JP6172132B2 - 車両用フレーム構造 - Google Patents

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本発明は、車両用フレーム構造に関し、特に圧縮側部分と引張側部分が協働して略矩形状の主閉断面を構成する車両用フレーム構造に関する。
従来より、高張力鋼板製フロントサイドフレームの先端部分に軸圧縮変形可能なクラッシュカン(クラッシュボックスとも言う)を設け、フロントサイドフレームの途中部から後端部に亙って積極的に曲げ変形可能な複数の衝撃吸収機構を採用することにより衝突時の衝撃エネルギ吸収量を増加させて、前突時の乗員保護を図っている(特許文献1)。
このような衝撃吸収機構では、フロントサイドフレームの曲げ変形によって吸収される衝撃荷重がエネルギ吸収量全体の大半を占めるため、曲げ変形によるエネルギ吸収特性は圧縮変形によるエネルギ吸収特性よりもEA(Energy Absorption)性能に与える影響が大きい。
そこで、本出願人は、フレームの主閉断面と協働して上下方向に隣り合うように形成された複数の副閉断面の横比を縦比よりも大きくすることにより、曲げ強度に寄与するフレーム領域を拡大することができるフレーム構造、換言すれば、支持可能な荷重と変形ストロークとの相関関係(以下、FS特性という)における許容限界荷重を一定ストロークの間維持可能なフレーム構造を既に提案している。
特許文献2のフレーム構造は、長手方向と直交する断面が細長矩形的な細長形状の複数の細長形状部を荷重入力時の圧縮側と引張側の中間の中立面が長辺と直交するように配置し、隣り合う細長形状部の互いに離隔した長辺同士を連結部で連結した車両用フレーム構造であって、前記連結部よりも圧縮側において前記隣り合う細長形状部の互いに離隔した長辺に夫々当接して前記細長形状部の前記長辺と直交する方向への傾倒を抑制する傾倒抑制部材を設けている。
特許第5504820号公報 特願2014−113803号
本発明者は、断面縦長矩形状のフレームの座屈現象の検討にあたり、フレームの変形挙動のメカニズムについてCAE(Computer Aided Engineering)による解析を行った。
まず、この解析の基本的な考え方について説明する。
図13に示すように、長手方向に延びる閉断面状鋼板製フレームモデルMと、このフレームモデルMの両端部を挟み込んだ状態でフレームモデルMの軸心を曲げるための荷重付与手段Tとを準備して、荷重点Pの変位と荷重点Pの反力とを解析した。
図13,図14(a),図14(b)に示すように、荷重付与手段Tは、枢支部Rを中心として回動可能な支持部Taと、荷重を付与する荷重点Pが形成され且つ支持部Ta側へ変位しつつ回動可能な支持部Tbとを有し、枢支部Rと荷重点Pを結ぶ直線がフレームモデルMの軸心から50mmオフセットしている。尚、フレームモデルMの各壁部を、圧縮荷重が作用する圧縮側壁部Ma、引張荷重が作用する引張側壁部Mb、各々の壁部の上下端部を夫々連結する上端壁部Mc及び下端壁部Mdとしている。
次に、フレームモデルMのFS特性に基づき解析結果について説明する。
図15に示すように、長手方向に延びる閉断面状フレームでは、所定変位においてピークとなる最大(許容限界)荷重26kNが発生し、座屈後、急激に荷重が低下する。
図16に示すように、座屈発生のメカニズムは、以下のように推測される。
許容限界を越えた荷重の付与によって圧縮側壁部Maに弾性座屈波Wが生じ、この弾性座屈波Wが上端壁部Mc及び下端壁部Mdに伝播することから、圧縮側壁部Maにおける弾性座屈波Wの谷領域mに対応した上端壁部Mc及び下端壁部Mdの山領域nに面外変形が夫々発生する。その結果、上端壁部Mc及び下端壁部Mdが夫々面外方向に膨出し且つ圧縮側壁部Maが二つ折りに折り畳まれて閉断面状フレームが座屈する。即ち、圧縮側壁部Ma、上端壁部Mc及び下端壁部Mdの弾性座屈波Wを減衰させることで、材料の塑性領域まで許容限界荷重を増加することができ、曲げ変形におけるEA効率を増加することができる。
特許文献2のフレーム構造は、副閉断面の横比を縦比よりも大きくすることにより、弾性座屈波の周期を減少できるため、フロントサイドフレームに座屈を生じさせる許容限界荷重を増加でき、この許容限界荷重を一定ストロークの間維持することができる。
しかし、このフレーム構造は、クラッシュカンの軸圧縮変形によって吸収されない衝撃荷重をフロントサイドフレームの曲げ変形により吸収する機構であるため、フロントサイドレイン(フレーム)の曲げ変形の起点部分から離隔した部分は、曲げ変形におけるEA効率増加に対して十分な貢献を果たしていない。
また、荷重入力方向(長手方向)に直交する断面の1辺の長さが長い場合、軸圧縮荷重の波長が長くなると共に振幅が増大して軸圧縮変形におけるEA効率が悪化することから、1辺の長さが不均一なフロントサイドレインの先端部分は、軸圧縮変形におけるEA効率増加にも寄与率が小さい。
本発明の目的は、曲げ変形におけるEA効率と軸圧縮変形におけるEA効率とを単一の補強部材で向上できる車両用フレーム構造等を提供することである。
請求項1の車両用フレーム構造は、圧縮荷重が作用する縦向きの圧縮側壁部を含む圧縮側部分と、引張荷重が作用する縦向きの引張側壁部を含み且つ前記圧縮側部分と協働して長手方向に直交する断面が略矩形状の主閉断面を構成する引張側部分と、前記主閉断面と協働して上下方向に隣り合う複数の副閉断面を形成する補強部材とを備えた車両用フレームにおいて、前記補強部材が、前記圧縮側壁部と引張側壁部を連結して前記主閉断面を上下に仕切る第1仕切壁部であって、前記圧縮側壁部から引張側に延びる第1圧縮側仕切部と前記引張側壁部から圧縮側に延びる第1引張側仕切部とを有する第1仕切壁部と、前記第1仕切壁部よりも下方位置で前記圧縮側壁部と引張側壁部を連結して前記主閉断面を上下に仕切る第2仕切壁部であって、前記圧縮側壁部から引張側に延びる第2圧縮側仕切部と前記引張側壁部から圧縮側に延びる第2引張側仕切部とを有する第2仕切壁部とを備え、前記第1,第2引張側仕切部の圧縮側端部の上下間隔が前記第1,第2圧縮側仕切部の引張側端部の上下間隔よりも小さく形成され、前記車両用フレームに長手方向から荷重が入力したとき、荷重入力側部分の前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差が、前記荷重入力側部分よりも荷重入力側部分に対して荷重入力部と反対側部分の前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差よりも小さくなるように形成されたことを特徴としている。
この車両用フレーム構造では、主閉断面内に上下方向に隣り合う複数の副閉断面を形成する第1,第2横仕切壁部を備えているため、副閉断面の縦横比を1以下に調整して許容限界荷重を増加でき、この許容限界荷重を一定ストロークの間維持することができる。
前記第1,第2引張側仕切部の圧縮側端部の上下間隔が前記第1,第2圧縮側仕切部の引張側端部の上下間隔よりも小さく形成されているため、引張側壁部に支持された第1,第2引張側仕切部の圧縮側端部の当接によってトラス形状を形成することができ、曲げ変形に伴う断面崩れを抑制することができる。
荷重入力側部分の前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差が、前記荷重入力側部分よりも荷重入力側部分に対して荷重入力部と反対側部分の前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差よりも小さくなるように形成されたため、長手方向に直交する断面の1辺の長さを短縮化でき、軸圧縮荷重の波長の短縮化と振幅の減少とを図ることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記荷重入力部近傍位置において、荷重入力部側程、前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差が小さくなるように形成されたことを特徴としている。
この構成によれば、軸圧縮変形によって吸収されない荷重を曲げ変形部分に連続的に伝達することができ、曲げ変形部分にて効率的に荷重を吸収することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記荷重入力部において、前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅とが同じ寸法に形成されたことを特徴としている。
この構成によれば、長手方向に直交する断面の1辺の長さを最短化することができ、軸圧縮変形におけるEA効率を増加することができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記第1圧縮側仕切部の引張側端部と第1引張側仕切部の圧縮側端部とを連結する第1連結部と、前記第2圧縮側仕切部の引張側端部と第2引張側仕切部の圧縮側端部とを連結する第2連結部とを設け、前記荷重入力時の圧縮と引張の中立面が、前記第1,第2圧縮側仕切部の引張側端部と第1,第2引張側仕切部の圧縮側端部との間に位置することを特徴としている。
この構成によれば、面外変形を抑制しつつ、引張側壁部に支持された第1,第2引張側仕切部の圧縮側端部の当接によるトラス形状を確実に形成することができる。
本発明の車両用フレーム構造によれば、曲げ変形におけるEA効率と軸圧縮変形におけるEA効率とを単一の補強部材で向上することができる。
実施例1に係るフロントサイドフレームをエンジンルーム内側から視た側面図である。 右側フロントサイドフレームの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 右側フロントサイドフレームの分解斜視図である。 第1補強部材の斜視図である。 第2補強部材の斜視図である。 第1,第2補強部材とエンジンマウント補強部材の左側側面図である。 第1,第2補強部材とエンジンマウント補強部材を右斜め上方から視た図である。 前面衝撃荷重の入力前の車両の状態を示す平面図である。 前面衝撃荷重の入力後の車両の状態を示す平面図である。 図11のXII−XII線断面図である。 閉断面状フレームの変形挙動に係る解析方法の説明図である。 閉断面状フレームの変形挙動であって、(a)は荷重を付与する前の状態図を示し、(b)は荷重を付与した後の状態図を示している。 従来の閉断面状フレームのFS特性を示すグラフである。 閉断面状フレームの弾性座屈を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両のフロントサイドフレームに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
尚、図において、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方とし、矢印U方向を上方として説明する。
以下、本発明の実施例1について図1〜図12に基づいて説明する。
まず、フロントサイドフレームが設置された前部車体構造について簡潔に説明する。
図1に示すように、車両Vは、エンジンルームEと車室とを上下方向および車幅方向に延びて仕切るダッシュパネル1と、このダッシュパネル1の前方位置で前後方向に延びるフロントサイドフレーム2と、フロントサイドフレーム2の側方位置でタワー形状に立設されたサスタワー部3と、このサスタワー部3と前述のダッシュパネル1とを上下方向及び前後方向に延びて連結するエプロン部4と、エプロン部4上端で前後方向に延びるエプロンレインメンバ5等を備えている。尚、左右対象構造であるため、主に車体右側構造について説明し、車体左側構造については説明を省略する。
フロントサイドフレーム2の前端部には、前面衝撃荷重を受けた際、圧縮変形(軸圧縮)して、衝突エネルギの一部を吸収するためのクラッシュカン6を設置している。
フロントサイドフレーム2の前後方向中間部分には、略円柱形状のエンジンマウント装置7を設置して、このエンジンマウント装置7によってパワーユニット(図示略)を弾性支持している。また、このエンジンマウント装置7よりも下方のフロントサイドフレーム2内には、エンジンマウント装置7の取り付け剛性を高めるために、マウントレイン8(エンジンマウント補強部材)を設置している。フロントサイドフレーム2の後部下面には、サスペンションサブフレーム(図示略)を取り付けるサブフレーム取付ブラケット9を接合固定している。
次に、フロントサイドフレーム2について詳細に説明する。
図2〜図5に示すように、フロントサイドフレーム2は、高張力鋼板をプレス成形することにより形成され、上下方向に長い、所謂縦比が横比よりも大きな略矩形状の主閉断面Cを構成している。このフロントサイドフレーム2は、前後方向における各々の領域の機能に応じて、第1補強部材30が配設された前側領域2aと、この前側領域2aの後端に連なりマウントレイン8が配設されたマウント領域2bと、このマウント領域2bの後端に連なり第2補強部材40が配設された途中領域2cと、この途中領域2cの後端に連なり第3補強部材50が配設された後側領域2dとを備えている。
前側領域2aは、前突時、クラッシュカン6によって吸収されない衝撃荷重によって前半部分が軸圧縮変形すると共に後半部分が上下に延びる第1ビード部11fにより右(車幅方向外)側へ曲げ変形するように形成されている。
マウント領域2bは、その主閉断面C内にマウントレイン8を収容した状態で支持するように形成され、途中領域2cは、前突時、後端側部分が上下に延びる第2ビード部23fにより左(車幅方向内)側へ曲げ変形すると共に後端部分がサブフレーム取付ブラケット9を支持するように形成されている。そして、後側領域2dは、前突時、後端側部分が上下に延びる第3ビード部14fにより車幅方向外側へ曲げ変形すると共に後端部分がダッシュパネル1に固着されるように形成されている。
図2〜図5に示すように、フロントサイドフレーム2は、断面略ハッド状のアウタ部材10と、略パネル状のインナ部材20とにより左右2分割形成されている。
まず、アウタ部材10について説明する。
アウタ部材10は、前側領域2aの右側部分を構成する第1アウタ部分11(圧縮側部分)と、マウント領域2bの右側部分を構成する第2アウタ部分12と、途中領域2cの右側部分を構成する第3アウタ部分13(引張側部分)と、後側領域2dの右側部分を構成する第4アウタ部分14(圧縮側部分)とによって一体形成されている。
第1アウタ部分11は、左右方向に略直交する面に沿った圧縮側壁部11aと、この圧縮側壁部11aの上端部から左方に延びる上端壁部11bと、圧縮側壁部11aの下端部から左方に延びる下端壁部11cと等を一体的に備えている。
圧縮側壁部11aは、後端部分に主閉断面C側に凹入した第1ビード部11fを備えている。この第1ビード部11fは、圧縮側壁部11aの上下方向に亙って前後方向に略直交するように形成されている。上端壁部11bと下端壁部11cは、左端部から上方に延びる上フランジ部11dと左端部から下方に延びる下フランジ部11eを夫々備えている。
第2アウタ部分12は、左右方向に略直交する面に沿った右側壁部12aと、この右側壁部12aの上端部から左方に延びる上端壁部12bと、右側壁部12aの下端部から左方に延びる下端壁部12cと、上端壁部12bの左端部から上方に延びる上フランジ部12dと、下端壁部12cの左端部から下方に延びる下フランジ部12eとを備えている。
第3アウタ部分13は、左右方向に略直交する面に沿った引張側壁部13aと、この引張側壁部13aの上端部から左方に延びる上端壁部13bと、引張側壁部13aの下端部から左方に延びる下端壁部13cと、上端壁部13bの左端部から上方に延びる上フランジ部13dと、下端壁部13cの左端部から下方に延びる下フランジ部13eとを備えている。また、第4アウタ部分14は、圧縮側壁部14aと、上端壁部14bと、下端壁部14cと、上フランジ部14dと、下フランジ部14eと、第3ビード部14fを備え、第1アウタ部分11と略同様に構成されている。
次に、インナ部材20について説明する。
図2〜図5に示すように、インナ部材20は、前側領域2aの左側部分を構成する第1インナ部分21(引張側部分)と、マウント領域2bの左側部分を構成する第2インナ部分22と、途中領域2cの左側部分を構成する第3インナ部分23(圧縮側部分)と、後側領域2dの左側部分を構成する第4インナ部分24(引張側部分)とによって一体形成されている。
第1インナ部分21は、左右方向に略直交する面に沿った引張側壁部21aと、この引張側壁部21aの上端部から上方に延びる上フランジ部21dと、引張側壁部21aの下端部から下方に延びる下フランジ部21eを一体的に備えている。
また、第2インナ部分22は、左右方向に略直交する面に沿った左側壁部22aと、この左側壁部22aの上端部から上方に延びる上フランジ部22dと、左側壁部22aの下端部から下方に延びる下フランジ部22eを一体的に備えている。
第3インナ部分24は、左右方向に略直交する面に沿った圧縮側壁部23aと、この左側壁部23aの上端部から上方に延びる上フランジ部23dと、左側壁部23aの下端部から下方に延びる下フランジ部23eを一体的に備えている。圧縮側壁部23aは、主閉断面C側に凹入した第2ビード部23fを備えている。この第2ビード部23fは、圧縮側壁部23aの上下方向に亙って前後方向に略直交するように形成されている。
第4インナ部分24は、引張側壁部24aと、上フランジ部24dと、下フランジ部24eを一体的に備え、第1インナ部分21と略同様に構成されている。
上フランジ部11d〜14dが上フランジ部21d〜24dに接合され、下フランジ部11e〜14eが下フランジ部21e〜24eに接合されることにより、前後方向に延びる主閉断面Cが構成されている。
次に、第1補強部材30について説明する。
図3,図4に示すように、第1補強部材30は、前側領域2aに対応した主閉断面C内に配設され、主閉断面Cと協働して上下方向に隣り合う5つの副閉断面cを形成している。
図3〜図6に示すように、第1補強部材30は、単一の鋼板材料をプレス成形することにより前後方向に延びる長尺状に形成され、第1〜第3圧縮側接合部31〜33と、第1,第2引張側接合部34,35と、第1〜第4仕切壁部36〜39によって構成されている。
第1〜第3圧縮側接合部31〜33は、左右方向に略直交する面に沿って形成され、圧縮側壁部11aの上段部と中段部と下段部とに夫々溶接にて接合されている。
第1,第2引張側接合部34,35は、左右方向に略直交する面に沿って形成され、引張側壁部21aの途中部分に夫々溶接にて接合されている。第1引張側接合部34は、第1圧縮側接合部31よりも低く且つ第2圧縮側接合部32よりも高い高さ位置に配設され、第2引張側接合部35は、第2圧縮側接合部32よりも低く且つ第3圧縮側接合部33よりも高い高さ位置に配設されている。
第1仕切壁部36は、第1圧縮側接合部31の下端部と第1引張側接合部34の上端部とを連結して主閉断面Cを上下に仕切るように形成されている。
この第1仕切壁部36は、第1圧縮側仕切部36aと、第1引張側仕切部36bと、第1連結部36cを備えている。
第1圧縮側仕切部36aは、第1圧縮側接合部31の下端部から左方へ略水平状に延びるように形成され、第1引張側仕切部36bは、第1引張側接合部34の上端部から右方へ略水平状に延びるように形成されている。
前側領域2aの前端部から所定後方位置までの前端部分において、第1圧縮側仕切部36aの横幅(左右幅)は第1引張側仕切部36bの横幅と同じ寸法になるように形成され(図3参照)、前側領域2aの所定後方位置から途中部までの前端近傍部分において、第1圧縮側仕切部36aの横幅が漸次減少するように形成され且つ第1引張側仕切部36bの横幅が漸次増加するように形成され(図6参照)、前側領域2aの途中部から後端部までの後半部分において、第1圧縮側仕切部36aの横幅は第1引張側仕切部36bの横幅の半分の寸法になるように形成されている(図4参照)。これにより、前端部分では第1圧縮側仕切部36aの横幅と第1引張側仕切部36bの横幅との差が略零に構成され、後端部分では、第1圧縮側仕切部36aの横幅と第1引張側仕切部36bの横幅との差が大きくなるように構成されている。また、荷重入力部近傍である前端近傍部分では、第1圧縮側仕切部36aの横幅と第1引張側仕切部36bの横幅との差が前側程リニアに小さくなるように形成されている。
第1連結部36cは、第1圧縮側仕切部36aと第1引張側仕切部36bを連結するように、左側程、下方に移行するように傾斜状に形成されている。この第1連結部36cは、圧縮側稜線部36sを介して第1圧縮側仕切部36aの左端部と連なり、引張側稜線部36tを介して第1引張側仕切部36bの右端部と連なっている。
図3,図4に示すように、圧縮側稜線部36sと引張側稜線部36tは、荷重入力時の圧縮と引張の中立面Nが圧縮側稜線部36sと引張側稜線部36tとの間に位置するように設定され、且つ圧縮側稜線部36sと引張側稜線部36tとの間隔が第1補強部材30の前端から後端に亙って略均一間隔になるように設定されている。尚、軸圧縮変形におけるEA効率を考慮して、圧縮側稜線部36sと引張側稜線部36tとの間隔は、前端部分における第1圧縮側仕切部36a(第1引張側仕切部36b)の左右幅と同じ寸法に設定することが好ましい。
第2仕切壁部37は、第2圧縮側接合部32の上端部と第1引張側接合部34の下端部とを連結して主閉断面Cを上下に仕切るように形成されている。
この第2仕切壁部37は、第2圧縮側仕切部37aと、第2引張側仕切部37bと、第2連結部37cと、圧縮側稜線部37sと、引張側稜線部37tを備えている。この第2仕切壁部37は、水平面に対して第1仕切壁部36と面対称になるように構成され、圧縮側稜線部37sと引張側稜線部37tが圧縮側稜線部36sと引張側稜線部36tの直下に対向するように夫々配設されている。
第3仕切壁部38は、第2圧縮側接合部32の下端部と第2引張側接合部35の上端部とを連結して主閉断面Cを上下に仕切るように形成されている。この第3仕切壁部38は、第3圧縮側仕切部38aと、第3引張側仕切部38bと、第3連結部38cと、圧縮側稜線部38sと、引張側稜線部38tを備え、第1仕切壁部36と同様に構成されている。
第4仕切壁部39は、第3圧縮側接合部33の上端部と第2引張側接合部35の下端部とを連結して主閉断面Cを上下に仕切るように形成されている。この第4仕切壁部39は、第4圧縮側仕切部39aと、第4引張側仕切部39bと、第4連結部39cと、圧縮側稜線部39sと、引張側稜線部39tを備え、第2仕切壁部37と同様に構成されている。
次に、第2補強部材40について説明する。
図7に示すように、第2補強部材40は、途中領域2cに対応した主閉断面C内に配設され、主閉断面Cと協働して上下方向に隣り合う5つの副閉断面cを形成している。
第2補強部材40は、単一の鋼板材料をプレス成形することにより前後方向に延びる長尺状に形成され、第1〜第3圧縮側接合部41〜43と、第1,第2引張側接合部44,45と、第1〜第4仕切壁部46〜49によって構成されている。
第1〜第3圧縮側接合部41〜43は、左右方向に略直交する面に沿って形成され、圧縮側壁部23aの上段部と中段部と下段部とに夫々溶接にて接合されている。
第1,第2引張側接合部44,45は、左右方向に略直交する面に沿って形成され、引張側壁部13aの途中部分に夫々溶接にて接合されている。第1引張側接合部44は、第1圧縮側接合部41よりも低く且つ第2圧縮側接合部42よりも高い高さ位置に配設され、第2引張側接合部45は、第2圧縮側接合部42よりも低く且つ第3圧縮側接合部43よりも高い高さ位置に配設されている。
第1仕切壁部46は、第1圧縮側接合部41の下端部と第1引張側接合部44の上端部とを連結して主閉断面Cを上下に仕切るように形成されている。この第1仕切壁部46は、第1圧縮側仕切部46aと、第1引張側仕切部46bと、第1連結部46cを備えている。
第1圧縮側仕切部46aは、第1圧縮側接合部41の下端部から右方へ略水平状に延びるように形成され、第1引張側仕切部46bは、第1引張側接合部44の上端部から左方へ略水平状に延びるように形成されている。第1圧縮側仕切部46aの横幅は第1引張側仕切部46bの横幅の半分の寸法になるように形成されている。
第1連結部46cは、第1圧縮側仕切部46aと第1引張側仕切部46bを連結するように、左側程、上方に移行するように傾斜状に形成されている。この第1連結部46cは、圧縮側稜線部46sを介して第1圧縮側仕切部46aの右端部と連なり、引張側稜線部46tを介して第1引張側仕切部46bの左端部と連なっている。
圧縮側稜線部46sと引張側稜線部46tは、荷重入力時の圧縮と引張の中立面Nが圧縮側稜線部46sと引張側稜線部46tとの間に位置するように設定され、且つ圧縮側稜線部46sと引張側稜線部46tとの間隔が第2補強部材40の前端から後端に亙って略均一間隔に設定されている。
第2仕切壁部47は、第2圧縮側接合部42の上端部と第1引張側接合部44の下端部とを連結して主閉断面Cを上下に仕切るように形成されている。
この第2仕切り壁部47は、第2圧縮側仕切部47aと、第2引張側仕切部47bと、第2連結部47cと、圧縮側稜線部47sと、引張側稜線部47tを備えている。この第2仕切壁部47は、水平面に対して第1仕切壁部46と面対称になるように構成され、圧縮側稜線部47sと引張側稜線部47tが圧縮側稜線部46sと引張側稜線部46tの直下に対向するように夫々配設されている。
第3仕切壁部48は、第2圧縮側接合部42の下端部と第2引張側接合部45の上端部とを連結して主閉断面Cを上下に仕切るように形成されている。この第3仕切り壁部48は、第3圧縮側仕切部48aと、第3引張側仕切部48bと、第3連結部48cと、圧縮側稜線部48sと、引張側稜線部48tを備え、第1仕切壁部46と同様に構成されている。また、第4仕切り壁部49は、第3圧縮側接合部43の上端部と第2引張側接合部45の下端部とを連結して主閉断面Cを上下に仕切るように形成されている。この第4仕切壁部49は、第4圧縮側仕切部49aと、第4引張側仕切部49bと、第4連結部49cと、圧縮側稜線部49sと、引張側稜線部49tを備え、第2仕切壁部47と同様に構成されている。
尚、第3補強部材50は、第2補強部材40と同様に構成され、第2補強部材40の後側に左右方向に直交する面に対して面対称になる状態で配設されているため、詳細な説明を省略する。
次に、マウントレイン8について説明する。
図1,図8,図9に示すように、マウントレイン8は、上下方向に延びる前後1対のボルト(図示略)と、これら1対のボルトに螺合する前後1対のナット部7aとによってエンジンマウント装置7を上端壁部12b上に支持している。
マウントレイン8は、断面略ハット状の本体部61と、この本体部61の前端部に接合され主閉断面Cを前後に仕切る前側節部62と、本体部61の後端部に接合され主閉断面Cを前後に仕切る後側節部63を備え、一面が左方に開放した直方体形状に形成されている。
図8,図9に示すように、本体部61は、上端壁部61a及び下端壁部61bの左端部から夫々上方と下方に延びる上フランジ部61c及び下フランジ部61dを備えている。
1対のナット部7aは、上端壁部61a及び下端壁部61bに上下方向に貫通した状態で接合されている。上フランジ部61cは上フランジ部12dと上フランジ部22dによって三重結合され、下フランジ部61dは下フランジ部12eと下フランジ部22eによって三重結合されている。
前側節部62は、前後方向に直交する面に沿って主閉断面Cを横断的に仕切るプレート状のプレート部62aと、このプレート部62aの上端から前方に延びて上端壁部11bに接合された上フランジ部62bと、プレート部62aの下端から前方に延びて下端壁部11cに接合された下フランジ部62cを有している。
プレート部62aは、第1補強部材30の後端に僅かな隙間(例えば2〜3mm)を介して対向状に配設されている。これにより、前突時、第1補強部材30とプレート部62aが当接することにより、第1補強部材30からプレート部62aに荷重が伝達される。
後側節部63は、前後方向に直交する面に沿って主閉断面Cを横断的に仕切るプレート状のプレート部63aと、このプレート部63aの上端から後方に延びて上端壁部13bに接合された上フランジ部63bと、プレート部63aの下端から前方に延びて下端壁部12cに接合された下フランジ部63cを有している。
プレート部63aは、第2補強部材40の前端に僅かな隙間(例えば2〜3mm)を介して対向状に配設されている。これにより、前突時、第2補強部材40とプレート部63aが当接することにより、プレート部63aから第1補強部材30と断面形状が異なる第2補強部材40に荷重が伝達される。
図5に示すように、第2補強部材40と第3補強部材50との間にはプレート部材65が配設されている。プレート部材65は、前後方向に直交する面に沿って主閉断面Cを横断的に仕切るように構成され、その上端部が前方に延びて上端壁部13bに接合され、下端部が下端壁部14cに接合されている。
プレート部材65は、第2補強部材40の後端に僅かな隙間(例えば2〜3mm)を介して対向状に配設されると共に第3補強部材50の前端に僅かな隙間(例えば2〜3mm)を介して対向状に配設されている。これにより、前突時、第2補強部材40とプレート部材65が当接すると共に第3補強部材50とプレート部材65が当接するため、第2補強部材40から断面形状が異なる第3補強部材50に効率良く荷重が伝達される。
次に、本実施例の車両用フレーム構造における作用、効果を説明する。
図10,図11に基づき、車両Vが前面衝撃荷重を受けたときの変形挙動について説明する。
図10に示すように、フロントサイドフレーム2には、変形後の位置関係が容易に分かるように、説明の便宜上、前後方向に略直線状に延びる複数のポイントを設定している。
第1ポイントP1は前側領域2aの前端位置、第2ポイントP2は前側領域2aの第1ビード部11fの形成位置、第3ポイントP3はマウント領域2bの前端位置、第4ポイントP4はマウント領域2bの後端位置、第5ポイントP5は途中領域2cの第2ビード部23fの形成位置、第6ポイントP6はプレート部材65の配設位置、第7ポイントP7は後側領域2dの第3ビード部14fの形成位置を夫々示している。
前方からクラッシュカン6の軸圧縮変形によって吸収されない荷重が作用した場合、フロントサイドフレーム2は、圧縮変形と車幅方向の曲げ変形を積極的に生じさせて衝撃エネルギを吸収する。
図11に示すように、衝突体がフロントサイドフレーム2に衝突すると、前側領域2aの前端に軸心に沿った荷重が入力する。
第1ポイントP1には、入力した荷重が軸圧縮荷重として作用する。
前側領域2aの前端部分では、第1〜第4圧縮側仕切部36a〜39aの左右幅と第1〜第4引張側仕切部36b〜39bの左右幅が等しく形成されているため、入力した軸圧縮荷重の波長の短縮化と振幅の減少によって前後(軸心)方向に均一な軸圧縮変形を発生させ、軸圧縮変形におけるEA(Energy Absorption)効率が増加する。
軸圧縮変形によって吸収されない荷重は、第1〜第4仕切壁部36〜39の形状が緩やかに変化する前端近傍部分を経由して後半部分の第2ポイントP2に伝達される。
第2ポイントP2には、曲げ変形の起点となる第1ビード部11fがアウタ部材10に形成されているため、伝達された荷重が外曲げ荷重として作用する。
第1〜第4仕切壁部36〜39に圧縮側稜線部36s〜39sと引張側稜線部36t〜39tを夫々形成したため、稜線による補強効果によって第1〜第4仕切壁部36〜39の強度が増加され、許容限界荷重を高くしている。
また、引張側稜線部36t,37t(38t,39t)の上下間隔が圧縮側稜線部36s,37s(38s,39s)の上下間隔よりも小さく形成され且つ第1〜第4引張側仕切部36b〜39bの横幅が第1〜第4圧縮側仕切部36a〜39aの横幅よりも大きく形成されているため、図12に示すように、座屈発生後、早期に引張側稜線部36t(38t)と引張側稜線部37t(39t)が当接することにより各仕切壁部36〜39が協働して引張側にトラス構造を構成して断面崩れを抑制している。
これにより、前側領域2aの後半部分では、曲げ変形によるEA効率を増加している。
マウント領域2bでは、マウントレイン8の構造を利用して前側領域2aから入力した荷重を他所に分散させることなく途中領域2cに伝達している。
第1補強部材30の後端全域に亙って接触可能なプレート状のプレート部62aが当接することにより、第3ポイントP3に前側領域2aで吸収されない荷重が伝達される。
マウントレイン8は高剛性であるため、第2補強部材40の前端全域に亙って接触可能なプレート状のプレート部63aが当接することにより、マウントレイン8に入力した荷重を第4ポイントP4から効率良く第2補強部材40に伝達している。
第5ポイントP5には、曲げ変形の起点となる第2ビード部23fがインナ部材20に形成されているため、伝達された荷重が内曲げ荷重として作用する。
途中領域2cでは、圧縮側稜線部46s〜49sと引張側稜線部46t〜49tによる補強効果によって第1〜第4仕切壁部46〜49の強度を増加し、座屈発生後、引張側稜線部46t(48t)と引張側稜線部47t(49t)を当接させたトラス構造を構成して断面崩れを抑制している。
これにより、曲げ変形によるEA効率を増加している。
第2補強部材40の後端全域に亙ってプレート部材65が当接し且つ第3補強部材50の前端全域に亙ってプレート部材65が当接することにより、途中領域2cで吸収されない荷重が第6ポイントP6を介して後側領域2dに伝達される。
第7ポイントP7には、曲げ変形の起点となる第3ビード部14fがアウタ部材10に形成されているため、伝達された荷重が外曲げ荷重として作用する。
後側領域2dでは、前側領域2aの後半部分と同様の作用で曲げ変形によるEA効率を増加している。
本車両用フレーム構造によれば、曲げ変形におけるEA効率と軸圧縮変形におけるEA効率とを単一の第1補強部材30で向上することができる。
即ち、この車両用フレーム構造では、主閉断面C内に上下方向に隣り合う複数の副閉断面cを形成する第1,第2横仕切壁部36,37を備えているため、副閉断面cの縦横比を1以下に調整して許容限界荷重を増加でき、この許容限界荷重を一定ストロークの間維持することができる。第1,第2引張側仕切部36b,37bの圧縮側端部(引張側稜線部36t,37t)の上下間隔が第1,第2圧縮側仕切部36a,37aの引張側端部の上下間隔(圧縮側稜線部36s,37s)よりも小さく形成されているため、引張側壁部21aに支持された第1,第2引張側仕切部36b,37bの圧縮側端部の当接によってトラス形状を形成することができ、曲げ変形に伴う断面崩れを抑制することができる。
前側領域2aの前端部分の第1,第2圧縮側仕切部36a,37aの横幅と第1,第2引張側仕切部36b,37bの横幅との差が、前側領域2aの後半部分の第1,第2圧縮側仕切部36a,37aの横幅と第1,第2引張側仕切部36b,37bの横幅との差よりも小さくなるように形成されたため、前後方向に直交する断面の1辺の長さを短縮化でき、軸圧縮荷重の波長の短縮化と振幅の減少とを図ることができる。
前側領域2aの前端近傍部分において、前側程、第1,第2圧縮側仕切部36a,37aの横幅と第1,第2引張側仕切部36b,37bの横幅との差が小さくなるように形成されているため、軸圧縮変形によって吸収されない荷重を曲げ変形部分に連続的に伝達することができ、曲げ変形部分にて効率的に荷重を吸収することができる。
前側領域2aの前端部分において、第1,第2圧縮側仕切部36a,37aの横幅と第1,第2引張側仕切部36b,37bの横幅とが同じ寸法に形成されたため、前後方向に直交する断面の1辺の長さを最短化することができ、軸圧縮変形におけるEA効率を増加することができる。
第1圧縮側仕切部36aの引張側端部と第1引張側仕切部36bの圧縮側端部とを連結する第1連結部36cと、第2圧縮側仕切部37aの引張側端部と第2引張側仕切部37bの圧縮側端部とを連結する第2連結部37cとを設け、荷重入力時の圧縮と引張の中立面Nが、第1,第2圧縮側仕切部36a,37aの引張側端部と第1,第2引張側仕切部36b,37bの圧縮側端部との間に位置するため、面外変形を抑制しつつ、引張側壁部21aに支持された第1,第2引張側仕切部36b,37bの圧縮側端部の当接によるトラス形状を確実に形成することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、フロントサイドフレームの例を説明したが、リヤサイドフレーム、サスクロスメンバ、バンパビーム、センタピラー、インパクトバー等、少なくとも、圧縮荷重と引張荷重とが作用する車両用フレームであれば何れにも適用することができる。
2〕前記実施形態においては、EA効率の観点から4つの仕切壁部の例を説明したが、少なくとも2つの仕切壁部を備えることで本発明の効果を奏することができる。また、設計上の観点から5つ以上の仕切壁部を採用しても良い。
3〕前記実施形態においては、2ヶ所の外曲げ変形部分と1ヶ所の内曲げ変形部分が形成され、これら変形部分全てに補強部材を設けた車両用フレームの例を説明したが、少なくとも軸圧縮変形と曲げ変形とを同時に行う補強部材のみを設け、曲げ変形専用の補強部材を省略しても良い。また、車両用フレームに1つの外折れ変形部分又は内折れ変形部分を形成しても良い。
4〕前記実施形態においては、前側領域の前端部分において、第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差が略零の例を説明したが、設計要件に応じて軸圧縮荷重の波長の短縮化と振幅の減少とを図れる範囲の差を形成しても良い。
また、前側領域の後半部分において、第1,第2圧縮側仕切部の横幅が第1,第2引張側仕切部の横幅の半分の寸法に設定された例を説明したが、少なくとも引張側に仕切壁部を構成できれば良く、各仕切壁部の剛性、形状に基づき仕切部の横幅比率を任意に設定することも可能である。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
V 車両
C 主閉断面
c 副閉断面
N 中立面
2 フロントサイドフレーム
11 第1アウタ部分
11a 圧縮側壁部
21 第1インナ部分
21a 引張側壁部
30 第1補強部材
36 第1仕切壁部
36a 第1圧縮側仕切部
36b 第1引張側仕切部
36s 圧縮側稜線部
36t 引張側稜線部
37 第2仕切壁部
37a 第2圧縮側仕切部
37b 第2引張側仕切部
37s 圧縮側稜線部
37t 引張側稜線部

Claims (4)

  1. 圧縮荷重が作用する縦向きの圧縮側壁部を含む圧縮側部分と、引張荷重が作用する縦向きの引張側壁部を含み且つ前記圧縮側部分と協働して長手方向に直交する断面が略矩形状の主閉断面を構成する引張側部分と、前記主閉断面と協働して上下方向に隣り合う複数の副閉断面を形成する補強部材とを備えた車両用フレームにおいて、
    前記補強部材が、前記圧縮側壁部と引張側壁部を連結して前記主閉断面を上下に仕切る第1仕切壁部であって、前記圧縮側壁部から引張側に延びる第1圧縮側仕切部と前記引張側壁部から圧縮側に延びる第1引張側仕切部とを有する第1仕切壁部と、前記第1仕切壁部よりも下方位置で前記圧縮側壁部と引張側壁部を連結して前記主閉断面を上下に仕切る第2仕切壁部であって、前記圧縮側壁部から引張側に延びる第2圧縮側仕切部と前記引張側壁部から圧縮側に延びる第2引張側仕切部とを有する第2仕切壁部とを備え、
    前記第1,第2引張側仕切部の圧縮側端部の上下間隔が前記第1,第2圧縮側仕切部の引張側端部の上下間隔よりも小さく形成され、
    前記車両用フレームに長手方向から荷重が入力したとき、荷重入力側部分の前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差が、前記荷重入力側部分よりも荷重入力側部分に対して荷重入力部と反対側部分の前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差よりも小さくなるように形成されたことを特徴とする車両用フレーム。
  2. 前記荷重入力部近傍位置において、荷重入力部側程、前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅との差が小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用フレーム。
  3. 前記荷重入力部において、前記第1,第2圧縮側仕切部の横幅と第1,第2引張側仕切部の横幅とが同じ寸法に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用フレーム。
  4. 前記第1圧縮側仕切部の引張側端部と第1引張側仕切部の圧縮側端部とを連結する第1連結部と、
    前記第2圧縮側仕切部の引張側端部と第2引張側仕切部の圧縮側端部とを連結する第2連結部とを設け、
    前記荷重入力時の圧縮と引張の中立面が、前記第1,第2圧縮側仕切部の引張側端部と第1,第2引張側仕切部の圧縮側端部との間に位置することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用フレーム。
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