JP6170051B2 - 真菌リパーゼを用いてヒトにおける血清トリアシルグリセリドのレベルを低下させるための方法および組成物 - Google Patents

真菌リパーゼを用いてヒトにおける血清トリアシルグリセリドのレベルを低下させるための方法および組成物 Download PDF

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Description

1. 発明の分野
本発明は、ヒト対象における血清トリアシルグリセリドのレベルを低下させるための方法および組成物に関する。特に、本発明は、高レベルまたは高境界レベルの血清トリアシルグリセリドを有しているヒト対象に対し、血清トリアシルグリセリドレベルを低下させるのに十分な期間、真菌リパーゼ製剤の有効量を経口投与することに関する。
2. 関連技術の説明
トリアシルグリセリドレベル
米国疾病対策予防センター(CDC)で、Fordらにより行われた、5,610人の被験者が関与した近年の研究(Arch Intern Med, 169(6):572-578, 2009(非特許文献1))により、被験者の33.1パーセントが高境界値と定義される(150ミリグラム/デシリットル超)血清トリアシルグリセリドレベルを有していることが示された。そして、ほぼ18パーセントが、高値と定義される(200ミリグラム/デシリットル超)血清トリアシルグリセリドレベルを有していた。高レベルのトリアシルグリセリドは、心臓発作および脳卒中のリスクを増加させるアテローム性動脈硬化症をもたらしうる。高レベルのトリアシルグリセリドを有しているヒトは多くの場合、たとえば肥満および糖尿病等の心疾患を発症する可能性を高める付加的な疾患にも罹患している。
高トリグリセリド血症は、高レベルの血清トリアシルグリセリドの存在により特徴づけられるヒトの疾患である。高トリグリセリド血症は肥満に関連するが、総体脂肪とは別に、他の要因によっても発症しうる(CT Johansen and RA Hegele, Curr. Opin. Lipidol., 22(4):247-253, 2011(非特許文献2))。たとえば、APOA5、APOB、GCKRおよびLPL等の細胞遺伝子の一塩基多型の存在により、ヒトにおいて重篤な高トリグリセリド血症が引き起こされうる。高トリグリセリド血症に対する感受性のうち、20%超が遺伝子変異によるものであると考えられている。内皮細胞の機能不全および脂肪細胞の機能不全により、高トリグリセリド血症が引き起こされうる(HW Breuer Curr. Med. Res. Opin. 17(1):60-73, 2001(非特許文献3); AP van de Woestijne et. al. Obes. Rev. 10.1111 (オンライン公開が出版に先行)2011年7月12日(非特許文献4))。高トリグリセリド血症は、特定の薬物によっても引き起こされる。たとえば、インターフェロンα2bおよびアスパラギナーゼにより、2つの特有な生化学的機序による高トリグリセリド血症が引き起こされることが示されている(YK Keung et. al. South. Med. J. 92(9):912-914, 1999(非特許文献5))。まとめると、これらの研究により、ヒトにおいて、肥満とは関係のない複数の要因により高レベルの血清トリアシルグリセリドが引き起こされうることが示唆される。
高レベルの血清トリアシルグリセリド(一般にトリグリセリドと呼ばれる。また、本明細書において「TAG」と呼称される)は、多くの場合は2型糖尿病を有している患者と関連する数種の脂質異常のうちの1つとして特定されていた(Bitzur et al., Diabetes Care 32 (suppl 2): S373-S377, 2009(非特許文献6))。現在のところ、どのような機序により、これらの患者において血清TAGレベルの上昇が引き起こされるのかは不明である。その作用は、インスリン活性の抑制効果の減弱、TAGを含有する脂質粒子のクリアランスの減少、および、2型糖尿病を有している患者による、炭水化物カロリー摂取量を減少させ、彼らの食事をより多くの肉類および脂質へ置き換えることへの、意識的な食事療法の決断、による寄与を伴う多因子的な性質のものである。いくつかの前向き研究により、高トリグリセリド血症は2型糖尿病の独立した予測因子であると特定されている。近年、TAG分子のプロファイリングが実施され、将来的に2型糖尿病を発症しうる群の予測の一助となっている(Rhee et al. J. Clin. Invest. 121(4):1402-1411, 2011(非特許文献7))。これらの研究を考慮し、臨床医は患者の血清中のトリグリセリドのレベルをモニターし、研究者は血清トリグリセリドレベルを低下させる方法を探索している。
リパーゼ
リパーゼは、身体で食物の消化を補助するために、脂肪の分解に用いられる酵素である。リパーゼの特異性は、リパーゼの分子特性、潜在的な基質の構造、およびリパーゼの基質への結合に影響を与える因子に由来する(Jensen RG et al. Lipids, 18(3):239-252, 1983(非特許文献8))。ヒトの身体において最も重要なリパーゼの一つは、膵リパーゼである。膵リパーゼは、腸の細胞(すなわち、腸細胞)が容易に吸収できるより小さな構成成分へと、(たとえば、遊離脂肪酸(FA)および2−モノアシルグリセリド(2−MAG)へと、摂取された脂肪に由来するトリアシルグリセリドを分解する(Pham, C.T. and Tso, P., Frontiers in Bioscience 6:d299-319, 2001(非特許文献9); Levy et al. FASEB J. 9:626-635, 1995(非特許文献10))。腸細胞は、主にモノアシルグリセリド経路を介して、FA構成成分および2−MAG構成成分をトリアシルグリセリド(TAG)へと合成する。新たに合成されたTAGは、カイロミクロンに内包され、次いで、細胞内スペースおよびリンパ管近くへと、エキソサイトーシスにより放出される。TAGを含有するカイロミクロンは、最終的にはエネルギー産生および合成プロセスのために、身体中に分配される。
歴史的に、脂質消化を増強する/補うための試みは、膵リパーゼの補充量の経口投与に焦点が当てられてきた。しかしながら、自然に供給される膵リパーゼは胆管を介して腸内へと直接分泌される一方、経口補充では最初に胃を通過しなければならない。膵リパーゼは、空腹(pH1〜2)および満腹(pH3〜4)のいずれであろうと胃の酸性環境下では不安定であり、これらの低pH状態に曝されている間に、その酵素活性は急速に失われる。酸性pHでの膵リパーゼ活性の不安定さを克服するための試みが過去に行われたが、満足な結果は得られていない。試みとしては、膵リパーゼの腸溶性錠剤(Graham DY, New England Journal of Medicine 296:1314-1317, 1977(非特許文献11))、ミクロスフィア内包膵リパーゼ(米国特許第5,260,074号(特許文献1)、米国特許第5,324,514号(特許文献2)、米国特許第5,352,460号(特許文献3)、米国特許第5,405,621号(特許文献4)を参照のこと)、および、架橋リパーゼ結晶(米国特許出願第2001/0046493号(特許文献5)および米国特許出願第2003/0017144号(特許文献6)を参照のこと)などを用いたものが挙げられる。
従って、容易に摂取することができ、そして第一に満腹の胃の酸性pH環境において、次いで腸の中性pH環境において有効なリパーゼ活性を発揮することができるリパーゼ製剤に対する必要性が未だに存在する。
米国特許第5,260,074号 米国特許第5,324,514号 米国特許第5,352,460号 米国特許第5,405,621号 米国特許出願第2001/0046493号 米国特許出願第2003/0017144号
Arch Intern Med, 169(6):572-578, 2009 CT Johansen and RA Hegele, Curr. Opin. Lipidol., 22(4):247-253, 2011 HW Breuer Curr. Med. Res. Opin. 17(1):60-73, 2001 AP van de Woestijne et. al. Obes. Rev. 10.1111 2011年7月12日 YK Keung et. al. South. Med. J. 92(9):912-914, 1999 Bitzur et al., Diabetes Care 32 (suppl 2): S373-S377, 2009 Rhee et al. J. Clin. Invest. 121(4):1402-1411, 2011 Jensen RG et al. Lipids, 18(3):239-252, 1983 Pham, C.T. and Tso, P., Frontiers in Bioscience 6:d299-319, 2001 Levy et al. FASEB J. 9:626-635, 1995 Graham DY, New England Journal of Medicine 296:1314-1317, 1977
本発明により、酸性および中性のpH環境において安定かつ活性があり、また、食事性脂質、たとえばトリアシルグリセリドを脂肪酸(FA)およびグリセロールへ分解するリパーゼ製剤が提供される。膵リパーゼ消化の範囲を超えている、トリアシルグリセリドのFAおよびグリセロールへと完全な消化により、本発明のリパーゼ製剤は、脂質消化を強化する。本発明者らは、これらのリパーゼ製剤が、ヒトにおける血清トリアシルグリセリドレベルを有意に低下させることを見出した。
そこで、本発明により、高レベルの血清トリアシルグリセリドおよび高境界レベルの血清トリアシルグリセリドを有しているヒトの治療に有用な改良リパーゼ組成物、ならびにこれらの組成物の投与による、ヒトにおける血清トリアシルグリセリドレベルを低下させる方法が提供される。
特に、本発明により、真菌リパーゼの有効量を含む組成物を、それを必要とするヒト対象に投与することにより、ヒト対象における血清トリグリセリドレベルを低下させる方法が提供され、真菌リパーゼが、(i)2.0〜8.0のpH範囲にわたりその最大活性の少なくとも50%の活性を示し、かつ、(ii)トリグリセリドの3つすべてのエステル部位を開裂する。
一つの実施態様において、当該方法は、定期的に、かつ、当該組成物を投与する前の当該ヒト対象の血清トリアシルグリセリドと比較して血清トリアシルグリセリドを少なくとも20%低下させるのに十分な期間にわたり、当該組成物を当該ヒトに投与することを含む。たとえば、当該組成物は、少なくとも1週間または1か月の間、各食事のときに、または食事の際のほとんどで、投与されてもよい。
別の実施態様において、当該方法は、少なくとも150mg/dLの血清トリアシルグリセリドを有しているヒト対象における血清トリアシルグリセリドを低下させる。別の実施態様において、ヒト対象は、糖尿病のリスクを有しているかまたは糖尿病を有している。
特定の実施態様において、リパーゼの有効量は、たとえば、少なくとも15,000FIP単位/当該ヒト対象により摂取された食事、当該ヒト対象により摂取されたタンパク質1グラム当たり少なくとも180,000FIP単位、または、当該ヒト対象により摂取された脂質1グラム当たり少なくとも2000FIP単位であってもよい。適切な真菌リパーゼは、たとえばカンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)(カンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)としてもまた知られる)またはカンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)等のカンジダ科由来のリパーゼであってもよい。
[本発明1001]
真菌リパーゼの有効量を含む組成物を、それを必要とするヒト対象に対し投与することを含む、ヒト対象における血清トリアシルグリセリドレベルを低下させる方法であって、該真菌リパーゼが、(i)2.0〜8.0のpH範囲にわたりその最大活性の少なくとも50%を示し、かつ、(ii)トリグリセリドの3つ全てのエステル部位を開裂し、該真菌リパーゼの有効量が少なくとも15,000FIP単位/食事を構成する、方法。
[本発明1002]
前記真菌リパーゼが、タンパク質1グラム当たり少なくとも180,000FIP単位を構成する、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記真菌リパーゼの有効量が、前記ヒト対象により摂取された脂質1グラム当たり少なくとも2000FIP単位を構成する、本発明1001の方法。
[本発明1004]
前記真菌リパーゼが、カンジダ(Candida)科由来のリパーゼである、本発明1001の方法。
[本発明1005]
前記組成物が、定期的に、かつ、該組成物を投与する前の前記ヒト対象の血清トリアシルグリセリドと比較して血清トリアシルグリセリドを少なくとも20%低下させるのに十分な期間にわたり、該ヒト対象に投与される、本発明1001の方法。
[本発明1006]
前記組成物が少なくとも1週間投与される、本発明1005の方法。
[本発明1007]
前記ヒト対象が、少なくとも150mg/dLの血清トリアシルグリセリドを有している、本発明1001の方法。
[本発明1008]
真菌リパーゼの有効量を含む組成物を、それを必要とするヒト対象に対し投与することを含む、ヒト対象における血清トリアシルグリセリドレベルを低下させる方法であって、該真菌リパーゼが、(i)2.0〜8.0のpH範囲にわたりその最大活性の少なくとも50%を示し、かつ、(ii)トリグリセリドの3つ全てのエステル部位を開裂し、該組成物が、定期的に、かつ、該組成物を投与する前の該ヒト対象の血清トリアシルグリセリドと比較して血清トリアシルグリセリドを少なくとも20%低下させるのに十分な期間にわたり、該ヒト対象に投与される、方法。
[本発明1009]
前記真菌リパーゼが、タンパク質1グラム当たり少なくとも180,000FIP単位を構成する、本発明1008の方法。
[本発明1010]
前記真菌リパーゼの有効量が、前記ヒト対象により摂取された脂質1グラム当たり少なくとも2000FIP単位を構成する、本発明1008の方法。
[本発明1011]
前記真菌リパーゼが、前記組成物の重量の50〜100%を構成する、本発明1008の方法。
[本発明1012]
前記真菌リパーゼが、カンジダ科由来のリパーゼである、本発明1008の方法。
[本発明1013]
前記組成物が少なくとも1週間投与される、本発明1008の方法。
[本発明1014]
前記ヒト対象が、少なくとも150mg/dLの血清トリアシルグリセリドを有している、本発明1008の方法。
[本発明1015]
少なくとも150mg/dLの血清トリアシルグリセリドを有しているヒト対象における血清トリアシルグリセリドを低下させるために、真菌リパーゼの有効量を含む組成物を、それを必要とするヒト対象に投与することを含む、ヒト対象における血清トリアシルグリセリドレベルを低下させる方法であって、該真菌リパーゼが、(i)2.0〜8.0のpH範囲にわたりその最大活性の少なくとも50%を示し、かつ、(ii)トリグリセリドの3つ全てのエステル部位を開裂する、方法。
[本発明1016]
前記真菌リパーゼが、タンパク質1グラム当たり少なくとも180,000FIP単位を構成する、本発明1015の方法。
[本発明1017]
前記真菌リパーゼの有効量が、前記ヒト対象により摂取された脂質1グラム当たり少なくとも2000FIP単位を構成する、本発明1015の方法。
[本発明1018]
前記真菌リパーゼが、カンジダ科由来のリパーゼである、本発明1015の方法。
[本発明1019]
前記組成物が1週間投与される、本発明1015の方法。
[本発明1020]
前記ヒト対象が、糖尿病のリスクを有しているかまたは糖尿病を有している、本発明1015の方法。
1,3特異性を有するリパーゼのトリアシルグリセリドへの酵素作用と非特異的リパーゼのトリアシルグリセリドへの作用を比較した2つに分かれた図である。 腸細胞による正常な脂質吸収およびトリアシルグリセリド合成を示す図である。図の略語:膵リパーゼ(PL)、遊離脂肪酸(FA)、2−モノアシルグリセリド(2−MAG)、ジアシルグリセリド(DAG)、トリアシルグリセリド(TAG)、コエンザイムA(CoA)、グリセロール3−リン酸(グリセロール−3P)。 腸細胞による脂質吸収およびトリアシルグリセリド合成に対するカンジダ・ルゴサリパーゼの効果を示す図である。図の略語:膵リパーゼ(PL)、カンジダ(Candida)リパーゼ(CL)、遊離脂肪酸(FA)、有意に減少した2−モノアシルグリセリドのレベル[2−MAG]、ジアシルグリセリド(DAG)、トリアシルグリセリド(TAG)、コエンザイムA(CoA)、グリセロール3−リン酸(グリセロール−3P)。 カンジダ・ルゴサ由来のリパーゼ調製物の活性に対するpHの影響を示したグラフ(図4A)および安定性に対するpHの影響を示したグラフ(図4B)の2つのグラフを含む。 クロコウジカビ(Aspergillus niger)由来のリパーゼ調製物の酵素活性に対するpHの影響(図5A)、および安定性に対するpHの影響(図5B)、ならびにリゾプス・オリーゼ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼ調製物の酵素活性に対するpHの影響(図5C)および安定性に対するpHの影響(図5D)を示す4つのグラフを含む。図4Aおよび図4Bに記述されるように、リパーゼを分析した。 pH4で大豆油を用いた4種の由来(ブタ膵臓、クロコウジカビ、リゾプス・オリーゼ、およびカンジダ・ルゴサ))からのリパーゼの一時的な消化作用の比較グラフである。作用効果は、構成的な構成成分(すなわち、FA、2−MAG、グリセロール)への消化後の、トリアシルグリセリドのHPLC検出の低下により測定された。リパーゼの無い対照調製物において、4つの試験された反応時点で、トリアシルグリセリドは平均874±8mg/mlで検出された。 pH4で大豆油を用いた4種の由来(ブタ膵臓、アスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhizopus)、およびカンジダ)のリパーゼによる一時的なグリセロール産生の比較グラフである。作用効果は、大豆油の消化後の、グリセロールのHPLC検出の増加により測定された。リパーゼの無い対照調製物において、試験された4つの反応時点で、グリセロールは検出されなかった。 カンジダ・ルゴサのリパーゼ調製物のグリセロール産生に対する活性増加の比較による、反応特異性を示す濃度反応曲線である。カンジダ・ルゴサのリパーゼは、FAおよびグリセロールへのTAGの完全消化ができる活性濃度で用いられる必要があり、ゆえに、血清TAGレベルに対するインビボでの本発明の効果減少が得られる。 pH4でオリーブ油由来のトリアシルグリセリドの分解、およびそれに引き続くグリセロールの産生に対する4種の由来のリパーゼ作用の比較グラフであり、他のトリアシルグリセリド源に対するカンジダリパーゼの実際の作用の普遍性が示される。
発明の好ましい実施態様の詳細な説明
本発明により、正常な血清トリアシルグリセリドレベルよりも高いレベルを有しているヒトの治療のための、改良酵素組成物および方法が提供される。特に、本発明により、血清トリアシルグリセリドレベルを減少させるのに有効な量におけるリパーゼの投与が提供され、リパーゼは、(1)消化の間もずっと活性かつ安定(すなわち、酸性、酸性〜中性、および中性pHにおいても活性かつ安定)であり、かつ、(2)トリアシルグリセリドの3つすべての脂肪酸結合を加水分解する。本発明により、リパーゼ組成物の有効量が提供され、その投与から利益を得る人々をこれら組成物の対象とする。
リパーゼの活性および安定性
本発明により、胃の酸性環境下でも活性および安定であり、食事性のトリアシルグリセリドの消化を胃で開始することができるリパーゼの使用が提供される。当該リパーゼはまた、酸性〜中性pHおよび中性pH条件下で活性および安定である。そのため、当該リパーゼは、消化の間を通して、活性があり、安定である。そのようなリパーゼの例としては、カンジダ科(たとえば、カンジダ・ルゴサ(C. rugosa)およびカンジダ・アンタークティカ(C. antarctica)等)由来のリパーゼが挙げられる。一つの実施態様において、当該リパーゼは、2.0〜8.0のpHの範囲にわたり、その最大活性の少なくとも50%を示す。他の活性および安定性の範囲は、本明細書の図面または参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2008/0279839号において支持されかつ由来しても良い。
リパーゼの開裂活性
本発明の組成物および方法で用いられるリパーゼは、トリアシルグリセリドの3つすべてのエステル部位(sn−1、sn−2およびsn−3)を開裂することができる。当該リパーゼは、短い、中程度の、もしくは長いものであろうとなかろうと、かつ/または、飽和もしくは不飽和であろうとなかろうと、これら3つの部位でTAGの脂肪酸構成成分を開裂することができる。
ほとんどのリパーゼがトリアシルグリセリドのsn−1および/またはsn−3の外側部位を開裂するのみであり、3つすべてのエステル部位を開裂することはできないと理解されている。これは、これらのリパーゼによる、トリアシルグリセリド異化由来の2つまでの遊離脂肪酸分子および2−モノアシルグリセリド(2−MAG)の産生をもたらし、すなわち、これらのリパーゼは不完全にトリアシルグリセリドを消化する。図1の1つ目のパネルを参照のこと。対照的に、本発明の好ましいリパーゼ、たとえば、カンジダ・ルゴサおよびカンジダ・アンタークティカ由来のリパーゼは、トリアシルグリセリドを、3つの遊離脂肪酸分子およびグリセロール主鎖に完全に消化することができる。図1の2つ目のパネルを参照のこと。
一研究により、非常に多くの源から由来する25のリパーゼの基質特異性が明らかになり、トリアシルグリセリドのsn−2領域に対する反応性を示すのは、わずか6つのリパーゼ(主にカンジダリパーゼおよびゲオトリクムリパーゼ)のみであることが判明した(Rogalska et al., Chirality, 5:24-30, 1993)。分析されたsn−2部位反応性リパーゼのほぼすべてが、トリアシルグリセリドの内側sn−2部位よりも、むしろ外側sn−1およびsn−3部位を加水分解する傾向にあり、カンジダ・アンタークティカのリパーゼのみがわずかにsn−2部位を優先する傾向を示した。sn−2部位反応性リパーゼの一部は、ゲオトリクム種に由来した。
近年の研究により、ゲオトリクム由来のリパーゼの一部が6.5〜8.0のpH範囲内で安定であることが示されており(たとえば、Gopinath S.C.B.,et al. World J Review of MICB and Biotechnol., 19(7):681-689, 2003)、これらの特定のリパーゼは、胃の酸性pHにおいては、トリアシルグリセリド消化に対してほとんど効果を示さないことが示唆される。しかしながら、酸性pHで安定なゲオトリクム由来のリパーゼは有益であり得、トリアシルグリセリド消化の改善達成の一助となることが示された。他の微生物リパーゼ、たとえば、クロコウジカビ由来のものは、酸性pHで安定であるが、トリアシルグリセリドのsn−1およびsn−3部位しか作用せず、また、様々な基質と反応するカンジダ・ルゴサのリパーゼ、本発明の好ましいリパーゼよりもはるかに大きく基質限定を示す。従って、本発明により、トリアシルグリセリドの3つすべてのエステル部位(sn−1、sn−2およびsn−3)を開裂する、カンジダ科由来のリパーゼ以外のリパーゼの使用が企図される。
非拘束機械論(Non−Binding Mechanistic Theory)
ヒトの身体は膵リパーゼを介して、摂取した脂質由来のトリアシルグリセリドを遊離脂肪酸(FA)および2−モノアシルグリセリド(2−MAG)へと分解する。腸細胞は、主にモノアシルグリセリド経路を介してFA構成成分および2−MAG構成成分をトリアシルグリセリドへと合成する。TAGは、最終的に、エネルギー産生と合成プロセスのために身体中に分配される。
図2において、膵リパーゼにより脂質混合ミセルの正常な消化を図示している。正常な消化プロセスの間、胆汁塩とトリアシルグリセリドとの組み合わせにより混合ミセルは形成され、脂質構成成分の可溶性が増加する。腸管腔において、膵リパーゼ(PL)は、膵臓により分泌される補助タンパク質であるコリパーゼの作用により、これらの混合ミセルへの固定を補助される。膵リパーゼは混合ミセル中に含有されるトリアシルグリセリドを脂肪酸(FA)および2−モノアシルグリセリド(2−MAG)へと消化する。これらの2つの消化産物(FAおよび2−MAG)は、腸細胞により迅速に吸収され、TAGへの再形成のために、主にモノアシルグリセリド経路へと受け渡される。
いくつかの研究により、2−MAGはインビトロで1−モノアシルグリセリド配座へと異性体化できることが示されている。腸細胞による2−MAGの吸収は異性体化プロセスが発生するには非常に速すぎるため、この現象は、生理学的な意義があるとは考えられていない。通常、腸細胞により産生されるトリアシルグリセリドの70〜75%は、滑面小胞体においてモノアシルグリセリド経路を介して合成される(Mansbach and Parthasarathy, J. Lipid Research, 23:1009-1019, 1982; Levy et al. FASEB J, 9:626-635, 1995)。引き続くアポタンパク質および他の構成成分の付加の後、TAGが富化された前カイロミクロンは、腸細胞の基底外側領域へと輸送され、エキソサイトーシスにより細胞外空間へと放出され、そこで成熟カイロミクロンはリンパ管へと進み、全身へ分配される。
第二のTAG合成経路はまた、腸細胞において活性を有する。ホスファチジン酸経路は、主に、その経路の重要な基質であるグリセロール3−リン酸(グリセロール−3P)が少量であることに制約されるために、モノアシルグリセリド経路と比較して非常に少量のTAGを合成する。グリセロール−3リン酸は通常、他の源、たとえば、肝臓による産生物から腸細胞により取り込まれる。モノアシルグリセリド経路およびホスファチジン酸経路の両方は、滑面小胞体で合流し、本質的に同等のTAGを富化された排出用カイロミクロン粒子を産生することが示されている(Yang, L-Y. and Kuksis, A., J. Lipid Research 32:1173-1186, 1991)。
これに拘束されることを望まないが、本発明者らは、インビボにおいて、食事性脂質に対するリパーゼ(たとえば、カンジダリパーゼ)および天然膵リパーゼの協調作用により、本明細書に記述されるリパーゼ組成物はトリアシルグリセリドの血清レベルを低下させると理論立てている。共に作用することにより、食事性トリアシルグリセリドのほとんどを、脂肪酸の3分子およびグリセロールの1分子へとリパーゼが完全に消化することがさらに可能となる。関与する生化学的事象に関して提案されるシナリオを、図3に示す。
増強された消化プロセスの間、膵リパーゼ(PL)およびカンジダリパーゼ(CL)は、混合ミセルに含有されるトリアシルグリセリドを脂肪酸(FA)および2−モノアシルグリセリド(2−MAG)へと消化する。カンジダリパーゼは、次いで、2−MAG産物を、付加的なFA分子および遊離グリセロール分子へとさらに消化することができる。これらの2つの消化産物(FAおよびグリセロール)は迅速に腸細胞により吸収される。TAGの完全な消化により、モノアシルグリセリド経路の活性は、その基質の2−MAGが大きく枯渇するため、かなり低下する。従前の研究により、2−MAGの非存在下においては、ホスファチジン酸経路が主なTAG産生の合成経路となることが示されている(Mansbach and Parthasarathy, 1982)。この合成の補填は、その経路の基質であるグリセロール−3リン酸が利用可能かどうかに依存する。腸細胞のグリセロールキナーゼ活性により、ホスファチジン酸経路の基質であるグリセロール−3リン酸(グリセロール−3P)を産生することができる。しかしながら、腸細胞におけるグリセロールキナーゼの活性は限定的であることが示されており、ほとんどのグリセロールは、身体の他の細胞性合成経路での使用のために、腸細胞を通過して流出すると考えられている。ほとんどのグリセロール−3リン酸は、他の源から腸細胞内へ取り込まれると考えられている。ゆえに、食事性脂質に対する天然膵リパーゼおよびカンジダリパーゼの協調作用により、合成され、細胞外移送のために腸細胞によりカイロミクロン内に包埋されるトリアシルグリセリドの量の減少がもたらされ得、細胞外移送されたカイロミクロンのようなTAGが富化された粒子は、最終的にはヒトにおける血清トリアシルグリセリドのレベルに寄与することになる。
本発明の広範反応性リパーゼ製剤は、モノアシルグリセリド経路を利用する腸細胞による新たなトリアシルグリセリドの合成に必須である、2−MAG構成成分を枯渇させると考えられる。結果として、本発明のリパーゼ製剤により、血清トリアシルグリセリドのレベルが低下する。
リパーゼ製剤の投与
本発明により、本発明のリパーゼ製剤の有効量の投与が提供される。有効量としては、たとえば、あるレベルのリパーゼ活性(FIP単位で測定)を含有する組成物、またはリパーゼが十分な期間投与された場合に、当該組成物の投与前の血清TAGレベルと比較して血清TAGレベルが低下するようなリパーゼの量を含んでも良い。
一つの実施態様において、リパーゼの有効量は、少なくとも15,000FIP単位/食事を構成し、それらは一つ以上のカプセルまたは錠剤により送達されてもよい。たとえば、有効量は、少なくとも25,000、40,000、50,000、70,000、90,000、100,000、125,000、150,000、175,000、200,000、225,000または250,000FIP単位であってもよく、それらは一つ以上のカプセルまたは錠剤により送達されてもよい。本発明は、これらの有効量の範囲(たとえば、15,000〜250,000FIP単位/食事、カプセルまたは錠剤)を企図するものであることが理解される。
別の実施態様において、リパーゼの有効量はヒト対象により摂取された脂質1グラム当たり少なくとも2000FIP単位を構成する。たとえば、酵素の活性は、ヒト対象により摂取された脂質1グラム当たり少なくとも2250、2500、3000、3500、4000、4500、または5000FIP単位であってもよい。本発明は、これらの有効量の範囲(たとえば、ヒト対象により摂取された脂質1グラム当たり2,000〜5,000FIP単位)を企図するものであることが理解される。
別の実施態様において、本発明のリパーゼ組成物における酵素は、リパーゼ1グラム当たり少なくとも180,000FIP単位を構成する。たとえば、酵素の活性は、リパーゼ1グラム当たり少なくとも200,000、225,000、250,000、300,000、350,000、375,000、400,000、450,000、または500,000FIP単位であってもよい。本発明は、これらの量の範囲(たとえば、リパーゼ1グラム当たり180,000〜500,000FIP単位)を企図するものであることが理解される。
別の実施態様において、リパーゼは、投薬重量の少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、または100%を構成してもよい。本発明は、これらの量の範囲(たとえば、リパーゼはカプセルまたは錠剤の重量の2〜100%を構成してもよい)を企図するものであること理解される。投薬量の残りは、保管の間に賦形剤がリパーゼの安定性を過度に低下させるものでない限りは、既知の薬学的な賦形剤の任意の組み合わせであってもよい。
本発明のリパーゼ製剤は、本発明のリパーゼ組成物を投与されていないヒト対象の血清TAGレベルと比較して、血清TAGレベルを低下させるのに十分な期間、投与される。たとえば、リパーゼ組成物は、当該組成物を投与する前の当該ヒトの血清トリアシルグリセリドレベルと比較して血清トリアシルグリセリドを少なくとも20、25、30、35、40、または50%低下させるのに十分な期間にわたり、ヒト対象に投与されてもよい。好ましい実施態様において、これらのレベルで血清トリアシルグリセリドを低下させるのに十分な期間の長期投与は、少なくとも1、2、3または4週(1か月)であってもよい。他の実施態様において、本発明の組成物は、2、4、6、9または12か月などのより長い期間、投与されてもよい。さらに別の実施態様において、本発明の組成物は、長年の間、または対象の人生の残りの期間、毎日の処方の一環(たとえば、食事と共に投与される)として投与されてもよい。
典型的には、本発明のリパーゼ製剤は、食物(たとえば、食事)が摂取されるときに、食物と共に(たとえば、各食事と共に)投与される。あるいは、リパーゼ製剤は、「実質的に食物と同時に」投与されてもよい。本明細書において、「実質的に食物と同時に」とは、リパーゼ製剤が食物(たとえば、食事)の摂取の前後、および好ましくは食物(たとえば、食事)の摂取の前後5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60分以内に投与されることを意味する。
本発明のリパーゼ調剤は、典型的には、カプセルまたは錠剤の形態で投与される。好ましい実施態様において、リパーゼ製剤は、単一のカプセルまたは錠剤で投与される。別の実施態様において、リパーゼ製剤は、複数のカプセルまたは錠剤を用いて投与される。例示的なカプセルまたは錠剤は、200〜500mgであってもよい。
ヒト個体群
本発明により、TAGレベルが上昇したヒト対象に対してリパーゼ製剤を投与する方法が提供される。一つの実施態様において、ヒト対象は、正常なTAGレベル(少なくとも150mg/dL)を超えている。別の実施態様において、ヒト対象は、高境界TAGレベル(150〜199mg/dL)、高TAGレベル(200〜499mg/dL)、または非常に高いTAGレベル(500mg/dL以上)を有している。
本発明により、TAGレベルの上昇に関連した疾患または状態を有しているヒト対象にリパーゼ製剤を投与する方法が提供される。一つの実施態様において、ヒト対象は、糖尿病を有しているかまたは糖尿病のリスクを有している。別の実施態様において、ヒト対象は糖尿病を有しており、低炭水化物カロリー摂取を高脂質摂取および高タンパク質摂取で補っている。別の実施態様において、ヒト対象は、2型糖尿病のリスクを有しているか、または2型糖尿病を有している(たとえば、ヒト対象は2型糖尿病を有し、かつ冠動脈疾患のリスクを有している)。
様々な実施態様および概念の組み合わせ
本明細書に記述される実施態様および概念は、組み合わせて用いられても良いことが理解される。たとえば、本発明により、真菌リパーゼの有効量を含む組成物を投与することを含む、ヒト対象における血清トリアシルグリセリドレベルを低下させる方法が提供され、ここで、(i)真菌リパーゼは、カンジダ・シリンドラセア(C. cylindracea)由来であり、(ii)カンジダ・ルゴサ(シリンドラセア)の有効量は、少なくとも15,000FIP単位/食事であり、(iii)当該組成物は、当該組成物を投与する前の当該ヒト対象の血清トリアシルグリセリドと比較して血清トリアシルグリセリドを少なくとも20%低下させるのに十分な期間にわたり、当該ヒト対象に投与され、かつ、(iv)当該ヒト対象は、当該組成物を投与する前、少なくとも150mg/dLの血清トリアシルグリセリドを有している。従って、リパーゼ類、有効量、投与形態および患者個体群の他の組み合わせもまた想定される。
以下の実施例は、決して本発明の限定を意味するものではない。
実施例1−リパーゼの活性および安定性
図4Aおよび4Bにおいて、カンジダ・ルゴサのリパーゼの酵素活性(図4A)および安定性(図4B)に対するpHの影響を示す。真菌リパーゼ国際(FIP)活性分析(Food Chemical Codex protocol, Volume 7: 1201-1202, 2011)を用いて、カンジダ・ルゴサのリパーゼが2〜8のpH範囲、より好ましくは3〜8のpH範囲において完全に活性であることを測定した。FIP単位は、1分でトリグリセリドから1マイクロモルの脂肪酸を放出するのに必要とされる酵素の量である。標準的なFIP分析は、リパーゼ反応混合物(pH7)の中性pHを維持するために、自動pH滴定機器を用い、温度は37℃である。脂肪酸がオリーブ油基質からリパーゼにより放出されると、pHは低下し、中性pHを維持するために、0.02NのNaOH溶液が自動的に反応混合物に加えられる。反応の間、中性pHを維持するために用いられたNaOH溶液の正確な体積の測定の実施により、リパーゼ活性を算出することができる。
図4Aに示されるpHの影響のグラフに関して、自動滴定機器をセットし、グラフに示される異なるpHレベルで反応を維持した。その結果より、カンジダ・ルゴサのリパーゼは、ほぼ満腹の胃によるpHと類似するpH3〜4で完全に活性であることが示唆される。カンジダ・ルゴサのリパーゼは、低pHで安定であり、その酵素活性の大部分を維持している(図4B)。これらの実験のために、カンジダ・ルゴサのリパーゼを、FIP活性分析(pH7.0)の実施の前に、異なるpH値の適切な緩衝液中で37℃で、2時間、前もってインキュベートした。総合すると、データにより、カンジダリパーゼは、満腹の胃の中でトリアシルグリセリドの分解を開始することができることが示唆される。
2種の他の微生物リパーゼの酵素活性および安定性に対するpHの影響を、図5A〜5Dに示す。クロコウジカビリパーゼの酵素活性および安定性に対するpHの影響を、それぞれ図5Aおよび5Bに示す。クロコウジカビ由来のリパーゼは、カンジダ・ルゴサのリパーゼと比較して、低pHでやや低い相対酵素活性を示したが、広いpH範囲にわたり、類似した一定の酵素安定性を示した。リゾプス・オリーゼのリパーゼの酵素活性および安定性に対するpHの影響を、それぞれ図5Cおよび5Dに示す。リゾプス・オリーゼ由来のリパーゼは、カンジダ・ルゴサのリパーゼと比較して、低pHで有意に低い相対酵素活性を示し、また、より狭いpH範囲で、より低い酵素安定性を示した。
リパーゼ製剤を用いたトリアシルグリセリドの消化(実施例2〜5)
本発明者らは、pH4および7で様々なリパーゼを用いて、加水分解実験を実施し、もしあれば、リパーゼによりトリアシルグリセリドから放出される、グリセロールの量を測定した。
加水分解実験
実験により、以下のリパーゼ:ブタ膵臓リパーゼ(American Labs Inc., Omaha NE)、クロコウジカビリパーゼ(Bio−Cat Inc., Troy VA)、リゾプス・オリーゼリパーゼ(Bio−Cat Inc.)およびカンジダ・ルゴサリパーゼ(Bio−Cat Inc.)を用いて、トリアシルグリセリド油(大豆油およびオリーブ油)の加水分解を検証した。
標準反応プロトコールを用いて、異なるリパーゼによるトリアシルグリセリド消化を分析した。リパーゼ反応は、Fisher Isotemp再循環水槽を用いることにより37℃で維持し、100mlのジャケット型ビーカーを用いて実施した。0.05MのCaCl 5mLおよび5mg/mLの胆汁塩 1mLを、前もって温めたジャケット型ビーカーに加えた。反応混合物の入ったビーカーを、攪拌棒を用いて磁気攪拌プレート上でゆっくりと攪拌した。大部分の実験(結果を、図6、7および9に示す)に対して、12,900FIP単位が加水分解に用いられた(860FIP単位/油mL)。リパーゼを、風袋された薬包紙上で検量し、次いで、4mLの水を用いて20mLのチューブへ移し、溶解するまでボルテックスした。チューブを、反応混合物に加えられた4.25mLの水で2度リンスした。反応物を、0.02NのNaOHの添加によりpH4.0(または、一部の実験においてはpH7.0)にした。リパーゼ反応を、15mLの大豆油(図6〜8、Food Lion,Troy,VA)またはオリーブ油(図9、Sigma−Aldrich Chemicals,St. Louis,MO)を添加することにより開始させた。30、60、120および180分でリパーゼ反応試料を得て、微小遠心管内に静置した。試料を5分間、10,000rpmで遠心し、油層と水層を分離させ、次いで、冷凍庫で、−20℃で保管した。
トリアシルグリセリド消化分析
トリアシルグリセリド消化は、HPLCで定量化した。HPLC分析のために、油層をアセトンに溶解し、量は試料濃度に依存した。HPLCシステムは、順番に、Agilent 1100シリーズのデガッサ、クォータナリポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、屈折率検出器、および2つのSupelcosil LC−18カラム(150x4.6mm; Sigma−Aldrich)で構成された。流速は、アセトン/アセトニトリル(64:36、体積/体積)の1mL/分で、カラムオーブンは25℃にセットされた。屈折率検出器の光学温度は30℃にセットされ、ピーク幅は0.2分超にセットされた。トリグリセリドの結果は、Perkins(1979)およびPodlanta and Toregard(1982)に採用され、Supelco Bulletin 787D (Sigma−Aldrich 1997)に記載される分離方法の改変版を用いて定量化された。
実施例2−大豆加水分解結果
図6において、pH4での大豆油の加水分解の結果を示す。他の3種のリパーゼ(n=4)と比較して、カンジダリパーゼ(n=5)は、分析された4つ全ての時点で、有意に高い大豆油トリアシルグリセリド消化を示した(=P<0.01)。結果は、一元配置ANOVA(P<0.01)により解析され、次いで、ターキー・クラマーHSD事後検定により解析され、リパーゼ検証群の間の有意差を測定した。平均値の標準誤差(SEM)のバーは、カンジダリパーゼの結果に対して示されている。ブタ膵臓リパーゼがpH7で少量のリパーゼ活性を示したことを除き、同様の結果がpH7でトリアシルグリセリド反応を実施した際に見いだされた(データは示さず)。用いたブタ膵臓リパーゼ調製物がコリパーゼを含有したかどうかは不明であるが、コリパーゼの欠失により、観察された結果となった可能性がある。
実施例3−グリセロール分析
4種のリパーゼ(それぞれ、12,900FIP単位を含有)による、一時的な大豆油トリグリセリド消化の比較を、標準反応プロトコール(pH4)を用いて実施した。試料は、水に溶解した水層の希釈により調製し、油層は30秒間のボルテックスにより水(50:50、体積/体積)で抽出された。次いで、油/水の混合物を、5分間、10,000rpmで遠心した。水層を必要に応じて水を使用して希釈した。1mg/mLのグリセロールのストック溶液およびすべての標準物を水で調製した。
産生されたグリセロールの量は、Gandiら(The Application Notebook, Metrohm e-publication, LC_GC Chromatography online.com 12/02/2009)に採用された分離方法の改変版を用いたHPLCにより定量化された。HPLCシステムは、Agilent 1100シリーズのデガッサ、クォータナリポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、屈折率検出器、および、Supelocgel C−610H炭水化物カラム(300x7.8mm:Sigma−Aldrich)から構成された。流速は、0.1%リン酸の0.5mL/分で、カラムオーブンは30℃にセットされた。屈折率検出器の光学温度は、30℃にセットされ、ピーク幅は0.2分超にセットされた。
図7に、グリセロール分析の結果を示す。用いられた他の3種のリパーゼ(n=4)と比較して、カンジダリパーゼ(n=5)は、分析された4つ全ての時点での大豆油トリグリセリドの完全な消化由来のグリセロール産生の有意な増加を示した(=p<0.01)。結果は、一元配置ANOVAにより分析され(P<0.01)、次いで、ターキー・クラマーHSD事後検定により解析され、リパーゼ検証群の間の有意差を測定した。平均値の標準誤差(SEM)バーは、カンジダリパーゼの結果に対して示されている。pH7でトリアシルグリセリド反応が実施されたとき、および、産生されたグリセロールの量が分析されたときは、類似の結果となった(データは示さず)。すなわち、カンジダリパーゼは、試験された他の4種のリパーゼよりも、pH4およびpH7の両方で有意に多いグリセロールを産生した。
実施例4−濃度反応実験
図8に、カンジダリパーゼの濃度反応曲線を示す。カンジダリパーゼ(500〜12,900FIP単位;33.3〜860FIP単位/油mL)を、標準反応プロトコール(pH4)を用いて大豆油と反応させ、トリアシルグリセリドを30分間、消化させた。産生されたグリセロールの量は、上述のHPLCにより定量化された。カンジダリパーゼの量は、大豆油トリグリセリドの完全な消化に由来するグリセロールの産生上昇と相関し、このことから、グリセロール産生に対する反応特異性が示された。エラーバーは、本濃度反応試験で用いられたカンジダリパーゼの量により産生されたグリセロールの量(2回〜4回測定)の範囲を表す。
実施例5−オリーブ油およびショートニング実験
本発明者らはまた、大豆油トリアシルグリセリドに対するカンジダリパーゼの脂質消化作用の上昇が、他のトリアシルグリセリド源に対する作用にも当てはまる一般的な現象として現れるかどうかを検証した。そこで、トリアシルグリセリド源として、オリーブ油およびショートニングを使用して実験を実施した。
図9において、オリーブ油を用いたトリアシルグリセリド消化およびグリセロール産生に対する4種のリパーゼの作用の比較を示す。標準反応プロトコール(pH4)を用いて、4種のリパーゼ(各リパーゼ反応は12,900FIP単位を含有)のそれぞれを使用して、オリーブ油のトリグリセリドを30分消化させた。リパーゼ反応により産生されたトリアシルグリセリドおよびグリセロールの量は、上述の技法を用いたHPLCにより定量化された。
対照反応(リパーゼ無し)はオリーブ油トリアシルグリセリドを822±2mg/ml含有したが、遊離グリセロールは検出されなかった。
大豆油を用いた場合と同様の結果が、トリアシルグリセリド源としてオリーブ油を用いた場合にも得られた。大豆油を用いた場合と同様に、カンジダリパーゼは、オリーブ油トリアシルグリセリドの消化で検証された中で最も効果的なリパーゼであり、消化反応の間に、一番多量のグリセロールを同じように産生した。トリアシルグリセリド源としてクロロホルムに溶解した溶かしショートニング(Crisco;Food Lion)を用いた場合にも、同様の結果が得られた(データは示さず)。カンジダリパーゼは、pH4およびpH7の両方で、大豆トリアシルグリセリドおよびオリーブトリアシルグリセリドで見られたものと同様の低レベルにまで、効果的にショートニングトリアシルグリセリドを消化した(対照トリアシルグリセリド 856mg/mlと比較して、それぞれ109mg/mlおよび164mg/mlの残存トリアシルグリセリドが検出された)。ゆえに、カンジダリパーゼは、概して、脂質消化を検証した中で、最も効果的な酵素であると思われる。
実施例6−リパーゼ製剤を用いたヒト試験
インビボでの血清トリアシルグリセリドに対するカンジダリパーゼ組成物の効果を測定するために、1か月の試験が開始された。
355mgの改善リパーゼ組成物を含有するカプセルを、3人の健康なヒト対象に投与した。本発明に含まれる構成成分のすべては、GRAS(安全であると一般にみなされる)である。355mgのカプセルは、以下の成分を含有した。
Figure 0006170051
被験者達は、1か月の期間中、各食事の間、355mgのカプセルを経口で摂取した。血清トリアシルグリセリドレベルは、試験開始前および1か月の処置後に、各被験者に対して測定された。血清トリアシルグリセリドおよび様々な他の血清タンパク質のレベルは、そのような試験の実施に熟練しているとして認証されている地域の病院実験室にて定量化された。
結果を以下の表に示す。
Figure 0006170051
この結果により、カンジダリパーゼは、トリアシルグリセリドの高境界レベルまたは高レベルのいずれかから試験を開始した2人の試験の被験者において、血清トリアシルグリセリドのレベルを低下させることができたことが示唆される。3人の試験の被験者において、たとえば総コレステロールまたはその誘導体(たとえば、HDL)等の検証された関連パラメータにおいては、一貫した変化は記録されなかった。試験開始時に血清トリアシルグリセリドが正常レベルであった被験者に対するカンジダリパーゼ処置の作用は、無視できるほど小さいものであった。
脂肪細胞および肝細胞によりトリアシルグリセリドが産生および貯蔵されることが可能なのは良く知られている。ヒトにおいて、遺伝的要因および環境要因により影響されるこれらの代替的TAG合成源により産生されるトリアシルグリセリドの基礎レベルの存在が考えられる。そのため、本明細書に記述される組成物は、食事性源および腸細胞の活動によってより高いレベルの血清トリアシルグリセリドとなり得る、境界レベルの血清トリアシルグリセリドまたは高レベルの血清トリアシルグリセリドを有している個体に対して、もっともふさわしいものである可能性がある。
2型糖尿病を有している多くの患者において、高レベルの血清トリアシルグリセリド(TAG)が見いだされている(Bitzur et al., Diabetes Care 32 (suppl 2): S373-S377, 2009)。そのため、本明細書に記述される組成物による、高レベルの血清トリアシルグリセリドの低下が、2型糖尿病を有している患者の冠動脈疾患のリスクを低下させる一助となる可能性がある。
参考文献
以下の文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
Figure 0006170051
Figure 0006170051

Claims (13)

  1. ヒト対象における血清トリアシルグリセリドレベルを低下させるための薬学的組成物であって、(i)2.0〜8.0のpH範囲にわたりその最大活性の少なくとも50%を示し、かつ、(ii)トリグリセリドの3つ全てのエステル部位を開裂するカンジダ(Candida)真菌リパーゼの有効量を含み、該真菌リパーゼの有効量が少なくとも50,000FIP単位/食事を構成し、該ヒト対象が少なくとも150mg/dLの血清トリアシルグリセリドを示す、薬学的組成物。
  2. 前記カンジダ(Candida)真菌リパーゼが、タンパク質1グラム当たり少なくとも180,000FIP単位を構成する、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記カンジダ(Candida)真菌リパーゼの有効量が、前記ヒト対象により摂取された脂質1グラム当たり少なくとも2000FIP単位を構成する、請求項1または2に記載の薬学的組成物。
  4. 定期的に、かつ、該組成物を投与する前の前記ヒト対象の血清トリアシルグリセリドと比較して血清トリアシルグリセリドを少なくとも20%低下させるのに十分な期間にわたり、投与されるように用いられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  5. 少なくとも1週間投与されるように用いられることを特徴とする、請求項4に記載の薬学的組成物。
  6. 前記カンジダ(Candida)真菌リパーゼが、前記組成物の重量の50〜100%を構成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  7. 前記ヒト対象が、糖尿病のリスクを有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  8. 前記ヒト対象が高レベルまたは高境界レベルの血清トリアシルグリセリドを有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  9. 前記ヒト対象が糖尿病を有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  10. 前記ヒト対象が2型糖尿病を有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  11. 前記カンジダ(Candida)真菌リパーゼの有効量が少なくとも70,000〜250,000FIP単位/食事を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  12. 組成物が毎日投与されるように使用されることにより特徴付けられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  13. 前記ヒト対象が200〜499mg/dLの血清トリアシルグリセリドレベルを示す、請求項1〜12のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
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