JP6175109B2 - 毛髪処理剤及び変性ペプチドの毛髪浸透方法 - Google Patents

毛髪処理剤及び変性ペプチドの毛髪浸透方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定の変性ペプチドが配合された毛髪処理剤及び変性ペプチドの毛髪浸透方法に関するものである。
タンパク質を加水分解して得られるペプチドは、毛髪の修復効果やコンディショニング効果を期待して、毛髪用途とされる組成物に配合される。また、そのようなペプチドの効果の向上や機能の付加を目指した研究開発が行われており、カチオン化、アシル化又はシリル化したペプチド誘導体が知られている。
特許文献1には、毛髪用処理剤に配合されるペプチド誘導体として、チオグリコール酸塩を用いてカルボキシメチルジスルフィド基をペプチドに導入した変性ペプチドが開示されている。この変性ペプチドによれば、毛髪内における修復効果が期待できるとされている。
また、特許文献2には、チオグリコール酸塩、チオ乳酸塩又はチオリンゴ酸塩を用い、導入基がカルボキシル基を有する変性ペプチドが開示されている。
特開2011−144127号公報 特開2012−056855号公報
ところで、損傷を受けた毛髪に対して、毛髪内部を補修するために変性ペプチドの毛髪内部への浸透性を高めることが望まれている。
本発明は上記要望に基づいてなされたものであり、本発明は、pHが酸性条件においても変性ペプチドの毛髪内部への浸透性を向上させることが可能な毛髪処理剤及び変性ペプチドの毛髪浸透方法を提供することを目的とする。
本発明者等が鋭意検討を行った結果、所定の変性ペプチドを配合した毛髪処理剤においてpH3.5以上5.5以下であったとしても、アニオン界面活性剤を配合すれば、上記変性ペプチドの毛髪への浸透性が高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る毛髪処理剤は、pH3.5以上5.5以下の毛髪処理剤であって、(A)下記式(I)で表される構造を有する側鎖基、下記式(I)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造の塩を有する側鎖基から選ばれる側鎖基を一種又は二種以上備える変性ペプチド、及び、(B)アニオン界面活性剤が配合されている。
−S−S−(CH−COOH (I)
(式(I)中、nは1又は2である。)
−S−S−CH(CH)−COOH (II)
−S−S−CH(COOH)−CH−COOH (III)
上記毛髪処理剤の(B)アニオン界面活性剤は、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩から選択される一種又は二種以上である。
上記毛髪処理剤のpHは、例えば4.0以上5.5以下である。
上記毛髪処理剤は、例えば液状剤型である。
上記毛髪処理剤の粘度は、例えば1000mPa・s以下である。
本発明に係る変性ペプチドの毛髪浸透方法は、下記式(I)で表される構造を有する側鎖基、下記式(I)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造の塩を有する側鎖基から選ばれる側鎖基を一種又は二種以上備える変性ペプチドを、アニオン界面活性剤と共存させつつpHが3.5以上5.5以下の状態で毛髪に浸透させる。
−S−S−(CH−COOH (I)
(式(I)中、nは1又は2である。)
−S−S−CH(CH)−COOH (II)
−S−S−CH(COOH)−CH−COOH (III)
本発明に係る毛髪処理剤及び変性ペプチドの毛髪浸透方法によれば、pHが3.5以上5.5以下であっても、変性ペプチドの毛髪浸透性を向上させることができる。
実施例1a〜1d、比較例1a〜1cの蛍光顕微鏡観察写真。 実施例3a、比較例3aの蛍光顕微鏡観察写真。 実施例4a〜4h、比較例4a〜4bの分散状態を示す写真。 実施例5a〜5h、比較例5a〜5bの分散状態を示す写真。 実施例6a〜6d、比較例6aの分散状態を示す写真。 比較例7a〜5jの分散状態を示す写真。 実施例8a〜8k、比較例8aの分散状態を示す写真。 実施例9a〜9j、比較例9aの分散状態を示す写真。
本発明の一実施形態に係る毛髪処理剤及び変性ペプチドの毛髪浸透方法について、以下に具体例を挙げつつ説明する。
本実施形態の毛髪処理剤は、pHが3.5以上5.5以下の毛髪処理剤であって、(A)所定の変性ペプチド、及び、(B)アニオン界面活性剤が配合されている。毛髪処理剤においては、水が配合されていてもよく、水を配合する場合の配合量は例えば65質量%以上とすることができる。また、毛髪処理剤の原料として公知のものを任意原料として更に配合したものを、本実施形態の毛髪処理剤としても良い。
(A)変性ペプチド
本実施形態の毛髪処理剤には、所定の変性ペプチドが配合される。この所定の変性ペプチドは、2以上のアミノ酸のペプチド結合によって形成された主鎖と、この主鎖に結合する側鎖基を備える。
変性ペプチドの上記主鎖は、特に限定されない。この主鎖の例としては、システインを構成アミノ酸の一種としているペプチドの主鎖と同じものが挙げられる。また、システインを構成アミノ酸の一種としているペプチドの例としては、ケラチン、カゼインが挙げられる。ケラチンは、天然物由来のペプチドの中でもシステイン比率が高いものとして知られており、当該変性ペプチドが効率よく得られる原料となる。かかる観点から、変性ペプチドの主鎖はケラチンの主鎖と同じものが好適である。
所定の変性ペプチドは、下記式(I)で表される構造を有する側鎖基、下記式(I)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造の塩を有する側鎖基から選ばれる側鎖基を一種又は二種以上備える。
−S−S−(CH−COOH (I)
(式(I)中、nは1又は2である。)
−S−S−CH(CH)−COOH (II)
−S−S−CH(COOH)−CH−COOH (III)
上記式(I)で表される構造の塩、式(II)で表される構造の塩、式(III)で表される構造の塩は、それぞれ、カルボキシラートアニオンとカチオンとのイオン結合体である。そのカチオンとなる単位としては、例えば、NHなどのアンモニウム;Na、Kなどの金属原子;が挙げられる。
上記変性ペプチドは、分子量が小さいほど本実施形態において毛髪に浸透しやすく、毛髪処理剤に分散し易くなる。そのため、分子量が小さいほど毛髪処理剤のpHを低下させた際の毛髪への浸透性や毛髪処理剤における分散性への影響が小さい。また、分子量が大きいほど、本実施形態において毛髪に浸透しにくく、組成物のpHを低下させたときの分散性が低下する。この観点から、上記変性ペプチドの分子量は、70000以下が良く、50000以下が好ましく、30000以下がより好ましい。同分子量の下限は、特に限定されないが、例えば10000である。ここで、変性ペプチドの分子量については、Sodium Dodecyl Sulfate−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE法)による変性ペプチドのバンドと分子量マーカーのバンドとの相対距離から算出した分子量を、変性ペプチドの分子量とみなして採用する。
本実施形態に係る毛髪処理剤における上記変性ペプチドの配合量の下限は、特に限定されないが、変性ペプチドの毛髪浸透による毛髪特性の向上の観点から、例えば0.00001質量%が良く、0.0001質量%が好ましく、0.001質量%がより好ましく、0.01質量%が更により好ましい。一方、変性ペプチド配合量の上限は、多量配合によるコスト上昇抑制と毛髪処理剤の透明性向上の観点から、5質量%が良く、3質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、0.5質量%が更により好ましい。
本実施形態に係る毛髪処理剤における上記変性ペプチドは、例えば、特許第5798741号に開示されるような公知の製造方法により製造することができる。
(B)アニオン界面活性剤
本実施形態の毛髪処理剤には、アニオン界面活性剤が一種又は二種以上配合される。アニオン界面活性剤を配合することにより、変性ペプチドの毛髪浸透性を向上させることができる。
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤、硫酸系アニオン界面活性剤、リン酸系アニオン界面活性剤などが挙げられる。
(カルボン酸系アニオン界面活性剤)
前記カルボン酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸アミドエーテルカルボン酸塩、アシル乳酸塩などが挙げられる。
N−アシルアミノ酸塩としては、例えば、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルアスパラギン酸塩、N−アシルメチルアラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルプロリン塩、N−アシルサルコシン酸塩などが挙げられる。
アルキルエーテルカルボン酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸塩、アルキルグリコール酢酸塩などが挙げられる。
脂肪酸アミドエーテルカルボン酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミドエーテルカルボン酸塩などが挙げられる。
アシル乳酸塩としては、例えば、ステアロイル乳酸塩、イソステアロイル乳酸塩などが挙げられる。
(スルホン酸系アニオン界面活性剤)
前記スルホン酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルグリシジルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩などが挙げられる。
アルカンスルホン酸塩としては、例えば、アルキル(C14−18)スルホン酸Naなどが挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、例えば、テトラデセンスルホン酸塩などが挙げられる。
α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩としては、例えば、メチル2−スルホラウリン酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステルなどが挙げられる。
アシルイセチオン酸塩としては、例えば、ラウロイルイセチオン酸塩、ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸塩などが挙げられる。
アルキルグリシジルエーテルスルホン酸塩としては、例えば、アルキルグリセリルスルホン酸塩などが挙げられる。
アルキルスルホコハク酸塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)塩、スルホコハク酸ラウリル塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル塩、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)スルホコハク酸塩、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド塩などが挙げられる。
アルキルスルホ酢酸塩としては、例えば、ラウリルスルホ酢酸塩などが挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などが挙げられる。
アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、例えば、メチルナフタレンスルホン酸Naなどが挙げられる。
N−アシルメチルタウリン塩としては、ラウロイルメチルタウリン塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン塩、ミリストイルメチルタウリン塩、パルミトイルメチルタウリン、ステアロイルメチルタウリン塩などが挙げられる。
(硫酸系アニオン界面活性剤)
前記硫酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩、脂肪酸モノグリセリド硫酸塩などが挙げられる。
アルキル硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩、セチル硫酸塩、アルキル(C11,13,15)硫酸塩などが挙げられる。
アルキルエーテル硫酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(11〜15)エーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテル硫酸塩などが挙げられる。
アルキルアリールエーテル硫酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。
脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩などが挙げられる。
脂肪酸モノグリセリド硫酸塩としては、例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸塩などが挙げられる。
(リン酸系アニオン界面活性剤)
前記リン酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、脂肪酸アミドエーテルリン酸塩などが挙げられる。
アルキルリン酸塩としては、例えば、ラウリルリン酸塩、セチルリン酸塩などが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜15)エーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸塩などが挙げられる。
アルキルアリールエーテルリン酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸塩などが挙げられる。
脂肪酸アミドエーテルリン酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルモノエタノールアミドリン酸塩などが挙げられる。
変性ペプチドの毛髪浸透性を十分に向上させる観点から、アニオン界面活性剤の中でも、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩のいずれか一種又は二種以上を配合することが好ましい。
なお、変性ペプチドの毛髪浸透性及び毛髪処理剤における変性ペプチドの分散性をより向上させる上でアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩のいずれか一種又は二種以上を配合することが特に好ましい。
本実施形態の毛髪処理剤におけるアニオン界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、変性ペプチドの毛髪浸透性と分散性の向上を発揮させるために変性ペプチドが1質量部に対してアニオン界面活性剤を1質量部以上30質量部以下が良く、3質量部以上15質量部以下が好ましい。毛髪処理剤におけるアニオン界面活性剤の配合量の下限は、特に限定されるものではないが、0.00001質量%以上が良く、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。また毛髪処理剤におけるアニオン界面活性剤の配合量の上限は、30質量%以下が良く、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
特に、毛髪処理剤におけるアニオン界面活性剤としてアルキルエーテル硫酸塩を配合させる場合には、変性ペプチドの毛髪浸透性と毛髪処理剤における変性ペプチドの分散性の向上の両効果を得る観点から、毛髪処理剤のpHは、3.5以上5.5以下が好ましく、4.0以上5.5以下がより好ましい。また、この場合において、アルキルエーテル硫酸塩の毛髪処理剤における配合割合は、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上20質量%以下がより好ましい。
特に、毛髪処理剤におけるアニオン界面活性剤としてアルキルエーテルカルボン酸塩を配合させる場合には、変性ペプチドの毛髪浸透性と毛髪処理剤における変性ペプチドの分散性の向上の両効果を得る観点から、毛髪処理剤のpHは、4.0以上5.5以下が好ましく、4.5以上5.5以下がより好ましい。また、この場合において、アルキルエーテルカルボン酸塩の毛髪処理剤における配合割合は、2質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上20質量%以下がより好ましく、7質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
特に、毛髪処理剤におけるアニオン界面活性剤としてα−オレフィンスルホン酸塩を配合させる場合には、変性ペプチドの毛髪浸透性と毛髪処理剤における変性ペプチドの分散性の向上の両効果を得る観点から、毛髪処理剤のpHは、3.5以上5.5以下が好ましく、4.0以上5.5以下がより好ましい。また、この場合において、α−オレフィンスルホン酸塩の毛髪処理剤における配合割合は、0.5質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、3質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
特に、毛髪処理剤におけるアニオン界面活性剤としてN−アシルアミノ酸塩を配合させる場合には、変性ペプチドの毛髪浸透性と毛髪処理剤における変性ペプチドの分散性の向上の両効果を得る観点から、毛髪処理剤のpHは、4.5以上5.5以下が好ましく、4.7以上5.5以下がより好ましい。また、この場合において、N−アシルアミノ酸塩の毛髪処理剤における配合割合は、4質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
(任意原料)
本実施形態の毛髪処理剤に配合される任意原料は、毛髪用処理剤の原料として公知のものから適宜に選定される。この任意原料は、例えば、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコール、低級アルコール、糖類、エステル油、油脂、脂肪酸、炭化水素、ロウ、シリコーン、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤などである。
(pH)
本実施形態の毛髪処理剤のpHは、25℃の条件で、3.5以上5.5以下である。pHを低く設定しても、アニオン界面活性剤が配合されているため、変性ペプチドの分散性の低下を抑え、本実施形態の毛髪処理剤の安定性を図れる。変性ペプチドの毛髪浸透性と分散性の向上をする上で好ましいpHは4.0以上5.5以下であり、特に好ましくは4.5以上5.5以下である。
(粘度)
本実施形態の毛髪処理剤の粘度は、特に限定されない。この粘度は、例えば1000mPa・s以下である。このような低い粘度であっても、変性ペプチドの分散性の低下が抑えられる。なお、上記粘度は、B型粘度計を使用し、適宜なローターを用いて、25℃でローター回転数12rpmとして計測したときの、計測開始から60秒後の値を意味している。
(用途)
本実施形態の毛髪処理剤は、変性ペプチドを毛髪内部に浸透させるために毛髪に対して塗布される。本実施形態の毛髪処理剤を毛髪に塗布して用いる場合には、上記任意原料を配合せず又は配合したものとすることができる。本発明の毛髪処理剤を使用する際の剤型は、例えば、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状(泡状)、霧状が挙げられる。
本発明の毛髪処理剤については、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント(例えば、洗い流さないトリートメント、洗い流すトリートメント、整髪兼用トリートメント、多剤式トリートメントの一構成剤、パーマの前処理のためのトリートメント、パーマの後処理のためのトリートメント、カラーリングの前処理のためのトリートメント、カラーリングの後処理のためのトリートメント、ブリーチの前処理のためのトリートメント、ブリーチの後処理のためのトリートメント)、整髪剤等として用いると良い。
本発明の毛髪処理剤を製造する場合に使用する原料は、例えば、毛髪処理剤の原料として公知のものから適宜に選定することができる。この原料は、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコール、低級アルコール、糖類、エステル油、油脂、脂肪酸、炭化水素、ロウ、シリコーン、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤などである。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
(変性ペプチド(I)液)
以下の還元工程、酸化剤混合工程、固液分離工程、回収工程、加水分解工程、及び調製工程に従い、上記式(I)で表される側鎖基(n=1)を備える変性ペプチドが分散する透明の変性ペプチド(I)液を得た。
還元工程:
中性洗剤で洗浄、乾燥させたメリノ種羊毛を、約5mmに切断した。この羊毛5.0質量部、30質量%チオグリコール酸ナトリウム水溶液15.4質量部及び6mol/L水酸化ナトリウム水溶液8.5質量部を混合し、さらに水を混合して全量150質量部、pH11の被処理液を調製した。この被処理液を、45℃、1時間の条件で攪拌した。次いで、さらに水を混合して全量を200質量部とし、45℃、2時間の条件で放置し、その後、液温が常温になるまで自然冷却した。
酸化剤混合工程:
還元工程後の被処理液を攪拌しながら、当該液に、35質量%過酸化水素水を15.26質量部配合した水溶液178質量部を、約30分かけて攪拌しながら混合した(過酸化水素水の混合に伴って被処理液のpHは上昇することになるが、その上昇は約20質量%酢酸水溶液を混合することでpH10以上11以下の範囲に調整した。)。その後、約20質量%酢酸水溶液を徐々に混合し、被処理液のpHが漸次11から7になるように調整した。
固液分離工程及び回収工程:
酸化剤混合工程で得られた液をろ過することによりその液の不溶物を除去した。その後、回収した液体部(ろ液)に36質量%塩酸水溶液97.2質量部を配合した水溶液160質量部を添加して液のpHを7から3.8にすることにより、変性ペプチド(I)の沈殿を生じさせた。この沈殿を回収、水洗し、固形状の変性ペプチド(I)を得た。
加水分解工程:
回収工程で得た固形状の変性ペプチド(I)を配合し、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールでpH10.5とした水溶液を、80℃で2時間加熱した。この加熱後の水溶液をろ過し、ろ液を得た。
調製工程:
加水分解工程で得たろ液と、フェノキシエタノール、1,3−ブチレングリコール、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及び水を配合し、変性ペプチド(I)液を得た。当該液は、変性ペプチド(I)が1質量%、フェノキシエタノール1質量%、1,3−ブチレングリコール3質量%、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン3質量%含ませたものであり、SDS−PAGE法では、変性ペプチド(I)のバンドが44000の分子量で認められた。
(毛髪浸透性)
変性ペプチド(I)の毛髪浸透性について次に示す評価方法及び評価基準に従って評価を行った。
(評価方法)
変性ペプチド(I)液を配合した毛髪処理剤の毛髪への浸透性を、次の(1)〜(6)の手順に従って評価した。
(1)変性ペプチド(I)液に、FTSC−MESを添加し、ゲルろ過カラムにより未反応のFTSCを除去した後、FTSC−MES添加後の変性ペプチド液を得る。そのFTSC−MESは、次の通り調製する。1.065質量部の2−(N−Morpholino)ethanesulfonic Acid(MES)を40質量部の水に溶解させた液に、0.2M−NaOH水溶液を滴下することにより、pH5.5のMES水溶液を調製し、MES水溶液中に、0.00042質量部の蛍光色素Fluorescein−5−thiosemicarbazide(FTSC)を溶解させ、水を加えて全量約50質量部とすることでFTSC−MESが調製される。(2)FTSC−MES添加後の変性ペプチド液に各種アニオン界面活性剤を加えたもの及びアニオン界面活性剤を加えないものを準備し、さらにクエン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールでpHを所定の値に調整する。(3)毛髪試料をシャンプーし、エタノール及び水で洗浄する。(4)前記(2)で調製された各変性ペプチド水溶液に、前記(3)で洗浄した毛髪を30分間浸漬後、その毛髪を水洗し、室温で乾燥させる。(5)乾燥後の根元部分の毛髪をミクロトームで切断する。(6)毛髪の切断面を蛍光顕微鏡観察(励起光波長:340nm)する。
前記(6)の手順の蛍光顕微鏡観察において、毛髪キューティクルの内側の毛髪中心部分までに蛍光を確認できれば、変性ペプチド(I)の毛髪浸透性を確認できる。毛髪中心部分まで蛍光が観察できるものは毛髪浸透性が優れていることを示す。
(評価基準)
◎:基準と比べて毛髪中心付近の蛍光を明確に確認できる
○:基準と比べて毛髪中心付近の蛍光を確認できる
―:基準と比べて毛髪中心付近の蛍光がほぼ同等
△:基準と比べて毛髪中心付近の蛍光がわずかに劣っている
×:基準と比べて毛髪中心付近の蛍光が明らかに劣っている
FTSC−MES添加後の変性ペプチド液にポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸Na、水を配合し、クエン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールでpHを調整した毛髪処理剤を下記表1の通りに製造した。比較対象としてアニオン界面活性剤を配合しない毛髪処理剤を製造した(比較例1c)。それらの毛髪処理剤の浸透性の評価結果を示す。また図1に実施例1a〜1d、比較例1a〜1cの蛍光顕微鏡観察写真を示す。
アニオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸Naを配合したFTSC−MES添加後の変性ペプチド(I)は基準(比較例1c:アニオン界面活性剤の配合なし)に比べ、pHが3.5〜5.0において毛髪への浸透性が向上していることがわかる。
次にFTSC−MES添加後の変性ペプチド(I)液に、各種アニオン界面活性剤(ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸Na、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸Na、テトラデセンスルホン酸Na、ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸Na)、水を配合してpH4.7に調整した毛髪処理剤を製造した。比較対象としてアニオン界面活性剤を配合しない毛髪処理剤を製造した(比較例2a)。これらの下記表2の通りに製造した毛髪処理剤の浸透性の評価結果を示す。
各種アニオン界面活性剤を配合したFTSC−MES添加後の変性ペプチド(I)は、基準(比較例2a:アニオン界面活性剤の配合なし)と比べて毛髪への浸透性が向上していることがわかる。
さらに、FTSC−MES添加後の変性ペプチド液に、アニオン界面活性剤としてのポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸Na、水を配合し、pHを4.5に調整した毛髪処理剤を下記表3の通りに製造した(実施例3a)。比較対象として、アニオン界面活性剤の代わりにカチオン界面活性剤としての塩化セチルトリメチルアンモニウムを水と共に配合し、同様にpHを4.5に調整した毛髪処理剤を下記表3の通りに製造した(比較例3a)。なお、実施例3aと比較例3aの分散性を同程度として浸透性を比較するために、比較例3aの塩化セチルトリメチルアンモニウムの配合量を少なめに調整した。これらの毛髪処理剤の浸透性の評価結果を示す。評価基準は表1と同様であり、比較例3aを基準として実施例3aを評価した。また図2に実施例3a、比較例3aの蛍光顕微鏡観察写真を示す。
アニオン界面活性剤を配合したFTSC−MES添加後の変性ペプチド(I)は、アニオン界面活性剤の代わりにカチオン界面活性剤を配合した基準(比較例3a)と比べて毛髪への浸透性が向上していることがわかる。
(分散性とpH)
変性ペプチド(I)の分散性についてアニオン界面活性剤の配合の有無及びpHの違いにより評価した。変性ペプチド(I)液に各種アニオン界面活性剤(ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸Na、テトラデセンスルホン酸Na、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸Na、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸Na)、水を配合し、クエン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いてpHを所定の値に調整した毛髪処理剤を製造した。比較対象としてアニオン界面活性剤を配合しない毛髪処理剤を製造した。評価方法及び評価基準は次に示す通りに行った。
(評価方法)
透明容器に変性ペプチド及びアニオン界面活性剤を配合し所定のpHに調整された毛髪処理剤を入れ静置した後、毛髪処理剤における変性ペプチド(I)の分散性を目視にて外観評価した。
(評価基準)
○:濁りがなく均一に分散している
△:濁りがあるが均一に分散している
×:白濁又は沈殿が生じ均一に分散していない
pHを5.5または5.0に調整した下記表4の通りの毛髪処理剤における変性ペプチド(I)の分散性の評価結果を示す。
アニオン界面活性剤を配合しない比較例4aは濁りが見られたが、各種アニオン界面活性剤を配合した実施例4a〜4dは変性ペプチド(I)の分散性が向上した事が確認できる。また、比較例4bは沈殿が見られたが、各種アニオン界面活性剤を配合した実施例4e〜4hは変性ペプチド(I)の分散性が向上した事が確認できる。
pHを4.5または4.0に調整した下記表5の通りの毛髪処理剤における変性ペプチド(I)の分散性の評価結果を示す。
アニオン界面活性剤を配合しない比較例5aは沈殿が見られたが、各種アニオン界面活性剤を配合した実施例5a〜5dは変性ペプチド(I)の分散性が向上した事が確認できる。また、比較例5bは沈殿が見られたが、アニオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸Na、テトラデセンスルホン酸Na、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸Naを配合した実施例5e〜5gは変性ペプチド(I)の分散性が向上した事が確認できる。
pHを3.5に調整した下記表6の通りの毛髪処理剤における変性ペプチド(I)の分散性の評価結果を示す。
アニオン界面活性剤を配合しない比較例6aは変性ペプチド(I)の沈殿が見られたが、アニオン界面活性剤であるテトラデセンスルホン酸Na、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸Naを配合した実施例6b、6cは変性ペプチド(I)の分散性が向上した事が確認できる。
pHを6.5または3.0に調整した下記表7の通りの毛髪処理剤における変性ペプチド(I)の分散性の評価結果を次に示す。
pH6.5においてはアニオン界面活性剤の配合の有無に関わらず変性ペプチド(I)の分散性に変化がない事が確認できる(比較例7a〜7e)。またpH3.0においては、アニオン界面活性剤の配合有無に関わらず変性ペプチド(I)の沈殿が見られた(比較例7f〜7j)。
表4〜7の結果から、pH3.0〜6.5の範囲においてアニオン界面活性剤を配合したものは、アニオン界面活性剤を配合しなかったものに比べて変性ペプチド(I)の分散性が同等であるかまたは分散性の向上が見られる。pH5.5〜4.5においてはアニオン界面活性剤を配合したものはすべて変性ペプチド(I)の分散性の向上が向上していることがわかる。またpH4.0及び3.5においてはアニオン界面活性剤であるテトラデセンスルホン酸Na、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸Naを配合したものについて変性ペプチド(I)の分散性の向上が見られる。
(分散性とアニオン界面活性剤の配合比率)
変性ペプチド(I)の分散性についてアニオン界面活性剤の配合比率の違いにより評価した。変性ペプチド(I)液に各種アニオン界面活性剤、水を配合し、クエン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いてpHを4.5に調整することにより毛髪処理剤を製造した。比較対象としてアニオン界面活性剤を配合しない毛髪処理剤を製造した。評価方法及び評価基準は上記の表4〜7と同様に行った。分散性の評価結果を表8、9に示す。
アニオン界面活性剤としてポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸Naまたはテトラデセンスルホン酸Naを配合した下記表8の通りの毛髪処理剤における変性ペプチド(I)の分散性の評価結果を示す。
変性ペプチド(I)が1質量部に対してポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸Naを3質量部以上配合した実施例8c〜8fにおいて変性ペプチド(I)の分散性が向上したことが確認できる。また変性ペプチド(I)に対してテトラデセンスルホン酸Naを1質量部以上配合した実施例8h〜8kにおいて変性ペプチド(I)の分散性が向上したことが確認できる。
アニオン界面活性剤としてポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸NaまたはN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸Naを配合した下記表9の通りの毛髪処理剤における変性ペプチド(I)の分散性の評価結果を示す。
変性ペプチド(I)が1質量部に対してポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸Naを2質量部以上配合した実施例9c〜9eにおいて変性ペプチド(I)の分散性が向上したことが確認できる。また変性ペプチド(I)に対してN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸Naを5質量部以上配合した実施例9i、9jにおいて変性ペプチド(I)の分散性が向上したことが確認できる。
(変性ペプチド(I)液と加水分解ケラチン溶液の分散性)
変性ペプチド(I)液と加水分解ケラチン溶液のpHの違いによる分散性を評価した。変性ペプチド(I)の比較対象として、市販品の加水分解ケラチンを使用し、加水分解ケラチンが1質量%となるように水を添加した加水分解ケラチン溶液を調製した。ここで、市販品の加水分解ケラチンとして、成和化成社製のプロモイスKR−30を用いた。pHは、クエン酸と2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いて所定の値に調整した。
分散性の評価方法及び評価基準は、上記表4〜9と同様とした。
変性ペプチド(I)液または加水分解ケラチン溶液をpH調整した下記表10の通りの試料における分散性の評価結果を示す。
表10の結果より変性ペプチド(I)液は、pHを3.0〜5.0にすることで変性ペプチド(I)の白濁又は沈殿が見られた。また、pHが2.5及び5.5においては変性ペプチド(I)が液中に均一に分散するものの濁りが見られた。比較対象の加水分解ケラチン溶液はpHを2.0〜4.5にすると加水分解ケラチンの白濁又は沈殿が見られ、pHが4.7のとき、加水分解ケラチンは液中に均一に分散するものの濁りが見られた。従って、変性ペプチド(I)液と加水分解ケラチン溶液とは、pHの違いによって異なる分散性を示すことが確認でき、両者を同等に扱うことができないことが分かる。

Claims (6)

  1. pHが3.5以上5.5以下である毛髪処理剤であって、
    (A)下記式(I)で表される構造を有する側鎖基、下記式(I)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造の塩を有する側鎖基から選ばれる側鎖基を一種又は二種以上備える分子量が70000以下の変性ペプチド、及び、
    −S−S−(CH2n−COOH (I)
    (式(I)中、nは1又は2である。)
    −S−S−CH(CH3)−COOH (II)
    −S−S−CH(COOH)−CH2−COOH (III)
    (B)アニオン界面活性剤
    が配合された毛髪処理剤。
  2. 前記(B)アニオン界面活性剤が、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩から選択される一種又は二種以上である請求項1に記載の毛髪処理剤。
  3. 前記pHが4.0以上5.5以下である請求項1又は2に記載の毛髪処理剤。
  4. 液状剤型である請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
  5. 粘度が1000mPa・s以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
  6. (A)下記式(I)で表される構造を有する側鎖基、下記式(I)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造を有する側鎖基、下記式(II)で表される構造の塩を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造を有する側鎖基、下記式(III)で表される構造の塩を有する側鎖基から選ばれる側鎖基を一種又は二種以上備える分子量が70000以下の変性ペプチドを、
    アニオン界面活性剤と共存させつつpHが3.5以上5.5以下の状態で毛髪に浸透させる
    変性ペプチドの毛髪浸透方法。
    −S−S−(CH2n−COOH (I)
    (式(I)中、nは1又は2である。)
    −S−S−CH(CH3)−COOH (II)
    −S−S−CH(COOH)−CH2−COOH (III)
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