JP6161786B2 - 少なくとも１つの光窓を備えるシェードを有するランプユニット - Google Patents

Description

本発明は、前照灯、とりわけ自動車前照灯用のランプユニットに関するものである。当該ランプユニットは、少なくとも２つの光源と、少なくとも２つの光チャンバを画定する少なくとも１つの反射器と、１つのシェードと、光軸を備える投影レンズとを有し、１つの光チャンバは前記シェードの上側に、１つの光チャンバは下側に配置されており、前記光チャンバ内にはそれぞれ少なくとも１つの光源が配置されており、前記シェードは、前記ランプユニットにより形成される光像中に鮮明な明暗境界を形成するために、前記投影レンズの焦点面にまで実質的に延在しており、前記シェードは少なくとも１つの光窓を有し、少なくとも１つの光経路が、光チャンバから前記少なくとも１つの光窓および前記投影レンズを通って外に向かって延在している。

この種のランプユニットは自動車製造業では一般的であり、上側に存在する光チャンバ（さらに「上側光チャンバ」とも称される）がしばしばロービーム機能を引き受け、下側に存在する光チャンバ（さらに「下側光チャンバ」とも称される）がハイビーム機能を担う。ここで２つの光チャンバは、シェードによって互いに分離されており、このシェードは、例えば、ロービーム機能により形成される光像中に鮮明な明暗境界を保証するように構成されている。これにより前を走る車両および対向車両の幻惑が十分に回避される。

例えば特許文献１は、２つの反射器がそれぞれ１つの光チャンバを形成し、それぞれ１つの光源がこの光チャンバに入射するランプユニットを開示する。ここで入射される光は反射器により投影レンズに偏向される。

さらに特許文献２は、１つの反射器が光源からの光を、この光が投影レンズの光軸上に、またはその近傍に収束されるように反射するランプユニットを開示する。

特許文献３は、２つの光源を備えるランプユニットを開示し、これら２つの光源は、互いに分離された２つの光チャンバ内に配置されている。さらに特許文献４は、互いに分離された光チャンバ（複数）内に配置された２つの光源を有するランプユニットを開示する。

特許文献５から、光線に対するそれぞれ１つの反射空間を取り囲み、実質的に楕円形の反射面をそれぞれ１つ有する２つの楕円反射器と、各反射器の第１の焦点の近傍にそれぞれ配置されている２つの光源と、焦点面が第１の反射器の第２の焦点の近傍に配置されている投影レンズとを備えるランプユニットが公知である。ここでは第１の反射器は平坦な水平の反射面も有しており、その反射面の上側は反射性である。第２の反射器は第１の反射器の下方に配置されており、第２の反射器は第１の反射器に対して傾斜しており、同様に光を第２の焦点またはその近傍に偏向するように構成されており、第１の反射器の平坦な水平の反射面は、透光性部分の上側に取り付けられており、第２の反射器の光線が前記透過性部分の下側を透過することができ、これにより光線は第２の焦点に到達することができる。このランプユニットの目的は、光源として用いられるカプセル化されたダイオードの特性、すなわち一般的に空間の半分を照射するという特性を利用できるようにすることであり、これによりダイオードから放射される光線をより効率的に大部分を把捉することができる。

EP 1 912 018 1 DE 10 2008 015 510 B4 US 2007/0086202 Ａ1 JP 2006107875 Ａ DE 60 2004 002 043 T2

従来技術から公知のランプユニットの共通の欠点は、上側に取り付けられた第１の光チャンバの光線と下側に取り付けられた第２の光チャンバの光線とを目的に応じて混合ないし重ね合わせることができないことである。したがって従来技術から公知の構造において、明暗境界に対して目的に応じて影響を与えることには、通常の製造技術的および経済的要求を考慮すると狭い限界がある。

したがって本発明の課題は、上側に取り付けられた第１の光チャンバの光線と下側に取り付けられた第２の光チャンバの光線とを目的に応じて混合することのできる、前照灯、とりわけ自動車前照灯用のランプユニットを創出することである。ここで光線の混合とは、光像中での照射領域の重なり合いであると理解すべきである。

この課題は、本発明によりシェードが、少なくとも１つの光窓を画定する少なくとも２つのシェード部分を有する、冒頭に述べた形式のランプユニットによって解決される。ここで前記シェード部分の少なくとも１つは反射性の表面を有し、この反射性の表面によって少なくとも１つの光経路は、投影レンズの光軸の方向に偏向可能である。
即ち本発明の一視点により、前照灯用のランプユニットであって、少なくとも２つの光源と、２つの光チャンバを画定する少なくとも１つの反射器と、１つのシェードと、光軸を備える１つの投影レンズと、を有しており、１つの光チャンバが前記シェードの上側に、１つの光チャンバが前記シェードの下側に配置されており、前記光チャンバ内にそれぞれ少なくとも１つの光源が配置されており、前記シェードは、前記ランプユニットにより形成された光像中に鮮明な明暗境界を形成するために、前記投影レンズの焦点面にまで延在しており、前記シェードは少なくとも１つの光窓を有しており、少なくとも１つの光経路が、前記光チャンバから前記少なくとも１つの光窓および前記投影レンズを通って外に向かって延在しているという形式のランプユニットであり、前記シェードは、２つの光窓と、前記光窓を画定する複数のシェード部分を有しており、各光窓には１つの光経路が割り当てられており、前記光経路は、前記光窓および前記投影レンズを通って外に向かって延在しており、前記シェード部分の少なくとも１つは、その長手軸に沿って回転した状態にすることができ且つ反射性の表面を有しており、当該シェード部分の回転により少なくとも１つの光経路が、前記投影レンズの光軸の方向に偏向可能である、ランプユニットが提供されている。

本発明では以下の形態が可能である。
（形態１）前照灯用のランプユニットであって、少なくとも１つの光源と、２つの光チャンバを画定する少なくとも１つの反射器と、１つのシェードと、光軸を備える１つの投影レンズと、を有しており、１つの光チャンバが前記シェードの上側に、１つの光チャンバが前記シェードの下側に配置されており、前記光チャンバ内にそれぞれ少なくとも１つの光源が配置されており、前記シェードは、前記ランプユニットにより形成された光像中に鮮明な明暗境界を形成するために、前記投影レンズの焦点面にまで実質的に延在しており、前記シェードは少なくとも１つの光窓を有しており、少なくとも１つの光経路が、前記光チャンバから前記少なくとも１つの光窓および前記投影レンズを通って外に向かって延在しており、前記シェードは、前記少なくとも１つの光窓を画定する少なくとも２つのシェード部分を有しており、前記シェード部分の少なくとも１つは反射性の表面を有しており、当該反射性の表面によって前記少なくとも１つの光経路は、前記投影レンズの光軸の方向に偏向可能である、ランプユニットが提供される。
（形態２）前記シェードは、少なくとも一部分に反射性の表面を有していることが好ましい。
（形態３）前記少なくとも１つの光経路は、もっぱら、前記シェードの下側に存在する光チャンバから前記少なくとも１つの光窓および投影レンズを通って外に向かって延在していることが好ましい。
（形態４）前記シェードは、前記少なくとも１つの光窓を画定する少なくとも１つの第１と第２のシェード部分を有しており、前記少なくとも１つの光窓は、切欠部として前記シェード内に形成されていることが好ましい。
（形態５）前記シェードは、前記少なくとも１つの光窓を画定する少なくとも１つの第１と第２のシェード部分を有しており、前記少なくとも１つの光窓は、透光性の形状安定材料から作製されていることが好ましい。
（形態６）前記シェードは２つの光窓を有しており、各光窓には１つの光経路が割り当てられており、前記光経路は、前記光窓および前記投影レンズを通って外に向かって延在していることが好ましい。
（形態７）前記シェードは、第１、第２および第３のシェード部分を有しており、前記第２のシェード部分はラミネート状に構成されており、第１の光経路に対する第１の光窓は、前記第１のシェード部分と前記第２のシェード部分との間に形成されており、第２の光経路に対する第２の光窓は、前記第２のシェード部分と前記第３のシェード部分との間に形成されており、前記光チャンバは、前記第1のシェード部分の上側と下側に配置されていることが好ましい。
（形態８）前記第２のシェード部分は、前記第２の光経路を投影レンズの光軸の方向に偏向するように構成されていることが好ましい。
（形態９）形態１から７のいずれか一項に記載の前照灯用のランプユニットを少なくとも１つ有する自動車が提供される。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照番号はもっぱら理解を助けるためであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
本発明による特徴を設けることにより、光像に対して目的に応じて影響を与え、ランプユニットの効率を高めることができる。本発明により、２つの光チャンバの光線を目的に応じて混合することができる。したがって一方では、例えばロービーム機能の光像において要求される鮮明な明暗境界を実現することができ、同時に、ハイビーム機能の光像における不均一性（とりわけ明暗境界の領域における影となる帯）を特に簡単に、経済的かつ効率的に最小にすることができる。さらに光線を光像の領域において標的を定めた照射を行うことができる。このことは、通常、交通標識の照明のために特に重要である（いわゆる「標識光」）。さらにランプユニットの本発明による特徴は、特に有利で頑強な構造を可能にする。シェードは可動ではなく、固定的に構成されている。

本発明の有利な一発展形態ではシェードは、少なくとも部分的に反射性の表面を有する。これにより、前照灯システムの効率を付加的に上昇することができる。このことは、通常はシェードで吸収されるシェードでの反射光を付加的に投影レンズにもたらし、これによりランプユニットないし前照灯により形成される光像にもたらすことができるようにして行う。

個々の光チャンバによって、ランプユニットにより形成される光像に対してとりわけ目的に応じて影響を与えることができるようにするため、本発明の有利な一構成では、少なくとも１つの光経路が、少なくとも１つの光窓を通り、もっぱらシェードの下側に存在する光チャンバから、少なくとも１つの光窓および投影レンズを通り外に向かって延在するようにする。このようにして、例えば２つの光チャンバ（ないしこれら光チャンバに配設された（複数）光源）が作動している動作モード（ハイビーム機能）では、明暗境界の領域内に存在する影となる帯を回避することができる。このことは、下方の光チャンバの光線を目的に応じて明暗境界の領域に偏向することにより行われる。ここで上方の光チャンバだけがアクティブである動作モード（ロービーム機能）では、鮮明な明暗境界は得られたままである。これにより、ランプユニットの光像に関連する法的要求に特に簡単に対応することができる。

本発明の第１の特に簡単な一変形形態では、シェードは、少なくとも１つの光窓を画定する少なくとも１つの第１と第２のシェード部分を有しており、前記少なくとも１つの光窓は、シェードにある切欠部として構成されている。ここで前記シェード部分は、薄膜状（lamellenartig）に構成することができる。一般的にシェードは、シェード部分も含めて薄く扁平に構成することができる。

本発明の代替的な一変形形態では、シェードは、少なくとも１つの光窓を画定する少なくとも１つの第１と第２のシェード部分を有しており、前記少なくとも１つの光窓は透光性の形状安定性材料から作製される。したがってシェードは特に安定してワンピースに構成することができる。透光性の材料は、光屈折に基づいてプリズム的作用を展開し、ここでシェード部分と光窓は、好ましくは、光線が下方の光チャンバから狙いを定めて明暗境界の領域に偏向できるように構成されている。これにより、下方の光チャンバの光分布を、上方の光チャンバにより形成される光分布に重ね合わせることができる。

シェードが２つの光窓を有することにより、２つの光チャンバの光線の混合をさらに高めることができる。ここで光経路は、光窓と投影レンズを通って外へ向かって延在する。一般的に複数の光窓を設けることができ、これらの光窓はそれぞれシェード部分（複数）によって画定される。光窓の数は、一般的に光像の必要性に相応に適合することができる。

したがって本発明の有利な一発展形態では、シェードは、第１、第２および第３のシェード部分を有しており、第２のシェード部分は薄膜状に構成されており、第１の光経路に対する第１の光窓は、第１のシェード部分と第２のシェード部分との間に形成されており、第２の光経路に対する第２の光窓は、第２のシェード部分と第３のシェード部分との間に形成されており、光チャンバは、第１のシェード部分の上側と下側に配置されている。第１のシェード部分は、好ましくは他のシェード部分よりも大きな空間的広がりを有しており、第２および第３のシェード部分よりも焦点からさらに離れている。本発明の有利な一変形形態では、第２のシェード部分は、第２の光経路を投影レンズの光軸の方向に偏向するように構成されている。そのために、薄膜状に構成されている第２のシェード部分は、その長手軸を中心に回転することができ、これにより第２の光経路を簡単に目的に応じて偏向することができる。

本発明はさらに、請求項１から８のいずれか一項に記載のランプユニットを少なくとも１つ備える前照灯に関するものである。この前照灯の発展形態は、ここに論議するランプユニットの発展形態に相当する。

本発明をさらなる利点と共に、以下、複数の例としての、しかし制限的ではない、図面に示された実施形態に基づいて詳細に説明する。

従来技術によるランプユニットの部分斜視図である。 図１によるランプユニットにより形成することのできる光像の部分図である。 図１によるランプユニットの概略的断面図である。 本発明の第１実施形態の概略的断面図である。 本発明の第２実施形態の概略的断面図である。

図１には、従来技術から公知のランプユニットの一部分が示されている。そこには２つの光源１ａが示されており、これらはそれぞれ１つの反射器２ａにより取り囲まれている。反射器２ａは、光源１ａから照射された光を、とりわけ（光の進行方向で見て）後配置されたシェード（ないし遮光部材、Blende）４の方向に反射する。このシェードは、鮮明な明暗境界を形成するために用いられる。所属の投影レンズ５が図３に示されている。

図２は、図１によるランプユニットにより形成することのできる光像の一部分を示す。そこには、影となった帯６ｂによって分離された２つの領域、すなわち下方領域６ａと上方領域６ｃが示されており、ここで下方領域６ａは、ランプユニットのロービーム機能の際にも照明される光像の領域を代表する。上方領域６ｃは、ロービーム機能が持続する間、照明されずに留まり、帯６ｂは、２つの水平部分から形成される明暗境界に沿って延在する。これら２つの水平部分は、斜めの部分によって接続されている。この境界の経過は、一般的に法律で規定されている。上方領域６ｃは、ランプユニットのハイビーム機能が稼働中の場合には常に照明される。この場合、図１に図示されていない光源（複数）が作動される。これらの光源は、一般的に光源１ａの下方に取り付けられており、反射器を介してその放射する光を少なくとも部分的にシェード４の方向に、そしてさらに上方領域６ｃへと照射する。したがってここでハイビーム機能は、例えば上方領域６ｃを照射するさらなる光源のスイッチオンを特徴とする。これら付加的な光源は、一般的には、下方領域６ａへ光を照射するためには使用することができない。なぜならこのことは一般的に、シェード４の幾何的形状によって阻止されるからである。すなわちシェード４は、図３に示された投影レンズ５の焦点面Ｅにまで達しており、これにより上方領域６ｃと下方領域６ａとの間で鮮明な明暗境界を保証するものである。すなわちランプユニットのロービーム機能が使用される場合には常に明暗境界を保証する。これに対してランプユニットのハイビーム機能の稼働時には、下方領域６ａと上方領域６ｃとの間で可視となる（目に見える）明暗境界（の存在）は望ましくない。なぜなら、ロービーム機能に対して拡張される光像の可及的に均一な照明が望まれるからである。シェード４の不可避の空間的広がり（より正確に言えば厚さ）とシェーディング作用のため、ハイビーム機能の光像中には下方領域６ａと上方領域６ｃとの間の移行部に常に影となる領域、すなわち帯６ｂが存在し、この帯はより弱く照明され、したがって光像中に暗いストライプとして出現する。このようなランプユニットを自動車前照灯で使用する場合、車両運転者は周囲の識別が困難になり、これにより事故のリスクが高まる。

図３は、図１によるランプユニットの概略的断面図である。そこでシェード４はワンピースに構成されており、すでに述べたように、後配置された投影レンズ５の焦点面Ｅにまで達している。シェード４の上側と下側にはそれぞれ１つの光源１ａないし１ｂが取り付けられている。光源１ａと１ｂは、それぞれ１つの反射器２ａと２ｂにより取り囲まれており、これらの反射器２ａと２ｂは、光源１ａと１ｂから照射される光が後配置された投影レンズ５に偏向されるように構成されている。かくして投影レンズ５は光線を、ランプユニットの前方にある領域に投影する。ここで投影レンズ５は光軸Ａを有し、この光軸は焦点面Ｅに対して実質的に直角に配向されている。この構造は従来技術から公知であり、すでに前に説明した従来技術の欠点を有する。

図４は、本発明の第１実施形態の概略的断面図を示す。本発明によれば、シェードは少なくとも２つのシェード部分に分割されており、図示の実施例でシェードは、第１、第２および第３のシェード部分４ａ、４ｂおよび４ｃから成る。ここで第３のシェード４ｃは、後配置された投影レンズ５の焦点面Ｅにまで達している。シェード４は一般的に反射性の表面を有する。シェード４は一般的に非透光性であることが理解される。第１のシェード部分４ａの上側と下側にはそれぞれ１つの光源１ａないし１ｂが取り付けられており、第１のシェード部分４ａは付加的に、光源１ａと１ｂに対する冷却体として用いられる。光源１ａと１ｂはそれぞれ反射器２ａと２ｂにより取り囲まれており、これらの反射器２ａと２ｂは、光源１ａと１ｂから照射される光が、後配置された投影レンズ５に偏向されるように構成されている。投影レンズ５は、光線をランプユニットの前方にある領域に、外に向かって投影する。ここで好ましくは光源１ａまたは１ｂはそれぞれの反射器２ａまたは２ｂの焦点内に存在する。反射器２ａは上方の光チャンバ３ａを、第２の反射器２ｂは下方の光チャンバ３ｂを画定する。投影レンズ５は光軸Ａを有し、この光軸は焦点面Ｅに対して実質的に直角に配向されている。３つのシェード部分４ａ、４ｂおよび４ｃは、光窓７ａと７ｂにより形成される切欠部によって互いに分離されている。ここでシェード部分４ａ、４ｂおよび４ｃは前記切欠部と共に仮想のくさび形を形成し、このくさび形の側面は、シェード部分４ａ、４ｂおよび４ｃの面の揃った側面と一致する。切欠部の代わりに、シェード部分４ａ、４ｂおよび４ｃを透光性の形状安定性材料によって互いに離間することもできる。シェード部分４ａ、４ｂおよび４ｃは実質的に互いに平行であり、焦点面Ｅを基準にして順次配置されており、図４の断面に対して好ましくは直角に延在し、光線が光窓７ａと７ｂを通過して光経路８ａ、８ｂに沿って投影レンズ５に達することを可能にする。このことが例として図示されている。ここで通過は、図示の実施形態では、もっぱら下方の光チャンバ３ｂから光窓７ａと７ｂを通って行われる。シェード部分４ａ、４ｂおよび４ｃは、上方の光チャンバ３ａからの光は光窓７ａと７ｂを通過して進むことができないように配向されている。このことが例えば光経路８ｅに基づき図示されており、この光経路はシェード部分４ｂによって制限（遮断）される。これにより、ランプユニットのハイビーム機能の際にスイッチオンされる下方の光チャンバ３ｂからの光を、従来技術から公知である冒頭に述べた影となる帯６ｂに対応する領域に偏向できることが達成される。したがって明暗境界ないし従来技術で影となる帯６ｂを照明することができ、均一な光像を達成することができる。ここで、図示の実施形態ではもっぱら上方の光チャンバ３ａが作動されるロービーム機能は、シェード部分４ａ、４ｂ、４ｃにより不利な影響を受けない。なぜならこれらのシェード部分は、上方の光チャンバ３ａの光線が、光窓７ａまたは７ｂを通過して進むことができないように構成されているからである。光経路８ｃと８ｄは、シェード４に沿ってか、またはシェード４の上方を経て投影レンズ５に導かれる。

図５は、第１実施形態の発展形態である、本発明の第２実施形態を示す。ここで特に言及しない限り、同じ参照符号の付した特徴は第１実施形態の特徴に対応し、図４においてすでに述べたことが当てはまる。第２実施形態は、第１実施形態とは第２のシェード部分４ｂの配向（角度配置）の点で異なる。この第２のシェードはもはや前のように面一ないし平行には配置されておらず、その長手軸に沿って反時計方向に回転されている。この回転は、例えば０°から４５°の間とすることができ、とりわけ５°、１０°、１５°または２０°である。とりわけ第２のシェード部分４ｂは反射性の表面を有しており、この反射性の表面に基づいて光経路８ａと８ｂを偏向することができる。このようにして下方の光チャンバ３ｂからの光線は、光経路８ａと８ｂに沿ってランプユニットの光像の領域（複数）に達する。すなわち、第２のシェード部分４ｂによる偏向がなければ達することができないであろう領域に達する。光経路の本発明による偏向によって、ランプユニットの光像中の不均一性を目的に応じて調整することができる。

図４と５に示された本発明の実施形態は、３つのシェード部分４ａ、４ｂおよび４ｃを備えるシェード４を開示し、これらのシェード部分は２つの光窓７ａと７ｂを取り囲む。もちろんシェード部分および光窓の数は、図示の実施形態の数とは任意に異なって良い。複数のシェード部分を薄膜状に構成、および／または回転することもできる。重要なことは、本発明の基礎となる思想は当業者によって多様に変更することができるが、当該思想として維持されることである。

１ａ、１ｂ 光源
２ａ、２ｂ 反射器
３ａ、３ｂ 光チャンバ
４ シェード
４ａ、４ｂ、４ｃ 第１、第２および第３のシェード部分（Blendenabschnitt）
５ 投影レンズ
６ａ 下方領域
６ｂ 帯
６ｃ 上方領域
７ａ、７ｂ 光窓
８ａ〜８ｅ 光経路
Ｅ 焦点面
Ａ 光軸

Claims (8)

1. 前照灯用のランプユニットであって、
   少なくとも２つの光源（１ａ、１ｂ）と、
   ２つの光チャンバ（３ａ、３ｂ）を画定する少なくとも１つの反射器（２ａ、２ｂ）と、
   １つのシェード（４）と、
   光軸（Ａ）を備える１つの投影レンズ（５）と、を有しており、
   １つの光チャンバ（３ａ）が前記シェード（４）の上側に、１つの光チャンバ（３ｂ）が前記シェード（４）の下側に配置されており、
   前記光チャンバ（３ａ、３ｂ）内にそれぞれ少なくとも１つの光源（１ａ、１ｂ）が配置されており、前記シェード（４）は、前記ランプユニットにより形成された光像中に鮮明な明暗境界を形成するために、前記投影レンズ（５）の焦点面（Ｅ）にまで延在しており、
   前記シェード（４）は少なくとも１つの光窓（７ａ、７ｂ）を有しており、
   少なくとも１つの光経路（８ａ、８ｂ、８ｃ、８ｄ）が、前記光チャンバ（３ａ、３ｂ）から前記少なくとも１つの光窓（７ａ、７ｂ）および前記投影レンズ（５）を通って外に向かって延在しているという形式のランプユニットであり、
   前記シェード（４）は、２つの光窓（７ａ、７ｂ）と、前記光窓（７ａ、７ｂ）を画定する複数のシェード部分（４ａ、４ｂ、４ｃ）を有しており、
   各光窓（７ａ、７ｂ）には１つの光経路（８ａ、８ｂ）が割り当てられており、前記光経路（８ａ、８ｂ）は、前記光窓（７ａ、７ｂ）および前記投影レンズ（５）を通って外に向かって延在しており、
   前記シェード部分（４ａ、４ｂ、４ｃ）の少なくとも１つは、その長手軸に沿って回転した状態にすることができ且つ反射性の表面を有しており、当該シェード部分の回転により少なくとも１つの光経路（８ａ、８ｂ）が、前記投影レンズ（５）の光軸（Ａ）の方向に偏向可能である、
   ランプユニット。
2. 前記シェード（４）は、少なくとも一部分に反射性の表面を有している、ことを特徴とする請求項１に記載のランプユニット。
3. 前記少なくとも１つの光窓（７ａ、７ｂ）を通る前記少なくとも１つの光経路（８ａ、８ｂ）は、もっぱら、前記シェード（４）の下側に存在する光チャンバ（３ｂ）から前記少なくとも１つの光窓（７ａ、７ｂ）および投影レンズ（５）を通って外に向かって延在している、ことを特徴とする請求項１または２に記載のランプユニット。
4. 前記シェード（４）は、前記少なくとも１つの光窓（７ａ、７ｂ）を画定する少なくとも１つの第１と第２のシェード部分（４ａ、４ｂ、４ｃ）を有しており、前記少なくとも１つの光窓（７ａ、７ｂ）は、切欠部として前記シェード（４）内に形成されている、ことを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載のランプユニット。
5. 前記シェード（４）は、前記少なくとも１つの光窓（７ａ、７ｂ）を画定する少なくとも１つの第１と第２のシェード部分（４ａ、４ｂ、４ｃ）を有しており、前記少なくとも１つの光窓（７ａ、７ｂ）は、透光性の形状安定材料から作製されている、ことを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載のランプユニット。
6. 前記シェード（４）は、第１、第２および第３のシェード部分（４ａ、４ｂ、４ｃ）を有しており、
   前記第２のシェード部分（４ｂ）はラミネート状に構成されており、
   第１の光経路（８ａ）に対する第１の光窓（７ａ）は、前記第１のシェード部分（４ａ）と前記第２のシェード部分（４ｂ）との間に形成されており、
   第２の光経路（８ｂ）に対する第２の光窓（７ｂ）は、前記第２のシェード部分（４ｂ）と前記第３のシェード部分（４ｃ）との間に形成されており、
   前記光チャンバ（３ａ、３ｂ）は、前記第１のシェード部分（４ａ）の上側と下側に配置されている、ことを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載のランプユニット。
7. 前記第２のシェード部分（４ｂ）は、当該シェード部分の回転により前記第２の光経路（８ｂ）を投影レンズ（５）の光軸（Ａ）の方向に偏向するように構成されている、ことを特徴とする請求項６に記載のランプユニット。
8. 請求項１から７のいずれか一項に記載の前照灯用のランプユニットを少なくとも１つ有する自動車。

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