JP6177268B2 - 回転方向検出装置及び回転方向検出方法 - Google Patents

回転方向検出装置及び回転方向検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6177268B2
JP6177268B2 JP2015050571A JP2015050571A JP6177268B2 JP 6177268 B2 JP6177268 B2 JP 6177268B2 JP 2015050571 A JP2015050571 A JP 2015050571A JP 2015050571 A JP2015050571 A JP 2015050571A JP 6177268 B2 JP6177268 B2 JP 6177268B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
comparison unit
bridge circuit
level
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015050571A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016170084A (ja
Inventor
慎一 安井
慎一 安井
泰助 古川
泰助 古川
塚本 学
学 塚本
上野 修一
修一 上野
健一 諸熊
健一 諸熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2015050571A priority Critical patent/JP6177268B2/ja
Publication of JP2016170084A publication Critical patent/JP2016170084A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6177268B2 publication Critical patent/JP6177268B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)

Description

本発明は、回転体の回転状態を検出する回転方向検出装置及び回転方向検出方法に関する。
自動車のエンジンには、エンジンの回転数、または複数ある気筒の点火タイミングを検出するために、回転検出センサが取り付けられている。回転検出センサは、例えば、回転する歯車の歯に向けてバイアス磁界を発生する磁石と、互いにバイアス磁石の磁気的中心軸に対称に配置されてバイアス磁界の変化に伴い抵抗値が変化する2組の磁気抵抗素子パターンを備える。このような回転検出センサでは、歯車の回転による磁界変化が電圧として出力される。2組の磁気抵抗素子パターンの出力の差分によって製造工程に起因するオフセットの変化が2組の磁気抵抗素子に共通して発生するため、オフセット調整を行う必要が少なく、正確に回転が検出できる(例えば特許文献1)。
燃料削減や排出ガス低減のため、アイドリングストップ機構を搭載した自動車が増えている。このような自動車では、エンジン再始動時に使用するセルモーターの負担を低減し、最良のエンジン点火タイミングを得るため、回転体の回転状態を把握する必要がある。例えば、磁気抵抗素子を組み合わせたブリッジ回路の中点電圧の変化を用いて、論理情報導出手段によって回転体の回転方向が正回転であるのか、あるいは逆回転の回転であるかを検出する技術が知られている(例えば特許文献2)。
特開2000−337922号公報 特許第4302558号公報
特許文献1で示される回転検出装置では、2組の磁気抵抗素子パターンの出力の差分によって回転数を検知するが、歯車が正回転するときと歯車が逆回転するときとで、出力波形は同一となるため、歯車の回転方向を検出することができない。
特許文献2の回転方向検出装置では、ブリッジ出力の増減方向を決定するのにブリッジ出力の遅延出力を用いている。ブリッジ出力の傾きが小さくなる極大値及び極小値の付近ではブリッジ出力と遅延出力の変化が小さくなるため、ノイズの影響を受けやすく、誤検出するという問題がある。
エンジンが圧縮工程で停止した場合、圧縮された空気の反発により、クランクシャフトが逆回転を起こす場合があるので、回転方向を検出することは重要である。また、振動によるノイズの影響によって、回転方向を誤検出してしまうとエンジン始動時の点火タイミングを誤るおそれがある。
それゆえに、本発明の目的は、高い精度で回転体の回転方向を検出することができる回転方向検出装置および回転方向検出方法を提供することである。
本発明の回転方向検出装置は、被検出対象である回転体に対し、回転に応じて抵抗変化を生じる磁気抵抗素子で構成された第1のブリッジ回路および第2のブリッジ回路と、第1のブリッジ回路の出力を遅延させる第1の遅延回路と、第2のブリッジ回路の出力を遅延させる第2の遅延回路と、第1のブリッジ回路の出力と基準電圧の大小を比較する第1の比較部と、第2のブリッジ回路の出力と基準電圧の大小を比較する第2の比較部と、第1のブリッジ回路の出力と第1の遅延回路の出力との大小を比較する第3の比較部と、第2のブリッジ回路の出力と第2の遅延回路の出力との大小を比較する第4の比較部と、第1のブリッジ回路の出力と第1の遅延回路の出力との差の基準電圧との差分の絶対値と、第2のブリッジ回路の出力と第2の遅延回路の出力との差の基準電圧との差分の絶対値との大小を比較する第5の比較部と、第5の比較部の出力レベルに基づいて、第1の比較部の出力と第4の比較部の出力のセットを選択するか、あるいは第2の比較部の出力と第3の比較部の出力のセットを選択するかを切り替える論理回路と、第5の比較部の出力レベル、および論理回路で選択されたセットのレベルに基づいて、回転体の回転方向を判定する判定回路とを備える。
本発明によれば、高い精度で回転体の回転方向を検出することができる。
実施の形態1による回転方向検出センサと着磁ロータを示す図である。 回転方向検出センサの構成を表わす図である。 第1のブリッジ回路の構成を表わす図である。 第2のブリッジ回路の構成を表わす図である。 入力端子INC,INX,INYのレベルと着磁ロータの回転方向との関係を表わす図である。 (a)は、第1のブリッジ回路の出力端子の電圧、第2のブリッジ回路の出力端子の電圧、第1の遅延回路の出力電圧、第2の遅延回路の出力電圧を表わす図である。(b)は、コンパレータCP1の出力を受ける出力端子の電圧、コンパレータCP3の出力を受ける出力端子の電圧、コンパレータCP2の出力を受ける出力端子の電圧、コンパレータCP4の出力を受ける出力端子の電圧を表わす図である。 (a)は、オペアンプOP3の出力電圧、およびオペアンプOP4の出力電圧を表わす図である。(b)は、第1の整流回路の出力電圧R1、および第2の整流回路の出力電圧R2を表わす図である。(c)は、コンパレータCP5の出力を受ける端子OUTCの電圧を表わす図である。 図6(b)に示す端子OUTA、OUTA′、OUTB、OUTB′の電圧と、図7(c)に示す端子OUTCの電圧とをまとめて表した図である。 判定回路による判定結果を表わす図である。 実施の形態2による回転方向検出センサと回転体を示す図である。 TMR素子の構成を表わす図である。 (a)は、第1のブリッジ回路を構成する磁気抵抗素子の固着層の磁化方向を表わす図である。(b)は、第2のブリッジ回路を構成する磁気抵抗素子の固着層の磁化方向を表わす図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1による回転方向検出センサ5と着磁ロータ2を示す図である。
回転方向検出装置である回転方向検出センサ5は、内燃機関のクランク角を検出するものとして構成されている。
回転方向検出センサ5は、エンジンのクランクシャフトに固定された着磁ロータ2の外周部に対向するように所定間隔を保持した状態で配置されている。回転方向検出センサ5は、エンジンの各種制御を行うECU(Engine Control Unit)に接続されている。
着磁ロータ2は、外周部の周方向にN極とS極が交互に磁化された複数の磁化領域を有する円盤状または環状の回転体である。
ECUは、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(Read Only Memory)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行するように構成されている。ECUは、エンジンの運転状態に応じて燃料噴出弁の燃料噴出量、点火プラグの点火タイミング、およびスロットル開度等を制御する。
回転方向検出センサ5は、着磁ロータ2の回転に伴ってクランク角に応じたパルス状の出力信号を出力するセンサである。
図1に示すように、回転方向検出センサ5に含まれる第1のブリッジ回路6と第2のブリッジ回路7は、着磁ロータ2の回転方向に並べて配置されている。
図2は、回転方向検出センサ5の構成を表わす図である。
図2に示すように、回転方向検出センサ5は、第1のブリッジ回路6と、第2のブリッジ回路7と、アナログ処理回路8と、デジタル論理回路9と、判定回路10とを備える。
図3は、第1のブリッジ回路6の構成を表わす図である。
第1のブリッジ回路6は、磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dと、オペアンプOP1とを備える。
電源電圧VDDとグランドの間の一方の経路に磁気抵抗素子1aと1bが設けられ、他方の経路に磁気抵抗素子1cと1dが設けられる。磁気抵抗素子1cと1dの接続ノードNX1がグランドに接続され、磁気抵抗素子1aと1bの接続ノードNY1が電源電圧VDDに接続される。磁気抵抗素子1aと1cの接続ノードND1がオペアンプOP1の一方の入力端子に接続され、磁気抵抗素子1bと1dの接続ノードND2オペアンプOP1の他方の入力端子に接続される。オペアンプOP1は、ノードND1の電圧とノードND2の電圧を増幅して、端子OUT1へ出力する。
図4は、第2のブリッジ回路7の構成を表わす図である。
第2のブリッジ回路7は、磁気抵抗素子2a,2b,2c,2dと、オペアンプOP2とを備える。
電源電圧VDDとグランドの間の一方の経路に磁気抵抗素子2aと2bが設けられ、他方の経路に磁気抵抗素子2cと2dが設けられる。磁気抵抗素子2cと2dの接続ノードNX2がグランドに接続され、磁気抵抗素子2aと2bの接続ノードNY2が電源電圧VDDに接続される。磁気抵抗素子2aと2cの接続ノードND3がオペアンプOP2の一方の入力端子に接続され、磁気抵抗素子2bと2dの接続ノードND4がオペアンプOP2の他方の入力端子に接続される。オペアンプOP2は、ノードND3の電圧とノードND4の電圧を増幅して、端子OUT2へ出力する。
第1のブリッジ回路6および第2のブリッジ回路7内の磁気抵抗素子1a、1b、1c、1d、2a、2b、2c、2dは、それぞれ印加される磁界の強度によって、それらの抵抗値が変化するので、第1のブリッジ回路6の端子OUT1から出力される電圧、および第2のブリッジ回路7の端子OUT2から出力される電圧が変化する。
第1のブリッジ回路6の出力および第2のブリッジ回路7の出力に位相差が得られるような特性を有する磁気抵抗素子1a、1b、1c、1d、2a、2b、2c、2dが選択される。第1のブリッジ回路6および第2のブリッジ回路7は、フルブリッジで構成しているが、ハーフブリッジを用いることも可能である。
再び、図2を参照して、アナログ処理回路8は、第1のブリッジ回路6および第2のブリッジ回路7から出力されるアナログ信号を処理する。
アナログ処理回路8は、第1の遅延回路DL1と、第2の遅延回路DL2と、コンパレータCP1(第1の比較部)と、コンパレータCP2(第2の比較部)と、コンパレータCP3(第3の比較部)と、コンパレータCP4(第4の比較部)と、第5の比較部51とを備える。
第1の遅延回路DL1は、第1のブリッジ回路6の出力を所定の時間遅延させる。第2の遅延回路DL2は、第2のブリッジ回路7の出力を所定の時間遅延させる。
コンパレータCP1は、第1のブリッジ回路6の出力が基準電圧REF以上のときに、端子OUTAにハイレベルを出力し、第1のブリッジ回路6の出力が基準電圧REF未満のときに、端子OUTAにロウレベルを出力する。
コンパレータCP2は、第2のブリッジ回路7の出力が基準電圧REF以上のときに、端子OUTBにハイレベルを出力し、第2のブリッジ回路7の出力が基準電圧REF未満のときに、端子OUTBにロウレベルを出力する。
コンパレータCP3は、第1のブリッジ回路6の出力が第1の遅延回路DL1の出力以上のときに、端子OUTA′にハイレベルを出力し、第1のブリッジ回路6の出力が第1の遅延回路DL1の出力未満のときに、端子OUTA′にロウレベルを出力する。
コンパレータCP4は、第2のブリッジ回路7の出力が第2の遅延回路DL2の出力以上のときに、端子OUTB′にハイレベルを出力し、第2のブリッジ回路7の出力が第2の遅延回路DL2の出力未満のときに、端子OUTB′にロウレベルを出力する。
第5の比較部51は、オペアンプOP3(第1のオペアンプ)と、オペアンプOP4(第2のオペアンプ)と、第1の整流回路REC1と、第2の整流回路REC2と、コンパレータOP5とを備える。
オペアンプOP3は、第1のブリッジ回路6の出力電圧と、第1の遅延回路DL1の出力電圧との差を増幅する。オペアンプOP4は、第2のブリッジ回路7の出力電圧と、第2の遅延回路DL2の出力電圧との差を増幅する。
第1の整流回路REC1は、オペアンプOP3の出力電圧を全波整流する。第2の整流回路REC2は、オペアンプOP2の出力電圧を全波整流する。
コンパレータCP5は、第1の整流回路REC1の出力が第2の整流回路REC2の出力以上のときに、端子OUTCにハイレベルを出力し、第1の整流回路REC1の出力が第2の整流回路REC2の出力未満のときに、端子OUTCにロウレベルを出力する。
アナログ処理回路8の端子OUTA,OUTA′、OUTC,OUTB′,OUTBは、デジタル論理回路9の端子INA,INA′,INC,INB′,INBと接続される。
デジタル論理回路9は、入力端子INCのレベル基づいて、入力端子INA′のレベルと入力端子INBのレベル、もしくは入力端子INAのレベルと入力端子INB′のレベルの組み合わせを選択し、正回転および逆回転の回転状態を判定するための論理値を出力端子OUTX,OUTYへ出力する。
デジタル論理回路9は、入力端子INCのレベルがハイレベルのとき、入力端子INA′のレベルを出力端子OUTXへ出力し、入力端子INBのレベルを出力端子OUTYへ出力する。デジタル論理回路9は、入力端子INCのレベルがロウレベルのとき、入力端子INAのレベルを出力端子OUTXへ出力し、入力端子INB′のレベルを出力端子OUTYへ出力する。
デジタル論理回路9は、インバータIV1,IV2と、AND回路A1,A2,A3,A4と、OR回路O1,O2とを備える。
インバータIV1は、端子INCの入力電圧を反転させる。インバータIV2は、端子INCの電圧を反転させる。
AND回路A1は、端子INAの電圧と、インバータIV1の出力電圧との論理積を出力する。AND回路A2は、端子INCの電圧と、端子INA′の電圧との論理積を出力する。AND回路A3は、端子INB′の電圧と、インバータIV2の出力電圧との論理積を出力する。AND回路A4は、端子INBの電圧と、端子INCの電圧との論理積を出力する。
OR回路O1は、AND回路A1の出力とAND回路A2の出力との論理和を端子OUTXへ出力する。OR回路O2は、AND回路A3の出力とAND回路A4の出力との論理和を端子OUTYへ出力する。
端子OUTCは、端子INCの入力電圧を受ける。
デジタル論理回路9の端子OUTX,OUTC,OUTYは、判定回路10の端子INX,INC,INYと接続される。
判定回路10は、入力端子INC、INX、INYのレベルに基づいて、着磁ロータ2の回転方向を判定する。
図5は、入力端子INC,INX,INYのレベルと着磁ロータ2の回転方向との関係を表わす図である。
入力端子INCがハイレベル、INXがハイレベル、INYがハイレベルの場合には、着磁ロータ2が正回転と判定される。なお、INCがハイレベルの場合には、INXのレベルはINA′のレベルであり、INYのレベルはINBのレベルであるので、INA′がハイレベル、INBがハイレベルである。
入力端子INCがロウレベル、INXがハイレベル、INYがロウレベルの場合には、着磁ロータ2が正回転と判定される。なお、INCがロウレベルの場合には、INXのレベルはINAのレベルであり、INYのレベルはINB′のレベルであるので、INAがハイレベル、INB′がロウレベルである。

入力端子INCがハイレベル、INXがロウレベル、INYがロウレベルの場合には、着磁ロータ2が正回転と判定される。なお、INCがハイレベルの場合には、INXのレベルはINA′のレベルであり、INYのレベルはINBのレベルであるので、INA′がロウレベル、INBがロウレベルである。
入力端子INCがロウレベル、INXがロウレベル、INYがハイレベルの場合には、着磁ロータ2が正回転と判定される。なお、INCがロウレベルの場合には、INXのレベルはINAのレベルであり、INYのレベルはINB′のレベルであるので、INAがロウレベル、INB′がハイレベルである。
入力端子INCがハイレベル、INXがロウレベル、INYがハイレベルの場合には、着磁ロータ2が逆回転と判定される。なお、INCがハイレベルの場合には、INXのレベルはINA′のレベルであり、INYのレベルはINBのレベルであるので、INA′がロウレベル、INBがハイレベルである。
入力端子INCがロウレベル、INXがロウレベル、INYがロウレベルの場合には、着磁ロータ2が逆回転と判定される。なお、INCがロウレベルの場合には、INXのレベルはINAのレベルであり、INYのレベルはINB′のレベルであるので、INAがロウレベル、INB′がロウレベルである。
入力端子INCがハイレベル、INXがハイレベル、INYがロウレベルの場合には、着磁ロータ2が逆回転と判定される。なお、INCがハイレベルの場合には、INXのレベルはINA′のレベルであり、INYのレベルはINBのレベルであるので、INA′がハイレベル、INBがロウレベルである。
入力端子INCがロウレベル、INXがハイレベル、INYがハイレベルの場合には、着磁ロータ2が逆回転と判定される。なお、INCがロウレベルの場合には、INXのレベルはINAのレベルであり、INYのレベルはINB′のレベルであるので、INAがハイレベル、INB′がハイレベルである。
判定回路10の判定結果は、ECUに出力される。
次に、本実施の形態に係る回転方向検出装置(回転方向検出センサ5)の動作について説明する。
着磁ロータ2が回転することにより、回転方向検出センサ5に印加される磁界が変化する。磁界変化に応じて、回転方向検出センサ5内の磁気抵抗素子1a、1b、1c、1d、2a、2b、2c、2dの抵抗値が変化する。
図6(a)に示すように、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧、第1の遅延回路DL1の出力電圧DELAY1、第2の遅延回路DL2の出力電圧DELAY2が変化する。
ここで、図6(a)に示すように、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の位相が、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧の位相に対してΔθだけ遅れる場合は、着磁ロータ2の正回転と定義する。ただし、Δθは、0<Δθ<πである。
図6(b)に示すように、コンパレータCP1の出力を受ける出力端子OUTAの電圧、コンパレータCP3の出力を受ける出力端子OUTA′の電圧、コンパレータCP2の出力を受ける出力端子OUTBの電圧、コンパレータCP4の出力を受ける出力端子OUTB′の電圧が変化する。
期間(1)では、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧は、基準電圧REF以上なのでハイレベルとなり、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧は、第1の遅延回路DL1の出力電圧DELAY1以上なのでハイレベルとなり、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧は、基準電圧REF以上なので、ハイレベルとなり、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧は、第2の遅延回路DL2の出力電圧DELAY2未満なのでロウレベルとなる。
期間(2)では、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧は、基準電圧REF以上なのでハイレベルとなり、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧は、第1の遅延回路DL1の出力電圧DELAY1未満なのでロウレベルとなり、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧は、基準電圧REF未満なので、ロウレベルとなり、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧は、第2の遅延回路DL2の出力電圧DELAY2未満なのでロウレベルとなる。
期間(3)では、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧は、基準電圧REF未満なのでロウレベルとなり、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧は、第1の遅延回路DL1の出力電圧DELAY1未満なのでロウレベルとなり、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧は、基準電圧REF未満なので、ロウレベルとなり、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧は、第2の遅延回路DL2の出力電圧DELAY2以上なのでハイレベルとなる。
期間(4)では、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧は、基準電圧REF未満なのでロウレベルとなり、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1の電圧は、第1の遅延回路DL1の出力電圧DELAY1以上なのでハイレベルとなり、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧は、基準電圧REF以上なので、ハイレベルとなり、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2の電圧は、第2の遅延回路DL2の出力電圧DELAY2以上なのでハイレベルとなる。
図7(a)は、オペアンプOP3の出力電圧S1、およびオペアンプOP4の出力電圧S2を表わす図である。
図7(a)に示すように、オペアンプOP3は、第1のブリッジ回路6の出力端子OUT1と第1の遅延回路DL1の出力電圧DELAY1の差を増幅した電圧S1を出力する。オペアンプOP4は、第2のブリッジ回路7の出力端子OUT2と第2の遅延回路DL2の出力電圧DELAY2の差を増幅した電圧S2を出力する。
図7(a)において、期間(1−1)と期間(1−2)の和が、図6(a)、(b)の期間(1)に対応する。期間(2−1)と期間(2−2)の和が、図6(a)、(b)の期間(2)に対応する。期間(3−1)と期間(3−2)の和が、図6(a)、(b)の期間(3)に対応する。期間(4−1)と期間(4−2)の和が、図6(a)、(b)の期間(4)に対応する。
期間(1−1)と期間(1−2)では、出力端子OUT1の電圧が、電圧DELAY1以上なので、電圧S1は正である。時間とともに出力端子OUT1の電圧と電圧DELAY1との差が小さくなるので、電圧S1は時間とともに減少する。また、期間(1−1)と期間(1−2)では、出力端子OUT2の電圧が、電圧DELAY2未満なので、電圧S2は負である。時間とともに出力端子OUT1の電圧と電圧DELAY1との差が大きくなるので、電圧S2の絶対値は時間とともに増加する。
期間(2−1)と期間(2−2)では、出力端子OUT1の電圧が、電圧DELAY1未満なので、電圧S1は負である。時間とともに出力端子OUT1の電圧と電圧DELAY1との差が大きくなるので、電圧S1の絶対値は時間とともに増加する。また、期間(2−1)と期間(2−2)では、出力端子OUT2の電圧が、電圧DELAY2未満なので、電圧S2は負である。時間とともに出力端子OUT2の電圧と電圧DELAY2との差が小さくなるので、電圧S2の絶対値は時間とともに減少する。
期間(3−1)と期間(3−2)では、出力端子OUT1の電圧が、電圧DELAY1未満なので、電圧S1は負である。時間とともに出力端子OUT1の電圧と電圧DELAY1との差が小さくなるので、電圧S1の絶対値は時間とともに減少する。また、期間(3−1)と期間(3−2)では、出力端子OUT2の電圧が、電圧DELAY2以上なので、電圧S2は正である。時間とともに出力端子OUT2の電圧と電圧DELAY2との差が大きくなるので、電圧S2は時間とともに増加する。
期間(4−1)と期間(4−2)では、出力端子OUT1の電圧が、電圧DELAY1以上なので、電圧S1は正である。時間とともに出力端子OUT1の電圧と電圧DELAY1との差が大きくなるので、電圧S1の絶対値は時間とともに増加する。また、期間(4−1)と期間(4−2)では、出力端子OUT2の電圧が、電圧DELAY2以上なので、電圧S2は正である。時間とともに出力端子OUT2の電圧と電圧DELAY2との差が小さくなるので、電圧S2は時間とともに減少する。
図7(b)は、第1の整流回路REC1の出力電圧R1、および第2の整流回路REC2の出力電圧R2を表わす図である。
図7(b)に示すように、第1の整流回路REC1は、オペアンプOP3の出力電圧S1を基準電圧(=0V)に対して全波整流させた電圧R1を出力する。第2の整流回路REC2は、オペアンプOP4の出力電圧S2を基準電圧(=0V)に対して、全波整流させた電圧R2を出力する。
図7(c)は、コンパレータCP5の出力を受ける端子OUTCの電圧を表わす図である。
図7(c)に示すように、コンパレータCP5は、第1の整流回路REC1の出力電圧R1が第2の整流回路REC2の出力電圧R2以上のときに、端子OUTCにハイレベルを出力し、第1の整流回路REC1の出力電圧R1が第2の整流回路REC2の出力電圧R2未満のときに、端子OUTCにロウレベルを出力する。
期間(1−1)では、電圧S1の絶対値が電圧R1の絶対値以上のため、端子OUTCの電圧のレベルはハイレベルとなる。
期間(1−2)と期間(2−1)では、電圧S1の絶対値が電圧R1の絶対値未満のため、端子OUTCの電圧のレベルはロウレベルとなる。
期間(2−2)と期間(3−1)では、電圧S1の絶対値が電圧R1の絶対値以上のため、端子OUTCの電圧のレベルはハイレベルとなる。
期間(3−2)と期間(4−1)では、電圧S1の絶対値が電圧R1の絶対値未満のため、端子OUTCの電圧のレベルはロウレベルとなる。
期間(4−2)では、電圧S1の絶対値が電圧R1の絶対値以上のため、端子OUTCの電圧のレベルはハイレベルとなる。
図8は、図6(b)に示す端子OUTA、OUTA′、OUTB、OUTB′の電圧と、図7(c)に示す端子OUTCの電圧とをまとめて表した図である。
デジタル論理回路9は、入力端子INCのレベル基づいて、入力端子INA′のレベルと入力端子INBのレベル、もしくは入力端子INAのレベルと入力端子INB′のレベルの組み合わせを選択する。
期間(1−1)では、端子INCのレベルがハイレベルなので、入力端子INA′のレベル(=ハイレベル)と、入力端子INBのレベル(ハイレベル)が選択される。期間(1−2)では、端子INCのレベルがロウレベルなので、入力端子INAのレベル(=ハイレベル)と、入力端子INB′のレベル(ロウレベル)が選択される。期間(2−1)では、端子INCのレベルがロウレベルなので、入力端子INAのレベル(=ハイレベル)と、入力端子INB′のレベル(ロウレベル)が選択される。期間(2−2)では、端子INCのレベルがハイレベルなので、入力端子INA′のレベル(=ロウレベル)と、入力端子INBのレベル(ロウレベル)が選択される。期間(3−1)では、端子INCのレベルがハイレベルなので、入力端子INA′のレベル(=ロウレベル)と、入力端子INBのレベル(ロウレベル)が選択される。期間(3−2)では、端子INCのレベルがロウレベルなので、入力端子INAのレベル(=ロウレベル)と、入力端子INB′のレベル(ハイレベル)が選択される。期間(4−1)では、端子INCのレベルがロウレベルなので、入力端子INAのレベル(=ロウレベル)と、入力端子INB′のレベル(ハイレベル)が選択される。期間(4−2)では、端子INCのレベルがハイレベルなので、入力端子INA′のレベル(=ハイレベル)と、入力端子INBのレベル(ハイレベル)が選択される。
図9は、判定回路10による判定結果を表わす図である。
判定回路10は、図9に示すように、入力端子INC、INX、INYのレベルに基づいて、着磁ロータ2の回転方向を判定する。
期間(1−1)では、端子INCのレベルがハイレベル、入力端子INXのレベル(入力端子INA′のレベル)がハイレベル、入力端子INYのレベル(入力端子INBのレベル)がハイレベルによって、着磁ロータ2が正回転していると判定される。期間(1−2)では、端子INCのレベルがロウレベル、入力端子INXのレベル(入力端子INAのレベル)がハイレベル、入力端子INYのレベル(入力端子INB′のレベル)がロウレベルによって、着磁ロータ2が正回転していると判定される。期間(2−1)では、端子INCのレベルがロウレベル、入力端子INXのレベル(入力端子INAのレベル)がハイレベル、入力端子INYのレベル(入力端子INB′のレベル)がロウレベルによって、着磁ロータ2が正回転していると判定される。期間(2−2)では、端子INCのレベルがハイレベル、入力端子INXのレベル(入力端子INA′のレベル)がロウレベル、入力端子INYのレベル(入力端子INBのレベル)がロウレベルによって、着磁ロータ2が正回転していると判定される。
期間(3−1)では、端子INCのレベルがハイレベル、入力端子INXのレベル(入力端子INA′のレベル)がロウレベル、入力端子INYのレベル(入力端子INBのレベル)がロウレベルによって、着磁ロータ2が正回転していると判定される。期間(3−2)では、端子INCのレベルがロウレベル、入力端子INXのレベル(入力端子INAのレベル)がロウレベル、入力端子INYのレベル(入力端子INB′のレベル)がハイレベルによって、着磁ロータ2が正回転していると判定される。期間(4−1)では、端子INCのレベルがロウレベル、入力端子INXのレベル(入力端子INAのレベル)がロウレベル、入力端子INYのレベル(入力端子INB′のレベル)がハイレベルによって、着磁ロータ2が正回転していると判定される。期間(4−2)では、端子INCのレベルがハイレベル、入力端子INXのレベル(入力端子INA′のレベル)がハイレベル、入力端子INYのレベル(入力端子INBのレベル)がハイレベルによって、着磁ロータ2が正回転していると判定される。
以上のように、本実施の形態では、着磁ロータ2が正回転から逆回転に転じた場合、端子INC、INX、INYに入力される信号の組み合わせが切り替わるので、着磁ロータ2の回転方向の検出が可能である。また、アナログ処理回路によって、第1のブリッジ回路の出力とその遅延回路の出力との差分と、第2のブリッジ回路の出力とその遅延回路の出力との差分のうち、大きい方が選択されて回転方向の検出に用いられるので、ノイズによる誤検出を防止できる。
[実施の形態2]
本実施の形態について、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図10は、実施の形態2による回転方向検出センサ5と回転体を示す図である。
図10に示すように、被検出体である回転体は、凹凸部を有する磁性体からなる歯車3で構成される。回転方向検出センサ5は、バイアス磁界を印加するために磁石95を備える。
磁気抵抗素子1a、1b、1c、1d、2a、2b、2c、2dに磁石を取り付けることによって、磁気抵抗素子1a、1b、1c、1d、2a、2b、2c、2dの構造は、単純な積層構造となる。なぜなら、磁石を取り付けない磁気抵抗素子は、膜構造の内部にバイアス磁界が印加された状態を作らなければならないからである。そのため、磁石を取り付けない磁気抵抗素子は、磁石を取り付けた磁気抵抗素子よりも、構成膜種の数が多くなり、複雑になる。本実施の形態では、プロセスにおける設備投資の低減やスループットの向上を実現することができる。
本実施の形態における磁気抵抗素子から得られる出力の処理に関しては、実施の形態1と同様なので説明を繰り返さない。
[実施の形態3]
本実施の形態について、実施の形態1と異なる部分について説明する。
実施の形態1で説明したように、回転体の回転による磁界変化によって磁気抵抗素子1a、1b、1c、1d、2a、2b、2c、2dの抵抗が変化して、第1のブリッジ回路6と第2のブリッジ回路7から得られる出力に位相差が得られる。
この位相差はπ/2が望ましい。なぜなら、位相差をπ/2とすることによって、第1のブリッジ回路6と第2のブリッジ回路7において、互いの出力とその遅延出力の差が大きな状態となるため、ノイズに対しより大きな出力を得ることができるからである。
図1に示すように、回転方向に第1のブリッジ回路6および第2のブリッジ回路7を適当な位置だけ離して配列させることによって、位相差をπ/2にすることができる。
本実施の形態における磁気抵抗素子から得られる出力の処理に関しては、実施の形態1と同様なので説明を繰り返さない。
[実施の形態4]
本実施の形態について、実施の形態1と異なる部分について説明する。
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、回転体の回転による磁界変化により、磁気抵抗素子1a、1b、1c、1d、2a、2b、2c、2dの抵抗変化を利用し、第1のブリッジ回路6と第2のブリッジ回路7から得られる出力の位相差がπ/2となるようにする。本実施の形態では、TMR(Tunnel Magneto Resistance)素子やSV-GMR(Spin Valve Giant Magnetoresistance)素子のような固着層を有する磁気抵抗素子を用いて位相差をπ/2にする。
以下では、第1のブリッジ回路6を構成する磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dと、第2のブリッジ回路7を構成する磁気抵抗素子2a,2b,2c,2dにTMR素子60を用いた場合について説明する。
図11は、TMR素子60の構成を表わす図である。
図11に示すように、TMR素子60は、第1の強磁性層(固着層)63と第2の強磁性層(自由層)61とを第1の絶縁層62を介して積層した構造を含む積層膜を、写真製版等によって加工することによって、第1の絶縁層62を挟んで上部に位置する上部電極67と下部に位置する下部電極68で構成される。
第1の強磁性層(固着層)63の磁化方向は、たとえば、反強磁性層64との交換結合磁界によって、一方向に固定される、あるいは、保磁力の大きい磁性材料によって一方向に保持される。
第2の強磁性層(自由層)61の磁化方向は、外部磁界Hexによって自由に回転する。このようなスピンバルブ構造を有した磁気抵抗素子の抵抗は、固着層63の磁化方向と自由層61の磁化方向とのなす角度に応じて変化する。つまり、外部磁界に影響されて自由層61の磁化方向が変化することによって、TMR素子60の抵抗が変化する。このため、外部磁界による自由層61の磁化方向の変化をTMR素子60の抵抗の形で検知することが可能である。
固着層63は、薄い非磁性層を介して積層され、互いに反強磁性結合をする2層の強磁性薄膜からなるいわゆるSAF(Synthetic AntiFerroelectric)構造を含んでよい。SAF構造に含まれる非磁性層は、Ru,Cu等の非磁性材料を用いることが出来る。
自由層61は、単一の磁性層でもよいが、2種類以上の磁性層を積層してなる構造でもよい。図11では、反強磁性層64が下部電極68に含まれるように構成される例を示すが、反強磁性層64は、上部電極67に含まれるように構成してもよい。
例えば、反強磁性層64としてIrMn、固着層63としてNiFeまたはCoFe、第1の絶縁層62としてAl2O3、自由層61としてNiFeを用いることで、TMR素子60を構成することが出来る。あるいは、反強磁性層64として、FeMn、IrMn、PtMn、強磁性層61,63を構成する材料として、例えばCo、Fe、CoFe合金、CoNi合金、CoFeNiなどのCo、Ni、Feを主成分として含む金属、またはNiMnSb、Co2MnGeなどの合金などを用いることによって、所望の性能が得られるTMR素子60を構成することができる。また、トンネル絶縁層である第1の絶縁層62は、絶縁体であればよく、例えばTa2O5、SiO2、MgO等の金属の酸化物または弗化物とすることができる。
TMR素子60の上部電極67には、コンタクトを介して配線が接続されている。また、TMR素子60の下部電極には、コンタクトを介して配線が接続されている。配線を介して、磁気抵抗効果素子と同一基板に設けられているMOS型半導体素子、バイポーラ型半導体などで構成される制御回路と接続される。
この配線は、導電性材料で形成されていればよいが、好ましくは、一般的なSiLSIなどで使用される配線材料、たとえばAl、AlSi,AlSiCu, AlCuなどの材料を用いるのが望ましい。コンタクトについても導電性材料であればよいが、好ましくは、W, Ti, Co, W、Si、Ta、Mo、Ru、Pt, Auなどを含む導電性材料を用いるのが望ましい。
上記のそれぞれの膜は、例えば直流(DC)マグネトロンスパッタリングにより形成される。また、例えば分子線エピタキシー(MBE)法、各種スパッタ法、化学気相成長(CVD)法、蒸着法によって形成されてもよい。
また、それぞれの磁気抵抗素子は、例えばそれぞれの膜をフォトリソグラフィーと反応性イオンエッチングによりパターン加工して作製される。その場合、たとえば、まず自由層、トンネル絶縁膜および固着層の膜をそれぞれ形成後、フォトレジストによる所望の素子パターンを形成する。その後、イオンミリングもしくは反応性イオンエッチングにより素子の形状を得る。また、素子パターンの形成は電子線リソグラフィー、集束イオンビームであってもよい。
TMR素子60では、一般に自由層61の磁化方向と固着層63の磁化方向とが平行の場合に抵抗は最小値、自由層61の磁化方向と固着層63の磁化方向とが反平行の場合に抵抗は最大値となる。
TMR素子60は、外部磁界Hexが印加されていないときに自由層61の磁化方向と固着層63の磁化方向とが直交するように構成することが出来る。
固着層63の磁化方向と平行な方向に磁界を印加すると、自由層61の磁化方向は外部磁界により変化し、自由層61の磁化方向と固着層63の磁化方向とが平行または反平行となる。その結果、TMR素子60の抵抗は、最小値または最大値となる。また、抵抗が外部磁界に依存しない飽和領域と、外部磁界に対して線形な依存性を持つ線形領域とが現われる。このように、固着層63の磁化方向と印加磁界方向により、TMR素子60の抵抗値が決まる。
図12(a)は、第1のブリッジ回路6を構成する磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dの固着層の磁化方向を表わす図である。図12(a)に示すように、磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dの磁化方向は、それぞれ紙面において、上、下、下、上方向である。
図12(b)は、第2のブリッジ回路7を構成する磁気抵抗素子2a,2b,2c,2dの固着層の磁化方向を表わす図である。図12(b)に示すように、磁気抵抗素子2a,2b,2c,2dの磁化方向は、それぞれ紙面において、右、左、左、右方向である。
図12(a)、(b)に示すように、第1のブリッジ回路6を構成する磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dの固着層の磁化方向と、第2のブリッジ回路7を構成する磁気抵抗素子2a,2b,2c,2dの固着層の磁化方向がπ/2だけ相違させることによって、第1のブリッジ回路6の出力の位相と第2のブリッジ回路7の出力の位相の差をπ/2にすることができる。なぜなら、たとえば、外部磁界の方向が上向きまたは下向きの場合に、オペアンプOP1の出力は最大となり、オペアンプOP2の出力は最小となり、外部磁界の方向が左向きまたは右向きの場合に、オペアンプOP1の出力は最小となり、オペアンプOP2の出力は最大となるからである。
さらに、第1のブリッジ回路6を構成する磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dと第2のブリッジ回路7を構成する磁気抵抗素子2a,2b,2c,2dとを回転体(着磁ロータ2)の回転方向に対し同じ位置に配置させることができる。たとえば、磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dを基板の第1の面に実装し、磁気抵抗素子2a,2b,2c,2dを基板の第2の面に実装し、磁気抵抗素子1aと2a、1bと2b、1cと2c、1dと2dとをそれぞれ回転方向に対して同一の位置に配置させる。これによって、回転方向検出センサ5を小型化させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 着磁ロータ、3 歯車、4 クランクシャフト、5 回転角検出センサ、6 第1のブリッジ回路、7 第2のブリッジ回路、8 アナログ処理回路、9 デジタル論理回路、10 判定回路、51 第5の比較部、60 TMR素子、61 第2の強磁性層(自由層)、62 第1の絶縁層、63 第1の強磁性層(固着層)、64 反強磁性層、65,66 非磁性導体、67 上部電極、68 下部電極、95 磁石、OP1〜OP4 オペアンプ、DL1,DL2 遅延回路、REC1,REC2 整流回路、CP1〜CP5 コンパレータ、A1〜A4 AND回路、O1,O2 OR回路、IV1,IV2 インバータ、OUT1,OUT2,IN1,IN2,OUTA,OUTA′,OUTB,OUTB′,OUTC,INA,INA′,INB,INB′,INC,OUTX,OUTC,OUTY,INX,INC,INY 端子。

Claims (9)

  1. 被検出対象である回転体に対し、回転に応じて抵抗変化を生じる磁気抵抗素子で構成された第1のブリッジ回路および第2のブリッジ回路と、
    前記第1のブリッジ回路の出力を遅延させる第1の遅延回路と、
    前記第2のブリッジ回路の出力を遅延させる第2の遅延回路と、
    前記第1のブリッジ回路の出力と基準電圧の大小を比較する第1の比較部と、
    前記第2のブリッジ回路の出力と基準電圧の大小を比較する第2の比較部と、
    前記第1のブリッジ回路の出力と前記第1の遅延回路の出力との大小を比較する第3の比較部と、
    前記第2のブリッジ回路の出力と前記第2の遅延回路の出力との大小を比較する第4の比較部と、
    前記第1のブリッジ回路の出力と前記第1の遅延回路の出力との差の基準電圧との差分の絶対値と、前記第2のブリッジ回路の出力と前記第2の遅延回路の出力との差の基準電圧との差分の絶対値との大小を比較する第5の比較部と、
    前記第5の比較部の出力レベルに基づいて、前記第1の比較部の出力と前記第4の比較部の出力のセットを選択するか、あるいは前記第2の比較部の出力と前記第3の比較部の出力のセットを選択するかを切り替える論理回路と、
    前記第5の比較部の出力レベル、および前記論理回路で選択されたセットのレベルに基づいて、前記回転体の回転方向を判定する判定回路とを備えた、回転方向検出装置。
  2. 前記第5の比較部は、
    前記第1のブリッジ回路の出力と前記第1の遅延回路の出力との差を増幅する第1のオペアンプと、
    前記第2のブリッジ回路の出力と前記第2の遅延回路の出力との差を増幅する第2のオペアンプと、
    前記第1のオペアンプの出力を全波整流する第1の整流回路と、
    前記第2のオペアンプの出力を全波整流する第2の整流回路と、
    前記第1の整流回路の出力と前記第2の整流回路の出力との大小を比較するコンパレータとを含む、請求項1記載の回転方向検出装置。
  3. 前記第1のブリッジ回路の出力の位相と前記第2のブリッジ回路の出力の位相差は、π/2である、請求項1記載の回転方向検出装置。
  4. 前記第1のブリッジ回路と前記第2のブリッジ回路を前記回転体の回転方向に適当な位置だけ離して配列させることによって、前記第1のブリッジ回路の出力の位相と前記第2のブリッジ回路の出力の位相との差をπ/2とする、請求項3記載の回転方向検出装置。
  5. 前記第1のブリッジ回路と前記第2のブリッジ回路を構成する磁気抵抗素子は、固着層を有する磁気抵抗素子であり、
    前記第1のブリッジ回路を構成する磁気抵抗素子の固着層の向きの位相と前記第2のブリッジ回路を構成する磁気抵抗素子の固着層の向きの位相との差がπ/2である、請求項3記載の回転方向検出装置。
  6. 前記第1のブリッジ回路を構成する磁気抵抗素子および前記第2のブリッジ回路を構成する磁気抵抗素子は、前記回転体の回転方向に対して同一の位置に配置される、請求項5記載の回転方向検出装置。
  7. 前記論理回路は、前記第5の比較部の出力がロウレベルの場合に、前記第1の比較部の出力と前記第4の比較部の出力のセットを選択し、前記第5の比較部の出力がハイレベルの場合に、前記第2の比較部の出力と前記第3の比較部の出力のセットを選択する、請求項1記載の回転方向検出装置。
  8. 前記判定回路は、
    前記第5の比較部の出力がハイレベル、かつ前記選択された第2の比較部の出力がハイレベル、かつ前記選択された第3の比較部の出力がハイレベルの場合、
    前記第5の比較部の出力がロウレベル、かつ前記選択された第1の比較部の出力がハイレベル、かつ前記選択された第4の比較部の出力がロウレベルの場合、
    前記第5の比較部の出力がハイレベル、かつ前記選択された第2の比較部の出力がロウレベル、かつ前記選択された第3の比較部の出力がロウレベルの場合、または、
    前記第5の比較部の出力がロウレベル、かつ前記選択された第1の比較部の出力がロウレベル、かつ前記選択された第4の比較部の出力がハイレベルの場合には、前記回転体の回転方向が第1の方向であると判定し、
    前記第5の比較部の出力がハイレベル、かつ前記選択された第2の比較部の出力がハイレベル、かつ前記選択された第3の比較部の出力がロウレベルの場合、
    前記第5の比較部の出力がロウレベル、かつ前記選択された第1の比較部の出力ロウレベル、かつ前記選択された第4の比較部の出力がロウレベルの場合、
    前記第5の比較部の出力がハイレベル、かつ前記選択された第2の比較部の出力がロウレベル、かつ前記選択された第3の比較部の出力がハイレベルの場合、または、
    前記第5の比較部の出力がロウレベル、かつ前記選択された第1の比較部の出力がハイレベル、かつ前記選択された第4の比較部の出力がハイレベルの場合には、前記回転体の回転方向が前記第1の方向と逆方向であると判定する、請求項7記載の回転方向検出装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の回転方向検出装置を用いて、前記被検出対象の回転方向を識別するようにした回転方向検出方法。
JP2015050571A 2015-03-13 2015-03-13 回転方向検出装置及び回転方向検出方法 Active JP6177268B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015050571A JP6177268B2 (ja) 2015-03-13 2015-03-13 回転方向検出装置及び回転方向検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015050571A JP6177268B2 (ja) 2015-03-13 2015-03-13 回転方向検出装置及び回転方向検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016170084A JP2016170084A (ja) 2016-09-23
JP6177268B2 true JP6177268B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=56982436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015050571A Active JP6177268B2 (ja) 2015-03-13 2015-03-13 回転方向検出装置及び回転方向検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6177268B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0658770A (ja) * 1992-01-10 1994-03-04 Mitsubishi Materials Corp エンコーダ
JP4573736B2 (ja) * 2005-08-31 2010-11-04 三菱電機株式会社 磁界検出装置
JP4519038B2 (ja) * 2005-09-07 2010-08-04 三菱電機株式会社 回転状態検出装置
JP5295163B2 (ja) * 2010-04-01 2013-09-18 三菱電機株式会社 磁界検出装置およびそれを調整する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016170084A (ja) 2016-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10295578B2 (en) Current sensor and smart meter
US8063633B2 (en) Magnetoresistive magnetic field sensor structure
US6577124B2 (en) Magnetic field sensor with perpendicular axis sensitivity, comprising a giant magnetoresistance material or a spin tunnel junction
US10060941B2 (en) Magnetoresistive gear tooth sensor
US6707298B2 (en) Magnetic sensor
JP5596906B2 (ja) 磁場角センサの製造方法
US6661225B2 (en) Revolution detecting device
JP5389005B2 (ja) 磁気抵抗型積層構造体ならびに該構造体を備えたグラジオメータ
JP2014516406A (ja) 単一チップブリッジ型磁界センサおよびその製造方法
JP2014515470A (ja) シングルチップ2軸ブリッジ型磁界センサ
US20160313412A1 (en) Anisotropic Magnetoresistance Sensor
JP2014512003A (ja) シングルチッププッシュプルブリッジ型磁界センサ
JP2011149949A (ja) 磁気抵抗センサ素子および磁気抵抗センサ素子の角度誤差を低減する方法
WO2018008525A1 (ja) 磁気センサ
US11467232B2 (en) Magnetoresistive sensor and fabrication method for a magnetoresistive sensor
JP2018073913A (ja) 磁気センサおよびその製造方法
JP2007024598A (ja) 磁気センサ
JP6177268B2 (ja) 回転方向検出装置及び回転方向検出方法
JP6969751B2 (ja) トンネル磁気抵抗素子及び磁化方向補正回路
RU2316783C2 (ru) Магниторезистивная слоистая система и чувствительный элемент на основе такой слоистой системы
JP5631378B2 (ja) 磁界検出方法
JP4737371B2 (ja) 回転角度検出装置
Rössler et al. Integrated giant magneto resistors—A new sensor technology for automotive applications
JP2015095630A (ja) 磁気センサ
US11231304B2 (en) Magnetic field sensor and magnetic field sensing method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6177268

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250