JP6175840B2 - 暖房便座装置および暖房便座装置の製造方法 - Google Patents

暖房便座装置および暖房便座装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明の態様は、一般的に、便器に設けられる便座を暖めることができる暖房便座装置および暖房便座装置の製造方法に関する。
便座の昇温の迅速性や、省エネルギー化などを図るため、誘導加熱の原理を利用した暖房便座装置が提案されている。このような暖房便座として、例えば、交流電圧を出力する誘導加熱用電源と、電源からの電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、コイルから発生する磁界により誘起される誘導電流により発熱する加熱導電体と、を備えたものがある(特許文献1)。特許文献1に記載された暖房便座装置では、着座時の便座の温度がより短い時間で快適温度となるように、薄肉面状の加熱導電体が便座の表層部に設けられている。
ここで、樹脂の熱収縮率は略一定であるのに対して、金属の熱収縮率は樹脂の熱収縮率と比較すると非常に小さい。そのため、暖房便座装置が射出成形法により形成される場合には、成形された便座において、射出成形前後における温度変化により、金属が樹脂の熱収縮の変化に追随できないことがある。すると、ヒケや反りなどが便座に発生し、設計狙いとする表面平滑性および外形寸法を確保できないという課題がある。
特開2012−70899号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、樹脂の熱収縮と金属の熱収縮との間の差違の影響を抑えることができる暖房便座装置および暖房便座装置の製造方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、誘導加熱方式により便座を昇温可能な暖房便座装置であって、樹脂により形成された基材部と、前記便座の着座面を含む一定領域において前記基材部の上に設けられ、磁界により誘導加熱される加熱導電体と、前記加熱導電体の上に設けられ前記便座の着座面を形成し、形状追随性を有する樹脂により形成された表層部と、を備え、前記加熱導電体は、単線または撚り線により形成され、糸状またはばね状を呈し、前記基材部は、前記加熱導電体を固定する凹部を有することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、表層部は、形状追随性を有する樹脂により形成されている。そのため、基材部の熱収縮率が加熱導電体の熱収縮率と異なっていても、表層部は、暖房便座装置の使用時の温度変化による基材部の形状変化に追随することができる。
またさらに、この暖房便座装置によれば、加熱導電体を凹部の内部に固定することができる。これにより、加熱導電体の位置が経時変化に伴いずれることを抑え、加熱分布が変化することを抑えることができる。そのため、安定的で快適な暖房便座装置を提供することができる。
これにより、加熱導電体の位置をより確実に固定することができる。そのため、暖房便座装置の使用時の影響を抑えることができる。つまり、隣り合う加熱導電体同士の間の距離を略一定に保ち、暖房便座装置の全体の漏れ磁界の量を最小限に抑えることができる。これにより、樹脂の熱収縮と金属の熱収縮との間の差違の影響を抑えることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記基材部の樹脂は、前記表層部の樹脂と同一であることを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、表層部は、基材部より強く結合あるいは接着する。そのため、基材部が成形時の熱収縮により変形したり、表層部から剥がれることを抑えることができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記基材部の樹脂および前記表層部の樹脂は、ポリプロピレンであり、前記表層部は、エラストマーにより形成されたことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便座の特性を維持できるとともに、着座時の便座の温度をより短い時間で快適温度とすることができる。
の発明は、誘導加熱方式により便座を昇温可能な暖房便座装置の製造方法であって、樹脂により基材部を形成し、磁界により誘導加熱される加熱導電体を前記便座の着座面を含む一定領域において前記基材部の上に固定し、前記便座の着座面を形成する表層部を、形状追随性を有する樹脂により前記加熱導電体の上に形成することを特徴とする暖房便座装置の製造方法である。
この暖房便座装置の製造方法によれば、表層部は、形状追随性を有する樹脂により形成されている。そのため、基材部の熱収縮率が加熱導電体の熱収縮率と異なっていても、表層部は、成形前後における温度変化による基材部の形状変化に追随することができる。そのため、基材部および表層部にヒケや反りなどが発生することを抑え、設計狙いとする表面平滑性および外形寸法を確保することができる。
本発明の態様によれば、樹脂の熱収縮と金属の熱収縮との間の差違の影響を抑えることができる暖房便座装置および暖房便座装置の製造方法が提供される。
本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。 本実施形態の便座を表す模式的斜視図である。 図2に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。 本実施形態の加熱導電体において生ずる渦電流について説明する模式的断面図である。 本実施形態の加熱導電体の設置形態を例示する模式的斜視図である。 本実施形態の加熱導電体の設置形態の変形例を表す模式的斜視図である。 本実施形態の加熱導電体の設置形態の他の変形例を表す模式的斜視図である。 本実施形態の加熱導電体の変形例を表す模式的斜視図である。 本実施形態の便座の変形例を表す模式的断面図である。 本実施形態にかかる暖房便座装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。
図1に表したトイレ装置10は、洋式腰掛便器800と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。便蓋300は、閉じた状態において便座200の上方を覆うことができる。
図2は、本実施形態の便座を表す模式的斜視図である。
図3は、図2に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。
なお、説明の便宜上、図2に表した便座200では巻き数が5回の加熱導電体230を例示し、図3に表した便座200では巻き数が3回の加熱導電体230を例示している。但し、加熱導電体230の巻き数は、これだけに限定されるわけではない。
図2および図3に表したように、本実施形態の便座200は、基材部210と、表層部220と、加熱導電体230と、を有する。
基材部210は、例えばポリプロピレン(PP:polypropylene)などの樹脂により形成されている。
表層部220は、便座200が閉じた状態において基材部210の上に設けられ、着座面221を形成する。表層部220は、形状追随性を有する樹脂により形成されている。表層部220は、例えばポリプロピレンなどの樹脂成分とゴム成分とを含むエラストマーなどにより形成されている。ゴム成分の配合率は、例えば約60バーセント(%)程度である。
本願明細書において、「形状追随性」とは、物体あるいは部分が任意の形状に従う性質あるいは沿う性質をいうものとする。また、本願明細書において、「形状追随性を有する」あるいは「形状追随性が高い」とは、相対的に、変形しやすい、柔らかい、剛性が低い、およびヤング率が低いことのうちの少なくともいずれかをいうものとする。
本実施形態では、表層部220の形状追随性は、基材部210の形状追随性よりも高い。例えば、表層部220の引張弾性率(金属のヤング率に相当)は、約3〜7メガパスカル(MPa)程度である。基材部210の引張弾性率は、約1700〜1900MPa程度である。
図3に表したように、基材部210の内部には、誘導加熱コイル260が設けられている。誘導加熱コイル260は、高周波電流が通電されることにより磁界を発生する。誘導加熱コイル260は、例えば個々に絶縁された複数の導体素線を撚り合わせた構造を有するリッツ線などにより図示しない高周波電源回路と接続されている。
加熱導電体230は、基材部210と表層部220との間に設けられている。本実施形態では、加熱導電体230は、便座200の着座面を含む一定領域において基材部210の上に設けられている。具体的には、加熱導電体230は、基材部210の上部に設けられた凹部211に固定されている。加熱導電体230は、誘導加熱コイル260から発生した磁界により誘導加熱される。
加熱導電体230としては、例えば鉄やステンレスなどの強磁性体、またはアルミニウムなどの常磁性体といった金属が用いられる。あるいは、加熱導電体230としては、金属に限定されず、例えばカーボンなどの導電体が用いられてもよい。本実施形態では、加熱導電体230は、金属が繊維状に形成された集合体を含む。加熱導電体230は、単線により形成されていても、撚り線などの複数の線により形成されていてもよい。加熱導電体230は、糸状あるいはばね状を呈する。そのため、加熱導電体230は、金属により形成されていても、構造全体として伸縮性を有する。このような加熱導電体230として、例えばステンレスなどの金属により形成された糸(金属糸)が挙げられる。この場合、ステンレスの金属糸の直径は、例えば約0.7ミリメートル(mm)程度である。
図4は、本実施形態の加熱導電体において生ずる渦電流について説明する模式的断面図である。
図4は、図2に表した切断面B−Bにおける模式的断面図である。
図4に表したように、高周波電流が誘導加熱コイル260に流れると、誘導加熱コイル260の周囲には、磁界501が発生する。誘導加熱コイル260の周囲に磁界501が発生すると、加熱導電体230には、図4に表した矢印B1のように、磁界501により誘起される渦電流503が流れる。加熱導電体230は、渦電流503が加熱導電体230を流れる際に発生するジュール熱により発熱する。
本実施形態によれば、暖房便座装置100は、誘導加熱の原理を利用し、便座200の着座面を急速に加熱することができ、より早く着座面を適温にすることができる。また、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便座200の着座面を急速に加熱することができるため、使用者が便座200を使用していないときには便座200を保温しておく必要はない。そのため、省エネルギー化を図ることができる。
図5は、本実施形態の加熱導電体の設置形態を例示する模式的斜視図である。
図5(a)は、凸部が凹部の側面のうちの片側の面に接続された例を例示する模式的斜視図である。図5(b)は、凸部が凹部の側面のうちの両側の面に接続された例を例示する模式的斜視図である。
図3に関して前述したように、加熱導電体230は、基材部210の凹部211に固定されている。
図5(a)に表した具体例では、凹部211の上部に、凸部213aが設けられている。図5(a)では、1つの凸部213aが表されているが、本具体例では、複数の凸部213aが凹部211の略全体にわたって設けられ互いに離隔している。凸部213aは、凹部211の側面のうちの片側の面に接続されている。凸部213aの上面は、基材部210の上面と略同じ高さに形成されている。図5(a)に表した凹部211の幅D1は、加熱導電体230の直径よりも大きい。図5(a)に表した凹部の深さD2は、加熱導電体230の直径よりも大きい。
これによれば、加熱導電体230を凸部213aに引っ掛けた状態で凹部211の内部に固定することができる。つまり、凸部213aは、加熱導電体230が凹部211から外れることを抑制し、加熱導電体230を凹部211の内部に保持することができる。これにより、加熱導電体230が発熱し膨張しても、基材部210への影響を抑え、基材部210、表層部220および加熱導電体230の形状の安定化を図ることができる。また、加熱導電体230が便座200の内周方向に締め付けられた状態で固定される。そのため、加熱導電体230が緩むことを抑え、加熱導電体230をより確実に固定することができる。
図5(b)に表した具体例では、凹部211の上部に、凸部213bが設けられている。凸部213bは、凹部211の側面のうちの両側の面に接続されている。凸部213bの上面は、基材部210の上面よりも低い位置に形成されている。図5(b)に表した凹部211の幅D3は、加熱導電体230の直径よりも大きい。図5(b)に表した凹部の深さD4は、加熱導電体230の直径よりも大きい。本具体例では、複数の凸部213bが設けられ互いに離隔している。図5(b)に表したように、加熱導電体230は、隣り合う凸部213b同士の間を通され、凸部213bの上の位置と、隣の凸部213bの下の位置と、に互い違いに配設されている。
これによれば、図5(a)に関して前述した効果が得られるとともに、加熱導電体230を凸部213aにより確実に引っ掛けた状態で凹部211の内部に固定することができる。そのため、加熱導電体230が緩むことをより確実に抑えることができる。
ここで、樹脂の熱収縮率は略一定であるのに対して、金属の熱収縮率は樹脂の熱収縮率と比較すると非常に小さい。そのため、暖房便座装置の使用時の温度変化により、隣り合う加熱導電体230同士の間の距離が変化することがある。すると、例えば、漏れ磁界の量を略一定に保つことができないことがある。
これに対して、本実施形態の表層部220は、形状追随性を有する樹脂により形成されている。表層部220の形状追随性は、基材部210の形状追随性よりも高い。これによれば、基材部210の熱収縮率が加熱導電体230の熱収縮率と異なっていても、表層部220は、暖房便座装置100の使用時の温度変化による基材部210の形状変化に追随することができる。
これにより、加熱導電体230の位置をより確実に固定することができる。そのため、暖房便座装置100の使用時の影響を抑えることができる。つまり、隣り合う加熱導電体230同士の間の距離を略一定に保ち、暖房便座装置100の全体の漏れ磁界の量を最小限に抑えることができる。これにより、樹脂の熱収縮と金属の熱収縮との間の差違の影響を抑えることができる。
次に、本実施形態の加熱導電体の設置形態の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態の加熱導電体の設置形態の変形例を表す模式的斜視図である。
図6(a)は、本変形例にかかる便座の全体を表す模式的斜視図である。図6(b)は、図6(a)に表した領域A1の模式的拡大図である。
図2に関して前述した加熱導電体230は、1つの線状体が連続した設置形態または1本の糸状もしくはばね状に形成された設置形態を有する。言い換えれば、図2に関して前述した加熱導電体230は、例えば「渦巻き状」あるいは「ボビン巻き状」などと呼ばれる形態で設置されている。これによれば、加熱導電体230を基材部210の凹部211に設置するときの工程数を低減することができる。
一方で、図6(b)に表したように、本変形例にかかる便座200aに設けられた加熱導電体230は、1つの線状体が連続した設置形態または1本の糸状もしくはばね状に形成された設置形態を有し、所定の箇所において屈曲した状態で設置されている。
これによれば、便座200に着座する使用者のおしりの後方部に当たる箇所の加熱導電体230の設置を、左右対称でかつ均一の間隔にすることができる。そのため、使用者が温度ムラを感じることがほとんどない。
図7は、本実施形態の加熱導電体の設置形態の他の変形例を表す模式的斜視図である。 本変形例にかかる便座200bに設けられた加熱導電体230は、複数の線状体が設けられた設置形態を有する。すなわち、本変形例の加熱導電体230は、第1の加熱体231と、第2の加熱体232と、第3の加熱体233と、第4の加熱体234と、第5の加熱体235と、を有する。第1〜5の加熱体231、232、233、234、235は、それぞれ閉じた回路を形成している。つまり、第1の加熱体231は、1つの閉回路を形成している。これは、第2〜第5の加熱体232、233、234、235についても同様である。
図7に表したように、第1の加熱体231は、第1の接点231aにおいて図示しない高周波回路および第2〜5の加熱体232、233、234、235と電気的に接続されている。第1の加熱体231の接点は、第1の接点231aの1箇所だけである。
第2の加熱体232は、第2の接点232aにおいて図示しない高周波回路および第1、3〜5の加熱体231、233、234、235と電気的に接続されている。第3の加熱体233は、第3の接点233aにおいて図示しない高周波回路および第1、2、4、5の加熱体231、232、234、235と電気的に接続されている。第4の加熱体234は、第4の接点234aにおいて図示しない高周波回路および第1〜3、5の加熱体231、232、233、235と電気的に接続されている。第5の加熱体235は、第5の接点235aにおいて図示しない高周波回路および第1〜4の加熱体231、232、233、234と電気的に接続されている。
本変形例によれば、着座動作に基づいた繰り返し応力により第1〜5の加熱体231、232、233、234、235の少なくともいずれかが破損した場合でも、破損した加熱体以外への誘導電流の合流を防止することができる。これにより、暖房便座の加熱むらを抑えることができる。
例えば、巻き回数が5回の加熱導電体230の始点に10アンペア(A)の電流を流した場合を考える。このとき、第1の加熱体231のうちの一部が破損すると、加熱導電体230がいわゆる「渦巻き状」の設置形態であれば、高周波電流は加熱導電体230には流れない。そのため、加熱導電体230は、発熱しない。
これに対して、本変形例の設置形態であれば、第1の加熱体231のうちの一部が破損しても、合計8Aの電流が第2〜5の加熱体232、233、234、235流れる。そのため、加熱導電体230は、第2〜5の加熱体232、233、234、235において発熱する。つまり、本変形例によれば、加熱導電体230のうちの一部が破損しても、暖房便座の機能(便座200を昇温させる機能)を確保することができる。
次に、本実施形態の加熱導電体の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図8は、本実施形態の加熱導電体の変形例を表す模式的斜視図である。
図8(a)は、加熱導電体の変形例として金だわし230aを例示する模式的斜視図である。図8(b)は、加熱導電体の変形例としてアルミカールたわし230bを例示する模式的斜視図である。
図1〜図7に関して前述した暖房便座装置100では、加熱導電体230が例えばステンレスの金属糸である場合を例に挙げて説明した。本実施形態の加熱導電体230は、これだけに限定されず、図8(a)に表した金だわし230a、あるいは図8(b)に表したアルミカールたわし230bであってもよい。
すなわち、図8(a)に表した金だわし230aは、複数の糸状の金属線が束ねられた構造を有し、構造全体として伸縮性を有する。一方、図8(b)に表したアルミカールたわし230bは、複数のばね状の金属線が束ねられた構造を有し、構造全体として伸縮性を有する。
図1〜図7に関して前述したステンレスの金属糸、図8(a)に表した金だわし230a、および図8(b)に表したアルミカールたわし230bのように、本実施形態の加熱導電体230は、金属が繊維状に形成された集合体を含み、構造全体として伸縮性を有する。これによれば、基材部210の熱収縮率が加熱導電体230の熱収縮率と異なっていても、加熱導電体230は、暖房便座装置100の使用時の温度変化による基材部210の熱収縮の変化に追随することができる。
これにより、加熱導電体230の位置をより確実に固定し、金属体240でより確実に固定することができる。そのため、暖房便座装置100の使用時の影響(例えば暖房便座装置100の使用時の温度変化による接着力の低下などの影響)を抑えることができる。また、隣り合う加熱導電体230同士の間の距離を略一定に保つことができる。これにより、暖房便座装置100の全体の漏れ磁界の量を最小限に抑えることができる。
次に、本実施形態の便座の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図9は、本実施形態の便座の変形例を表す模式的断面図である。
図9は、図2に表した切断面A−Aにおける模式的断面図に相当する。
本変形例の便座200cは、図1〜図5に関して前述した便座200と比較して、金属体240と、接着層250と、をさらに備える。
金属体240は、基材部210と表層部220との間に設けられている。金属体240としては、例えばアルミニウムや銅などの非磁性体が用いられる。金属体240は、磁界が外界へ放出することを抑制する。
接着層250は、金属体240と基材部210との間に設けられている。金属体240は、接着層250により基材部210の上面に接着固定されている。接着層250は、金属体240が基材部210と接する面(下面)に予め設けられていてもよい。接着層250の厚さ(上下方向の厚さ)は、例えば約44±3マイクロメートル(μm)程度である。接着層250としては、アクリル系接着剤が用いられる。例えば、接着層250としては、スリーボンド社製のThreeBond3955や、3M社製のScotch−Weld(登録商標)EPX(登録商標)二液室温硬化型接着剤などが用いられる。
図3に表したように、金属体240は、空隙部241を有する。空隙部241は、例えば金属体240を貫通する孔である。表層部220を形成するエラストマーは、例えばインジェクション成形(射出成形)時に金属体240の空隙部241へ入り込む。金属体240の空隙部241へ入り込んだエラストマーは、基材部210に到達し基材部210と直に接触する。本実施形態では、複数の空隙部241が設けられ互いに離隔している。空隙部241については、後に説明する本実施形態にかかる暖房便座装置の製造方法において詳述する。
本変形例によれば、便座200を昇温させる磁性体の加熱導電体230と、外界への磁界の放出を抑制する非磁性体の金属体240と、が設けられている。そのため、昇温性能の向上と漏れ磁界の抑制との両立を図ることができる。
また、金属体240が空隙部241を有するため、熱による成形時に基材部210の樹脂材料が直に表層部220の樹脂材料と接触する面領域を確保することができる。また、磁界の影響を受ける加熱導電体230の上には、外界への磁界の放出を抑制する金属体240が設けられている。そのため、漏れ磁界の量を最小限に抑えることができる。
なお、金属体240の空隙部241の直径は、誘導加熱コイル260に通電される高周波電流の周波数(例えば約100キロヘルツ(kHz)程度)を考慮すると、電磁波が通過できなくなる開口直径よりも十分に小さい。
また、接着層250が金属体240と基材部210との間に設けられているため、金属体240と基材部210との間の相対的な位置が暖房便座装置100の使用状態によって変化すること(例えば剥がれ)を抑えることができる。そのため、金属体240と基材部210との間の距離が変化することを抑え、漏れ磁界を略一定に保つことができる。また、隣り合う加熱導電体230同士の間の距離を略一定に保持することができる。すなわち、隣り合う加熱導電体230が、暖房便座装置100の使用時に互いに近づいたり、離れたりすることを抑えることができる。そのため、便座200の着座面全体における漏れ磁界の量を略一定にすることができる。これにより、漏れ磁界の偏りを抑え、暖房便座装置100の全体の漏れ磁界の量を最小限に抑えることができる。
また、ポリプロピレンは、便座200の材料として一般的に使用されている。そのため、基材部210の材料および表層部220の材料がポリプロピレンを含む場合には、便座200の特性を維持できるとともに、着座時の便座の温度をより短い時間で快適温度とすることができる。
次に、本実施形態にかかる暖房便座装置の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
図10は、本実施形態にかかる暖房便座装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
図10では、図9に関して前述した便座200cを備える暖房便座装置100の製造方法を例に挙げて説明する。
まず、凹部211を有する基材部210をインジェクション成形により形成する(ステップS101)。基材部210の材料は、例えばポリプロピレン(PP:polypropylene)などの樹脂材料である。
続いて、加熱導電体230を基材部210の凹部211に固定する(ステップS103)。加熱導電体230は、例えば、図1〜図7に関して前述したステンレスの金属糸、図8(a)に表した金だわし230a、および図8(b)に表したアルミカールたわし230bなどである。つまり、加熱導電体230は、金属が繊維状に形成された集合体を含み、構造全体として伸縮性を有する。
続いて、基材部210の上面に接着層250を形成する(ステップS105)。あるいは、金属体240の基材部210との接触面に接着層250を形成する(ステップS105)。接着層250としては、アクリル系接着剤が用いられる。
続いて、接着層250を介して金属体240を基材部210の上面に接着固定する(ステップS107)。金属体240としては、例えばアルミニウムや銅などの非磁性体が用いられる。
続いて、表層部220をインジェクション成形により形成する(ステップS109)。表層部220の材料は、形状追随性を有する樹脂材料である。表層部220の材料としては、例えばポリプロピレンなどの樹脂成分とゴム成分とを含むエラストマーなどが挙げられる。
ここで、樹脂の熱収縮率は略一定であるのに対して、金属の熱収縮率は樹脂の熱収縮率と比較すると非常に小さい。つまり、基材部210の熱収縮率は、加熱導電体230の熱収縮率と異なる。そのため、表層部220をインジェクション成形により形成するときには、インジェクション成形前後における温度変化により、加熱導電体230が基材部210の熱収縮の変化に追随できないことがある。すると、基材部210および表層部220の少なくともいずれかに、ヒケや反りなどが発生し、設計狙いとする表面平滑性および外形寸法を確保できないことがある。
これに対して、本実施形態の表層部220は、形状追随性を有する樹脂により形成されている。表層部220の形状追随性は、基材部210の形状追随性よりも高い。これによれば、基材部210の熱収縮率が加熱導電体230の熱収縮率と異なっていても、表層部220は、インジェクション成形前後における温度変化による基材部210の形状変化に追随することができる。そのため、基材部210および表層部220にヒケや反りなどが発生することを抑え、設計狙いとする表面平滑性および外形寸法を確保することができる。
図3に関して前述したように、金属体240は、空隙部241を有する。表層部220を形成するエラストマーは、インジェクション成形時に金属体240の空隙部241へ入り込む。金属体240の空隙部241へ入り込んだエラストマーは、基材部210に到達し基材部210と接触する。すると、表層部220のうちの少なくとも一部の材料(樹脂:PP)が基材部210のうちの少なくとも一部の材料(樹脂:PP)と同じであるため、基材部210に到達したエラストマーは、基材部210を形成する樹脂材料とより強く結合あるいは接着する。
これによれば、基材部210がインジェクション成形時の熱収縮により変形したり、表層部220から剥がれることを抑えることができる。
なお、表層部220は、フィルムラミネート法により形成されていてもよい。この場合には、表層部220としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)やポリプロピレンなどが用いられる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、暖房便座装置100および便座200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや加熱導電体230および金属体240の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 トイレ装置、 100 暖房便座装置、 200、200a、200b、200c 便座、 210 基材部、 211 凹部、 213a、213b 凸部、 220 表層部、 221 着座面、 230 加熱導電体、 230a 金だわし、 230b アルミカールたわし、 231 第1の加熱体、 231a 第1の接点、 232 第2の加熱体、 232a 第2の接点、 233 第3の加熱体、 233a 第3の接点、 234 第4の加熱体、 234a 第4の接点、 235 第5の加熱体、 235a 第5の接点、 240 金属体、 241 空隙部、 250 接着層、 260 誘導加熱コイル、 300 便蓋、 400 ケーシング、 501 磁界、 503 渦電流、 800 洋式腰掛便器

Claims (4)

  1. 誘導加熱方式により便座を昇温可能な暖房便座装置であって、
    樹脂により形成された基材部と、
    前記便座の着座面を含む一定領域において前記基材部の上に設けられ、磁界により誘導加熱される加熱導電体と、
    前記加熱導電体の上に設けられ前記便座の着座面を形成し、形状追随性を有する樹脂により形成された表層部と、
    を備え
    前記加熱導電体は、単線または撚り線により形成され、糸状またはばね状を呈し、
    前記基材部は、前記加熱導電体を固定する凹部を有することを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記基材部の樹脂は、前記表層部の樹脂と同一であることを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
  3. 前記基材部の樹脂および前記表層部の樹脂は、ポリプロピレンであり、
    前記表層部は、エラストマーにより形成されたことを特徴とする請求項2記載の暖房便座装置。
  4. 誘導加熱方式により便座を昇温可能な暖房便座装置の製造方法であって、
    樹脂により基材部を形成し、
    磁界により誘導加熱される加熱導電体を前記便座の着座面を含む一定領域において前記基材部の上に固定し、
    前記便座の着座面を形成する表層部を、形状追随性を有する樹脂により前記加熱導電体の上に形成することを特徴とする暖房便座装置の製造方法。
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