<第1実施形態>
図1〜図23を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光学装置の正面図(一部透視化)である。
同図に示す光学装置801は、フォトインタラプタである。光学装置801は、発光装置101と、受光装置107と、配線基板108と、ハンダ層109とを備える。
配線基板108は、たとえばプリント配線基板である。配線基板108は、たとえば、絶縁基板と、当該絶縁基板に形成されたパターン電極とを含む。発光装置101および受光装置107は配線基板108に搭載されている。発光装置101ないし受光装置107と、配線基板108との間にはそれぞれ、ハンダ層109が介在している。ハンダ層109は、発光装置101ないし受光装置107と、配線基板108とを接合している。
図2は、図1に示す発光装置の正面図である。図3は、図2に示す発光装置の平面図(一部透視化)である。図4は、図2に示す発光装置の左側面図である。図5は、図2に示す発光装置の底面図である。図6は、図3のVI−VI線に沿う断面図である。図7は、図3のVII−VII線に沿う断面図である。図8は、図3からレンズ、接合層を省略して示す平面図である。図9は、図6に示す領域IXの拡大図である。図10は、図7に示す領域Xの拡大図である。
これらの図に示す発光装置101は、基板1と、主面導電体層2と、側面導電体層3と、裏面導電体層4と、レンズ5と、ベアチップLED6と、接合層71と、接合層72と、ワイヤ73と、保護層75(図6にのみ記載)とを備える。発光装置101は、たとえば、方向Xにおける寸法が約3.2mm、方向Yにおける寸法が約1.6mm、方向Zにおける寸法が約1.85mmである。
図2〜図8に示すように、基板1は、直方体形状であり、たとえば、絶縁性のメッキ付着性樹脂よりなる。メッキ付着性樹脂は、メッキが付着しうる性質を有する樹脂である。メッキ付着性樹脂としては液晶ポリマーが挙げられる。基板1は、主面141と、基板側面142〜145と、裏面146とを有する。図3、図5、図8に示すように、基板1は、主面側被覆部16と、主面側露出部17と、裏面側被覆部18と、裏面側露出部19とを含む。なお、主面側被覆部16および主面側露出部17については、主面導電体層2についての説明をした後に、説明する。裏面側被覆部18および裏面側露出部19については、裏面導電体層4についての説明をした後に、説明する。
主面141は、厚さ方向Zのうちの一方(図6では上方向。以下、方向Zaとも言う。)を向き、裏面146は、厚さ方向Zのうちの他方(図6では下方向。以下、方向Zbとも言う。)を向く。基板側面142は、方向Xのうちの一方(図3では右方向)を向き、基板側面144は、方向Xのうちの他方(図3では左方向)を向く。基板側面143は、方向Yのうちの一方(図3では上方向)を向き、基板側面145は、方向Yのうちの他方(図3では下方向)を向く。基板側面142〜145はいずれも、主面141および裏面146につながる。また、基板側面142と基板側面143、基板側面143と基板側面144、基板側面144と基板側面145、基板側面145と基板側面142は、それぞれ互いにつながる。
図3、図6〜図8に示すように、基板1には、第1凹部11と、第2凹部12とが形成されている。第1凹部11および第2凹部12はいずれも、主面141から凹む。第1凹部11はパラボラ形状である。第1凹部11はパラボラ形状が好ましいが、たとえば、四角錐状などであってもよい。第1凹部11は、第1底面111と、第1側面112とを有する。第1底面111は、たとえば直径が0.653mm程度の円形状である。図6に示すように、第1側面112は、第1底面111と主面141とにつながっている。第1側面112には、主面141から凹む切り欠き115(図6、図7参照)が形成されている。すなわち、第1側面112は、第1底面111から主面141にまで至っている部分と、第1底面111から主面141に至っていない、比較的高さ(方向Zにおける寸法)が低い部分と、を有する。
第2凹部12は、方向Xに沿って第1凹部11に並列している。本実施形態において、第2凹部12は四角錐台状である。第2凹部12の形状は、四角錐台状のものに限られず、たとえば円錐台状などであってもよい。第2凹部12は、第2底面121と、第2側面122〜124とを有する。第2底面121は、たとえば、方向Xにおける大きさが0.32mm程度、方向Yにおける大きさが0.26mm程度の長方形状である。第2底面121の面積は、第1底面111の面積よりも小さい。第2底面121は、第1底面111よりも主面141側(図6の上側)に位置している。第2底面121は、切り欠き115とつながっている。
図7、図8に示すように、第2側面122,123は、互いに対向している。第2側面122,123はいずれも、切り欠き115とつながっている。第2側面122,123はそれぞれ、第2底面121の方向Xに延びる縁から、主面141にまで至っている。同図に示すように、第2側面122,123は、第2底面121に対して、たとえば120度の角度をなす。図3、図6〜図8に示すように、第2側面124は、第2底面121の方向Yに延びる縁から、主面141にまで至っている。図6に示すように、第2側面124は、第2底面121に対して、たとえば100度の角度をなす。第2側面124は、第2側面122,123のいずれともにつながっている。
図8に示すように、基板1には、隆起部131が形成されている。隆起部131は、基板1の主面141側に形成され、且つ、方向Zaに隆起する形状である。隆起部131は、たとえば、後述する発光装置101の製造過程において、ベアチップLED6およびワイヤ73などに対し防塵するためのシートを適切に取り付けるための土台となる。
図8に示すように、主面導電体層2は、基板1の主面141側に形成されている。主面導電体層2は、Cu層、Ni層、およびAu層が、Cu層から順に基板1に積層された構造である。主面導電体層2は、第1主面電極21と、第2主面電極22とを含む。第1主面電極21は図8の右側に位置し、第2主面電極22は図8の左側に位置する。第1主面電極21および第2主面電極22は互いに離間し且つ絶縁されている。
図6、図8に示すように、第1主面電極21は、底面電極211と、内面電極212と、枠状部213と、中間部214と、帯状部215とを有する。
底面電極211は、第1底面111に形成されている。底面電極211は円形状である。内面電極212は、第1側面112に形成されている。内面電極212は、第2底面121および第2側面122,123のうち、第1凹部11寄りの部位にも形成されている。内面電極212は、底面電極211につながっている。枠状部213は、主面141のうちXY平面視において第1凹部11の外側の部位に形成されている。枠状部213は、内面電極212につながっている。中間部214は、枠状部213と帯状部215との間に位置する部位である。中間部214は、枠状部213と帯状部215とにつながる。
図8に示すように、帯状部215は、主面141のうち方向Xにおける一端に形成されている。帯状部215は、方向Yに沿って延びる形状である。帯状部215は、端面217,218を有する。端面217は、基板側面143が向く側と同一の側を向き、且つ、基板側面143と面一である。端面218は、基板側面145が向く側と同一の側を向き、且つ、基板側面145と面一である。
図6、図8に示すように、第2主面電極22は、底面電極221と、内面電極222と、枠状部223と、帯状部224とを有する。
底面電極221は、第2底面121に形成されている。底面電極221は、第2底面121の略全面を覆っている。底面電極221は、内面電極212とつながっておらず離間している。内面電極222は、第2側面122〜124に形成されている。内面電極222は、第2側面124の全面、および、第2側面122,123の各々の略全面を覆っている。内面電極222は、内面電極212とつながっておらず離間している。内面電極222は、底面電極221とつながっている。枠状部223は、第2凹部12を囲む形状である。枠状部223は、方向Xに沿って帯状に延びる2つの部位と、これらの2つの部位とつながり且つ方向Yに沿って延びる帯状の部位とを有する。枠状部223は、内面電極222および底面電極221につながる。
帯状部224は、基板1の方向Xにおける一端に形成されている。帯状部224は、方向Yに沿って延びる形状である。帯状部224は、枠状部223につながっている。帯状部224は、端面227,228を有する。端面227は、基板側面143が向く側と同一の側を向き、且つ、基板側面143と面一である。端面228は、基板側面145が向く側と同一の側を向き、且つ、基板側面145と面一である。また、帯状部224と枠状部223との間には(すなわち主面導電体層2には)、隙間229が形成されている。
図8によく表れているように、主面側被覆部16は、基板1のうち主面導電体層2に覆われている部位である。主面側露出部17は、基板1の主面141側の部位のうち、主面導電体層2に覆われていない部位である。主面側露出部17は、主面側被覆部16を構成する材料と同一の材料(メッキ付着性樹脂)よりなる。主面側露出部17が形成されることにより、上述のように、第1主面電極21と第2主面電極22とが絶縁されている。主面側露出部17は、主面露出領域171と、内面露出領域172と、底面露出領域173とを有する。
主面露出領域171は、主面側露出部17のうち主面141を構成する領域である。主面露出領域171は、第1凹部11および第2凹部12の方向Yにおける両側(図8の上側と下側)に位置する。さらに主面露出領域171は、隙間229から露出している部位も有する。
内面露出領域172は、主面側露出部17のうち第2側面122,123を構成する領域である。内面露出領域172を挟んで、内面電極222と内面電極212とが離間している。内面露出領域172は、切り欠き115に沿った形状であり、主面141から第2底面121にまで至る。
底面露出領域173は、主面側露出部17のうち第2底面121を構成する領域である。底面露出領域173は、第2底面121のうち第1凹部11側の一端に位置している。底面露出領域173を挟んで、底面電極221と内面電極212とが離間している。底面露出領域173は方向Yに沿って延びる帯状である。底面露出領域173は内面露出領域172とつながっている。
図2、図4〜図6に示すように、側面導電体層3は、第1側面電極31と、第2側面電極32とを含む。第1側面電極31は、基板側面142に形成されている。第1側面電極31は、基板側面142の全体を覆っている。第1側面電極31は、帯状部215とつながっている。これにより、第1側面電極31は第1主面電極21と導通している。第1側面電極31は、端面311,312を有する。端面311は、基板側面143が向く側と同一の側を向き、且つ、基板側面143と面一である。端面312は、基板側面145が向く側と同一の側を向き、且つ、基板側面145と面一である。
第2側面電極32は、基板側面144に形成されている。第2側面電極32は、基板側面144の全体を覆っている。第2側面電極32は、帯状部224とつながっている。これにより、第2側面電極32は、第2主面電極22と導通している。第2側面電極32は、端面321,322を有する。端面321は、基板側面143が向く側と同一の側を向き、且つ、基板側面143と面一である。端面322は、基板側面145が向く側と同一の側を向き、且つ、基板側面145と面一である。
図5に示すように、裏面導電体層4は、基板1の裏面146に形成されている。裏面導電体層4は、第1裏面電極41と第2裏面電極42とを含む。
第1裏面電極41は第1側面電極31につながっている。これにより、第1裏面電極41と、第1側面電極31と、第1主面電極21とが互いに導通している。一方、第2裏面電極42は第2側面電極32とつながっている。これにより、第2裏面電極42と、第2側面電極32と、第2主面電極22が互いに導通している。
第1裏面電極41および第2裏面電極42は各々、裏面146の中央に向かって突出する形状である。具体的には次のとおりである。第1裏面電極41は、端面411,412を有する。端面411は、基板1の基板側面143が向く側と同一の側を向く。端面411は、基板側面143から離間した部位と、基板側面143と面一である部位とを有する。端面411のうち基板側面143と面一である部位は、裏面146の方向Xにおける一端に位置する。一方、端面412は、基板1の基板側面145が向く側と同一の側を向く。端面412は、基板側面145から離間した部位と、基板側面145と面一である部位とを有する。端面412のうち基板側面145と面一である部位は、裏面146の方向Xにおける一端に位置する。
第1裏面電極41と同様に、第2裏面電極42は、端面421,422を有する。端面421は、基板1の基板側面143が向く側と同一の側を向く。端面421は、基板側面143から離間した部位と、基板側面143と面一である部位とを有する。端面421のうち基板側面143と面一である部位は、裏面146の方向Xにおける一端に位置する。一方、端面422は、基板1の基板側面145が向く側と同一の側を向く。端面422は、基板側面145から離間した部位と、基板側面145と面一である部位とを有する。端面422のうち基板側面145と面一である部位は、裏面146の方向Xにおける一端に位置する。
側面導電体層3、および裏面導電体層4はいずれも、主面導電体層2と同様に、Cu層、Ni層、およびAu層が、Cu層から順に基板1に積層された構造である。
図5に示すように、裏面側被覆部18は、基板1のうち裏面導電体層4に覆われた部位である。裏面側露出部19は、基板1の裏面146側の部位のうち、裏面導電体層4に覆われていない部位である。裏面側露出部19は、裏面側被覆部18を構成する材料と同一の材料(メッキ付着性樹脂)よりなる。
図6に示すように、ベアチップLED6は、基板1に接合されている。より具体的には、ベアチップLED6は、主面導電体層2(本実施形態では底面電極211)を介して、第1凹部11における第1底面111に配置されている。ベアチップLED6は、たとえば、n型の半導体層と、p型の半導体層と、これらの半導体層に挟まれ且つ光を発する活性層と、部分電極と、全面電極と、を含む。ベアチップLED6は、XY平面視において矩形状である。ベアチップLED6は、図6に示す側面および上面から多くの光を発する。本実施形態においてベアチップLED6は赤外線を発する。ベアチップLED6の一辺は、たとえば0.3mm程度である。上記の全面電極は、ベアチップLED6における底面電極211側に位置する。一方、上記の部分電極は、ベアチップLED6における底面電極211側とは反対側に位置する。本実施形態にかかるベアチップLED6はワイヤ73が一本のみ接続する1ワイヤタイプであるが、ベアチップLEDは、ワイヤが二本接続する2ワイヤタイプや、ワイヤを接続しないフリップチップタイプのものであってもよい。
接合層72は、ベアチップLED6と主面導電体層2(本実施形態においては底面電極211)との間に介在する。接合層72は、ベアチップLED6と基板1とを接合している。これにより、ベアチップLED6が基板1に対し固定されている。接合層72は、導電性の材料よりなり、たとえば、銀ペーストである。接合層72が導電性を有する材料よりなるため、接合層72を介してベアチップLED6と底面電極211とが導通している。
ワイヤ73は、ベアチップLED6と底面電極221とに接続している。これにより、ベアチップLED6と底面電極221とが導通している。保護層75は、ワイヤ73と主面導電体層2(本実施形態では底面電極221)との接合部位を覆っている。保護層75は、ワイヤ73と主面導電体層2との接合部位が損傷するのを保護するためのものである。保護層75は、たとえば、シリコーン樹脂もしくはエポキシ樹脂よりなる。
図6によく表れているように、レンズ5は、基板1の主面141側に配置されている。レンズ5は、たとえば、熱硬化性のエポキシ樹脂よりなる。レンズ5は、たとえば、可視光の透過を遮断する黒色の樹脂よりなる。本実施形態では、レンズ5は、ベアチップLED6からの光(本実施形態では赤外線)を透過可能である。レンズ5の屈折率は、たとえば、1.3〜1.7である。レンズ5は、凸部51と、基部53とを含む。
凸部51は光出射面511を有する。光出射面511は、厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向Za(図6の上方向)に膨らむ。発光装置101を使用する際には、光出射面511からは、ベアチップLED6からの光が出射する。図3に示すように、光出射面511は、方向Z視において第1凹部11と重なる。本実施形態では、光出射面511は方向Z視において円形状である。レンズ5は、方向Zに延びる線を光軸としている。そのため、光出射面511は、方向Zに延びる線を軸とした場合に回転対称である形状である。また、光出射面511は鏡面(凹凸形状が形成されておらず、平坦である面)である。光出射面511が鏡面であることにより、光出射面511にて光が乱反射したり散乱したりすることが抑制される。凸部51の曲率は、第1凹部11の形状に応じて所望の値に決定される。
図2〜図4、図6、図7に示すように、基部53は、板状を呈し、第1凹部11を覆う。基部53は、第1凹部11と光出射面511との間に位置する。基部53は、第1面531と、レンズ側面532〜535と、第2面536とを有する。
第1面531は、厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向Za(図6の上方向)を向く。レンズ側面532は、基板1の基板側面142が向く方向と同一方向を向く。レンズ側面534は、基板1の基板側面144が向く方向と同一方向を向く。レンズ側面533は、基板1の基板側面143が向く方向と同一方向を向く。またレンズ側面533は、基板側面143と面一となっている。レンズ側面535は、基板1の基板側面145が向く方向と同一方向を向く。レンズ側面535は、基板側面145と面一となっている。レンズ側面532〜535はいずれも、第1面531および第2面536につながる。レンズ側面532およびレンズ側面533、レンズ側面533およびレンズ側面534、レンズ側面534およびレンズ側面535、レンズ側面535およびレンズ側面532は、互いにつながる。
第1面531およびレンズ側面532,534はいずれも、微細凹凸形状が形成された粗面(梨地加工などがされた面)である。ただし、レンズ側面532,534は粗面である必要はなく、たとえば、鏡面であってもよい。第1面531およびレンズ側面532,534が粗面であるのは、レンズ5になるレンズ母材86(後述)を、レンズ母材86を形成するための金型から抜け易くするためである。各面における微細凹凸の高低差(十点平均粗さRz)は、たとえば1〜2μmである。
第2面536は、第1面531の向く側と反対側を向く。本実施形態においては、第2面536は、XY平面(レンズ5の光軸に垂直な平面)に広がる平面状である。さらに第2面536は、鏡面である。第2面536は、光入射面537と接合面538とを有する。光入射面537は、第2面536のうち、第1凹部11と第2凹部12とに臨む面である。光入射面537には、ベアチップLED6からの光が入射する。光入射面537は、光出射面511とベアチップLED6との間に位置する。本実施形態においては、光入射面537は、ベアチップLED6に対し、厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向(方向Za)に離間している。光入射面537と、第1凹部11ないし第2凹部12との間には、レンズ5と基板1とに挟まれた空隙789が形成されている。空隙789には、光入射面537、ベアチップLED6、ワイヤ73、底面電極211,内面電極212、底面電極221、内面電極222のいずれもが露出している。接合面538は、第2面536のうち後述の接合層71に接する面である。本実施形態においては、レンズ5には、接合面538から方向Zaに向かって凹む溝59が形成されている。
接合層71は、レンズ5と基板1との間に位置する。接合層71は、レンズ5を基板1に対し固定するためのものである。より具体的には、接合層71は、レンズ5の接合面538と表面導電体層2ないし隆起部131とを接合している。接合層71は、たとえば、ボンディングシートもしくは液体接着剤からなる。ボンディングシートには、たとえばエポキシ系のものがある。ボンディングシートは、熱硬化型のものであってもよいし、熱可塑型のものであってもよい。液体接着剤は、たとえば、UV系のものや、アクリル系のものがある。
図9に示すように、発光装置101においては、通気孔781が形成されている。通気孔781は、空隙789と光出射面511が臨む空間(すなわち、発光装置101の外部の空間)とに通じる。そのため、通気孔781を通って、空隙789と発光装置101の外部の空間との間を気体が流通できる。さらに通気孔781は、レンズ5と基板1との間に位置する。本実施形態においては、通気孔781は溝59により規定されている。本実施形態と異なり、通気孔781は、溝59により規定されていなくてもよい。たとえば、レンズ5に溝が形成されておらず、主面導電体層2に形成された隙間によって、通気孔781が規定されていてもよい(図11参照)。
次に、図12〜図23を用いて、発光装置101の製造方法について説明する。
図18、図19に示すように、複数の第1凹部11が形成された基材81に、主面導電体層2’と側面導電体層3’と裏面導電体層4’とを形成する。本実施形態において、主面導電体層2’、側面導電体層3’、および裏面導電体層4’の基材81への形成は、レーザパターニング法を用いる。まず、図12〜図17を用いて、レーザパターニング法を用いて基材81に主面導電体層2’等を形成し、図18、図19に示す構造を製造する工程を述べる。なお、図12〜図17は、レーザパターニング法の説明に用いるための図であり、図12〜図17に示す基材81の形状と、図23に示す基材81の形状とは、細部においては異なる。
図12、図13に示すように、方向Yに延びる基材81を用意する。次に、基材81に方向Yに沿って、複数の第1凹部11および複数の第2凹部12を形成する。次にメタライジング工程を行う。当該メタライジング工程においては、基材81の主面141’、側面142’,144’、裏面146’、第1凹部11、および第2凹部12など、基材81のうち露出している面のすべてに導電体膜82を形成する。導電体膜82は、たとえば、Cuよりなる。
次に、図14、図15に示すように、パターニング工程を行う。当該パターニング工程においては、基材81の主面141’および裏面146’にレーザ991を照射する。レーザ991を照射することにより、図6〜図8に示した主面導電体層2や裏面導電体層4の輪郭に沿うように、導電体膜82の一部を除去する。導電体膜82の一部が除去されることにより、導電体膜82が回路部821と非回路部822とに分離される。回路部821は、図3〜図5に示した主面導電体層2、側面導電体層3、および裏面導電体層4となるものである。次に、電解Cuメッキを行い、回路部821のみにCuを析出させる。非回路部822は、導電体膜82のうち、レーザ991が照射され一部が除去された後における、回路部821以外の部位である。
次に、図16、図17に示すように、ソフトエッチング工程を行う。当該ソフトエッチング工程において、非回路部822を基材81から除去する。次に、回路部821に、NiメッキおよびAuメッキを行う。これにより、回路部821には、Ni層およびAu層が積層される。このようにして、図18、図19に示す、基材81に主面導電体層2’等が形成された構造が製造される。
次に、図20、図21に示すように、各第1凹部11に複数のベアチップLED6を一つずつ配置する。ベアチップLED6は、接合層72を介して基材81に接合される。基材81において、複数のベアチップLED6は方向Yに沿って配列されている。次に、ワイヤ73をベアチップLED6に接続する。
次に、図22、図23に示すように、複数の凸部51を含むレンズ母材84を形成しておき、レンズ母材84を接合層71を介して基材81に接合する。レンズ母材84の基材81への接合は、XY平面視において各凸部51が複数の第1凹部11のいずれかと重なり、且つ、各ベアチップLED6とレンズ母材84との間に隙間がある状態で、行う。
次に、方向Yに交差する切断面Dc1に沿って、基材81と回路部821とレンズ母材84とを一括して切断する。これにより、発光装置101の製造が完成する。基材81、回路部821、およびレンズ母材84を切断することにより、基板1における側面143,145、主面導電体層2における端面217,218,227,228、側面導電体層3における端面311,312,321,322、裏面導電体層4における端面411,412,421,422が、それぞれ形成される。
次に、発光装置101が配置された光学装置801(図1参照)の使用方法について説明する。
光学装置801の稼働時には、たとえば図6に示すベアチップLED6から光(本実施形態では赤外線)が放たれる。この光は、空隙789を通過し、光入射面537に入射する。そして、光入射面537に入射した光は、レンズ5の内部を通過し、光出射面511にて屈折し、出射する。光出射面511から出射した赤外線が検出対象物993にて受光装置107に向けて反射された場合、反射された当該光は、受光装置107における受光素子(図示略)に受光される。この受光素子は受光量に応じて、起電力を生じて信号を出力する。この出力値に基づいて、検出対象物993が検出される。一方、光出射面511から出射した光が検出対象物993にて反射されない場合には、受光装置107における受光素子(図示略)はベアチップLED6由来の光を受光せず、検出対象物993が検出されない。光学装置801はこのようにして使用され、検出対象物993が光学装置801に対向しているか否かの情報を得ることができる。また、発光装置101と受光装置107との離間距離は、光学装置801と検出対象物993との離間距離よりも極めて小さい(発光装置101と受光装置107との離間距離は、たとえば、2〜50mmの範囲内の値となり、一方、検出対象物993と光学装置801との離間距離は、たとえば、5〜200mmの範囲内の値となる)。そのため、図1に示すのとは異なり、実際は、発光装置101から検出対象物993にて反射し受光装置107に向かう光は、いずれも、ほぼ方向Zに沿って進む。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
発光装置101は、レンズ5を備える。レンズ5は、基板1の厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向Zaに膨らみ且つベアチップLED6からの光を出射する光出射面511を有する。このような構成によると、ベアチップLED6に放たれた光を光出射面511にて屈折させることにより、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。また、発光装置101から放たれる光の指向角を狭くすることができる。
方向Zaにおける放射強度が向上すると、もしくは、発光装置101から放たれる光の指向角が狭くなると、検出対象物993にて反射されたのち受光装置107の受光素子に受光される光の量が増加する。そのため、検出対象物993が光学装置801に対向している場合には、検出対象物993を確実に検出できる。これにより、検出対象物993が光学装置801に対向しているか否かを、より的確に知ることができる。
図6に示すように、発光装置101においては、ベアチップLED6が、基板1およびレンズ5に挟まれた空隙789に露出している。このような構成は、ベアチップLED6がレンズ5に接触する領域を小さくするのに適する。ベアチップLED6がレンズ5に接触する領域を小さくできると、ベアチップLED6がレンズ5から受けうる応力を低減できる。したがって、発光装置101によると、レンズ5から応力を受けることによりベアチップLED6が損傷することを抑制できる。
発光装置101においては、光入射面537は、ベアチップLED6に対し、厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向Za(図6の上方向)に離間している。このような構成では、レンズ5からベアチップLED6が応力をほとんど受けない。したがって、発光装置101によると、レンズ5から応力を受けることによりベアチップLED6が損傷することをさらに抑制できる。
発光装置101においては、レンズ5は、光出射面511とベアチップLED6との間に位置し且つベアチップLED6からの光が入射する光入射面537を有する。また、光入射面537は、XY平面(レンズ5の光軸に垂直な平面)に広がる平面状である。このような構成によると、ベアチップLED6から放たれたのちに光入射面537に入射角θ1(図示略。本実施形態では、方向Zとなす角)で入射する光は、光入射面537にて屈折し、入射角θ1より小さい屈折角θ2(図示略。本実施形態では、方向Zとなす角)でレンズ5内を方向Za側に向かって進む。このように、ベアチップLED6から放たれた光が光入射面537にて屈折することにより、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。また、発光装置101から放たれる光の指向角を狭くすることができる。
発光装置101においては、空隙789と光出射面511の臨む空間(発光装置101の外部空間)と通じる通気孔781が形成されている。このような構成によれば、リフロー工程などの高温の環境で行われる工程において、空隙789の内部の気体が熱膨張したとしても、熱膨張した気体は、通気孔781を通って発光装置101の外部空間に流れる。そのため、発光装置101によると、空隙789の圧力が極端に上昇しにくい。したがって、発光装置101は、空隙789の圧力が上昇することによりレンズ5が基板1から分離してしまう不具合を、抑制するのに適する。
内面電極212が接合層71に覆われたならば、方向Zaにおける放射強度が低下するおそれがある。接合層71がボンディングシートからなる場合には、ボンディングシートは一定の形を有するため、内面電極212に液状接着剤が垂れることにより接合層71が内面電極212の一部を覆ってしまう、といったことが生じにくい。そのため、接合層71がボンディングシートからなる場合には、発光装置101の方向Zaにおける放射強度の低下を抑制しつつ、基板1にレンズ5を配置することができる。
発光装置101は、配線基板108に実装するためリフロー工程に付される。リフロー工程は、約260度の高温の環境にて行われる。接合層71が熱硬化型のボンディングシートである場合、高温の環境にて行われる当該リフロー工程において、接合層71の接合力が弱まりにくい。そのため、接合層71が熱硬化型のボンディングシートである場合、リフロー工程においてレンズ5が基板1から分離してしまう不具合を抑制できる。
接合層71が液体接着剤からなる場合には、アンカー効果によって、表面導電体層2ないし隆起部131とレンズ5とを、より密着させつつ接合することができる。
発光装置101においては、図5に示す基板側面143は、基材81を切断する際(図22、図23参照)の切断面である。また、端面411は、基板側面143から離間した部位を有する。基材81を切断する際、端面411のうち基板側面143から離間した部位には、基材81を切断するために用いるダイシングブレードが接触しない。このため、端面411のうち基板側面143から離間した部位には、バリが発生しない。したがって、発光装置101は、端面411におけるバリの発生を抑制するのに適する。同様の理由により、発光装置101は、端面412,421,422におけるバリの発生を抑制するのに適する。
発光装置101においては、端面411は、裏面146の方向Xにおける一端に位置し、且つ、基板側面143と面一である部位を有する。このような端面411を有する第1裏面電極41(裏面導電体層4)を形成するには、レーザ991を基材81の裏面146’にのみ照射すればよく、基材81の側面142’にレーザを照射する必要がない。そのため、発光装置101は、製造工程を簡素化するのに適する。同様に、発光装置101においては、端面412は、裏面146の方向Xにおける一端に位置し、且つ、基板側面145と面一である部位を有する。同様に、発光装置101においては、端面421は、裏面146の方向Xにおける一端に位置し、且つ、基板側面143と面一である部位を有する。同様に、発光装置101においては、端面422は、裏面146の方向Xにおける一端に位置し、且つ、基板側面145と面一である部位を有する。これらの構成も、発光装置101は、製造工程を簡素化するのに適する。
発光装置101においては、第2面536は平面状である。仮に第2面536が凸面である場合には、第2面536がワイヤ73に接触するおそれがある。第2面536がワイヤ73に接触すると、ベアチップLED6の姿勢がずれる不具合が生じうる。しかしながら、本実施形態では、第2面536が平面状であるため、第2面536がワイヤ73に接触しにくい。そのため、本実施形態では、ベアチップLED6の姿勢がずれる不具合が生じにくい。
発光装置101においては、基板1には、第1凹部11が形成されている。第1凹部11は、ベアチップLED6が配置された第1底面111と、第1底面111につながる第1側面112と、を有する。このような構成によると、ベアチップLED6から放たれた光は、第1底面111に形成された底面電極211、もしくは第1側面112に形成された内面電極212にて反射し、光入射面537に入射する。そして、光入射面537に入射した当該光は光出射面511から出射され、方向Za側に向かう。このような構成によると、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。また、発光装置101から放たれる光の指向角を狭くすることができる。
<第1実施形態の発光装置の第1変形例>
次に、図24を用いて、本実施形態にかかる発光装置の第1変形例について説明する。
図24は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる発光装置の断面図である。
同図に示す発光装置102は、光入射面537が、方向Zaと反対側(本実施形態においては、第1凹部11の側)に向かって膨らむ凸面となっている点において、上述の発光装置101と異なる。光入射面537は、方向Zに延びる線を軸とした場合に回転対称である形状である。発光装置102によると、ベアチップLED6から放たれた光を、凸面である光入射面537にて屈折させることにより、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。また、発光装置102から放たれる光の指向角を狭くすることができる。
<第1実施形態の発光装置の第2変形例>
次に、図25〜図30を用いて、本実施形態にかかる発光装置の第2変形例について説明する。
図25は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる発光装置の正面図である。図26は、図25に示す発光装置の平面図(一部透視化)である。図27は、図25に示す発光装置の左側面図である。図28は、図25に示す発光装置の底面図である。図29は、図26のXXIX−XXIX線に沿う断面図である。図30は、図26のXXX−XXX線に沿う断面図である。
これらの図に示す発光装置103は、レンズ5がテーパ部52を有する点において、上述の発光装置101と異なる。
テーパ部52は、レンズ5において、凸部51と基部53とにつながる部位である。テーパ部52は、レンズ5になるレンズ母材84を成型する際に金型からレンズ母材84を抜けやすくするため、形成されている。テーパ部52は、テーパ面521を有する。テーパ面521は、光出射面511とつながる。図26に示すように、テーパ面521は、方向Z視において、光出射面511を囲む形状である。すなわち、本実施形態では図29の下方に行くにつれて、テーパ面521は、拡径する形状である。テーパ面521は、たとえば、鏡面である。テーパ面521が鏡面である場合には、レンズ母材84を成型する金型を設計しやすい。テーパ面521は、たとえば、第1面531やレンズ側面532,534と同様に、微細凹凸形状が形成された粗面である。テーパ面521が粗面である場合には、レンズ母材84(本変形例では図示略、たとえば、図22、図23参照)を成型する際に、金型からレンズ母材84が抜け易い。
<第2実施形態>
次に、図31〜図45を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。
図31は、本発明の第2実施形態にかかる光学装置の正面図である。
これらの図に示す光学装置802は、発光装置201と、受光装置107と、配線基板108と、ハンダ層109とを備える。受光装置107、配線基板108、ハンダ層109の各構成は、第1実施形態と同様であるから、これらの説明を省略する。
図32は、図31に示す発光装置の正面図である。図33は、図32に示す発光装置の平面図(一部透視化)である。図34は、図32に示す発光装置の左側面図である。図35は、図32に示す発光装置の底面図である。図36は、図33のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図である。図37は、図33のXXXVII−XXXVII線に沿う断面図である。図38は、図33からレンズ、接合層を省略して示す平面図である。
これらの図に示す発光装置201は、基板1と、主面導電体層2と、側面導電体層3と、裏面導電体層4と、レンズ5と、ベアチップLED6と、接合層71,72と、保護層75(図36にのみ記載)と、を備える。基板1、主面導電体層2、および、レンズ5の各構成は、第1実施形態と異なる。側面導電体層3、裏面導電体層4、ベアチップLED6、接合層71,72、および、保護層75の各構成は、第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。発光装置201は、たとえば、方向Xにおける寸法が約3.2mm、方向Yにおける寸法が約1.6mm、方向Zにおける寸法が約1.85mmである。
図32〜図38に示すように、基板1は、平板状である。本実施形態においては、上述の実施形態と異なり、基板1には第1凹部11や第2凹部が形成されていない。基板1の厚さは、たとえば、0.2〜1.5mmである。基板1は、たとえば、ガラスエポキシ樹脂よりなる。基板1は、主面141と、基板側面142〜145と、裏面146とを有する。主面141と、基板側面142〜145と、裏面146は第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
図38に良く表れているように、主面導電体層2は、基板1の主面141側に形成されている。主面導電体層2は、Cu層、Ni層、およびAu層が、Cu層から順に基板1に積層された構造である。主面導電体層2は、第1主面電極21と、第2主面電極22とを含む。第1主面電極21は図38の右側に位置し、第2主面電極22は図38の左側に位置する。第1主面電極21および第2主面電極22は互いに離間し且つ絶縁されている。
第1主面電極21は、パッド部216と、帯状部215とを有する。パッド部216は、平面視で略矩形状である。パッド部216には、接合層72を介して、ベアチップLED6が接合されている。帯状部215は、主面141のうち方向Xにおける一端に形成されている。帯状部215は、方向Yに沿って延びる形状である。帯状部215は、パッド部216と第1側面電極31とにつながっている。
第2主面電極22は、帯状部224と延出部226とを有する。帯状部224は、基板1の方向Xにおける一端に形成されている。帯状部224は、方向Yに沿って延びる形状である。帯状部224は第2側面電極32につながっている。帯状部224には、ワイヤ73が接合されている。各延出部226は、帯状部224から、方向Xに延び出る形状である。各延出部226は、パッド部216から方向Yに離間した位置に配置されている。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、主面導電体層2、側面導電体層3、および裏面導電体層4はいずれも、Cu層、Ni層、およびAu層が、Cu層から順に基板1に積層された構造である。本実施形態においては、主面導電体層2と、側面導電体層3と、裏面導電体層4とは、レーザパターニング法を用いて形成する第1実施形態とは異なり、基板1にプリントすることにより形成されている。
レンズ5は、凸部51と、基部53とを含む。凸部51は、第1実施形態と同様であるから説明を省略する。基部53は、第1面531と、レンズ側面532〜535と、第2面536とを有する。第1面531、レンズ側面532〜535は第1実施形態と同様であるから説明を省略する。基部53には、第2面536から、基板1の厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向Zaに凹むレンズ凹部54が形成されている。
第2面536は、第1面531の向く側と反対側を向く。第2面536は、平面状であり、且つ、平面視において枠状の形状である。第2面536は、後述の接合層71に接する接合面である。本実施形態においては、レンズ5には、第2面536から方向Zaに向かって凹む溝59が形成されている。
レンズ凹部54は、光入射面541と凹部側面542とを有する。光入射面541は、ベアチップLED6に臨む面である。光入射面541は、XY平面(レンズ5の光軸に垂直な平面)に広がる平面状である。光入射面541には、ベアチップLED6からの光が入射する。光入射面541は、光出射面511とベアチップLED6との間に位置し光入射面541は、ベアチップLED6に対し、厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向Zaに離間している。凹部側面542は、ベアチップLED6を囲む形状である。凹部側面542は、方向Zに対し傾斜しており(図36の部分拡大図において誇張して示している)、レンズ凹部54が開口する方向に広がる形状である。光入射面541と凹部側面542と、基板1との間には、レンズ5と基板1とに挟まれた空隙789が形成されている。空隙789には、光入射面537、ベアチップLED6、およびワイヤ73のいずれもが露出している。なお、レンズ凹部54の深さ(方向Zにおける第1面536と光入射面541の離間寸法)は、たとえば、0.5〜1.5mmである。
図36に示すように、発光装置201においては、通気孔781が形成されている。通気孔781は、空隙789と光出射面511が臨む空間(すなわち、発光装置201の外部の空間)とに通じる。そのため、通気孔781を通って、空隙789と発光装置201の外部の空間との間を気体が流通できる。さらに通気孔781は、レンズ5と基板1との間に位置する。本実施形態においては、通気孔781は溝59により規定されている。本実施形態と異なり、通気孔781は、溝59により規定されていなくてもよい。たとえば、レンズ5に溝が形成されておらず、主面導電体層2に形成された隙間によって、通気孔781が規定されていてもよい(図39参照)。
次に、図40〜図45を用いて、発光装置201の製造方法について説明する。
図40、図41に示すように、方向Yに延びる基材86を用意する。次に、プリントにより、基材86に、主面導電体層2’、側面導電体層3’、裏面導電体層4’を形成する。
次に、図42、図43に示すように、複数のベアチップLED6を基材86に主面導電体層2’を介して接合する。基材86において、複数のベアチップLED6は方向Yに沿って配列されている。次に、ワイヤ73をベアチップLED6に接続する。
次に、図44、図45に示すように、複数の凸部51を含むレンズ母材89を形成しておき、レンズ母材89を基材86に接合する。本実施形態では、レンズ母材89を基材86に接合する前に、レンズ母材89に複数のレンズ凹部54も形成しておく。レンズ母材89の基材86への接合は、XY平面視において各凸部51が複数のベアチップLED6の各々と重なり、且つ、各ベアチップLED6とレンズ母材89との間に隙間がある状態(すなわち、各ベアチップLED6が複数のレンズ凹部54のいずれかに収容される状態)で、行う。
次に、方向Yに交差する切断面Dc2に沿って、基材86と、主面導電体層2’と、側面導電体層3’と、裏面導電体層4’と、レンズ母材89とを一括して切断する。これにより、発光装置201の製造が完成する。基材86と、主面導電体層2’と、側面導電体層3’と、裏面導電体層4’と、レンズ母材89とを切断することにより、基板1における側面143,145、主面導電体層2における端面217,218,227,228、側面導電体層3における端面311,312,321,322、裏面導電体層4における端面411,412,421,422が、それぞれ形成される。
発光装置201が配置された光学装置802(図31参照)の使用方法は、第1実施形態にかかる光学装置801の使用方法と同様であるから、説明を省略する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
発光装置201は、レンズ5を備える。レンズ5は、基板1の厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向Zaに膨らみ且つベアチップLED6からの光を出射する光出射面511を有する。このような構成によると、ベアチップLED6から放たれた光を光出射面511にて屈折させることにより、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。また、発光装置201から放たれる光の指向角を狭くすることができる。
方向Zaにおける放射強度が向上すると、もしくは、発光装置201から放たれる光の指向角が狭くなると、検出対象物993にて反射されたのち受光装置107における受光素子に受光される光の量が増加する。そのため、検出対象物993が光学装置802に対向している場合には、検出対象物993はより確実に検出される。これにより、検出対象物993が光学装置802に対向しているか否かを、より的確に知ることができる。
図36に示すように、発光装置201においては、ベアチップLED6が、基板1およびレンズ5に挟まれた空隙789に露出している。このような構成は、ベアチップLED6がレンズ5に接触する領域を小さくするのに適する。ベアチップLED6がレンズ5に接触する領域を小さくできると、ベアチップLED6がレンズ5から受けうる応力を低減できる。したがって、発光装置201によると、レンズ5から応力を受けることによりベアチップLED6が損傷することを抑制できる。
発光装置201においては、光入射面541は、ベアチップLED6に対し、厚さ方向Zのうち基板1からベアチップLED6に向かう方向Za(図36の上方向)に離間している。このような構成は、レンズ5からベアチップLED6が応力をほとんど受けない。したがって、発光装置201によると、レンズ5から応力を受けることによりベアチップLED6が損傷することをさらに抑制できる。
発光装置201においては、レンズ5は、光出射面511とベアチップLED6との間に位置し且つベアチップLED6からの光が入射する光入射面541を有する。また、光入射面541は、XY平面(レンズ5の光軸に垂直な平面)に広がる平面状である。このような構成によると、ベアチップLED6から放たれたのちに光入射面541に入射角θ3(図示略。本実施形態では、方向Zとなす角)で入射する光は、光入射面541にて屈折し、入射角θ3より小さい屈折角θ4(図示略。本実施形態では、方向Zとなす角)でレンズ5内を方向Za側に向かって進む。このように、ベアチップLED6から放たれた光が光入射面541にて屈折することにより、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。また、発光装置201から放たれる光の指向角を狭くすることができる。
発光装置201においては、空隙789と光出射面511の臨む空間(発光装置201の外部空間)と通じる通気孔781が形成されている。このような構成によれば、第1実施形態において述べた理由と同様の理由により、空隙789の圧力が上昇することによりレンズ5が基板1から分離してしまう不具合を、抑制するのに適する。
接合層71がボンディングシートからなる場合には、第1実施形態において述べた理由と同様の理由により、発光装置201の方向Zaにおける放射強度の低下を抑制しつつ、基板1にレンズ5を配置することができる。
ボンディングシートが熱硬化型のものである場合、第1実施形態において述べた理由と同様の理由により、リフロー工程においてレンズ5が基板1から分離してしまう不具合を抑制できる。
接合層71が液体接着剤からなる場合には、アンカー効果によって、表面導電体層2とレンズ5とを、より密着させつつ接合することができる。
発光装置201は、第1実施形態において述べた理由と同様の理由により、端面411,412,421,422におけるバリの発生を抑制するのに適する。
発光装置201においては、光入射面541は平面状である。このような構成によると、第1実施形態において述べた理由と同様の理由により、ベアチップLED6の姿勢がずれる不具合が生じにくい。
<第2実施形態の発光装置の第1変形例>
次に、図46を用いて、本実施形態にかかる発光装置の第1変形例について説明する。
図46は、本発明の第2実施形態の第1変形例にかかる発光装置の断面図である。
同図に示す発光装置202は、光入射面541が、方向Zaと反対側(本実施形態においては、第1凹部11の側)に向かって膨らむ凸面となっている点において、上述の発光装置201と異なる。光入射面541は、方向Zに延びる線を軸とした場合に回転対称である形状である。発光装置202によると、ベアチップLED6から放たれた光を、凸面である光入射面541にて屈折させることにより、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。また、発光装置202から放たれる光の指向角を狭くすることができる。
<第2実施形態の発光装置の第2変形例>
次に、図47を用いて、本実施形態にかかる発光装置の第2変形例について説明する。
図47は、本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる発光装置のうちレンズ、接合層を省略した一部省略平面図である。
本変形例では、パッド部216が矩形状ではなく、半円形状の部位を有する点において、上述の発光装置201と相違する。このような構成によれば、ベアチップLED6から放たれた光を、パッド部216にてより多く反射させることができる。これにより、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。また、発光装置203から放たれる光の指向角を狭くすることができる。
<第2実施形態の発光装置の第3変形例> 次に、図48を用いて、本実施形態にかかる発光装置の第3変形例について説明する。
図48は、本発明の第2実施形態の第3変形例にかかる発光装置の断面図である。
同図に示す発光装置203は、ワイヤ73が、主面導電体層2に接続するファーストボンディング部731と、ベアチップLED6に接続するセカンドボンディング部732とを含む点において、上述の発光装置201と相違する。このような発光装置201を製造する際には、まずワイヤ73の一端を主面導電体層2に接続する。次に、ワイヤ73の他端をベアチップLED6に接続する。なお、上述の発光装置101,201等では、まずワイヤ73の一端をベアチップLED6に接続し、そのあと、ワイヤ73の他端を主面導電体層2に接続している。
ワイヤ73をベアチップLED6に本変形例のように接続すると、セカンドボンディング部732近傍における、XY平面に対してワイヤ73のなす角度θ6は、比較的小さくなりやすい。そのため、図48に示す高さH1をより低くできる。これにより、ベアチップLED6と光入射面541との離間距離をより小さくできる。当該離間距離が小さいと、ベアチップLED6からの光をより多く光入射面541に入射させることができる。そのため、方向Zaにおける放射強度を向上させることができる。
なお、光学装置201におけるレンズ5が、上述の光学装置103のレンズ5におけるテーパ部52を含んでいてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。