JP6176939B2 - 太陽電池の異常状態検出方法およびその装置、並びに、当該装置を有する太陽光発電システム - Google Patents
太陽電池の異常状態検出方法およびその装置、並びに、当該装置を有する太陽光発電システム Download PDFInfo
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Description
また本発明は、そのような装置を有する太陽光発電システムに関する。
さらに、可能ならば、そのような太陽光発電システムの運用中に、上述した、PVパネルを構成している各PVモジュールの異常検出(または、故障検出)、可能ならば、さらに、各PVモジュールを構成している各PVセルの異常検出(または、故障検出)が望まれている。
また、PVモジュールの異常状態としては、PVモジュールに落ち葉、塵芥などが付着したことに起因するPVモジュールからの一時的な発電量の低下現象がある。
さらに、PVモジュールの異常状態としては、PVモジュールが日陰になることによる、PVモジュールの発電量の低下現象がある。
また、PVモジュールの異常状態としては、PVモジュールの一部が日陰(影)になると、ホットスポット現象が起こることがある。
図1は太陽電池(PV)モジュールに部分的な影ができたときの電流経路を示す。
部分影にあるPVモジュール101は電流が制限されるため、並列に接続されたバイパスダイオードに電流が流れ、PVモジュール101に直列に接続された影がない部分のPVモジュール102の太陽電池(PV)セル群の出力電圧によって、影がかかっているPVモジュール101は逆バイアスされる。
しかしながら、この発明では、各PVモジュールごとの異常を検出することができない。さらに、太陽光発電システムの運用への障害となる。
しかしながら、この発明は、照射される太陽光の強度と比較して発電状態監視手段の発光ダイオードの発光量には限度があり、太陽電池モジュールに太陽光が照射され、そして、太陽光の反射もある、屋外で、各PVモジュールごとに設けられた発電状態監視手段の発光ダイオードの点灯/消灯状態を肉眼で識別することは難しい。
しかしながら、この発明は、太陽光発電システムに組み込まれた各PVモジュールごとに基準のI−V特性を測定するという作業を必要とする。
さらに、この発明では、部分影起因する異常状態しか検出することができない。
しかしながら、この方法は、太陽光の強度が強い時、赤外線カメラでホットスポットを識別することには限界がある。また、人手がかかる。
前記制御・検出装置は、
前記PVモジュールの検査時、
所定の光が前記PVモジュールに照射される状態で、前記短絡用スイッチング素子を動作して、前記PVモジュールの両端を短絡または短絡状態にし、その時の電流検出手段の読みを、公称短絡電流ISCとして入力し、
前記PVモジュールを構成する複数の太陽電池セルの1個を遮光させ、その時の電流検出手段の読みを、遮光時短絡電流Ix として入力し、
電流比=遮光時短絡電流Ix/公称短絡電流ISCを計算し、
前記電流比が、他の電流比に対して、大きい場合、または、所定の値より大きい場合、そのPVモジュールに欠陥があると判別する、
太陽電池の異常状態検出装置が提供される。
図2を参照して、本発明の太陽電池の異常状態検出装置と方法について述べる。
図2に図解した太陽電池の異常状態検出装置において、1ストリングの太陽電池(PV)モジュール10は複数の太陽電池セルが直列に接続されている。
各太陽電池セルは、たとえば、シリコン半導体、アモルファスシリコン半導体などで形成されている。
このPVモジュール10の両端には、短絡用スイッチング素子11と、電流計12とが接続されている。また、太陽電池(PV)モジュールの両端には、電圧計13が接続されている。この太陽電池(PV)モジュールの両端に、バイパスダイオード(図示せず)を設けることもできる。
太陽光発電システムには、コンピュータを有し、演算処理機能を有する制御・検出装置14も設けられている。
PVセルの故障を検出するとき、全部のPVセルが、ある日射強度で照射されているとき、制御・検出装置14が短絡用スイッチング素子11を短絡して、または、短絡状態に近い状態にして、そのときの電流計12の値を読み取る。その値を公称短絡電流ISCと呼ぶ。
次いで、検出対象の1個のPVセルの照射光を遮光して、制御・検出装置14は、そのとき電流計12に流れる電流を読み取る。その値を遮光時短絡電流Ix と呼ぶ。この処理を、PVモジュール10の全てのPVセルについて行う。
各PVセルについて求めた電流比について、他の電流比より極端に大きな場合、制御・検出装置14は、そのPVセルは欠陥があると判断する。
なお、制御・検出装置14は、あるPVセルの遮光時短絡電流Ix が極端に大きいとき、そのPVセルは欠陥があると判断する。
PVセルの故障を検出するとき、全部のPVセルが、ある日射強度で照射されているとき、制御・検出装置14が短絡用スイッチング素子11を短絡して、または、短絡状態に近い状態にして、そのときの電流計12の値を読み取る。
もし、ある太陽電池セルが、遮光されたり、欠陥により、発電できない場合、図1を参照して述べたように、遮光されたり、欠陥により発電できない太陽電池セルに逆バイアスがかかり、遮光されたり、欠陥により発電できない太陽電池セルに逆方向に電流が流れる。
太陽電池(PV)モジュールの暗状態のI−V特性を図3に例示する。
遮光されたり、欠陥により発電できない太陽電池セルの電流は、図3に図解したように、逆方向のマイナス電流となる。
各PVセルについて求めた電流比について、他の電流比より極端に大きな場合、制御・検出装置14は、そのPVセルは欠陥があると判断する。
なお、制御・検出装置14は、あるPVセルの遮光時短絡電流Ix が極端に大きいとき、そのPVセルは欠陥があると判断する。
他方、各PVセルに影をつける方法としては、たとえば、遮光シールなどをPVセルに張り付ける方法などを適用することができる。
そのような方法を、図3を参照して述べる。
PVモジュール10全体に所定の強度の光を照射するときは、制御・検出装置14は、LEDまたは有機ELなどの光源20の全体を点灯させ、他方、PVモジュール10内の一部のPVセルを遮光させるときは、対応する部分(図3における黒い部分)を消灯させる。
この実施の形態において、制御・検出装置14により、バックライト付液晶表示装置21を、図4を参照して述べたLEDまたは有機ELなどの光源20と同様に制御する。
制御・検出装置14により、LEDを用いたPVセルを遮光する方法は、図3、図4を参照した実施の形態と同様である。
この方式は、表示装置23とPVモジュール10とが離間している場合に有効である。 たとえば、実際の太陽光発電システムにおいて、PVモジュール10と表示装置23とが離間しており、LED、有機ELなどの表示装置23などの光だけでは不十分な場合など、レンズを有するプロジェクタ24により、離間、照度不足を補償する。
プロジェクタ24は、たとえば、制御・検出装置14により、焦点距離が調整可能である。
なお、表示装置23のバックライト25としては、LED、有機ELなどの他にハロゲン、キセノンランプなどの発光強度の高いものが望ましい。
図8の実施の形態において、制御・検出装置14の制御のもとで、夜間に各PVパネルにプロジェクタ24からの光を照射して各PVセルごとに影をつくる。
制御・検出装置14は、最大電力動作点を追跡制御(MPPT制御)に用いるパワーコンディショナ(電力調整装置)を用いて、図2に図解した短絡用スイッチング素子11を短絡させて、その時の短絡電流を測定する。そして、上述したように、遮光した各PVセルごとに、電流比=遮光時短絡電流Ix/公称短絡電流ISCを計算して、上記同様の判定処理を行って、欠陥のあるPVセルを識別する。
図9は本発明の太陽電池の異常状態検出装置の第2実施の形態を図解した図である。
第2実施の形態の太陽電池の異常状態検出装置は、太陽光発電システムに適用されている。
図9に図解した太陽光発電システムは、太陽電池(PV)パネル1と、太陽電池の異常状態検出装置2と、最大電力動作点を追跡制御する(MPPT制御)装置3とを有する。
この太陽光発電システムは、負荷または系統に接続されている。
各PVモジュールごとに、並列に、バイパスダイオードが設けられていてもよい。
MPPT制御装置3は、太陽電池(PV)パネル1の端子電圧を測定する電圧計31と、太陽電池(PV)パネル1の出力電流を検出する電流計32と、インダクタ33と、スイッチ素子34と、ダイオード35と、平滑コンデンサ36と、DC−DCコンバータ37と、MPPT制御部38とを有する。
太陽電池の異常状態検出装置は、所定周期で、たとえば、1日に1回、下記の処理を行う。
この太陽光発電システムの運用状態において、すなわち、通常の日照状態において、制御・検出装置14は、たとえば、第1ストリングの太陽電池(PV)モジュールを検査するため、第1ストリングの太陽電池(PV)モジュールのみが、短絡用スイッチング素子11および電流計12の回路に接続されるように、第1の選択スイッチ対SW1A:SW1Bを動作させる。
そして、制御・検出装置14が短絡用スイッチング素子11を短絡して、または、短絡状態に近い状態にして、そのときの電流計12の値を読み取る。その値を公称短絡電流ISCと呼ぶ。
次いで、図4〜図8を参照したいずれかの方法で、たとえば、図7または図8を参照した方法で、選択した第1の太陽電池(PV)モジュールの1個のPVセルの照射光を遮光して、制御・検出装置14が、そのとき電流計12に流れる電流を読み取る。その値を遮光時短絡電流Ix と呼ぶ。
この処理を、PVモジュール10の全てのPVセルについて行う。
各PVセルについて求めた電流比について、他の電流比より極端に大きな場合、制御・検出装置14は、そのPVセルは欠陥があると判断する。
なお、制御・検出装置14は、あるPVセルの遮光時短絡電流Ix が極端に大きいとき、そのPVセルは欠陥があると判断する。
太陽電池セルの欠陥などを検出したとき、制御・検出装置14は、MPPT制御部38にそのことを通報する。
制御・検出装置14は、第1の選択スイッチ対SW1A:SW1Bを、短絡用スイッチング素子11、電流計12の回路から切り離す動作をさせる。
PVセルの故障を検出方法としては、全部のPVセルが、ある日射強度で照射されているとき、上記のように、制御・検出装置14が第1の選択スイッチ対SW1A:SW1Bを動作させて、第1の太陽電池(PV)モジュールを短絡用スイッチング素子11と電流計12の回路に接続した状態として、短絡用スイッチング素子11を短絡して、または、短絡状態に近い状態にして、そのときの電流計12の値を読み取る。
もし、ある太陽電池セルが、遮光されたり、欠陥により発電できない場合、図1を参照して述べたように、その太陽電池セルに逆バイアスがかかり、その太陽電池セルに逆方向に電流が流れる。
太陽電池(PV)モジュールの暗状態のI−V特性を図3に例示する。
このとき、遮光されたり、欠陥により発電できない太陽電池セルの電流検出値は、図3に図解したように、マイナス電流となる。
制御・検出装置14は、第1の選択スイッチ対SW1A:SW1Bを、短絡用スイッチング素子11、電流計12の回路から切り離す動作をさせる。
以上の処理により、太陽電池(PV)パネル1内のいずれかの太陽電池(PV)モジュールに欠陥があるか否かを検出することができる。
なお、制御・検出装置14は、MPPT制御装置3内のMPPT制御部38で処理を行うこともできる。
10…PVモジュール、11点短絡用スイッチング素子、12…電流計、13…電圧計、14…制御・検出装置、20/25…光源、
31…電圧計、32…電流計、33…インダクタ、34…スイッチ素子、35…ダイオード、36…平滑コンデンサ、37…DC−DCコンバータ、38…MPPT制御部
Claims (4)
- 太陽電池(PV)モジュールの端子を短絡する短絡用スイッチング素子と、
前記短絡用スイッチング素子に接続された、電流検出手段と、
制御・検出装置と
を有し、
前記制御・検出装置は、
前記PVモジュールの検査時、
所定の光が前記PVモジュールに照射される状態で、前記短絡用スイッチング素子を動作して、前記PVモジュールの両端を短絡または短絡状態にし、その時の電流検出手段の読みを、公称短絡電流ISCとして入力し、
前記PVモジュールを構成する複数の太陽電池セルの1個を遮光させ、その時の電流検出手段の読みを、遮光時短絡電流Ix として入力し、
電流比=遮光時短絡電流Ix/公称短絡電流ISCを計算し、
前記電流比が、他の電流比に対して、大きい場合、または、所定の値より大きい場合、そのPVモジュールに欠陥があると判別する、
太陽電池の異常状態検出装置。 - 太陽電池(PV)モジュールの端子を短絡する短絡用スイッチング素子と、前記短絡用スイッチング素子に接続された、電流検出手段とを有する太陽光発電システムにおいて、 前記PVモジュールの検査時、
所定の光が前記PVモジュールに照射される状態で、前記短絡用スイッチング素子を動作して、前記PVモジュールの両端を短絡または短絡状態にし、その時の電流検出手段の読みを、公称短絡電流ISCとして入力し、
前記PVモジュールを構成する複数の太陽電池セルの1個を遮光させ、その時の電流検出手段の読みを、遮光時短絡電流Ixとして入力し、
電流比=遮光時短絡電流Ix/公称短絡電流ISCを計算し、
前記電流比が、他の電流比に対して、大きい場合、または、所定の値より大きい場合、そのPVモジュールに欠陥があると判別する、
太陽電池の異常状態検出方法。 - 請求項1に記載の太陽電池の異常状態検出装置を有する太陽光発電システム。
- 当該太陽光発電システムは、最大電力動作点を追跡制御(MPPT制御)手段を有する、請求項3に記載の太陽光発電システム。
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