JP6403717B2 - 太陽電池モジュールの発電出力取得方法及び発電出力取得装置 - Google Patents

太陽電池モジュールの発電出力取得方法及び発電出力取得装置 Download PDF

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Description

本発明は、太陽光発電システムを構成する直列及び/又は並列に接続された複数の太陽電池モジュールの発電出力を取得する発電出力取得方法及び発電出力取得装置に関し、特に、太陽電池モジュールに電圧及び電流を印加することで生じるエレクトロルミネッセンス(EL)を利用して、設置済み且つ稼働中の太陽光発電システムの太陽電池モジュールの発電出力を取得する方法及び装置に関する。
太陽光などの光を受光して発電する太陽光発電システムは、再生可能エネルギーである太陽エネルギーを利用する発電方式であり、近年では、一般住宅の屋根や建物の屋上への設置が普及し、さらには、広大な用地に設置されるいわゆるメガソーラーなどの大規模な太陽光発電システムの導入も進み、多種多様な場所に多くの太陽光発電システムが設置されている。
太陽光発電システムは、太陽電池セルを複数組み合わせた太陽電池モジュールを基本単位として、発電出力や設置場所の広さに応じて複数枚の太陽電池モジュールを直列及び/又は並列に接続して、複数の太陽電池モジュールが配列された太陽光発電システムを構築する。
設置された太陽光発電システムは、その稼働状態において、発電出力の低下などの異常状態発生時、又は定期的に保守点検作業が行われる。発電出力の低下要因としては、太陽電池モジュールの表面が汚損して太陽光などの光を十分受光できない場合、太陽電池モジュールの内部に不具合・故障が発生する場合、経年変化などさまざまな要因が挙げられるが、保守点検時は、不具合等の有無やその要因を特定すべく、作業者が太陽光発電システムの設置場所に赴いて、太陽光発電システムを構成する多数の太陽電池モジュールを1枚1枚点検・確認作業を行って、その異常の有無を確認する作業を行う。
太陽電池モジュールの不具合等の検知手法の一つとして、太陽電池モジュールに順方向にバイアス電圧を印加して、エレクトロルミネッセンス(EL)を生じさせ、その発光状態を撮影した画像(EL画像)により太陽電池モジュールの不具合を特定する方法が知られている(特許文献1、2)。
国際公開第2006/059615号 特開2014−228517号公報
しかしながら、太陽電池モジュールを多数接続したいわゆるメガソーラーなどの大規模太陽光発電システムや住宅用太陽光発電システムにおいて、点検保守の作業者が、その設置場所で太陽電池モジュールを1枚1枚すべてについて点検・確認作業を行うことは、膨大な時間と手間を要し、非常に非効率的な作業である。
また、特許文献1及び2に開示される手法は、EL画像の発光強度を比較して評価するのみであり、実際の太陽電池モジュールの発電出力との関係性が把握できず、発電出力に関する具体的な数値を得ることができない。
さらに、実際の大規模太陽光発電システムは、風雨に曝された広大な敷地に設置され、場所により周囲の環境も異なり、太陽電池モジュール表面の汚損具合など、必ずしも全ての太陽電池モジュールが同一条件になるとは限らず、単純にEL画像の発光強度のみを比較するだけでは、発電出力についての正確な評価は困難である。
そこで、本発明の目的は、既設の太陽光発電システムを構成する複数の太陽電池モジュールの発電出力を効率的に短時間で取得することができる太陽電池モジュールの発電出力取得方法及び発電出力取得装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の太陽電池モジュールの発電出力取得方法は、直列及び/又は並列に接続された複数の太陽電池モジュールの発電出力を推定する発電出力取得方法において、複数の太陽電池モジュールのうちの一つの基準太陽電池モジュールの発電出力特性を測定する測定工程と、前記測定工程により測定された発電出力特性に基づいて設定された電流値及び電圧値の電流及び電圧を複数の太陽電池モジュールに印加してエレクトロルミネッセンスを発生させ、エレクトロルミネッセンスにより発光した複数の太陽電池モジュールを撮影する撮影工程と、前記撮影工程により撮影された画像に基づいて、複数の太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値を取得し、前記一つの基準太陽電池モジュールの発光強度に関する値と、複数の太陽電池モジュールのうちの残りの太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値との比に、前記発電出力特性より求められる前記一つの基準太陽電池モジュールの発電出力の値を乗算して、前記残りの太陽電池モジュールそれぞれの発電出力値を算出する演算工程とを備えることを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の太陽電池モジュールの発電出力取得装置は、直列及び/又は並列に接続された複数の太陽電池モジュールの発電出力を取得する発電出力取得装置において、複数の太陽電池モジュールのうちの一つの基準太陽電池モジュールの発電出力特性を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された発電出力特性に基づいて設定された電流値及び電圧値の電流及び電圧を複数の太陽電池モジュールに印加してエレクトロルミネッセンスを発生させ、エレクトロルミネッセンスにより発光した複数の太陽電池モジュールを撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像に基づいて、複数の太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値を取得し、前記一つの基準太陽電池モジュールの発光強度に関する値と、複数の陽電池モジュールのうちの残りの太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値との比に、前記発電出力特性より求められる前記一つの基準太陽電池モジュールの発電出力の値を乗算して、前記残りの太陽電池モジュールそれぞれの発電出力値を算出する演算手段とを備えることを特徴とする。
本発明における太陽電池モジュールの発電出力取得方法及び発電出力取得装置によれば、一つの基準太陽電池モジュールの発電出力特性を測定することにより、エレクトロルミネッセンスの撮影画像データに基づいて、太陽光発電システムを構成する多数の太陽電池モジュールの発電出力値を取得することができ、容易に且つ短時間で多数の太陽電池モジュールの発電出力に関する評価を行うことができ、正確で効率的な保守点検作業の実施を可能とする。
太陽光発電システムの構成例を示す図である。 本発明における太陽光発電システムの発電出力を取得するための装置構成例を示す図である。 測定された太陽電池モジュールの発電出力特性の例を示す。 測定された発電出力特性(I−V特性)から選択される電圧値VEL及び電流値IELを示す図である。 エレクトロルミネッセンス(EL)が発生した発光状態の太陽電池モジュールを撮影した画像例である。 演算工程のフローチャートである。 演算工程により求められる数値を説明するための図である。 図5の画像例を閾値で二値化した画像データ例である。 ELが発生した発光状態の3枚の太陽電池モジュールを撮影した画像例である。 図9それぞれに対応する画像を閾値で二値化した画像データである。 図10の二値化した画像データから求められる推定発電出力値を含む演算値を示す表である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、太陽光発電システムの構成例を示す図である。太陽光発電システムは、いわゆるメガソーラーと呼ばれる大規模太陽光発電システムや住宅用太陽光発電システムなど、既に設置済みの既設の太陽光発電システムであって、基本構成として、複数の太陽電池セルを組み合わせた太陽電池モジュール10を複数接続した構成を有する。複数の太陽電池モジュール10を直列に接続した太陽電池ストリング12が形成され、さらに、複数の太陽電池ストリング12が接続箱16を通じて直列又は並列に配置されて、太陽電池アレイ14が構成される。接続箱16は、1つの太陽電池ストリング12を一つの回線として各太陽電池ストリング12で発電した直流電力を集める機器であって、開閉器18を備え、さらに、逆流防止素子、避雷素子及び出力端子など各種回路素子を有する。複数の接続箱16が配置される大規模な太陽光発電システムの場合、さらに、複数の接続箱16からの出力をまとめる集電箱(図示せず)が設けられる場合もある。
接続箱16に集められた直流電力は、図示されない電力変換器(パワーコンディショナ)に供給され、電力変換器は、直流電力を交流電力に変換し、電力系統へ連系する。
図2は、本発明における太陽光発電システムの発電出力を取得するための装置構成例を示す図である。装置構成として、少なくとも一つの基準太陽電池モジュール10Aの発電出力特性を測定する測定装置20、太陽電池モジュール10(又は太陽電池ストリング単位又は太陽電池アレイ単位でもよい)にエレクトロルミネッセンスを生じさせるための電流・電圧を印加する電源装置24、エレクトロルミネッセンスの発生により発光状態の太陽電池モジュール10(又は太陽電池ストリング単位又は太陽電池アレイ単位でもよい)を撮影する撮影装置22、撮影した画像を処理して発電出力を演算する演算装置26を有して構成される。演算装置26は、汎用のコンピュータ装置であり、測定装置20の測定データや撮影装置22の画像データを取得、記録し、さらに、画像データを画像処理プログラムにより処理することにより、発電出力の演算処理を実行する。当該装置構成を用いて、以下の工程が実行される。
(1)太陽光発電システムを構成する複数の太陽電池モジュールのうちの少なくとも一つの基準太陽電池モジュールの出力特性を測定装置20により測定する測定工程。
(2)対象となる複数の太陽電池モジュールすべてに電源装置24により所定の電流・電圧を印加し、それによりエレクトロルミネッセンスを発生させ、その発光状態を撮影装置22により撮影する撮影工程。
(3)撮影された画像に基づいて、複数の太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値を検出し、さらに、複数の太陽電池モジュールのうちの上記測定工程により発電出力が測定された一つの基準太陽電池モジュールの発光強度に関する値と、残りの太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値との比較に基づいて、残りの太陽電池モジュールそれぞれの発電出力又はそれに対応する値を演算装置26により算出する演算工程。
以下、各工程について説明する。
<測定工程>
発電出力特性を測定する基準太陽電池モジュール10Aは、複数の太陽電池モジュールのうちの任意の一つの太陽電池モジュールでよく、作業しやすい太陽電池モジュールを選ぶことができる。太陽光発電システムを構成する複数の太陽電池モジュールは、多くの場合、同一種(同一メーカー同一型番)のものであり、任意の一つの太陽電池モジュールを選ぶことができる。なお、選択された太陽電池モジュールの発電出力の良否の確認は不要である。複数種類の太陽電池モジュールで構成される場合は、その種類毎に発電出力特性を測定する。太陽電池モジュールは、隣接する太陽電池モジュールと接続して太陽電池ストリングを構成可能とするために、端子から延びるケーブル先端がコネクタ構造になっており。選択した太陽電池モジュールのコネクタを抜いて、隣接する太陽電池モジュールから切り離して、コネクタに発電出力を測定する測定装置20を接続し、測定を実行する。
発電出力特性の測定は、太陽光などの光を受光している発電状態で行われ、測定装置20を接続して短時間で測定することができる。本発明では、発電出力特性を測定するのは、基準太陽電池モジュールとして選択される1つの太陽電池モジュール10Aのみでよく、実際に発電している稼働状態において、残りの多数の太陽電池モジュールの発電を中断させることなく、発電の機会損失を最小限に抑えることができる。
図3は、測定された基準太陽電池モジュールの発電出力特性の例を示す。太陽電池モジュールの発電出力特性は、発電により出力される電流(I)と電圧(V)の関係を表す相関値として求められ、I−V特性とも呼ばれる。発電出力特性の測定データは、演算装置(コンピュータ装置)26に記憶される。
<撮影工程>
発電出力特性の測定後、太陽光などの光がなく発電が行われない状態、すなわち夜間において、点検保守対象となっている太陽電池モジュール10(事前に出力特性が測定された基準太陽電池モジュール10Aを含む)にエレクトロルミネッセンス(以下、ELと称する)を発生させ、その発光状態を撮影する。電源装置24を用いて太陽電池モジュール10に所定の電圧と電流を印加することでELを発生させ、太陽電池モジュール10の表面を撮影装置22で撮影する。撮影装置22は、例えばELにより発生する紫外線を撮影する紫外線撮影装置であって、その撮影画像は、デジタルデータとして演算装置26に記憶される。撮影は、太陽電池モジュール毎に限らず、太陽電池ストリング単位、太陽電池アレイ単位で行われてもよく、基準太陽電池モジュール10Aを含めて、点検保守対象となっている複数の太陽電池モジュール10を撮影する。その場合、一つの太陽電池モジュールにELを発生させるための電圧値VEL及び電流値IELに、一回で撮影する撮影範囲に含まれる太陽電池モジュールの個数分を乗じた大きさの電圧及び電流を電源装置24により印加する。
図4は、測定された発電出力特性(I−V特性)から選択される電圧値VEL及び電流値IELを示す図である。印加される電圧及び電流において、太陽電池モジュール一つ分の電圧値VEL及び電流値IELは、測定工程により測定された発電出力特性曲線から適宜選択される電圧値VEL及び電流値IELであり、効率的にELを発生させるために、太陽電池モジュールの出力が最大となる動作点付近の電圧値VEL及び電流値IELを用いるのが好ましい。電力値PELは、電圧値VEL及び電流値IELから求められる電力値である。
図5は、ELが発生した発光状態の太陽電池モジュールを撮影した画像例である。ELの撮影は、図5に例示するように、点検保守対象となっている太陽電池モジュールを1枚ごとに撮影してよいし、例えば全体を俯瞰する太陽電池アレイ単位のような複数枚の太陽電池モジュールを一つの画像として撮影してもよい。複数枚の太陽電池モジュールを撮影することで、撮影回数の削減や撮影時間の短縮化となり撮影作業が省力化される。
また、ELの撮影の際には、撮影対象の太陽電池モジュールのプラス(+)電極線と対地間、及びマイナス(−)電極線と対地間の絶縁抵抗値を測定する。これは、プラス(+)電極線及びマイナス(−)電極線から対地へ漏電し、漏洩電流が発生していないかを確認するためである。漏洩電流が大きい場合は、太陽電池モジュールに接触すると人体における感電や可燃物における火災の原因となるため、その健全性を確認するために必須の作業である。
<演算工程>
図6は、演算工程のフローチャートであり、図6(a)は、点検保守対象となっている太陽電池モジュールのうちの基準太陽電池モジュールの画像データに対する演算工程であり、図6(b)は、基準太陽電池モジュール以外の残りの太陽電池モジュールの画像データに対する演算工程を示す。演算装置26より当該演算工程は実行される。図7は、演算工程により求められる数値を説明するための図であって、図7(a)は、保守点検対象となる複数のn個の太陽電池モジュールM1〜Mn(Mm:M2〜Mn−1)の配列例を模式的に示し、図7(b)は、それに対応する数値を示す表である。図7においては、太陽電池モジュールM1を基準太陽電池モジュールとする。
図6(a)において、撮影された画像データのうち、基準太陽電池モジュールM1の撮影画像領域における画素のうち、発光強度(例えば輝度)についての所定の閾値以上の画素数をカウントし、そのカウント数C1を取得する(S100)。また、図6(b)においても、撮影された画像データのうち、基準太陽電池モジュール以外の保守点検対象の太陽電池モジュール(対象太陽電池モジュールと称する)M2〜Mnについて、その撮影画像領域における画素のうち、発光強度(例えば輝度)についての所定の閾値以上の画素数をカウントし、そのカウント数C2〜Cnを取得する(S200)。閾値は、発光強度の基準を定めるためのものであり、任意の値でよい。画素のカウントは、既存の画像処理ソフトウェアの機能を利用して、自動的に閾値を決定し(手動で閾値を設定してもよい)、その閾値以上の輝度を有する画素の数をカウントする。撮影する角度や距離により、太陽電池モジュール1枚当たりの画像領域を構成する画素数に差が生じるので、その差を補正するために、正規化処理した値を用いることが好ましい。例えば、保守点検対象の太陽電池モジュールについて、各太陽電池モジュールの撮影画像領域の全画素数に対するカウント数の割合値を正規化カウント数NC1〜NCnとして算出する(S102、S202)。発光強度に関する値として、カウント数に限らず、閾値以上の画素面積など他の指標値も用いられてもよい。
そして、基準太陽電池モジュールM1の発電出力(基準発電出力値と称する)P1として、撮影工程において印加した電流値と電圧値から求められる発電出力が対応付けられ、基準太陽電池モジュールM1の発電出力値P1として記憶される(S104)。
対象太陽電池モジュールM2〜Mnについては、それぞれの正規化カウント数NC2〜NCnと基準太陽電池モジュールM1の正規化カウント数NC1との基準比R2〜Rn(=NC2/NC1〜NCn/NC1)が演算により求められ(S204)、さらに、その基準比R2〜Rnに基づいて、対象太陽電池モジュールM2〜Mnの発電出力の推定値(推定発電出力値と称する)P2〜Pnが求められる(S206)。具体的には、対象太陽電池モジュールの正規化カウント数NC2〜NCnに対して求められた上記基準比R2〜Rnに基準発電出力値P1を乗算することで、対象太陽電池モジュールP2〜Pnの推定発電出力値P2〜Pnを求めることができる。
発明者は、既設の複数の太陽電池モジュールについて、後述する実施例に示すように、実測による基準発電出力値と上述の演算により求められる推定発電出力値とを比較する実験を行ったところ、両者は高い精度で一致することを確認できた。基準発電出力値との比として、推定発電出力値を算出するので、基準太陽発電モジュールの発電出力値が残りの太陽発電モジュールの発電出力値よりも相対的に低い場合であっても、高精度な推定が可能となる。
さらに、太陽電池モジュールの定格仕様情報から定格発電出力値RPの情報を取得し、定格発電出力値RPに対する基準太陽電池モジュールM1の基準発電出力値P1の定格比Z1(P1/RP)を求め(S106)、対象太陽電池モジュールM2〜Mnについても、定格発電出力値RPに対する対象太陽電池モジュールM2〜Mnの発電出力P2〜Pnの定格比Z2〜Zn(P2/RP〜Pn/RP)を求める(S208)。定格発電出力値RPとの比較により、各太陽電池モジュールの発電出力値の経年的な変化を把握することができる。また、定期的に本発明を実施することで、経年変化のデータを蓄積することができ、太陽電池モジュールの発電出力の変化について評価することができる。例えば、一部の太陽電池モジュールの発電出力の減少量が、他の多数の太陽電池モジュールの発電出力よりも大きい場合、その太陽電池モジュールを不良判定することができる。定格発電出力値RPと発電出力値Pとの比較においては、定格比Zに代えて又は加えて、差分値を比較値としてもよい。
<実施例>
発明者は、既設の太陽電池モジュール(同一メーカー同一型番)について、実測による基準発電出力値と上述の演算により求められる推定発電出力値とを比較する実験を行った。
上記測定工程について、発明者が勤務する出願人の敷地内にある既設の太陽電池モジュール3枚の出力特性を測定装置により測定した。図8は、その出力特性の測定結果を示す図である。図8に示す「基準」は、3枚の太陽電池モジュールのうちから選択された基準太陽電池モジュールの出力特性であり、残り2枚の太陽電池モジュールの出力特性は、「対象1」、「対象2」として示される。「対象1」と「対象2」の出力特性は、後述する演算工程により求められる推定発電出力値との比較のために測定されたものである。図8において、印加電圧20Vにおける「基準」、「対象1」、「対象2」の電流値はそれぞれ8.60A、8.33A、6.81Aであり、従って、実測による発電出力はそれぞれ172.0W、166.6W、136.2Wである。
上記撮影工程について、基準太陽電池モジュールを含む3枚の太陽電池モジュールに所定の電流・電圧を印加し、それによりエレクトロルミネッセンスを発生させ、その発光状態を撮影した。図9は、ELが発生した発光状態の3枚の太陽電池モジュールを撮影した画像例であり、図9(a)が基準太陽電池モジュール、図9(b)及び図9(c)は、残りの太陽電池モジュール「対象1」、「対象2」の画像である。なお、図9(a)は図5の画像と同一である。
演算工程では、撮影された画像に基づいて、残りの太陽電池モジュール「対象1」、「対象2」の推定発電出力値を算出した。図10(a)、(b)及び(c)は、図9(a)、(b)及び(c)それぞれに対応する画像を閾値で二値化した画像データである。図11は、その二値化した画像データから求められる推定発電出力値を含む演算値を示す表である。ここで,この演算に基づいて,対象1と対象2の発電出力値を求めると,対象1の場合172×0.971=167であり,対象2の場合172×0.797=137である。
印加電圧20Vにおける「対象1」、「対象2」の太陽電池モジュールの推定発電出力値がそれぞれ167W、137Wに対して、測定工程において実際に測定された発電出力値は、166.6W、136.2Wとほぼ一致しているから、高い精度で推定できることを確認することができた。また、ELを撮影した画像において、太陽電池モジュールの画像領域のうち、発光強度が相対的に低い領域がある場合、局所的な不具合を判定することもできる。例えば、上述のカウント数をカウントするための閾値を用いて発光強度の分布を二値化したデータを生成することで、不具合箇所を明瞭に特定することができる。例えば図10(c)に示すように、相対的に発光強度が低い局所的な不具合領域(点線囲み部分)の有無を判定することができる。
本発明では、発電が行われている日射のある日中の時間帯に一つの太陽電池モジュールの出力特性を測定し、発電を行わない夜間にELを発生させた太陽電池モジュールを撮影することで、発電機会ロスを最小限に抑えるとともに、保守点検対象の太陽電池モジュールの発電出力を高精度に推定し、多数の太陽電池モジュールの発電出力の評価作業を効率的に短時間で行うことができるようになる。
上述においては、太陽電池モジュール単位でカウント数及び発電出力値などの演算処理について説明したが、太陽電池モジュール単位に限らず、例えば、複数の太陽電池モジュールを直列に接続して構成される太陽電池ストリング単位、複数の太陽電池ストリングを並列に接続して構成される太陽電池アレイ単位で演算を行ってもよい。その場合、1つの太陽電池モジュールの諸元により、接続されている個数分に発電出力値を乗ずればよい。
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る各種変形、修正を含む要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
10:太陽電池モジュール、10A:基準太陽電池モジュール、12:太陽電池ストリング、14:太陽電池アレイ、16:接続箱、20:測定装置、22:撮影装置、24:電源装置、26:演算装置

Claims (5)

  1. 直列及び/又は並列に接続された複数の太陽電池モジュールの発電出力を取得する発電出力取得方法において、
    複数の太陽電池モジュールのうちの一つの基準太陽電池モジュールの発電出力特性を測定する測定工程と、
    前記測定工程により測定された発電出力特性に基づいて設定された電流値及び電圧値の電流及び電圧を複数の太陽電池モジュールに印加してエレクトロルミネッセンスを発生させ、エレクトロルミネッセンスにより発光した複数の太陽電池モジュールを撮影する撮影工程と、
    前記撮影工程により撮影された画像に基づいて、複数の太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値を取得し、前記一つの基準太陽電池モジュールの発光強度に関する値と複数の太陽電池モジュールのうちの残りの太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値との比に、前記発電出力特性より求められる前記一つの基準太陽電池モジュールの発電出力の値を乗算して、前記残りの太陽電池モジュールそれぞれの発電出力値を算出する演算工程とを備えることを特徴とする発電出力取得方法。
  2. 前記発光強度に関する値は、複数の太陽電池モジュールそれぞれの画像領域を構成する画素のうち、所定閾値以上の発光強度を有する画素の数であることを特徴とする請求項1に記載の発電出力取得方法。
  3. 前記演算工程において、太陽電池モジュールの定格発電出力値と、前記演算工程により算出された複数の太陽電池モジュールの発電出力値それぞれとの比較値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の発電出力取得方法。
  4. 前記測定工程は、太陽電池モジュールが発電している日中に実施され、前記撮影工程は、太陽電池モジュールが発電していない夜間に実施されることを特徴とする請求項1または2に記載の発電出力取得方法。
  5. 直列及び/又は並列に接続された複数の太陽電池モジュールの発電出力を取得する発電出力取得装置において、
    複数の太陽電池モジュールのうちの一つの基準太陽電池モジュールの発電出力特性を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された発電出力特性に基づいて設定された電流値及び電圧値の電流及び電圧を複数の太陽電池モジュールに印加してエレクトロルミネッセンスを発生させ、エレクトロルミネッセンスにより発光した複数の太陽電池モジュールを撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段により撮影された画像に基づいて、複数の太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値を取得し、前記一つの基準太陽電池モジュールの発光強度に関する値と複数の太陽電池モジュールのうちの残りの太陽電池モジュールそれぞれの発光強度に関する値との比に、前記発電出力特性より求められる前記一つの基準太陽電池モジュールの発電出力の値を乗算して、前記残りの太陽電池モジュールそれぞれの発電出力値を算出する演算手段とを備えることを特徴とする発電出力取得装置。
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