により、支持板42を安定的に保持しながら、濾過ユニット40を搬送することができる。
図6に示すように、装着手段の鉤部80に支持された濾過ユニット40を、鉤部80が装着用溝部37の上方に位置する状態とし、この状態で、缶開口部9内を通じて濾過ユニット40を下方に移動させる。上述したように、装着用溝部37が鉤部係合部46と対応する位置に設けられているため、鉤部係合部46に係合した装着手段の鉤部80は缶体部20の側面対向部33に阻まれることなく(例えば側面対向部33に当接せず)、装着用溝部37内を下方に移動しながら、支持板42を安定的かつスムーズに下方に搬送できる。
また支持板42の側面42cが前述した嵌め込み可能な形状を有し、缶体部20の壁面部22が、係止部30の上側に、側面42cと相補する形状をした側面対向部33を有することで、下方に移動してきた支持板42の位置合わせを容易に行うことができる。このため、図7(a)のように、係止部30上に支持板42が到着したときに、支持板42を、これと相補する壁面部22の側面対向部33に嵌め合せて、支持板42を係止部30に容易に且つ安定的に戴置できる。このように、本実施形態の金属溶湯濾過装置10は、コンピュータープログラム等を用いた緻密な位置合わせを行わなくても、濾過ユニット40を容易に缶体部20内の適正な位置に装着することができる。
図7(a)に示すように、支持板42の下面42aにおける濾過チューブ41の固定位置よりも周縁部S側の部分がパッキン31を介して係止部30(突出部32の上面32a)に当接し、係止部30に戴置されることで、支持板42の係止部30に係止され、それ以上の落とし込みが規制される。これにより、濾過ユニット40が缶体部20内に装着され、且つ濾過ユニット40が缶体部20内で懸下された状態が維持される。支持板42の側面42cと、側面対向部33の壁面とは、装着用溝部37以外の部分において面同士が当接していることが缶体部20と支持板42とのシール性の点から好ましい。
濾過ユニット40が缶体部20に装着された状態において、濾過チューブ41の長手方向は缶体部20の水平面と交差する同一の方向を向き、且つ各濾過チューブ41の開口部43が上方を向く。本実施形態では各濾過チューブ41は、支持板42から深さ方向Xの下方に向けて垂下するように、金属溶湯の貯留部3内に懸下されている(図2及び図3参照)。この懸下状態においては、濾過ユニット40は、支持板42の2つの板面42a,42bが水平面と略一致するように缶体部40内に配置されている。
濾過ユニット40と缶体部20とは、突出部32の上面に配置されたパッキン31によって液密に封止されている。この封止は、濾過ユニット40が懸下状態になることで、濾過ユニット40の自重により達成される。
上述した従来の濾過装置210では、濾過ユニット240のシールを2枚の支持板を用いて行っていたところ、濾過装置10では、濾過ユニット40のシールを、1枚の支持板42のみで実現できる。このため、濾過装置10を長期間使用しても、支持板42と係止部30との当接状態が均一になりやすい。このため、濾過装置10を長期間使用した場合でも、濾過ユニット40と缶体部20とのシール性の低下が起きにくい。特に、係止部30は、缶開口部9の全周に亘るものであるため、支持板42を一つの部材で係止でき、部材間での当接状態のずれをより効果的に回避できる。また缶体部20と係止部30とが一体成型されたセラミックスであるため、長期間使用しても、係止部30の缶体部20内での位置ずれが起こらないため、長期間使用したときも、係止部30と支持板42とが適正に係合した状態を容易に維持することができる。
図7(b)に示すように、濾過装置10は側面視において、装着用溝部37における側端面部37bと、缶体部20に装着した状態の支持板42との水平方向の距離Lが、鉤部80の先端部の幅wよりも幅広となるように形成されている。このため図7(b)及び(c)に示すように、鉤部80を、装着用溝部37の側端面部37bに沿って上方に移動させることにより、缶開口部9から容易に取り出すことができる。
図7(c)に示すように、支持板42を係止部30に係止させた後、楔体70を缶体部20の壁面部22の内面に設けられた凹部39に嵌入する。上述したように、凹部39は、係止部30に係止された支持板42の上面42bと深さ方向において略同位置に設けられている。このため、凹部39に嵌入した楔体70と、係止部30(パッキン31を介した突出部32)とにより濾過ユニット40の支持板42が挟圧固定される。具体的には支持板42における、係止部30に戴置された、濾過チューブ41の固定位置よりも周縁部S側の部分が、係止部30と、凹部39に嵌入した楔体70である押圧部材とに挟圧固定される。このように楔体70が支持板42をその上面42bから押さえつけることによって、金属溶湯の濾過を開始したときに浮力による濾過ユニット40の浮き上がりが効果的に防止される。また支持板42の中央部ではなく、周縁部S側の部分を挟圧固定することで支持板42の割れを防止できる。上述したように、楔体70が先細り形状を有しているため、楔体70の凹部31への嵌入の程度を調整することによって、深さ方向Xにおける支持体42の位置を容易に微調整することができ、またこの楔体70を複数用いることで、支持体42の周縁部S側を均等に押圧して、支持板42のシール性を高めることができる。
上述したように、凹部39の下面39aは、係止部30に係止した支持板42の下方に位置している。このため、図3及び図7(c)に示すように、楔体70は凹部39に嵌入した状態において、その下面70aが、凹部39の下面39aと当接しない。これにより、下面39aに溶融金属が付着しても楔体70による支持板42の係止機構を有効に維持できる。
本実施形態で用いる濾過ユニット40の浮き上がり防止機構である凹部39及び楔体70は、溶湯が付着しやすい環境下においても継続使用が容易であり、装置の維持管理がしやすい利点がある。例えば、楔体70が嵌入した凹部39に金属溶湯が浸透する場合があっても、凹部39に対し、突出部32の上面32aに施すのと同様のコーティング処理を施すことにより、溶湯が付着して固化しても、容易に剥がせるようにすればよい。また、楔体70は、溶湯が付着した場合でも容易に交換可能である。更に、本実施形態によれば、支持板42の浮き上がりを防止するための蓋体52及び92を貫通するような押圧機構を用いる必要がないため、蓋体の構造設計が比較的自由である。
これに対し、例えば特許文献3に記載の濾過装置は、濾過チューブの開口が上方を向く実施形態の浮き上がり防止機構として支持板42上に設置した錘45を用いる。しかし、錘45による浮き上がり防止の作用は十分でない場合がある。
上述したように、本実施形態の金属溶湯濾過装置10は、上部に開口部9を有する缶体部20と、缶体部20内に配された濾過ユニット40とを備え、濾過ユニット40は、1本以上の有底筒状のセラミックス製濾過チューブ41を有し、濾過ユニットにおける濾過チューブはその長手方向が缶体部の水平方向と交差し、且つ濾過チューブの開口部43が上方を向くように構成されている、という構成を有するものであるが、更に以下の構成を有する。
すなわち、濾過装置10は、濾過ユニット40に着脱可能に装着される加熱ユニット50を備え、加熱ユニット50は、支持体52と、該支持体52に固定された1本以上の加熱体51とを有し、加熱体51は、濾過チューブ41内に挿入可能に支持体52に固定されている。これにより、濾過チューブに挿入した加熱体により濾過チューブを内側から加熱できるので、加熱の効率がよく、濾過チューブを予熱するための時間を短縮できる。
加熱ユニット50は、缶体部20内に装着された状態の濾過ユニット40の濾過チューブ41に装着可能なものである。図1、図8及び図9に示すように、加熱ユニット50は、支持体52に固定された複数本の加熱体51とを有する。この加熱体51の本数は、濾過チューブ41と同数が好ましいが、加熱温度が低くても良いなどの場合には、1本以上の本数であれば濾過チューブ41よりも少なくても良い。
支持体52は、缶開口部9に係合して該開口部9を閉塞し得る形状を有する第1の蓋体52を有する。第1の蓋体52には、1本以上の加熱体51が固定されている。本実施形態では、この第1の蓋体52と加熱体51とが、濾過ユニット40に着脱可能に装着される加熱ユニット50を構成している。支持体52が缶開口部9に係合することにより、濾過ユニット40に対して加熱ユニット50が固定される。本実施形態では、支持体52である第1の蓋体52により缶開口部9を閉塞したときに、加熱体51が濾過チューブ41に挿入されることにより、加熱ユニット50が濾過ユニット40に装着される。
図8に示すように、加熱体51は濾過チューブ41の長さ方向に沿って加熱することが可能な長さと断面を有する形状であり、本実施形態によれば棒形状、具体的には略円柱状をしている。加熱体51を構成する材料としては、シリコニット発熱体や金属系発熱体等が挙げられるが、これらに限られない。加熱体51は、支持板42の開口部44及び濾過チューブ41の開口部43に挿入可能な断面形状を有している。例えば、加熱体51と濾過チューブ41とをそれぞれ長手方向に垂直な平面で切断した断面の寸法を比較した場合、加熱体51は少なくとも濾過チューブ41に挿入される部分におけるこの断面の最大長さが、2つの開口部43,44のそれぞれの内接円の径よりも小さいことが好ましい。上述の断面の最大長さとは、断面を横断する距離が最も長くなる部分の長さを指し、加熱体51が略円柱状をしている場合はその断面の直径である。また、内接円の径は開口部43,44が円形の場合、これらの円形の開口部の内径である。加熱体51は、その長手方向に垂直な平面で切断した断面の形状が、該長手方向に沿って一定であってもよいし、異なっていても良い。例えば、加熱体51は濾過チューブ41に挿入される先端側に向かうに連れてその断面積が小さくなるように構成されていてもよい。
図1、図8及び図9に示すように、支持体52は、加熱ユニット50が濾過チューブ41に装着された状態において深さ方向Xの下側を向く下面52aと、深さ方向Xの上側を向く上面52bと、下面52aと上面52bとの間に位置する側面52cを有している。下面52a及び上面52bは、互いに略平行である。また支持体52の側面52cは、上面52bから下面52aに向けて内向きに傾斜したテーパ面を有していることが好ましい。すなわち、図9に示すように少なくとも一の水平方向からみたときに、濾過チューブ41に装着された加熱ユニット50の支持体52は、深さ方向Xの下方に向かうにつれて漸次幅狭となる形状を有していることが好ましい。本実施形態においては側面52c全体が前記のテーパ面に形成されており、支持体52は水平ないずれの方向から視ても深さ方向Xの下方に向かうにつれて漸次幅狭となる。支持体52の側面52cにおける前記テーパ面は、缶開口部9(蓋閉塞部29)の内面と嵌合可能であれば該テーパ面と支持体の上面52bとなす角度が、水平な複数の方向から缶体部を視たときに、同一となるように形成されていてもよく、異なるように形成されていてもよい。
加熱体51は支持体52に、その下面52aから突出した状態で固定される。図8に示すように、支持体52は、1つ又は複数の加熱体51と同数の、貫通孔52dを有している。貫通孔52dは、加熱体51の挿入及び固定が可能な断面形状をそれぞれ有している。貫通孔52dは、支持体52を、その上面52b及び下面52aと略直交する方向に貫通している。また貫通孔52dは、加熱体51と同数設けられている。平面視における支持体52における貫通孔52dの位置は、支持板42における濾過チューブ41の位置と対応している。加熱体51はこの貫通孔52dに貫通した状態で支持体52に固定される。加熱体51を支持体52に取り付けるための手段としては、例えばアルミナ系セメント等のセラミックスセメントを用いればよい。支持体52に固定された加熱体51は、その長手方向が支持体52の上面52b及び下面52aに対して略直交している。蓋体52は、耐熱性やコストの面からアルミナ系キャスタブルから形成された部材を含むことが好ましい。例えば、加熱体51は支持体52に治具(不図示)で位置固定をするとより確実に加熱体51の落下防止を図ることができる。
缶体部20内に装着された濾過ユニット40の濾過チューブ41に、加熱ユニット50を装着する際には、支持体52の上面52b及び下面52aが、缶体部20の深さ方向Xと略直交し、且つ平面視したときに加熱体51の位置が支持板42の開口部44及び濾過チューブ41の開口部43の位置と略一致する状態で、加熱ユニット50を缶開口部9の上方に位置させる。そして、この状態の加熱ユニット50を深さ方向Xの下方に移動させる。これにより、支持板42の開口部44及び濾過チューブ41の開口部43を通じて濾過チューブ41に加熱体51が挿入される。本実施形態においては、加熱体51の挿入方向、加熱体51の長手方向、及び濾過チューブ41の長手方向がいずれも略一致した状態で加熱体51を濾過チューブ41に挿入することが可能である。本実施形態において、加熱ユニット50が濾過ユニット40又はその濾過チューブ41に装着した状態とは、加熱体51が濾過チューブ41に挿入した状態を指す。図9に示すように、加熱ユニット40は、好ましくは濾過チューブ41と同数又は同数より少ない数の加熱体51を有しており、濾過チューブ41の全てに加熱体41が挿入される。
深さ方向X下方に移動した支持体(蓋体)52は、図9に示すように、缶体部20の缶開口部9の蓋閉塞部29に係合する。これにより、加熱ユニット50が濾過ユニット40に対して一定の位置が保てるように固定される。上述したように、支持体52の側面52cはテーパ面を有し、蓋閉塞部29を構成する壁面部22の内面29aはそれと相補する形状を有している。従って、加熱ユニット50を深さ方向X下方に落とし込むと、図9に示すように、支持体52の側面52cと、缶開口部9における蓋閉塞部29の内面29aとが当接した状態となる。これにより、それ以上の支持体52のX方向の下向きの移動が規制される。同時に支持体52が缶開口部9を閉塞して、第1の蓋体の役目を果たす。このようにして、加熱ユニット50が濾過ユニット40に対して固定されることにより、加熱体51が濾過チューブ41内に挿入され、かつ加熱体51のX方向下側の先端が濾過チューブ41の下側先端41bに対して一定の距離を保った位置に保持することが可能となる。
加熱ユニット50が濾過ユニット40及び濾過チューブ41に対して固定された状態において、加熱体51を挿入することにより濾過チューブ41を加熱する。この状態において、濾過チューブ41の長手方向長さAに対する、濾過チューブ41中における加熱体51が挿入されている部分の長さaの比(a/A、図9参照)は、各濾過チューブ41において同一であってもよく、それぞれに異なっていてもよい。この比a/Aの値は、濾過チューブ41を十分に加熱するため0.2以上であることが好ましく、また濾過チューブ41内にスムーズに挿入できるよう、0.99以下であることが好ましい。この比a/Aの値は更に0.7以上、0.99以下であることがより好ましい。
次いで、加熱ユニット50を装着しない場合の濾過装置10について説明する。図10及び図11において、缶開口部9には、加熱体51が固定された支持体52に代えて、第2の蓋体92が係合される。
図10及び図11に示すように、第2の蓋体92は、第1の蓋体52と略同一の形状を有するが、一方で加熱体51を固定するための貫通孔52dを有しておらず、加熱体51を保持可能な形状を有しない。従って、濾過装置10は、第2の蓋体92で缶開口部9を閉塞するときには、濾過チューブ41内に加熱体51が挿入されないように構成されている。
蓋体92の材質は、用いる溶湯と反応性が低い定形又は不定形耐火物により形成されることが好ましい。溶湯が例えばアルミニウム又はアルミニウム合金を含む場合には、蓋体92の材質を、窒化珪素結合炭化珪素耐火物、窒化珪素耐火物、アルミナ系耐火物、ジルコニア系耐火物等を含むものとして構成することが好ましい。この場合、蓋体92の外面を金属製のケーシングで被覆してもよい。また、図11に示すように、第2の蓋体92は、その側面及び下面を覆うパッキン92dを有する。パッキン92dは、例えばアルミナの繊維を含むものであり、缶体部20と蓋体92とを液密に封止するためのものである。この封止は、蓋体92の自重によって達成される。なお、第1の蓋体52においても、パッキン92dと同様にアルミナの繊維を含むパッキンを採用することが可能である。
図9及び図11に示すように、第1の蓋体52も第2の蓋体92も、その底面が、缶開口部9を閉塞した状態において、濾過ユニット40における支持板42の第1の板面42b(上面)から若干離間して該上面42b上に位置している。蓋体52,92の底面は、出湯口6の上面とほぼ一致している。溶湯を濾過している状態では、蓋体の底面と、缶体部20内に貯めた溶湯の湯面とは、ほぼ同じ位置になっている。このため、溶湯の湯面が、大気中の酸素に接触する面積が少なく、溶湯の酸化を抑制することができる。またこのような構造とすることにより、溶湯の湯面上部で、大気が対流することに起因して熱が奪われることを、蓋体52,92によって防ぐこともできる。
以上の構成によって、本実施形態の濾過装置10では、缶体部20において、濾過チューブ41に加熱ユニット50を装着して、濾過チューブ41内に加熱体51を挿入し、この加熱体51により濾過チューブ41をその内側から加熱することができる。従って、濾過チューブ41及びその近傍を効率良く加熱できる。例えば、溶湯の濾過開始前に濾過チューブ41に加熱ユニット50を装着させると、この濾過チューブ41を効率良く予熱でき、予熱時間の短縮、更にはチューブ目詰まり低減による溶湯の鋳造時間の短縮を図ることができる。また、加熱ユニット50における支持体52が第1の蓋体として機能するため、缶開口部9を閉塞して、濾過チューブ41、缶体部20及び貯留部3にある溶湯が大気により熱が奪われることを防止でき、加熱効率が一層よいうえに、部品点数が少ないことから金属溶湯濾過装置の製造がより容易である。更に、濾過ユニット40において加熱ユニット50を固定しているため、濾過チューブ41の加熱時においても、加熱機構を配置する作業の効率を向上させることができる。
本発明のように金属溶湯濾過装置の濾過チューブ41内に加熱体を挿入可能に配置することは、従来一般的であった濾過チューブ41を横置きにしていた濾過装置においては困難である。すなわち、このようなチューブ41が横置きである従来の濾過装置において、仮に濾過チューブ41に加熱体を着脱可能に挿入させる構造を採用しようとした場合、缶開口部9を濾過装置の側面に設けざるを得ないことから、缶開口部9と蓋体52の嵌合部分のシールが確実にされていないと溶湯が漏れ出してしまう。また濾過チューブ41が横置きであると、溶湯を加熱した状態のまま、溶湯を漏らさずに開口部の蓋を兼ねる加熱体ユニットを着脱することは不可能だが、本発明のように縦置とするとこうした使用方法も可能となる。このように本発明は、濾過チューブをその長手方向が水平面と交差する方向に配置する濾過装置を採用したために可能となった技術である。
本実施形態の濾過装置10は第1の蓋体52及び第2の蓋体92のいずれか一方のみを用いてもよいし、両方を用いてもよい。
第1の蓋体52及び第2の蓋体92の両方を用いる場合は、例えば、溶湯の濾過開始前に第1の蓋体52で缶開口部9を閉塞して加熱ユニット50で缶体部20を加熱した後、第1の蓋体52を缶体部20から取り外す。その後、第2の蓋体92で缶開口部9を閉塞することで、濾過チューブ41内に加熱体51が挿入されていない状態でも濾過チューブ41の大気による冷却を防止しながら溶湯の濾過を行うことができる。このように缶体部20から加熱ユニット50を取り外して濾過チューブ41内に加熱体51が挿入されていない状態で溶湯の濾過を行うことは、加熱体51や支持体52への溶湯の付着を回避できるため、加熱ユニット50の維持管理を容易にする点で好ましい。
本実施形態の濾過装置10を用いて溶湯を濾過する方法の好ましい一例を、以下に示す。まず濾過ユニット40を缶体部20内に装着した後、第1の蓋体52で缶開口部9を閉塞し、加熱ユニット50を濾過チューブ41に対して固定し、図9の状態とする。この状態で、濾過チューブ41に挿入した加熱体51を発熱させて、缶体部20及び濾過チューブ41を所定の温度まで予熱する。次いで第1の蓋体52を缶開口部9から取り外すことで加熱体51を濾過チューブ41から抜き出し、図2及び図3の状態とする。次に、第2の蓋体92により缶開口部9を閉塞し、図11の状態とする。
図11に示すように、この状態において、濾過すべき溶湯が入湯樋24に案内されて、入湯口5を通じ貯留部3へと流入する。貯留部3へ流入した溶湯は、濾過チューブ41の外周面側から内部に向けて浸透する。濾過チューブ41の内部に達した溶湯は、該濾過チューブ41の内部を上昇し、該濾過チューブ41の開口部43及び支持板42の開口部44を通じて濾過ユニット40の外部に流出することで濾過される。濾過ユニット40の外部に流出した溶湯は、支持板42の上面42bと、蓋体92の下面92aとの間の空隙を流れ、出湯口6を通じて出湯し、出湯樋26に案内されて次工程へと導かれる。濾過中は、不図示の缶体加熱体の発熱によって溶湯の溶融状態が保持される。
本実施形態の濾過装置10において、第1の蓋体52のみを用いる場合は、上述した溶湯を濾過する方法において、第1の蓋体52で缶開口部9を閉塞して加熱体51が濾過チューブ41内に挿入された状態のまま、溶湯の濾過を行う以外は、当該方法と同様の方法で、溶湯の濾過を行うことができる。
また、本実施形態の濾過装置1において、第2の蓋体92のみを用いる場合は、上述した溶湯を濾過する方法において、第2の蓋体92により缶開口部9を閉塞したまま濾過チューブ41及び缶体部20の予熱並びに金属溶湯の濾過を行う以外は、当該方法と同様の方法で、溶湯の濾過を行うことができる。この場合、これらの予熱や濾過中の装置の加熱は、缶体部20内に設けられた加熱体(不図示)を用いればよい。
以上の濾過装置10によって濾過される金属としては、アルミニウムやアルミニウム合金が代表的なものとして挙げられるが、それ以外の金属溶湯の濾過にも、本発明の濾過装置を用いることができる。
続いて本発明の第2実施形態及び第3実施形態を説明する。以下の第2実施形態及び第2実施形態の説明では、第1実施形態と異なる点以外の説明を省略する。第1の実施形態に対応する構成や同様の構成についても、第1実施形態とは同じ符号を付して、第1実施形態と異なる点以外の説明を省略している。
まず、図12〜17に基づいて、本発明の第2の実施形態である濾過装置110について説明する。
本実施形態の支持板142は、第1実施形態と異なり、支持板142の各側面42cがいずれも上面42bに対して略鉛直な平面状に形成されている。また図13等に示すように、本実施形態では、第1実施形態のように、缶開口部9の周方向全体に亘って支持板42の側面形状と相補する形状を有する側面対向部33は有していない。なお、本実施形態では、係止部30の上面32aは、出湯口6の下面と略面一となっている。
図12、図14〜図16に示すように、係止部30の上方には、壁面部22から水平方向内方に突出しており、缶開口部9を介して相対する一対の突出部132が設けられている。図16に示すように、缶体部20を平面視したときに、一対の突出部132が相対する方向は、入湯口5と出湯口6とが相対する方向と略直交している。この一対の突出部132は、平坦な先端面132aをそれぞれ有する。これらの対応する先端面132aはいずれも深さ方向Xに略平行に形成され、かつ互いに平行となっていて、缶体部20内に装着された濾過ユニット40の回転を規制するように設けられている。
図12及び図14に示すように、一対の突出部132は、缶開口部9の下端に設けられている。突出部132は水平面に平行な平坦面である上面132bをそれぞれ有する。加熱ユニット50の第1の蓋体52で缶開口部9を閉塞するときには、これらの上面132bが、蓋体52の下面52aに当接する。
図12及び図16に示すように、本実施形態において、楔体70が嵌入する凹部39は、缶体部20を平面視したときに入湯口5と出湯口6とが相対する方向と略直交する方向に向けて、一対の突出部132の先端面132aそれぞれに1個又は複数個ずつ(好ましくは同数ずつ)凹設されている。図15に示すように、凹部39は、濾過ユニット40の支持板142が係止部30に係止された状態において支持板142の上面(第2の面)42bと深さ方向において同位置に設けられている。本実施形態では、前記の状態において、凹部39の下面39aが支持板の上面42bと略面一となる位置に設けられている。前の実施形態では楔体70の上面が凹部39の上面と当接する一方、楔体70の下面は、凹部39の下面とは当接しなかった。これに対し、本実施形態では、楔体70を凹部39に嵌入したときに、楔体70の上下面それぞれが、凹部39の上下面それぞれに当接する。以上の本実施形態の濾過装置では、濾過ユニット40を、缶体部20内に落とし込み、支持板142の第1の板面42aが、上述した係止部30の上面30aと当接した状態になるとき、図14及び図15に示すように、支持板142は、相対し略並行である2つの辺42cが、缶体部20の2つの突出部132の先端面132aとそれぞれ向き合うように、第1の板面42aが係止部30の上面32aに係止される。そして、楔体70を突出部132に位置する凹部39に嵌入させ、凹部39に嵌入した楔体70と係止部30とによって支持板142を狭圧固定する。
以上の第2実施形態の濾過装置110によっても、第1実施形態の濾過装置と同様に、「濾過ユニットのシールが容易であり、且つ、支持板の浮き上がり及びそれによる金属溶湯の漏れを効果的に防止しつつ、装置の維持管理も容易である」という効果を奏することができる。
加熱ユニット50とは別に、缶体部20に加熱体が配設されている場合、例えば図12、図14〜図16に示す缶体加熱体80のような構成を有する。この缶体加熱体80は、棒状であり、その長手方向が、缶体部20の深さ方向Xに沿うように配置されている。図16に示すように、濾過装置110を平面視したときに、複数の缶体加熱体80が、缶開口部9を挟んで対向する位置に設けられており、缶体加熱体80が缶開口部9を挟んで対向するこの方向は、入湯口5及び出湯口6が対向する方向と略直交している。図14に示すように、缶体加熱体80は、上方が壁面部22を貫通した状態で壁面部22に固定され、下方は貯留部3内に露出している。このような缶体加熱体80を有することによって、図17に示すように加熱ユニット50を濾過チューブ41から取り外して溶湯の濾過を行った場合も、濾過中の濾過チューブ41及び缶体部20を所定の温度に維持することが可能である。また、缶体加熱体80は、加熱ユニット50と同様に、溶湯を流通させる前における装置の予熱に用いることもできる。なお、図13及び図17においては、缶体加熱体80の図示を省略している。
なお図12〜図17に示すように、第2実施形態は、係止部30と支持板142との間に、パッキンを有していない点、缶体部20に装着用溝を有していない点、支持板142に鉤部係合部を有していない点等でも第1実施形態と異なっている。
続いて、図18〜21に基づき、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、押圧部材として、楔体70及び凹部39の代わりに、押圧部材として棒状材77と付勢部材75を用いている。
図18及び図19に示すように、本実施形態では、缶体部20の開口部9を着脱可能に閉塞する蓋材として、缶体部20の上面23を覆う板状の蓋材90を用いている。蓋材90は濾過装置110Aを平面視したときに濾過チューブ41と重なる位置に存在する中央部52と、該中央部52の周囲を取り囲む周辺部94とに分離可能に形成されている。図18及び図19に示す例では、中央部52として、加熱ユニット50の支持体52を用いている。図19に示す例では中央部52の厚みは略均一であり、周辺部94の厚みは略均一である。中央部52の厚みと周辺部94の厚みとは略同じであるが異なっていてもよい。周辺部94の内周面94aと、中央部52の外周面52cとは互いに相補する形状を有している。周辺部94に対する中央部52の落下を防止するために、中央部52の外周面52c及び周辺部94の内周面94aは、深さ方向X下方に向かって内向きに傾斜するテーパ面を有していてもよい。
平面視したときに、蓋材90は缶体部20の缶開口部9全体を覆う缶開口部9よりも面積の大きな形状を有しており、缶体部20の上面23に蓋材90が戴置されることにより、缶開口部9を閉塞する。平面視したときに、中央部52は、その全体が缶開口部9と重なり、中央部52よりも小さな面積を有している。
図18及び図19に示すように蓋材90の周辺部94には貫通孔95が設けられている。貫通孔95は、複数個、好ましくは3個以上、周辺部94の内周に沿って設けられている。貫通孔95が蓋材90を貫通する方向は、蓋材の厚み方向である。この厚み方向は、蓋材90が缶体部20を閉塞した状態における缶体部20の深さ方向Xと略一致している。濾過装置110Aは、貫通孔95に挿入される棒状材77を有している。棒状材77は複数の貫通孔95それぞれに一つずつ挿入される。複数の棒状材77の長さは略同一である。棒状材77は、蓋材90の貫通孔95に挿入されることにより、長手方向が深さ方向Xと略一致するように、且つ深さ方向Xに沿って摺動可能に周辺部94に配置される。棒状材77と接続する付勢部材75が、周辺部94の上面に配置されている。付勢部材75のシリンダ78は、例えば治具(不図示)及びネジ(不図示)により、周辺部94の上面に固定されている。
棒状材77は中実であっても中空であってもよい。図19に示すように、中空とする場合、棒状材77の端部のうち、支持板42と当接する先端部77aは閉塞端部であることが、溶湯金属が棒状体77内部に入り込むことを防止する観点から好ましい。図19に示す例では棒状材77は、その長手方向に垂直な断面の形状が長手方向に沿って略同形であるが、これに限定されない。棒状材77はその先端部77aに棒状材77と断面形状が異なる押え部材を有していてもよい。棒状材77の形成素材としては、例えば濾過対象の金属がアルミニウムである場合は、窒化ケイ素を挙げることができる。
付勢部材75としては、棒状材77への付勢力を設定及び変更可能な付勢部材を用いることが好ましい。具体的には、例えば油圧シリンダ、エアシリンダのほか、ステッピングモータ等の位置制御可能なモータや、手動によるネジ込み等を用いることができる。付勢部材75としてモータを用いる場合は、棒状材77としてボールねじを用いてもよい。これらの付勢部材を用いると、支持板42への押圧力を容易に調整でき、複数の付勢部材を用いたときに支持板42の周縁部S側を均等に押圧し易いために好ましい。
例えば図19で示す例では、付勢部材75は油圧シリンダである。この油圧シリンダ75は、シリンダ78内にピストン79を有し、このピストン79に棒状材77が接続している。手動又は自動でハンドル76を操作することにより、不図示の配管からシリンダ78内にオイルが送入され、これに伴いピストン79が深さ方向Xの下方に移動することで、棒状材77が同方向に向けて付勢される。
図18及び図19に示す通り、棒状材77は支持板42における、突出部32(係止部30)に戴置された周縁部S側部分を下方に向かって押圧する。これにより支持板42が、付勢部材75で付勢された棒状材77と係止部30とに狭圧固定され、楔体70を押圧部材とするときと同様に、濾過開始時における支持板42の浮き上がりを効果的に防止することができる。
図19に示すように、突出部32は貯留部3における深さ方向の略全体に亘り缶体部20の内側に突出して形成されている。このため突出部32の強度は高いものとなっている。
図20は、中央部を取り外した状態の缶体部20の平断面図である。同図に示すように、支持板42における棒状材77の押圧箇所は、濾過チューブ41の固定位置よりも周縁部S側であることを条件として、支持板42が平面視多角形状に形成されている場合、該多角形の対角線上に位置している。このことは押圧箇所の偏りを防止して支持板42の狭圧固定を均等に行い、シールをより完全なものとする観点から好ましい。押圧箇所は特に支持板42の面積を二分する対角線上に位置することが好ましい。また図20に示すように、棒状材77の押圧箇所は入湯口5と出湯口6とを結ぶ直線上に非存在であることが、支持板42の浮き防止の観点から好ましい。
蓋材90の構成材料は、第1実施形態で述べたものと同様であり、通常、蓋材90の自重により、押圧部材による付勢時の蓋材90の浮き上がりは防止される。しかし後述するように、蓋材90と缶体部20とを連結する部材を配置してもよい。
図21は濾過装置110Aを図19とは別方向で切断した横断面図である。図21に示す通り、支持板42の上面42bと、蓋材90の下面90aとの間は離間している。出湯口6は深さ方向Xにおいて、その上端6a及び下端6bの間に、支持板42の上面42bが位置するように設けられている。図21に示す通り、出湯口6の上端6aは、蓋材90の下面90aよりも下側に位置している。このため、溶湯の濾過時に、溶湯金属は蓋材90の下面90aに付着しにくく、溶湯金属が蓋材90における貫通孔95及び後述する貫通孔58に入り込むことを防止できる。
また本実施形態では、蓋材90を中央部52と、該中央部52と周辺部94とに分離可能に形成したことにより、付勢部材75を蓋材90から取り外さなくても、加熱体51を有する第1の蓋体52を第2の蓋体92に変更することが容易である。また中央部52を取り外せば、付勢部材75を蓋材から取り外さなくても、濾過ユニット40の交換をせずに缶体部20内を掃除することができる。例えば図21に示す通り、中央部として、加熱体を有さない中央部92を用い、これに貫通孔58及び貫通孔58と連通して中央部92の上面側に位置する熱風発生装置99を配置してもよい。このようにすると、濾過中にこの熱風発生装置99で発生した熱風を貫通孔58を通じて缶体部20内に送り込むことができる。
以上のように、本実施形態の濾過装置110Aによっても前述の実施形態と同様に、濾過チューブ41の開口が上方を向く場合の濾過時の支持板42の浮き上がりを効果的に防止できる。また、本実施形態は、凹部39を形成するための煉瓦組み等の手間を必要とせず、また、凹部39に付着する金属の除去の手間を省くことができるメリットを有する。棒状体77に付着する金属の除去は、棒状材77に第1実施形態で述べたものと同様のコーティング処理を施しておくことにより容易に行うことができる。
上述したように、濾過装置110Aにおいては蓋材90と缶体部20とを連結する部材は配置されていなかったが、これに代えて、図22及び図23に示すように、蓋材90と缶体部20とを連結する固定部材61を設けてもよい。図22及び図23に示す濾過装置110A’はこの固定部材61の設置の点以外は、上記の濾過装置110Aと同一である。固定部材61を設けると付勢部材75による付勢時における蓋材90の浮き上がりが更に効果的に防止されるため好ましい。固定部材61の例としては、図23に示すようなファスナー部材61が挙げられる。ファスナー部材61はフック62と、フック62に係着可能な止め具63とを有する。フック62は蓋材90の外面下端に不図示のねじ及びナット等で固定配置されるとともに、止め具63は缶体部20の外面上端におけるフック62と対向する位置に不図示のねじ及びナット等で固定配置されている。止め具63は、突起部65を有する棒部材66と棒部材66と連結するレバー67とを有し、突起部65がフック63の凹部68に嵌合した状態でレバー67を回動させることで蓋材90を缶体部20に締結できるようになされている。好ましいファスナー部材の例としてはタキゲン社製のアジャストファスナー(登録商標)C−236等が挙げられる。
図22に示す例では、ファスナー部材(止め具63)は、壁面部22外面に周方向に沿って複数配置されている。ファスナー部材は、複数個、好ましくは3個以上が、該周方向において略均等な間隔で配置されていることが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記第1及び第2実施形態においては、凹部39は楔体70と同様にテーパ形状を有していたが、これに限定されない。例えば、凹部39の深さ方向Xの長さは水平方向外方に向かって略一定であってもよい。また、濾過装置は凹部39と同数の楔体70を有していたが、これに限定されない。
また、前記第1及び第2実施形態においては、複数の凹部39は同一の形状をしており、複数の楔体70は同一の形状をしていたが、いずれも異なっていてよい。また、複数の楔体70の材質を異ならせることも可能である。
また、前記各実施形態においては、係止部30(突出部32)は缶開口部29の周方向に連続的に設けられていたが、断続的に設けられていてもよい。また係止部30(突出部32)は缶体部20と一体に形成されていなくてもよい。
また、支持板42は、平面視した時の形状は、略多角形状である必要はなく、略円形状等であってもよい。
また支持板42は側面視したときに支持板42の上面42b側から下面42a側に向けて嵌め込み可能な形状をしていなくてもよい。その場合、深さ方向Xと垂直な全ての方向から側面視したときに支持板42の上面42b側から下面42a側に向けて先太りとなっていないことが好ましい。
また濾過装置は、加熱ユニットを有していなくてもよく、例えば、第1の蓋体52を有さずに蓋体92のみを有していてもよい。
濾過装置10における蓋体及び缶開口部(蓋体閉塞部)の形状は本実施形態に限定されず、任意の形状を採用できる。例えば、蓋体及び缶開口部は平面視において多角形状であってもよく、また、側面にテーパ形状を有していなくてもよく、テーパ形状の代わりに段差部を有していてもよい。
また、前記の各実施形態においては、濾過チューブ41はその長手方向が缶体部の深さ方向Xを向いていたが、該長手方向が水平面に対して交差する方向である限り、該長手方向が深さ方向Xを向いていることを要しない。例えば、濾過チューブ41の長手方向と水平面とのなす角は好ましくは45度以上、更に好ましくは55度以上、一層好ましくは80度以上である。
また濾過装置が加熱ユニットを有する場合、例えば前記の各実施形態においては、濾過ユニット40に備えられた濾過チューブ41は1本あるいは複数本であり、加熱ユニット50は、濾過チューブ41の全部、または一部を加熱可能な加熱体51を有しており、濾過チューブ41の全部または一部に加熱体51が挿入される。更に、濾過チューブ41は1本又は2本以上であってもよいし、また加熱体51も1本又は2本以上であってもよい。
また、加熱体51の数は、濾過チューブ41と同数である必要はなく、濾過チューブ41よりも少なくてもよい。また、複数の濾過チューブ41を有する場合、そのうち少なくとも1本に加熱体が挿入されていればよく、全ての濾過チューブ41に加熱体51が挿入される必要はない。
更に、濾過チューブ41と加熱体51とは一対一で対応していてもしていなくてもよく、例えば複数本の加熱体51が1つの濾過チューブ41に挿入されてもよい。また貫通孔52dと加熱体51と一対一で対応していてもしていなくてもよく、1つの貫通孔52dに複数の加熱体51を保持してもよい。また、例えば、貫通孔52dと濾過チューブ41も同数であってもなくてもよく、例えば、貫通孔52dが濾過チューブ41よりも少なくてもよい。ただし濾過チューブ41の数とその開口部43の数とは同数である。
また、前記実施形態においては、複数本の加熱体51は同一の形状や材質をしていたが、異なっていてもよい。
前記実施形態においては、棒形状をしていたが、これに限定されず、例えば、棒形状のヒーターに代えて、スパイラルヒーター等を用いることも可能である。
加熱体が支持体に固定される態様は、前記実施形態のように貫通孔を貫通する態様に限られない。例えば、支持体の下面に押え用部材等を配置することにより、加熱体を支持体の下面に固定してもよい。
また加熱ユニットの支持体52を、缶開口部9を閉塞する蓋体と兼用する必要はない。例えば、缶体部20に支持体52を係止するための係止部を設け、蓋体は支持体と別体としてもよい。
また、前記の実施形態においては、支持体52と、壁面部22の内面とにテーパ面を形成して支持体52を缶体部20内に装着するための構成としたが、支持体52を缶体部120内に装着するための構成はこれに限定されない。例えば支持体52の側面に段差部を設け、これと対応する段差部を壁面部22に設けて両者を嵌め合せることで、支持体52を缶体部20内に装着してもよい。
10 金属溶湯濾過装置
20 缶体部
21 底面部
22 壁面部
9 缶開口部
30 係止部
39 凹部
40 濾過ユニット
41 濾過チューブ
43 濾過チューブの開口部
42 支持板
42a 下面
42b 上面
42c 側面
50 加熱ユニット
51 加熱体
52 支持体
52a 下面
52b 上面
52c 側面
70 楔体
75 付勢部材
77 棒状材
90 蓋材
92 第2の蓋体

Claims (17)

  1. 上部に開口部を有する缶体部と、
    前記缶体部内の貯留部に着脱可能に装着される濾過ユニットと、を有する金属溶湯濾過装置であって、
    前記濾過ユニットは、支持板と、該支持板の厚み方向に沿って該支持板に固定された1本又は複数本の有底筒状の多孔質セラミックス製濾過チューブとを有し、
    前記濾過ユニットは、該濾過ユニットが前記缶体部内に装着されたときに、前記濾過チューブの長手方向が前記缶体部の水平方向と交差し、且つ該濾過チューブの開口部が上方を向くように構成されており、
    前記支持板を前記缶体部内に装着するための係止部が、該缶体部の壁面部から水平方向内方に向けて突出するように該缶体部の壁面部に設けられており、
    前記係止部に係止した状態の前記支持板における、前記濾過チューブの固定位置よりも周縁部側の部分を、該支持板の上面側から下方に押圧するための押圧部材を配置し、
    前記係止部に係止した状態の前記支持板の上面に対して前記缶体部の深さ方向における同位置に、前記缶体部の壁面部から水平方向外方に向けて延びる複数の凹部が、該壁面部に設置されており、
    前記押圧部材として、前記壁面部の前記凹部に嵌入可能な楔体を配置し、該凹部に嵌入した該楔体と前記係止部とによって前記支持板を挟圧固定可能としており、
    前記凹部は、前記缶体部の水平面に沿う面である下面を有しており、該下面は、前記濾過ユニットの前記支持板が前記係止部に係止された状態における該支持板の上面より低い位置に設けられており、
    前記支持板は、前記濾過ユニットを前記缶体部内に装着する装着手段の鉤部に係合可能な鉤部係合部を有しており、
    前記缶体部は、濾過すべき金属溶湯を入湯する入湯口と、濾過した金属溶湯を出湯する出湯口とを有しており、
    前記濾過ユニットが前記缶体部の前記貯留部に装着されて、該濾過ユニットの前記支持板が、該缶体部の前記壁面部に設けられた前記係止部に係止された状態において、前記入湯口は該貯留部に通じるように設けられており、前記出湯口は該濾過ユニットの前記濾過チューブの前記開口部と通じるように設けられており、
    金属溶湯が、前記濾過チューブの外周面側から該濾過チューブの内部に入り、該濾過チューブの前記開口部から流出することにより濾過されるものである、金属溶湯濾過装置。
  2. 前記缶体部の壁面部は、その内面における前記係止部の上側に、前記支持板の側面と相補する形状を有する側面対向部を有しており、
    前記装着手段を前記係止部に案内するための装着用溝部が、前記側面対向部に設けられている、請求項1に記載の金属溶湯濾過装置。
  3. 前記装着用溝部は、前記側面対向部の周方向の一部を、該側面対向部の内面から前記缶体部の外方に向けて凹設して形成された、該缶体部の内側に開口する溝部である、請求項2に記載の金属溶湯濾過装置。
  4. 前記楔体は前記凹部に嵌入する方向に長い棒状であって、該凹部に嵌入した状態において、前記缶体部の下方を向く略水平な平坦面である下面と、該凹部に嵌入する方向に向かって該下面側に傾斜したテーパ面からなる上面とを有している請求項1〜3の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  5. 前記支持板は、側面視したときに前記濾過チューブの開口部側から底部側に向けて嵌め込み可能な形状を有しており、
    前記缶体部の壁面部は、前記係止部の上側に、前記支持板の側面形状と相補する形状を有している、請求項1〜4の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  6. 前記係止部は、前記缶体部の開口部の全周に亘るものであり、かつ該缶体部と該係止部とが一体成型されたセラミックスである、請求項1〜5の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  7. 前記鉤部係合部が、前記支持板の周縁部における下面側の一部を切り欠いて形成されたものである、請求項1〜6の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  8. 前記缶体部を平面視したとき前記入湯口と前記出湯口とは該缶体部の前記貯留部を挟んで相対する位置に設けられており、前記壁面部の前記凹部は、少なくとも一つが、該入湯口及び該出湯口が相対する方向と直交する方向に向けて凹設されている、請求項1〜7の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  9. 前記濾過ユニットに着脱可能に装着される加熱ユニットを備え、
    前記加熱ユニットは、支持体と、該支持体に固定された1本以上の加熱体とを有し、
    前記加熱体は、前記濾過チューブ内に挿入可能に前記支持体に固定されている、請求項1〜の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  10. 前記加熱ユニットの支持体は、缶体部の開口部に係合して該開口部を閉塞しうる形状を有する第1の蓋体を有する、請求項に記載の金属溶湯濾過装置。
  11. 前記支持体が缶体部の開口部に係合することにより、濾過ユニットに対して加熱ユニットが固定される、請求項又は10に記載の金属溶湯濾過装置。
  12. 少なくとも一の水平方向からみたときに、濾過ユニットに装着された加熱ユニットの支持体は、缶体部の深さ方向下側に向かうに連れて漸次幅狭となる形状を有しており、
    缶体部の開口部は、該支持体の側面と相補形状となっている、請求項10又は11に記載の金属溶湯濾過装置。
  13. 前記加熱ユニットは、金属溶湯の濾過前における濾過ユニットに装着されるものである、請求項12の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  14. 第1の蓋体に代えて、缶体部の開口部を閉塞しうる第2の蓋体を有し、第2の蓋体が缶体部の開口部を閉塞するときには、前記濾過ユニットのセラミックス製濾過チューブ内に加熱体が挿入されないようになされている、請求項10に記載の金属溶湯濾過装置。
  15. 前記加熱ユニットは、濾過チューブと同数以上の加熱体を有しており、濾過チューブの全てに加熱体が挿入されるように該加熱体が配置されている、請求項14の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  16. 前記加熱ユニットは、一定の棒形状をした加熱体を有する請求項15の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
  17. 前記濾過ユニットは、濾過チューブの長手方向が缶体部の深さ方向と略一致するように缶体部内に収容可能なものであり、
    前記加熱ユニットの支持体は、加熱ユニットが濾過ユニットに装着された状態において缶体部の深さ方向の下方を向く下面と、該下面と反対側に位置する上面とを有しており、
    加熱体は棒形状をしており、その長手方向が加熱ユニットの支持体の上面に対して略直交するように固定されており、
    支持体は、その上面が缶体部の深さ方向と略直交する状態で缶体部の深さ方向に向けて下方に移動することにより、前記加熱ユニットが前記濾過ユニットに装着可能なように配置されている、請求項16の何れか1項に記載の金属溶湯濾過装置。
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