JP5811503B2 - 暖房便座装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、便器に設けられる便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
一般的に、便座の座面は、例えばPP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂で製造されているため、使用者は、冬場などの気温の低いときに冷えた便座に座ると冷感を感じる場合がある。そこで、便座を暖めることができる暖房便座装置がある。このような暖房便座装置では、便座の昇温の迅速性や、省エネルギー化や、安全性などを図るために種々の提案がなされている。
例えば、誘導加熱の原理を利用して便座の着座面を迅速に昇温させ、待機電力を削減する暖房便座が提案されている。誘導加熱では、誘導加熱コイルに高周波電流を流すことにより磁界が発生し、その磁界が導電体を通過することで生ずる渦電流により導電体が発熱する。このような暖房便座として、交流電圧を出力する誘導加熱用電源と、誘導加熱用電源からの電流により磁界を発生する加熱用励磁コイルと、加熱用励磁コイルから発生する磁界により誘起される誘導電流により発熱する発熱体より成る暖房便座において、発熱体を便座表面または表面付近に設けたことを特徴とする暖房便座がある(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載された暖房便座において発熱体に亀裂が生ずると、誘導電流の流れが阻害される。そうすると、誘導電流が亀裂の端部に集中し、着座面が局部的に過熱するおそれがある。これにより、温度むらが生じ、便座の座り心地が悪化するおそれがある。この点において、特許文献1には改善の余地がある。
この局部的に加熱する問題に対しては、発熱体を複数に分割させて、発熱体同士の間に絶縁部を設ける構造が考えられる。この構造により、それぞれの発熱体に流れる渦電流の量は、より小さくなるため、例えば亀裂などの損傷が導電体の一部に生じても、損傷の端部に集中する渦電流の量をより小さく抑えることができる。また、損傷が1つの導電体の一端から他端まで進行すると、渦電流は、損傷が生じた発熱体には流れない。これにより、発熱体が局部的に過熱することを抑制することができる。
しかしながら、単純に発熱体を複数に分割させる構造では、製造上、大きな問題が発生する。具体的には、発熱体を複数に分割させる構造では、それぞれが環状で且つ同心円状に配設させる構造となるため、それぞれの環状の発熱体を便座表面または便座付近に設ける組み付けの際には、隣接する発熱体同士が重ならないよう同心円状にするために、高い配設精度が必要となるという問題がある。また、昇温性能を上げるためには、発熱体を薄くする必要があり、発熱体が薄ければ薄いほど、複数の発熱体を重ならないよう配設する際に、非常に高い配設精度が必要となり、更には、発熱体の製造性においても、製造性が低く、製造が難しいという問題がある。
特開平11−299704号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、例えば亀裂などの損傷が導電体に生じても局部過熱を抑制し、座り心地を維持することができる誘導加熱式の暖房便座装置を提供すると共に、組み付け性、製造性が高い導電体を提供することを目的とする。
第1の発明は、便座と、供給された高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、前記便座に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される発熱部と、を備え、前記発熱部は、複数の環状の導電体と、互いに隣接する前記導電体の間に挟設された絶縁部とを有し、前記互いに隣接する導電体同士は、一箇所の接続導電体にて接続されていることを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、発熱部は、複数の環状の導電体と、互いに隣接する導電体の間に挟設された絶縁部と、を有する。そのため、それぞれの導電体内を流れる渦電流の量は、より小さい。そのため、例えば亀裂などの損傷が導電体の一部に生じても、損傷の端部に集中する渦電流の量をより小さく抑えることができる。または、損傷が1つの導電体の一端から他端まで進行して、渦電流が隣接する導電体に流れようとしたとしても、一箇所の接続導電体でしか接続されていない構造になっているため、渦電流が帰還することができない。そのため、接続導電体を介して、隣接する導電体に渦電流が流れる事がなく、結果、損傷が生じた導電体には渦電流が流れない。これにより、導電体が局部的に過熱することを抑制することができる。さらに、便座の着座面が局部的に過熱したり、着座面において温度むらが生じたりすることを抑制し、便座の座り心地を維持することができる。
更に、複数の環状の導電体は、接続導電体同士で接続されているため、全体を一つの導電体として扱う事ができるので、便座表面または便座付近に設ける組み付けが、非常に容易になり、組み付け性が高い。また、導電体の製造においても、全体の一つの導電体として扱う事ができるので、製造が容易になり、製造性が高い。
また、第2の発明は、便座と、供給された高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、前記便座に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される発熱部と、を備え、前記発熱部は、複数の環状の導電体と、互いに隣接する前記導電体の間に挟設させれた絶縁部とを有し、前記互いに隣接する導電体同士は、接続導電体にて接続されており、前記導電体に生じる渦電流が前記接続導電体により隣接する導電体に流れる向きと、隣接された導電体に生じる渦電流の向きとが、逆向きになるように、前記複数の環状の導電体は、構成されていることを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、発熱部は、複数の環状の導電体と、互いに隣接する導電体の間に挟設された絶縁部と、を有する。そのため、それぞれの導電体内を流れる渦電流の量は、より小さい。そのため、例えば亀裂などの損傷が導電体の一部に生じても、損傷の端部に集中する渦電流の量をより小さく抑えることができる。また、損傷が1つの導電体の一端から他端まで進行して、渦電流が、接続導電体を介して隣接する導電体に流れようとしたとしても、その際の渦電流の流れは、隣接する導電体に流れる渦電流と逆向きの流れになっているので、渦電流同士が相殺される。そのため、接続導電体を介して、隣接する導電体に渦電流の流れこみを抑制する事ができ、結果、損傷が生じた導電体には渦電流がほとんど流れない。これにより、導電体が局部的に過熱することを抑制することができる。さらに、便座の着座面が局部的に過熱したり、着座面において温度むらが生じたりすることを抑制し、便座の座り心地を維持することができる。
更に、複数の環状の導電体は、接続導電体同士で接続されているため、全体を一つの導電体として扱う事ができるので、便座表面または便座付近に設ける組み付けが、非常に容易になり、組み付け性が高い。また、導電体の製造においても、全体の一つの導電体として扱う事ができるので、製造が容易になり、製造性が高い。
本発明の態様によれば、例えば亀裂などの損傷が導電体に生じても局部過熱を抑制し、座り心地を維持することができる誘導加熱式の暖房便座装置が提供されると共に、組み付け性、製造性が高い導電体を提供できる。
本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。 原理説明モデルの便座を表す平面模式図である。 原理説明モデルの便座の内部構造を表す断面模式図である。 原理説明モデルの便座を表す平面模式図である。 原理説明モデルの導電体において生ずる渦電流について説明するための断面模式図である。 原理説明モデルの比較例にかかる暖房便座装置の導電体を流れる渦電流を説明するための平面模式図である。 原理説明モデルの導電体を流れる渦電流の具体例を説明するための平面模式図である。 原理説明モデルの導電体を流れる渦電流の他の具体例を説明するための平面模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン1を表す平面模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン1の通常時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン1に一部の損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン1に損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン2を表す平面模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン2の通常時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン2に一部の損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン2に損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の断面構成1を表す断面模式図である。 本実施形態の便座の断面構成2を表す断面模式図である。 本実施形態の便座の断面構成3を表す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器800と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。便蓋300は、閉じた状態において便座200の上方を覆うことができる。
以下、各導電体が絶縁された同心円状となるモデルを、原理説明モデルと呼ぶ。
図2は、原理説明モデルの便座を表す平面模式図である。
また、図3は、原理説明モデルの便座の内部構造を表す断面模式図である。
なお、図2は、便座を上方から眺めた平面模式図である。また、図2に表した便座200では、発熱部230を覆う表皮材240は省略されている。さらに、図3は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
便座200は、図3に表したように、便座200の外形を形成する筐体210を有する。筐体210は、例えば樹脂などの絶縁性を有する材料により形成されている。便座200の筐体210の内部には、高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイル222と、誘導加熱コイル222を支持する支持体280と、が設けられている。誘導加熱コイル222は、例えば個々に絶縁された複数の導体素線を撚り合わせた構造を有するリッツ線などにより図示しない高周波電源回路と接続されている。
なお、図3に表した誘導加熱コイル222は、支持体280により支持されているが、誘導加熱コイル222の設置形態は、これだけに限定されるわけではない。誘導加熱コイル222は、支持体280に支持されることなく、例えば便座200の内部の上面(着座面に対向する内面)210aに付設されていてもよい。
また、便座200には、誘導加熱コイル222から発生した磁界により誘導加熱される発熱部230が設けられている。発熱部230は、導電体231と絶縁部233とを有する。導電体231および絶縁部233は、図2に表したように、便座200の開口部201の形状に沿うような環状を有する。複数の環状の導電体231は、図3に表したように、便座200の筐体210の上面に同心状に付設されている。
導電体231としては、例えば鉄やステンレスなどの磁性体に加え、銅、アルミニウムなどの非磁性体も用いることができる。
絶縁部233は、互いに隣接する導電体231の間に挟設されている。絶縁部231としては、絶縁性を備えている材質であれば、特に限定されない。
発熱部230の上方および側方には、表皮材240が設けられている。表皮材240は、発熱部230を覆い、人体と発熱部230とが直接的に接触することを防止する。表皮材240は、絶縁性を有する絶縁部材であってもよいし、あるいは発熱部230の表面に施された塗装やコーティングであってもよい。
なお、図3に表した便座200では、発熱部230は、便座200の筐体210の上面に付設されているが、発熱部230の設置形態は、これだけに限定されるわけではない。
また、本実施形態では、誘導加熱コイル222が便座200の内部に設けられた場合を例に挙げて説明しているが、誘導加熱コイル222の設置形態は、これだけに限定されるわけではない。誘導加熱コイル222は、便蓋300の内部に設けられていてもよい。この場合でも、便蓋300が閉じた状態、または便座200および便蓋300が開いた状態において、発熱部230は、誘導加熱コイル222から発生する磁界で誘起される渦電流により発熱することができる。
図4は、原理説明モデルの便座を表す平面模式図である。
また、図5は、原理説明モデルの導電体において生ずる渦電流について説明するための断面模式図である。
なお、図4に表した便座200では、表皮材240および発熱部230は省略されている。また、図5は、図2に表した切断面B−Bにおける断面模式図である。
誘導加熱コイル222は、図4に表したように、便座200の開口部201の形状に沿うように巻回して配設されている。誘導加熱コイル222に高周波電流が流れると、誘導加熱コイル222の周囲には、図5に表したように、磁界501が発生する。誘導加熱コイル222の周囲に磁界501が発生すると、導電体231には、図4および図5に表した矢印のように、磁界501により誘起される渦電流503が流れる。導電体231は、渦電流503が導電体231を流れる際に発生するジュール熱により発熱する。
原理説明モデルによれば、暖房便座装置100は、誘導加熱の原理を利用し、便座200の着座面を急速に加熱することができ、より早く着座面を適温にすることができる。また、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便座200の着座面を急速に加熱することができるため、使用者が便座200を使用していないときには便座200を保温しておく必要はない。そのため、省エネルギー化を図ることができる。
図6は、比較例にかかる暖房便座装置の導電体を流れる渦電流を説明するための平面模式図である。
なお、以下の図6〜図13においては、説明の便宜上、表皮材240を適宜省略して説明する。
本比較例にかかる暖房便座装置の便座200aは、本実施形態の便座200と同様に導電体231aを有する。但し、本比較例の導電体231aは、本実施形態の便座200のようには、環状を有しているわけではない。また、複数の導電体231aが設けられているわけではない。そのため、本比較例では、絶縁部は設けられていない。
例えば亀裂などの損傷511が導電体231aに生ずると、図6に表した拡大図のように、渦電流503の流れが損傷511により阻害される。そうすると、渦電流503は、損傷511の部分を避けて流れ、損傷511の端部に集中する。そのため、損傷511の端部の領域A1における導電体231aが局部的に過熱する。これにより、便座200の着座面が局部的に過熱し、着座面において温度むらが生じ、便座の座り心地が悪化するおそれがある。
これに対して、原理説明モデルでは、複数の環状の導電体231が設けられ、互いに隣接する導電体231の間には絶縁部233が挟設されている。そのため、導電体231aが局部的に過熱することを抑制することができる。これについて、図面を参照しつつ、さらに説明する。
図7は、原理説明モデルの導電体を流れる渦電流の具体例を説明するための平面模式図である。
図4および図5に関して前述したように、導電体231には磁界501により誘起される渦電流503が流れる。このとき、本実施形態では、複数の環状の導電体231が設けられ、互いに隣接する導電体231の間には絶縁部233が挟設されている。そのため、図7に表したように、渦電流503は、それぞれの導電体231内を流れ、隣接する他の導電体231へは流れない。
これにより、それぞれの導電体231内を流れる渦電流503の量は、図6に関して前述した比較例の導電体231aを流れる渦電流503の量よりも小さい。そのため、例えば亀裂などの損傷512が導電体231の一部に生じても、損傷512の端部に集中する渦電流503の量を図6に関して前述した損傷511の端部に集中する渦電流503の量よりも小さく抑えることができる。
したがって、損傷512の端部の領域A2における導電体231が局部的に過熱することを抑制することができる。これにより、便座200の着座面が局部的に過熱したり、着座面において温度むらが生じたりすることを抑制し、便座の座り心地を維持することができる。
図8は、原理説明モデルの導電体を流れる渦電流の他の具体例を説明するための平面模式図である。
図7に関して前述した損傷512は、導電体231の一部に生じている。これに対して、図8に表した損傷513は、1つの導電体231の一端から他端まで進行している。その結果、1つの導電体231が断裂している。
この場合には、断裂した導電体231には渦電流503は流れない。そのため、断裂した導電体231は、発熱しない。これにより、損傷513が1つの導電体231の一端から他端まで進行しても、導電体231が局部的に過熱することを抑制することができる。また、着座面において温度むらが生じることを抑制し、便座の座り心地を維持することができる。
一方、損傷513が生じていない他の導電体231は、局部的に過熱することはない。また、他の導電体231には、図8に表した拡大図のように渦電流503が流れる。そのため、他の導電体231は、損傷513が生じていない場合と同様に発熱する。そのため、導電体231の全体の温度が低下することを最小限に抑えることができる。これにより、便座200の全体の温度が低下することを最小限に抑えることができる。
次に、本実施形態に関わる導電体の形成パターン1を説明する。
図9は、本実施形態の便座の導電体の形成パターン1を表す平面模式図である。導電体は、図2に示す便座の開口部の形状に沿うようなパターンであるが、模式化した真円で説明する。なお、その他の構成は、図2、図3で示した原理説明モデルと同様である。
導体の形成パターン1は、図9に表したように、環状の導電体232a、232b、232cを有し、環状の導電体232aと環状の導電体232bが接続導電体250aで接続、環状の導電体232bと環状の導電体232cが接続導電体250bで接続、といったように、互いに隣接する環状の導電体232同士が1箇所の接続導電体250に接続され、全体の一つの導電体として扱うことができるパターンである。
図10は、本実施形態の便座の導電体の形成パターン1の通常時の渦電流の流れを表す模式図である。環状の導電体232a、232b、232cには、誘導加熱コイルから発生した磁界により誘起される渦電流503a、503b、503cが、環状の導電体232a、232b、232cを周回するよう、それぞれ流れる。これは、渦電流503a、503b、503cが流れるためには、任意に設定した渦電流の発生起点から、その発生起点に帰還する経路となる、環状の導電体232a、232b、232cが必要ことを表す。この環状の導電体232a、232b、232cを流れる渦電流503a、503b、503cのジュール熱により、環状の導電体232a、232b、232cは発熱する。
一方、接続導電体250a、250bはほとんど発熱しないことを出願人の検証により確認している。ほとんど発熱しない要因として、環状の導電体232a上に発生する渦電流503aは、発生起点から発生起点へ帰還する際に、接続導電体250aが、帰還する経路に当らない、つまり渦電流503aが流れないためである。同様に、環状の導電体232bに発生する渦電流503bも、環状の導電体232cに発生する渦電流503cも、接続導電体250a、250bを流れることがない。したがって、接続導電体250a、250bは、物理的には環状の導電体232a、232b、232cを一体としているが、渦電流が流れず、発熱という機能を果たさないこととなる。
図11は、本実施形態の便座の導電体の形成パターン1に一部の損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。前述したように、渦電流503a、503b、503cは、隣接する他の導電体への流れ込みがないため、図6に示す比較例よりも小さくすることができる。そのため、例えば、亀裂などの損傷514が環状の導電体232aの一部に生じても、損傷514の端部に集中する渦電流503aの量を図6に示す比較例の損傷部の端部に集中する渦電流の量よりも小さく抑えることができる。
したがって、損傷514の端部の領域A3における導電体232aが局部的に過熱することを抑制することができる。これにより、便座200の着座面が局部的に過熱したり、着座面において温度むらが生じたりすることを抑制し、便座の座り心地を維持することができる。
図12は本実施形態の便座の導電体の形成パターン1に損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。ここでは亀裂などの損傷515が環状の導電体232aの一端から他端まで進行しており、断裂している。この場合にも、前述したように、渦電流503a、503b、503cは、隣接する他の導電体への流れ込みがない。したがって、渦電流503aはほぼ消滅し環状の導電体232aはほぼ発熱しないが、薄電流503b、503cは、環状の導電体232b、232cに流れ、損傷515が生じていない場合とほぼ同様に発熱する。そのため、環状の導電体232の全体の温度が低下することを最小限に抑えることができる。これにより、便座200全体の温度が低下することを最小限に抑えることができる。
なお、図9から図12では、接続導電体250は、環状の導電体232の中心から同一方向に付設しているが、互いに隣接する環状の導電体232同士が、一か所で接続されていればよく、任意の方向でも、問題ない。
次に、本実施形態に関わる導電体の形成パターン2について、説明する。
図13は、本実施形態の便座の導電体の形成パターン2を表す平面模式図である。導電体は、図2に示す便座の開口部の形状に沿うようなパターンであるが、模式化した真円で説明する。なお、その他の構成は、図2、図3で示した原理説明モデルと同様である。
導体の形成パターン2は、図13に表したように、環状の導電体232a、232b、232cを有し、環状の導電体232aと環状の導電体232bに生じる渦電流との向きと逆方向の向きを有する接続導体250aで接続、環状の導電体232bと環状の導電体232cに生じる渦電流との向きと逆方向の向きを有する接続導体250bで接続、といったように、隣接する環状の導電体232同士が接続導電体250に接続され一体となったパターンである。
図14は、本実施形態の便座の導電体の形成パターン2の通常時の渦電流の流れを表す模式図である。環状の導電体232a、232b、232cには、誘導加熱コイルから発生した磁界により誘起される渦電流503a、503b、503cが、環状の導電体232a、232b、232cを周回するよう、それぞれ流れる。これは、渦電流503a、503b、503cが流れるためには、任意に設定した渦電流の発生起点から、その発生起点に帰還する経路となる、環状の導電体232a、232b、232cが必要なことを表す。この環状の導電体232a、232b、232cを流れる渦電流503a、503b、503cのジュール熱により、環状の導電体232a、232b、232cは発熱する。
一方、接続導電体250a、250bはほとんど発熱しないことを出願人の検証により確認している。ほとんど発熱しない要因として、接続導電体250aには、接続導電体250aに発生する渦電流503dと、環状の導電体232aに発生した渦電流503aのうち接続部から分岐し、接続導電体250aに発生する渦電流503dと逆向きとなる渦電流503e、の2つが発生することとなる。接続導電体250aには、前述の渦電流503dと渦電流503eの2つが発生するが、逆方向であるので相殺され、結果、渦電流が流れないことが要因である。同様に、接続導電体250bにも渦電流が流れない、こととなる。したがって、接続導電体250a、250bは、物理的には環状の導電体232a、232b、232cを一体としているが、渦電流が流れず発熱という機能を果たさないこととなる。
図15は、本実施形態の便座の導電体の形成パターン2に一部の損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。前述したように、渦電流610a、610b、610cは、隣接する他の導電体への流れ込みがないため、図6に示す比較例よりも小さくすることができる。そのため、例えば、亀裂などの損傷516が環状の導電体232aの一部に生じても、損傷516の端部に集中する渦電流610aの量を図6表す比較例の損傷部の端部に集中する渦電流の量よりも小さく抑えることができる。
したがって、損傷516の端部の領域A4における導電体232aが局部的に過熱することを抑制することができる。これにより、便座200の着座面が局部的に過熱したり、着座面において温度むらが生じたりすることを抑制し、便座の座り心地を維持することができる。
図16は本実施形態の便座の導電体の形成パターン2に損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。ここでは亀裂などの損傷517が環状の導電体232aの一端から他端まで進行しており、断裂している。この場合には、渦電流は503aは、接続導体部250aを通じて流れることとなる。また、接続導電体250aには、もともと渦電流503dが発生している。接続導電体250aには、前述の渦電流503dと渦電流503eの2つが発生するが、逆方向であるので相殺され、実質の渦電流は小さくなる。そのため、環状の導電体232の全体の温度が低下することを最小限に抑えること、かつ、接続導電体250の全体の温度が上昇することを最小限に抑えること、ができる。これにより、便座200全体の温度のむらを最小限に抑えることができる。
なお、図13から図16では、接続導電体250は、環状の導電体232と2か所の接続点で接続されているが、1カ所の接続点で可能である。1カ所の接続点の場合、導電体の成形パターン1の説明で表したように、電流の帰還する経路の有無によって、便座200全体の温度の低下を最小限に抑えることができる。
また、出願人の検証により、図9から図16で表した環状の導電体232の幅を小さくすることで、図11または図15で表した、環状の導電体232の一部の破傷発生時おける、損傷の端部における導電体が局部的に過熱する加熱量を低下させることを確認している。加えて、多くの使用者に対して、局部的に過熱した状態による嫌悪感を与えないためには、環状の導電体232の幅を2mm以下にすることが、好適であることも確認している。さらに、環状の導電体かつ、または接続導電体の材質を銅、厚さを35μmから70μmとすることにより、誘導加熱による昇温量と外界への漏れ磁束の両立を図る上で、最適な仕様であることも確認している。
以下、発熱部を含む便座の成形方法について、説明する。
便座200の筐体210の上面210aに発熱部230や表皮材240を接合する成形方法として、例えば、3次元ラミネート成形とフィルムインサート成形がある。
3次元ラミネート成形とは、表皮材240、もしくは発熱部230と表皮材240からなるフィルム状体を、便座200の筐体210の形状に合わせて3次元形成しつつ、フィルム状体と筐体210とを接合して成形する方法である。また、フィルムインサート成形とは、表皮材240、もしくは発熱部230と表皮材240からなるフィルム状体を予め便座200の筐体210の形状に成形した後、フィルム状体を含んだ金型に筺体210の材料を射出しフィルム状体と筺体210を接合して成形する方法である。
図17は、本実施形態の便座の断面構成1を表す断面模式図である。図18は、本実施形態の便座の断面構成2を表す断面模式図である。また、図19は本実施形態の便座の断面構成3を表す断面模式図である。なお、図17から図19は、図3に表した断面模式図のエリアC相当の拡大図である。
図17に表した断面構成1は、3次元ラミネート成形を想定した断面構成である。保護機能かつ、または加飾機能を有する保護加飾材260と、接着機能を有する接着材261からなる表皮材240からなるフィルム状体を、予め筺体210の表層に溝を成形し導電体231と接続導電体250を埋設した後に、筺体210の形状に合わせて3次元成形しつつ、フィルム状体と筺体210を接合して成形した断面構造である。
なお、予め実施する、筺体210の表層に溝を成形し導電体231と接続導電体250を埋設する製造方法は、印刷、メッキ、塗装などがあげられる。
保護加飾材260の保護機能は、便座200に着座する人体との接触によるキズ等による意匠性の低下を防止する機能であり、加飾機能は、便座装置本体と便座200の色調を同一とする機能である。また、保護加飾材260は、ポリエチレンテレフタラート(PET)などの材料で構成してもよい。接着材261は、それぞれの導電体231が絶縁できるよう絶縁性を有しており、筺体210と異なる樹脂材262でも筺体と同一の樹脂部材でも構成してよい。
図18に表した断面構成2は、フィルムインサート成型を想定した断面構成図である。保護機能かつ、または加飾機能を有する保護加飾材260と、接着機能を有する接着材261からなる表皮材240からなるフィルム状体を、予め便座200の筐体210の形状に成形した後、フィルム状体を含んだ金型に筺体210の材料を射出しフィルム状体と筺体210を接合して成形した断面構造である。
図19に表した断面構成3は、図18に表した断面構成2の密着材を、樹脂材と接着材で分離した断面構成である。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや導電体231や絶縁部233や誘導加熱コイル222の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100 暖房便座装置、 200、200a 便座、201 開口部、 210 筐体、 210a 上面、 222 誘導加熱コイル、230 発熱部、 231、231a 232、232a、232b、232c 導電体、250、250a、250b 接続導電体、233 絶縁部、240 表皮材、260 保護加飾材、261 接着剤、262樹脂材、280 支持体、 300 便蓋、 400 ケーシング、 501 磁界、 503、503a、503b、503c 渦電流、 511、512、513、514、515、516、517 損傷、800 洋式腰掛便器

Claims (2)

  1. 便座と、
    供給された高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、
    前記便座に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される発熱部と、
    を備え、
    前記発熱部は、複数の環状の導電体と、互いに隣接する前記導電体の間に挟設された絶縁部とを有し、
    前記互いに隣接する導電体同士は、一箇所の接続導電体にて接続されていることを特徴とする暖房便座装置。
  2. 便座と、
    供給された高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、
    前記便座に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される発熱部と、
    を備え、
    前記発熱部は、複数の環状の導電体と、互いに隣接する前記導電体の間に挟設させれた絶縁部とを有し、
    前記互いに隣接する導電体同士は、接続導電体にて接続されており、
    前記導電体に生じる渦電流が前記接続導電体により隣接する導電体に流れる向きと、隣接された導電体に生じる渦電流の向きとが、逆方向になるように、前記複数の環状の導電体は、構成されていることを特徴とする暖房便座装置。
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