JP6168404B2 - 粉砕システム - Google Patents
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Description
竪型粉砕機は、被粉砕物(本明細書においては単に原料と称することもある)を効率的に粉砕することができるという優れた特性を備えていることのみならず、例えば、機内に熱ガス等を導入することによって原料の粉砕と乾燥を同時に行うという優れた特徴を有している。
まず、第1のケースとして、複数個所にある複数個のガス供給口に対して外部から同じ温度のガスが供給されないケースを説明する。
従来、竪型粉砕機に供給する熱ガスは、加熱装置により昇温した熱ガス(本明細書においてはこれを第1の熱ガスと称することもある)を使用していた。
第2の熱ガスは、循環ガスとも呼ばれており、竪型粉砕機に供給する際の熱ガスより温度が低くなってはいるものの、常温に比較すればまだ十分に温度が高いガスである。
図15に示したミキシングチャンバ150は、本体の下部に第1の熱ガスを取り入れるための第1の熱ガスの取入口151(第1熱ガス取入口151と称することもある)と、第2の熱ガスを取り入れるための第2の熱ガス取入口152(第2熱ガス取入口152と称することもある)を備えるとともに、上部にガス排出口153A、153Bを備えている。そして、第1熱ガス取入口151又第2熱ガス取入口152からミキシングチャンバ150内に取り入れられた第1の熱ガスと第2の熱ガスは、ミキシングチャンバ150の胴体中を流れる間に混合されて均一となり、上部に設けられた2箇所のガス排出口から排出される構造となっている。
また、竪型粉砕機のガス供給口は、竪型粉砕機の下部に設けられており、できるだけ低い位置にガス排出口を配することが配管設計上も有利であり、基礎や敷地の問題等から、胴体長LMを長くすることは、配置上の制限により難しい場合が多い。
したがって、ミキシングチャンバ150の胴体長LMを長く形成することができず、その結果、ミキシングチャンバ150内で熱ガスが十分に混合されないために、2つのガス排出口からそれぞれ相違した温度のガスが排出されて送風されることになる。
というのは、竪型粉砕機内で粉砕した原料の中で、比較的径の大きなものを、竪型粉砕機の下方に設けた排出シュート(排石シュートと称されることもある)より、一旦、抜き出してから、再度、竪型粉砕機に投入し粉砕するという原料の再供給システムが、従来から広く一般に使用されている。
そのため、排出シュートを、前述したガス供給口に隣接(近傍に設けた場合等を含む)して設けた場合において、排出シュートに隣接したガス供給口から機内に供給する熱ガスに、前述のリークにより機内に流れ込んだガスが混合し、温度低下を引き起こし、その結果として、複数のガス供給口から相違する温度のガスが送風されて機内に供給される可能性がある。
(1) 回転テーブルの上面に回転自在な粉砕ローラを備えて、回転テーブル上に供給した原料を、回転テーブルと粉砕ローラとの間で粉砕し、回転テーブルの下方に設けた複数個のガス供給口から機内に供給したガスによって吹き上げることにより、竪型粉砕機の上方に設けた上部取出口からガスとともに取り出す竪型粉砕機と、加熱装置により昇温した第1の熱ガスと該竪型粉砕機の上部取出口から取り出した第2の熱ガスを混合して、該竪型粉砕機に設けた複数個のガス供給口に送風するミキシングチャンバを備えて、該ミキシングチャンバは、該第1の熱ガスと該第2の熱ガスを混合した後にガスを送風する複数個のガス排出口を備えるとともに、該ミキシングチャンバ内において該第1の熱ガスと第2の熱ガスを混合する熱ガスの流路に風向調整板を備えた粉砕システムであって、該ミキシングチャンバの胴体を筒型に形成して、該胴体の下部に第1の熱ガス取入口と第2の熱ガス取入口を対向するように配するとともに、該胴体の上部に混合したガスを排出して送風する複数個のガス排出口を配して、該胴体の下部に配した第1及び第2の熱ガス取入口と、該胴体の上部に配した2つのガス排出口との間であって、該胴体の中の第1の熱ガス取入口側に、前記風向調整板として回動自在のダンパを配した。
図1から図14は本発明の実施形態に係わり、その好ましい例を示したものであって、図1は粉砕システムの全体構成を説明する図である。
図2はミキシングチャンバの構造を説明する図であり、図3はミキシングチャンバと竪型粉砕機の配置を説明する図であり、図4はミキシングチャンバ内のガス流れ説明する概念図である。
図5は竪型粉砕機の構成を説明する図であり、図6はガス供給口の配置を説明する図であり、図7は温度測定器の構成を説明する図である。
図8は熱ガスの挙動を説明する概念図であり、図9は排石の挙動を説明する概念図である。図10は粉砕ローラの動作機構を説明する参考図であり、図11は粉砕ローラの個数とガス供給口の配置例を説明するための参考図である。
本実施形態による粉砕システム10は、その基本的な構成として、竪型粉砕機1と、竪型粉砕機1に設けた複数個のガス供給口に対して加熱ガスを送風して供給するミキシングチャンバ50と、を備えている。そして、図1に示した粉砕システム10は、さらに熱ガスを昇温するための加熱装置70、捕集装置82、吸引ファン84、分配装置86、及び、原料等を各機器に搬送する搬送装置、又原料ホッパ80等を備えている。
原料ホッパ80から取り出された被粉砕物(原料と称することもある)は、ベルトコンベヤ等の搬送装置を介して、竪型粉砕機1(竪型粉砕機1の構成については詳細を後述する)の原料投入口13に投入される。
原料投入口13に投入された原料は、竪型粉砕機1内で粉砕されて、機内を流れるガスとともに、上部取出口39から竪型粉砕機1の機外に取り出される。
そして、上部取出口39から、竪型粉砕機1の機外にガスとともに取り出された原料は、捕集装置82により、ガスと分離されて製品110となる。
ここで、図1に示した粉砕システム10は、原料の中の一部を排出シュート34から抜き出す構成となっている。そして、排出シュート34から抜き出された原料は、ベルトコンベヤ装置等で搬送されて、再度、竪型粉砕機1の原料投入口13から投入されて、繰り返し粉砕される構成となっている。
また、吸引ファン84により、竪型粉砕機1の上部取出口39から粉砕された原料とともに取り出されたガスは、捕集装置82により、原料と分離されて、その一部が分配装置86により分配されて、ガスラインG2を介して、第2の熱ガス取入口52(第2熱ガス取入口52と称することもある)に送風されて供給される構成となっている。
なお、加熱装置70から第1熱ガス取入口51に供給される高温の熱ガスは、所謂、熱源ガスと称されるものであり、また、竪型粉砕機1の上部取出口39から第2熱ガス取入口52に供給されている比較的低温の熱ガスは、所謂、循環ガスと称されるものである。
本実施形態に用いた竪型粉砕機1は、図5或いは図10に示すように、竪型粉砕機1の外郭を形成する上部ケーシング1B、下部ケーシング1A、竪型粉砕機1の下部に設置された減速機2Bと駆動モータ2Mによって駆動される回転テーブル2、及び、回転テーブル2に従動して回転するコニカル型の粉砕ローラ3等を備えている。
また、図5に示した竪型粉砕機1は、駆動モータ2Mの駆動用電源として図示しないインバータ電源を備えており、運転中、回転テーブル2の回転速度が任意に変更可能な可変速式の竪型粉砕機1である。
本実施形態に使用した竪型粉砕機1の粉砕ローラ3は、図11(2)に示すように回転テーブル2の上面に4個が配されて、回転テーブル2の方向に押圧されるよう構成されており、回転テーブル2が回転することにより、回転テーブル2に対して原料を介して従動して回転する。
なお、油圧シリンダには図示しない油圧ラインを介して油圧ユニットが接続されている。そして、本実施形態においては、油圧ユニットを作動させることによって油圧シリンダを作動させてアームを駆動することにより、スイングレバーを動かして粉砕ローラ3を所望する加圧力で回転テーブル2側に押し付けることができる構成となっている。
原料投入口13から投入されて回転テーブル2上で粉砕された原料は、熱ガスの流れにより吹き上げられてケーシング内を上昇し、一次分級羽根14方向に流れるが、径が大きく重量の大きな原料は一次分級羽根14まで到達できずに落下して、回転テーブル2上で再度粉砕される。また、一次分級羽根14を到達通過して回転式分級機15を通過できなかった原料は、内部コーン19上に落下して回転テーブル2中央部分付近に供給され、回転テーブル2上で、再度、粉砕される。そして、回転式分級機15を通過した径の小さな原料は、上部取出口39からガスとともに製品として取り出される。
図2に示したミキシングチャンバ50は、その胴体が円筒形の筒型に形成されており、その本体の一部を構成する胴体部分の下部に第1熱ガス取入口51と第2熱ガス取入口52が対向するように配されており、胴体部分の上部に第1のガス排出口53Aと第2のガス排出口53Bが配されている。
また、胴体部分の下部に配した第1及び第2の熱ガス取入口と、胴体部分の上部に配した2つのガス排出口との間であって、第1の熱ガス取入口側に、風向調整板として回動自在のダンパが配されている。
また、第2熱ガス取入口52には、前述した竪型粉砕機1の上部取出口39から粉砕された原料とともに取り出された第2の熱ガス(本実施形態においては70℃程度)が、捕集装置82により、原料とガスに分離されて、その一部が、送風されて取り入れられるよう構成されている。そして、第1の熱ガスと第2の熱ガスは、ミキシングチャンバ50の胴体中を流れる間に混合されて、上部に設けられた2個所のガス排出口、即ち、ガス排出口53A又53Bから排出される構造となっている。
詳細は後述するが、ダンパ55は、第1熱ガス取入口51より取り入れられた熱ガスと第2熱ガス取入口52からミキシングチャンバ50内に取り入れられた熱ガスが、ミキシングチャンバ50内を上昇して混合される際において、そのガスの流れに影響を与えて混合の程度を調整する。
竪型粉砕機1の運転開始時においては、上部取出口39に接続された吸引ファン84を作動させることにより機内を負圧にすることによって、図8に示すように、第1ガス供給口33A及び第2ガス供給口33Bから、それぞれ熱ガスを機内に向けて円滑に送風させて導入する。
なお、本実施形態においては、図3に示すように、ミキシングチャンバ50の第1ガス排出口53A又第2ガス排出口53Bから、それぞれ第1ガス供給口33A又第2ガス供給口33Bに接続する構成としており、それぞれの位置から竪型粉砕機1の機内に導入されて供給された熱ガスは、竪型粉砕機1の機内を下方から上方に抜けるガスの流れを形成する。
回転テーブル2と粉砕ローラ3に噛み込まれて粉砕された原料は、回転テーブル2の外縁部に周設されたダムリングを乗り越えて、回転テーブル上面2の外周部とケーシングとの隙間である環状通路30(環状空間部30と称することもある)へと向かう。
また、一次分級羽根14を到達通過して回転式分級機15を通過できなかった原料は、内部コーン19上に落下して回転テーブル2中央部分付近に供給され、回転テーブル2上で、再度、粉砕される。そして、回転式分級機15を通過した径の小さな原料は、上部取出口39から製品として取り出される。なお、環状通路30へと向かった原料の中で、比較的重量の重いものの一部は、図9に示したように、回転テーブル2の下方に落下して、排出シュート34を介して機外に排出される。
即ち、本実施形態においては、粉砕システム10の運転中において、竪型粉砕機1内の温度を、第1温度測定器91A又第2温度測定器91Bで測定し、測定した温度が異なっている場合は、ミキシングチャンバ50内のダンパ55を駆動してダンパ55の角度を変化させることにより同一温度に近づくように調整する。
なお、ベアリングの保護の観点などから考えた場合には、温度差を30℃以内にすることが好ましく、さらに同一(温度差が10℃以内の範囲)とすることがさらに好ましい。
ダンパ55の角度θを90度とした場合に、ガスの流れに影響を与えにくく、角度θを0度(ガス流れに直交する角度)に近づけるほど、ガスの流れに影響を与えて、第1の熱ガスと第2の熱ガスの混合する能力が大きくなる。
なお、温度の高い第1の熱ガスは、温度の低い第2の熱ガスに比較して、ミキシングチャンバ50の胴体内を急激に上昇しやすく、その結果、第1の熱ガスと第2の熱ガスが十分に混合されないまま上部のガス排出口から排出される可能性があって、どちらか一方のガス排出口に高い温度の熱ガスが大量に流れて、その結果、第1のガス排出口53Aと第2のガス排出口53Bとで排出されるガスの温度が大きく相違するという問題を生じる可能性がある。
例えば、第1温度測定器91A又第2温度測定器91Bにより、第1ガス供給口33Aのガス温度と第2ガス供給口33Bのガス温度を測定して、温度が相違する場合に、第1の熱ガスと第2の熱ガスが十分に混合されていないと判断した場合には、ダンパ55の角度θを小さくして0度に近づけることによって、ガスの流れの向きに変化を与えることにより、第1の熱ガスと第2の熱ガスを十分に混合することが可能である。
本実施形態においては、ダンパ50の角度θを調整することにより、ある一定の範囲内において、第1ガス排出口53Aと第2ガス排出口53Bの温度の差を調整することが可能であるから、前述したリークガスの流れ込みによる温度差についても、ある一定範囲内の限度内において、改善することが可能であり、有利な作用効果を有する。
以下、第2実施形態について、前述した本実施形態と異なる部分を説明する。
第2実施形態においては、図12に示したように、第1ガス供給口33Aに調整ガス供給口90が配されている。そして、第1ガス供給口33Aに設けた調整ガス供給口90は、図13に示すように、その内部に開閉自在な調整ガス用ダンパ90Aを備えており、調整ガス用ダンパ90Aは図示しない制御装置からの指令信号により、その開度を変化させて調整ガス供給口90から機内に供給するガスの供給量を調整することができる。
これにより、第1ガス供給口33Aに調整ガス供給口90から大気(常温の空気)を導入して供給することにより、第1ガス供給口33Aから供給される熱ガスの温度を下げて、第2ガス供給口33Bから供給される熱ガスの温度に近づけることが可能になる。
したがって、第2実施形態においては、排出シュート34からのリークガスの影響についても特に効果的な対処が可能であり有利な作用効果を有している。
2 回転テーブル
3 粉砕ローラ
10 粉砕システム
13 原料投入口
14 一次分級羽根
15 回転式分級機
19 内部コーン
33A 第1のガス供給口
33B 第2のガス供給口
34 排出シュート
39 上部取出口
50 ミキシングチャンバ
51 第1の熱ガス取入口
52 第2の熱ガス取入口
53A 第1のガス排出口
53B 第2のガス排出口
55M モータ
90 調整ガス供給口
90A 調整ガス用ダンパ
91A 第1の温度測定器
91B 第2の温度測定器
93A 第1の摩耗防止板
93B 第2の摩耗防止板
Claims (4)
- 回転テーブルの上面に回転自在な粉砕ローラを備えて、回転テーブル上に供給した原料を、回転テーブルと粉砕ローラとの間で粉砕し、回転テーブルの下方に設けた複数個のガス供給口から機内に供給したガスによって吹き上げることにより、竪型粉砕機の上方に設けた上部取出口からガスとともに取り出す竪型粉砕機と、
加熱装置により昇温した第1の熱ガスと該竪型粉砕機の上部取出口から取り出した第2の熱ガスを混合して、該竪型粉砕機に設けた複数個のガス供給口に送風するミキシングチャンバを備えて、
該ミキシングチャンバは、該第1の熱ガスと該第2の熱ガスを混合した後にガスを送風する複数個のガス排出口を備えるとともに、該ミキシングチャンバ内において該第1の熱ガスと第2の熱ガスを混合する熱ガスの流路に風向調整板を備えた粉砕システムであって、
該ミキシングチャンバの胴体を筒型に形成して、該胴体の下部に第1の熱ガス取入口と第2の熱ガス取入口を対向するように配するとともに、該胴体の上部に混合したガスを排出して送風する複数個のガス排出口を配して、
該胴体の下部に配した第1及び第2の熱ガス取入口と、該胴体の上部に配した2つのガス排出口との間であって、該胴体の中の第1の熱ガス取入口側に、前記風向調整板として回動自在のダンパを配したことを特徴とする粉砕システム。 - 前記竪型粉砕機に設けた複数個のガス供給口のそれぞれ上方に温度測定器を配して、該複数個のガス供給口から供給されるガスの温度を測定し、
該複数個のガス供給口から供給されるガスの温度の差が小さくなるようにして、該ダンパの開度を制御する請求項1記載の粉砕システム。 - 前記温度測定器の上方に隣接して、該温度測定器を上方から覆う摩耗防止板を配した請求項2記載の粉砕システム。
- 前記ガス供給口の中の少なくとも1つに熱ガスの温度を調整するための調整ガスを供給する調整ガス供給口を備えて、前記調整ガスの供給口に調整ガスの供給量を制御する風量調整用のダンパを備えた請求項1乃至請求項3までのいずれか1項に記載の粉砕システム。
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