JP6497079B2 - 竪型粉砕機 - Google Patents

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Description

この発明は、石炭、オイルコークス、石灰石、高炉スラグ、電炉スラグ、セメントクリンカ、セメント原料、又は化学品等を原料として粉砕する竪型粉砕機に関し、特に高効率な分級や粉砕が可能な竪型粉砕機に関する。
従来より、石炭やオイルコークス等を粉砕する粉砕機として竪型粉砕機が広く用いられている。特に、近年では、竪型粉砕機によって原料を微粉砕した微粉体を製品として利用する需要も増えている。このような竪型粉砕機には、内部に分級機構が備えられており、所望の粒径の微粉体を製品として取り出すことができるように構成されている(特許文献1参照)。
このような分級機構を備えた竪型粉砕機として、特許文献1に開示されているものは、粉砕機の下部ケーシングから吹き込んだ気流によって、粉砕した原料を粉体として搬送し上昇させる。これと共に竪型粉砕機内の上部ケーシングに配した分級機構によって、気流により搬送された粉体の中から所望の粒径の微粉体のみを選抜する。
そして、選抜した微粉体を製品として上部ケーシングの製品取出口から機外に取り出すことで、微粉体からなる製品が製造される。一般的に、このような分級機構としては、例えば回転テーブルの上方に配置され、複数枚の回転羽根を回転部として有するセパレータが知られている。
特開2013−193041号公報
上記セパレータでは、粒度の分布を持った粉体の粒子群を、所望の粒子径を境に製品(微粉体)とそうではないもの(粗粉体)とに選り分けることが行われる。この境となる粒子径を「理論分級点」といい、セパレータの回転部の高さ方向及び円周方向において一様であるのが理想分級とされる。
理想分級点は、粉体の粒子の運動方程式を、例えばセパレータの回転羽根間の中心方向速度と旋回方向速度によって整理することで求めることができる。しかし、実際には回転羽根の回転によりほぼ一様な旋回速度場が形成されるのに対し、中心方向速度が円周方向において一様でないため、特に円周方向において論理分級点に偏りが生じてしまう。
この中心方向速度の偏りは偏流と呼ばれ、主に製品取出口の配置とセパレータの回転部の回転方向との関係により引き起こされることが判明している。このように、円周方向において論理分級点が偏ることで、製品の粒度分布の粒度幅が本来得たいものに対してより広い粒度構成となるよう増加してしまう。これにより、製品の品質に悪影響を及ぼす虞がある。
また、論理分級点が偏ることで、竪型粉砕機の性能低下を引き起こしてしまうことも知られている。すなわち、本来は製品として選り分けられて回収されるべき微粉体が、円周方向のある箇所においては粗粉体として竪型粉砕機内に戻されてしまう。そして、戻された粉体を取り扱うために余計なエネルギー消費が増え、粉砕量の低下をもたらすだけではなく電力原単位の増加をも引き起こしてしまう。
更に、竪型粉砕機内に戻される粉体量が増加すると、回転テーブル上の粉体量が増加し、粉砕機の振動を誘発する虞がある。このような振動を抑えるためには、竪型粉砕機の運転を停止せざるを得ず、操業単位での損失が大きくなってしまう。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、回転部を有するセパレータの理論分級点の偏りをできるだけ小さくして、電力原単位を改善し、粉砕量を増加させて、振動を低減させつつ微粉体の製品の品質を向上させることができる竪型粉砕機を提供することを目的とする。
本発明に係る竪型粉砕機は、複数個の回転する粉砕ローラを備えて回転テーブル上に供給した原料を、前記回転テーブルと前記粉砕ローラとの間で粉砕すると共に、この粉砕された原料からなる粉粒体を前記回転テーブルの下方に設けたガス導入口から導入したガスによって吹き上げて、吹き上げられた粉粒体を回転部を有するセパレータで分級し、分級された微粉体を前記回転テーブルの上方において前記セパレータを収容する上部ケーシングに設けた製品取出口から前記ガスと共に取り出す竪型粉砕機であって、前記上部ケーシングは、前記セパレータの上方を覆い前記製品取出口を有する上方ケースを備え、この上方ケースが、前記セパレータの回転中心軸から偏心配置されるように形成されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態においては、前記上方ケースは、円錐台状の基部と、この基部の上方又は側面に突設された前記製品取出口に至るダクト部とを有し、前記基部の中心が、前記セパレータの回転中心軸から偏心配置されている。
本発明の他の実施形態においては、前記上部ケーシングは、前記セパレータの側方を覆う円錐台状の下方ケースを備え、前記下方ケースの中心は、前記セパレータの回転中心軸と一致している。
本発明の他の実施形態においては、前記上方ケースは、前記製品取出口を一つ有する。
本発明の更に他の実施形態においては、前記上方ケースは、前記上部ケーシングを前記製品取出口を左側に配置して上方から平面視で見て、時計回りに回転する回転部を有する前記セパレータの回転中心軸を原点とした場合の直交座標系において、前記基部の中心点が第4象限、前記製品取出口の中心点が第3象限に位置するように偏心配置されている。
本発明の更に他の実施形態においては、前記上方ケースは、前記セパレータの回転部の外径をD、前記基部の高さ方向の寸法をSH、及び前記直交座標系における前記基部の中心点の原点からのX方向の寸法をSX並びにY方向の寸法をSYとした場合、前記SX、SY及びSHの寸法が、(a)0.015×D≦SX≦0.080×D[mm]、(b)0.015×D≦SY≦0.080×D[mm]、(c)0.080×D≦SH≦0.20×D[mm]の各条件を満たすように形成されている。
本発明によれば、回転部を有するセパレータの理論分級点の偏りをできるだけ小さくして、電力原単位を改善し、粉砕量を増加させて、振動を低減させつつ微粉体の製品の品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る竪型粉砕機の全体構成を示す説明図である。 同竪型粉砕機の一部拡大図である。 図2の竪型粉砕機の一部水平断面を上方から平面視で見た状態を示す説明図である。 比較例の竪型粉砕機の一部拡大図である。 比較例の竪型粉砕機の一部水平断面を上方から平面視で見た状態を示す説明図である。 図2及び図4のA−A線断面を上方から平面視で見た円周方向の理論分級点の分布図である。 図2及び図4のB−B線断面を上方から平面視で見た円周方向の理論分級点の分布図である。
以下、添付の図面を参照して、この発明の実施の形態に係る竪型粉砕機を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る竪型粉砕機の全体構成を示す説明図、図2は同竪型粉砕機の一部拡大図である。また、図3は、図2の竪型粉砕機の一部水平断面を上方から平面視で見た状態を示す説明図である。
図1〜図3に示すように、竪型粉砕機1は、動力源として、例えば減速機4の側方に設けられた回転テーブル用モータ2と、後述する上部ケーシング20の上方ケース21の近傍に設けられたロータ用モータ3とを備えている。減速機4は、回転テーブル用モータ2からの回転力を減速して伝達する。
また、竪型粉砕機1は、減速機4の上に配置されて減速機4を介して回転テーブル用モータ2により回転駆動される回転テーブル5と、回転テーブル5の上方に配置された分級機構としての回転部である回転ロータ31を有するセパレータ30とを備えている。ロータ用モータ3は、セパレータ30の回転ロータ31を回転駆動する。なお、本実施形態のセパレータ30は、回転部である回転ロータ31と固定羽根32とを備えて構成されているが、固定羽根32を備えずにセパレータ自身が回転するものも採用し得る。
竪型粉砕機1は、各モータ2,3の動作を制御する制御装置18を備えている。制御装置18は、各モータ2,3の動作を制御することで、回転テーブル5や回転ロータ31の回転数や回転速度を制御する。また、竪型粉砕機1は、各モータ2,3以外のこれらの構成要素を内部に収容するケーシング10を備えている。
ケーシング10は、竪型粉砕機1の高さ方向において、減速機4の下端からセパレータ30の下端までを収容する下部ケーシング19と、セパレータ30の下端から竪型粉砕機1の上方を覆う上部ケーシング20とからなる。
下部ケーシング19は、例えば回転テーブル5の側方からセパレータ30の下方までの高さ方向における所定部分が円筒状となるように形成されている。上部ケーシング20は、例えばセパレータ30の側方(下端から上端まで)を覆い収容する下方ケース22と、セパレータ30の上方を覆い製品取出口29を有する上方ケース21とを備えている。
なお、上部ケーシング20は、上方ケース21と下方ケース22との境界近傍内側において、セパレータ30の回転ロータ31の端部よりやや内側上方まで延びるように設けられた円環状のショートパス防止板40と、このショートパス防止板40から回転ロータ31の側方に向けて僅かに下方に延びるように形成されたシール板41とを有する。
下方ケース22は、例えば円錐台状に形成されている。下方ケース22は、その他、多角錐台状や楕円錐台状など、種々の形状を採り得る。また、下方ケース22の中心は、例えばセパレータ30の回転ロータ31の回転中心軸と一致している。一方、上方ケース21は、例えば偏心した円錐台状の基部21aと、この基部21aの上方又は側面に突設された製品取出口29に至るダクト部21bとを有する。上方ケース21は、製品取出口29を一つ備えている。
ここで、上方ケース21の基部21aにおける偏心した円錐台状とは、円錐台において底面の中心点と上面の中心点とが高さ方向においてずれている形状のことをいう。また、上方ケース21の製品取出口29に至るダクト部21bの内部には、例えば図示しない整流板が取り付けられていてもよい。なお、上方ケース21の基部21aの形状は、上記のような偏心した円錐台状に限定されるものではなく、種々の形状を採り得る。
上部ケーシング20は、図3に示すように、上方ケース21の中心P1が、セパレータ30の回転ロータ31の回転中心軸P2から偏心配置されるように形成されて、下部ケーシング19に接続されている。具体的には、上方ケース21は、上部ケーシング20を製品取出口29を左側に配置して上方から平面視で見て、例えば時計回りに回転する回転ロータ31を有するセパレータ30の上記回転中心軸P2を原点とした場合の直交座標系において、上方ケース21の中心(基部21aの中心点)P1が第4象限、ダクト部21bの製品取出口29の中心点P3が第3象限に位置するように偏心配置されている。
このような偏心配置は、換言すれば、下方ケース22がセパレータ30と同心円を構成する円錐台状に形成されている場合には、この下方ケース22の中心(すなわち、回転中心軸P2)と、上方ケース21における基部21aの中心点P1とが偏心されていることを指す。
なお、上方ケース21は、具体的には、例えばセパレータ30の回転ロータ31の外径をD(図2参照)とし、セパレータ30の上端から上方ケース21の基部21aの上端までの基部21aの高さ方向の寸法をSH(図2参照)、及び上記直交座標系における基部21aの中心点P1の原点(回転中心軸P2)からのX方向の寸法をSX並びにY方向の寸法をSY(図3参照)とした場合、下記の(a)〜(c)の各条件を満たすように形成されている。
(a)0.015×D≦SX≦0.080×D[mm]
(b)0.015×D≦SY≦0.080×D[mm]
(c)0.080×D≦SH≦0.20×D[mm]
上方ケース21の中心P1が、セパレータ30の回転ロータ31の回転中心軸P2からこのように偏心配置されることにより、後述するセパレータ30の論理分級点dの偏りを抑えて、竪型粉砕機1の電力原単位を改善し、粉砕量を増加させて、振動を低減させつつ微粉体の製品の品質を向上させることが可能となる。
一方、図1において一部断面で示される回転テーブル5は、円状の中央領域及びその周りの円環状のローラ転動領域を備えて構成されている。回転テーブル5の中央領域の上方には、竪型粉砕機1の上部から回転テーブル5の中央に向かって鉛直方向に延びる円筒状のシュート6が備えられている。シュート6には、上方から新規原料(セメントクリンカ等)が供給される。
シュート6の外周側には、内部循環原料(粉粒体)供給用のコーン7が備えられている。これらシュート6及びコーン7の下端部は、例えばそれぞれ同一面を構成するように配置されている。従って、新規原料及び内部循環原料は、シュート6及びコーン7を介して回転テーブル5の中央領域上に安定的にフィードされ、供給される。回転テーブル5の中央領域上に供給された各原料は、回転テーブル5の回転力によりローラ転動領域に導かれる。
また、竪型粉砕機1は、例えば回転テーブル5のローラ転動領域上を回転テーブル5の回転に従動して転動可能な複数の粉砕ローラ8と、図示しない複数の補助ローラとを備えている。粉砕ローラ8は、例えばローラ転動領域を二等分する位置に配置され、補助ローラは、粉砕ローラ8間であってローラ転動領域を二等分する位置に配置されている。
粉砕ローラ8は、軸により揺動自在に下部ケーシング19に取り付けられたアーム9,9Aを介して、例えば油圧シリンダ11のピストンロッド11Aに連結されている。この油圧シリンダ11を作動させることにより、粉砕ローラ8を回転テーブル5のローラ転動領域に押し付けて原料層に粉砕力を与える構成となっている。
なお、補助ローラも同様の構成で揺動自在に支持される。粉砕ローラ8は主に原料を微粉砕し、補助ローラは主に原料層から脱気を行うために用いられる。回転テーブル5の中央領域上に供給されローラ転動領域に供給されて、このローラ転動領域において回転テーブル5と粉砕ローラ8及び補助ローラとの間を通過した各原料は、回転テーブル5の外周縁部に周設されたダムリング12により堰き止められる。ダムリング12は、例えばその高さが調整可能に配置されている。
回転テーブル5の外周部と下部ケーシング19との間には、ガスの吹き上げ部となる環状通路13が形成されている。下部ケーシング19には、外部に設けられたエグゾーストファンからガスを環状通路13に導入するためのガス導入ダクト14が設けられている。また、下部ケーシング19には、十分に粉砕されずに環状通路13に落下した原料を取り出すための下部取出ダクト15が設けられている。
上部ケーシング20の下方ケース22内には、セパレータ30がシュート6を囲んでコーン7の内側領域に配置されている。セパレータ30は、回転羽根を有する回転ロータ31がロータ用モータ3によって例えばベルト駆動で回転する回転筒と共に回転することによって、回転テーブル5及び粉砕ローラ8等により粉砕された原料(粉粒体)を所定粒度の製品(微粉体)に分級する。また、コーン7の上部において、セパレータ30の回転ロータ31と対応する位置には、固定羽根32が設けられている。
そして、上部ケーシング20の上方ケース21に設けられた製品取出口29からは、ガス流れによって吹き上げられセパレータ30(固定羽根32及び回転ロータ31)を通過した、十分に粉砕された微粉体が製品として取り出される。このように構成された竪型粉砕機1は、例えば次のように動作する。
まず、回転テーブル5を回転させた状態で新規原料がシュート6から回転テーブル5の中央領域上に供給される。供給された新規原料は、回転テーブル5の回転によりテーブル半径方向の遠心力を受けて、回転テーブル5上を外周方向に滑りながら移動する。移動の際に原料は、回転テーブル5により回転方向の力を受け、回転テーブル5との間で滑って回転テーブル5の回転数よりいくらか遅い回転を行う。
このように、原料に回転テーブル5の半径方向及び回転方向の2つの力が合成された力が作用することによって、原料は回転テーブル5上を渦巻状の軌跡を描きながら中央領域からローラ転動領域に導かれる。こうしてローラ転動領域に導かれた原料は、粉砕ローラ8及び補助ローラと回転テーブル5との間にローラ軸方向とある角度をなす方向から進入する。こうして、噛み込まれて脱気及び粉砕されると共にダムリング12により堰き止められる。
一方、ガス導入ダクト14からの空気や熱風等のガスは、環状通路13から下部ケーシング19内に吹き上がる。粉砕後にダムリング12を乗り越えた原料(粉粒体)や、粉砕の際に飛散して機内を浮遊する原料、或いは内部循環原料(粉粒体)の中で、粒子径が特に大きくないものはガスの気流に乗って上方に吹き上げられる。
上方に吹き上げられた原料は、ガスに同伴されて下部ケーシング19内を上昇し、上部ケーシング20に位置するセパレータ30の固定羽根32及び回転ロータ31により分級作用を受ける。これにより、所定粒度のもの(微粉体)はガスと共に製品取出口29から製品として排出される。これと共に粗粉の粉粒体は、内部循環原料として再度回転テーブル5上にコーン7を介して落下し、粉砕される。
また、ダムリング12を乗り越えた原料の中で、例えば粒子径の極端に大きなものや金属等を含んで極端に重いものなどは、環状通路13から竪型粉砕機1の下方に落下し、下部取出ダクト15から外部に取り出される。取り出された原料は、必要に応じて、搬送ライン(図示せず)から再度シュート6に戻されて、外部循環により竪型粉砕機1にて粉砕される。
本出願人は、このように動作する竪型粉砕機1において分級効率の向上を試みるため鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。まず、セパレータ30の分級点について本質的なシミュレーション流体解析を行った。これにより、セパレータ30の円周方向において論理分級点の偏りが顕著になることが判明した。この偏りを抑制することで、セパレータ30の分級効率を向上させることが可能となる。以下、本実施形態の竪型粉砕機1の実施例と従来の竪型粉砕機の比較例とを用い、両者の流体解析結果を比較して説明する。
図4は、比較例の竪型粉砕機の一部拡大図、図5は比較例の竪型粉砕機の一部水平断面を上方から平面視で見た状態を示す説明図である。また、図6は、図2及び図4のA−A線断面を上方から平面視で見た円周方向の理論分級点の分布図、図7は図2及び図4のB−B線断面を上方から平面視で見た円周方向の理論分級点の分布図である。
すなわち、図6及び図7は、実施例の竪型粉砕機1及び比較例の竪型粉砕機におけるA−A線断面及びB−B線断面の論理分級点の分布図を示している。A−A線断面及びB−B線断面は、それぞれセパレータ30の下端近傍における水平断面及び上端近傍における水平断面を示している。なお、図4及び図5において、上記の実施形態(図1〜図3)と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
まず、比較例について説明する。図4及び図5に示すように、比較例の竪型粉砕機100は、上部ケーシング20の下方ケース22及び上方ケース21共に、同心円となる円錐台状に形成されている。従って、図5に示すような上方ケース21の中心P1とセパレータ30の回転ロータ31の回転中心軸P2とは一致している。セパレータ30の回転ロータ31は、上述したように時計回りに回転するものとする。
セパレータ30の論理分級点は、粉粒体の粒子の運動方程式を、回転ロータ31の回転羽根間の中心方向へ向かう速度(中心方向速度)vgと、回転ロータ31の回転方向へ向かう速度(旋回方向速度)vθとにより整理することで、以下の式1のように表すことができる。
d∝vg0.5/vθ・・・(式1)
d:理論分級点(μm)
vθ:旋回方向速度(m/s)
vg:中心方向速度(m/s)
なお、中心方向速度vgは回転ロータ31の回転羽根を通過しようとする気流の量に因り、旋回方向速度vθは回転ロータ31の回転速度に因る。このため、通過気流量が一定の条件下においては回転ロータ31の回転数を制御することで、容易に理論分級点d(すなわち、製品粒度)を操作することができる。
この論理分級点dは、セパレータ30の高さ方向及び円周方向において一様である場合は理想分級となる。しかし、回転ロータ31の回転によってほぼ一様な旋回速度場(vθ=一定)が形成されるのに対し、中心方向速度vgが円周方向で一様でないことから、実際には特に円周方向において中心方向速度vgの偏り(偏流)が生じる。
このような偏流は、主に製品取出口29までのダクト部21bの配置態様とセパレータ30の回転ロータ31の回転方向との関係により引き起こされる。従って、図6及び図7に示すように、比較例の竪型粉砕機100及び実施例の竪型粉砕機1共に、円周方向の理論分級点dの平均値である理想分級に対して、実際にはそれぞれの理論分級点dの分布には偏りが生じるものとなる。
例えば、比較例の竪型粉砕機100のように、製品取出口29までのダクト部21bが一般的な形状及び配置であり、上方ケース21の中心P1とセパレータ30の回転ロータ31の回転中心軸P2とが一致している場合には、図4及び図5にそれぞれ矢印F1,F2で示すような気流回り込みとショートパス流れが発生する。この気流回り込みとショートパス流れは、例えば実施例の竪型粉砕機1においても発生するものである。
気流回り込みの影響により、比較例のセパレータ30の下端近傍のA−A線断面においては、製品取出口29を正面に見た場合、上部ケーシング20の左側において理論分級点dが大きくなる傾向にある。すなわち、図6に示すように、気流回り込みの影響が顕著な領域において、比較例の理論分級点dは非常に大きいものとなっている。これは、時計回りに回転する回転ロータ31の回転に伴って気流が回り込み、製品取出口29を正面に見て左側の領域においては中心方向速度vgが速くなるためである。
一方、ショートパス流れの影響により、比較例のセパレータ30の上端近傍のB−B線断面においては、製品取出口29を正面に見た場合、上部ケーシング20のこの製品取出口29側において理論分級点dが大きくなる傾向にある。すなわち、図7に示すように、ショートパス流れの影響が顕著な領域において、比較例の理論分級点dは非常に大きいものとなっている。これは、図4及び図5に矢印F2で示すように、ショートパス流れが製品取出口29に至るダクト部21bの直下の領域において生じるためである。
この比較例のように、円周方向において理論分級点dが偏ることで、製品の粒度分布の粒度幅が増加してしまう。これにより、製品の粒度分布が本来得たいものに対してより広い粒度構成となるため、品質に悪影響を及ぼすことが懸念される。また、理論分級点dが偏ることで、粉砕機性能が低下してしまう。すなわち、本来は製品として取り出すべき微粉体が上部ケーシング20における理論分級点dが大きい領域においては粗粉として内部に戻されてしまう。これにより、粉砕機の運転に係る余計なエネルギー消費をもたらすので、粉砕量低下だけではなく電力原単位の増加も引き起こしてしまう。また、戻される粉粒体の量が増加すると、回転テーブル5上の原料層が増加して振動が誘発されてしまう。この振動を収束させるには機器保護の観点から運転を停止させるを得ず、操業に大きな損害を与えてしまうこととなる。
これに対し、実施例の竪型粉砕機1のように、上方ケース21の中心P1とセパレータ30の回転ロータ31の回転中心軸P2とが偏心配置されるような構成においては、図6及び図7に示すように、それぞれ気流回り込みの影響が顕著な領域及びショートパス流れの影響が顕著な領域において、比較例に比べて理論分級点dは非常に小さいものとなっている。また、円周方向における理論分級点dの全体的な分布も、比較例に比べて偏りが少なくまとまったものとなっている。従って、実施例の竪型粉砕機1によれば、製品の粒度の調整もより確実且つ容易となる。
このように、実施例の竪型粉砕機1においては、セパレータ30の理論分級点dの偏りをできるだけ小さくすることが可能である。すなわち、セパレータ30の下端近傍においては回転ロータ31の回転に伴う気流の流れの影響を緩和し、上端近傍においてはショートパス流れの影響を緩和させることができる。
これにより、製品の粒度分布の粒度幅を縮小することができ、製品の品質を向上させることができる。また、粉砕機内部へ戻される粉粒体を減少させることができるので、粉砕量を増加させつつ電力原単位を改善することができ、合わせて振動の発生を低減することができる。このように、竪型粉砕機1によれば、セパレータ30の理論分級点dの粉砕機内部における均一化を図ることができるので、製品の品質の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,100 竪型粉砕機
2 テーブル用モータ
3 ロータ用モータ
4 減速機
5 回転テーブル
6 シュート
7 コーン
8 粉砕ローラ
10 ケーシング
12 ダムリング
13 環状通路
14 ガス導入ダクト
15 下部取出ダクト
18 制御装置
19 下部ケーシング
20 上部ケーシング
21 上方ケース
21a 基部
21b ダクト部
22 下方ケース
29 製品取出口
30 セパレータ
31 回転ロータ
32 固定羽根

Claims (5)

  1. 複数個の回転する粉砕ローラを備えて回転テーブル上に供給した原料を、前記回転テーブルと前記粉砕ローラとの間で粉砕すると共に、この粉砕された原料からなる粉粒体を前記回転テーブルの下方に設けたガス導入口から導入したガスによって吹き上げて、吹き上げられた粉粒体を回転部を有するセパレータで分級し、分級された微粉体を前記回転テーブルの上方において前記セパレータを収容する上部ケーシングに設けた製品取出口から前記ガスと共に取り出す竪型粉砕機であって、
    前記上部ケーシングは、
    前記セパレータの上方を覆い前記製品取出口を有する上方ケースを備え、
    前記上方ケースは、中心点を有する基部を備え、
    前記上部ケーシングを前記製品取出口を左側に配置して、前記セパレータが時計回りに回転するように見える側から平面視で見て、前記セパレータの回転中心軸を原点とした場合の直交座標系において、前記基部の中心点が第4象限、前記製品取出口の中心点が第3象限に位置するように偏心配置されている
    ことを特徴とする竪型粉砕機。
  2. 前記上方ケースは、円錐台状の基部と、この基部の上方又は側面に突設された前記製品取出口に至るダクト部とを有し、
    前記基部の中心が、前記セパレータの回転中心軸から偏心配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の竪型粉砕機。
  3. 前記上部ケーシングは、前記セパレータの側方を覆う円錐台状の下方ケースを備え、
    前記下方ケースの中心は、前記セパレータの回転中心軸と一致している
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の竪型粉砕機。
  4. 前記上方ケースは、
    前記製品取出口を一つ有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の竪型粉砕機。
  5. 前記上方ケースは、
    前記セパレータの回転部の外径をD、前記基部の高さ方向の寸法をSH、及び前記直交座標系における前記基部の中心点の原点からのX方向の寸法をSX並びにY方向の寸法をSYとした場合、前記SX、SY及びSHの寸法が、
    (a)0.015×D≦SX≦0.080×D[mm]、
    (b)0.015×D≦SY≦0.080×D[mm]、
    (c)0.080×D≦SH≦0.20×D[mm]
    の各条件を満たすように形成されている
    ことを特徴とする請求項記載の竪型粉砕機。
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