JP6176425B1 - α+β型チタン合金押出形材 - Google Patents

α+β型チタン合金押出形材 Download PDF

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Abstract

質量%で、Al:5.5〜6.8%、V:3.5〜5.8%、Fe:0超〜0.30%、を含有し、残部がTiおよび合計量0.4%以下の不純物であり、旧β粒径の平均が250μm以下の針状組織からなる、α+β型チタン合金押出形材。

Description

本発明は、均質な針状組織を有し、引張特性と形状に優れたα+β型チタン合金押出形材に関する。
チタン合金は高い比強度と優れた耐食性を活かして、航空機の骨材や構造部材、ゴルフフェースクラブヘッドやメガネのフレーム等の民生品用途、インプラント等の医療用途等、様々な分野で使用されてきている。
その中でも、α+β型チタン合金は強度、延性バランスが良く、破壊靭性に優れることから、宇宙航空機産業を中心に多用されてきた。特に、高強度を必要とする用途向けには、α相中に置換型固溶して室温および高温で固溶強化させる安価な元素であるAl、およびβ安定化元素であり凝固偏析しにくいVを添加した、α+β型チタン合金が、長年使用されてきている。このAl、Vを主要含有元素としたα+β型チタン合金は、今や実用チタン合金の約8割を占める、最も使用量の多いチタン合金である。
このようなα+β型チタン合金は、最も使用量の多いTi−6Al−4Vをはじめとして、主に航空機分野を主用途として長年使用されている。最近、更なる低燃費化のために機体への炭素繊維強化複合材(CFRP)の適用比率が高まってきたことに伴い、チタン合金の使用割合も上昇しており、今後も更に上昇することが見込まれている。これは、従来、航空機分野で使用されていたアルミニウム合金では、CFRPとの接触で異種金属接触腐食が生じる、CFRPとのとの熱膨張率の差が大きく、飛行中と地上での温度差(約100℃)に起因してずれや緩み等を生じやすいという問題があるのに対して、チタン合金は、CFRPと接触しても異種金属接触腐食は起こらず、熱膨張率もアルミニウム合金に比べてCFRPに近いためである。
特に、Al、Vを主要含有元素としたα+β型チタン合金は、このような航空機向け用途の中で骨材やシートレール等の形材として使用されることもある。形材には複雑な断面形状を有するものもあり、従来は、大断面の鍛造品や極厚材を切削加工することにより製造されてきた。α+β型チタン合金について、鍛造後に切削加工を行う場合、β変態点温度以下で強加工を行うことにより、金属組織を、高い強度・延性バランスを有する等軸組織とし、必要とする引張特性、特に高い耐力を実現していた。
しかし、近年、航空機向け部品の製造コスト削減ニーズが高まる中、最終製品に近い断面形状で長尺の形材を製造することにより、歩留り、生産性の向上が期待され、熱間での押出加工による形材の製造技術が開発されてきている。
押出加工には、間接押出法、静水圧押出法等の方法があり、ユージンセジュルネ法はその一つである。この方法では、インゴットを鍛造して製造した丸ビレットを素材とする。図1のようにコンテナ1に素材(ビレット5)を挿入し、ステム2に油圧による荷重を付与してダミーブロック3を介してビレット5を押出方向11に押し、ダイス4を通過させて様々な断面形状に成形することで、長尺の形材6を得ることが可能となる。
ところで、α+β型チタン合金の金属組織は、前述のように、高い強度・延性バランスを必要とする用途向けには、β変態点温度以下(α+β温度域)で鍛造等により強加工を行い、金属組織を等軸組織に制御することで、必要とする高い引張強度を実現してきた。一方、押出成型で金属組織を等軸組織に制御する場合、α+β型チタン合金はβ変態点温度(Tβ)を200℃以上下回る温度域では熱間変形抵抗が急激に高くなるため、高い押出荷重を付加できる大型の押出プレスが必要となり、設備コストが高くなるとともに、押出不能になる場合がある。さらに押出可能であった場合でも、押出中の加工発熱により、形材断面内の一部の温度がβ変態点温度を超えた場合、形材の断面内に等軸組織と、β変態点温度以上での加工で得られる針状組織が混在し、断面内で著しい機械特性差が生じる。そのため、一般にα+β型チタン合金の押出では、低い押出荷重で製造でき、表面欠陥が生じにくいように、ビレットをβ変態点温度以上に加熱して押出し、押出後の形材の組織を針状組織に制御している。
しかしながら、ビレットをβ変態点温度以上に加熱して押出した場合、押出後の形材は針状組織を有し、その強度・延性バランスは、等軸組織に比べて劣るという問題がある。さらに、ビレットの加熱温度がβ変態点温度に比べて高い場合、押出後にβ変態点温度以上で保持される時間が長くなり、β粒が成長するため、強度・延性バランスはより低下する。
一方、ビレット加熱温度がβ変態点温度近傍、もしくはβ変態点温度より低ければ、コンテナやダイス等の押出工具との接触による抜熱により表層の温度がβ変態点温度以下まで低下し、表層に等軸組織が混入する。さらに表層は温度低下のため延性が低下し、押出中に割れや疵などの欠陥が生じる可能性がある。
このように、押出加工を行って得られる針状組織を呈する形材は、押出温度の制御が難しく、押出温度が高すぎれば引張特性が低下する、押出温度が低すぎれば表面欠陥や、押出荷重が高く押出不能になるという問題がある。これらの問題を解決すべく、以下のような先行技術が開示されている。
特許文献1には、α+β型チタン合金であるTi−6Al−4V合金をα+β温度域に加熱して押出加工し、高強度、高靭性で、かつ長手方向の寸法変動の小さく表面疵が少ない形材を製造する方法が記載されている。
特許文献2には、α+β型チタン合金をα+β温度域もしくはβ単相温度域に加熱して押出加工を施した後、α+β温度域に加熱してから強制冷却する溶体化処理を行い、次いで、時効処理を行う2段階の熱処理を施して、強度、延性ともに優れた形材を製造する方法が記載されている。
特許文献3には、微細な等軸α+β組織を呈するα+β型チタン合金ビレットをβ変態点温度以上で押出加工し、5℃/秒以上で急冷した後、焼鈍することでα+β域で押出加工を行った形材と同等の強度、延性を有する押出形材を製造する方法が記載されている。
特許文献4には、α+β型チタン合金ビレットをβ変態点温度以上に加熱した後、表面層をα+β域まで冷却してからビレットを押出加工する方法が提案されている。この方法では、押出時、ビレット内部がβ変態点温度以上に加熱されているために熱間変形抵抗が小さく、小さい押出力で押出加工が可能であり、かつ、得られる形材は表面層が等軸α+β組織を有するため高強度であるとされる。
特許文献5には、α+β型チタン合金ビレットを、押出比を含む一次式によって計算されるα+β域の温度範囲に加熱して押出加工を行うことにより、押出中に生じる加工発熱によって後続の熱処理を省略可能な製造方法が開示されている。
特許文献6には、α+β型チタン合金ビレットを、押出比を含む一次式により計算されるα+β域の温度で押出加工を行うことで組織制御を行い、疲労強度に優れた形材を製造する方法が記載されている。
特開昭61−193719号公報 特開昭61−284560号公報 特開昭63−223155号公報 特公平5−2405号公報 特許第2932918号公報 特開2012−52219号公報
上記先行技術によるα+β型チタン合金押出形材は、いずれも押出後に強制冷却を行って組織制御を行うか、針状組織以外の組織に制御して強度・延性バランスの向上を行っている。
強制冷却による組織制御を行った形材は、高い強度・延性バランスを有する。これは冷却速度の上昇に従って、針状組織中のサイドプレートα相や粒界α相の、冷却中の成長が抑制されるためである。しかしながら、長尺材や断面積が大きい形材は、強制冷却した際に全長および形材内外で冷却速度がばらつき、目的とする組織や材質特性が得られない部位が発生するという問題がある。さらに、冷却過程では、熱収縮により形材内部に応力が発生する。このため、冷却速度差が著しく、応力が大きい場合には、塑性変形により形材に反り等の形状不良が生じる、もしくは、冷却後も残留応力が残る場合もあるため好ましくない。
形材の組織を針状組織以外とする方法では、ビレットの一部および全域をα+β温度域に制御する必要がある。しかしながら、α+β型チタン合金は、加工温度がβ変態点温度以下に下がると熱間変形抵抗が高く、大きなプレス力が必要である。また、α+β温度域では加工発熱量が大きいため、押出中の加工発熱により加工温度がβ変態点温度を超える場合がある。その結果、均一な組織の形材が得られず、機械的特性が均一でないという問題がある。さらに、ビレット断面内で温度勾配を設けて加熱する方法では、わずかな断面内の温度の違いにより変形の程度がばらつくために、安定した形状が得られないという問題がある。
そこで本発明は、針状組織を有するが、反りが小さく、先行技術と同等の強度・延性バランスを有するTi−6Al−4V押出形材を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)
質量%で、Al:5.5〜6.8%、V:3.5〜4.5%、Fe:0〜0.30%、を含有し、残部がTiおよび合計量0.4%以下の不純物であり、旧β粒径の平均が250μm以下の針状組織からなる、α+β型チタン合金押出形材。
(2)
旧β粒径の平均が180μm以下である、(1)に記載のα+β型チタン合金押出形材。
(3)
針状組織のコロニー中のサイドプレートβ相に含有されるV質量%濃度に対するサイドプレートα相に含有されるV質量%濃度の比の平均が0.24以下、かつ、サイドプレートβ相に含有されるFe濃度の平均が1.1質量%以上である、(1)に記載のα+β型チタン合金押出形材。
(4)
粒界α相の幅が5μm以下である、(1)に記載のα+β型チタン合金押出形材。
本発明によれば、Al、Vを主要含有元素としたα+β型チタン合金形材において、旧β粒径の平均が250μm以下の針状組織とすることにより、0.2%耐力が830MPa以上、伸びが10%以上の押出形材とすることができる。さらに、針状組織のコロニー中のサイドプレートβ相に含有されるV濃度に対するサイドプレートα相に含有されるV濃度の比の平均を0.24以下、かつ、サイドプレートβ相に含有されるFe濃度の平均を1.13%以上とすることにより、0.2%耐力が830MPaをさらに大きく上回る押出形材とすることができる。
ユージンセルジュネ法における押出プレス機の模式図である。 (1)α+β型チタン合金押出形材の針状組織を示す顕微鏡写真である。(2)α+β型チタン合金の等軸組織を示す顕微鏡写真である。 金属組織の旧β粒径と0.2%耐力との関係を示す図である。 β粒径(旧β粒径)に及ぼす、β単相域熱処理時間の影響を示した図である。 (a)〜(d)は。いずれも本発明のα+β型チタン合金押出形材の製造方法を例示した熱履歴を示すグラフである。 実施例で製造した押出形材の断面形状の模式図である。 実施例で測定した押出形材の「反り」の説明図である。
本発明が対象とする、Al、Vを主要含有元素としたα+β型チタン合金は、β変態点温度以下では、HCP構造を持つα相と、BCC構造をもつβ相からなり、β変態点温度以上では、α相はβ相に変態してβ相のみからなる。この合金は、β変態点温度以上の温度に加熱して冷却すると針状組織が得られ、β変態点温度以下の温度で加工することで針状組織中のアスペクト比の大きいα粒が分断されていき、加工量の増加に従って図2(2)に示すような等軸組織へと変化していく。
β変態点温度以上に加熱後、冷却した場合に得られる組織形態である針状組織の形態を図2(1)に示す。β変態点温度以上の温度で1つの粒であった旧β粒の境界に粒界α相が生成している。即ち、β変態点温度以上で存在していたβ粒(旧β粒)の粒界には、冷却中に粒界α相が形成される。β変態点温度以上で存在していたβ粒(旧β粒)の粒界である粒界α相で囲まれた領域を本発明では「旧β粒」と呼ぶ。旧β粒内には複数のコロニーと呼ばれるα相とβ相が層状に並んだ組織が形成されている。以降、コロニー中のα相はサイドプレートα相、β相はサイドプレートβ相と呼ぶ。
また、金属は一般的に冷却時に熱収縮して体積が減少する。部位によって冷却速度に差がある場合、冷却中のある時間では熱収縮量が異なるため、形材内部に応力が発生する。空冷や炉冷など、形材の冷却速度が遅い場合には、このような応力は形材に弾性変形を与えるのみに留まる。しかしながら、従来技術では、押出直後の強制冷却、もしくは押出後の熱処理における溶体化処理(高温域から強制冷却)により、組織や組成を制御することで、高い強度・延性バランスを得る。これら強制冷却では、冷却速度の差が大きいために著しい応力が生じ、形材に反り等の塑性変変形を与える。また、冷却時には形状不良が生じなくても、形材内部に残留応力を生じ、形材の加工、切削時等に反り等の形状不良を与える。
そこで本発明者らは、α+β型チタン合金について、加熱条件を種々変更して熱間押出を行い、形材の引張特性と針状組織の関係について行った結果、強制冷却を用いなくとも、旧β粒径の平均を250μm以下の針状組織とすることにより、0.2%耐力が830MPa以上、伸びが10%以上である、従来技術と同等の強度・延性バランスを有する押出形材とすることができることを見出した。さらに、針状組織のコロニー中のサイドプレートβ相に含有されるV濃度に対するサイドプレートα相に含有されるV濃度の比の平均を0.24以下、かつ、サイドプレートβ相に含有されるFe濃度の平均を1.1%以上とすることにより、0.2%耐力が830MPaをさらに大きく上回るα+β型チタン合金押出形材とすることができることを見出した。
本発明において、成分組成を決定した意義について述べる。
本発明は、Al、Vを主要含有元素としたチタン合金、すなわち、Ti−6Al−4Vを対象とする。Ti−6Al−4Vの成分(質量%)については、JIS H4650、ASTM B348等でAl:5.50〜6.75%、V:3.50〜4.50%、Fe:0.30%以下、C:0.08%以下、N:0.05%以下、O:0.20%以下、H:0.015%以下を含有し、その他の元素が0.10%以下でかつその他の元素の合計が0.40%以下であることが規定されている。本発明のAl、Vを主要含有元素としたチタン合金も、これら公的規格の範囲内の成分を有するものとする。以下、各成分の限定理由について説明する。
Al:5.5〜6.8質量%
Alはα安定化元素であり、α相の分率を増加するために添加する元素である。その含有量が5.5質量%未満であればβ相に比べて強度の高いα相の分率が過少になり、十分な強度が得られず、優れた0.2%耐力が得られない。一方、その含有量が6.8質量%を超えて過多になると、延性が劣化するとともに、Ti3Alが析出することで靭性も劣化し、加工性が低下する。従って、Alの含有量は、その下限を5.5質量%とし、その上限を6.8質量%とする。
V:3.5〜4.5質量%
Vはβ安定化元素であり、β相の分率を増加するために添加する元素である。すなわち、Vはβ変態点温度を低下させる作用があり、チタン合金の加工温度を下げることが出来る。さらに、Vは強度を向上させる作用があり、その含有量が3.5質量%未満であればβ相の分率が過少になるとともに、0.2%耐力の低下を招く。一方、その含有量が4.5質量%を越えて過多になると伸びが劣化し、加工性の低下を招くことになる。従って、Vの含有量は、その下限を3.5質量%とし、その上限を4.5質量%とする。
Fe:0超〜0.30質量%
Feはβ安定化元素であり、添加することでβ変態点温度を低下させる作用がある。また、0.2%耐力を向上させる作用を持つため、0超質量%のFeを添加することが好ましい。しかしながら、Feの含有量が増加すると、延性が低下し、加工性が低下する。従って、上限を0.30質量%とする。
H:0.015質量%以下
H含有量が0.015質量%を越えて過多になると、伸びが低下すると共に、脆い水素化物が形成されてチタン合金は脆化する。そのため、Hの含有量の上限は0.015質量%とする。
O:0.20質量%以下、C:0.08質量%以下、N:0.05質量%以下、Fe:0.30質量%以下
O、C、Nはα安定化元素であり、添加することでα相の分率を増加するとともに、0.2%耐力を向上させる作用を持つ。しかしながら、それぞれの元素の含有量が増加すると、延性が低下し、加工性が低下する。従って、O:0.20質量%以下、C:0.08質量%以下、N:0.05質量%以下とする。
残部:Tiおよび合計量0.40質量%以下の不純物
残部は、Tiおよび不純物である。不純物の元素として、チタンの精錬工程で混入するCl、Na、Mg、およびスクラップから混入するZr、Sn、Cu、Mo、Ni、Nb、Ta、Mn、Crなどの不純物が例示される。いずれの不純物も、含有量が増加するとTiと化合物を生成して靭性が低下し、その結果加工性が低下する。また、不純物の総含有量が過多になると、延性が低下するために加工性が劣化する。従って、本発明の効果を阻害しないよう、その他の元素の合計は0.40質量%以下に制御する必要がある。
次に、本発明において、旧β粒径を限定した意義について述べる。
針状組織では、一部の転位はα/β相境界を容易に伝播するため、一部の転位の堆積距離はコロニーサイズの半分で与えられる。また、コロニーサイズは旧β粒径の減少に伴って減少する。そのため、旧β粒径の減少に伴い、コロニー境界での転位の堆積による応力場が減少し、組織微細化強化により0.2%耐力が上昇する傾向にある(図3)。逆に言えば、旧β粒径が大きくなると、転位の堆積距離が増加してコロニー境界で生じる応力集中が増加するために、0.2%耐力が低下する。さらに、旧β粒径が小さくなると、コロニーサイズが小さくなり、旧β粒界およびコロニー境界に堆積する転位数が減少するために、旧β粒界およびコロニー境界における応力集中が緩和されて伸びが上昇する。そこで、本発明において、0.2%耐力が830MPa以上、伸びが10%となる旧β粒径の平均である250μmを上限とした。一方、下限については必ずしも限定されるものではないが、50μm以上が好ましい。それ以上細かくするには押出温度を下げるか、押出の際に強加工を行う必要があり、変形抵抗が大きくなることから、装置の負担が大きいので、上記の下限が好ましい。
また、コロニー中のサイドプレートβ相に含有されるV濃度に対するサイドプレートα相に含有されるV濃度の比(相間V濃度比)、コロニー中のサイドプレートβ相に含有されるFe濃度を限定した意義について述べる。
β相はα相に比べて強度が低いため、加工初期の変形はβ相が担う。そのため、加工初期の降伏までの強度はβ相の強度によって支配される。すなわち、0.2%耐力は、β相の強度が支配している。この時、β相とα相の強度差が大きいと、β相に加工中に導入される転位がさらに集中するため、0.2%耐力が低下する。VおよびFeは、β相中に固溶されることでβ相の強度を向上させる(固溶強化)ので、β相中のV、Feが増加すると、β相とα相の強度差が緩和され、0.2%耐力が上昇する。そこで、0.2%耐力が高強度とされる830MPaをさらに超える強度となる、相間V濃度比である0.24を好ましい上限、Fe濃度である1.1%を好ましい下限とした。
針状組織では、粒界α相の幅が増加するに従い、延性が低下する。粒界α相は、加工中に転位の堆積しやすい旧β粒界に生成する。そのため、加工中のボイドも粒界α相界面に発生しやすいが、粒界α相の幅が増加すると、ボイドが粒界αに沿って進展しやすくなる。そこで、本発明において、放冷で得られる最大の粒界α幅であり、伸びが10%を下回らない5μmを粒界αの幅の上限とした。一方、下限については必ずしも限定されるものではないが、0.5μm以上が好ましい。それ以上小さくするには、水冷やファン空冷などの強制冷却を行う必要があり、形材内部の温度差を大きくするために、内部応力に起因した形状不良や、空冷後の残留応力の発生の原因となるため、上記の下限が好ましい。
次に、本発明のα+β型チタン合金押出形材の製造方法について説明する。
本発明では、β単相温度域に加熱後、熱応力に起因した変形や残留応力の発生を避けるために空冷を行うため、冷却中にサイドプレートα相や粒界α相の幅が成長し、従来発明に比べて、0.2%耐力、および延性が低下する。そこで、本発明では、β変態点温度以上に加熱する場合、加熱温度や保持時間を制限することにより、β粒の成長を抑制する手段を検討し、0.2%耐力および延性を上昇することを試みた。
β単相域に加熱(β単相域熱処理)した際の、β粒径に及ぼす加熱時間の影響を図4に示す。β単相域熱処理時間が長くなるに従い、β粒径(旧β粒径)は増加する。これは、β変態点温度以上の保持温度が長いと、β粒の界面エネルギーを低下させるため、β粒同士が合体を始めるためである。
また、β単相域熱処理した場合のβ粒径は、加熱温度の上昇に従い増加する。これは、加熱温度が上昇するに従い、金属中の元素の拡散距離が増加するために、β粒の界面の移動速度が増加するためである。
そこで、発明者らは、図5に示した製造方法について、製造時の温度条件と旧β粒径の関係を調査し、β粒径(旧β粒径)の平均が250μm以下となる条件を見出した。なお、これらはあくまでも例示であり、本発明のα+β型チタン合金押出形材はこれらの製造方法で得られるものには限定されない。
図5において、(a)は、β変態点温度(Tβ)以上の温度域で熱間押出を行って針状組織を得る製造方法、(b)は、β変態点温度(Tβ)以上の温度域で熱間押出を行って針状組織を得た後、さらに、VとFeを原子拡散させる拡散焼鈍行う製造方法、(c)は、β変態点温度(Tβ)未満の温度域で熱間押出を行った後、針状組織を得るためにβ単相域熱処理を行う製造方法、(d)は、β変態点温度(Tβ)未満の温度域で熱間押出を行った後、針状組織を得るためにβ単相域熱処理を行い、さらに、VとFeを原子拡散させる拡散焼鈍行う製造方法である。
図5(a)に示す製造方法では、チタン合金ビレットをβ変態点温度以上まで加熱して熱間押出を行う際、ビレットの表面も中心も含めてβ変態点温度以下以上の所定の温度に均熱化していることが必要である。チタンは熱伝導率が低いので、チタン合金ビレットを所定温度に均熱化するためには、加熱時の昇温速度を低速とし、あるいは加熱炉の在炉時間を長くして、ビレット中心まで含めて目標温度に到達させている。このようにしてビレットの中心まで目標温度に到達させようとすると、ビレット表面については、中心よりも早くβ変態点温度以上となるので、β変態点温度以上に到達してからの滞在時間が長くなる。その結果、ビレット表面についてはβ粒の成長が促進され、押出前のβ粒径が増大する。押出前のβ粒が粗大化すると、押出後のβ粒の再結晶核生成サイトが少ないために押出後のβ粒も粗大化し、旧β粒径の平均が250μmを超えることとなり、図3に示すように0.2%耐力が低下する。
そこで、ビレットをβ変態点温度以下の所定の温度にて均熱化する予加熱を行い、その後に急速加熱を行ってビレット全体をβ変態点温度以上の所定温度とし、β変態点温度以上の温度保持時間を短縮して熱間押出を行う方法を着想した。予加熱においては、β変態点温度以下の温度でビレットを均熱化するので、β粒の粗大化は発生しない。予加熱を行っているので、その後に急速加熱を行うことが可能となり、ビレット中心がβ変態点温度以上の所定温度に到達したとき、ビレット表面のβ変態点温度以上の保持時間を短い時間とすることが可能となる。その結果、ビレットの表面を含め、押出前のβ粒粗大化を防止し、押出後のβ粒粗大化をも防止することができ、旧β粒径の平均を250μm以下とすることを可能とした。
予加熱においては、ビレット表面および中心の温度を(Tβ−500)〜(Tβ−80)℃に、表面と中心の温度差が50℃以下になるように予加熱を行う。
予加熱後のビレット温度が低すぎると、その後に急速加熱を行う際、ビレット中心まで所定のβ変態点温度以上とするためには、急速加熱後の保持時間を増加する必要が生じ、その結果としてビレット表面のβ変態点温度以上での保持時間が増加してβ粒が粗大化することとなる。本発明においては、予加熱温度下限を(Tβ−500)℃とすることにより、急速加熱後の保持時間を短縮し、押出後の旧β粒径の平均を250μm以下とすることが可能となった。
チタンは大気中で加熱すると酸化しやすく、ある温度以上に加熱するとαケースと呼ばれる硬化層を表面に形成し、その厚さは加熱温度が高くなるほど厚くなる。αケースは硬く、延性に乏しいため押出中のクラックの起点となり、押出製品に割れを生じる。また表面硬化層の研磨作用によりダイスが著しく摩耗するため、押出材長手方向で断面寸法の変動が大きくなる。そこで、αケースの形成が著しくない(Tβ−80)℃をビレットの予加熱温度の上限とした。
チタンは熱伝導性が悪く、予加熱後に十分にビレットが均熱化されない状態でビレット表面から急速加熱を行ったのでは、ビレット全体が均等に加熱されない。そこで、急速加熱時にビレットの一部がβ変態点温度に達してからビレット全体がβ変態点温度に達するまでの時間が短く、押出後の旧β粒径が、旧β粒径の断面内の平均の上限である250μmを超えないよう、予加熱時のビレット表面と中心の温度差の上限を50℃とした。実際の操業では、温度差は20℃以下が好ましい。
ビレットを予加熱した後、通電加熱もしくは誘導加熱により1.0℃/s以上の昇温速度でTβ〜(Tβ+200)℃に加熱し、その後、押出加工を行う。
急速加熱後のビレット温度が高いほど旧β粒径は増加する。これは、押出中に加工を受けたβ粒が、押出後にβ変態点温度以上に保持されている間に再結晶するが、押出前ビレット温度が上昇するに伴い、押出後にβ変態点温度以上に保持される時間が増加し、再結晶後の粒成長時間が長くなるためである。急速加熱後のビレット温度がβ変態点温度+200℃を超えると、形材の旧β粒径の平均が250μm超となり、0.2%耐力が830MPaを下回ることを見出した。また、チタンは大気中で加熱すると酸化しやすく、ある温度以上に加熱するとαケースと呼ばれる硬化層を表面に形成し、その厚さは加熱温度が高くなるほど厚くなる。αケースは硬く、延性に乏しいため押出中のクラックの起点となり、押出製品に割れを生じる。また表面硬化層の研磨作用によりダイスが著しく摩耗するため、押出材長手方向で断面寸法の変動が大きくなる。そこで、旧β粒径の平均が250μm以下となり、かつ、αケースの形成が著しくない(Tβ+200)℃をビレット急速加熱温度の上限とした。一方、急速加熱後の温度がβ変態点温度(Tβ)近傍では、形材表層部は、押出の際にダイスと接触した際の抜熱により加工温度がTβ以下まで低下するため、等軸組織を有する。押出の進行に伴い、ダイス温度は上昇するため、形材表層も加工温度が上昇し、定常部では針状組織を有するが、安定して針状組織を有する形材を製造するためには、急速加熱後の温度は(Tβ+50)℃以上が好ましい。
押出前のビレット急速加熱時の昇温速度が遅いと、ビレット表面は、β変態点温度以上の温度に保持される時間が長くなり、押出前の旧β粒径が粗大化し、押出後の旧β粒径が増加する。そこで、押出前のビレット表面のβ粒の成長を抑制し、押出後の旧β粒径の平均が250μm以下となる1.0℃/sを、昇温速度の下限とした。
チタンは熱伝導性が悪いので、通電加熱や誘導加熱による急速加熱を行った際、ビレット全体が均等に加熱されるためには急速加熱後に所定の保持時間を設けると好ましい。ビレット全体がβ変態点温度以上の温度に加熱されるためには、急速加熱後に20秒以上保持するのが望ましい。一方、急速加熱後の保持時間が長すぎると、保持時間中にβ粒が粗大化し、押出後のβ粒も粗大化することとなって好ましくない。図4に示すように、本発明では急速加熱後の保持時間を150秒以下とすることにより、形材の旧β粒径の平均を250μm以下とすることができる。
押出加工を行った後、5℃/秒未満の冷却速度で室温まで放冷する。ここでいう冷却速度は、500℃までの冷却速度を指す。押出後に5℃/秒以上の強制冷却を行うと、冷却速度が不均一となり、形材内部の温度差に起因した応力が形材内部に生じ、反りや曲り等の塑性変形が生じる。また、塑性変形が生じなくても、室温まで冷却した後に形材内部に残留応力が生じ、形材の加工、切削時等に反り等の形状不良を与える。そのため、押出加工後は、5℃/秒未満の冷却速度で放冷する。また、冷却速度が遅いと冷却中に粒界α相が成長して延性が低下する。そのため、押出加工後の冷却速度は、0.5℃/秒以上で放冷する。実際の操業では、放冷(約1℃/秒)が好ましい。
また、図5(b)に示す製造方法のように、放冷後、(Tβ−500)〜(Tβ−200)℃でVとFeを原子拡散させる拡散焼鈍を行っても良い。
押出後に放冷を行うと、形材の温度は、固溶元素が拡散しない温度域まで低下するため、固溶元素の拡散はほとんど行われない。そのため、α、β相の組成は、β変態点温度近傍の800〜900℃における平衡状態での組成に近い状態となる。その結果、押出後に室温まで放冷した形材では、β相に含有されるV、Feの濃度が低く、形材の強度を支配するβ相の固溶強化は十分には起こっていない。
そこで本発明では、放冷後の形材について、原子が拡散して平衡状態に達するのに十分な時間の焼鈍を行うことにより、β安定化元素であるVとFeの原子拡散を促し、β相に含有されるV、Feの濃度を増加させることで固溶強化が十分に起こって、形材をさらに高強度化することが可能となる。このとき、焼鈍温度として、VおよびFeの拡散に必要な時間が十分に確保できるため、添加元素のα、β相への分配が進み、コロニー中のサイドプレートα相とサイドプレートβ相に含有されるV濃度の比の平均が0.24以下、かつ、サイドプレートβ相に含有されるFe濃度の平均が1.13%以上となり、十分高強度な0.2%耐力が得られるよう、焼鈍温度の下限を(Tβ−500)℃とした。(Tβ−500)℃未満の温度で焼鈍を施した場合、V拡散速度が遅く、コロニー中のサイドプレートα相とサイドプレートβ相に含有されるV濃度の比は焼鈍前後でほとんど変わらないと推測される。
一方、焼鈍温度の上昇に伴いβ相分率が増加するため、焼鈍中にβ相中に含有されるV、Feの濃度が減少するとともに、その後の放冷では、冷却中の時間が短いために元素拡散はほとんど行われないため、β相中に固溶されるV、Feの濃度は焼鈍前後でほとんど変わらない。そこで、β相分率が高くなく、焼鈍によりβ相中に固溶されるV、Fe濃度が増加する(Tβ−200)℃を焼鈍温度の上限とした。
次に、図5(c)に示す製造方法では、チタン合金ビレットを(Tβ−200)℃〜β変態点温度(Tβ)に加熱して熱間押出を行い、その後、形材の組織を針状組織に統一するために、β単相域熱処理を行う。押出加工は、高能率で複雑な断面形状に成形を行えるという特徴を有する。しかしながら、β変態点温度近傍における押出では、高速度で強加工が行われる領域では加工発熱が大きいため、加工温度は容易にβ変態点温度を上回り、針状組織が得られる。そこで、押出加工では形材の形状の造り込みを行い、引き続き行うβ単相域熱処理で組織、および機械的特性を制御する。
押出時の温度が低すぎると、α+β型チタン合金の熱間変形抵抗は急激に高くなるため、高い押出荷重を付加できる大型の押出プレスが必要となり、設備コストが高くなる。さらに、α+β型チタン合金は温度低下、特に(Tβ−200)℃以下での熱押加工では、熱間延性が急激に低下するため割れ等の表面欠陥が発生しやすく、歩留りを低下させる原因となる。この時、特に温度が低下しやすい薄いフランジ部等が真先に(Tβ−200)℃以下に温度低下しやすく、割れや傷が発生しやすくなる。そこで、熱間変形抵抗がそれほど大きくなく、局部的な温度低下があっても押出中に割れや傷が発生しない(Tβ−200)℃をビレット加熱温度の下限とした。
押出温度がβ変態点温度以上であれば、押出後に得られる組織は針状組織であるため、β単相域熱処理による組織制御は必要ない。そこで、β変態点温度(Tβ+100)℃を、この製造方法における押出温度の上限とした。
押出加工を行った後、5℃/秒未満の冷却速度で室温まで放冷する。押出後に5℃/秒以上の強制冷却を行うと、冷却速度の差に起因した応力が形材内部に生じ、反りや曲り等の塑性変形が生じる。また、塑性変形が生じなくても、室温まで冷却した後に形材内部に残留応力が生じ、形材の加工、切削時等に反り等の形状不良を与える。そのため、押出加工後は、5℃/秒未満の冷却速度で放冷する。また、冷却速度が遅いと冷却中に粒界α相が成長して延性が低下する。そのため、押出加工後の冷却速度は、0.5℃/秒以上で放冷する。実際の操業では、放冷(約1℃/秒)が好ましい。
この図5(c)に示す製造方法では、形材の多くの部分は、β変態点温度(Tβ)未満の温度域で押出加工が行われるため、押出加工後の組織は、等軸組織となる。しかしながら、加工量が大きく、工具との接触による抜熱が小さい形材内部などの領域は、加工温度がβ変態点温度を超えるために、押出加工後の組織は針状組織となる。このように、形材内部で等軸組織と針状組織が混在すると、形材内部で組織に起因した機械的特性差を生じ、機械的特性の劣る部位である針状組織部に応力集中が生じ、き裂の発生や、脆性破壊が生じる可能性がある。
そこで、形材の組織を針状組織に統一するために、押出後にβ変態点温度Tβを下限温度とするβ単相域熱処理を行う。β変態点温度Tβ以上に加熱することで全体がβ相に変態し、冷却後に針状組織が得られる。
但し、β単相域熱処理温度が上昇するに伴い、原子の拡散速度が上昇してβ粒の成長速度が上昇するとともに、β変態点温度以下まで冷却するのに必要な時間が増加し、β粒の成長が促進される。その結果、β単相域熱処理が高すぎると、β粒径(旧β粒径)が250μmを超えて成長し、転位の堆積距離が増加してコロニー境界で生じる応力集中が増加するために、0.2%耐力が大きく低下する。そこで、β単相域熱処理の上限温度は、β粒の成長速度が著しくなく、β変態点温度以下までの冷却時間が短い(Tβ+200)℃とした。
また、針状組織部のβ粒径(旧β粒径)を粗大に変化させることを防止するには、β単相域熱処理の加熱時間も重要である。β単相域熱処理を行った際に、加熱時間がβ粒径に及ぼす影響を図5に示す。β単相域熱処理時間が長くなるに従い、β粒径(旧β粒径)は増加する。これは、β変態点温度以上の保持温度が長いと、β粒の界面エネルギーを低下させるため、β粒が合体を始めるためである。また、チタンは大気中で加熱すると酸化しやすく、ある温度以上に加熱するとαケースと呼ばれる硬化層を表面に形成し、その厚さは加熱温度が高くなるほど厚くなる。αケースは硬く、延性に乏しいためクラックの起点となり、製品に割れを生じる。そこで、β粒径(旧β粒径)の平均が250μm以下となり、かつαケースの形成が著しくない、Tβ℃以上で形材を200秒以下保持(β単相域熱処理温度)することで、針状組織部の旧β粒径を粗大に変化させることなく、等軸組織部をすべて針状組織にできる。一方、β単相域熱処理時間の下限は、形材の肉厚にも依存するが、形材の中央部までの伝熱時間を考慮すると、全体がβ変態点温度以上まで加熱される10秒程度が好ましい。
また、このようにβ単相域熱処理を行う場合も、予加熱においてビレットの表面も中心も含めてβ変態点温度以下の所定の温度に均一化していることが必要である。そこで、先と同様に、β単相域熱処理を行う場合も、ビレットをβ変態点温度以下の所定の温度にて均熱化する予加熱を行い、その後に急速加熱を行ってビレット全体をβ変態点温度以下の所定温度とし、β変態点温度以上の温度保持時間を短縮してβ単相域熱処理を行う。これにより、旧β粒径の平均を250μm以下とすることが可能となる。
そして、β単相域熱処理を行った後、5℃/秒未満の冷却速度で室温まで放冷する。これにより、反りや曲り等の塑性変形が防止され、形材内部に残留応力が生じなくなる。
また、図5(d)に示す製造方法のように、放冷後、(Tβ−500)〜(Tβ−200)℃で、VとFeを原子拡散させる拡散焼鈍を行っても良い。これにより、VおよびFeがβ相中に固溶されることでβ相の強度を向上させる(固溶強化)。その結果、0.2%耐力が高強度とされる830MPaをさらに超える強度となる。
なお、上述したように、本発明のα+β型チタン合金押出形材はこれらの製造方法のみで得られるものではない。例えば、図5(c)、(d)に示す製造方法において、押出加工をβ変態点温度以上で行っても良い。また、拡散焼鈍は、押出加工後の冷却中やβ単相域熱処理後の冷却中に連続して行っても良い。
真空アーク2回溶解して得られるφ700mm、重さ5トンで表1に示す合金No.1〜3の成分組成のTi−6Al−4Vインゴットを、α+β温度領域で面積減少率60%まで熱間鍛造し、得られたビレットの表面酸化層を切削して、押出用ビレットとした。そして、このビレットを用いて図6に示す凸型断面形状の押出形材を製造した。
(実施例1)
先ず、図5(a)、(b)で説明した製造条件についての実施例1を行った。表2に実施例1で行ったそれぞれの製造条件を示す。実施例1(表2)の本発明例(試験番号4〜15)では、上記ビレットを、Arガス雰囲気で600℃(表面と中心の温度差が5℃)に予加熱した後、誘導加熱によりTβ〜(Tβ+200)℃に加熱して押出加工を行った後、1.7℃/秒の冷却速度で放冷した。また、本発明例(試験番号8〜10、13〜15)では、さらに熱押形材を拡散焼鈍した(図5(b)の製造条件)。
一方、実施例1(表2)の比較例(試験番号1〜3)では、上記ビレットを、予加熱、誘導加熱といった段階的な加熱をせずにTβ〜(Tβ+200)℃に加熱して押出加工を行った後、放冷し、さらに拡散焼鈍した。実施例1(表2)の比較例(試験番号16〜21)では、上記ビレットを600℃に予加熱した後、誘導加熱により1230℃((Tβ+200)超)に加熱して押出加工を行った後、放冷した。また、比較例(試験番号19〜21)では、さらに熱押形材を拡散焼鈍した。実施例1(表2)の比較例(試験番号22〜27)では、上記ビレットを600℃に予加熱した後、誘導加熱により980℃(Tβ未満)に加熱して押出加工を行った後、放冷した。また、比較例(試験番号25〜27)では、さらに熱押形材を拡散焼鈍した。実施例1(表2)の比較例(試験番号28〜30)では、上記ビレットを、予加熱、誘導加熱といった段階的な加熱をせずにTβ〜(Tβ+200)℃に加熱して押出加工を行った後、300℃/秒の冷却速度で強制冷却し、さらに拡散焼鈍した。
<引張試験>
この熱押形材の図6に示す位置からASTM E8 ハーフサイズ引張試験片(平行部φ6.35mm、ゲージ長25mm)を得た。
<組織観察試験>
引張試験片の採取位置と同一の位置から組織観察試験片を採取し、L断面について、光学顕微鏡観察写真を用いて組織観察を行った。旧β粒径は、切断法で円相当直径を測定し、3mm×6mm(粒数最小約200個)の平均を求めた。
<組織分布>
等軸組織部と針状組織部はマクロ組織観察により判断できる。マクロ組織は二つの領域に分けられ、金属光沢の強い領域と、白く見える光沢の低い領域である。いずれの領域も、マクロエッチングにより生じた表面の凹凸で光が反射して金属光沢が生じる。しかしながら、細粒の等軸α粒を含む領域では、針状組織の領域に比べて表面に生じる凹凸が細かく、光が乱反射する。そのため、等軸組織の領域は、針状組織の領域に比べて白く見える。組織分布は、全体長さ4000mmの形材を200mmごとに分割した断面(最先端部の端面を含む)を調査した。
<反り>
反りは、図7に示すように、形材長手方向の両端を結ぶ直線に対して、形材中央部における距離を反りと定義した。なお、実際の測定は、形材両端のA点(図6)に紐を取り付けて実施した。
表2中の下線が付されたものは本発明の範囲外であり、また、表2において、パターンは図5の(a)〜(d)のいずれかを示し、冷却速度は図6に示すAの位置で測定し、V濃度比とは、針状組織のコロニー中のβ相に含有されるV濃度に対するサイドプレートα相に含有されるV濃度の比の平均である。なお、0.2%耐力は830MPa以上、伸びは10%以上を好ましい範囲とした。
実施例1において、比較例の試験番号1〜3は急速加熱を行わずにビレットの加熱を行ったため、押出前にβ粒が粗大化し、押出後の再結晶核生成サイトが少なかったために、押出後の旧β粒径の平均も250μmを越えた。このため、0.2%耐力が830MPaを下回った。
比較例の試験番号16〜21は、誘導加熱後のビレット温度が1200℃を超えたため、いずれも押出前のビレット段階でβ粒が成長した。その結果、押出後の再結晶核生成サイトが減少し、旧β粒径の平均が250μmを超え、0.2%耐力が830MPaを下回った。
比較例の試験番号22〜27は、誘導加熱後のビレット温度がβ変態点温度(1000℃)以下であった。そのため、押出先端部は、ダイスとの接触による抜熱により等軸組織を有した。押出後端については、形材断面の中央部は加工発熱により一部針状組織が認められたが、断面内の多くの部分は等軸組織を有した。このように、得られた形材において針状組織部はごくわずかの領域に限られ、引張試験片採取部には等軸組織が含まれていた。その結果、針状組織に比べて高い引張特性を示した。しかしながら、断面内に針状組織、等軸組織が混在しているため、実際の使用においては、金属組織に起因した機械特性のばらつきが生じる。
比較例の試験番号28〜30は、従来の方法で製造した形材である。すなわち、ビレットをガス加熱炉でβ変態点温度以上まで加熱後、押出し、水冷による強制冷却を行った後、焼鈍を施した。本発明の試験番号4〜15に比べて、旧β粒径が大きいものの、粒界α相の幅が小さいため、本発明と同等の引張特性を有する。ただし、後述するように、本発明に比べて冷却速度が速いため形材の反りが大きく、実際の使用にあたっては矯正などの後処理が必要である。
これに対し、本発明例の試験番号4〜15では、おおむね全長で旧β粒径は250μm以下の針状組織が得られた。これは、ビレットの誘導加熱温度が、Tβ〜(Tβ+200)℃の範囲内であったため、押出後にβ変態点温度以上に保持されている時間が短く、β粒が粗大化しなかったためである。また、試験番号4〜10は、旧β粒径が180μm以下であるため、0.2%耐力は830MPaを大きく上回った。さらに、本発明の試験番号7〜9、および13〜15は、相間V濃度比は0.24以下、β相中のFe濃度は1.13%以上であった。これは、(Tβ−500)〜(Tβ−200)℃の温度範囲で焼鈍を行った結果、焼鈍中にV、Fe元素の拡散が促されたためである。その結果、0.2%耐力は830MPaを大きく上回った。ただし、本発明の試験番号4〜9では、非定常部である押出先端部の表層部に等軸組織が認められた。これは、押出開始時はダイスの温度が低く、押出時にビレットがダイスと接触したことによる抜熱でビレットの先端部では加工温度がβ変態点温度を下回ったためである。一方、形材後方では、押出加工に伴う加工発熱によりビレットの加工温度がβ変態点温度以上まで上昇し、針状組織が得られた。
(実施例2)
次に、図5(c)、(d)で説明した製造条件についての実施例2を行った。表3に実施例2で行ったそれぞれの製造条件を示す。実施例2(表3)の本発明例(試験番号7〜15)では、上記ビレットを900℃((Tβ−200)℃〜β変態点温度(Tβ))に加熱して押出加工を行った後、1030℃に加熱して10秒もしくは120秒のβ単相域熱処理を行った後、1.7℃/秒の冷却速度で放冷した。また、本発明例(試験番号13〜15)では、さらに熱押形材を拡散焼鈍した(図5(d)の製造条件)。
一方、実施例2(表3)の比較例(試験番号1〜3)では、上記ビレットを、900℃((Tβ−200)℃〜β変態点温度(Tβ))に加熱して押出加工を行った後、β単相域熱処理を行わずに放冷した。実施例2(表3)の比較例(試験番号4〜6)では、上記ビレットを、900℃((Tβ−200)℃〜β変態点温度(Tβ))に加熱して押出加工を行った後、950℃(Tβ未満)に加熱して熱処理を行った後、放冷した。実施例2(表3)の比較例(試験番号16〜21)では、上記ビレットを900℃((Tβ−200)℃〜β変態点温度(Tβ))に加熱して押出加工を行った後、1030℃に加熱して250秒のβ単相域熱処理を行った後、放冷した。また、比較例(試験番号19〜21)では、さらに熱押形材を拡散焼鈍した。実施例2(表3)の比較例(試験番号22〜24)では、上記ビレットを1050℃(Tβ超)に加熱して押出加工を行った後、1030℃に加熱して10秒のβ単相域熱処理を行った後、放冷した。実施例2(表3)の比較例(試験番号25〜27)では、上記ビレットを900℃((Tβ−200)℃〜β変態点温度(Tβ))に加熱して押出加工を行った後、1030℃に加熱して250秒のβ単相域熱処理を行った後、300℃/秒の冷却速度で強制冷却し、さらに拡散焼鈍した。
実施例2において、比較例の試験番号1〜3は、押出後のβ単相域熱処理を実施していないため、試験番号4〜6は、β単相域熱処理における温度がTβ以上でなかったため、形材断面の表層は等軸組織を有し、形材断面の中央部に針状組織の領域が認められた。これは、表層部はコンテナやダイスとの接触による抜熱により、加工発熱があっても加工温度がβ変態点温度(1000℃)以下であったのに対して、中央部はこのような抜熱がなく、加工温度がβ変態点温度以上まで上昇したためである。ただし、針状組織部はごくわずかの領域に限られ、引張試験片採取部には等軸組織が含まれていた。その結果、針状組織に比べて高い引張特性を示した。しかしながら、断面内に針状組織、等軸組織が混在しているため、実際の使用においては、金属組織に起因した機械特性のばらつきが生じる。
比較例の試験番号16〜21は、β単相域熱処理時間が長かったため、試験番号22〜24は誘導加熱温度がTβ以上であるにも関わらずβ単相域熱処理を行ったため、旧β粒径が250μmを超え、0.2%耐力が830MPaを下回った。
比較の試験番号25〜27は、β変態点温度以下で押出した形材を、ガス加熱炉でβ変態点温度以上まで加熱して水冷による強制冷却後、焼鈍を施して製造した。本発明の試験番号7〜15に比べて、旧β粒径が大きいものの、粒界α相の幅が小さいため、本発明と同等の引張特性を有する。ただし、後述するように、本発明に比べてβ単相域熱処理後の冷却速度が速いため形材の反りが大きく、実際の使用にあたっては矯正などの後処理が必要である。
これに対し、本発明の試験番号7〜15では、おおむね全長で旧β粒径250μm以下の針状組織が得られ、0.2%耐力は830MPaを上回った。また、試験番号10〜15は、旧β粒径が180μm以下であるため、試験番号13〜15は、相間V濃度比は0.24以下、β相中のFe濃度は1.13%以上であるため、0.2%耐力は830MPaを大きく上回った。
(実施例3)
次に、押出加工を行った後の冷却速度についての考察を行った。製造条件と形材の品質を表4に示す。冷却速度は、形材の上面中央A,および形材の下面中央Bの位置における最高到達温度から500℃までの冷却速度を示す。
実施例3(表4)の本発明例(試験番号1〜6)では、上記ビレットを600℃に予加熱した後、誘導加熱により1030℃に加熱して押出加工を行った後、5.0℃/秒未満の冷却速度で放冷し、さらに熱押形材を拡散焼鈍した。
一方、実施例3(表4)の比較例(試験番号7〜9)では、上記ビレットを600℃に予加熱した後、誘導加熱により1050℃に加熱して押出加工を行った後、5.0℃/秒を超える冷却速度で強制冷却し、さらに熱押形材を拡散焼鈍した。実施例3(表4)の比較例(試験番号10〜12)では、上記ビレットを600℃に予加熱した後、誘導加熱により1050℃に加熱して押出加工を行った後、0.5℃/秒未満の冷却速度で冷却し、さらに熱押形材を拡散焼鈍した。
試験番号7〜9は、高い0.2%耐力を示したが、50mm以上の反りが発生した。これは、強制冷却により、粒界α相の成長が抑制されたものの、冷却中に発生する内部応力が大きいために、塑性変形が生じたためである。
試験番号10〜12は、押出後の冷却速度が遅く、粒界α相の幅が10μmを超えたため、0.2%耐力は830MPaを下回るとともに、伸びも10%を下回った。
これに対し、本発明の試験番号1〜6では、旧β粒径を250μm以下に制御したことで、強制冷却を行わなくとも、0.2%耐力は830MPaを上回った。また、形材の反りは10mm以下と小さく、実用上問題ない水準であった。
本発明によれば、形材の金属組織を旧β粒径が250μm以下の針状組織に制御することで、実用上で問題のない引張特性を備え、かつ、強制冷却をおこなった場合に比べて、形状の良好な形材をえることができる。したがって、冷却装置や形状矯正コストを削減できるので、産業上特に有用である。また、本発明のα+β型チタン合金押出形材は、残留応力も少なく、組織のばらつきがないため、機械加工中の曲りが小さく、疲労強度が良いことも予測されるため、航空機等の用途に有用である。
1 コンテナ
2 ステム
3 ダミーブロック
4 ダイス
5 ビレット
6 形材
11 押出方向

Claims (4)

  1. 質量%で、Al:5.5〜6.8%、V:3.5〜5.8%、Fe:0超〜0.30%、を含有し、残部がTiおよび合計量0.4%以下の不純物であり、旧β粒径の平均が250μm以下の針状組織からなる、α+β型チタン合金押出形材。
  2. 旧β粒径の平均が180μm以下である、請求項1に記載のα+β型チタン合金押出形材。
  3. 針状組織のコロニー中のサイドプレートβ相に含有されるV質量%濃度に対するサイドプレートα相に含有されるV質量%濃度の比の平均が0.24以下、かつ、サイドプレートβ相に含有されるFe濃度の平均が1.1質量%以上である、請求項1に記載のα+β型チタン合金押出形材。
  4. 粒界α相の幅が5μm以下である、請求項1に記載のα+β型チタン合金押出形材。
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