JP6175468B2 - 光導波路素子 - Google Patents

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Description

この発明は、光を複数の経路に分岐させる光導波路素子に関する。
情報伝達量の増大に伴い、光配線技術が注目されている。光配線技術では、光ファイバや光導波路素子を伝送媒体とした光デバイスを用いて、情報処理機器内の素子間、ボード間又はチップ間等の情報伝達を光信号で行う。その結果、高速信号処理を要する情報処理機器においてボトルネックとなっている、電気配線を使用することによる帯域制限を改善することができる。
光デバイスとして、特にシリコン(Si)を導波路の材料として用いる光導波路素子(以下、Si光導波路素子)が注目を集めている。Si光導波路素子では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えば石英(SiO)等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば数μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
また、Si光導波路素子では、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の半導体装置の製造過程を流用することが可能である。そのため、チップ上に電子機能回路と光機能回路とを一括形成する光電融合(シリコンフォトニクス)の実現が期待されている(例えば特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
ここで、Si光導波路素子を利用して構成された光カプラがある。光カプラは、マッハツェンダ干渉器型光変調素子の合分波器、又は1つの光源から複数の並列光導波路に光を分岐するための分波器等として用いられる。光カプラとしては、Y分岐光導波路、MMI(Multimode Interferometer)カプラ又は方向性結合器等が知られている。
特開2011−77133号公報
e Proc. Of SPIE vol.6775 6775OK-1-6775OK-10 IEEE Journal of selected topics quantum electronics, vol.12, No.6, November/December 2006 p.1371-1379
Y分岐光導波路には、広い動作波長帯に対応できるという利点がある。しかし、Y分岐光導波路では、過剰損失を抑制するために、複数の出力ポート間の離間距離をできるだけ小さく設計する必要があるが、製造プロセス上の制限によって、複数の出力ポートを所望の離間距離まで狭められないことがある。その結果、分岐点において、散乱損失を生じるおそれがある。
また、MMIカプラでは、モード間干渉を利用して伝播光を分岐する。MMIカプラでは、干渉させるモード間の伝播定数差が、作成誤差等によって設計からずれてしまった場合、散乱損失や反射が生じるおそれがある。
また、方向性結合器には、過剰損失が小さいという利点がある。しかし、分岐比に対する波長依存性が大きく、さらに、分岐比が、作成誤差の影響を受けやすいという問題がある。
そこで、この発明の目的は、光を複数の経路に分岐させる光導波路素子であって、製造プロセス上の制限を受けにくく、また、作成誤差の影響を受けにくい光導波路素子を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明による第1の光導波路素子は、第1結合部を有する第1光導波路コアと、第2結合部、及び第2結合部に、並列に接続されたN(Nは、N≧2の自然数)個の入出力部を有する第2光導波路コアとを備えて構成される。第1結合部と第2結合部とが互いに離間しかつ並んで配置された、結合領域が設定されている。結合領域において、第1結合部及び第2結合部は、第1結合部を伝播する基本モード(0次モード)の光の伝播定数と、第2結合部を伝播するN−1次モードの光の伝播定数とが一致する幅をそれぞれ含み、かつ第1結合部を伝播する基本モードの光の伝播定数と、第2結合部を伝播するP(Pは、N−1<Pの自然数)次モード及びQ(Qは、N−1>Qの自然数)次モードの光の伝播定数とが一致する幅を含まない。入出力部は、N−1次モードの光のモードフィールドが有するN個のピークと一対一対応する位置に配置される。そして、第2結合部の幅をW3、及び各入出力部の第2結合部と接続される側の一端の幅をW5として、隣り合う入出力部間の各離間距離G1を、下式(a)〜(c)のいずれかを満たすように設定する。
W5=(W3−N・G1)/N ・・・(a)
W5={W3−(N−0.5)・G1}/N ・・・(b)
W5={W3−(N−1)・G1}/N ・・・(c)
離間距離G1を、上式(a)を満たすように設計する場合には、第2結合部の一方の側面と、一方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離、及び第2結合部の他方の側面と、他方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離を、離間距離G1の1/2とする。また、離間距離G1を、上式(b)を満たすように設計する場合には、第2結合部の一方の側面と、一方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離、及び第2結合部の他方の側面と、他方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離を、離間距離G1の1/4とする。また、離間距離G1を、上式(c)を満たすように設計する場合には、第2結合部の一方の側面と、一方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離、及び第2結合部の他方の側面と、他方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離を0とする。
この発明による第2の光導波路素子は、第1結合部を有する第1光導波路コアと、第2結合部、及び第2結合部に、並列に接続されたN(Nは、N≧2の自然数)個の入出力部を有する第2光導波路コアとを備えて構成される。第1結合部と第2結合部とが互いに離間しかつ並んで配置された、結合領域が設定されている。結合領域において、第1結合部及び第2結合部は、第1結合部を伝播する基本モードの光の伝播定数と、第2結合部を伝播するN−1次モードの光の伝播定数とが一致する幅をそれぞれ含み、かつ第1結合部を伝播する基本モードの光の伝播定数と、第2結合部を伝播するP(Pは、N−1<Pの自然数)次モード及びQ(Qは、N−1>Qの自然数)次モードの光の伝播定数とが一致する幅を含まない。入出力部は、N−1次モードの光のモードフィールドが有するN個のピークと一対一対応する位置に配置される。さらに、第2結合部と入出力部との間に、第2結合部の幅からN−1次モードの光のモードフィールドに対応した幅まで、連続的に幅が変化する接続部を備える。そして、接続部の幅をW4、及び各入出力部の接続部と接続される側の一端の幅をW5として、隣り合う入出力部間の各離間距離G1を、下式(d)〜(f)のいずれかを満たすように設定する。
W5=(W4−N・G1)/N ・・・(d)
W5={W4−(N−0.5)・G1}/N ・・・(e)
W5={W4−(N−1)・G1}/N ・・・(f)
離間距離G1を、上式(d)を満たすように設計する場合には、接続部の一方の側面と、一方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離、及び接続部の他方の側面と、他方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離を、離間距離G1の1/2とする。また、離間距離G1を、上式(e)を満たすように設計する場合には、接続部の一方の側面と、一方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離、及び接続部の他方の側面と、他方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離を、離間距離G1の1/4とする。また、離間距離G1を、上式(f)を満たすように設計する場合には、接続部の一方の側面と、一方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離、及び接続部の他方の側面と、他方の側面側の最端に位置する入出力部との離間距離を0とする。
この発明の光導波路素子では、結合領域において、第1結合部を伝播する基本モード、及び第2結合部を伝播するN−1次モードの伝播定数が一致する幅を、第1結合部及び第2結合部が含む。そのため、第1光導波路コアを伝播する基本モードの光を、N−1次モードに変換して第2光導波路コアへ移行させることができる。そして、第2光導波路コアは、N−1次モードが有するピークの数(N個)及び位置に対応する、複数の入出力部を有している。そのため、N−1次モードの光をピーク毎に分岐して、複数の入出力部から出力することができる。
従って、第2光導波路コアには、N−1次モードのモードフィールドに対応した幅を利用して、複数の入出力部を設けることができる。そのため、この発明の光導波路素子では、第2光導波路コアの幅を広くすることができるので、製造プロセス上の制限を受けにくく、また、作成誤差の影響を受けにくい。
光導波路素子を示す概略図である。 図1に示す光導波路素子をI−I線で切り取った概略的端面図である。 第1及び第2結合部を伝播する光の伝播定数と伝播軸座標との関係を示す図である。 光導波路素子が備える第3接続部及び第2入出力部を示す概略図である。 各第2入出力部から出力される光の損失を示す図である。 第1結合部の幅と等価屈折率との関係を示す図である。 第1入出力部に入力される光の波長と、第2入出力部から出力される光の損失との関係を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(構成)
図1及び図2を参照して、この発明の実施の形態による光導波路素子について説明する。図1は、光導波路素子を示す概略的平面図である。なお、図1では、後述するクラッド層及び支持基板を省略して示してある。図2は、図1に示す光導波路素子をI−I線で切り取った概略的端面図である。
なお、図1において、光の概略的な伝搬方向を矢印Rで示す。ただし、光は逆過程が成り立つので、光の伝搬方向は矢印Rと反対方向でも成立する。また、以下の説明では、支持基板の厚さに沿った方向を厚さ方向とする。また、光の伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
光導波路素子100は、支持基板10、クラッド層20、第1光導波路コア30及び第2光導波路コア40を備えて構成されている。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
クラッド層20は、支持基板10上に、支持基板10の上面10aを被覆し、かつ第1光導波路コア30及び第2光導波路コア40を包含して形成されている。クラッド層20は、例えばSiOを材料として形成されている。
第1光導波路コア30及び第2光導波路コア40は、クラッド層20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料としてそれぞれ形成されている。その結果、第1光導波路コア30及び第2光導波路コア40は、実質的な光の伝送路として機能し、入力された光がこれらの平面形状に応じた伝播方向に伝播する。また、第1光導波路コア30及び第2光導波路コア40は、伝播する光が支持基板10へ逃げるのを防止するために、支持基板10の上面10aから例えば少なくとも1〜3μm程度の範囲内の距離で離間して形成されているのが好ましい。
第1光導波路コア30は、一体的に形成された第1入出力部31、第1接続部33及び第1結合部35が、この順に接続されて構成されている。
第1入出力部31は、一端31a側で他の光導波路素子と接続される。また、第1入出力部31は、他端31b側で第1接続部33と接続される。第1入出力部31の幅は、シングルモード条件を満たすように設定される。
第1接続部33は、一端33a側で第1入出力部31と接続される。また、第1接続部33は、他端33b側で第1結合部35と接続される。第1接続部33は、第1入出力部31の他端31bの幅から第1結合部35の一端35aの幅まで連続的に幅が変化するテーパ形状で形成されている。
第1結合部35は、一端35a側で第1接続部33と接続されている。ここでは、第1結合部35は、一端35aから他端35bに向かうにつれて幅が連続的に縮小するテーパ形状とされている。
第2光導波路コア40は、一体的に形成された第2結合部41、第2接続部43及び第3接続部45が、この順に接続されて構成されている。さらに、第2光導波路コア40は、複数の第2入出力部47を含んでいる。複数の第2入出力部47は、第3接続部45に、並列に接続されている。図1に示す構成例では、N(Nは、N≧2の自然数)個の第2入出力部47−1〜Nが、第3接続部45に接続されている。
第2結合部41は、マルチモード光導波路として構成されている。第2結合部41は、少なくともN−1次モードまでの光を伝播させる幅で形成されている。ここでは、第2結合部41は、一端41aから他端41bまで一定の幅で形成されている。また、第2結合部41は、他端41b側で第2接続部43と接続されている。
第2接続部43は、一端43a側で第2結合部41と接続される。また、第2接続部43は、他端43b側で第3接続部45と接続される。第2接続部43は、第2結合部41を伝播する光のモード次数を維持した状態で、第2結合部41から第3接続部45へ光を伝播させる。
また、第2接続部43は、第2結合部41の他端41bの幅から第3接続部45の一端45aの幅まで連続的に幅が変化するテーパ形状で形成されている。第2結合部41の幅は、第1結合部35を伝播する基本モードの光を、N−1次モードに変換して第2結合部41に移行できるように最適化されている。そのため、第2結合部41の幅は、必ずしもN−1次モードの光のモードフィールドがコア内に十分に強く閉じ込められるように最適化されていない。そこで、このテーパ形状の第2接続部43を設けることによって、N−1次モードの光のモードフィールドに対応するようにコアの幅を変更する。従って、第2接続部43の他端43bの幅は、N−1次モードの光のモードフィールドがコア内に閉じ込められるように設定される。
第3接続部45は、マルチモード光導波路として構成されている。第3接続部45は、少なくともN−1次モードまでの光を伝播させる幅で形成されている。第3接続部45は、一端45aから他端45bまで一定の幅で形成されている。この第3接続部45を設けることによって、第2接続部43から送られるN−1次モードの光のモードフィールドを確実にコア内に収めることができる。第3接続部45は、一端45a側で第2接続部43と接続される。また、第3接続部45は、他端45b側で第2入出力部47−1〜Nのそれぞれと接続される。
第2入出力部47−1〜Nは、それぞれ同一形状及び寸法で形成されている。そして、第2入出力部47−1〜Nは、それぞれ一端47a側で第3接続部45と接続される。第2入出力部47−1〜Nは、第3接続部45の他端45bに沿って、並列にかつ互いに離間して形成されている。第2入出力部47−1〜Nは、第3接続部45を伝播するN−1次モードの光のピーク位置に対応して設けられる。N−1次モードの光のモードフィールドには、N個のピークが存在する。従って、これらピークと一対一対応する位置に、第2入出力部47−1〜Nが配置される。ここでは、第2入出力部47−1〜Nは、一端47aから他端47bに向かうにつれて幅が連続的に縮小するテーパ形状とされている。第2入出力部47−1〜Nの幅は、少なくとも他端47bにおいてシングルモード条件を満たすように設定される。また、第2入出力部47−1〜Nは、他端47b側で他の光導波路素子と接続される。
さらに、第1光導波路コア30と第2光導波路コア40とが互いに離間しかつ並んで配置された、結合領域50が設定されている。
第1結合部35は、結合領域50に含まれる、第1光導波路コア30の領域として設定される。また、第2結合部41は、結合領域50に含まれる、第2光導波路コア40の領域として設定される。従って、第1結合部35と第2結合部41とは、互いに離間しかつ並んで配置されている。
結合領域50では、第1結合部35の一端35aと、第2結合部41の一端41aとが同じ側に配置される。また、第1結合部35の他端35bと、第2結合部41の他端41bとが同じ側に配置される。従って、第1入出力部31及び第1接続部33と、第2接続部43、第3接続部45及び第2入出力部47−1〜Nとは、結合領域50を挟んで、互いに反対の側に配置されている。
上述したように、ここでは、第1結合部35は、一端35aから他端35bに向かうにつれて幅が連続的に縮小するテーパ形状とされている。従って、結合領域50において、図1に示す光の伝播方向Rに沿って、第1結合部35の幅が連続的に縮小する。なお、図1の構成例では、第1結合部35の一端35a及び第2結合部41の一端41aの面位置が一致し、かつ第1結合部35の他端35b及び第2結合部41の他端41bの面位置が一致するように設計されている。
結合領域50では、第1結合部35を伝播する基本モードの光と、第2結合部41を伝播するN−1次モードの光とが結合される。
光導波路素子100は、例えば、第1入出力部31に入力される光を、N個の第2入出力部47−1〜Nに分岐して出力する用途で用いられる。この場合には、第1入出力部31に基本モードの光が入力される。基本モードの光は、第1接続部33を経て第1結合部35に送られる。第1結合部35に送られた基本モードの光は、結合領域50において、N−1次モードの光に変換されて、第2結合部41に移行する。第2結合部41に移行したN−1次モードの光は、第2接続部43を経て第3接続部45に送られる。第3接続部45に送られたN−1次モードの光は、N−1次モードの光のモードフィールドに含まれるN個のピーク毎に分岐され、それぞれ第2入出力部47から出力される。
ここで、図3を参照して、結合領域50の設計について説明する。図3は、第1結合部35を伝播する光の伝播定数及び第2結合部41を伝播する光の伝播定数と、伝播軸座標(結合領域50の光伝播方向Rにおける座標)との関係を示す図である。図3では、縦軸に伝播定数を、また、横軸に伝播軸座標をそれぞれ任意単位でとって示している。ここでは、第1結合部35の一端35a及び第2結合部41の一端41a側の、結合領域50の一端50aを伝播軸座標の0としている。また、第1結合部35の他端35b及び第2結合部41の他端41b側の、結合領域50の他端50bを伝播軸座標のLとしている。なお、図3において、曲線61は第1結合部35を伝播する基本モードの光の伝播定数βaを示している。また、直線63は第2結合部41を伝播するN−2次モードの光の伝播定数βbを示している。また、直線65は第2結合部41を伝播するN−1次モードの光の伝播定数βcを示している。また、直線67は第2結合部41を伝播するN次モードの光の伝播定数βdを示している。
第1結合部35では、結合領域50の一端50aから他端50bに向かって幅が狭まるに従い、基本モードの光の伝播定数が小さくなる。一方、第2結合部41は一定幅であるので、結合領域50におけるN−2次モードの光、N−1次モードの光及びN次モードの光の伝播定数は一定となる。そして、結合領域50の一端50aから他端50bの間において、第1結合部35及び第2結合部41には、第1結合部35を伝播する基本モードの光の伝播定数と、第2結合部41を伝播するN−1次モードの光の伝播定数とが一致する点200が含まれる。この伝播定数が一致する点200に対応する幅を、第1結合部35及び第2結合部41が含むことによって、第1結合部35を伝播する基本モードの光と、第2結合部41を伝播するN−1次モードの光とが結合される。
すなわち、第1結合部35を伝播する基本モードの光の、結合領域50の一端50aにおける伝播定数をβa(0)、及び他端50bにおける伝播定数をβa(L)、並びに第2結合部41を伝播するN−1モードの光の伝播定数をβcとすると、βa(0)>βc>βa(L)の関係を満たすように、第1結合部35の一端35a及び他端35bの幅を設定することで、第1結合部35を伝播する基本モードの光と、第2結合部41を伝播するN−1次モードの光とが結合される。
このように結合領域50を設計することにより、結合領域50において、第1結合部35を伝播する基本モードの光が、N−1次モードに変換されて、第2結合部41へ移行する。
さらに、この実施の形態では、第1結合部35を伝播する基本モードの光の伝播定数と、第2結合部41を伝播するN次モード及びN−2次モードの光の伝播定数とが一致しないように、第1結合部35の一端35a及び他端35bの幅、並びに第2結合部41の幅が設定される。従って、結合領域50において、第1結合部35を伝播する基本モードの光と、第2結合部41を伝播するN次モード及びN−2次モードの光とは結合されない。なお、図3に示すように、モード次数が小さくなるに従って、伝播定数は大きくなる。従って、第1結合部35を伝播する基本モードの光は、第2結合部41を伝播するN次モード及びN−2次モードの光と結合されないのみでなく、P(Pは、N−1<Pの自然数)次モード及びQ(Qは、N−1>Qの自然数)次モードとの光と結合されない。
すなわち、第2結合部41を伝播するN−2次モードの光の伝播定数をβb、及びN次モードの光の伝播定数をβdとすると、βb>βa(0)>βd及びβb>βa(L)>βdの関係をともに満たすように、第1結合部35の一端35a及び他端35bの幅を設定することで、第1結合部35を伝播する基本モードの光と、第2結合部41を伝播するP次モード及びQ次モードの光との不所望な結合を防ぐことができる。
なお、この実施の形態では、第1結合部35を一端35aから他端35bに向かうにつれて幅が連続的に縮小するテーパ形状とし、かつ第2結合部41を一定幅とする構成例について説明した。しかし、第1結合部35及び第2結合部41の形状はこれに限定されない。第1結合部35及び第2結合部41の形状は、第1結合部35及び第2結合部41が、第1結合部35を伝播する基本モードの光の伝播定数と、第2結合部41を伝播するN−1次モードの光の伝播定数とが一致する点を含み、かつ第1結合部35を伝播する基本モードの光の伝播定数と、第2結合部41を伝播するP次モード及びQ次モードの光の伝播定数とが一致する点を含まない設計であればよい。例えば、第1結合部35を、一端35aから他端35bに向かうにつれて幅が連続的に拡大するテーパ形状とする構成や、第1結合部35及び第2結合部41の双方をテーパ形状とする構成等、第1結合部35及び第2結合部41の形状を適宜設定することができる。
次に、図4を参照して、第3接続部45及び第2入出力部47−1〜Nの設計について説明する。図4は、第3接続部45及び第2入出力部47−1〜Nを拡大して示す概略的平面図である。
N−1次モードの光70のモードフィールドは、N個のピークを含んでいる。各ピークは、第3接続部45の幅方向に等間隔で並んで存在する。そして、これらピークと一対一対応する位置に、第2入出力部47−1〜Nを配置することによって、第3接続部45から第2入出力部47−1〜Nへ伝播する光の損失を抑える。
第3接続部45の幅W4は、N−1次モードの光70のモードフィールドに対応して最適化される。従って、第3接続部45は、N−1次モードの光70のモードフィールドがコア内に閉じ込められ、かつ第3接続部45の側面45c及び45dにおいて光70のモード振幅が0となるように境界条件を設計するのが好ましい。
そのため、隣り合う第2入出力部47−1〜N間の離間距離G1を等間隔で配置する。さらに、光70のモード振幅が、第3接続部45の側面45c及び45dにおいて0となる場合には、一方の側面45cと、一方の側面45c側の最端に位置する第2入出力部47−1との離間距離G2、及び他方の側面45dと、他方の側面45d側の最端に位置する第2入出力部47−Nとの離間距離G3を、第2入出力部47−1〜N間の離間距離G1の1/2とする。このように、第2入出力部47−1〜Nを配置することによって、光70の各ピークと第2入出力部47−1〜Nとを一対一対応させることができる。
従って、第2入出力部47−1〜Nの一端47aの幅W5、及び隣り合う第2入出力部47−1〜N間の各離間距離G1を、下式(1)の関係を満たすように設定することによって、第3接続部45から第2入出力部47−1〜Nへ伝播する光の損失を抑えることができる。
W5=(W4−N・G1)/N ・・・(1)
ここで、上式(1)に係る設計条件は、第3接続部45の幅W4をN−1次モードの光70のモードフィールドに対して最適化し、第3接続部45の側面45c及び45dにおいて光70のモード振幅が0となる場合において有効である。
しかし、例えば製造プロセス上の制限により、第2入出力部47−1〜N間の離間距離G1を、任意に設定できない場合がある。その場合には、第3接続部45の幅W4よりも、第2入出力部47−1〜N間の離間距離G1を優先的に設定する必要がある。そのため、第3接続部45の幅W4をN−1次モードの光70のモードフィールドに対して、確実に最適化できないことがある。その結果、光70のモードフィールドが第3接続部45の幅方向に漏れ出し、光70の位相が0となる点が第3接続部45の側面45c及び45dの外側に存在することがある。
そこで、第3接続部45からのモードフィールドの漏れ出しの程度に応じて、光70の各ピークと第2入出力部47−1〜Nとを一対一対応させるべく、設計条件を上式(1)から適宜変更することが考えられる。第3接続部45から光70のモードフィールドが漏れ出す場合には、第2入出力部47−1〜Nの一端47aの幅W5、及び隣り合う第2入出力部47−1〜N間の各離間距離G1を、例えば下式(2)又は(3)の関係を満たすように設定することができる。
W5={W4−(N−0.5)・G1}/N ・・・(2)
W5={W4−(N−1)・G1}/N ・・・(3)
上式(2)を用いる場合には、一方の側面45cと、一方の側面45c側の最端に位置する第2入出力部47−1との離間距離G2、及び他方の側面45dと、他方の側面45d側の最端に位置する第2入出力部47−Nとの離間距離G3を、第2入出力部47−1〜N間の離間距離G1の1/4とする。
また、上式(3)を用いる場合には、一方の側面45cと、一方の側面45c側の最端に位置する第2入出力部47−1との離間距離G2、及び他方の側面45dと、他方の側面45d側の最端に位置する第2入出力部47−Nとの離間距離G3を0とする。すなわち、最端に位置する第2入出力部47−1及び47−Nの外端を、それぞれ側面45c及び45dと一致させる。
このように、製造プロセス等を考慮して、第3接続部45の幅W4、第2入出力部47−1〜Nの一端47aの幅W5、及び隣り合う第2入出力部47−1〜N間の各離間距離G1を適宜設定することによって、第3接続部45から第2入出力部47−1〜Nへ伝播する光の損失を抑えることができる。
発明者は、上式(1)〜(3)の各設計条件で第3接続部45及び第2入出力部47−1〜Nを設計した場合の、それぞれの特性を評価するシミュレーションを行った。
このシミュレーションでは、8つのピークを有する7次モードの光を、8個の第2入出力部47に分岐して出力する場合を想定した。そして、上式(1)〜(3)の各設計条件で第3接続部45及び第2入出力部47−1〜Nを設計した場合における、8個の第2入出力部47からの出力光の各損失を確認した。ここでは、隣り合う第2入出力部47間の各離間距離G1を0.3μm、及び各第2入出力部47の一端47aの幅W5を0.5μmとし、上式(1)〜(3)の各設計条件に応じて、第3接続部45の幅W4を設定した。解析にはBPM(Beam Propagation Method)を用い、伝播する光として波長1550nmのTE(Transverse Electric)偏波を想定した。
このシミュレーションの結果を、図5に示す。図5は、上式(1)〜(3)の各設計条件で第3接続部45及び第2入出力部47−1〜Nを設計した場合の、各第2入出力部47それぞれの光の損失を示す図である。図5では、縦軸に損失をdB目盛で、また、横軸に第1〜第8の第2入出力部47に対応する番号を示してある。図5において、曲線71は上式(1)に係る設計条件で、曲線72は上式(2)に係る設計条件で、及び曲線73は上式(3)に係る設計条件で、それぞれ第3接続部45及び第2入出力部47−1〜Nを設計した場合の損失をそれぞれ示す。
図5に示すように、上式(2)の設計条件を用いた場合には、上式(1)又は(3)の設計条件を用いた場合と比べ、各第2入出力部47の損失が平均的に抑えられ、かつ各第2入出力部47の損失がそれぞれ近い値となった。従って、第2入出力部47間の各離間距離G1を0.3μm、及び各第2入出力部47の一端47aの幅W5を0.5μmとした場合には、上式(2)の設計条件を用いることで、各第2入出力部47からの出力特性を安定化することができる。
このように、第2入出力部47間の各離間距離G1や第2入出力部47の一端47aの幅W5が、製造プロセス上の制限等により固定される場合には、図5に係るシミュレーションを行い、最適な設計条件を選択するのがよい。これによって、第2入出力部47からの光の損失を抑え、各第2入出力部47からの出力特性を安定化することができる。
以上に説明したように、光導波路素子100では、基本モードの光を、N−1次モードに変換することにより、N−1次モードが有するピークの数(N個)に対応する、複数の第2入出力部47へ分岐することができる。従って、N−1次モードのモードフィールドに対応した幅を利用して、複数の第2入出力部47を設けることができる。そのため、製造プロセス上の制限を受けにくく、また、製造誤差の影響も受けにくい。
また、製造プロセス上の制限を受ける場合であっても、第3接続部45の幅W4、隣り合う第2入出力部47間の各離間距離G1、及び第2入出力部47の一端47aの幅W5を適宜設定することによって、第2入出力部47の損失を抑えられる。
また、光導波路素子100では、第1結合部35及び第2結合部41の一方又は双方を、適宜テーパ形状とすることによって、作成誤差に対する製造トレランスを確保しつつ、第1結合部35及び第2結合部41間で光を結合することができる。さらに、テーパ形状の第1接続部33及び第2接続部43を設けること、又は第2入出力部47をテーパ形状とすることによっても、作成誤差に対する製造トレランスを確保できる。
なお、例えば、N−1次モードのモード次数が小さい場合には、第1結合部35及び第2結合部41間の結合条件として第2結合部41に設定された幅であっても、N−1次モードのモードフィールドをコア内に十分に閉じ込められることがある。その場合には、第2接続部43を省略することもできる。また、第2接続部43の長さを十分に確保できる場合には、第3接続部45を設けなくても、モードフィールドを安定化することができる。その場合には、第3接続部45を省略することができる。
第3接続部45を省略する場合には、第2接続部43の他端43bに第2入出力部47が接続される。その場合には、第2入出力部47は、式(1)〜(3)に係る設計条件において、第2接続部43の他端43bの幅W4を利用して設計される。また、第2接続部43及び第3接続部45をともに省略する場合には、第2結合部41の他端41bに第2入出力部47が接続される。その場合には、第2入出力部47は、式(1)〜(3)に係る設計条件において、第3接続部45の幅W4に替えて、第2結合部41の幅W3を利用して設計される。
(特性評価)
発明者は、光導波路素子100の特性を評価するシミュレーションを行った。以下、このシミュレーションに用いた光導波路素子100の設計及び結果について説明する。
まず、シミュレーションに用いた光導波路素子100について説明する。
支持基板10並びに第1光導波路コア30及び第2光導波路コア40をSiで構成し、クラッド層20をSiOで構成した。第1光導波路コア30及び第2光導波路コア40の厚さは220nmとした。
ここでは、第1入出力部31に入力した光を8分岐して、第2入出力部47から出力する構成例を想定した。従って、光導波路素子100が8個の第2入出力部47を備えることを想定した。また、結合領域50において、第1結合部35を伝播する基本モードの光を、7次モードの光に変換して第2結合部41に移行する条件を設定した。
第2結合部41の設計条件として、少なくとも7次モードの光を伝播可能な幅を選択する必要がある。また、第1結合部35を伝播する基本モードの光が、第2結合部41を伝播する6次モード以下及び8次モード以上の光と結合することを防ぐために、7次モードの伝播定数と6次モード及び8次モードの伝播定数とに大きな差があることが好ましい。このような条件を考慮し、FEM(Finite Element Method)を用いて、第2結合部41の幅W3を2.6μmに決定した。なお、W3=2.6μmの条件では、第2結合部41を8次モード以上の光が伝播しない。
表1に、W3=2.6μmとした場合の第2結合部41における各モードと等価屈折率との関係を示す。なお、等価屈折率は伝播定数に比例する。
Figure 0006175468
次に、表1の各モードと等価屈折率との関係を利用して、第1結合部35を設計した。第1結合部35の設計条件は、第1結合部35を伝播する基本モードの光の等価屈折率と、第2結合部41を伝播する7次モードの光の等価屈折率とが一致する幅を含むことである。また、第1結合部35を伝播する基本モードの光の等価屈折率と、第2結合部41を伝播する6次モード以下及び8次モード以上の光の等価屈折率とが一致する幅を、第1結合部35が含まないことで、第1結合部35を伝播する基本モードの光が、第2結合部41を伝播する7次モード以外の光と結合することを防ぐ。
図6に、第1結合部35の幅と等価屈折率との関係を示す。図6では、縦軸に等価屈折率を任意単位で、また、横軸に第1結合部35の幅をμm単位でとって示している。なお、図6において、曲線81は第1結合部35を伝播する基本モードの光に対する等価屈折率Neff1を示している。また、直線83は第2結合部41を伝播する6次モードの光に対する等価屈折率Neff2を示している。また、直線85は第2結合部41を伝播する7次モードの光に対する等価屈折率Neff3を示している。また、直線87は第2結合部41を伝播する8次モードの光に対する等価屈折率Neff4を示している。
図6に示すように、W3=2.6μmの第2結合部41を伝播する7次モードの光の等価屈折率と、第1結合部35を伝播する基本モードの光の等価屈折率とが一致する、第1結合部35の幅は、0.26μmである。また、第1結合部35の幅が、0.33μmよりも小さければ、第1結合部35を伝播する基本モードの光が、第2結合部41を伝播する6次モード以下の光と結合しない。なお、ここでは、第2結合部41の幅W3が、8次モード以上の光に対してカットオフとなるように設定されているので、第1結合部35を伝播する基本モードの光は、第2結合部41を伝播する8次モード以上の光とも結合しない。
図6の結果から、第1結合部35の一端35aの幅W1及び他端35bの幅W2が0.33μmよりも小さく、かつ第1結合部35が0.26μmの幅を含むことによって、第1結合部35を伝播する基本モードの光を、第2結合部41を伝播する7次モードの光と結合し、かつ6次モード以下及び8次モード以上の光と結合しない構成とすることができる。ここでは、第1結合部35の一端35aの幅W1を0.29μm及び他端35bの幅W2を0.23μmとし、一端35aから他端35bに向かうにつれて幅が連続的に縮小するテーパ形状とした。
また、FDTD(Finite Differential Time Domain)を用いて、結合領域50における、最適な第1結合部35及び第2結合部41の離間距離、及び結合領域50の長さ(すなわち結合長)を決定した。ここでは、第1結合部35及び第2結合部41の離間距離を0.4μm、及び結合領域50の長さを40μmに決定した。
また、第2接続部43の他端43bの幅、すなわち第3接続部45の幅W4を10μmに設定した。そして、第2接続部43の長さを、7次モードのモードフィールドを維持しつつ、拡大できる長さとして、50μmに決定した。
さらに、このシミュレーションでは、一例として上式(3)を用いて、隣り合う第2入出力部47間の各離間距離G1、及び第2入出力部47の一端47aの幅W5を決定した。ここでは、上式(3)に係る設計条件として、最端に位置する2つの第2入出力部47の外端を、それぞれ側面45c及び45dと一致させた。そして、第2入出力部47間の各離間距離G1を0.3μm、及び第2入出力部47の一端47aの幅W5を0.9875μmに決定した。
このように設計した光導波路素子100に対し、第1入出力部31から基本モードのTE偏波を入力した。そして、8個の第2入出力部47から出力されるそれぞれの光について損失を確認した。
このシミュレーションの結果を、図7に示す。図7は、入力光の波長と、8個の第2入出力部47から出力されるそれぞれの光の損失との関係を示す図である。図7では、縦軸に、出力光の入力光に対する損失をdB目盛で、また、横軸に波長をμm単位でとって示してある。図7における各曲線は、8個の第2入出力部47から出力される光の損失を示している。
図7に示すように、光導波路素子100では、各第2入出力部47の損失がそれぞれ近い値となり、出力特性が安定していることがわかる。また、光を2分岐する所謂3dBカプラに鑑みると、光を8分岐する分岐素子の内在的な分岐損失は−9dBであると考えられる。従って、図7から、各第2入出力部47の過剰損失が−2dB以下に抑えられていることがわかる。さらに、波長1.52〜1.58μmの範囲内において、各第2入出力部47の損失がほぼ均等となり、光導波路素子100の動作波長帯が広いことが確認された。
10:支持基板
20:クラッド層
30:第1光導波路コア
31:第1入出力部
33:第1接続部
35:第1結合部
40:第2光導波路コア
41:第2結合部
43:第2接続部
45:第3接続部
47:第2入出力部
50:結合領域
100:光導波路素子

Claims (3)

  1. 第1結合部を有する第1光導波路コアと、
    第2結合部、及び該第2結合部に、並列に接続されたN(Nは、N≧2の自然数)個の入出力部を有する第2光導波路コアとを備え、
    前記第1結合部と前記第2結合部とが互いに離間しかつ並んで配置された、結合領域が設定されており、
    前記結合領域において、前記第1結合部及び前記第2結合部は、前記第1結合部を伝播する基本モードの光の伝播定数と、前記第2結合部を伝播するN−1次モードの光の伝播定数とが一致する幅をそれぞれ含み、かつ前記第1結合部を伝播する基本モードの光の伝播定数と、前記第2結合部を伝播するP(Pは、N−1<Pの自然数)次モード及びQ(Qは、N−1>Qの自然数)次モードの光の伝播定数とが一致する幅を含まず、
    前記入出力部は、N−1次モードの光のモードフィールドが有するN個のピークと一対一対応する位置に配置され、
    前記第2結合部の幅をW3、及び各前記入出力部の前記第2結合部と接続される側の一端の幅をW5として、隣り合う前記入出力部間の各離間距離G1を、下式(a)〜(c)のいずれかを満たすように設定し、
    前記離間距離G1を、下式(a)を満たすように設計する場合には、前記第2結合部の一方の側面と、該一方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離、及び前記第2結合部の他方の側面と、該他方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離を、前記離間距離G1の1/2とし、
    前記離間距離G1を、下式(b)を満たすように設計する場合には、前記第2結合部の一方の側面と、該一方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離、及び前記第2結合部の他方の側面と、該他方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離を、前記離間距離G1の1/4とし、
    前記離間距離G1を、下式(c)を満たすように設計する場合には、前記第2結合部の一方の側面と、該一方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離、及び前記第2結合部の他方の側面と、該他方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離を0とする
    ことを特徴とする光導波路素子。
    W5=(W3−N・G1)/N ・・・(a)
    W5={W3−(N−0.5)・G1}/N ・・・(b)
    W5={W3−(N−1)・G1}/N ・・・(c)
  2. 第1結合部を有する第1光導波路コアと、
    第2結合部、及び該第2結合部に、並列に接続されたN(Nは、N≧2の自然数)個の入出力部を有する第2光導波路コアとを備え、
    前記第1結合部と前記第2結合部とが互いに離間しかつ並んで配置された、結合領域が設定されており、
    前記結合領域において、前記第1結合部及び前記第2結合部は、前記第1結合部を伝播する基本モードの光の伝播定数と、前記第2結合部を伝播するN−1次モードの光の伝播定数とが一致する幅をそれぞれ含み、かつ前記第1結合部を伝播する基本モードの光の伝播定数と、前記第2結合部を伝播するP(Pは、N−1<Pの自然数)次モード及びQ(Qは、N−1>Qの自然数)次モードの光の伝播定数とが一致する幅を含まず、
    前記入出力部は、N−1次モードの光のモードフィールドが有するN個のピークと一対一対応する位置に配置され、
    前記第2結合部と前記入出力部との間に、前記第2結合部の幅からN−1次モードの光のモードフィールドに対応した幅まで、連続的に幅が変化する接続部を備
    前記接続部の幅をW4、及び各前記入出力部の前記接続部と接続される側の一端の幅をW5として、隣り合う前記入出力部間の各離間距離G1を、下式(d)〜(f)のいずれかを満たすように設定し、
    前記離間距離G1を、下式(d)を満たすように設計する場合には、前記接続部の一方の側面と、該一方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離、及び前記接続部の他方の側面と、該他方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離を、前記離間距離G1の1/2とし、
    前記離間距離G1を、下式(e)を満たすように設計する場合には、前記接続部の一方の側面と、該一方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離、及び前記接続部の他方の側面と、該他方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離を、前記離間距離G1の1/4とし、
    前記離間距離G1を、下式(f)を満たすように設計する場合には、前記接続部の一方の側面と、該一方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離、及び前記接続部の他方の側面と、該他方の側面側の最端に位置する前記入出力部との離間距離を0とする
    ことを特徴とする光導波路素子。
    W5=(W4−N・G1)/N ・・・(d)
    W5={W4−(N−0.5)・G1}/N ・・・(e)
    W5={W4−(N−1)・G1}/N ・・・(f)
  3. 前記結合領域において、前記第1結合部及び前記第2結合部の一方又は双方がテーパ形状である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路素子。
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