JP2016205638A - フィルタボックス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開口部を有する槽状を有し、開口部が液面上に露出した状態で金属溶湯に浸漬されるフィルタボックス1で、多孔質セラミックスよりなり、介在物の通過を阻害しながら金属溶湯を通過させるフィルタ部2と、耐火性材料よりなり、フィルタ部を保持する本体部3と、を有する、介在物が除去された金属溶湯をその内部に得る槽状のフィルタボックス1。前記多孔質セラミックスが、アルミナ系セラミックス,コージェライト系セラミックス,炭化ケイ素系セラミックスより選ばれる1種以上よりなり、本体部(3)が、不定形の耐火性材料を固化してなり、前記耐火性材料が、アルミナ系セラミックス,コージェライト系セラミックス,炭化ケイ素系セラミックスより選ばれる1種以上の耐火性セラミックス又は、前記耐火性材料は、黒鉛系耐火材よりなるフィルタボックス。
【選択図】図1
Description
この介在物は、金属溶湯に対しては異物であり、その量を減少させることが、ダイカスト製品の品質において重要な課題となっていた。
更に、フィルタの設置位置から汲み出し位置までの距離が長くなるほど、流入経路を区画する炉体からの介在物を除去できないという問題があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、金属溶湯からの介在物の除去性能に優れたフィルタボックスを低コストで得ることを本発明の課題とする。
さらに、安価な耐火性材料を用いて形成することができ、フィルタボックス自身のコストを低減できる。
本形態のフィルタボックス1は、フィルタ2、本体部3、を有する。本形態のフィルタボックス1の構成を、図1に斜視図で、図2に断面図(図1中のフィルタ2,2を横断するII−II線での断面)で、それぞれ示した。
有底筒状の形状(断面での内周形状,外周形状)及び開口部の形状は、限定されるものではない。開口部は、後述の連続熔解保持炉4ではアルミニウムの溶湯の汲み出しを行うためのラドル48が挿入されるように、フィルタボックス1の内部の汲み出し位置からアルミニウムの溶湯を汲み出すための治具が挿入可能な形状及び大きさで形成される。
フィルタ2は、請求項のフィルタ部に相当する部材であり、四角形の板状の多孔質セラミックスよりなる。フィルタ2を形成する多孔質セラミックスは、多数の細孔が連続した状態で形成されたセラミックスである。フィルタ2が多孔質セラミックスよりなることで、溶湯保持炉で使用されたときに、介在物の通過を阻害しながらアルミニウム溶湯を通過させることができる。
板状のフィルタ2の厚さは、限定されるものではないが、フィルタ2を保持する側壁30の厚さと同じ厚さであることが好ましい。
本体部3は、アルミニウムの溶湯に対して損傷(アルミニウムと反応,溶湯への熔解)を生じない材質であれば限定されるものではない。
粉末やスラリー状の耐火性材料を圧縮成形する成形手段については、限定されるものではないが、金型でのプレスやCIP成形(冷間静水圧加圧成形)を用いることができる。
本形態のフィルタボックス1は、アルミニウムダイカストの連続熔解保持炉4で使用できる。
連続熔解保持炉4は、図3に概略構成を示したように、溶解室40と、給湯室45と、ラドル48と、を有する。
ラドル48が汲み出したアルミニウムの溶湯は、ダイカストマシン等に供給される。
本形態のフィルタボックス1は、上記したように、連続熔解保持炉4で使用したときに、介在物が除去されたアルミニウムの溶湯を汲み出すことができる。
そして、本形態のフィルタボックス1は、高価なフィルタ2を部分的に使用し、その他はフィルタ2よりも安価な本体部3で形成されている。このため、フィルタボックス1自体のコストを低減できる。
本形態のフィルタボックス1は、フィルタ2が本体部3に固定されていること以外は、実施形態1と同様なフィルタボックス1である。本形態のフィルタボックス1におけるフィルタ2の近傍の構成を、図4に拡大断面図で示した。
本形態のフィルタボックス1は、図4に示したように、本体部3の底壁31にフィルタ2が接合材32で接合して固定されている。
接合材32は、フィルタ2が本体部3に固定できる材質であれば、その材質が限定されるものではない。例えば、モルタル等の接合材を用いることができる。
また、本形態のフィルタボックス1は、フィルタ2と本体部3との固定に接合材32が用いられている。この構成によると、フィルタ2と本体部3とを強固に固定できる。
なお、本形態では、接合材32が配されるフィルタ2と本体部3との接合部が、フィルタ同士を接合する従来の構成よりも少なくなっており、接合材32の使用量を低減できる。このため、接合材32自身が剥離するおそれが低下している。
本形態のフィルタボックス1は、フィルタ2が保持されている場所が異なること以外は、実施形態1と同様なフィルタボックス1である。本形態のフィルタボックス1の構成を、図5に断面図(上記した図2と同様な断面)で、それぞれ示した。
本形態のフィルタボックス1は、図5に示したように、本体部3の底壁31にフィルタ2が保持されている。
本形態のフィルタボックス1は、実施形態1と同様の効果を発揮できる。
本形態のフィルタボックス1は、本体部3の形状が異なること以外は、実施形態1と同様なフィルタボックス1である。本形態のフィルタボックス1の構成を、図6に斜視図で、図7に断面図(図6中のVII−VII線での断面)で、それぞれ示した。
なお、本形態のフィルタボックス1では、底壁部310に接続する二つの側壁30,30にフィルタ2が保持される。
上記したように、本体部3が耐火性材料を固化してなる。図に示した形状で成形して固化させることで、本形態のフィルタボックス1(本体部3)を得られる。
本形態のフィルタボックス1は、実施形態1と同様の効果を発揮できる。
実施形態4では、フィルタボックス1(本体部3)の外周形状を給湯室45(貯留部46)の内周形状に沿った形状としているが、フィルタボックス1(本体部3)の内周形状についても同様に任意の形状とすることができる。すなわち、ラドル48でアルミニウムの溶湯を汲み出すときにラドル48の動きに干渉しない形状としてもよい。
上記した各形態の構成を組み合わせても良い。
たとえば、フィルタ2の数を1以上の任意の数とすることができる。また、本体部3の側壁30についても、平板形状以外の凹凸形状や湾曲形状としても良い。
本形態のフィルタボックス1は、フィルタ2、本体部6、を有する。本形態のフィルタボックス1の構成を、図9に斜視図で、図10に断面図(図9中のX−X線での断面)で、それぞれ示した。なお、本形態の特に言及しない構成は、上記した各形態と同様である。
本形態のフィルタボックス1は、上記した実施形態1〜2と同様に、上方に開口部を有する槽状を有する。
本体部6は、耐火性材料よりなる板材60を組み合わせて形成された断面四角形の四角筒を有する。
板材60,60’は、垂直な方向をなすように係合される。
板材60を形成する耐火性材料は、具体的な材質が限定されるものではない。本形態では、黒鉛系耐火材を用いることが好ましい。
本形態のフィルタボックス1は、槽状を区画する底壁をフィルタ2が形成する構成であり、上記した実施形態2と同様の効果を発揮できる。
実施形態5では、板材60を組み合わせてなる本体部6が四角形の筒状であったが、この形状に限定されない。たとえば、図12に示した6角形状等の多角形状としても良い。
これらの形態においても、実施形態4と同様の効果を発揮できる。
上記した各形態のフィルタボックス1は、アルミニウムの連続熔解保持炉4で使用したときに、上記した効果を発揮するが、同様の機能を発揮できる溶湯であれば金属溶湯がアルミニウムの溶湯のみに限定されるものではない。
本発明の実施例として、上記した各実施形態のフィルタボックスを製造した。
各例において、フィルタ2には、連続した細孔を有するSiCフィルタ(孔数;11〜15個/25mm、厚さ;2cm)を用いた。SiCフィルタは、その組成を表1に示した。また、本体部3,6には表2に示した材質を用いた。
本例は、上記した実施形態4の態様のフィルタボックスである。
本例のフィルタボックスは、本体部3が、表2に示したSiC系プレキャストにより製造された。
本例は、上記した実施形態5の態様のフィルタボックスである。
本例のフィルタボックスは、フィルタ2が一つである。本体部3は、表2に示したC−SiC系を用いた。このC−SiC系は、黒鉛ルツボに用いられる材質であり、厚さ2cmの板材である。
上記の各例の評価として、実際の連続熔解保持炉4でアルミニウムの溶湯の汲み出しに使用し、評価を行った。
フィルタ機能の評価は、ラドルで汲み出されたアルミニウムの溶湯に含まれる介在物を調べた。いずれの例でも介在物が確認されず、介在物の除去ができたことが確認できた。すなわち、各例のフィルタボックスは、介在物が除去されたアルミニウムの溶湯を汲み出すことができることが確認できた。
損傷の有無の評価は、フィルタボックスの使用中の損傷の有無を目視で確認することで行った。
実施例2では、本体部6に損傷は確認できなかった。
各例のフィルタボックスは、従来のフィルタのみから形成されるフィルタボックスよりも1ヶ月以上経過した後に、フィルタの交換を行った。
すなわち、実施例1〜2のフィルタボックスは、従来のフィルタボックスよりも長寿命となっていることが確認できた。
各例のフィルタボックスの使用時に、フィルタボックスの内部と外部のアルミニウムの溶湯の温度差を測定した。
各例のフィルタボックスでの温度差は、最大でおよそ30℃であった。この温度差は低いことが好ましく、実用上問題のない温度差であった。
上記したように、本発明のフィルタボックスを具体的に実施した各例のフィルタボックスによると、介在物が除去されたアルミニウムの溶湯を得ることができる。
その上で、高価なフィルタ2の使用量を少なくしているため、フィルタボックス自身のコストを低減できる。
更に、実施例1のフィルタボックスでは、その形状を自由に形成できる。つまり、形状自由度に優れたフィルタボックスとなっている。
2:フィルタ
3:本体部
30:側壁 31:底壁
4:連続熔解保持炉
40:溶解室 41:原料投入口
42:予熱室 43:溶解バーナ
45:給湯室 46:貯留部
48:ラドル
50:アルミニウム原料
6:本体部
60:板材 61,61’,63,63’:凸部
62,62’:凹部 64:係止溝
Claims (9)
- 開口部を有する槽状を有し、該開口部が液面上に露出した状態で金属溶湯に浸漬されるフィルタボックス(1)であって、
多孔質セラミックスよりなり、介在物の通過を阻害しながら該金属溶湯を通過させるフィルタ部(2)と、
耐火性材料よりなり、該フィルタ部を保持する本体部(3,6)と、
を有することを特徴とするフィルタボックス。 - 前記多孔質セラミックスは、アルミナ系セラミックス,コージェライト系セラミックス,炭化ケイ素系セラミックスより選ばれる1種以上よりなる請求項1記載のフィルタボックス。
- 前記本体部(3)は、不定形の前記耐火性材料を固化してなる請求項1〜2のいずれか1項に記載のフィルタボックス。
- 前記耐火性材料は、アルミナ系セラミックス,コージェライト系セラミックス,炭化ケイ素系セラミックスより選ばれる1種以上の耐火性セラミックスである請求項3記載のフィルタボックス。
- 前記フィルタ部(2)は、前記本体部に係止される請求項3〜4のいずれか1項に記載のフィルタボックス。
- 前記本体部(6)は、板状の前記耐火性材料(60)を組み合わせて形成される請求項1〜2のいずれか1項に記載のフィルタボックス。
- 前記耐火性材料は、黒鉛系耐火材よりなる請求項6記載のフィルタボックス。
- 前記フィルタ部(2)は、少なくとも槽状の底面を形成する請求項6〜7のいずれか1項に記載のフィルタボックス。
- 前記金属溶湯は、アルミニウムの溶湯である請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルタボックス。
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