JP6171397B2 - 酸性溶液の添加方法 - Google Patents

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Description

本発明は、気相アンモ酸化反応によりニトリル化合物を製造する際の急冷工程における酸性液体の添加方法に関する。
炭化水素とアンモニア及び酸素含有ガスを原料とし、気相流動層反応によって不飽和ニトリル類を製造する方法は、アンモ酸化反応として広く知られており、中でもプロピレンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造は、工業的に広く実施されている。
一般的に炭化水素のアンモ酸化反応では、触媒の性能を発揮させる為に、原料の炭化水素に対してアンモニアが過剰な条件で運転される。反応工程を出た反応ガス中には、目的の不飽和ニトリル化合物以外にも、アクリル酸や、COx、NOx等の反応副生物が発生し、更には未反応の炭化水素やアンモニア等も含まれている。
前記の未反応のままの余剰アンモニアが、そのまま後段の回収・精製工程へと導入されると、塩基性となった溶液中において、ニトリル類の重合を生じるおそれが高まる。その為、反応工程を出た反応ガスには急冷工程(アンモニア吸収工程)にて速やかに酸性溶液を添加して、余剰アンモニアを除去するとともに、酸性とすることで前記ニトリル類の重合を抑制している。急冷塔のある急冷工程での余剰アンモニア除去には、冷却液として、酸性溶液を含んだ急冷液体(アンモニアを吸収した液体)を循環させ、急冷塔内部にて並流若しくは向流にて接触させることが一般的である。しかし、当該急冷工程においては、硫酸等の酸性溶液が用いられる為、酸性溶液が添加される急冷液体循環用の配管や酸性溶液の添加導管(ノズル等)において、それら配管自体が腐食される可能性がある。
当該配管等の一部分に腐食が生じた場合、反応ガスへの酸性溶液の効率的な添加が困難となり、当該急冷工程でのpH変動が生じる。その様な状態に陥ると、ニトリル類の重合を十分に防ぐことができなくなるため、急冷工程以降での配管詰りが生じる可能性が高まり、安定な運転が阻害される。また、更に腐食が進行すると、当該配管等のみでなく、その周辺の配管部分への腐食が進行し、配管の穿孔によって外部への酸性溶液漏えいが生じる可能性が高まり、プラントの安定した連続運転は極めて困難となる。
この配管腐食は、酸性溶液の流量が大きく長期的に曝される部分に特に顕著である。図5に示すような、急冷液体循環用の配管に対して酸性溶液添加ノズルを直接挿入して酸性溶液を添加するような形式では、添加ノズル全体が急冷液体の流れに対して垂直方向に曝されることとなり、腐食が生じる頻度や度合いが大きい。また、急冷液体の流れ方向に対して垂直に近い方向より酸性溶液の添加を行う為、添加する酸性溶液自体の大きな濃度勾配が生じ、添加時に溶液が均一に拡散し難く、ノズル内部への溶液逆流も懸念される。さらに濃度勾配が大きい場合には、添加配管付近で局所的に希酸雰囲気が形成され、添加ノズルや周辺配管の腐食が著しく進行する。
このため、アンモニアを含有する原料ガスを用い、気相反応によりニトリル化合物を製造する方法において、余剰アンモニアを処理する工程での酸性溶液の添加方法については、様々な特許文献の中でその方法が提案されている。例えば、特許文献1〜7には、急冷工程における高沸点化合物の濃度や、急冷液の詳細な添加量や添加条件など、酸性溶液の添加方法が、様々な視点から多数規定、記載されている。
特表2008−507469号公報 特開2005−154328号公報 特開2002−121180号公報 特表2002−525354号公報 特開2000−026388号公報 特許第3809188号公報 特開平8−231487号公報
しかしながら、これらの従来技術における添加方法では、酸性溶液添加ラインの腐食や欠損による、酸性溶液の漏えいや、プラント自体の運転停止の危険性については注目されておらず、酸性溶液添加配管の腐食を防止する有効な方法の開発が求められている。
そこで本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、配管を循環する急冷液体中へ酸性溶液を導管から添加する際に、前記導管の腐食による損傷や欠損を防止することを目的とするものである。
本発明は、炭化水素の気相アンモ酸化反応により不飽和ニトリル化合物を製造する工程において、前記気相アンモ酸化反応により生成した生成物と未反応物とのガス混合物を酸性溶液で洗浄、冷却するための急冷塔に、急冷塔内で生じる急冷液体を前記急冷塔の下部から上部へと循環させるための配管が配設され、さらに前記配管には酸性溶液を添加するための導管が挿入されており、前記導管から酸性溶液を、循環する急冷液体の流れ方向に対して並流となるように吐出して添加することで、上記の課題を解決したのである。
本発明によれば、アンモニア酸化反応の急冷工程において、酸性溶液添加配管の腐食を抑制することができ、プラントを経済的に、かつ長期間にわたって安定運転することができる。
この発明を実施する不飽和ニトリル化合物製造装置の例を示すフロー図 この発明を実施する第一の実施形態にかかる配管及び導管の断面模式図 この発明を実施する第二の実施形態にかかる配管及び導管の断面模式図 この発明を実施する第三の実施形態にかかる配管及び導管の断面模式図 比較例及び従来の循環配管への導管の形態を示す断面模式図
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、炭化水素の気相アンモ酸化反応により不飽和ニトリル化合物を製造する方法である。
上記炭化水素としては、炭素数が1〜6である炭化水素から選ばれる少なくとも一種類の化合物であることが好ましい。その例としては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、n−ブタン、イソブタン等のブタン類、n−ブチレン、イソブチレン等のブチレン類、n−ペンタン、イソペンタン等のペンタン類、n−ペンテン、イソペンテン等のペンテン類、n−ヘキサン、イソヘキサン等のヘキサン類、n−ヘキセン、イソヘキセン等のヘキセン類等を挙げることができる。なお、炭素数が7以上であると、分子量が大きくなりすぎるため、気相アンモ酸化反応により反応させることは難しくなる。これらの炭化水素は1種類のみでもよいし、これらの中から選ばれる複数の化合物の混合物であってもよい。
前記炭素水素の中でも、プロピレン及び/もしくはプロパンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルの合成、または、イソブチレン及び/もしくはイソブタンのアンモ酸化反応によるメタクリロニトリルの合成に適用されることが更に好ましい。
気相アンモ酸化反応においては、触媒の性能を発揮させる為に、原料の炭化水素にアンモニアを添加する。反応工程における原料フィード条件におけるアンモニア/炭化水素のモル比は、好ましくは0.90〜1.40であり、更に好ましくは1.00〜1.20である。ただし、触媒の種類により適正な設定条件が大きく変化する為、必ずしも上記の範囲でなくてもよい。
添加されたアンモニアは、炭化水素から不飽和ニトリル化合物を生成させた後も残存する。また、アンモ酸化反応により、目的物である不飽和ニトリル化合物以外に、青酸、アセトニトリル、アクリル酸やメタクリル酸、二酸化炭素、一酸化炭素、水、タール状の高沸有機物等の反応副生物が生成される。また、未反応物としてはアンモニア以外に、上記炭化水素そのものの未反応分や、酸素、窒素も含有される。これら生成物と未反応物のうち、ガス成分の混合物をガス混合物とよぶ。このガス混合物中に含有される余剰のアンモニアの量としては、好ましくは5〜10g/m、より好ましくは6〜8g/mであるが、本発明においては特に限定されない。
反応工程で反応に関与しなかった余剰のアンモニアは、続く急冷工程にて酸性溶液と接触させ洗浄、冷却することにより、使用した酸性溶液に対応するアンモニウム塩の状態で、系外へと除去する。本急冷工程は、急冷塔にて行われる。取り出したアンモニウム塩は必要に応じて、晶析後に分離回収を行う。更に余剰の廃水については焼却処理を行う。
前記急冷工程では、アンモニアと塩を形成する酸として、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸などが使用できる。この中でも、酸性度の高さや入手のしやすさ、得られるアンモニア塩の有用性、接触時の反応から、硫酸を使用することが好ましい。酸性溶液として硫酸を使用した際には、同工程で得られるアンモニア塩は硫酸アンモニウム(硫安)となる。
使用する上記酸の濃度としては、希酸となって性質が変わることを避ける為、90質量%以上での使用が好ましく、98質量%以上であれば更に好ましい。
この発明にかかる不飽和ニトリル化合物の製造方法について、図1を用いて説明する。反応器1に、上記有機化合物及びアンモニアからなる原料ガスAを導入し、反応器1の下部より酸素含有ガスBを導入する。この酸素含有ガスBには空気を用いてもよい。さらに、これら原料ガスAや酸素含有ガスBは、窒素等の不活性ガスや水蒸気等で希釈して用いてもよい。反応器1の内部には、アンモ酸化反応用の流動床触媒を有し、上記原料ガスA及び酸素含有ガスB がこの触媒の層を400〜500℃で通過しながら反応する。
上記の反応で得られた生成物混合物は、間接熱交換器で冷却後、洗浄塔2に送られ、洗浄水がこの洗浄塔2の上部から噴霧される。なお、洗浄塔2は省略され、生成物混合物が直接に急冷処理を行う急冷塔4に導入される場合もある。また、急冷塔4は少なくとも1塔は必要であるが、複数の塔を用いて上記生成物混合物中の未反応アンモニアを除去する場合もある。
上記生成物混合物は、主に気体成分であり、洗浄塔2内において、上記噴霧される洗浄水と接触する。このため、上記高沸有機物等の上記生成物混合物中の液状成分や固形状成分は、上記生成物混合物から分離されて、洗浄水と共に洗浄塔2の下部に移行し、上記高沸有機物を含む洗浄水が洗浄塔2の下端部に溜まる(以下、これを「洗浄塔底液」と称する)。そして、この洗浄塔底液6は、その一部が高沸含有成分Dとして系外に排出され、他の一部は、循環配管3を経由して、補給水Cと合流して、洗浄塔2の上部から噴霧される。
なお、上記洗浄塔2内の液の温度は、特に限定されないが、70〜100℃が好ましい。70℃より低いと、洗浄水中への不飽和ニトリル化合物の溶解量が増え、不飽和ニトリル化合物のロスにつながるため好ましくない。
上記洗浄塔2で洗浄された上記生成物混合物又は反応で得られた生成物混合物は、急冷塔4に送られ、酸を含む水溶液がこの急冷塔4の上部から噴霧される急冷工程に入る。上記洗浄された生成物混合物は、急冷塔4内において、上記噴霧される酸を含む水溶液と接触する。このため、上記生成物混合物中の未反応アンモニアが、アンモニウム塩となり、上記生成物混合物から分離されて、急冷塔4の下部に移行し、上記中和されたアンモニウム塩を含む酸水溶液が急冷塔4の下端部に溜まる(以下、これを「急冷塔底液7」と称する)。そして、この急冷塔底液7は、その一部がアンモニウム塩含有成分Fとして系外に排出される。また、他の一部は急冷液体として、急冷塔4に配設された、下部から上部へと循環させるための第二循環配管5を経由して、酸性溶液Eと合流して、急冷塔4の上部から噴霧されるとよい。そして、急冷塔4で洗浄された生成物混合物は、精製対象ガスGとして、精製工程に送られる。なお、急冷工程が複数の急冷塔を有する場合は次の急冷塔に送られる。
上記の第二循環配管5には、酸性溶液を補給添加するための導管が挿入されている。前記導管から酸性溶液を添加する際、酸性溶液を、循環する急冷液体の流れ方向に対して並流となるように吐出する。添加後、混合された上で、急冷塔内部へ噴射され、急冷塔底液として一部を循環し、酸性溶液(アンモニア塩を含む)として再度急冷塔内部へと噴射されることが好ましい。
前記の第二循環配管5での酸性溶液Eの添加は、急冷塔4に接続された第二循環配管5へ直接挿入された導管8より酸性溶液Eを添加し、その後、自然混合もしくはラインミキサー等のブレンダーを使用しての混合を行う。前記導管8の形態としては、特に限定されないが、例えばノズルが挙げられる。前記導管は少なくとも1本のノズルであることが好ましい。
前記の第二循環配管5での酸性溶液Eの添加形式の第一の実施形態としては、図2に示したように、第二循環配管5の上流側と下流側を連結するバイパス管9を配設して、第二循環配管5中を循環する急冷液体の一部を分流させ、酸性溶液Eの添加をバイパス管9に挿入された導管8aから、急冷液体Hの流れ方向へ並行に行うことが挙げられる。その際、急冷塔4に接続された第二循環配管5に制水口(RO)を設け、本流の流量を制限することによって、一部を側流として迂回させる方法が好ましい。
前記の迂回させた側流のバイパス管9中において、急冷液体Hの流れ方向へ並流となるように酸性溶液Eを添加することで、図5に示したような、添加導管(8)を直接本流の配管(5)に挿入する場合に比べて、添加導管8a全体が酸性溶液中の過酷雰囲気に曝されることを防ぎ、更に急冷液体Hの流れに対して垂直方向の、酸性溶液Eの濃度勾配の発生も防ぐことや、添加導管8aへの酸性溶液Eの逆流を防ぐことが可能となる。
前記の分流の比としては、本流:側流(バイパス管9)の体積流量(Nm/Hr)比が50:50〜90:10であることが好ましく、70:30〜80:20であることがより好ましい。また、第二循環配管5の本流部分となる配管に設置されるROの仕様としては、前記の分流の比を達成できる仕様であれば、特に限定されない。
また、前記の第二循環配管5での酸性溶液Eの添加形式の第二の実施形態としては、図3に示したように、酸性溶液Eの添加導管8bからの吐出流が、第二循環配管5を流れる急冷液体Hに対して、並流方向から添加する方式を取ることができる。この形式では、急冷液体Hに対して垂直方向に、酸性溶液の過大な濃度勾配が生じることを防ぎ、かつ、導管8bの添加ノズルへの酸性溶液Eの逆流を防ぐことが可能となる。本形式は添加導管8b周りの配管スペースに余裕が無い場合に有効である。
前記の添加する導管8bからの酸性溶液Eの吐出方向としては、当該配管を流れる急冷液体の流れ方向に対して平行、すなわち並流とする。平行であっても向流の場合は、逆流防止の効果が得にくい。なお、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、前記吐出方向は急冷液体の流れ方向に対して若干の角度があってもよい。
更に、第三の実施形態として、添加導管8周りにおいて、急冷液体Hが流れる配管に予めベンド部10がある場合には、図4に示すように、酸性溶液Eの添加導管8cからの吐出流が、急冷液体Hの流れ方向に対して並流方向からの添加となるように添加導管8cを挿入しても良い。
循環する急冷液体Hの濃度としては、余剰アンモニアの量や添加する酸性溶液Eの性状にもよるが、例えば硫酸アンモウム溶液のような液体であれば、25〜35質量%の濃度範囲で循環するように調整して用いるのが好ましい。
急冷液体HのpHとしては特に限定されないが、急冷液体H自体が塩基性とならない為に、1.0〜7.0であることが好ましく、2.0〜6.0であれば更に好ましい。
急冷塔4内及び第二循環配管5(第一の実施形態ではバイパス管9を含む。)内の液温度としては、特に限定されないが、30〜100℃であれば好ましい。前記温度が低すぎると、目的生成物である不飽和ニトリル化合物の、液への溶解量が増え、生成物ロスが増大する。前記温度が高すぎると、エネルギーロスが増大する。
なお、説明の都合上、図1の構成を用いた製造装置での製造工程を例にとって説明したが、本アンモ酸化反応で用いる反応器や、急冷塔には、特に制限は無く、炭化水素、アンモニア及び酸素含有ガスを原料として用いる気相反応であれば、流動層反応器、固定床反応器共に区別なく適用することができ、急冷塔に関しても同様である。
本発明にて用いる配管(5)や添加導管(8)を構成する金属材料としては、特に限定されるものではないが、酸性環境下で実施されることなどの理由から、Ni−Fe−Cr合金などの耐食合金が望ましく、その他では、金属材料の表面に非金属(例えばPTFEやPFA等)ライニングを施したもの等も好ましく用いられる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の記載によって限定されるものではない。
(実施例1)
反応器1として流動層反応器を用い、図1に示す構成の洗浄塔2及び急冷塔4を有する製造装置を用いて、複合酸化触媒の存在下、原料としてプロピレンとアンモニア、及び空気を供給し、反応温度420〜465℃において、アンモ酸化反応によるアクリロニトリルの合成反応を行った。第二循環配管5に、図2に示した酸性溶液添加導管8aを用いて、酸性溶液Eとしてアンモニアを含む硫酸アンモニウム溶液を導入した。硫酸アンモニウム溶液の濃度は31〜32質量%で、循環液量は1000〜1300kL/Hr、酸性溶液としては98質量%硫酸を用いて、pHが5.0〜5.5程度となるように硫酸を添加しつつ運転を行った。
酸性溶液添加導管8aとしては、本体部分がSUS304製で、その長さが40cm、PFAライニングが先端に5cm付随した構造のノズルを使用した。この図2に示した添加ノズルを用いた際の、酸性溶液Eの吐出方向としては、急冷液体Hの流れに対して並流となる。前記添加導管8aを使用して、2年間プラントを連続運転し、停止後に添加ノズルを点検したところ、ノズル部の腐食による損傷等は一切見られなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の製造装置のうち、第二循環配管5が図3に示した酸性溶液添加導管8b(先端はノズルであり、急冷液体Hの流れに平行となるように導管を90°曲げた形状)である装置を用いて、アンモニアを含む硫酸アンモニウム溶液を導入した。添加導管の形式以外は実施例1と同様の条件にて運転を行った。この図3に示した添加導管8bを用いた際の、酸性溶液Eの吐出方向は、急冷液体Hの流れに対して並流となる。前記添加導管8bを使用して、2年間プラントを連続運転し、停止後に添加導管8bの先端ノズルを点検したところ、ノズルの一部の微小な範囲で、金属母材が露出している箇所が確認されたのみであった。添加ノズル一式の交換を行っただけで、以後の製造を問題なく続行することができた。
(比較例1)
実施例1と同様の製造装置のうち、第二循環配管5への導管8が図5に示した酸性溶液添加導管8(ノズル)である装置を用いて、アンモニアを含む硫酸アンモニウム溶液を導入した。添加導管8の形式以外は実施例1と同様の条件にて運転を行った。この図5に示した添加導管を用いた際の、酸性溶液Eの吐出方向は、急冷液体Hの流れに対して垂直方向となる。前記条件にて運転中、本体内面の溶接線近傍で応力腐食割れが発生した為、約1年で連続運転を停止した。添加ノズル一式の交換に加え、配管の割れ箇所の当て板補修も行った。
(比較例2)
図5に示した酸性溶液添加導管(ノズル)を用いて、アンモニアを含む硫酸アンモニウム溶液を導入し、比較例1と同様の条件にて2年間運転したところ、添加ノズル本体のブリスター(ライニング皮膜の膨れ現象)及び周辺配管の腐食等が発生した為、添加ノズル一式の交換に加え、急冷配管の交換も行った。
(まとめ)
前記実施例、比較例より明らかなように、急冷工程での酸添加方式を本案件の方式へ変更することで、酸添加配管(8)の腐食に伴う破損を抑制し、プラント停止のリスクを低減しながら、不飽和ニトリル化合物を製造することが可能となった。
1 反応器
2 洗浄塔
3 循環配管
4 急冷塔
5 第二循環配管
6 洗浄塔底液
7 急冷塔底液
8,8a、8b、8c 導管
9 バイパス管
10 ベンド部
A 原料ガス
B 酸素含有ガス
C 補給水
D 高沸含有成分
E 酸性溶液
F アンモニウム塩含有成分
G 精製対象ガス
H 急冷液体

Claims (6)

  1. 炭素数1〜6である炭化水素から選ばれる少なくとも1種類の化合物の気相アンモ酸化反応により不飽和ニトリル化合物を製造する方法において、前記気相アンモ酸化反応により生成した生成物と未反応物とのガス混合物を酸性溶液で洗浄、冷却するための急冷塔に、当該急冷塔内で生じる急冷液体を前記急冷塔の下部から上部へと循環させるための配管が配設され、前記配管には酸性溶液を添加するための導管が挿入され、
    前記配管の上流側と下流側を連結するバイパス管を配設して前記配管中を循環する急冷液体の一部を分流させ、前記酸性溶液の添加を前記バイパス管に挿入された導管より行い、
    前記導管から硫酸の濃度が90質量%以上である酸性溶液を、循環する急冷液体の流れ方向に対して並流となるように吐出して添加する不飽和ニトリル化合物の製造方法。
  2. 前記導管の先端が、少なくとも1本のノズルである請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記炭化水素が、プロピレン及び/またはプロパンであり、不飽和ニトリル化合物がアクリロニトリルである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 上記炭化水素が、イソブチレン及び/またはイソブタンであり、不飽和ニトリル化合物がメタクリロニトリルである請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 炭化水素の気相アンモ酸化反応により不飽和ニトリル化合物を製造する製造装置であって、
    前記気相アンモ酸化反応により生成した生成物と未反応物とのガス混合物を酸性溶液で洗浄、冷却するための急冷塔に、当該急冷塔内で生じる急冷液体を前記急冷塔の下部から上部へと循環させるための配管が配設され、前記配管には酸性溶液を添加するための導管が挿入され、前記導管の下流側にブレンダーが配設され、
    前記配管内における前記導管の先端方向を、循環する急冷液体の流れ方向に対して並流となる方向に向けた、不飽和ニトリル化合物の製造装置。
  6. 前記導管が、前記配管の上流側と下流側を連結するバイパス管を配設して前記配管中を循環する急冷液体の一部を分流させたうちの、前記バイパス管に挿入されたものである、請求項に記載の不飽和ニトリル化合物の製造装置。
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