JP2005238265A - ストークおよびこれを用いた低圧鋳造機 - Google Patents

ストークおよびこれを用いた低圧鋳造機 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度を有する緻密体窒化珪素から成るフィルタ機能を備えたストーク部材で、部品の寿命を長くするとともに、酸化物や不純物による目詰まりを少なくする構造とすることで、交換頻度を少なくしメンテナンスの手間を軽減した鋳造装置を提供する。
【解決手段】金属溶湯を鋳型に形成されたキャビティ内に導入するためのストークであって、下方側面に溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔10を有するとともに、底部を閉構造となす。
【選択図】図2

Description

本発明は、アルミニウムまたはその合金などの金属溶湯の差圧鋳造に用いられる低圧鋳造用のストークおよびこれを用いた低圧鋳造機に関する。
図4に示すように、従来の低圧鋳造機は鋳型のキャビティ21内と連通する給湯路24の下端に、溶湯26の湯中の不純物を除去するフィルタ30を配設し、さらにその上流位置に、無数の非直線的連続孔を備えた多孔性背圧板31を配置して、フィルタ30と多孔性背圧板31との間に背圧領域Xを形成するとともに、湯口23と多孔性背圧板31との間に整流領域Yを形成することにより、溶湯26は背圧領域X内で多孔性背圧板31により、差圧がかけられ横断面で可及的均一な圧力となり、その供給速度が可及的に一定となり、かつ多孔性背圧板31から流出した後は、整流領域Yでその安定化が図られ、溶湯26はキャビティ21内に、ほぼ均一な条件で供給される。これにより巣と呼ばれる鋳込み不良のない良好な鋳造品を得るものである。
また、鋳型のキャビティ21内と連通する給湯路24を、キャビティ21の入り口に接続された連結管28と、該連結管28に接続されたストーク29とで構成するとともに、ストーク29の下端に保持炉25内の溶湯26中の酸化物などを除去するフィルタ30を配設し、さらに連結管28とストーク29の間に背圧を発生するための、無数の非直線的連続孔を備えてなる多孔性背圧板31を配置して、ストーク29内を背圧領域Xとし、かつ連結管28内を整流領域Yとしたものである。
これにより溶湯26はストーク29内で多孔性背圧板31により背圧がかけられて、横断面で可及的に均一な圧力となり、その供給速度が一定となり、かつ多孔性背圧板31から流出した後は、整流領域Yでその安定化が図られ、溶湯26はキャビティ21内にほぼ均一な条件で供給されて、巣の無い良好な鋳造品を得ることができる。
また、ストーク29の下端には、鋳造製品中への異物が混入するのを防止するフィルタ30が設けられており、例えば複数の貫通孔を有するものや、平均細孔径がφ0.3〜5mm、空孔率40〜90%、厚み5〜50mm、空隙率80〜90%の不定形の貫通路が設けられたフィルタ30などが取付けられていた(特許文献1参照)。
また、従来のフィルタ30は、ストーク29の底部に取り付けられており、ストーク29の給湯入り口である底部や上方端の出口付近にフィルタを備えている。
さらに、耐熱衝撃性などを考慮して多孔質材料が使用されており、抗折強度0.5〜1.2MPaのアルミナ、コージライト、ムライト、炭化珪素等で製作されていた。
特開2002−79364号公報
従来の低圧鋳造では、金属溶湯の流路を形成する管状部材であるストーク29の下端にフィルタ30を装着しているが、フィルタ30がストーク29の底部に取り付けられており、貫通孔がストーク29の給湯路24の方向に沿ってストレートに開けられているため、圧力損失が大きく鋳造完了後に保持炉25へ戻るまでに時間を要し、溶湯温度の低下などの問題を起こしていた。
また、フィルタ30は、溶湯表面と平行に配置されており、異物や不純物が一旦付着すると、溶湯の切れが悪いためにフィルタ30から脱離しにくく、自浄作用が起こらないためにこれが積もって目詰まりとなってしまうという問題があった。
さらに、フィルタ30が、ストーク29の内側段部に固定されているだけであり、鋳造完了後の保持炉への戻り溶湯の荷重に耐え切れず、使用中にフィルタ30が外れやすいという問題があった。
またさらに、フィルタ30の強度が不足して破損すると、破片が溶湯に混入して汚してしまうために、溶湯を抜いて掃除を行ない、フィルタ30を交換するために冷却するなどに多くの時間を費やすことになるという問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、その目的は、部品の強度を大きくして寿命を長くするとともに、目詰まりを少なくする構造とすることで、交換頻度を少なくしメンテナンスの手間を軽減したストークを提供することを特徴とする。
本発明はこれらに鑑みてなされたもので、金属溶湯を鋳型に形成されたキャビティ内に導入するためのストークであって、下方側面に溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔を有するとともに、底部が閉構造となっていることを特徴とする。
また、上記貫通孔が外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状であることを特徴とする。
また、金属溶湯を鋳型に形成されたキャビティ内に導入するための有底筒状のストークであって、底部に外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状をなし、溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔を有することを特徴とする。
また、上記貫通孔の傾斜角度が30〜60°であることを特徴とする。
また、筒状の通路と、該通路の下方端に取着するフィルタからなり、フィルタの側面および/または底部に上記貫通孔を有するとともに、フィルタの開放端部に通路と合致する段部を形成したことを特徴とする。
また、破壊靭性値が7MPa√m以上、1000℃における4点曲げ強度が780MPa以上、室温における熱伝導率が27W/(m・K)以上、水中投下による耐熱衝撃温度が800℃以上の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする。
また、鋳型に形成されたキャビティ内に上記のいずれかに記載のストークを介して金属溶湯を導入し、キャビティ内の金属溶湯を凝固させることを特徴とする。
本発明の、金属溶湯を鋳型に形成されたキャビティ内に導入するためのストークであって、下方側面に溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔を有するとともに、底部が閉構造となっていることから、溶湯の湯面の上昇、低下によりフィルタに自浄作用を持たせることができ、フィルタの交換作業が無くなり作業性が向上する。
また、上記貫通孔が外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状であることにより、鋳造時に保持炉内の溶湯液面に加圧して液面を押し下げた時、溶湯中に滞留する酸化物あるいは異物が下方に向かって動くことから、貫通孔にそれら異物等が進入することを難しくすることができる。また溶湯の動きに対して酸化物が側面貫通孔に滞留することが無くなり、目詰まりが無くフィルタ効果を発揮することが可能となる。また、鋳造時に溶湯をストーク内部に送り込む際には、湯面に圧力をかけて溶湯を押し下げる動きを与えることになるが、その動きの中で酸化物等の貫通孔への進入を防止することが可能となる。
また、金属溶湯を鋳型に形成されたキャビティ内に導入するための有底筒状のストークであって、底部に外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状をなし、溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔を有することにより、溶湯中の異物をストーク外へ除去することができる。
また、上記貫通孔の傾斜角度が30〜60°であることにより、貫通穴が傾斜しているため、溶湯表面と平行に配置されることがなく、穴部に付着した溶湯の切れが良くなり、異物や不純物が脱離し易く、自浄作用が効率よく働くため、目詰まりを減少させることができる。また、異物などの滞留を抑制し、良好な自浄作用を実現できる。
また、筒状の通路と、該通路の下方端に取着するフィルタからなり、フィルタの側面および/または底部に上記貫通孔を有するとともに、フィルタの開放端部に通路と合致する段部を形成したことにより、フィルタに貫通孔を加工する場合、貫通孔のテーパー形状を内側からテーパー形状を有する切削バイトを使用して容易に加工できることで、製作コストを小さく抑え安価な製品を提供することができ、また、フィルタの開放端部に通路と合致する段部を設けることで、従来の既存のストークに対してもフィルタを容易に取り付けることが可能となり、本提案での長寿命化の実現、メンテナンス軽減の効果を得ることが可能となる。
また、破壊靭性値が7MPa√m以上、1000℃における4点曲げ強度が780MPa以上、室温における熱伝導率が27W/(m・K)以上、水中投下による耐熱衝撃温度が800℃以上の窒化珪素質焼結体からなることにより、フィルタ部分の強度が向上し、使用時の破損を防ぐことができるため、長寿命化の実現、メンテナンス軽減の効果を得ることが可能となる。
また、鋳型に形成されたキャビティ内に上記のいずれかに記載のストークを介して金属溶湯を導入し、キャビティ内の金属溶湯を凝固させることにより、フィルタ部材の強度を大きくして寿命を長くするとともに、目詰まりを少なくする構造とすることで、交換頻度を少なくしメンテナンスの手間を軽減したストークを提供することを特徴とする低圧鋳造機とすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1に本発明のストーク9を備えた低圧鋳造機11の実施形態を示す。
図1において、上型2aと下型2bおよび横型2cからなる金型2内には、アルミホイールなど鋳造製品の形状に適合したキャビティ1が形成されている。下型2bにはキャビティ1に直通する湯口3が開口している。
この湯口3には後述する溶湯の給湯路4が接続される。この給湯路4の下端部は保持炉5内の溶湯6に浸漬され、溶湯6の湯面上に供給口7に供給された空気またはアルゴンガス等の不活性ガスの圧力により、該溶湯6は給湯路4内から湯口3を通ってキャビティ1に供給される。給湯路4はキャビティ1の湯口3に接続される連結管8と、さらにこの連結管8に接続されるストーク9で構成されている。
本発明は上記ストーク9に関するものであり、第1の実施形態として、図2に示すようにストーク9の下方側面に溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔10を有するとともに、底部が閉構造となっていることを特徴とする。
図1に示す低圧鋳造機11を用いた鋳造工程は、保持炉5中の溶湯6は供給口7に供給された加圧ガスによって、湯面上に圧力が印可されると、湯面の下降に伴って溶湯6が貫通孔10を通過してストーク9に流入する。そして上昇を始め、連結管8を通って、湯口3から金型2内のキャビティ1に流入し、流入した溶湯6は金型2により冷却され凝固を始める。また、湯面には一定時間圧力がかけられ、キャビティ1内では加圧状態に維持されたまま、凝固が進行する。そして、湯口3が凝固しかけた状態で、湯面の圧力は除かれ、湯面が上昇するに伴って、加圧ガスが排気される。そして給湯路4内の溶湯は下降して1回の鋳造サイクルが終了するものである。
そのため、ストーク9の下方側面に貫通孔10を設けることで、溶湯6が保持炉5の中で対流の動きを行う場合に、溶湯6に含まれる異物が貫通孔10の入り口部に滞留することが無くなり溶湯6の動きによってストーク9自体が自浄作用を有し、長期間の使用においても目詰まりが無く異物の除去を確実に行うことができる。また、フィルタ30の交換作業が必要無く、作業性を向上させることができる。
また、貫通孔10は、直径1〜2mm程度とし、その開口端部で隣り合ったものの間に1〜2mm程度の隙間を設けるように数を調節して形成することが好ましく、例えば直径100mmのストーク9に対して直径1mmの貫通孔10を約500個設けるものである。
また、図2(b)に示すように、上記貫通孔10が外側から内側上方に向けて傾斜していることが好ましい。
これにより、溶湯6が保持炉5の中で加圧されて下向きに移動するが、貫通孔10は上方へ向いているために、溶湯6に含まれる異物が貫通孔10入り口部に進入することが難しくなる。
さらに、鋳造が完了して湯面上への加圧が無くなり、給湯路4内の溶湯6が下がって保持炉5内に戻る場合に、溶湯6の下方への動きと貫通孔10の方向が同じ方向となり、給湯路4内の溶湯6はスムーズに保持炉5内に戻ることが可能となる。
また、このときの貫通孔10の傾斜角度αは30〜60°であることが好ましい。傾斜角度αが30°未満では、水平に加工した形状に比べて自浄作用の効果が小さく、また傾斜角度αが60°を超えると傾斜が急勾配になりすぎて溶湯6の動きが遅くスムーズで無くなるため、これも自浄作用の効果が小さくなるためである。
さらに、図2(c)に示すように、上記貫通孔10が外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状であることが好ましく、このように径が漸増する貫通孔10を設けることで、給湯路4内の溶湯6が下がって保持炉5内に戻る場合に、貫通孔10の内側入口径が広いために圧力損失が少なくスムーズに通過することができる。これは、鋳造が完了して湯面上への加圧が無くなることによる。
また、鋳造時に保持炉25内の溶湯6を加圧して液面を押し下げた時、溶湯6中に滞留する酸化物あるいは異物は下方に向かって動くことから、貫通孔10にそれら異物等が進入することを難しくすることができる。
さらに、溶湯の動きに対して酸化物が貫通孔10に滞留することが無くなり、目詰まりが無くフィルタ効果を発揮することが可能となる。
次いで、本発明のストークの第2の実施形態について図3に基づいて説明する。
図3に示すように、有底筒状のストーク9の底部に外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状をなす複数の貫通孔10を形成したものである。
これにより、ストーク9の貫通孔10が外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状であることが好ましい。このように傾斜状の貫通孔10を設けることで、給湯路4内の溶湯6が下がって保持炉5内に戻る場合に、貫通孔10の内側入口径が広いために圧力損失が少なくスムーズに通過することができる。
溶湯6中に含まれる異物は、溶湯6より比重の重いものと軽いものに大別することができる。比重の軽いものは、使用状態ではこのストーク9に設けた下方の貫通孔10より、上方に浮かんでいるため、給湯路4へ入り込むことはない。
また、比重の重いものは使用時の対流によって移動し、給湯路4へ入り込むことがある。
したがって、これらの溶湯6よりも比重の重いものは、ストーク9底部に外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状をなして設けた複数の貫通孔10によって、ストーク9の外側へと排出することができる。
また、上記貫通孔10の傾斜角度βが30〜60°であることにより、さらに異物の滞留を抑制し良好な自浄作用を実現できる。
傾斜角度βが30°未満では、水平に加工した形状に比べて自浄作用の効果が小さく、また傾斜角度βが60°を超えると傾斜が急勾配になりすぎて溶湯6の動きが遅くスムーズで無くなるため、これも自浄作用の効果が小さくなる。
この貫通孔10の傾斜角度βが30〜60°の範囲では、外側出口部に向かって径が小さくなっているために流速が早くなり、ストーク9の外側の貫通孔10に留まっている異物を吹き飛ばして除去する自浄作用を効果的に行うことができる。
次いで、本発明の第3の実施形態について図4に基づいて説明する。
図4に示すように有底筒状のストーク9の底部を外側に凸球形状となるように形成し、この底部に複数の貫通孔10を形成したものである。
これによって、異物が溶湯6の対流動きによって球Rの底面に来た場合も、球R形状に沿って動くことで、貫通孔10に留まることが無くなる。
なお、上述の第1〜第3の実施形態におけるストーク9は、貫通孔10がストーク9自体に設けられた例を示したが、図5に示すようにストーク9を筒状の通路9aと、該通路9aの下方端に取着するフィルタ9bから構成してもよい。
これにより、種々の形状の貫通孔を切削バイトを使用して容易に加工でき、製作コストを小さく抑え安価な製品を提供することができる。
また、筒状の通路9aとフィルタ9bとから構成する場合には、フィルタ9bの開放端部に通路9aと合致する段部12を形成することで、既存のストークに対してもフィルタ9bを容易に取り付けることが可能となる。
このようにフィルタ9bを、通路9aより分割して取着する場合には、段部12にねじを形成して固定し、さらにねじ締結部に無機接着剤を塗布すること等によって強固に固定することができる。
また、段部12は、図5に示すようにフィルタ9bの肉厚の中間位置まで内周側から座繰りを施し、該座グリ部にストーク9の下端部を挿入する形で一体化する形状とする。
さらに、上述の第1〜第3の実施形態において、ストーク9はアルミナ、窒化珪素等からなり、特に、破壊靭性値が7MPa√m以上、1000℃における4点曲げ強度が780MPa以上、熱伝導率が27W/(m・K)以上、水中投下による耐熱衝撃温度が800℃以上の窒化珪素質焼結体から形成することが好ましい。
これにより、使用時の破損を防ぐことができるため、長寿命化の実現、メンテナンス軽減の効果を得ることができる。なお、ストーク9を通路9aとフィルタ9bより構成する場合には、フィルタ9bを上記窒化珪素質焼結体で形成すればよいが、双方を上記窒化珪素室焼結体で形成することが好ましい。
破壊靭性値は、異物や固形物などが貫通孔10を通過させる際に、この貫通孔10の出入り口付近に接触しながら移動するため、カケや割れによる破損を防ぐために、靭性の高い材料を使用することで、その寿命を長く保持することができる。また、付着した異物などを取り除く際の衝撃にも耐える強度も必要である。そのため、破壊靭性値を7MPa√m以上とする。破壊靭性が7MPa√m未満では、長く使用を繰り返す間に、貫通穴10の出入り口が磨耗して、鋭角なエッジ等が形成され、この部分に異物などによる衝撃が加わることで、破損してしまう。
また、1000℃における4点曲げ強度が780MPa未満では、異物からの耐衝撃性が低いことに加え、付着物の清掃時に加えられる衝撃にも弱く、寿命が短くなる。そのため、1000℃における4点曲げ強度が780MPa以上とする。
さらに、ストーク9は高温で使用されることから熱特性も重要であり、熱の温度差により破損に至らないために高い熱伝導率と、急激な温度変化にも対応できるように高い耐熱衝撃性を備えていることが望ましい。
そこで室温(20℃)における熱伝導率が27W/(m・K)以上、水中投下による耐熱衝撃温度が800℃以上の窒化珪素質焼結体からなるものとした。
熱伝導率が27W/(m・K)未満では、使用始めはヒーターによりストーク9外部の溶湯6の温度と、ストーク9の内部に50℃〜100℃の温度差があり、この温度差に対応して外部からの熱をストーク9の内部へ良好に伝えることができずに破損する可能性がある。また、水中投下による耐熱衝撃温度が800℃未満では、溶湯の急熱・急冷に対応できずに破損に至る。
なお、このような窒化珪素質焼結体からなるストーク9を得るためには、例えば、Si粉末、もしくはSi粉末と窒化珪素粉末の混合粉末と、Fe、Cr、MnおよびCuのうち少なくとも1種の第1の金属元素の化合物からなる平均粒径0.1〜20μmの粉末と、上記第1の金属元素よりも高融点の第2の金属元素の化合物からなる平均粒径0.1〜30μmの粉末とを混合して混合粉末を作製する粉末混合工程と、上記混合粉末と有機結合剤とからなる成形体を等方静水圧を利用したCIPにより作製する成形工程と、所定の形状にバイト工具で削りだす切削工程と、実質的に窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの混合ガスからなる雰囲気中で有機結合材を脱脂して脱脂体を作製する脱脂工程と、上記脱脂体を実質的に窒素ガスからなる雰囲気中で窒化体に変換する窒化工程と、上記窒化体を窒素ガスを含有する非酸化性雰囲気中で焼成して焼結体を作製する焼成工程とによって作製することができ、上記窒化工程および上記焼成工程における雰囲気中の窒素ガス分圧を50〜200kPaとする。
このような窒化珪素質焼結体は、その粉末混合工程において窒化珪素の結晶と、Fe、Cr、MnおよびCuのうち少なくとも1種の第1の金属元素からなる第1の金属珪化物及び上記第1の金属元素よりも融点の高い第2の金属元素からなる第2の金属珪化物を含む粒界層とを有した窒化珪素質焼結体であって、第2の金属珪化物が第1の金属珪化物を取り囲む包晶を含有している。
また、第1の金属珪化物は、窒化珪素の結晶の粒界相に、異常粒成長して偏在しやすい性質を持っており、第1の金属珪化物が異常粒成長すると、窒化珪素質焼結体の機械的強度が小さくなるという問題が起こる。
そこで本考案の窒化珪素質焼結体では、前記第2の金属珪化物が第1の金属珪化物を取り囲む包晶を形成し、これによって前記第1の金属珪化物を微細な結晶にして均一に分散させることができるため、機械的特性の優れた窒化珪素質焼結体を提供することが可能となるものである。
次に、本発明の実施例を示す。
本発明の実施例として、図2〜図4に示す貫通孔を有するストークを作製した。
各ストーク試料は、外径をφ100mmで内径をφ85mm、長さが800mmmの円筒状で、窒化珪素質焼結体から形成した。
試料1は、比較例として、底面に直径1mmの貫通孔を放射状に500個形成した。
試料2は、図2(a)に示すように底部が閉構造であり、底面からその中心が3〜12mmの範囲に直径1mmの貫通孔を532個形成した。
また、試料3〜7は、図2(b)に示すように底部が閉構造で、底面からその内径側の中心が3〜12mmの範囲に直径1mmの貫通孔を外側から内側に向けて、傾斜角度を25〜70°の間で変化させて532個形成した。
試料8は、図2(c)に示すように底部が閉構造で、底面からその中心が3〜12mmの範囲に外側の直径が7.2mm、内側の直径が1mmの貫通孔を156個形成した。
試料9は、図3に示すように底面に外側の直径が1mm、内側の直径が7.2mmの貫通孔を放射状に50個形成した。
試料10は、図4に示すように底面を下方に突出した曲面状とし、直径1mmの貫通孔を放射状に200個形成した。
これらの各試料を図1に示すような低圧鋳造機に組み込み、約700℃に溶融されたアルミニウムを鋳型に供給する作業を120時間連続で実施した。
そして、貫通孔の目詰まりの状況を評価した。
評価結果の○△×の判断基準は、貫通孔の総数の5%未満の目詰まりを○、また5%以上〜15%未満の目詰まりを△、さらに15%以上の目詰まり発生を×とした。
結果を表1に示す。
Figure 2005238265
比較例である試料1は、クラックの発生と一部欠損が見られ、また15%以上の目詰まりが発生していることが判った。
これに対し、本発明の実施例である試料2は、下方側面に傾斜角度0°のストレート形状の貫通孔を持つストーク部品で、目詰まり状況は△であった。また、試料3〜7の目詰まり状況は、試料3は傾斜角度が25°と狭いため自浄作用が少なく、異物が付着しており△であった。さらに、試料4〜6の傾斜角度がそれぞれ30°、45°、60°のものは自浄作用による効果が働き、目詰まりがなく○であった。試料7の傾斜角度が70°と広いものは、溶湯の流れがスムーズでなく、これも自浄作用の効果が少ないため、溶湯が固まって目詰まりとなった部分があり△であった。
また、試料8は、その下方側面に設けられた外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状の貫通孔を持つものは、溶湯が貫通穴に滞留しないため、目詰まりが発生せず○であった。
また、試料9は、貫通孔に自浄作用が働き、目詰まりもなく○であった。試料10は、下方に突出した曲面状の底部に集中して溶湯が流れ易く、貫通穴の中心付近は目詰まりもなく良好であったが、外周側に異物付着による目詰まりが確認でき△できるものであった。
次に、試料2の形状を有するストークを、複数のセラミックスにより製作した。実施例として試料1〜4は、それぞれ窒化珪素A、炭化珪素、アルミナ、窒化珪素Bを用いて種々の条件を変更して表2に示す如く特性を持つセラミックスにて作製した。
そして、上述と同様の低圧鋳造機に組み込み、約700℃に溶融されたアルミニウムを鋳型に供給する作業を240時間連続で実施し評価した。
評価項目は、240時間使用後のストークの使用状況により評価を実施した。
また評価結果の○△×の判断基準は、使用期間中に破損がなく、目詰まり酸化物などの付着が少ないものを○、また使用期間中に破損がないが、目詰まり酸化物などの付着がかなり見られるもの、または一部に破損があり、目詰まりのないものを△、さらに使用期間中に破損したものを×とした。
Figure 2005238265
表2により、試料1〜3のように破壊靭性値が5MPa√m以下、1000℃における4点曲げ強度が496MPa以下、水中投下による耐熱衝撃温度が550℃以下の窒化珪素質、炭化珪素、アルミナの各焼結体からなる場合、破損は見られないものの表面への酸化物などの付着が多く見られた。また耐熱衝撃温度がアルミ溶湯温度より低いために一部破損が見られた。
また、試料2、3は、いずれも耐熱衝撃温度がアルミ溶湯温度よりかなり低いために、多数の破損が発生し。
これに対し、試料4のように、破壊靭性値が7MPa√m以上、1000℃における4点曲げ強度が780MPa以上、熱伝導率が27W/(m・K)以上、水中投下による耐熱衝撃温度が800℃以上の窒化珪素質焼結体からなる場合、使用後の酸化物などの付着が少なく、耐熱衝撃温度がアルミ溶湯温度よりかなり高いために、使用中の取り扱いが容易になり作業性が改善できた。
本発明のストークを用いた低圧鋳造機を示す概略図である。 (a)〜(c)は本発明のストークの第1の実施形態を示す部分断面図である。 本発明のストークの第2の実施形態を示す部分断面図である。 本発明のストークの第3の実施形態を示す部分断面図である。 本発明のストークの他の実施形態を示す部分断面図である。 従来のストークを用いた低圧鋳造機を示す概略図である。
符号の説明
1:キャビティ
2、22:金型
2a、22a:上型
2b、22b:下型
2c、22c:横型
3、23:湯口
4、24:給湯路
5、25:保持炉
6、26:溶湯
7、27:供給口
8、28:連結管
9、29:ストーク
9a:通路
9b、30:フィルタ
10:貫通孔
11:低圧鋳造機
12:段部
31:多孔性背圧板
α:傾斜角度

Claims (7)

  1. 金属溶湯を鋳型に形成されたキャビティ内に導入するためのストークであって、下方側面に溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔を有するとともに、底部が閉構造となっていることを特徴とするストーク。
  2. 上記貫通孔が外側から内側上方に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のストーク。
  3. 金属溶湯を鋳型に形成されたキャビティ内に導入するための有底筒状のストークであって、底部に外側から内側に向けて径が漸増する傾斜状をなし、溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔を有することを特徴とするストーク。
  4. 上記貫通孔の傾斜角度が30〜60°であることを特徴とする請求項2または3に記載のストーク。
  5. 金属溶湯を鋳型に形成されたキャビティ内に導入するための有底筒状のストークであって、底部が下方に向かって膨らんだ曲面状をなすとともに、溶湯中の異物を除去する複数の貫通孔を有することを特徴とするストーク。
  6. 破壊靭性値が7MPa√m以上、1000℃における4点曲げ強度が780MPa以上、熱伝導率が27W/(m・K)以上、水中投下による耐熱衝撃温度が800℃以上の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のストーク。
  7. 鋳型に形成されたキャビティ内に請求項1〜6のいずれかに記載のストークを介して金属溶湯を導入し、キャビティ内の金属溶湯を凝固させることを特徴とする低圧鋳造機。
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