JP6171723B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
インクジェット式プリンターによる捺染は、スクリーン捺染で用いられる染型が不用であり、デジタル化(電子化)されたデザイン情報を利用することができる。そのため、顧客の要求に応じた細かいデザインの変更などに迅速に対応することができ、工数、生産時間を大幅に削減、短縮することができる。また、色のグラデーションを表現することができるなど、デザインの自由度が大きいという利点がある。
また、記録する媒体に色のばらつきや色むらなどが有った場合であっても、これらの色のばらつきや色むらなども含めて、記録する画像の補正をすることができるようになるため、より、安定して所望の色彩による記録(印刷)物を生産することができる。
具体的には、供給部や保持部では、記録媒体を収納または支持する部材が記録媒体に接触する構成となる場合が多いため、例えば、記録媒体の透光性が高い場合(素材が薄く、淡い色彩などの場合)には、記録媒体の色彩測定は接触する部材の影響を受けやすい。これに対し、搬送経路において、供給部と保持部との間の領域は、記録媒体の表裏のいずれの面にも比較的容易に空間が設けられるため、周囲の影響を受けることなく色彩測定ができる環境を構成しやすい。つまり、撮像素子の設置や、遮光板あるいは透過や反射の影響を軽減する下地板などとの組み合わせによる測定環境を構築しやすい。その結果、より安定して記録媒体の色彩情報が取得できる構成にすることができる。
また、色彩情報取得部は、液体吐出部と共に記録媒体の表面を走査しながら記録媒体の色彩情報を取得することができる。つまり、色彩情報取得部を、記録媒体の幅方向に亘る大きな(長い)検出部(撮像部)として構成する必要がなくなり、より小型に構成することができる。
また、本適用例に係る液体吐出装置は、記録媒体に液体を吐出し画像を記録する液体吐出装置であって、前記液体が吐出される前の前記記録媒体を収容する供給部と、前記供給部から、前記液体吐出部が前記記録媒体に対して前記液体を吐出し画像を形成する画像形成部に前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記画像形成部を含む領域において前記記録媒体を保持する保持部と前記液体吐出装置に給された前記記録媒体から前記記録媒体の色彩情報を取得する色彩情報取得部と、前記色彩情報に応じて補正された補正画像情報に基づき、前記記録媒体に液体を吐出する液体吐出部と、前記記録媒体が前記搬送部によって搬送される搬送経路において、前記供給部と前記保持部との間に、前記記録媒体に密着して所定の張力を発生させるテンション部と、を備え、前記色彩情報取得部は、前記テンション部に設けられていることを特徴とする。
本適用例による液体吐出装置は、異なる色彩の記録媒体に対して異なる配置の液体を吐出することで、結果的に得られる画像の色彩を記録媒体の色彩の影響を相殺、あるいは低減して所望の色彩、あるいは所望の色彩により近い色彩画像を記録することが可能となる。
図1(a)は、実施形態1に係る「液体吐出装置」としての捺染装置100を示す概略図、図1(b)は、色彩情報取得部の配置を示す平面図である。図1(a)は、床面に設置された捺染装置100を側面から示し、図1(b)は、捺染装置100が備える色彩情報取得部の配置を上面から示している。
捺染装置100は、「記録媒体」としての布帛1に「液体」としてのインクを吐出して画像を形成(記録)することで布帛1の捺染を行う液体吐出装置である。
軸部11は、円筒状または円柱状に形成されており、ロール状に巻かれた帯状の布帛1のロール中心部において、布帛1を円周方向に回転可能に支持する。軸部11は、軸受部12に対して着脱可能に取り付けられる。
軸受部12は、軸部11の軸線方向の両端を回転可能に支持する。軸受部12は、軸部11を回転駆動させる回転駆動部(図示省略)を有している。回転駆動部は、布帛1が送り出される方向に軸部11を回転させる。回転駆動部の動作は、制御部80によって制御される。なお、布帛搬送部20によって布帛1が安定的に引き出される場合には、必ずしも回転駆動部を有する必要はない。
搬送ローラー21は、布帛供給部10とテンションローラー22との間で布帛1を中継する。
搬送ローラー26は、搬送ベルト23によって搬送された布帛1を中継する。乾燥ユニット27は、搬送ローラー26と搬送ローラー28との間に設けられており、インクが吐出された後の布帛1を案内し乾燥する。搬送ローラー28は、乾燥ユニット27によって案内された布帛1を布帛回収部30へと中継する。
軸部31は、円筒状または円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられている。軸部31には、帯状の布帛1がロール状に巻かれる。軸部31は、軸受部32に対して着脱可能に取り付けられている。このため、軸部31に布帛1が巻かれた状態において、軸受部32から軸部31を取り外すことで、軸部31ごと布帛1の取り外しが可能となっている。
軸受部32は、軸部31の軸線方向の両端を回転可能に支持する。軸受部32は、軸部31を回転駆動させる回転駆動部(図示省略)を有している。回転駆動部は、布帛1が巻き取られる方向に軸部31を回転させる。回転駆動部の動作は、制御部80によって制御される。
また、色彩測定部70は、色彩情報の取得結果を出力する出力部(図示省略)を有する。出力部から出力された色彩情報は、例えば、制御部80や画像情報入力部90などに送信される。
なお、色彩測定部70には、例えば、白色、あるいは、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の三種類の色相の光を発光する「光源」、および、光源から布帛1に光を照射したときの反射光の色相を検出する「受光素子」を備えた検出器などを用いても良い。
画像情報入力部90は、例えばパーソナルコンピューター(PC)であり、この画像情報入力部90を通じて、布帛1に捺染する所望の画像としての記録画像情報が入力される。画像情報入力部90は、外部の画像情報機器(例えばデジタルカメラ)や外部のPCから入力された記録画像情報(例えば、一般的なRGBのデジタル画像情報)の画像処理をする一般的なアプリケーションソフトウェア91や、記録画像情報を、捺染装置100を駆動制御するための液体吐出制御情報に変換する変換ソフトウェア92(例えばプリンタードライバー)などを有している。
ルックアップテーブルは、記録画像情報を記録画像情報に対応した液体吐出制御情報に変換する色変換モジュールである。具体的には、RGB系のカラーデータをCMYK系のカラーデータに変換する。CMYK系とは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)で構成されるカラーモードである。ハーフトーンモジュールおよびインターレースモジュールは、CMYK系の画像情報を、実際に個々のノズル43から吐出させるドット情報に置き換える処理(2値化処理、配列処理など)を行う。
LUT補正処理モジュール93は、布帛1から得られた布帛1の色彩情報に基づいてLUTを補正する機能を有する。
LUT補正処理モジュール93は、布帛1の色彩情報に基づきLUTを補正して補正LUTを生成し、変換ソフトウェア92内では、記録画像情報をこの補正LUT(およびハーフトーンモジュール、インターレースモジュールなど)により液体吐出制御情報に変換することで、補正画像情報を生成する。つまり、布帛1の色彩情報に基づいて補正された「補正画像情報」としての液体吐出制御情報が得られる。
LUT補正処理モジュール93は、通常のLUTに対して補正LUTを生成するLUT補正アルゴリズムを有している。通常のLUTとは、補正する前のLUTであり、例えば、補正の必要が無い色彩(例えば白色)の布帛に対して適用されるLUTである。
LUT補正アルゴリズムは、例えば、布帛1の色彩情報としてのRGBデータに記録画像情報が持つRGBデータを重ねた場合のズレ量が差し引かれて変換されるLUTを生成するアルゴリズムである。つまり、LUT補正アルゴリズムにより、RGBデータをCMYKデータに変換するLUTにおいて、ズレ量が差し引かれた結果としてのCMYKデータが導出されるLUTが生成される。ただし、実際の布帛1などの記録媒体上に現れるCMYKのズレ量は、単純な記録画像と記録媒体それぞれのRGB(あるいはCMYK)データの加減計算では得られない場合があるため、予め想定される記録媒体の色彩に応じて適正化を図っておくことが好ましい。
制御部80は、色彩測定部70が取得した布帛1の色彩情報を画像情報入力部90に送る。また、制御部80は、布帛1の色彩情報に基づいて変換された補正画像情報(補正された液体吐出制御情報)に基づき、インクジェット部40の制御を行う。
液体吐出方法(布帛1の捺染方法)は、少なくとも以下のステップを含む。
すなわち、布帛1に記録する記録画像情報を取得するステップと、捺染装置100に給された布帛1の色彩情報を取得するステップと、記録画像情報および布帛1の色彩情報に基づき液体吐出制御情報を生成する液体吐出制御情報生成ステップと、液体吐出制御情報に基づき、布帛1にインクを吐出するステップと、を含む。以下に具体的に説明する。
次に、ロール状の布帛1を布帛供給部10にセットし、搬送経路に従って布帛1を導き、布帛1の先端部を布帛押着部60により搬送ベルト23の支持面23aに保持させる。
次に、布帛搬送部20を駆動させ、布帛1を搬送方向に移動させる。同時に、布帛供給部10は、布帛1を送り出す。
次に、液体吐出制御情報生成ステップとして、まず、布帛1の色彩情報を受けた画像情報入力部90は、LUT補正処理モジュール93によって、布帛1の色彩情報に基づきLUTを補正して補正LUTを生成する。液体吐出制御情報生成ステップとして、次に、画像情報入力部90は、記録画像情報をこの補正LUT(およびハーフトーンモジュール、インターレースモジュールなど)により液体吐出制御情報に変換することで、補正画像情報を生成する。
以降、連続的に記録(画像形成による捺染)を継続する。
布帛1の微細領域に対応付けして行う方法とは、例えば、布帛1の色彩情報取得を布帛1の微細に分割した領域毎に行い、補正LUTの生成をその領域毎に頻度を上げて実施し、領域毎の補正LUTによって補正された画像を該当する色彩情報を取得した領域に形成する方法である。この方法によると、布帛1の色彩ばらつきや染みなどに対応した画像形成(捺染)を行うことができる。
布帛1の製造ロット毎に行う方法とは、例えば、布帛1の色彩ばらつきが小さい場合など、布帛1の製造ロット毎に最初に布帛1の色彩情報を取得し、それに合わせて補正LUTを一度生成し、補正LUTによって補正された画像の記録を布帛1の製造ロットの切り替えまで続ける方法である。
また、布帛1の色彩ばらつきがより小さい場合などは、種類毎(つまり布帛の種類を変更した場合毎)に最初に布帛1の色彩情報を取得し、それに合わせて補正LUTを一度生成し、補正LUTによって補正された画像の記録を布帛1の切り替えまで続ける方法であっても良い。
液体吐出装置としての捺染装置100は、捺染装置100に給された記録媒体としての布帛1から得られた布帛1の色彩情報に応じて補正された補正画像情報に基づき、布帛1に「液体」としてのインクを吐出する「液体吐出部」としてのヘッド41を備えている。つまり、実際に画像を記録する対象としての布帛1自体の色彩情報を記録前に取得し、その色彩情報に基づいて、記録する画像情報を補正し、記録するため、布帛1毎の色彩情報に合わせて適正化された画像の記録を行うことができる。従って、予め、布帛1の種類毎に適正に記録するための情報を用意しておく必要が無いため、簡便に所望の色彩で、あるいは所望の色彩により近い色彩で記録(印刷)することができる。その結果、記録に関わる工数の削減や生産時間の短縮などが図れ、より生産性を高めることができる。
図3(a),(b)は、変形例1として、捺染装置100における色彩測定部70の設置位置および構成のバリエーションを示す概略図である。
実施形態1では、図1(a),(b)に示すように、色彩測定部70は、テンションローラー22の位置に設置されているとして説明したが、この構成に限定するものではなく、例えば、図3(a),(b)に示す色彩測定部70a,70b,70c,70dのそれぞれの位置に設置される構成であっても良い。
布帛1は、安定して保持されているため、色彩情報の測定環境を一定に保つことができ、安定して布帛1の色彩情報が取得できる構成にすることができる。
この領域は、テンションローラー22によって布帛1が皺の無いように引っ張られている領域であるため、布帛1の表面状態が一定となり、色彩情報の取得をより安定して行うことができる。
また、布帛1の表裏の領域において空間が確保しやすい領域であるため、例えば、布帛1が薄い布地で、色彩測定部70bが備える光源からの光が透過しやすい場合など、無彩色の裏板71を、布帛1を挟むように配置することで、より効果的に色彩を測定することができるようになる。
このように、テンションローラー22を備える構成であっても、布帛供給部10とテンションローラー22との間の領域は、布帛1の表裏のいずれの面にも比較的容易に空間が設けられるため、周囲の影響を受けることなく色彩測定ができる環境を構成しやすい。テンションローラー22と布帛押着部60との間の領域に色彩測定部70を設ける充分な空間が確保できない場合などにおいては、この領域に設けることが好ましい。
このように、色彩測定部70dをテンションローラー22によって引っ張られる布帛1の裏面から布帛1を押し上げるように密着させる構成とすることにより、色彩測定部70dと布帛1との位置関係がより安定し、また、測定距離がより短くなることで検出効率がより高くなることなどから、より安定して色彩を測定することができるようになる。
図4(a),(b)は、変形例2として、捺染装置100における色彩測定部70の設置位置および構成のバリエーションを示す概略図である。
実施形態1では、図1(b)に示すように、色彩測定部70は、テンションローラー22の位置において、布帛1の幅方向の全体を覆うように配置されているとして説明したが、この構成に限定するものではなく図4(a),(b)に示す色彩測定部70eの位置や構成であっても良い。
また、色彩情報取得部を、布帛1の幅方向に亘る大きな(長い)検出部(撮像部)として構成する必要がなくなり、より小型に構成することができる。
実施形態1および変形例1では、ヘッド41が布帛1の幅方向に移動する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えばノズル43を布帛1の幅方向に亘ってライン状に配列することでヘッド(液体吐出部)を固定させる構成、すなわち「吐出走査部」としてのヘッド移動部42を備えない構成であっても良い。
Claims (2)
- 記録媒体に液体を吐出し画像を記録する液体吐出装置であって、
前記液体が吐出される前の前記記録媒体を収容する供給部と、
前記供給部から、前記液体吐出部が前記記録媒体に対して前記液体を吐出し画像を形成する画像形成部に前記記録媒体を搬送する搬送部と、
前記画像形成部を含む領域において前記記録媒体を保持する保持部と
前記液体吐出装置に給された前記記録媒体から前記記録媒体の色彩情報を取得する色彩情報取得部と、
前記色彩情報に応じて補正された補正画像情報に基づき、前記記録媒体に液体を吐出する液体吐出部と、
前記記録媒体が前記搬送部によって搬送される搬送経路において、前記供給部と前記保持部との間に、前記記録媒体に密着して所定の張力を発生させるテンション部と、を備え、
前記色彩情報取得部は、前記テンション部に設けられていることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記色彩情報取得部は、前記記録媒体に光を照射する光源と、前記光の反射光を受光する受光素子と、を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
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