JP6176494B2 - バッテリ端子 - Google Patents
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Description
ブラケットをターミナル本体に締め付ける際には、ブラケットの一対のテーパ面間に一対の締付片を配し、ボルトにナットを締め付けることで、ブラケットの中央片と一対の締付片とを上下からボルトとナットで挟み付ける。中央片と一対の締付片とがボルトとナットによって上下から挟み付けられると、一対のテーパ面によって一対の締付片が両側から押圧され、ターミナル本体がバッテリポストに密着することで、バッテリポストに対してバッテリ端子が接続固定される。
このような構成によると、締結部材を被締結部材に回転させて締め込む際に、回転防止部がバッテリ本体に当接することで、締付部材、ひいては締付部材が組み付けられた端子本体が締結部材の回転に伴って回転することを防ぐことができる。また、上記の構成によると、バッテリポストに嵌合される端子本体とは別体の締付部材に回転防止部が設けられているから、バッテリポストに接続される端子本体の意図しない変形による破損を防ぐことができる。
前記締付部材は、前記締結部材および前記被締結部材によって前記一対の被押圧部と共に挟持される基部と、前記基部の両側縁設けられ前記一対の被押圧部を両側から押圧する一対の押圧部とを有しており、前記基部には、前記端子本体に当接することで前記締付部材が前記バッテリ本体とは反対側に位置ずれすることを防ぐ位置ずれ防止部が設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、回転防止部がバッテリ本体に当接した際に、端子本体に対して締結部材がバッテリ本体とは反対側に位置ずれすることを防ぎ、締付部材および端子本体が回転することをより確実に防ぐことができる。
このような構成によると、基部における一方の端部と他方の端部との複数箇所に位置ずれ防止部が設けられているから、締付部材がバッテリ本体とは反対側に位置ずれすることを防ぐことを確実に防ぐことができる。
このような構成によると、バッテリ本体の壁部に当接する回転防止部および回転防止部が設けられたブラケット自体の強度が高くなり、ブラケットが破損することを防ぐことができる。
実施形態1について図1から図15を参照しつつ説明する。
本実施形態は、図1および図6に示すように、車両に搭載されるバッテリのバッテリ本体Bから上方に向けて立ち上がる略円柱状のバッテリポストPに接続固定されるバッテリ端子10を例示している。
バッテリ端子10は、図1および図4に示すように、金属板材を二つに折り曲げて形成された端子本体20と、端子本体20に上方から組み付けられる金属製のブラケット(「締付部材」の一例)50と、端子本体20に対してブラケット50を押しつける締結ボルト(「締結部材」の一例)60および締結ナット(「被締結部材」の一例)65とを備えて構成されている。
一対の繋ぎ板23は、何れも略矩形平板状をなし、左右方向に横並びに配されている。一対の繋ぎ板23は、上側対向板21および下側対向板22よりも左右方向外側に突出した形態とされ、各繋ぎ板23の前後両面は平坦な形態とされている。
一対の上側平板部30において互いに近い側の端縁である内側縁30Aには、左右方向に円弧状に凹んだ上側逃がし凹部31がそれぞれ形成されており、これらの上側逃がし凹部31は、左右方向に互いに向かい合って配されている。左右方向に互いに向かい合う上側逃がし凹部31によって囲まれた上側領域A1には、図7および図8に示すように、締結ボルト60がクリアランスを有した状態で挿通可能とされている。
ブラケット50は、図2、図7および図8に示すように、端子本体20を構成する金属板材の板厚寸法の約4倍の板厚寸法の金属板材をプレス加工などすることにより形成されており、図12から図15に示すように、左右方向に横長な略矩形板状の基部51と、基部51における後側の左右方向両側縁に設けられた左右一対の押圧部52と、基部51における前側の左右方向両側縁に設けられた左右一対の嵌合片(「位置ずれ防止部」の一例)53とを備えて構成されている。
一対の押圧部52は、図7、図8および図13に示すように、基部51から下方に向かうほど互いに離れる斜め下方向に向けて延出して形成されており、各押圧部52は左右一対の上側被押圧部28Uにおける上側受部32の略半円筒状の部分に斜め上から接触した状態となっている。つまり、一対の押圧部52は、幅方向両側の斜め上方から左右一対の上側受部32の上端を包囲するように、一対の上側受部32上に配置されている。
締結ボルト60は、頭部62と、頭部62から延びる軸部63とを有する一般的な形状とされており、軸部63が基部51のボルト挿通孔51Aと上側逃がし凹部31によって囲まれた上側領域A1とに上方から挿通され、頭部62がブラケット50の基部51上に配されることで、ブラケット50に組み付けられている。
また、締結ナット65は、締結孔66が上側領域A1および下側領域A2と上下に並ぶように配置されると、図4に示すように、締結ナット65の前側面65Aと一対の繋ぎ板23の後面23Aとが面接触し、ブラケット50に組み付けられた締結ボルト60における軸部63の先端が締結ナット65に対して僅かに螺合されるようになっている。
締結ボルト60の締め込みが進むと、ブラケット50の基部51と一対の上側被押圧部28Uとが上下両側から締結ボルト60および締結ナット65によって挟み込まれ、一対の上側受部32が一対の押圧部52によって幅方向両側から押圧される。すると、図8に示すように、上側受部32と押圧部52とが摺動することで一対の上側被押圧部28Uと一対の下側被押圧部28Lとが内側に向けて互いに近づく方向に変位し、これに伴って、ポスト嵌合部27の前端部も内側に向けて互いに近づく方向に変位すると共に、ポスト嵌合部27の嵌合孔29が縮径する。これにより、各ポスト嵌合部27の接続筒部27AがバッテリポストPの外周面に密着し、端子本体20がバッテリポストPに接続固定されるようになっている。
回転防止部55は、図12、図14および図15に示すように、基部51の前端縁から基部51の板厚と同じ板厚寸法で僅かに突出した後、やや幅狭な形態で前方に突出しつつ下方に屈曲された形態とされており、回転防止部55の前端面は、左右方向に幅広で平坦な当接面55Aとされている。
また、回転防止部55は、図4に示すように、端子本体20の繋ぎ板23よりもブラケット50の板厚寸法分程度前方に突出しており、バッテリ端子10において最も前方に突出した形態とされている。また、回転防止部55の基部51からの突出寸法は、図5および図6に示すように、バッテリ端子10がバッテリポストPに組み付けられた時におけるバッテリ本体Bの壁部B1と基部51との間の前後方向の距離とほぼ同じ寸法に設定されており、バッテリ端子10がバッテリポストPに組み付けられた際には、回転防止部55の当接面55Aが、バッテリ本体Bの壁部B1と前後方向に近接かつ対向して配されるようになっている。
まず、図6に示すように、端子本体20の上側対向板21および下側対向板22における各ポスト嵌合部27の嵌合孔29に、バッテリポストPを連続して嵌合させる。ここで、締結ナット65に対して締結ボルト60の軸部63を僅かに螺合させた状態では、図7に示すように、ブラケット50の一対の押圧部52が一対の上側被押圧部28Uを押圧することなく、一対の上側被押圧部28Uの上側受部32に対して上方から接触しただけの状態となっている。
また、一対の下側被押圧部28Lにおける下側受部35も上側受部32によって外側から押圧されることで内側に向けて互いに近づく方向に変位する。これにより、各ポスト嵌合部27の嵌合孔29が縮径してバッテリポストPの外周面にポスト嵌合部27の接続筒部27Aが密着し、端子本体20がバッテリポストPに接続固定される。
つまり、複数箇所においてブラケット50が後方に位置ずれすることを防ぐことができるから、ブラケット50および端子本体20が回転することをより確実に防ぐことができると共に、締結ナット65が一対の繋ぎ板23から後方に離れて回転してしまうことが防がれる。
次に、実施形態2について、図16から図18を参照して説明する。
実施形態2のブラケット150は、実施形態1におけるブラケット50における回転防止部55の形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
すなわち、本実施形態の回転防止部155の当接面155Aは、幅広で面積が大きくなっているから、ブラケット50、ひいては端子本体20の回り止めをより確実に行うことができるようになっている。
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、基部51の後端縁に位置ずれ防止部56を形成し、ポスト嵌合部27の接続筒部27Aと前後方向に当接する構成とした。しかしながら、これに限らず、一対の押圧部の後面に位置ずれ防止部を形成し、位置ずれ防止部とポスト嵌合部とを前後に当接させる構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、上側平板部30および下側平板部33との間に締結ナット65を配し、この締結ナット65に対して締結ボルト60を回転させて締め込む構成とした。しかしながら、これに限らず、上側平板部および下側平板部との間に締結ボルトの頭部を配して、頭部から上方に向かって延びる軸部に締結ナットを上方から締め込む構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、上記実施形態では、嵌合片53を前後に長い矩形状の四角柱に構成した。しかしながら、これに限らず、姿勢保持部を断面正方形状の四角柱に構成してもよい。
20:端子本体
27:ポスト嵌合部
28:被押圧部
50:ブラケット(締付部材)
51:基部
52:押圧部
53:嵌合片(位置ずれ防止部)
55:回転防止部
56:位置ずれ防止部
60:締結ボルト(締結部材)
65:締結ナット(被締結部材)
B:バッテリ本体
B1:壁部
P:バッテリポスト
S:隙間
Claims (4)
- バッテリ本体に設けられたバッテリポストに接続固定されるバッテリ端子であって、
前記バッテリポストが内部に嵌合されるポスト嵌合部を有する端子本体と、
前記ポスト嵌合部の端部に連設され、隙間を隔てて対向する一対の被押圧部と、
前記一対の被押圧部に組み付けられ、締結部材を被締結部材に回転させて締め込むことで前記隙間を小さくする方向に前記一対の被押圧部を両側から押圧し、前記ポスト嵌合部を前記バッテリポストに対して密着させる締付部材と、
前記締付部材において前記バッテリ本体の壁部に近接して配されるように前記端子本体よりも突出して設けられ、前記被締結部材に前記締結部材を締め込む際に、前記壁部に当接し、前記締付部材が回転することを防ぐ回転防止部とを備えるバッテリ端子。 - 前記締付部材は、前記締結部材および前記被締結部材によって前記一対の被押圧部と共に挟持される基部と、前記基部の両側縁設けられ前記一対の被押圧部を両側から押圧する一対の押圧部とを有しており、
前記基部には、前記端子本体に当接することで前記締付部材が前記バッテリ本体とは反対側に位置ずれすることを防ぐ位置ずれ防止部が設けられている請求項1に記載のバッテリ端子。 - 前記位置ずれ防止部は、前記基部における前記バッテリ本体側の一方の端部と、前記バッテリ本体とは反対側の他方の端部との複数箇所に設けられている請求項2に記載のバッテリ端子。
- 前記締付部材は、前記端子本体よりも剛性が高く設定されている請求項1から請求項3の何れか一項に記載のバッテリ端子。
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