JP6177078B2 - スプライン嵌合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、軸部材を回転部材に挿入し、軸部材の外周面に形成された第1スプラインを回転部材の第2スプラインにスプライン嵌合させるスプライン嵌合構造に関する。
例えば自動車等の車両の駆動系にあっては、回転を伝達する部材同士を回転方向に駆動連結するため、回転部材の内周面に形成された雌スプラインに、軸部材の外周面に形成された雄スプラインをスプライン嵌合させた、いわゆるスプライン嵌合構造が各所に用いられている。このようなスプライン嵌合構造は、別部材である回転部材と軸部材とを駆動連結可能に、かつ組付け可能にするための構造であるが、組付ける際には、回転部材に対して軸部材を挿入する工程があり、軸部材が回転部材に挿入し易いか否かによって、組付作業の所要時間、つまり製造時間に影響がある。
そこで、軸部材の雄スプラインの先端側と、回転部材の雌スプラインの入口側とに、それぞれ面取り部を設けて、スプライン嵌合構造の組付けを容易にしようとしたものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2013−113331号公報
一般に、軸部材の雄スプラインを回転部材の雌スプラインに挿入して組付ける場合は、軸部材の先端にある、軸方向に直交する方向の平面の面積が小さい方が引っかかり難く、つまり内径側まで大きな面積で面取りされていることが好ましい。しかしながら、雄スプラインのトルク伝達可能な容量を確保するためには、雄スプラインの軸方向長さを必要な長さ確保しておく必要があり、特許文献1のように角度が緩い(軸方向に対して寝かせた)面取り部を設けることは、軸方向のコンパクト化に影響がある。従って、限られた軸方向の長さに納まるように、かつ軸方向に直交する方向の平面の面積がなるべく小さくなるように面取り部を形成したいという要望がある。
ところで、上記のように軸部材の雄スプラインの先端側に面取り加工を施す場合は、スプラインを形成した後に面取り加工を行おうとすると、スプライン溝で切削刃が空を切ることになり、スプライン歯に刃が衝突することになるため、好ましくなく、一般的には面取り加工を行った後にスプラインを形成することになる。一方で、軸部材の外周面に雄スプラインを形成する場合は、転造によりスプライン溝を形成する手法が一般的であるが、スプライン溝を転造により形成すると、スプライン溝の肉が軸方向に押し出されて盛上るという問題があり、面取り加工を行った後にスプラインを転造すると、面取り部よりも押し出された肉が盛上ったまま残るという問題がある。
そして、上述のような要望に応じるためには、面取り角度を、軸方向に直交する角度に対して小さい角度(軸方向に対して起こした角度)にすることになるが、このような角度に面取り角度を設定すると、実験的に上記スプラインの転造時に発生する肉の盛上り量が増えてしまうことが分かっており、つまり面取り部から突出する盛上り部分が大きくなるので、雄スプラインを雌スプラインに挿入する際の引っかかりが発生し易くなり、やはり組付作業の所要時間が長くなるという問題がある。
そこで本発明は、軸部材における軸方向と直交する方向の平面部の面積を小さくし、かつ第1スプラインの転造時に発生する肉の盛上り量も小さくすることを可能とし、もって組付作業時間の短縮化が可能なスプライン嵌合構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係るスプライン嵌合構造(1)は(例えば図1乃至図3参照)、軸方向に対して直交する方向に形成された平面部(51c)と、外周面(51d)に形成された第1スプライン部(51s)と、前記平面部(51c)から前記第1スプライン部(51s)までを繋げるように面取りされた面取り部(70)と、を有し、前記面取り部(70)を面取りした後に前記第1スプライン部(51s)が転造により形成される軸部材(51)と、
前記軸部材(51)が挿入された際に前記軸部材(51)の第1スプライン部(51s)にスプライン嵌合される第2スプライン部(27s)を有する回転部材(27)と、を備え、
前記第1スプライン部(51s)は、前記第2スプライン部(27s)に対してトルク伝達可能な長さを有していると共に、
前記面取り部(70)は、前記外周面(51d)から前記第1スプライン部(51s)の溝よりも内径側まで第1角度(θ1)で面取りされた第1面取り部(71)と、前記第1面取り部(71)に繋がり、かつ前記第1角度(θ1)よりも軸方向に対する角度が大きい第2角度(θ2)で面取りされた第2面取り部(72)と、を有し、
前記第1角度(θ1)及び前記第2角度(θ2)は、前記第1スプライン部(51s)が転造されることにより発生する肉盛り部(51x)が、前記平面部(51c)より軸方向に出ないように設定されたことを特徴とする。
また、本発明に係るスプライン嵌合構造は(例えば図1参照)、前記軸部材は、自動変速機構(50)の入力軸(51)であり、
前記回転部材は、トルクコンバータ(20)のタービンランナ(24)に連結された連結部材(27)であることを特徴とする。
また、本発明に係るスプライン嵌合構造は(例えば図1参照)、前記第1角度(θ1)は、前記軸方向に対して56.51度〜53.55度であり、
前記第2角度(θ2)は、前記軸方向に対して77.46度〜81.53度であることを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、第1角度で面取りされた第1面取り部に繋がり、第1角度よりも軸方向に対する角度が大きい第2角度で面取りされた第2面取り部を設け、第1角度及び第2角度が、第1スプライン部が転造されることにより発生する肉盛り部が、平面部より軸方向に出ないように設定されているので、平面部の面積を小さくすることができると共に、第1スプラインの転造時に発生する肉の盛上り量も小さくすることができる。これにより、軸部材を回転部材に挿入して組付ける際の引っかかりが低減され、組付作業時間を短縮化することができる。
請求項2に係る本発明によると、自動変速機構の入力軸を、トルクコンバータのタービンランナに連結された連結部材に挿入して組付ける際の引っかかりが低減され、自動変速機の組付作業の所要時間を短縮化することができる。
自動変速機のトルクコンバータ部分を示す断面図。 自動変速機構の入力軸を示す図で、(a)は入力軸の先端部分を示す断面図、(b)は面取り部を示す拡大断面図。 面取り部の設定角度に対する盛上り量と平均組付時間との関係の実験データを示す図で、(a)は大径側面取り角度と肉盛上り量との関係を示す図、(b)は小径側面取り角度と肉盛上り量との関係を示す図、(c)は平均組付時間を示す図。
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図3に沿って説明する。まず、本発明に係るスプライン嵌合構造1を有する自動変速機10の構造について図1に沿って説明する。なお、図1に示す自動変速機10は、例えばFR(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプの車両において軸方向が左右方向に搭載されるものであるが、説明の便宜上、駆動力が入力されてくる方向を基準に、図中右方側を「前方側」、左方側を「後方側」という。なお、勿論これに限らず、例えばFR(フロントエンジン・リヤドライブ)タイプの車両のように軸方向が前後方向に搭載されるものであっても構わず、つまり搭載される車両の駆動方式を限定するものではない。
図1に示す自動変速機10は、例えばベルト式無段変速機(CVT)からなり、ハウジングケース11の内部にロックアップクラッチ付トルクコンバータ20が収納され、ミッションケース12の内部に図示を省略した前後進切換え機構やベルト式無段変速機構を有する自動変速機構50が収納されて構成されている。なお、ハウジングケース11とミッションケース12は、ボルト93により一体的に締結される。
ロックアップクラッチ付トルクコンバータ20は、フロントカバー21とリヤカバー22とにより、エンジン出力軸(クランク軸)80に接続されるカバー体を構成しており、そのカバー体の内部空間に、ポンプインペラ23、タービンランナ24、ステータ25、ロックアップクラッチ36、及びダンパ装置30等が備えられている。
エンジン出力軸80には、ワッシャ88,89を介してボルト91により固着されたドライブプレート82が設けられており、該ドライブプレート82にフロントカバー21がセットブロック29と共にボルト92を介して接続されている。また、フロントカバー21には、前方側の中心部分に、エンジン出力軸80の端部内周面に嵌合するセンターピース81が固着されており、該エンジン出力軸80とフロントカバー21との軸合わせがなされている。
トルクコンバータ20は、大まかに、ポンプインペラ23と、該ポンプインペラ23に対向配置されたタービンランナ24と、それらの間に配置され、ワンウェイクラッチ40に接続されたステータ25とを有しており、内部にオイルが満たされて油密状となるように構成されている。ポンプインペラ23は、リヤカバー22内に一体的に配設されており、つまりフロントカバー21及びエンジン出力軸80と一体に回転するように構成されている。また、該リヤカバー22は、後方内周側において支持部材26が連結されており、該支持部材26の後端側は、オイルポンプ60に接続されている。なお、ポンプボディ61及びポンプカバー62は、ボルト95により締結されていると共にボルト94によってミッションケース12に締結され、上記支持部材26は、ミッションケース12に締結されたポンプボディ61に対して回転自在に支持されている。
タービンランナ24は、タービンカバー28内に一体的に配設されており、その内周側が、後述するダンパ装置30のドリブンプレート33と共に連結部材27に接続されている。該連結部材27は、内周側に雌スプライン(第2スプライン部)27sが形成されており、詳しくは後述する自動変速機構50の入力軸51の雄スプライン(第1スプライン部)51sにスプライン係合して、つまりタービンランナ24は、自動変速機構50の入力軸51に対して回転不能に連結されている。
上記ワンウェイクラッチ40は、アウターレース43とインナーレース41とそれらの間に介在し、インナーレース41に対してアウターレース43の回転を一方向のみに規制するスプラグ機構42とからなり、上記ステータ25が、該アウターレース43に接続されている。また一方のインナーレース41は、後方側が上記ポンプカバー62に固定された(つまりミッションケース12に対して固定された)ステータシャフト44にスプライン係合しており、回転方向に対して固定されている。
そして、上記ステータ25は、ポンプインペラ23とタービンランナ24との速度差が大きい状態にあってワンウェイクラッチ40により回転が固定され、ポンプインペラ23の回転により前方側に送られたオイルの流れを受け止めつつ流れ方向を換えてタービンランナ24に送り、該タービンランナ24により大きなトルクを伝達する(トルク増大効果)。また、ポンプインペラ23とタービンランナ24との速度差が小さくなると、ワンウェイクラッチ40によりステータ25の回転固定が自動的に解除され、ポンプインペラ23より送られたオイルの流れを阻害することなく略々その方向のままタービンランナ24に送り、ポンプインペラ23とタービンランナ24とが共に連れ回る状態にする。
一方、上記フロントカバー21の背面側には、摩擦材からなるロックアップクラッチ36が配設されている。該ロックアップクラッチ36は、後述するダンパ装置30のドライブプレート31に一体的に配設されており、該ドライブプレート31は、内周側が上記連結部材27に対して摺動自在に嵌合されている。つまりロックアップクラッチ36は軸方向に移動自在に構成されてフロントカバー21の背面に接離可能に構成されている。そして、該ドライブプレート31の後面側には、ピン38を介してダンパ装置30のドライブプレート32が固着されており、つまりドライブプレート31の後面側にダンパ装置30が配設された形となっている。
該ダンパ装置30は、上記ドライブプレート31,32と、ドリブンプレート33と、2つのダンパスプリング34,35で構成されている。該ドライブプレート31、32は、上述のようにピン38により締結されており、ドリブンプレート33は、ピン39により上記タービンカバー28及び連結部材27に連結されている。ダンパスプリング34,35は、それぞれ一端がドライブプレート32に当接すると共に他端がドリブンプレート33に当接するように縮設されており、つまりロックアップクラッチ36の係合中にエンジン出力軸80からドライブプレート32に伝達される回転力は、ダンパスプリング34,35を介してドリブンプレート33に伝達される。そして、ドリブンプレート33は、上記のように連結部材27に連結されており、つまり該ドリブンプレート33は自動変速機構50の入力軸51に駆動連結されている。
上記自動変速機構50の入力軸51は、上記ステータシャフト44に回転自在に支持されていると共に、先端外周側の雄スプライン51sが上記連結部材27の雌スプライン27sにスプライン係合している。また、該入力軸51の雄スプライン51sの前側は、入力軸51の本体部51bよりも小径に形成された小径部51aとなっており、小径部51aの外周側には、上記連結部材27との間にシールリングSrが配設されている。そして、該入力軸51の後側は、自動変速機構50の前進用クラッチC−1や不図示の前後進切換え用プラネタリギヤなどに接続されており、入力軸51の回転が正転・逆転を切換えられつつ不図示の無段変速機で無段変速された後、ディファレンシャル装置等を介して車輪に回転が伝達される。
なお、該入力軸51には、油路51m,51nが形成されており、上記トルクコンバータ20内部を循環する循環油が供給される。油路51nの前方端部は開口されており、循環油は、上記シールリングSrにシールされて、フロントカバー21と連結部材27との間から、フロントカバー21とドライブプレート31との間を通って、トルクコンバータ20内部に供給される。
以上のように構成された自動変速機10を組付ける(製造する)際には、自動変速機構50を組立てた状態で、突出している入力軸51に、ステータシャフト44、ポンプカバー62、ポンプボディ61、ハウジングケース11等を組付けた後、トルクコンバータ20に入力軸51を挿入する形で、トルクコンバータ20を自動変速機構50に取付ける。この際、入力軸51の雄スプライン51sと、連結部材27の雌スプライン27sとをスプライン嵌合させ、スプライン嵌合構造1を構成することになる。以下、このスプライン嵌合構造1を構成する際の組付時間を短縮するための入力軸51の形状を図2及び図3に沿って説明する。
自動変速機構50の入力軸51の先端部分は、図2(a)に示すように、本体部51bと、該本体部51bから延びる小径部51aとによって、断面視で段差状に形成されている。本体部51bの外周面51dには、雄スプライン51sが転造により形成されており、その雄スプライン51sよりも前方の先端側(図中右方側)は、小径部51aを切削加工等で形成する際に形成される、軸方向に対して直交する方向を平面とした平面部51cが形成されている。なお、上述したように、小径部51aの外周面51eと、連結部材27との間には、シールリングSrが配設される(図1参照)。また、小径部51aの先端側は、軸方向に対して直交する方向を平面とした平面部51fとなっており、外周面51eと平面部51fとを繋ぐ部分は面取りされて、面取り部51gが形成されている。
そして、上記入力軸51の本体部51bの外周面51dと、上記平面部51cとを繋ぐ部分には、面取り部70が施されている。なお、面取り部70は、小径部51aを切削して、本体部51bと小径部51aとが段差状に形成された後、雄スプライン51sが外周面51dに転造により形成される前に形成される。
面取り部70は、図2(b)に示すように、外周面51dから雄スプライン51sの溝よりも内径側まで第1角度θ1で面取りされた外径側面取り部(第1面取り部)71と、外径側面取り部71に繋がり、かつ第1角度θ1よりも軸方向に対する角度が大きい第2角度θ2で面取りされた内径側面取り部(第2面取り部)72と、を有しており、いわゆる2面取りで構成されている。なお、外径側面取り部71は、雄スプライン51sの溝よりも内径側まで形成されているが、面取り加工自体は、雄スプライン51sを転造する前に加工されるので、雄スプライン51sの溝が転造で形成される予定の深さよりも内径側まで形成しておくという意味である。
ところで、雄スプライン51sと連結部材27の雌スプライン27sとのトルク伝達容量が小さくならないように該雄スプライン51sの必要な長さが設計上で決まり、かつ自動変速機10の軸方向長さが長くならないように平面部51cの軸方向位置(小径部51aの長さ)が決まる。そのため、面取り部70は、限られた軸方向の距離d2に収める必要があり、つまり外径側面取り部71の外周面51dとの交点の位置が必然的に決まっている。従って、面取り部70では、外径側面取り部71の面取り角度である第1角度θ1と、内径側面取り部72の面取り角度である第2角度θ2と、を設定することで、平面部51cにおける小径部51aよりも外径側に残る距離d1が設定される。もちろんであるが、この平面部51cにおける小径部51aよりも外径側に残る距離d1が小さいほど、組付作業における引っかかり量が小さいことになり、組付作業が容易になるはずである。本実施の形態における距離d1は、従来の面取り部100の場合の距離d4よりも距離が小さく、平面部51cが小径部51aより出っ張る面積が小さいので、従来よりも組付作業が容易となっている。
このように平面部51cが小径部51aより出っ張る面積は小さい方が良いが、例えば単に従来の面取り部100の角度を大きくして距離d4を小さくしようとすると、雄スプライン51sを転造した際にスプライン溝から押し出される肉盛上り部51xの盛上り量d3が大きくなり、組付作業における引っかかりが増してしまい、平均組付時間(組付作業の平均時間)が延びてしまうことが実験的に分かっている。そこで本実施の形態では、面取り部70を、外径側面取り部71及び内径側面取り部72の2面取りで構成し、かつ外径側面取り部71の第1角度θ1と内径側面取り部72の第2角度θ2とを適宜な値に設定することで、平面部51cが小径部51aより外径側に出っ張る面積を従来よりも小さく、かつ転造時に形成される肉盛上り部51xの盛上り量d3も小さくするものである。
図3は、大径側面取り角度(即ち第1角度)θ1、小径側面取り角度(即ち第2角度)θ2、肉盛上り量d3、平均組付時間の関係を実験により求めたデータである。図3(c)に示すように、設計パターンCは、大径側面取り角度θ1を「56.51度」、小径側面取り角度θ2を「77.46度」にそれぞれ設定したものである。この場合は、図3(a)〜(c)に示すように、雄スプライン51sの転造時に出現する肉盛上り部51xの肉盛上り量d3は「0.27mm」であり、平均組付時間は「2.71秒」であった。なお、従来の面取り部100の場合は、平均組付時間が3秒以上かかっていたことから、面取り部70を設計パターンCのような2面取り構造に変更するだけでも、平面部51cにおける小径部51aよりも外径側に残る距離d1が小さくなり、かつ肉盛上り部51xの肉盛上り量d3が小さくなって、組付作業における引っかかり量が減り、組付作業時間が向上している。
また、図3(c)に示すように、設計パターンBは、大径側面取り角度θ1を「56.57度」、小径側面取り角度θ2を「79.4度」にそれぞれ設定したものである。この場合は、図3(a)〜(c)に示すように、雄スプライン51sの転造時に出現する肉盛上り部51xの肉盛上り量d3は同じく「0.27mm」であったが、平均組付時間は「2.33秒」であった。この設計パターンBは、上記設計パターンCに比して、大径側面取り角度θ1を略々同じにして、小径側面取り角度θ2を大きくしたことから、平面部51cにおける小径部51aよりも外径側に残る距離d1が小さくなった。従って、肉盛上り量d3は同じであっても、平面部51cの面積縮小により、組付作業における引っかかり量が減って、組付作業時間が向上することが分かる。
そして、図3(c)に示すように、設計パターンAは、大径側面取り角度θ1を「53.55度」、小径側面取り角度θ2を「81.53度」にそれぞれ設定したものである。この場合は、図3(a)〜(c)に示すように、雄スプライン51sの転造時に出現する肉盛上り部51xの肉盛上り量d3が「0.17mm」となり、平均組付時間は「1.75秒」であった。この設計パターンAは、上記設計パターンBに比して、小径側面取り角度θ2を大きくしたが、大径側面取り角度θ1を小さくした分、平面部51cにおける小径部51aよりも外径側に残る距離d1は略々同じになった。従って、設計パターンCよりも、平面部51cにおける引っかかり量が減って、組付作業時間が向上している。さらに、この設計パターンAは、上記設計パターンBに比して、大径側面取り角度θ1を小さくし、小径側面取り角度θ2を大きくしたことから、肉盛上り量d3が小さくなって、肉盛上り部51xにおける引っかかり量も低減され、上記平面部51cにおける引っかかり量の低減と相俟って、組付作業時間が大幅に向上することが分かる。
以上説明したように、本実施の形態に係るスプライン嵌合構造1においては、第1角度θ1で面取りされた外径側面取り部71に繋がり、第1角度θ1よりも軸方向に対する角度が大きい第2角度θ2で面取りされた内径側面取り部72を設けたので、平面部51cの面積を小さくすることができると共に、雄スプライン51sの転造時に発生する肉盛上り量d3も小さくすることができる。これにより、入力軸51を連結部材27に挿入して組付ける際の引っかかりが低減され、自動変速機10の組付作業時間を短縮化することができる。
なお、以上説明した本実施の形態においては、軸部材が入力軸51で、回転部材が連結部材27である場合を一例として説明したが、これに限らず、軸部材を回転部材に挿入してスプライン嵌合させる構造であれば、どのようなものであっても本発明を適用し得る。
また、本実施の形態においては、大径側面取り角度θ1を「53.55度」、小径側面取り角度θ2を「81.53度」にそれぞれ設定した設計パターンAが最適であるように記載したが、軸部材の材質や太さ(外径)によってスプライン溝から余って盛上る肉盛上り量などに影響があることから、これらの角度の値は、これに限定されるものではなく、種々設計変更可能なものである。
1 スプライン嵌合構造
20 トルクコンバータ
24 タービンランナ
27 回転部材、連結部材
27s 第2スプライン部(雌スプライン)
50 自動変速機構
51 軸部材、入力軸
51c 平面部
51d 外周面
51s 第1スプライン部(雄スプライン)
70 面取り部
71 第1面取り部(外径側面取り部)
72 第2面取り部(内径側面取り部)
θ1 第1角度
θ2 第2角度

Claims (3)

  1. 軸方向に対して直交する方向に形成された平面部と、外周面に形成された第1スプライン部と、前記平面部から前記第1スプライン部までを繋げるように面取りされた面取り部と、を有し、前記面取り部を面取りした後に前記第1スプライン部が転造により形成される軸部材と、
    前記軸部材が挿入された際に前記軸部材の第1スプライン部にスプライン嵌合される第2スプライン部を有する回転部材と、を備え、
    前記第1スプライン部は、前記第2スプライン部に対してトルク伝達可能な長さを有していると共に、
    前記面取り部は、前記外周面から前記第1スプライン部の溝よりも内径側まで第1角度で面取りされた第1面取り部と、前記第1面取り部に繋がり、かつ前記第1角度よりも軸方向に対する角度が大きい第2角度で面取りされた第2面取り部と、を有し、
    前記第1角度及び前記第2角度は、前記第1スプライン部が転造されることにより発生する肉盛り部が、前記平面部より軸方向に出ないように設定された、
    ことを特徴とするスプライン嵌合構造。
  2. 前記軸部材は、自動変速機構の入力軸であり、
    前記回転部材は、トルクコンバータのタービンランナに連結された連結部材である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスプライン嵌合構造。
  3. 前記第1角度は、前記軸方向に対して56.51度〜53.55度であり、
    前記第2角度は、前記軸方向に対して77.46度〜81.53度である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスプライン嵌合構造。
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