JP6167839B2 - 車両用ダンパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、捩れ角に応じてダンパの剛性が切り替えられる車両用ダンパ装置の構造に関するものである。
エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられ、駆動系で発生する捩り振動を吸収しつつ動力を伝達する車両用ダンパ装置が知られている。車両用ダンパ装置は、一般に、駆動部材と、被駆動部材と、その駆動部材と被駆動部材との間に介挿される弾性体を含んで構成され、駆動部材から入力される動力が弾性体を介して被駆動部材に伝達される。特許文献1のトーショナルダンパ付フライホイール(以下、車両用ダンパ装置)もその一例である。特許文献1に記載の車両用ダンパ装置にあっては、周方向に2個の弾性体(K1スプリング、K2スプリング)が直列に配置されるとともに、K2スプリングが予め予圧縮されている。そして、車両用ダンパ装置の捩れ角が所定値未満ではK1スプリングのみが圧縮され、捩れ角が所定値以上となるとK1スプリングおよびK2スプリングが圧縮されるように構成されている。このように、捩れ角が所定値未満の領域と所定値以上の領域とで圧縮されるスプリングが切り替えられることで、ダンパ装置の捩れ特性が切り替えられる。
実開昭64−36739号公報 特開昭61−286616号公報 実開昭64−7919号公報
ところで、特許文献1の車両用ダンパ装置にあっては、K2スプリングを予め予圧縮することで、捩れ角が所定値未満と所定値以上との領域で捩れ特性が切り替えられているが、車両用ダンパ装置を低剛性化するに際して、スプリングを予圧縮することなく捩れ角が所定値未満と所定値以上との領域で捩れ特性を切り替えられることが望まれている。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両用ダンパ装置を構成する弾性体を予圧縮することなく車両用ダンパ装置を低剛性化できる構造を提供することにある。
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a)駆動部材と、被駆動部材と、その駆動部材と被駆動部材との間に介挿されている弾性体を含んで構成されている車両用ダンパ装置であって、(b)前記被駆動部材は、軸方向に並んで配置される第1被駆動部材および第2被駆動部材で構成され、(c)前記第1被駆動部材と前記弾性体とが接触する第1接触部と、前記第2被駆動部材と前記弾性体とが接触する第2接触部とは、周方向において異なり、(d)前記第1被駆動部材と前記第2被駆動部材との間の相対回転を制限する係合機構が設けられ、(e)捩れ角が所定値未満では、前記係合機構が係合することで、前記第1被駆動部材および前記第2被駆動部材が一体的に回転させられ、(f)前記捩れ角が所定値以上となると、前記係合機構の係合が外れることで、前記第1被駆動部材と前記第2被駆動部材とが相対回転させられ、前記第1被駆動部材と接触する前記弾性体がさらに捩られる一方、前記第2被駆動部材と接触する前記弾性体は前記捩れ角が前記所定値の状態で維持されることを特徴とする。
このようにすれば、車両用ダンパ装置の捩れ角が所定値未満では、係合機構が係合することで第1被駆動部材および第2被駆動部材が一体的に回転させられるため、第1被駆動部材および第2被駆動部材と接触する弾性体が捩れ角に応じて捩られる。一方、捩れ角が所定値以上になると、係合機構の係合が外れることで第1被駆動部材と第2被駆動部材とが相対回転させられ、第1被駆動部材と接触する弾性体のみ捩れ角に応じてさらに捩られ、第2被駆動部材と接触する弾性体は捩れ角が所定値の状態で維持される。このように、捩れ角が所定値未満の範囲では、第1被駆動部材および前記第2被駆動部材と接触する弾性体が捩られ、所定値以上の領域では第1被駆動部材と接触する弾性体のみさらに捩られるため、捩れ角が所定値以上の領域でダンパ装置を低剛性化することができる。
また、好適には、前記係合機構は、前記第2被駆動部材に設けられているスプリングと、該スプリングの先端に設けられているボールと、前記第1被駆動部材に形成されている係合溝と、その係合溝に隣接して形成されてる斜面とを含んで構成され、前記ボールが前記スプリングの弾性復帰力によって前記係合溝に向かって押し付けられる。このようにすれば、ボールが係合溝に押し付けられている間は、第1被駆動部材と第2被駆動部材とが一体的に回転させられ、弾性体が第1被駆動部材および第2被駆動部材によって捩られる。一方、捩れ角が所定値以上となったとき、ボールが係合溝を抜け出して斜面を移動することで係合機構の係合が外れ、第1被駆動部材と第2被駆動部材とが相対回転させられる。このとき、第1被駆動部材と接触する弾性体のみさらに捩られ、第2被駆動部材と接触する弾性体は捩れ角が所定値の状態で維持される。従って、捩れ角が所定値以上の領域でダンパ装置を低剛性化することができる。
本発明が適用された車両用ダンパ装置の正面図である。 図1のダンパ装置のA−A断面図である。 ハブプレートと中間プレートとの間に設けられている係合機構の構造を説明する図である。 図3の係合機構においてその係合が外れたときの状態を示す図である。 図1のダンパ装置に所定値未満のトルクが入力された場合の状態を示す図である。 図1のダンパ装置に所定値以上のトルクが入力された場合の状態を示す図である。 図1のダンパ装置の捩れ特性を示す図である。 本発明の他の実施例であるダンパ装置の構造を説明する正面図である。 図8のダンパ装置に所定値未満のトルクが入力された場合の状態を示す図である。 図8のダンパ装置に所定値以上のトルクが入力された場合の状態を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用ダンパ装置10(以下、ダンパ装置10)の正面図であり、図2は、図1のダンパ装置10のA−A断面図である。
ダンパ装置10は、図示しないエンジンと変速機との間の動力伝達経路上に介挿され、駆動系の捩れ振動を吸収する振動吸収装置として使用される。ダンパ装置10は、エンジンから動力が伝達されるフェーシング12と、そのフェーシング12に連結されているディスクプレート14と、図示しない変速機に連結されるハブプレート16と、ハブプレート16と軸方向において並んで配置される中間プレート18と、ディスクプレート14とハブプレート16および中間プレート18との間に介挿されている4個のコイルスプリング20と、ディスクプレート14とハブプレート16および中間プレート18との間に設けられている摩擦機構22と、後述する係合機構32とを、含んで構成されている。なお、図1の正面図において、ハブプレート16および中間プレート18は、ディスクプレート14によって挟み込まれるために外部からは実際には確認できないが、これらの部材の作動状態を説明するため、ハブプレート16の外枠を破線で示すとともに、中間プレート18の外枠を一点鎖線で示した。また、中間プレート18にあっては、ハブプレート16と区別するため、さらに内部に網掛けが施されている。
フェーシング12は、図示しないエンジンから動力が伝達され、ダンパ装置10の入力回転部材として機能する。フェーシング12はリング形状を有しており、その内周部がディスクプレート14に連結されている。
ディスクプレート14は、回転軸心Cまわりに回転可能に配置されている一対の円板状の第1プレート14aおよび第2プレート14bから構成されている。この第1プレート14aおよび第2プレート14bは、その外周部が連結部材24によって連結されることで互いに相対回転不能とされている。また、第1プレート14aおよび第2プレート14bには、4本のコイルスプリング20を収容するための4つの収容穴26が周方向に等角度間隔で形成されている。なお、ディスクプレート14が、本発明の駆動部材に対応する。
ハブプレート16は、円筒形状の筒部16aと、筒部16から径方向に突き出す2本の突出部16bとを備えて構成されている。2本の突出部16bは、回転軸心Cを通って一直線となるように突き出している。また、2本の突出部16bの径方向の端部には、周方向の両側に拡がる接触部28がそれぞれ形成されている。なお、ハブプレート16が、本発明の被駆動部材および第1被駆動部材に対応する。
中間プレート18は、軸方向においてハブプレート16と軸方向に隣接して配置されており、内周面がハブプレート16の筒部16aと摺動可能に嵌め入れられている基部18aと、その基部18aから径方向に突き出す2本の突出部18bとを備えて構成されている。2本の突出部18bは、回転軸心Cを通って一直線となるように突き出している。また、2本の突出部18bの径方向の端部には、周方向の両側に拡がる接触部30がそれぞれ形成されている。また、ハブプレート16の突出部16bと中間プレート18の突出部18bとは、動力が伝達されない状態において直交した状態で配置されている。なお、中間プレート18が、本発明の被駆動部材および第2被駆動部材に対応する。
ディスクプレート14とハブプレート16および中間プレート18との間には、4本のコイルスプリング20が動力伝達可能な状態で介挿されている。コイルスプリング20は、ディスクプレート14に形成されている収容穴26にそれぞれ収容されている。また、各コイルスプリング20の間には、ハブプレート16の接触部28および中間プレート18の接触部30が周方向で交互に介挿され、コイルスプリング20の端部と各接触部28、30が互いに接触している。従って、ハブプレート16の接触部28とコイルスプリング20の端部とが接触する第1接触部29と、中間プレート18の接触部30とコイルスプリング20の端部とが接触する第2接触部31とは周方向において異なる位置となる。そして、エンジンのトルクがフェーシング12を介してディスクプレート14に入力されると、そのトルクがコイルスプリング20を介してハブプレート16および中間プレート18に伝達される。このとき、ダンパ装置10に入力されるトルクに応じて、コイルスプリング20が、ディスクプレート14とハブプレート16および中間プレート18との間で捩られる。なお、本実施例においてコイルスプリングの捩れとは、実質的にはコイルスプリングの軸方向への圧縮(弾性変形)が対応する。また、コイルスプリング20が、本発明の弾性体に対応している。
ハブプレート16と中間プレート18との間であって互いに隣接する部位(例えば中間プレート18の基部18a近傍)には、それらの相対回転を制限する係合機構32が周方向に沿うように設けられている。図3は、係合装置32の円周方向の断面図である。係合機構32は、図3に示すように、中間プレート18に設けられているスプリング34と、そのスプリング34の先端に固定されているボール36と、ハブプレート16に形成されている係合溝38と、係合溝38に隣接して形成されている斜面40とを含んで構成されている。ダンパ装置10にエンジンから動力が伝達されない状態、ないしはエンジンから入力されるトルクが所定値T2未満の領域(後述する図7において、捩れ角θが所定値θ2未満の領域に対応する)では、図3に示すようにボール36が係合溝38に係合した状態となる。この状態において、ハブプレート16と中間プレート18とが係合機構32を介して連結され、ハブプレート16と中間プレート18とが一体的に回転させられる。一方、ダンパ装置10に入力されるトルクが所定値T2を超える(後述する図7において、捩れ角θが所定値θ2以上の領域に対応する)と、図4に示すようにスプリング34が圧縮され、ボール36が係合溝38から抜け出し、ボール36は斜面40上を移動する。このとき、係合機構32の係合が外れ、ハブプレート16と中間プレート18とは、係合機構32のボール38が斜面40上を移動した分だけ相対回転することとなる。
図2に戻り、ディスクプレート14とハブプレート16の突出部16および中間プレート18との間に設けられている摩擦機構22は、円板状の2枚の摩擦板42aおよび42bと、摩擦板42bと第2プレート14bとの間に予荷重状態で介挿されているコーンスプリング44とを、含んで構成されている。ディスクプレート14とハブプレート16および中間プレート18とが相対回転すると、摩擦材42の摩擦係数およびコーンスプリング44の付勢力に応じたヒステリシストルクが発生する。
上記のように構成されるダンパ装置10の作動について説明する。図1にあっては、ダンパ装置10にトルクが入力されない状態を示している。このとき、コイルスプリング20は圧縮されておらず、係合機構32は、図3に示すようにボール36が係合溝38に嵌り込んだ状態となる。
ダンパ装置10にエンジンからトルクが入力されると、例えば図5に示すように、ハブプレート16および中間プレート18とが一体的に回転させられ、4つのコイルスプリング20が何れも捩られた状態となる。このとき、ダンパ装置10に入力されたトルクが、フェーシング12、ディスクプレート14、およびコイルスプリング20を介してハブプレート16に伝達される動力伝達経路が構成されるとともに、ダンパ装置10に入力されたトルクが、フェーシング12、ディスクプレート14、コイルスプリング20、および中間プレート18を介してハブプレート16に伝達される動力伝達経路が構成される。なお、中間プレート18からハブプレート16へは、係合機構32を介してトルクが伝達される。また、係合機構32は、図3に示すように、ボール36が係合溝38に嵌り込んだ状態となる。従って、ハブプレート16と中間プレート18とが一体回転させられる。なお、図5は、ダンパ装置10に入力されるトルクが所定値T2となる直前の状態を示しているものとする。
図6は、エンジンから入力されるトルクが所定値T2を超えた状態を示している。トルクが所定値T2を超えると、図4に示すように、ボール36が係合溝38から抜け出して斜面40上を移動する。従って、ハブプレート16と中間プレート18との間で滑り(相対回転)が生じる。このとき、図6に示すように、ハブプレート16と接触するコイルスプリング20はさらに捩られるものの、中間プレート18と接触するコイルスプリング20は図5に示す捩れの状態で維持される。これは、トルクが所定値T2を超えると、係合機構32の係合が外れて中間プレート18がハブプレート16に対して相対回転することで、図5に示す捩れの状態から変化しないためである。従って、トルクが所定値T2を超えると、ハブプレート16と接触する2本のコイルスプリング20のみがさらに捩られる。なお、ダンパ装置10に入力されるトルクが所定値T2となると、係合機構32の係合が外れるように、スプリング34のバネ定数、係合溝38および斜面40の形状等が適宜調整される。言い換えれば、スプリング34のバネ定数、係合溝38および斜面40の形状等を変更することで、コイルスプリング20の捩れ状態が切り替わる前記所定値T2(ないし捩れ角θ)を適宜変更することができる。
図7に、ダンパ装置10の捩れ特性を示す。図7において、横軸がダンパ装置10の捩れ角θを示し、縦軸がダンパ装置10に入力されるトルクを示している。捩れ角θが零から所定値θ1の間では、コイルスプリング20に形成されている圧縮代が詰められる。捩れ角θが所定値θ2未満では、係合機構32は係合し、ダンパ装置10では、ハブプレート16と中間プレート18とが一体的に回転させられることで、例えば図5に示す状態となり、4本のコイルスプリング20が捩られる。従って、捩れ角θが所定値θ1から所定値θ2未満の領域では、4つのコイルスプリング20が捩られるため、高剛性のダンパ装置10となる。
捩れ角θが所定値θ2以上となると、係合装置32の係合が外れ、ハブプレート16と中間プレート18とが相対回転させられ、図6に示すようにハブプレート16と接触するコイルスプリング20のみさらに捩られ、中間プレート18と接触するコイルスプリング20は捩れ角θが所定値θ2の状態で維持される。従って、捩れ角θが所定値θ2以上となると2個のコイルスプリング20のみが捩られるので、ダンパ装置10が低剛性に切り替えられる。なお、従来のダンパ装置の捩れ特性を破線で示すが、従来のダンパ装置では捩れ角θが所定値θ2を超えても4個のコイルスプリングが捩られるので剛性は低下しない。
ここで、駆動系のNV発生領域は、図7に示す細破線より上側の領域、一般にはエンジン最大トルク近傍(Wot加速中)の領域にあり、この領域でダンパ装置10が低剛性化することが望ましい。これに対して、ダンパ装置10は、捩れ角θが駆動系のNV発生領域(振動・騒音発生領域)に入ると低剛性化されることで、NVが効果的に低減される。なお、このNV発生領域において捩れ特性が切り替わるように、すなわち狙った捩れ角θの所定値θ2でダンパ装置10の特性が切り替わるように、係合機構32のスプリング34のバネ定数や係合溝38および斜面40の形状が適宜調整される。従って、NV発生領域でのみダンパ装置10を低剛性することが可能となる。
上述のように、本実施例によれば、ダンパ装置10の捩れ角θが所定値θ2未満では、係合機構32が係合することでハブプレート16および中間プレート18が一体的に回転させられるため、ハブプレート16および中間プレート18と接触するコイルスプリング20が捩れ角θに応じて捩られる。一方、捩れ角θが所定値θ2以上になると、係合機構32の係合が外れることでハブプレート16と中間プレート18とが相対回転させられ、ハブプレート16と接触するコイルスプリング20のみ捩れ角θに応じてさらに捩られ、中間プレート18と接触するコイルスプリング20は捩れ角θが所定値θ2の状態で維持される。このように、捩れ角θが所定値θ2未満の範囲では、ハブプレート16および中間プレート18と接触するコイルスプリング20が捩られ、捩れ角θが所定値θ2以上の領域ではハブプレート16と接触するコイルスプリング20のみさらに捩られるため、捩れ角θが所定値θ2以上の領域でダンパ装置10を低剛性化することができる。
また、本実施例によれば、係合機構32のボール36が係合溝38に押し付けられている間は、ハブプレート16と中間プレート18とが一体的に回転させられ、コイルスプリング20がハブプレート16および中間プレート18によって捩られる。一方、捩れ角θが所定値θ2以上となったとき、ボール36が係合溝38を抜け出して斜面40を移動することで係合機構32の係合が外れ、ハブプレート16と中間プレート18とが相対回転させられる。このとき、ハブプレート16と接触するコイルスプリング20のみさらに捩られ、中間プレート18と接触するコイルスプリング20は捩れ角θが所定値θ2の状態で維持される。従って、捩れ角θが所定値θ2以上の領域でダンパ装置10を低剛性化することができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図8乃至図10は、本発明の他の実施例に対応する車両用ダンパ装置60(以下、ダンパ装置60)の正面図であって、それぞれ捩れ角θに応じた作動状態を示している。ダンパ装置60は、フェーシング12と、フェーシング12に連結されているディスクプレート62と、ハブプレート64と、ハブプレート64に軸方向において並んで配置される中間プレート66と、ディスクプレート62とハブプレート64および中間プレート66との間に介挿されているコイルスプリング68とを、含んで構成されている。なお、図示しないが、ハブプレート64と中間プレート66との間には、前述した実施例と同様の係合機構32が設けられている。さらに、ディスクプレート62とハブプレート64および中間プレート66との間には、摩擦機構32が設けられている。
ディスクプレート62は、回転軸心Cまわりに回転可能に配置されている円板状の部材であり、2個のコイルスプリング68を収容できる大きさの収容穴70が左右対称に2つ形成されている。この収容穴70に2個のコイルスプリング68が収容されており、この2個のコイルスプリングは、中間シート72を介してそれぞれ直列に連結されている。なお、ディスクプレート62が本発明の駆動部材に対応し、コイルスプリング68が本発明の弾性体に対応している。
図8乃至図10において、外枠が破線で囲まれるようにして示されるハブプレート64は、筒部64aと、筒部64aから径方向に突き出す2本の突出部64bとを備えて構成されている。2本の突出部64bは、回転軸心Cを通って一直線となるように伸びており、その外周端部にはコイルスプリング68と接触する接触部74がそれぞれ形成されている。本実施例のハブプレート64にあっては、周方向の一方向側にのみ接触部74が形成されている。なお、ハブプレート64が、本発明の被駆動部材および第1被駆動部材に対応している。
図8乃至図10において、内部に網掛けが施されている中間プレート66は、基部66aと、基部66aから径方向に突き出す2本の突出部66bとを備えて構成されている。2本の突出部66bは、回転軸心Cを通って一直線となるように伸びており、その外周端部にはコイルスプリング68と接触する接触部76がそれぞれ形成されている。本実施例の中間プレート68にあっては、周方向の一方向側にのみ接触部76が形成されている。なお、中間プレート66が、本発明の被駆動部材および第2被駆動部材に対応している。
ハブプレート64と中間プレート66とは、ダンパ装置10にトルクが伝達されない状態において、その突出部64bと突出部66bとが軸方向において重なるように配置されている。ここで、図8乃至図10にあっては、ハブプレート64が上側に配置されているため、中間プレート66はハブプレート64と重ならない部位のみ表示されている。従って、図8および図9において中間プレート66の接触部76のみ記載され、他の部位はハブプレート76と重なっているために記載されない。また、ハブプレート64の突出部64bの外周端に形成されている接触部74と、その突出部64bと重なる中間プレート66の突出部66bの外周端に形成されている接触部76とは、周方向において異なる方向に伸びている。従って、ハブプレート64の接触部74とコイルスプリング68の端部とが接触する第1接触部78と、中間プレート66の接触部76とコイルスプリング68の端部とが接触する第2接触部80とは、周方向において異なる位置となる。
ディスクプレート62に形成されている2個の収容穴70には、それぞれ2本のコイルスプリング68が収容されており、中間シート72を介して直列に接続されている。ダンパ装置10にトルクが入力されると、ディスクプレート64からコイルスプリング68を介してハブプレート64および中間プレート66に動力が伝達されるが、このとき直列に連結されている2本のコイルスプリング68が捩られる。
上記のように構成されるダンパ装置60の作動について説明する。図8にあっては、ダンパ装置60にトルクが伝達されない状態を示している。このとき、コイルスプリング68は何れも捩られておらず、また、ハブプレート64と中間プレート66との間に設けられている係合機構32についても図3に示すように、ボール36が係合溝38に嵌り込んだ状態となっている。
ダンパ装置60にエンジンからトルクが入力されると、図9に示すように、ハブプレート64の押圧部74の一方と、中間プレート66の押圧部76の一方とが、直列に連結されているコイルスプリング68の一端に接触した状態となり、結果として4本のコイルスプリング68が捩られた状態となる。このとき、エンジンから入力されるトルクが、フェーシング12、ディスクプレート64、およびコイルスプリング68を介してハブプレート64に伝達されるとともに、フェーシング12、ディスクプレート64、コイルスプリング68、および中間プレート66を介してハブプレート64に伝達される。また、係合機構32は、図3に示すようにボール36が係合溝38に嵌り込んだ状態となり、ハブプレート64と中間プレート66とは一体的に回転させられる。なお、図9の状態は、ダンパ装置60に入力されるトルクが所定値T2直前の値となった状態を示している。
図10は、エンジンから入力されたトルクが所定値T2を超えた状態を示している。トルクが所定値T2を超えると、係合機構32にあっては、図4に示すようにボール36が係合溝38から抜け出して斜面40上を移動した状態となる。従って、ハブプレート64と中間プレート66との間で滑りが生じる。このとき、図10に示すように、ハブプレート64と接触するコイルスプリング68はさらに捩られるものの、中間プレート66と接触するコイルスプリング68は図9に示す捩れの状態で維持される。これは、トルクが所定値T2を超えると、中間プレート66がハブプレート64に対して相対回転し、この間は図9に示す状態から変化しないためである。すなわち、トルクが所定値T2を超えると、ハブプレート64接触するコイルスプリング68およびそれに直列に連結されたコイルスプリング68の2本のコイルスプリング68のみがさらに捩られる。
このように、ダンパ装置60に入力されるトルクが所定値T2を超えると、4本のコイルスプリング68が捩られる状態から2本のコイルスプリング68が捩られる状態に切り替わるため、前述した図7に示すような捩れ特性が得られる。すなわち、ダンパ装置60においても前述したダンパ装置10と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、4つのコイルスプリング20が使用されているが、コイルスプリング20の数は特に限定されず、適宜変更しても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、60:車両用ダンパ装置
14、62:ディスクプレート(駆動部材)
16、64:ハブプレート(被駆動部材、第1被駆動部材)
18、66:中間プレート(被駆動部材、第2被駆動部材)
20、68:コイルスプリング(弾性体)
32:係合機構

Claims (1)

  1. 駆動部材と、被駆動部材と、該駆動部材と被駆動部材との間に介挿されている弾性体を含んで構成されている車両用ダンパ装置であって、
    前記被駆動部材は、軸方向に並んで配置される第1被駆動部材および第2被駆動部材で構成され、
    前記第1被駆動部材と前記弾性体とが接触する第1接触部と、前記第2被駆動部材と前記弾性体とが接触する第2接触部とは、周方向において異なり、
    前記第1被駆動部材と前記第2被駆動部材との間の相対回転を制限する係合機構が設けられ、
    捩れ角が所定値未満では、前記係合機構が係合することで、前記第1被駆動部材および前記第2被駆動部材が一体的に回転させられ、
    前記捩れ角が所定値以上となると、前記係合機構の係合が外れることで、前記第1被駆動部材と前記第2被駆動部材とが相対回転させられ、前記第1被駆動部材と接触する前記弾性体はさらに捩られる一方、前記第2被駆動部材と接触する前記弾性体は前記捩れ角が前記所定値の状態で維持される
    ことを特徴とする車両用ダンパ装置。
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