JP6164113B2 - 支持体付き樹脂シート - Google Patents

支持体付き樹脂シート Download PDF

Info

Publication number
JP6164113B2
JP6164113B2 JP2014029831A JP2014029831A JP6164113B2 JP 6164113 B2 JP6164113 B2 JP 6164113B2 JP 2014029831 A JP2014029831 A JP 2014029831A JP 2014029831 A JP2014029831 A JP 2014029831A JP 6164113 B2 JP6164113 B2 JP 6164113B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin composition
support
layer
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014029831A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015150885A (ja
Inventor
嘉生 西村
嘉生 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP2014029831A priority Critical patent/JP6164113B2/ja
Priority to TW103145934A priority patent/TWI637852B/zh
Priority to CN201510076938.6A priority patent/CN104842609B/zh
Priority to KR1020150023631A priority patent/KR102385973B1/ko
Publication of JP2015150885A publication Critical patent/JP2015150885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6164113B2 publication Critical patent/JP6164113B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/01Use of inorganic substances as compounding ingredients characterized by their specific function
    • C08K3/013Fillers, pigments or reinforcing additives
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

本発明は、支持体付き樹脂シートに関する。
プリント配線板の製造技術として、絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法において、一般に、絶縁層は樹脂組成物を熱硬化させて形成される。例えば、特許文献1には、支持体と、該支持体上に設けられたシリカ粒子を含有する樹脂組成物層とを含む支持体付き樹脂シートを用いて樹脂組成物層を内層基板に積層した後、樹脂組成物層を熱硬化し、得られた硬化体を粗化処理して絶縁層を形成する技術が開示されている。
回路配線の更なる高密度化が求められる中で、プリント配線板のビルドアップによる積層数は増加する傾向にあるが、積層数の増加に伴って絶縁層と導体層との熱膨張の差によるクラックや回路歪みの発生が問題となる。斯かるクラックや回路歪みの問題を抑制する技術として、例えば、特許文献2には、樹脂組成物におけるシリカ粒子等の無機充填材の含有量を高めることによって、形成される絶縁層の熱膨張率を低く抑える技術が開示されている。
国際公開第2010/35451号 特開2010−202865号公報
特許文献1記載の技術では、粗化処理において硬化体表面のシリカ粒子が脱離することによって、導体層に対して十分な剥離強度を呈する絶縁層が実現される。しかしながら、熱膨張率の低い絶縁層を形成すべく、シリカ粒子等の無機充填材の含有量の高い樹脂組成物を用いると、斯かる技術においても、形成される絶縁層と導体層との剥離強度の低下は避けられない場合があった。
本発明は、無機充填材の含有量が高いというバルク(bulk)の特性は保持しつつ、粗化処理後に導体層に対して優れた剥離強度を呈する絶縁層を形成することができる技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、支持体側の表面近傍の領域において無機充填材と樹脂成分との量比(無機充填材/樹脂成分)に勾配(すなわち、支持体との接合表面から厚さ方向に向かって一定値以上の正の勾配)を有する樹脂組成物層を含む支持体付き樹脂シートを用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 支持体と、該支持体と接合している、無機充填材含有量が50質量%以上である樹脂組成物層とを含む支持体付き樹脂シートであって、
支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから1μmまでの領域における樹脂面積A0−1と、前記境界からの距離が1μmから2μmまでの領域における樹脂面積A1−2とが、A0−1/A1−2>1.1の関係を満たす、支持体付き樹脂シート。
[2] 支持体と、該支持体と接合している、無機充填材含有量が50質量%以上である樹脂組成物層とを含む支持体付き樹脂シートであって、
支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから0.5μmまでの領域における樹脂面積A0−0.5と、前記境界からの距離が0.5μmから1μmまでの領域における樹脂面積A0.5−1とが、A0−0.5/A0.5−1>1.1の関係を満たす、支持体付き樹脂シート。
[3] 支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0.5μmからdμmまでの領域における樹脂面積A0.5−dと、前記境界からの距離がdμmから0.5Dμmまでの領域における樹脂面積Ad−0.5Dとが、0.9≦kA0.5−d/Ad−0.5D≦1.1(ここで、kはk=|d−0.5D|/|0.5−d|を満たす係数であり、dは0.5<d<0.5Dを満たす数であり、Dは樹脂組成物層の厚みである。)の関係を満たす、[1]又は[2]に記載の支持体付き樹脂シート。
[4] 第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層と、第2の樹脂組成物からなる第2層とを互いに接合するように設けて、一体化した樹脂組成物層を形成する工程を含み、
樹脂組成物層中の無機充填材含有量が50質量%以上であり、
樹脂組成物層のうち第1層に由来する側の表面が支持体と接合しており、
支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから1μmまでの領域における樹脂面積A0−1と、前記境界からの距離が1μmから2μmまでの領域における樹脂面積A1−2とが、A0−1/A1−2>1.1の関係を満たす、支持体付き樹脂シートの製造方法。
[5] 前記樹脂組成物層を形成する工程が、
(A1)支持体と、該支持体と接合している第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層とを含む支持体付き仮樹脂シートを用意する工程、及び
(B1)第1層上に第2の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して第2層を設けて、一体化した樹脂組成物層を形成する工程
を含む、[4]に記載の方法。
[6] 第1層の厚さが1μm未満である、[4]又は[5]に記載の方法。
[7] 第1の樹脂組成物が平均粒径500nm以下の無機充填材を含む、[4]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 第1の樹脂組成物中の無機充填材含有量が40質量%以下である、[4]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 第2の樹脂組成物中の無機充填材含有量が50質量%より高い、[4]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10] [1]〜[3]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層を含むプリント配線板。
[11] [10]に記載のプリント配線板を含む半導体装置。
本発明の支持体付き樹脂シートによれば、無機充填材の含有量が高いというバルクの特性は保持しつつ、粗化処理後に導体層に対して優れた剥離強度を呈する絶縁層をもたらすことができる。
図1は、樹脂面積比(kAd1−d2/Ad2−d3比)の算出方法を説明するための模式図である。
本発明の支持体付き樹脂シートについて詳細に説明する前に、本発明の支持体付き樹脂シートに含まれる樹脂組成物層を形成する際に使用する「第1の樹脂組成物」及び「第2の樹脂組成物」について説明する。
<第1の樹脂組成物>
第1の樹脂組成物は、樹脂組成物層のうち、支持体との接合表面近傍の領域を形成するために使用される。
所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限りにおいて、第1の樹脂組成物は特に限定されず、その硬化物が十分な硬度と絶縁性を有するものであればよい。斯かる樹脂組成物としては、例えば、硬化性樹脂とその硬化剤を含む組成物が挙げられる。硬化性樹脂としては、プリント配線板の絶縁層を形成する際に使用される従来公知の硬化性樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。したがって一実施形態において、第1の樹脂組成物は(a)エポキシ樹脂及び(b)硬化剤を含む。第1の樹脂組成物は、必要に応じて、さらに(c)無機充填材、(d)熱可塑性樹脂、(e)硬化促進剤、(f)難燃剤及び(g)ゴム粒子等の添加剤を含んでいてもよい。
以下、第1の樹脂組成物の材料として使用し得るエポキシ樹脂、硬化剤、及び添加剤について説明する。
−(a)エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂及びトリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下、「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物を硬化して形成される絶縁層の破断強度も向上する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がさらに好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がさらに好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「EXA7311−G4」、「EXA7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノールエポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラックエポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「ESN485V」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG−100」、「CG−500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:5の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)樹脂シートの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)樹脂シートの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する絶縁層を得ることができるなどの効果が得られる。上記i)〜iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.3〜1:4.5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:4の範囲がさらに好ましく、1:0.8〜1:4の範囲が特に好ましい。
第1の樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上又は30質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらにより好ましくは90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下又は70質量%以下である。
なお、本発明において、樹脂組成物を構成する各成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分の合計を100質量%としたときの値である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜3000、より好ましくは80〜2000、さらに好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
−(b)硬化剤−
硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び導体層との密着性(剥離強度)を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、東都化成(株)製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」、「SN395」、DIC(株)製の「LA7052」、「LA7054」、「LA3018」等が挙げられる。
粗化処理後に表面粗さの小さい絶縁層を得る観点から、活性エステル系硬化剤も好ましい。活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンタレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」(DIC(株)製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲が好ましく、1:0.3〜1:1.5がより好ましく、1:0.4〜1:1.2がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比を斯かる範囲とすることにより、樹脂組成物の硬化物の耐熱性がより向上する。
一実施形態において、第1の樹脂組成物は、上述の(a)エポキシ樹脂及び(b)硬化剤を含む。第1の樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:5の範囲が好ましく、1:0.3〜1:4.5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:4の範囲がさらに好ましく、1:0.8〜1:4の範囲がさらにより好ましい)を、(b)硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上(好ましくはフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤及び活性エステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上)を、それぞれ含むことが好ましい。
−(c)無機充填材−
第1の樹脂組成物は、さらに無機充填材を含んでもよい。無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等のシリカが特に好適である。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1の樹脂組成物に使用される無機充填材の平均粒径は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限りにおいて特に限定されないが、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下、さらにより好ましくは150nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下又は50nm以下である。該平均粒径の下限は、特に限定されないが、通常、5nm以上である。このような平均粒径を有する無機充填材の市販品としては、例えば、(株)アドマテックス製「YC100C」、「YA050C」、「YA050C−MJE」、「YA010C」、電気化学工業(株)製「UFP30」、トクヤマ製「シルフィルNSS−3N」、「シルフィルNSS−4N」、「シルフィルNSS−5N」が挙げられる。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤などの1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
第1の樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、さらにより好ましくは20質量%以下、18質量%以下、16質量%以下、14質量%以下、12質量%以下、10質量%以下、8質量%以下、6質量%以下、4質量%以下又は2質量%以下である。第1の樹脂組成物中の無機充填材の含有量の下限は特に限定されず0質量%であってもよい。
−(d)熱可塑性樹脂−
第1の樹脂組成物は、さらに熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリスルホン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、東都化成(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YL7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、官能基含有アクリル樹脂が好ましく、エポキシ基含有アクリル樹脂がより好ましく、エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂がさらに好ましい。アクリル樹脂として官能基含有アクリル樹脂を用いる場合、その官能基当量は、好ましくは1000〜50000、より好ましくは2500〜30000である。
アクリル樹脂の具体例としては、ナガセケムテックス(株)製の「SG−80H」、「SG−P3」(エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂)が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
第1の樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、5質量%以上又は7質量%以上である。熱可塑性樹脂の含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
−(e)硬化促進剤−
第1の樹脂組成物は、さらに硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン等が挙げられ、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンが好ましい。
第1の樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限り特に限定されないが、エポキシ樹脂と硬化剤の不揮発成分合計量を100質量%としたとき、0.05質量%〜3質量%の範囲で使用することが好ましい。
−(f)難燃剤−
第1の樹脂組成物は、さらに難燃剤を含んでもよい。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。第1の樹脂組成物層中の難燃剤の含有量は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは0.5質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜15質量%、さらに好ましくは1.5質量%〜10質量%がさらに好ましい。
−(g)ゴム粒子−
第1の樹脂組成物は、さらにゴム粒子を含んでもよい。ゴム粒子としては、例えば、後述する樹脂ワニスの調製に使用する有機溶剤に溶解せず、上述のエポキシ樹脂、硬化剤、及び熱可塑性樹脂などとも相溶しないものが使用される。このようなゴム粒子は、一般には、ゴム成分の分子量を有機溶剤や樹脂に溶解しないレベルまで大きくし、粒子状とすることで調製される。
ゴム粒子としては、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、又は外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メチルメタクリレート重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。ゴム粒子は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
ゴム粒子の平均粒径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。ゴム粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム粒子を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(FPAR−1000;大塚電子(株)製)を用いて、ゴム粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。第1の樹脂組成物中のゴム粒子の含有量は、好ましくは1質量%〜20質量%であり、より好ましくは2質量%〜10質量%、さらに好ましくは2質量%〜5質量%である。
−その他の成分−
第1の樹脂組成物は、必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに有機フィラー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
<第2の樹脂組成物>
第2の樹脂組成物は、樹脂組成物層のうち、支持体との接合表面近傍の領域を除く残りの領域(バルク部分)を形成するために使用される。
第2の樹脂組成物は、樹脂組成物層のバルク特性、ひいては絶縁層のバルク特性を左右する。得られる絶縁層の熱膨張率を低下させて、絶縁層と導体層との熱膨張の差によるクラックや回路歪みの発生を防止する観点から、第2の樹脂組成物は、無機充填材を高い含有量にて含む。
第2の樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、得られる絶縁層の熱膨張率を低下させる観点から、50質量%より高く、好ましくは52質量%以上、より好ましくは54質量%以上、さらに好ましくは56質量%以上、さらにより好ましくは58質量%以上、60質量%以上、62質量%以上、64質量%以上、66質量%以上、68質量%以上又は70質量%以上である。第2の樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、得られる絶縁層の機械強度の観点から、好ましくは96質量%未満、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下又は85質量%以下である。
無機充填材としては、例えば、第1の樹脂組成物について説明した無機充填材が挙げられ、中でもシリカが好ましく、球状シリカがより好ましい。第2の樹脂組成物に含まれる無機充填材の平均粒径は、樹脂組成物層の流動性を高めて十分な回路埋め込み性を実現する観点から、0.01μm〜5μmの範囲が好ましく、0.05μm〜2μmの範囲がより好ましく、0.1μm〜1μmの範囲がさらに好ましく、0.2μm〜0.8μmがさらにより好ましい。このような平均粒径を有する無機充填材の市販品としては、例えば、(株)アドマテックス製「SOC2」、「SOC1」が挙げられる。
第2の樹脂組成物に含まれる無機充填材は、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の種類及び表面処理の程度は、<第1の樹脂組成物>欄において説明したとおりである。
第2の樹脂組成物に含まれる他の材料としては、例えば、<第1の樹脂組成物>欄において説明した、(a)エポキシ樹脂をはじめとする硬化性樹脂、及び(b)硬化剤が挙げられる。したがって一実施形態において、第2の樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(c)無機充填材を含む。各成分の好適な例は、<第1の樹脂組成物>欄において説明したとおりであるが、中でも、第2の樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:5の範囲が好ましく、1:0.3〜1:4.5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:4の範囲がさらに好ましく、1:0.8〜1:4の範囲が特に好ましい)を、(b)硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上(好ましくはフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤及び活性エステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上)を、(c)無機充填材としてシリカをそれぞれ含むことが好ましい。
第2の樹脂組成物中の(a)エポキシ樹脂の含有量は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは3質量%〜50質量%、より好ましくは5質量%〜45質量%、さらに好ましくは5質量%〜40質量%、さらにより好ましくは7質量%〜35質量%である。
第2の樹脂組成物における(a)エポキシ樹脂と(b)硬化剤との量比は、<第1の樹脂組成物>欄において説明したものと同様とし得る。
第2の樹脂組成物は、さらに(d)熱可塑性樹脂、(e)硬化促進剤、(f)難燃剤及び(g)ゴム粒子からなる群から選択される1種以上の成分を含んでもよい。これら(d)乃至(g)成分の好適な例は、<第1の樹脂組成物>欄において説明したとおりである。第2の樹脂組成物中の(d)熱可塑性樹脂の含有量は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%である。第2の樹脂組成物中の(e)硬化促進剤の含有量は、(a)エポキシ樹脂と(b)硬化剤の不揮発成分合計量を100質量%としたとき、好ましくは0.05質量%〜3質量%である。第2の樹脂組成物中の(f)難燃剤の含有量は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜9質量%、さらにより好ましくは1.5質量%〜8質量%である。第2の樹脂組成物中の(g)ゴム粒子の含有量は、所望の組成勾配を有する樹脂組成物層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは1質量%〜10質量%、より好ましくは2質量%〜5質量%である。
第2の樹脂組成物は、必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに有機フィラー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[支持体付き樹脂シート]
本発明の支持体付き樹脂シートは、支持体と、該支持体と接合している、無機充填材含有量が50質量%以上である樹脂組成物層とを含み、該樹脂組成物層が、支持体側の表面近傍の領域において無機充填材と樹脂成分との量比(無機充填材/樹脂成分)に勾配(すなわち、支持体との接合表面から厚さ方向に向かって一定値以上の正の勾配)を有することを特徴とする。
本発明の支持体付き樹脂シートに含まれる樹脂組成物層においては、支持体との接合表面には樹脂成分リッチな相が存在するが、支持体との接合表面から厚さ方向に向かって一定の距離位置において、急激に無機充填材の割合が上昇する。ここで、「厚さ方向」とは、樹脂組成物層の厚さ方向をいい、樹脂組成物層表面に垂直な方向を表す。樹脂組成物層中の無機充填材の割合は、支持体との接合表面から厚さ方向に向かって、好ましくは0.05μm〜2μmの距離位置において、より好ましくは0.05μm〜1.5μmの距離位置において、さらに好ましくは0.05μm〜1μmの距離位置において、特に好ましくは0.05μm〜0.5μmの距離位置において、急激に上昇する。
さらに厚さ方向に進むと、無機充填材と樹脂成分との量比に勾配はなくなり、均一な組成を有する相となる。支持体側の表面近傍の限られた領域においてのみ急激な組成勾配を有する樹脂組成物層を含む本発明の支持体付き樹脂シートによれば、バルクの特性として均一な組成を保持しているため、強度や耐熱性等に優れると共に、粗化処理後には導体層に対して優れた剥離強度を呈する絶縁層をもたらすことができる。詳細は後述するが、本発明の支持体付き樹脂シートを使用して形成した絶縁層は、粗化処理後の表面粗さが小さいにもかかわらず、導体層に対して優れた剥離強度を呈することが確認されており、本発明の支持体付き樹脂シートは、プリント配線板の微細配線化に著しく寄与するものである。
本発明において、樹脂組成物層の支持体側表面近傍の領域における無機充填材と樹脂成分との量比の勾配を表すにあたっては、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面における、支持体と樹脂組成物層の境界からの所定の距離d1(μm)から所定の距離d2(μm)までの領域の樹脂面積Ad1−d2と、前記境界からの所定の距離d2(μm)から所定の距離d3(μm)までの領域の樹脂面積Ad2−d3との比(kAd1−d2/Ad2−d3)を用いることとする。ここで、d1、d2及びd3は、0≦d1<d2<d3を満たす数であり、kは、k=|d2−d3|/|d1−d2|を満たす係数である。
上記樹脂面積比は、図1に模式的に示すように、支持体10の表面に垂直な方向(図1中のZ方向)における樹脂組成物層20の断面についてSEM観察し、支持体10と樹脂組成物層20の境界(図1中のZ=0の位置)からの距離がd1(μm)からd2(μm)までの領域21aの樹脂面積Ad1−d2と、前記境界からの距離がd2(μm)からd3(μm)までの領域21bの樹脂面積Ad2−d3とを測定し、得られたAd1−d2値及びAd2−d3値から算出することができる。Ad1−d2値及びAd2−d3値の測定にあたっては、測定領域の幅(支持体表面に平行な方向における測定距離)を等しく設定する。
なお本発明において、「樹脂面積」とは、樹脂成分が占める面積をいう。樹脂面積についていう「樹脂成分」とは、樹脂組成物を構成する成分のうち、無機充填材を除いた成分をいう。
本発明の支持体付き樹脂シートにおいて、樹脂組成物層は、支持体側表面近傍の領域において無機充填材と樹脂成分との量比に急激な勾配を有し、上記kAd1−d2/Ad2−d3比はd1、d2及びd3の値によって大きく変化する。
即ち、本発明の支持体付き樹脂シートは、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから1μmまでの領域における樹脂面積A0−1と、前記境界からの距離が1μmから2μmまでの領域における樹脂面積A1−2とが、A0−1/A1−2>1.1の関係を満たすことを特徴とする。無機充填材の含有量が高いというバルクの特性は保持しつつ、粗化処理後に導体層に対して優れた剥離強度を呈する絶縁層を得る観点から、本発明の支持体付き樹脂シートは、好ましくはA0−1/A1−2≧1.15、より好ましくはA0−1/A1−2≧1.2を満たす。
0−1/A1−2比の上限は特に限定されないが、通常、20以下であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。
斯かる場合、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから1μmまでの領域における(樹脂面積)/(全面積)比は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.5以上、さらにより好ましくは0.6以上、0.7以上、0.8以上又は0.9以上である。該(樹脂面積)/(全面積)比の上限は特に限定されず、1であってもよい。
均一な組成並びに高い無機充填材含有量といったバルクの特性を保持しつつ、粗化処理後に導体層に対して優れた剥離強度を呈する絶縁層を得る観点から、本発明の支持体付き樹脂シートでは、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから0.5μmまでの領域における樹脂面積A0−0.5と、前記境界からの距離が0.5μmから1μmまでの領域における樹脂面積A0.5−1とが、A0−0.5/A0.5−1>1.1の関係を満たすことが好ましい。粗化処理後に導体層に対してより高い剥離強度を呈する絶縁層を実現する観点から、本発明の支持体付き樹脂シートは、より好ましくはA0−0.5/A0.5−1≧1.2、さらに好ましくはA0−0.5/A0.5−1≧1.22、さらにより好ましくはA0−0.5/A0.5−1≧1.24、特に好ましくはA0−0.5/A0.5−1≧1.26、A0−0.5/A0.5−1≧1.28、A0−0.5/A0.5−1≧1.3、又はA0−0.5/A0.5−1≧1.32を満たす。
0−0.5/A0.5−1比の上限は特に限定されないが、通常、20以下であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。
斯かる場合、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから0.5μmまでの領域における(樹脂面積)/(全面積)比は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上、さらにより好ましくは0.8以上又は0.9以上である。該(樹脂面積)/(全面積)比の上限は特に限定されず、1であってもよい。
上述のとおり、本発明の支持体付き樹脂シートにおいて、樹脂組成物層は、支持体側表面近傍の限られた領域においてのみ組成勾配を有し、バルクの特性としては均一な組成を保持している。
好適な実施形態において、本発明の支持体付き樹脂シートは、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が2μmからdμmまでの領域における樹脂面積A2−dと、前記境界からの距離がdμmから0.5Dμmまでの領域における樹脂面積Ad−0.5Dとが、0.9≦kA2−d/Ad−0.5D≦1.1(ここで、kはk=|d−0.5D|/|2−d|を満たす係数であり、dは2<d<0.5Dを満たす数であり、Dは樹脂組成物層の厚みである。)の関係を満たすように構成される。これは、本発明の支持体付き樹脂シートに含まれる樹脂組成物層が、支持体側表面からの距離が2μm以上の領域において均一な組成を有することを表す。
より好適な実施形態において、本発明の支持体付き樹脂シートは、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が1.5μmからdμmまでの領域における樹脂面積A1.5−dと、前記境界からの距離がdμmから0.5Dμmまでの領域における樹脂面積Ad−0.5Dとが、0.9≦kA1.5−d/Ad−0.5D≦1.1(ここで、kはk=|d−0.5D|/|1.5−d|を満たす係数であり、dは1.5<d<0.5Dを満たす数であり、Dは樹脂組成物層の厚みである。)の関係を満たすように構成される。これは、本発明の支持体付き樹脂シートに含まれる樹脂組成物層が、支持体側表面からの距離が1.5μm以上の領域において均一な組成を有することを表す。
さらに好適な実施形態において、本発明の支持体付き樹脂シートは、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が1μmからdμmまでの領域における樹脂面積A1−dと、前記境界からの距離がdμmから0.5Dμmまでの領域における樹脂面積Ad−0.5Dとが、0.9≦kA1−d/Ad−0.5D≦1.1(ここで、kはk=|d−0.5D|/|1−d|を満たす係数であり、dは1<d<0.5Dを満たす数であり、Dは樹脂組成物層の厚みである。)の関係を満たすように構成される。これは、本発明の支持体付き樹脂シートに含まれる樹脂組成物層が、支持体側表面からの距離が1μm以上の領域において均一な組成を有することを表す。
特に好適な実施形態において、本発明の支持体付き樹脂シートは、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0.5μmからdμmまでの領域における樹脂面積A0.5−dと、前記境界からの距離がdμmから0.5Dμmまでの領域における樹脂面積Ad−0.5Dとが、0.9≦kA0.5−d/Ad−0.5D≦1.1(ここで、kはk=|d−0.5D|/|0.5−d|を満たす係数であり、dは0.5<d<0.5Dを満たす数であり、Dは樹脂組成物層の厚みである。)の関係を満たすように構成される。これは、本発明の支持体付き樹脂シートに含まれる樹脂組成物層が、支持体側表面からの距離が0.5μm以上の領域において均一な組成を有することを表す。なお、上記樹脂面積比において、分母はAd−0.5Dである必要はなく、Ad−D(すなわち、前記境界からの距離がdμmからDμmまでの領域における樹脂面積)であってもよい。分母をAd−0.5Dに代えてAd−Dとする場合であっても、係数kにより値が補正されることから、樹脂面積比の好適な範囲は上記と同じである。
本発明の支持体付き樹脂シートにおいて、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量は50質量%以上である。得られる絶縁層の熱膨張率を十分に低下させる観点から、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量は、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上である。
なお、本発明において、樹脂組成物層中の各成分の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分の合計を100質量%としたときの値である。例えば、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量は、上述の第1の樹脂組成物中の無機充填材の含有量と、上述の第2の樹脂組成物中の無機充填材の含有量とを、樹脂組成物層を形成するに際し使用した第1及び第2の樹脂組成物の量に基づき加重平均することで求めることができる。
樹脂面積A0−1と樹脂面積A1−2との比(A0−1/A1−2)が上記特定範囲にある本発明の支持体付き樹脂シートにおいては、導体層に対する剥離強度の低下をもたらすことなく、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量を更に高めることができる。例えば、樹脂組成物層中の無機充填材の含有量は、66質量%以上、68質量%以上、70質量%以上、72質量%以上、74質量%以上、76質量%以上、又は78質量%以上にまで高めてよい。
樹脂組成物層中の無機充填材の含有量の上限は、得られる絶縁層の機械強度の観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
無機充填材をはじめ、樹脂組成物層の各構成成分の詳細は、上記<第1の樹脂組成物>及び<第2の樹脂組成物>欄において述べたとおりである。一実施形態において、本発明の支持体付き樹脂シートに含まれる樹脂組成物層は、無機充填材、硬化性樹脂及び硬化剤を含む。樹脂組成物層はさらに、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及びゴム粒子からなる群から選択される1種以上の添加剤を含んでいてもよく、有機金属化合物、有機フィラー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤及び着色剤等の他の樹脂添加剤を含んでいてもよい。
無機充填材の含有量が上記特定の範囲である限り、樹脂組成物層中の他の成分の含有量は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し通常使用される範囲としてよい。本発明においては、上述の第1及び第2の樹脂組成物を使用して樹脂組成物層を形成するが、樹脂組成物層のバルク部分は実質的に第2の樹脂組成物により形成されており、樹脂組成物層全体に占める第1の樹脂組成物の寄与率は限定的である。したがって、本発明の支持体付き樹脂シートにおいて、樹脂組成物層中の無機充填材以外の成分の好適な含有量は、上記<第2の樹脂組成物>欄において述べた各成分の好適な含有量と同じとしてよい。
本発明の支持体付き樹脂シートにおいて、樹脂組成物層の厚みは、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm以上、8μm以上、9μm以上又は10μm以上である。樹脂組成物層の厚みの上限は、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下又は20μm以下である。
本発明の支持体付き樹脂シートにおいて、支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
本発明の支持体付き樹脂シートは、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に、保護フィルムをさらに含んでもよい。保護フィルムは、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズの防止に寄与する。保護フィルムの材料としては、支持体について説明した材料と同じものを用いてよい。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。支持体付き樹脂シートは、プリント配線板を製造する際には、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
本発明の支持体付き樹脂シートは、金属張積層板の絶縁層を形成するため(金属張積層板の絶縁層用)、プリント配線板の絶縁層を形成するため(プリント配線板の絶縁層用)に使用することができる。中でも、ビルドアップ方式によるプリント配線板の製造において、絶縁層を形成するため(プリント配線板のビルドアップ絶縁層用)に好適に使用することができ、メッキにより導体層を形成するため(メッキにより導体層を形成するプリント配線板のビルドアップ絶縁層用)にさらに好適に使用することができる。
[支持体付き樹脂シートの製造方法]
本発明の支持体付き樹脂シートの製造方法は、第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層と、第2の樹脂組成物からなる第2層とを互いに接合するように設けて、一体化した樹脂組成物層を形成する工程を含み、i)樹脂組成物層中の無機充填材含有量が50質量%以上であり、ii)樹脂組成物層のうち第1層に由来する側の表面が支持体と接合しており、かつ、iii)支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから1μmまでの領域における樹脂面積A0−1と、前記境界からの距離が1μmから2μmまでの領域における樹脂面積A1−2とが、A0−1/A1−2>1.1の関係を満たすことを特徴とする。
第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物については先述のとおりである。本発明においては、上記i)乃至iii)の条件を満たすように、第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層と、第2の樹脂組成物からなる第2層とを互いに接合するように設けて、一体化した樹脂組成物層(単に「樹脂組成物層」ともいう。)を形成する。上記i)の条件に関し、樹脂組成物層中の無機充填材含有量の好適な範囲は[支持体付き樹脂シート]の欄で述べたとおりである。上記ii)の条件は、第1の樹脂組成物に由来する樹脂成分リッチな相が支持体と接合していることを示す。支持体は[支持体付き樹脂シート]の欄で述べたとおりである。また、上記iii)の条件に関し、好適な樹脂面積比(A0−1/A1−2比、A0−0.5/A0.5−1比、kA2−d/Ad−0.5D等)の条件は[支持体付き樹脂シート]の欄で述べたとおりである。
第1の樹脂組成物からなる第1層の厚さは、所望の樹脂面積比を達成する観点から、2μm未満であり、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは1.0μm未満、0.8μm以下、0.6μm以下又は0.5μm以下である。第1層の厚さの下限は、特に限定されないが、粗化処理後に導体層に対し優れた剥離強度を呈する絶縁層を得る観点、支持体付き樹脂シートの製造容易性の観点から、通常、0.05μm以上、0.1μm以上などとし得る。
第2の樹脂組成物からなる第2層の厚さは、特に限定されず、第1層の厚さを考慮しつつ、得られる樹脂組成物層の厚さが所望の範囲となるように決定すればよい。なお、第2層は樹脂組成物層のバルク部分を構成する層であることから、第1層に比し十分に厚いことが好適である。詳細には、第2層の厚さは、第1層の厚さに対して、2倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましく、6倍以上であることがさらに好ましく、8倍以上、10倍以上、12倍以上、14倍以上、16倍以上、18倍以上又は20倍以上であることがさらにより好ましい。第2層の厚さは、第1層の厚さに対して、通常、2000倍以下、1000倍以下、又は500倍以下とし得る。一実施形態において、第2層の厚さは、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm以上、8μm以上、9μm以上又は10μm以上である。第2層の厚さの上限は、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下又は20μm以下である。
第1層と第2層とを互いに接合するように設ける方法としては、上記i)乃至iii)の条件を満たすように実施し得る限り特に限定はされず、例えば、1)第1層上に第2の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して第2層を設ける方法、2)第2層上に第1の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して第1層を設ける方法、3)別個に用意した第1層と第2層とを互いに接合するように積層する方法が挙げられる。
好適な一実施形態において、一体化した樹脂組成物層を形成する工程は、
(A1)支持体と、該支持体と接合している第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層とを含む支持体付き仮樹脂シートを用意する工程、及び
(B1)第1層上に第2の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して第2層を設け、一体化した樹脂組成物層を形成する工程
を含む(以下、斯かる実施形態を「第1実施形態」ともいう。)。
工程(A1)において、支持体と、該支持体と接合している第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層とを含む支持体付き仮樹脂シートを用意する。
支持体付き仮樹脂シートは、例えば、支持体上に第1の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して第1層を設けることにより作製することができる。詳細には、有機溶剤に第1の樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて支持体上に塗布し、塗布膜を乾燥させることによって作製することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
塗布膜の乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の乾燥方法により実施してよい。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃〜150℃で3分間〜10分間乾燥させることにより、支持体上に第1の樹脂組成物からなる第1層を形成することができる。
支持体付き仮樹脂シートは、第1層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に、保護フィルムをさらに含んでもよい。保護フィルムの詳細は先述のとおりである。支持体付き仮樹脂シートは、工程(B1)に使用する際には、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
工程(B1)において、第1層上に第2の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して第2層を設け、一体化した樹脂組成物層を形成する。
第2の樹脂組成物の塗布及び塗布膜の乾燥は、工程(A1)における第1の樹脂組成物の塗布及び塗布膜の乾燥と同様の方法で実施してよい。また、工程(B1)における乾燥の条件は、工程(A1)における塗布膜の乾燥の条件と同じであっても、異なっていてもよい。得られる樹脂組成物層の厚さの精度を高める観点から、工程(A1)における乾燥温度TA1(℃)と、工程(B1)における乾燥温度TB1(℃)とは、TA1<TB1の関係を満たすことが好ましく、TA1+10≦TB1の関係を満たすことがより好ましく、TA1+20≦TB1の関係を満たすことがさらに好ましい。
他の好適な一実施形態において、一体化した樹脂組成物層を形成する工程は、
(A2)保護フィルムと、該保護フィルムと接合している第2の樹脂組成物からなる第2層とを含む保護フィルム付き仮樹脂シートを用意する工程、及び
(B2)第2層上に第1の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して厚さ2μm未満の第1層を設け、一体化した樹脂組成物層を形成する工程
を含む(以下、斯かる実施形態を「第2実施形態」ともいう。)。
工程(A2)に使用する保護フィルムは先述のとおりである。保護フィルム付き仮樹脂シートは、例えば、保護フィルム上に第2の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して第2層を設けることにより作製することができる。第2の樹脂組成物の塗布及び塗布膜の乾燥は、工程(A1)における第1の樹脂組成物の塗布及び塗布膜の乾燥と同様に実施してよい。
保護フィルム付き仮樹脂シートは、第2層の保護フィルムと接合していない面(即ち、保護フィルムとは反対側の面)に、第2の保護フィルムをさらに含んでもよい。斯かる場合、保護フィルム付き仮樹脂シートは、第2の保護フィルムを剥がした後に工程(B2)に供すればよい。
工程(B2)において、第1の樹脂組成物の塗布及び塗布膜の乾燥は、工程(A1)における第1の樹脂組成物の塗布及び塗布膜の乾燥と同様に実施してよい。また、工程(B2)における乾燥の条件は、工程(A2)における塗布膜の乾燥の条件と同じであっても、異なっていてもよい。得られる樹脂組成物層の厚さの精度を高める観点、得られる樹脂組成物層の可撓性の観点から、工程(A2)における乾燥温度TA2(℃)と、工程(B2)における乾燥温度TB2(℃)とは、TA2>TB2の関係を満たすことが好ましく、TA2≧TB2+10の関係を満たすことがより好ましく、TA2≧TB2+20の関係を満たすことがさらに好ましい。
第2実施形態においては、工程(B2)の後、一体化した樹脂組成物層の保護フィルムと接合していない面に支持体を設ける。支持体の詳細は先述のとおりである。
さらに他の一実施形態において、一体化した樹脂組成物層を形成する工程は、
(A3a)支持体と、該支持体と接合している第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層とを含む支持体付き仮樹脂シートを用意する工程、
(A3b)保護フィルムと、該保護フィルムと接合している第2の樹脂組成物からなる第2層とを含む保護フィルム付き仮樹脂シートを用意する工程、及び
(B3)支持体付き仮樹脂シートと保護フィルム付き仮樹脂シートとを、第1層と第2層とが接合するように、積層する工程
を含む(以下、斯かる実施形態を「第3実施形態」ともいう。)。
第3実施形態において、工程(A3a)及び工程(A3b)は、それぞれ、第1実施形態における工程(A1)及び第2実施形態における工程(A2)と同様に実施してよい。
工程(B3)において、支持体付き仮樹脂シートと保護フィルム付き仮樹脂シートとを、第1層と第2層とが接合するように、積層する。
支持体付き仮樹脂シートと保護フィルム付き仮樹脂シートの積層は、作業性が良好であり、一様な接触状態が得られやすいので、ロール圧着やプレス圧着等で、両シートをラミネート処理することが好ましい。中でも、減圧下でラミネートする真空ラミネート法がより好ましい。ラミネートの方法は、バッチ式でも連続式であってもよい。
ラミネート処理は、一般に、圧着圧力を1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m)の範囲とし、圧着温度を70〜120℃の範囲とし、圧着時間を5〜180秒間の範囲とし、空気圧が20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で実施することが好ましい。
ラミネート処理は、市販の真空ラミネーターを用いて実施することができる。市販されている真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
樹脂シート全面にわたって所望の樹脂面積比を有する樹脂組成物層を容易に得ることができる観点から、一体化した樹脂組成物層を形成する工程としては、上記の第1実施形態又は第2実施形態が好ましく、上記の第1実施形態がより好ましい。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層を含む。
一実施形態において、本発明のプリント配線板は、本発明の支持体付き樹脂シートを用いて、下記工程(I)及び(II)を含む方法により製造することができる。
(I)本発明の支持体付き樹脂シートを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板に積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
工程(I)において、本発明の支持体付き樹脂シートを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板に積層する。
工程(I)に使用する「内層基板」とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板、又は該基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された回路基板をいう。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう「内層基板」に含まれる。
工程(I)における支持体付き樹脂シートと内層基板との積層は、従来公知の任意の方法で実施してよいが、ロール圧着やプレス圧着等で、樹脂組成物層が内層基板と接合するようにラミネート処理することが好ましい。ラミネート処理の条件は、[支持体付き樹脂シート]の第3実施形態について説明したものと同じ条件とし得る。なお、内層基板の表面凹凸(例えば、内層回路基板の表面回路の凹凸)に支持体付き樹脂シートが十分に追随するように、耐熱ゴム等の弾性材を介してラミネート処理することが好ましい。
工程(I)において、支持体付き樹脂シートは、内層基板の片面に積層してもよく、内層基板の両面に積層してもよい。
工程(I)の後、内層基板に積層された支持体付き樹脂シートを、加熱及び加圧して、平滑化する処理を実施してもよい。平滑化処理は、一般に、常圧(大気圧)下、加熱された金属板又は金属ロールにより、支持体付き樹脂シートを加熱及び加圧することにより実施される。加熱及び加圧の条件は、上記ラミネート処理の条件と同様の条件を用いることができる。なお、ラミネート処理と平滑化処理は、市販の真空ラミネーターを用いて連続的に実施してよい。
支持体は、工程(I)と工程(II)の間に除去してもよく、工程(II)の後に除去してもよい。
工程(II)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
熱硬化の条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物層を構成する樹脂組成物の組成によっても異なるが、硬化温度は120℃〜240℃の範囲(好ましくは150℃〜210℃の範囲、より好ましくは170℃〜190℃の範囲)、硬化時間は5分間〜90分間の範囲(好ましくは10分間〜75分間、より好ましくは15分間〜60分間)とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間〜150分間、より好ましくは15分間〜120分間)予備加熱してもよい。
本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層は、無機充填材の含有量が高いというバルクの特性を保持していることから、低い熱膨張率を示す。一実施形態において、本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層は、好ましくは30ppm以下、より好ましくは25ppm以下、さらに好ましくは22ppm以下、さらにより好ましくは20ppm以下、19ppm以下、18ppm以下、17ppm以下、16ppm以下、15ppm以下又は14ppm以下の線熱膨張係数を示すことができる。絶縁層の線熱膨張係数の下限は特に制限されないが、通常、1ppm以上である。
絶縁層の線熱膨張係数は、例えば、熱機械分析等の公知の方法により測定することができる。熱機械分析装置としては、例えば、(株)リガク製の「Thermo Plus TMA8310」が挙げられる。本発明において、絶縁層の線熱膨張係数は、引張加重法で熱機械分析を行った際の、平面方向の25〜150℃の線熱膨張係数である。
本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層はバルクの特性として均一な組成を保持しているため、プリント配線板の絶縁層として所期の特性を有利に示すことができる。
一実施形態において、本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層は、好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは150℃以上、さらにより好ましくは155℃以上又は160℃以上のガラス転移温度(Tg)を示し、十分な強度を呈する。Tgの上限は特に制限されないが、通常、250℃以下である。絶縁層のTgは、例えば、熱機械分析等の公知の方法により測定することができる。熱機械分析装置としては、例えば、(株)リガク製の「Thermo Plus TMA8310」が挙げられる。
一実施形態において、本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層は、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.04以下、さらに好ましくは0.03以下、さらにより好ましくは0.02以下又は0.01以下の誘電正接を示し、高周波での発熱防止、信号遅延および信号ノイズの低減に寄与する。誘電正接の下限は特に制限されないが、通常、0.001以上である。絶縁層の誘電正接は、例えば、空洞共振器摂動法等の公知の方法により測定することができる。空洞共振器摂動法誘電率測定装置としては、例えば、アジレントテクノロジー(株)製の「HP8362B」が挙げられる。本発明において、絶縁層の誘電正接は、周波数5.8GHz、測定温度23℃の条件にて空洞共振器摂動法により測定した誘電正接である。
プリント配線板を製造するに際しては、(III)絶縁層に穴あけする工程、(IV)絶縁層を粗化処理する工程、(V)絶縁層表面に導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(III)乃至(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、支持体を工程(II)の後に除去する場合、該支持体の除去は、工程(II)と工程(III)との間、工程(III)と工程(IV)の間、又は工程(IV)と工程(V)との間に実施してよい。
工程(III)は、絶縁層に穴あけする工程であり、これにより絶縁層にビアホール、スルーホール等のホールを形成することができる。例えば、ドリル、レーザー(炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等)、プラズマ等を使用して絶縁層にホールを形成することができる。
工程(IV)は、絶縁層を粗化処理する工程である。粗化処理の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のスウェリング・ディップ・セキュリガンスP、スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30〜90℃の膨潤液に絶縁層を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間〜30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のコンセントレート・コンパクトCP、ドージングソリューション・セキュリガンスP等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のリダクションソリューション・セキュリガントPが挙げられる。中和液による処理は、酸化剤溶液による粗化処理がなされた処理面を30〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。
先述の特許文献1をはじめとする従来技術においては、粗化処理において、絶縁層表面に存在する無機充填材が脱離し、表面に凹凸が形成される。斯かる凹凸は、導体層との間でアンカー効果を発揮し、絶縁層と導体層との間の剥離強度の向上に寄与すると考えられている。しかしながら、絶縁層中の無機充填材の含有量が高くなると、斯かる凹凸によるアンカー効果をもってしても、絶縁層と導体層との間の剥離強度の低下は避けられない場合があり、また、粗化処理後に絶縁層の表面粗さが過度に高くなる場合があった。
本発明の支持体付き樹脂シートに含まれる樹脂組成物層は、上述のように、支持体との接合表面近傍の領域において急激な組成勾配を有するが、斯かる組成勾配は、本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層にも維持される。したがって、本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層は、無機充填材の含有量が高いというバルクの特性を保持しつつ、表面近傍の領域において無機充填材の占める割合は低い。これにより、本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成される絶縁層においては、粗化処理による無機充填材の脱離が、従来技術における絶縁層に比して起こり難い。本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層は粗化処理後に導体層に対して優れた剥離強度を呈するが、これは、無機充填材の含有量と無機充填材の脱離とのバランスにおいて、導体層との剥離強度に寄与するような表面が再現されたことによるものと推察される。
一実施形態において、粗化処理後の絶縁層表面の算術平均粗さRaは、好ましくは180nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは120nm以下、さらにより好ましくは110nm以下である。本発明の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層は、Raが、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下又は50nm以下と非常に小さい場合であっても、導体層に対し優れた剥離強度を呈する。Ra値の下限は特に限定はされないが、0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましい。
絶縁層表面の算術平均粗さRaは、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。非接触型表面粗さ計の具体例としては、ビーコインスツルメンツ製の「WYKO NT3300」が挙げられる。
工程(V)は、絶縁層表面に導体層を形成する工程である。
導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm〜35μm、好ましくは5μm〜30μmである。
導体層は、メッキにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にメッキして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解メッキによりメッキシード層を形成する。次いで、形成されたメッキシード層上に、所望の配線パターンに対応してメッキシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出したメッキシード層上に、電解メッキにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なメッキシード層をエッチングなどにより除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
一実施形態において、粗化処理後の絶縁層と導体層との剥離強度は、好ましくは0.5kgf/cm以上、より好ましくは0.55kgf/cm以上、さらに好ましくは0.60kgf/cm以上、特に好ましくは0.65kgf/cm以上である。一方、剥離強度の上限値は特に限定されないが、1.2kgf/cm以下、0.9kgf/cm以下などとなる。本発明においては、粗化処理後の絶縁層の表面粗さRaが小さいにもかかわらず、このように高い剥離強度を呈する絶縁層を形成し得ることから、プリント配線板の微細配線化に著しく寄与するものである。
なお本発明において、絶縁層と導体層との剥離強度とは、導体層を絶縁層に対して垂直方向(90度方向)に引き剥がしたときの剥離強度(90度ピール強度)をいい、導体層を絶縁層に対して垂直方向(90度方向)に引き剥がしたときの剥離強度を引っ張り試験機で測定することにより求めることができる。引っ張り試験機としては、例えば、(株)TSE製の「AC−50C−SL」等が挙げられる。
[半導体装置]
上記のプリント配線板を用いて、半導体装置を製造することができる。
かかる半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
まず各種測定方法・評価方法について説明する。
〔測定・評価用サンプルの調製〕
(1)内層回路基板の下地処理
内層回路の形成されたガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板の厚さ0.3mm、パナソニック電工(株)製「R5715ES」)の両面を、メック(株)製「CZ8100」にて1μmエッチングして銅表面の粗化処理を行った。
(2)支持体付き樹脂シートの積層
実施例及び比較例で作製した支持体付き樹脂シートを、バッチ式真空加圧ラミネーター((株)名機製作所製「MVLP-500」)を用いて、樹脂組成物層が内層回路基板と接合するように、内層回路基板の両面にラミネート処理した。ラミネート処理は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaで30秒間圧着することにより行った。
(3)樹脂組成物層の熱硬化
支持体付き樹脂シートの積層後、170℃、30分間の条件で樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成した。次いで、支持体を剥離した。
(4)粗化処理
両面に絶縁層が設けられた内層回路基板を、膨潤液(アトテックジャパン(株)製「スエリングディップ・セキュリガントP」、ジエチレングリコールモノブチルエーテル含有の水酸化ナトリウム水溶液)に60℃で5分間浸漬し、次いで酸化剤(アトテックジャパン(株)製「コンセントレート・コンパクトCP」、過マンガン酸カリウム濃度約6質量%、水酸化ナトリウム濃度約4質量%の水溶液)に80℃で20分間浸漬し、最後に中和液(アトテックジャパン(株)製「リダクションソリューション・セキュリガントP」、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液)に40℃で5分間浸漬した。その後、80℃で30分間乾燥した。得られた基板を「評価基板A」と称する。
(5)導体層の形成
セミアディティブ法に従って、絶縁層の表面に導体層を形成した。
すなわち、評価基板Aを、PdClを含む無電解メッキ用溶液に40℃で5分間浸漬し、次いで無電解銅メッキ液に25℃で20分間浸漬して、絶縁層表面にメッキシード層を形成した。150℃にて30分間加熱してアニール処理を行った後に、メッキシード層上にエッチングレジストを設け、エッチングによりメッキシード層をパターン形成した。次いで、硫酸銅電解メッキを行い、厚さ30μmの導体層を形成した後、190℃にて60分間アニール処理した。得られた基板を「評価基板B」と称する。
<樹脂面積比の測定>
実施例及び比較例で作製した支持体付き樹脂シートについて、支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面をSEM観察し、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離がd1(μm)からd2(μm)までの領域の樹脂面積Ad1−d2と、前記境界からの距離がd2(μm)からd3(μm)までの領域の樹脂面積Ad2−d3とを測定した。そして、得られたAd1−d2値及びAd2−d3値から樹脂面積比(kAd1−d2/Ad2−d3)を算出した。
具体的には、樹脂面積はSEM観察像を画像として保存し、画像解析ソフトを使用して、樹脂部分を黒色、樹脂以外の無機充填材部分を白色として白黒2値化し、黒色部分のビット数を樹脂部分の面積とした。なお、樹脂組成物層断面のSEM観察は、集束イオンビーム/走査イオン顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「SMI3050SE」)を用いて実施し、測定領域の幅は7.5μmとした。
<算術平均粗さ(Ra値)の測定>
粗化処理後の絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra値)は、下記の手順に従って測定した。評価基板Aについて、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ製「WYKO NT3300」)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして測定し、得られる数値によりRa値を求めた。各評価基板について、無作為に選んだ10点の平均値を求めた。
<剥離強度の測定>
絶縁層と導体層との剥離強度は、下記の手順に従って測定した。評価基板Bの導体層に、幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれ、この一端を剥がしてつかみ具で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重(kgf/cm)を測定した。測定には、引っ張り試験機((株)TSE製のオートコム型試験機「AC−50C−SL」)を使用した。
<線熱膨張係数及びガラス転移温度(Tg)の測定>
実施例及び比較例で作製した支持体付き樹脂シートを190℃で90分間加熱して樹脂組成物層を熱硬化させた。次いで、支持体を剥離してシート状の硬化物を得た。得られたシート状の硬化物を、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、熱機械分析装置((株)リガク製「Thermo Plus TMA8310」)を使用して、引張加重法にて熱機械分析を行った。詳細には、試験片を前記熱機械分析装置に装着した後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。そして2回目の測定において、25℃から150℃までの範囲における平均線熱膨張係数(ppm)と、ガラス転移温度(Tg)を算出した。
<誘電正接の測定及び評価>
実施例及び比較例で作製した支持体付き樹脂シートを190℃で90分間加熱して樹脂組成物層を熱硬化させた。次いで、支持体を剥離してシート状の硬化物を得た。得られたシート状の硬化物を、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断し、空洞共振摂動法誘電率測定装置(アジレントテクノロジー(株)製「HP8362B」)を使用して、測定周波数5.8GHz、測定温度23℃の条件にて誘電正接を測定した。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出した。
実施例及び比較例で使用した樹脂組成物1乃至6のワニスは、下記に従って調製した。
<調製例1>樹脂組成物1のワニスの調製
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品、エポキシ当量約169)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量約290)30部を、メチルエチルケトン(MEK)700部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」、不揮発成分60質量%のMEK溶液、フェノール性水酸基当量124)20部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分10質量%のMEK溶液)1部、ポリビニルブチラール樹脂溶液(積水化学工業(株)製「KS−1」、ガラス転移温度105℃、不揮発成分15質量%のエタノール:トルエン質量比が1:1の混合溶液)20部を混合し、樹脂組成物1のワニスを調製した。
<調製例2>樹脂組成物2のワニスの調製
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、エポキシ当量約169)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量約290)40部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK溶液)30部を、MEK900部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)60部、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」、不揮発成分60質量%のMEK溶液、フェノール性水酸基当量124)15部、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−573」)2部、硬化促進剤(DMAP、固形分10質量%のMEK溶液)3部、シクロヘキサノン200部を混合し、樹脂組成物2のワニスを調製した。
<調製例3>樹脂組成物3のワニスの調製
ポリビニルブチラール樹脂溶液(積水化学工業(株)製「KS−1」、ガラス転移温度105℃、不揮発成分15質量%のエタノール:トルエン質量比が1:1の混合溶液)20部に代えて、エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製「SG−80H」不揮発成分18質量%のMEK溶液)50部を使用した以外は、調製例1と同様にして樹脂組成物3のワニスを調製した。
<調製例4>樹脂組成物4のワニスの調製
活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)60部に代えて、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)30部及びナノシリカフィラースラリー((株)アドマテックス製「YA050C−MJE」、平均粒径50nm、メタクリルシラン表面処理、固形分50質量%のMEKスラリー)40部を使用した以外は、調製例2と同様にして樹脂組成物4のワニスを調製した。
<調製例5>樹脂組成物5のワニスの調製
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、エポキシ当量約169)15部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量約290)30部、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(エポキシ当量162、DIC(株)製「HP−4700」)5部をMEK20部及びシクロヘキサノン10部の混合溶剤に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(フェノール性水酸基当量約124、DIC(株)製「LA−7054」、不揮発成分60質量%のMEK溶液)30部、硬化促進剤(DMAP、固形分10質量%のMEK溶液)1部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学製「KBM573」)で表面処理した球状シリカ((株)アドマテックス製「SOC2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.39mg/m)125部、ポリビニルブチラール樹脂溶液(積水化学工業(株)製「KS−1」、ガラス転移温度105℃、不揮発成分15質量%のエタノール:トルエン質量比が1:1の混合溶液)10部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物5のワニスを調製した。
<調製例6>樹脂組成物6のワニスの調製
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、エポキシ当量約169)20部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量約290)40部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK溶液)15部を、ソルベントナフサ20部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)60部、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」不揮発成分60質量%のMEK溶液、フェノール性水酸基当量124)15部、硬化促進剤(DMAP、固形分10質量%のMEK溶液)3部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学製「KBM573」)で表面処理した球状シリカ((株)アドマテックス製「SOC1」、平均粒径0.24μm、単位表面積当たりのカーボン量0.36mg/m)375部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物6のワニスを調製した。
Figure 0006164113
<実施例1>支持体付き樹脂シート1の作製
支持体として厚さ38μmのPETフィルム(リンテック(株)製「AL5」)を用意した。該支持体上に樹脂組成物1のワニスをダイコーターにて均一に塗布し、塗布膜を80℃で3分間乾燥させて厚さ0.5μmの第1層を形成した。次いで、乾燥後の樹脂組成物層の総厚さが10μmとなるように、第1層上に樹脂組成物5のワニスをダイコーターにて均一に塗布し、塗布膜を80〜120℃(平均100℃)で4分間乾燥させて、支持体付き樹脂シート1を作製した。
<実施例2>支持体付き樹脂シート2の作製
樹脂組成物1のワニスに代えて樹脂組成物2のワニスを用いて第1層を形成した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シート2を作製した。
<実施例3>支持体付き樹脂シート3の作製
樹脂組成物5のワニスに代えて樹脂組成物6のワニスを用いて第2層を形成した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シート3を作製した。
<実施例4>支持体付き樹脂シート4の作製
樹脂組成物1のワニスに代えて樹脂組成物2のワニスを用いて第1層を形成し、樹脂組成物5のワニスに代えて樹脂組成物6のワニスを用いて第2層を形成した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シート4を作製した。
<実施例5>支持体付き樹脂シート5の作製
樹脂組成物1のワニスに代えて樹脂組成物3のワニスを用いて第1層を形成し、樹脂組成物5のワニスに代えて樹脂組成物6のワニスを用いて第2層を形成した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シート5を得た。
<実施例6>支持体付き樹脂シート6の作製
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス4を、樹脂ワニス5に代えて樹脂ワニス6を用いたこと以外は、上記「(支持体付き樹脂シート1の作製)」と同様にして、支持体付き樹脂シート6を得た。
<比較例1>支持体付き樹脂シート7の作製
支持体として厚さ38μmのPETフィルム(リンテック(株)製AL5)を用意した。次いで、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが10μmとなるように、該支持体上に樹脂組成物5のワニスをダイコーターにて均一に塗布し、塗布膜を80〜120℃(平均100℃)で4分間乾燥させて、支持体付き樹脂シート7を作製した。
<比較例2>支持体付き樹脂シート8の作製
樹脂組成物5のワニスに代えて樹脂組成物6のワニスを使用した以外は、比較例1と同様にして支持体付き樹脂シート8を作製した。
評価結果を表2に示す。
Figure 0006164113

Claims (11)

  1. 支持体と、該支持体と接合している、無機充填材含有量が50質量%以上であり且つ硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂組成物層とを含む支持体付き樹脂シートであって、
    支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから1μmまでの領域における硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂成分の面積A0−1と、前記境界からの距離が1μmから2μmまでの領域における硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂成分の面積A1−2とが、A0−1/A1−2>1.1の関係を満たす、支持体付き樹脂シート。
  2. 支持体と、該支持体と接合している、無機充填材含有量が50質量%以上であり且つ硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂組成物層とを含む支持体付き樹脂シートであって、
    支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから0.5μmまでの領域における硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂成分の面積A0−0.5と、前記境界からの距離が0.5μmから1μmまでの領域における硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂成分の面積A0.5−1とが、A0−0.5/A0.5−1>1.1の関係を満たす、支持体付き樹脂シート。
  3. 支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0.5μmからdμmまでの領域における硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂成分の面積A0.5−dと、前記境界からの距離がdμmから0.5Dμmまでの領域における硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂成分の面積Ad−0.5Dとが、0.9≦kA0.5−d/Ad−0.5D≦1.1(ここで、kはk=|d−0.5D|/|0.5−d|を満たす係数であり、dは0.5<d<0.5Dを満たす数であり、Dは樹脂組成物層の厚みである。)の関係を満たす、請求項1又は2に記載の支持体付き樹脂シート。
  4. 硬化性樹脂と硬化剤を含む第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層と、硬化性樹脂と硬化剤を含む第2の樹脂組成物からなる第2層とを互いに接合するように設けて、一体化した樹脂組成物層を形成する工程を含み、
    樹脂組成物層中の無機充填材含有量が50質量%以上であり、
    樹脂組成物層のうち第1層に由来する側の表面が支持体と接合しており、
    支持体表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面において、支持体と樹脂組成物層の境界からの距離が0μmから1μmまでの領域における硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂成分の面積A0−1と、前記境界からの距離が1μmから2μmまでの領域における硬化性樹脂と硬化剤を含む樹脂成分の面積A1−2とが、A0−1/A1−2>1.1の関係を満たす、支持体付き樹脂シートの製造方法。
  5. 前記樹脂組成物層を形成する工程が、
    (A1)支持体と、該支持体と接合している第1の樹脂組成物からなる厚さ2μm未満の第1層とを含む支持体付き仮樹脂シートを用意する工程、及び
    (B1)第1層上に第2の樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥して第2層を設けて、一体化した樹脂組成物層を形成する工程
    を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 第1層の厚さが1μm未満である、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 第1の樹脂組成物が平均粒径500nm以下の無機充填材を含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 第1の樹脂組成物中の無機充填材含有量が40質量%以下である、請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 第2の樹脂組成物中の無機充填材含有量が50質量%より高い、請求項4〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シートを用いて形成された絶縁層を含むプリント配線板。
  11. 請求項10に記載のプリント配線板を含む半導体装置。
JP2014029831A 2014-02-19 2014-02-19 支持体付き樹脂シート Active JP6164113B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029831A JP6164113B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 支持体付き樹脂シート
TW103145934A TWI637852B (zh) 2014-02-19 2014-12-27 Resin sheet with support
CN201510076938.6A CN104842609B (zh) 2014-02-19 2015-02-13 带支撑体的树脂片
KR1020150023631A KR102385973B1 (ko) 2014-02-19 2015-02-16 지지체 부착 수지 시트

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029831A JP6164113B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 支持体付き樹脂シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015150885A JP2015150885A (ja) 2015-08-24
JP6164113B2 true JP6164113B2 (ja) 2017-07-19

Family

ID=53842769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014029831A Active JP6164113B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 支持体付き樹脂シート

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6164113B2 (ja)
KR (1) KR102385973B1 (ja)
CN (1) CN104842609B (ja)
TW (1) TWI637852B (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6852332B2 (ja) * 2015-10-28 2021-03-31 味の素株式会社 接着フィルム
JP6728760B2 (ja) * 2016-02-25 2020-07-22 味の素株式会社 支持体付き樹脂シート
JP6834144B2 (ja) * 2016-02-29 2021-02-24 味の素株式会社 支持体付き樹脂シート
JP6672953B2 (ja) * 2016-03-29 2020-03-25 味の素株式会社 樹脂シート
JP6801480B2 (ja) * 2017-02-03 2020-12-16 三菱マテリアル株式会社 赤外線遮蔽膜形成用塗料
KR20190049294A (ko) 2017-11-01 2019-05-09 주식회사 포스코 냉간압연성이 우수한 초고강도 냉연강판 및 이의 제조방법
JP7081323B2 (ja) * 2018-06-19 2022-06-07 味の素株式会社 硬化体層、プリント配線板、半導体装置、樹脂シート、プリント配線板の製造方法、及び樹脂シートの製造方法
JP7089453B2 (ja) * 2018-10-10 2022-06-22 新光電気工業株式会社 配線基板及びその製造方法
JP7196551B2 (ja) * 2018-11-14 2022-12-27 味の素株式会社 支持体付き樹脂シート及び樹脂組成物層
JP7384559B2 (ja) * 2019-01-31 2023-11-21 京セラ株式会社 高周波用封止材樹脂組成物および半導体装置
JP7491668B2 (ja) * 2019-02-13 2024-05-28 味の素株式会社 樹脂組成物
US11479026B2 (en) * 2019-08-09 2022-10-25 The Boeing Company System and method for improving thermoset-thermoplastic interface adhesion
US11633925B2 (en) 2019-08-09 2023-04-25 The Boeing Company System and method for improving thermoset-thermoplastic interface adhesion
KR20220037668A (ko) * 2020-09-18 2022-03-25 엘지이노텍 주식회사 열전소자
JP7176556B2 (ja) * 2020-11-18 2022-11-22 味の素株式会社 支持体付き樹脂シート

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100970105B1 (ko) * 2001-11-30 2010-07-20 아지노모토 가부시키가이샤 회로 기판의 적층방법 및 절연층의 형성방법, 다층 프린트배선판 및 이의 제조방법 및 다층 프린트 배선판용 접착필름
WO2010035451A1 (ja) 2008-09-24 2010-04-01 積水化学工業株式会社 半硬化体、硬化体、積層体、半硬化体の製造方法及び硬化体の製造方法
JP2010120192A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Ajinomoto Co Inc 密着向上剤層付き接着フィルム及びそれを用いた回路基板の製造方法
TWI477549B (zh) 2009-02-06 2015-03-21 Ajinomoto Kk Resin composition
TWI490120B (zh) * 2011-09-30 2015-07-01 Zeon Corp Insulating film, prepreg, laminate, hardened, and composite
JP5895584B2 (ja) * 2012-02-22 2016-03-30 日立化成株式会社 配線板用絶縁樹脂材料、多層配線板及びその製造方法
JP6011079B2 (ja) * 2012-07-05 2016-10-19 味の素株式会社 支持体付き樹脂シート
KR20140008916A (ko) * 2012-07-13 2014-01-22 삼성전기주식회사 금속층을 갖는 절연필름
JP6353184B2 (ja) * 2012-07-26 2018-07-04 味の素株式会社 保護フィルム付き接着シート、積層体の製造方法、及びプリント配線板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW201545868A (zh) 2015-12-16
TWI637852B (zh) 2018-10-11
KR20150098217A (ko) 2015-08-27
CN104842609A (zh) 2015-08-19
JP2015150885A (ja) 2015-08-24
KR102385973B1 (ko) 2022-04-14
CN104842609B (zh) 2019-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6164113B2 (ja) 支持体付き樹脂シート
JP6350093B2 (ja) 部品内蔵基板の製造方法および半導体装置
KR102259479B1 (ko) 프린트 배선판의 제조 방법
JP6156020B2 (ja) 樹脂組成物
JP6969099B2 (ja) 樹脂シートの製造方法
JP6477941B2 (ja) 硬化体、積層体、プリント配線板及び半導体装置
JP2017008204A (ja) 樹脂組成物
JP6545924B2 (ja) 粗化硬化体、積層体、プリント配線板及び半導体装置
JP2017149861A (ja) 支持体付き樹脂シート
JP2017157618A (ja) 支持体付き樹脂シート
JP2017059779A (ja) プリント配線板の製造方法
JP2017177469A (ja) 樹脂シート
TW201815953A (zh) 樹脂組成物
JP6398824B2 (ja) 樹脂シート
JP6322989B2 (ja) 部品内蔵基板の製造方法
JP2014156514A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP7283498B2 (ja) 樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置
JP6582807B2 (ja) 樹脂シートの製造方法
JP6225422B2 (ja) 硬化体、硬化体の製造方法、積層体、プリント配線板及び半導体装置
JP6056387B2 (ja) 離型フィルム、接着フィルム、及びプリント配線板の製造方法
JP6881552B2 (ja) 樹脂組成物
JP2018048252A (ja) 樹脂組成物
JP2017154397A (ja) 支持体付き樹脂シート
JP6232747B2 (ja) 多層プリント配線板の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160825

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20160825

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20161109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6164113

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250