JP6167428B2 - 結晶膜形成体及びその製造方法 - Google Patents

結晶膜形成体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6167428B2
JP6167428B2 JP2012277549A JP2012277549A JP6167428B2 JP 6167428 B2 JP6167428 B2 JP 6167428B2 JP 2012277549 A JP2012277549 A JP 2012277549A JP 2012277549 A JP2012277549 A JP 2012277549A JP 6167428 B2 JP6167428 B2 JP 6167428B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal film
layered compound
crystal
base material
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012277549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014123431A (ja
Inventor
手嶋 勝弥
勝弥 手嶋
貴裕 石崎
貴裕 石崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinshu University NUC
Shibaura Institute of Technology
Original Assignee
Shinshu University NUC
Shibaura Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinshu University NUC, Shibaura Institute of Technology filed Critical Shinshu University NUC
Priority to JP2012277549A priority Critical patent/JP6167428B2/ja
Publication of JP2014123431A publication Critical patent/JP2014123431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6167428B2 publication Critical patent/JP6167428B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は基材表面に結晶膜を形成した結晶膜形成体及びその製造方法に関する。
二次電池に用いる電極は、アルミニウム等の導電体からなる集電体の表面にLiCoO2等の活物質を被着させて形成されている。これらの電極は、(1)固相法や水熱合成法等による活物質の合成、(2)活物質、導電助剤、結着物質を混合した材料の創製、(3)集電体上への固定化、という多段階の方法で作製されている。(1)の活物質の合成プロセスにおいては、高品質の活物質を作製するためのプロセスが確立されてきているが、(2)の混合状態と(3)固定化状態により、電池の性能が大きく異なるという問題が生じている。このため、優れた活物質を合成しても、その性能を最大限に引き出せていないという問題があった。
電極の性能を向上させる方法としては、フラックス法により基材表面に活物質を形成する積層体の形成方法(特許文献1)、正極材料を含む液体スラリーを基材上にキャストし、乾燥、圧縮、加熱工程により正極を形成する方法(特許文献2)、正極活物質、導電材及び結着剤からなるスラリーを基材上に塗布し、乾燥プレスすることにより正極を作製する方法(特許文献3)等がある。
特開2011−63452号公報 特表2009−524900号公報 特開2009−129889号公報
上述したフラックス法を利用して電池の電極を形成する方法は、バインダーや導電材を使用して活物質を形成した場合は特性が劣化してしまうのに対して、結着剤などを用いずに、基材の表面に直接、活物質を形成することができるという特徴がある。また、加熱焼結によって活物質を形成した場合は、活物質が多結晶になるのに対して、活物質の単結晶の結晶粒からなる結晶膜が形成されることから、優れた電気化学特性を有する電極が得られるという利点がある。
フラックス法は電極に用いる活物質を形成する場合に限らず、種々の結晶を形成する方法として汎用的に利用できる方法であり、集電体の表面に活物質を形成した電極は基材の表面に結晶膜を形成してなる結晶膜形成体の一例である。この結晶膜形成体は、電池の電極に使用する場合のように、その特性を有効に維持するためには十分な耐久性が必要であり、基材表面に密着して結晶膜を形成する必要があり、高品質の結晶性を有する結晶膜が基材表面に均一に形成されるようにする必要がある。
本発明は、基材表面との密着性が高く、かつ好適な結晶性を備えた結晶膜形成体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る結晶膜形成体の製造方法は、基材と基材表面に形成された結晶膜とを備える結晶膜形成体の製造方法であって、前記結晶膜形成体が、電池の集電体を基材とし、該基材の表面に前記結晶膜として活物質が被着形成された電極体であり、前記基材の表面に層状化合物を形成する工程と、前記結晶膜を形成するための結晶材料とフラックス材とを使用し、前記層状化合物が形成された基材表面に、フラックス法により結晶を析出させて前記結晶膜を形成する工程とを備え、前記層状化合物を形成する工程において、前記基材を構成する金属元素と、前記結晶膜を構成する金属元素を含む層状化合物を形成することを特徴とする。フラックス法によれば基材の表面に直接結晶膜を形成することができる。基材の表面にあらかじめ層状化合物を形成しておくことにより、基材の表面に直接結晶膜を形成した場合と比較して、基材と結晶膜との密着性が向上し、結晶膜形成体の耐久性を向上させることができる。また、フラックス法により結晶膜を形成することによって、高品質の結晶性を有する結晶膜を形成することができ、電気化学特性の優れた結晶膜形成体を得ることができる。また、フラックス法によることで容易にかつ低コストで結晶膜形成体を形成することができる。
基材表面に形成する層状化合物として層状複水酸化物を形成すると、層状複水酸化物は多層のシート状構造を有し、きわめて大きな表面積を有することから、その上に結晶膜を形成することにより、基材と結晶膜との密着性をさらに向上させることができる。
また、層状化合物として、基材を構成する元素と、結晶膜を構成する元素とを含む層状化合物を形成することにより、層状化合物が結晶膜を形成する出発材料となり、基材と結晶膜との密着性が良好になる。
また、層状複水酸化物を形成する際には、処理用の水溶液の組成とpHとを調整することにより、基材を構成する元素と、結晶膜を構成する元素とからなる層状複水酸化物を形成することができ、層状複水酸化物の生成をコントロールできる点で有効である。
また、前記結晶膜を形成する工程において、前記基材表面に形成された層状化合物を前記結晶膜と置換させ、前記結晶膜を前記基材表面に直接形成することにより、層状化合物を介することなく基材表面に結晶膜を確実に密着させて形成することができる。
なお、結晶膜形成体に形成する基材に用いる材料はとくに限定されるものではないが、層状化合物の組成材料として使用できるものがよい。基材としてアルミニウム、銅等の金属材を使用すれば、水熱合成法等により容易に層状化合物を形成することができる。
また、フラックス法では、基材(下地層)の種類にかかわらず、基材表面に結晶を形成することが可能であり、基材と結晶膜との任意の組み合わせからなる結晶膜形成体を製造することができる。
フラックス法により基材の表面に結晶膜を形成する方法には、結晶材料とフラックス材とを混合した混合材をペースト状として基材表面に塗布し、加熱処理を施して、基材表面に結晶を析出させるフラックスコーティング法、結晶材料とフラックス材とを容器に入れ、加熱して混合材を蒸発させ、蒸発雰囲気中に基材をセットして基材の表面に結晶を析出させるフラックス蒸発法等がある。
フラックス法により形成できる結晶としては、アルカリ土類金属酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属含有複酸化物、卑金属酸化物、卑金属含有複酸化物、またはそれらを含む化合物からなるもの、また、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、卑金属のうちの少なくともいずれか一つの金属の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、塩化物、フッ化物、リン酸塩、アンモニウム塩及び有機化合物から選ばれる結晶材料を用いて得られるアパタイトが挙げられる。
前記アルカリ土類金属酸化物としては、酸化マグネシウムがあり、前記遷移金属酸化物としては、酸化チタン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化タンタル、酸化タングステン、または希土類金属酸化物がある。また、前記遷移金属含有複酸化物としては、チタン酸塩、コバルト酸塩、ニッケル酸塩、ニオブ酸塩、モリブデン酸塩、タンタル酸塩、タングステン酸塩、または希土類金属塩があり、前記卑金属酸化物としては、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化錫または酸化アンチモンがあり、前記卑金属含有複酸化物としては、酸化インジウム錫、酸化亜鉛アルミニウム、または酸化ガリウムアンチモンがある。
また、前記アパタイトとしては、フッ素アパタイト、塩素アパタイト、または水酸アパタイトがある。
また、本発明に係る結晶膜形成体は、基材と基材表面に形成された結晶膜とを備える結晶膜形成体であって、前記結晶膜形成体が、電池の集電体を基材とし、該基材の表面に前記結晶膜として活物質が被着形成された電極体であり、前記基材表面に層状化合物が形成され、該層状化合物上に、前記結晶膜が、外面に単結晶の結晶面が現れた結晶粒が集合して形成され、前記層状化合物は、前記基材を構成する金属元素と、前記結晶膜を構成する金属元素とを含むことにより、基材と結晶膜との密着性が良好になり、耐久性が向上するとともに、電気化学特性の優れた結晶膜形成体として提供される。
本発明によれば、基材の表面に結晶膜が密着した結晶膜形成体を提供することができ、基材表面に形成される結晶膜が単結晶の結晶粒からなることから、結晶そのものの優れた電気化学特性を備える結晶膜形成体を提供することができる。
pH=4.48、7.01、7.86、9.11の水溶液を用いて処理したアルミニウム基板と、未処理のアルミニウム基板について測定したXRDパターンである。 pH=4.48の水溶液で処理したサンプルのSEM像である。 図2のSEM像に対応するO元素、Al元素、Co元素のマッピング像である。 pH=7.01の水溶液で処理したサンプルのSEM像である。 図4のSEM像に対応するO元素、Al元素、Co元素のマッピング像である。 pH=7.86の水溶液で処理したサンプルのSEM像である。 図6のSEM像に対応するN元素、O元素、Al元素、Co元素のマッピング像である。 pH=9.11の水溶液で処理したサンプルのSEM像である。 図8のSEM像に対応するO元素、Al元素、Co元素のマッピング像である。 pH=4.48の水溶液を用いて処理した後のアルミニウム基板(a)と、フラックスコーティング法により結晶を形成した後のアルミニウム基板(b)の外観写真である。 pH=7.01の水溶液を用いて処理した後のアルミニウム基板(a)と、フラックスコーティング法により結晶を形成した後のアルミニウム基板(b)の外観写真である。 pH=7.86の水溶液を用いて処理した後のアルミニウム基板(a)と、フラックスコーティング法により結晶を形成した後のアルミニウム基板(b)の外観写真である。 pH=9.11の水溶液を用いて処理した後のアルミニウム基板(a)と、フラックスコーティング法により結晶を形成した後のアルミニウム基板(b)の外観写真である。 pH=9.11の水溶液で処理したアルミニウム基板にLCO結晶を形成したサンプルのXRDパターンである。
本発明方法に係る結晶膜形成体を製造した例として、アルミニウム基板を基材とし、基材表面に層状化合物であるAl−Co系の層状複水酸化物(layered
Double Hydroxide:LDH)を形成し、この層状化合物の表面にフラックスコーティング法によりLiCoO2(LCO)結晶を形成した例について説明する。層状化合物としてAl−Co系のLDHを使用したのは、基材のAlと結晶膜LiCoO2に含まれるCoが層状化合物に含まれるようにしたためである。
(層状化合物の形成)
Al−Co系のLDHは水熱合成法を利用して基板表面に形成した。
まず、30mMのCo(NO3)2・6H2Oと10mMのNH4NO3を混合することで40mLの水溶液を調合し、NaOHを用いてpHを4.48、7.01、7.86、9.11にそれぞれ調整した水溶液を用意した。
次に、これらの4種のpH=4.48、7.01、7.86、9.11に調整した水溶液に、それぞれサンプルのアルミニウム基板(10×10mm)を浸漬させた容器を圧力容器に入れ、150℃の炉の中で5時間保持した後,室温まで冷却し、アルミニウム基板を取り出した。
図1は、pH=4.48、7.01、7.86、9.11の水溶液を用いて処理したサンプル(アルミニウム基板)と、未処理のアルミニウム基板のXRDパターンを示す。図1では、下から上に順に、アルミニウム基板、pH4.48、pH7.01、pH7.86、pH9.11の各パターンを示す。
pH=4.48で作製したサンプルのXRDパターンには、Alに起因するピークと水酸化アルミニウムに起因するピークが確認された。
pH=7.01で作製したサンプルのXRDパターンでは、Alに起因するピークとAl-Co系LDHに起因するピークを確認できた。
pH=7.86で作製したサンプルのXRDパターンでは、Alに起因するピークとAl-Co系LDHに起因するピークの存在は不明確であるが、このサンプルについては、SEM像によりAl-Co系LDHの存在が確認できた。
また、pH=9.11で作製したサンプルのXRDパターンから、Alに起因するピークと水酸化アルミニウム及びCoO2に起因するピークを確認できた。
図2は、pH=4.48の水溶液を用いて作製したサンプルのSEM像である。基板の表面に水酸化アルミニウムが形成されている。図3(a)、(b)、(c)は、図2のSEM像に対応するO元素、Al元素、Co元素のマッピング像である。O元素、Al元素、Co元素とも、基板上に均等に存在することが確認できる。
図4は、pH=7.01の水溶液を用いて作製したサンプルのSEM像である。基板表面に形成されたAl-Co系のLDHが観察できる。LDHはシート状に形成されることが特徴であり、SEM像にシート状の形態があらわれている。図5(a)、(b)、(c)は、SEM像に対応するO元素、Al元素、Co元素のマッピング像である。この場合も、O元素、Al元素、Co元素は基板上に均等に存在している。
図6は、pH=7.86の水溶液を用いて作製したサンプルのSEM像である。基板表面にシート状のAl-Co系のLDHが形成されている状態が観察できる。図7(a)、(b)、(c)、(d)は、図6のSEM像に対応するN元素、O元素、Al元素、Co元素のマッピング像である。この場合も、基板上にN元素、O元素、Al元素、Co元素が均等に存在する。Al-Co系LDHでは層間に硝酸イオンが存在する。図7は硝酸イオンに対応するN元素についても示した。
図4、図6に示すように、シート状のAl-Co系LDHは、大きな表面積を有するから、この上にLCO結晶のような結晶膜を形成すると、結晶との密着性を良好にすることができる。
図8は、pH=9.11の水溶液を用いて作製したサンプルのSEM像である。このサンプルでは、基板表面に水酸化アルミニウムとCoO2が形成されている。CoO2の存在はXRDパターンに基づく。図9(a)、(b)、(c)は、図8のSEM像に対応するO元素、Al元素、Co元素のマッピング像である。図9は、図8のSEM像に見られる析出物にO元素、Al元素、Co元素がそれぞれ均等に存在することを示す。
(結晶膜の形成:フラックスコーティング法)
次に、上述したpH=4.48、7.01、7.86、9.11の水溶液を用いて処理したアルミニウム基板の表面にフラックスコーティング法によりLiCoO2(LCO)結晶を形成した。出発原料としては下記のものを使用した。
Li源:LiOH・H2O 0.892g
Co源:Co(NO3)2・6H2O 0.832g
フラックス:LiNO3 2.276g
これらの原料をよくかき混ぜ、水を加えてペースト状とした混合材を作製し、各々のサンプルの基板上に混合材を塗布し、基板の表面に混合材層を形成した。混合材層の厚さは約10μmである。
混合材を塗布したサンプルのアルミニウム基板をマッフル炉に導入し、15℃・min-1の昇温速度で室温から500℃まで上昇させ、この温度で10h保持した。その後、室温まで冷却し、サンプルを炉から取り出した。
図10、11、12、13に、pH=4.48、pH7.01、pH7.86、pH9.11の水溶液を用いて処理した後のアルミニウム基板の外観の写真((a)図)と、フラックスコーティング法により結晶を形成した後のアルミニウム基板の外観の写真((b)図)を示す。
図10(b)、11(b)、12(b)に見られるように、pH=4.48、pH7.01、pH7.86の水溶液で処理したアルミニウム基板に結晶を形成したものでは、結晶が基板上に部分的に形成され、一部が剥離した状態になっている。これに対し、図12(b)に示すように、pH=9.11の水溶液で処理したアルミニウム基板に結晶を形成したものは、アルミニウム基板の全面に均一に結晶が形成されている。
pH=9.11の水溶液で処理したサンプル表面に形成された結晶と基板との密着性を調査するために、密着性試験キット(Elcometer社製、商品名:Elcometer 107 Cross Hatch
Cutter)を用いて密着性を評価した。具体的には、LCO結晶を形成したアルミニウム基板の表面に碁盤目状にカットを入れ、その表面に加重40Nのテープを貼付し、一定時間保持させた後、テープを剥離し、基板表面に形成された結晶膜の剥離状態を目視により評価した。テープの剥離後にもLCO結晶の剥離は認められなかった。
図14に、pH=9.11の水溶液で処理したアルミニウム基板にLCO結晶を形成したサンプルのXRDパターンを示す。2θ=19、38、45、58、65°付近にLCO結晶に起因するピークが確認できる。一方、pH=9.11の水溶液で処理した状態で基板表面に存在することが確認されていた水酸化アルミニウム及びCoO2に起因するピークが、このXRDパターンでは確認されない。この結果から、LCO結晶の成長時に、水酸化アルミニウム及びCoO2がLCO結晶に相変化したこと、すなわち、水酸化アルミニウムとCoO2がLCO結晶に取り込まれ、アルミニウム基板上に直接、LCO結晶が形成された状態になったと考えられる。
本発明に係る結晶膜形成体の製造方法においては、基材の表面にあらかじめ層状化合物を形成しておき、この層状化合物の上にフラックス法を利用して結晶膜を形成することを特徴とする。
基材の表面に形成する層状化合物は、基材の組成材料を含む層状化合物とする。基材の組成材料を含む層状化合物であれば、基材を出発材料として基材の表面に層状化合物を形成することができ、その層状化合物の上にフラックス法により結晶粒を析出させて結晶膜を形成することによって、層状化合物と結晶膜との密着性が良好となる。層状化合物を介して結晶膜を形成する方法によれば、基材表面上に単に結晶膜を形成する方法と比較して、基材と結晶膜との密着性を向上させることができる。
また、層状化合物として基材表面に形成する結晶材料を含む化合物を形成することにより、層状化合物が結晶膜を形成する出発材料として利用でき、基材の組成材料を含む層状化合物を使用する場合と比較して、層状化合物と結晶膜との密着性をさらに向上させることができる。さらに、層状化合物と結晶膜を形成する条件を適当に選定することにより、層状化合物の上に結晶膜を形成する処理を行うことで、層状化合物自体を結晶膜に置き換えることが可能であり、基材表面に直接、結晶膜が形成された結晶膜形成体として得ることができる。
上記例は、アルミニウム基板を基材とし、結晶膜として電極の活物質として用いられるLCO結晶を形成した例であるが、結晶膜形成体に使用する基材には導電体に限らず、適宜材料を使用することができる。基材上に形成する結晶についても適宜結晶を形成することができ、用途に応じて基材と結晶材料とを選択すればよい。
上記例の結晶膜形成体も、基材や活物質を選択することによって、任意の電極体を形成することができる。その際に、基材と活物質を含む層状化合物を基材上に形成するようにすることで、基材に確実に活物質を密着させた電極体を得ることができる。また、基材上に形成する層状化合物を生成させる条件を調整することにより、層状化合物を活物質に置換させることができ、これによって密着性と優れた電気化学特性を備える電極体として提供することができる。

Claims (5)

  1. 基材と基材表面に形成された結晶膜とを備える結晶膜形成体の製造方法であって、
    前記結晶膜形成体が、電池の集電体を基材とし、該基材の表面に前記結晶膜として活物質が被着形成された電極体であり、
    前記基材の表面に層状化合物を形成する工程と、
    前記結晶膜を形成するための結晶材料とフラックス材とを使用し、前記層状化合物が形成された基材表面に、フラックス法により結晶を析出させて前記結晶膜を形成する工程とを備え、
    前記層状化合物を形成する工程において、前記基材を構成する金属元素と、前記結晶膜を構成する金属元素を含む層状化合物を形成することを特徴とする結晶膜形成体の製造方法。
  2. 前記層状化合物を形成する工程において、処理用の水溶液の組成とpHとを調整して、層状化合物を形成することを特徴とする請求項1記載の結晶膜形成体の製造方法。
  3. 前記層状化合物を形成する工程において、
    前記層状化合物として、層状複水酸化物を形成することを特徴とする請求項1または2記載の結晶膜形成体の製造方法。
  4. 前記結晶膜を形成する工程において、
    前記基材表面に形成された層状化合物を前記結晶膜に取り込み、前記層状化合物を介することなく、前記結晶膜を前記基材表面に直接形成することを特徴とする請求項1または2記載の結晶膜形成体の製造方法。
  5. 基材と基材表面に形成された結晶膜とを備える結晶膜形成体であって、
    前記結晶膜形成体が、電池の集電体を基材とし、該基材の表面に前記結晶膜として活物質が被着形成された電極体であり、
    前記基材表面に層状化合物が形成され、
    該層状化合物上に、前記結晶膜が、外面に単結晶の結晶面が現れた結晶粒が集合して形成され、
    前記層状化合物は、前記基材を構成する金属元素と、前記結晶膜を構成する金属元素とを含むことを特徴とする結晶膜形成体。
JP2012277549A 2012-12-20 2012-12-20 結晶膜形成体及びその製造方法 Active JP6167428B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012277549A JP6167428B2 (ja) 2012-12-20 2012-12-20 結晶膜形成体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012277549A JP6167428B2 (ja) 2012-12-20 2012-12-20 結晶膜形成体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014123431A JP2014123431A (ja) 2014-07-03
JP6167428B2 true JP6167428B2 (ja) 2017-07-26

Family

ID=51403771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012277549A Active JP6167428B2 (ja) 2012-12-20 2012-12-20 結晶膜形成体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6167428B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017221451A1 (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 日本碍子株式会社 層状複水酸化物を含む機能層及び複合材料

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234796A (ja) * 2001-02-03 2002-08-23 Naoshi Kuroda コバルト酸リチウム合成法及び単結晶育成法
JP4054868B2 (ja) * 2002-06-14 2008-03-05 福田金属箔粉工業株式会社 リチウム電池用負極及び該リチウム電池用負極の製造方法
JP2007184205A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Sumitomo Electric Ind Ltd リチウム二次電池用電極の製造方法
JP5190762B2 (ja) * 2008-01-11 2013-04-24 住友電気工業株式会社 リチウム電池
JP5213186B2 (ja) * 2009-09-15 2013-06-19 国立大学法人信州大学 積層体及びその製造方法
JP6048925B2 (ja) * 2012-09-18 2016-12-21 国立大学法人信州大学 電極体の製造方法
JP6037278B2 (ja) * 2012-12-20 2016-12-07 国立大学法人信州大学 結晶膜形成体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014123431A (ja) 2014-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW550844B (en) Gradient cathode material for lithium rechargeable batteries
CN105849307B (zh) 用于制造含锂薄膜层状结构的气相沉积方法
JP5562673B2 (ja) 強誘電体材料、強誘電体薄膜、強誘電体材料の製造方法および強誘電体素子
EP3092325B1 (en) Vapour deposition method for preparing crystalline lithium-containing compounds
JP6860496B2 (ja) 正極活物質の製造方法、正極活物質、正極およびリチウムイオン二次電池
US10964879B2 (en) Method of manufacturing a dielectric device
JP6130966B2 (ja) リチウムポリオキソアニオン塩の析出を介した無機基材上の酸化物シェルの形成
CN106629613A (zh) 一种离子插层型二维材料的制备方法
JP6347084B2 (ja) 強誘電体セラミックス及びその製造方法
WO2015151566A1 (ja) 全固体リチウム電池
Park et al. Electrochemical deposition of thermoelectric SbxTey thin films and nanowires
JP6167428B2 (ja) 結晶膜形成体及びその製造方法
TW201523986A (zh) 以濕式法製備薄膜之方法
JP6266291B2 (ja) ニオブ酸系強誘電体の配向性薄膜とその作製方法
JP2020021741A5 (ja)
JP2015088392A (ja) 固体電解質、固体電解質の製造方法およびリチウムイオン電池
Kanie et al. Precursor effect on hydrothermal synthesis of sodium potassium niobate fine particles and their piezoelectric properties
KR101981657B1 (ko) 고체 전해질, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 전고체 전지
Gul et al. The influence of thermal processing on microstructure of sol–gel-derived SrSnO 3 thin films
Labyedh et al. Continuous and conformal lithium titanate spinel thin films by solid state reaction
JP3598700B2 (ja) 複合セラミックス粒子及びその製造方法
JP6037278B2 (ja) 結晶膜形成体の製造方法
JP2005213105A (ja) 多結晶金属酸化物薄膜とその製造方法及び不揮発性メモリ
JP2021009778A5 (ja)
JP3629229B2 (ja) 結晶軸配向性薄膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6167428

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250