JP6175994B2 - 半導体装置、電子装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、電子装置、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体装置、電子装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
回路基板に半導体素子を実装してなる電子装置においては、フリップチップ接続により回路基板に半導体素子を接続することがある。回路基板上への半導体素子の実装密度は高密度化しており、それに伴って半導体素子の小型化も進んでいるが、上記のフリップチップ接続は半導体素子の小型化に有用である。
このように小型化された半導体素子を回路基板にフリップチップ接続する際、半導体素子と回路基板とを接続する端子としてはんだバンプを使用すると、溶融したはんだバンプが濡れ広がり、端子同士の短絡などの問題が発生する。そこで、はんだバンプに代えて、銅などの材料で半導体素子に端子を形成して、半導体素子を回路基板にフリップチップ接続することで、端子が溶融して端子同士の短絡などの問題が発生するのを回避している。
但し、この技術には、半導体素子と端子との接合強度を高める点において改善の余地がある。
半導体装置、電子装置、及び半導体装置の製造方法において、半導体素子と端子との接合を強固にすることを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、基板の表面に電解メッキにより柱状端子を形成する工程と、前記基板の熱膨張係数よりも20ppm/℃以上差がある熱膨張係数を有する半導体素子の表面にSnAgCu合金のはんだを供給する工程と、前記はんだを230℃以上の温度に加熱して溶融し、該はんだに前記柱状端子を接合させることにより、前記基板と前記半導体素子とを接続する工程と、前記基板と前記半導体素子とを接続する工程の後に、前記基板と前記半導体素子とを冷却して、前記基板から前記柱状端子を剥離させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
以下の開示によれば、柱状端子と半導体素子とをはんだを介して接合することで、柱状端子とはんだとが強固に接合し、半導体素子に柱状端子を電解メッキで形成する場合と比較して、半導体素子と柱状端子との接合強度を高めることができる。
図1(a)及び(b)は、本願発明者が検討した電子装置の製造途中の断面図(その1)である。 図2(a)及び(b)は、本願発明者が検討した電子装置の製造途中の断面図(その2)である。 図3(a)及び(b)は、本願発明者が検討した電子装置の製造途中の断面図(その3)である。 図4(a)及び(b)は、本願発明者が検討した電子装置の製造途中の断面図(その4)である。 図5(a)及び(b)は、本願発明者が検討した電子装置の製造途中の断面図(その5)である。 図6は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図7は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図8は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図9は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図10は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図11は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その6)である。 図12は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その7)である。 図13は、本実施形態に係る半導体装置である。 図14は、本実施形態に係る半導体装置を搭載した電子装置の製造途中の断面図(その1)である。 図15は、本実施形態に係る半導体装置を搭載した電子装置の製造途中の断面図(その2)である。 図16は、本実施形態に係る半導体装置を搭載した電子装置の製造途中の断面図(その3)である。 図17は、本実施形態に係る半導体装置を搭載した電子装置の製造途中の断面図(その4)である。
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が検討した事項について説明する。
以下に電子装置の製造方法の一例を示す。
図1〜図5は、本願発明者が検討した電子装置の製造途中の断面図である。
まず、図1(a)に示すように、複数の電極3を備えた半導体素子2を用意する。
次に、図1(b)に示すように、半導体素子2と電極3のそれぞれの表面にシード層4として膜厚が1μm〜2μmの銅膜をスパッタ法により形成する。
その後、図2(a)に示すように、シード層4の表面にドライフィルムレジストを貼付して膜厚が100μmのレジスト5を形成する。
続いて、図2(b)に示すように、レジスト5を露光して現像し、電極3の上のレジスト5に開口5aを形成する。開口5aは平面視で直径100μmの円形で、ピッチpは例えば200μmである。
そして、図3(a)に示すように、シード層4を給電層にしながら、開口5a内に電解メッキ法により銅膜を成長させ、その銅膜を柱状端子6とする。
このようにして、平面視で直径が100μmの銅の柱状端子6を半導体素子2の上にピッチpが200μmとなるように形成する。
その後、図3(b)に示すように、レジスト5を除去する。
そして、図4(a)に示すように、ウェットエッチングにより半導体素子2の表面のシード層4を除去することで半導体装置1の基本構造が完成する。
これ以降は、フリップチップ接続により半導体装置1を回路基板に搭載する工程に移る。
まず、図4(b)に示すように、複数の電極13を備えた回路基板7を用意し、各電極13の表面にSnAgCuはんだペーストを印刷法により塗布することで、はんだ8を形成する。
次に、図5(a)に示すように、半導体装置1の柱状端子6の各々と、回路基板7の電極13の上面に塗布したはんだ8の各々とを対向させ、半導体装置1と回路基板7とを位置合わせする。
そして、図5(b)に示すように、はんだ8を加熱して溶融させ、はんだ8を介して半導体装置1の柱状端子6と回路基板7の電極13とを接合する。
その後、半導体装置1と回路基板7とを冷却することで、電子装置10の基本構造が完成する。
このような方法では、図5(b)の点線円Aに示すように、回路基板7の電極13と柱状端子6とをはんだ8を介して接合している。そのため、柱状端子6の表層にはんだの合金層が形成され、その合金層によって電極13と柱状端子6との接合強度が高められる。
一方、図5(b)の点線円Bに示すように、半導体素子2の電極3の上においては、銅膜を電解メッキ法で成長させることにより、当該電極3と柱状端子6とが接合される。
電解メッキ法においては、柱状端子6となる銅等の金属材料が非結晶又は非晶質な状態で電極3の表面に成長する。また、電極3に近い部位の柱状端子6が多孔質になることもある。
そのため、点線円A内に比べ、点線円B内においては電極3と柱状端子6との接合強度が低くなってしまう。
このような接合強度の低下は、以下のように半導体素子2と回路基板7とが異なる熱膨張係数を有している場合に特に問題となることがある。
半導体素子2の主材料はシリコンであるのに対し、回路基板7の主材料はシリコンよりも熱膨張係数が大きな樹脂であり、半導体素子2と回路基板7とでは熱膨張係数が異なる。
よって、温度変化に対する熱膨張量が半導体素子2と回路基板7とで異なり、半導体素子2と回路基板7とを接続している柱状端子6にせん断応力が生じる。
このとき、図5(b)の点線円Bにおけるように電極3との接合強度が弱い柱状端子6が半導体素子2から剥離し、断線してしまうことがある。
そのため、この電子装置10においては、半導体素子2と柱状端子6との接合強度を向上させる点で改善の余地がある。
(本実施形態)
図6〜図12はそれぞれ、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。なお、図6〜図12において、図1〜図5で説明したのと同じ要素にはこれらにおけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図6(a)に示すように、基板12としてFR4等の樹脂を含む基板を用意し、その表面にシード層14として膜厚が1μm〜2μmの銅膜をスパッタ法により形成する。
なお、FR4の熱膨張係数は約40ppm/℃である。
次に、図6(b)に示すように、シード層14の表面にドライフィルムレジストを貼付してレジスト5を形成する。レジスト5の膜厚は、例えば100μmとする。
続いて、図7(a)に示すように、レジスト5を露光して現像し、レジスト5に開口5aを形成する。開口5aは、例えば平面視で直径が100μmの円形で、ピッチpは200μmである。
そして、図7(b)に示すように、シード層14を給電層にしながら、開口5a内に電解メッキ法により銅膜を成長させ、その銅膜を柱状端子6とする。その柱状端子6の大きさは特に限定されない。本実施形態では柱状端子6を平面視で直径が100μm程度の円形とし、そのアスペクト比を1程度とする。また、各柱状端子6のピッチpは約200μmである。
また、電解メッキ法で形成した銅膜は非晶質や多孔質になり易いため、基板12と柱状端子6との接合強度は弱い。
その後、図8(a)に示すように、レジスト5を除去する。
そして、図8(b)に示すように、ウェットエッチングによりシード層14を除去する。
次に、図9に示すように、複数の電極3を備えた半導体素子2を用意し、電極3の各々の表面にはんだペーストを印刷法により供給することにより、はんだ8を形成する。そのはんだペーストとしては、例えば、粒径が15μm〜25μmのSnAgCuはんだ粒を含むはんだペーストを使用し得る。
半導体素子2の主材料はシリコンであって、その熱膨張係数は基板12のそれよりも格段に小さな3ppm/℃程度である。
続いて、図10に示すように、柱状端子6とはんだ8とが対向するように、基板12と半導体素子2を位置合わせする。
次に、図11に示すように、はんだ8を230℃以上の温度まで加熱して溶融させながら、はんだ8に柱状端子6を接触させ、基板12と半導体素子2とを接続する。このとき、柱状端子6の表層にははんだの合金層が形成され、その合金層によって半導体素子2と柱状端子6との接続強度が高められる。
なお、はんだ8が酸化するのを防止するために、酸素濃度が濃度100ppm以下に低減された窒素雰囲気中で本工程を行うのが好ましい。
また、このようにはんだ8を加熱すると、基板12と半導体素子2とが熱により体積が膨張した状態となる。
続いて、図12に示すように、基板12と半導体素子2とを冷却してはんだ8を凝固させる。
このように基板12を冷却すると、図12の点線円内に示すように、基板12は矢印xの方向に縮んだ状態となる。
このとき、基板12と半導体素子2は熱膨張係数が異なるため異なる熱収縮率で収縮する。そのため、基板12と半導体素子2とを接続している柱状端子6にx方向にせん断応力が作用することになる。
前述のように柱状端子6は基板12の上に電解メッキにより形成されており、基板12と柱状端子6との接合強度は弱いため、このようにせん断応力が作用すると基板12から全ての柱状端子6が自動的に簡単に剥離する。
なお、柱状端子6に大きなせん断応力を作用させて基板12から簡単に剥離できるようにするため、半導体素子2と基板12との熱膨張係数の差が20ppm/℃以上となるように基板12の材料を選ぶのが好ましい。
更に、半導体素子2と基板12の各々の熱膨張量の差を十分に大きくするために、はんだ8としてはなるべく融点が高いものを用いるのが好ましい。そのようなはんだ8としては、前述した融点が217℃以上のSnAgCuはんだがある。
一方、半導体素子2と柱状端子6とは、はんだの合金により強固に接続されているため、本工程で半導体素子2から柱状端子6が剥離することはない。
上記した図6(a)〜図12の工程はウエハレベルで行われ、ダイシングにより各半導体素子2を個片化することで、図13に示すように、本実施形態に係る半導体装置11の基本構造が完成する。
これ以降は、フリップチップ接続により半導体装置11を回路基板に搭載する工程に移る。
図14〜図17は、本実施形態に係る半導体装置11を搭載した電子装置の製造途中の断面図である。
まず、図14に示すように、複数の電極13を備えた回路基板7を用意し、その電極13のそれぞれの表面にSnAgCuはんだペーストを印刷法により塗布し、はんだ8を形成する。
次に、図15に示すように、上記のように作製した半導体装置11を用意し、半導体装置11の柱状端子6の各々と、回路基板7上のはんだ8の各々とを対向させ、半導体装置11と回路基板7とを位置合わせする。
そして、図16に示すように、はんだ8を加熱して溶融し、はんだ8を介して半導体装置1の柱状端子6と回路基板7の電極13とを接続する。
このようにして、半導体素子2と回路基板7とが柱状端子6により接続された電子装置20が完成する。
更に、図17に示すように、半導体装置11と回路基板7との間にアンダーフィル樹脂9を充填する。そのアンダーフィル樹脂9により半導体素子2と回路基板7とが機械的に強固に接続され、これらの接続信頼性を向上させることができる。
なお、アンダーフィル樹脂9を容易に充填できるようには、柱状端子6のアスペクト比を1以上とするのが好ましい。また、アンダーフィル樹脂9がなくても半導体素子2と回路基板7との接続強度が十分に高い場合には、アンダーフィル樹脂9を省いてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、柱状端子6と半導体素子2とをはんだ8を介して接合することで、柱状端子6とはんだ8とが強固に接合する。そのため、半導体素子2に柱状端子6を電解メッキで形成する場合と比較して、半導体素子2と柱状端子6との接合強度を高めることができる。
更に、図12に示したように、半導体素子2と基板12の各々の熱膨張係数の差を利用することで、複数の柱状端子6を一括して基板12から剥離することができる。
(実験例)
以下に、発明者が行なった実験結果を示す。
その実験では、上記した本実施形態に従い、以下のように柱状端子6の寸法が異なる電子装置20を作製した。
柱状端子6としては、以下の第1例から第4例の四種類を用いた。
第1例…直径100μm、ピッチ200μm、高さ100μm
第2例…直径75μm、ピッチ150μm、高さ75μm
第3例…直径100μm、ピッチ200μm、高さ50μm
第4例…直径75μm、ピッチ150μm、高さ35μm
そして、第1例〜第4例のそれぞれの柱状端子6を有する電子装置20に対して以下の試験を行なった。
まず、各電子装置20に設けられた複数の柱状端子6同士をデイジーチェーン接続し、回路として接続できていることを確認した。
次に、第1例〜第4例の柱状端子6を有する電子装置20に対し、−25℃と125℃との間で温度を500回繰り返し変化させる温度サイクル試験を行った。更に、これらの電子装置20に対し、温度が121℃で湿度が85%の環境中に1000時間放置する高温高湿試験を行なった。
温度サイクル試験と高温高湿試験のいずれにおいても、第1例〜第4例の全ての柱状端子6に対して抵抗上昇率は10%以下であり、本実施形態による電子装置20が実使用に耐え得ることがわかった。
1、11…半導体装置、2…半導体素子、3、13…電極、4、14…シード層、5…レジスト、5a…開口、6…柱状端子、7、17…回路基板、8…はんだ、9…アンダーフィル樹脂、10、20…電子装置、12…基板

Claims (3)

  1. 基板の表面に電解メッキにより柱状端子を形成する工程と、
    前記基板の熱膨張係数よりも20ppm/℃以上差がある熱膨張係数を有する半導体素子の表面にSnAgCu合金のはんだを供給する工程と、
    前記はんだを230℃以上の温度に加熱して溶融し、該はんだに前記柱状端子を接合させることにより、前記基板と前記半導体素子とを接続する工程と、
    前記基板と前記半導体素子とを接続する工程の後に、前記基板と前記半導体素子とを冷却して、前記基板から前記柱状端子を剥離させる工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記基板は樹脂を含み、前記半導体素子はシリコンを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記基板は、FR4樹脂を含む基板であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
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