JP6161594B2 - 炭酸飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、カフェインを含有する炭酸飲料に関する。
従来から、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶等の茶類に含まれるカフェインが、眠気をなくし、爽快感を与えることが知られている。そのため、これらの飲料は味覚を楽しむだけでなく、仕事、スポーツ、自動車の運転等の疲れを解消するために飲まれている。カフェインを効率よく摂取するために、カフェインを添加した食品、スポーツ飲料、健康飲料等が開発されてきた。これまで、コーラ、ジュース、スープ等にカフェインを添加したカフェイン添加食品(特許文献1)、1回量あたり10mg〜500mgのカフェインを含むカフェイン添加運動用飲料(特許文献2)、更にカフェインを多量に添加した内服液等が知られている。
しかし、カフェインは本来強い苦みを持つ物質であり、効率よく摂取できる程多くのカフェインをそのまま食品や飲料に添加すると苦みが強くなる。更に、炭酸飲料では苦みが顕著になることが知られている(特許文献3)。
そこで、これまでに、カフェインの苦みを抑制する技術が検討されてきた。例えば、カフェイン等の苦みを有する経口用医薬組成物に、グリチルリチン酸またはその塩およびその他の甘味料を含有させたもの(特許文献4)や、カフェイン等の不快な味を有する医薬有効成分に2種以上の高甘味剤(甘味度150以上)および酸味を呈する物質を含有させた経口医薬組成物(特許文献5)、カフェインを含有する組成物に、ガティガム、プルラン、アラビアガムおよび大豆多糖類を配合する技術が知られている(特許文献6)。
特開昭62−259548号公報 特開平3−143377号公報 特許第2933496号公報 特開平6−298668号公報 特開2000−290199号公報 特開2011−78363号公報
本発明は、炭酸で増強するカフェインの苦みを低減した炭酸飲料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カフェインを含有する炭酸飲料において、苦み低減物質を配合することによりカフェインの苦みを低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)カフェインと、以下の(a)および(b)、
(a)月桂樹、花椒、小荳蒄または山椒の抽出物
(b)ジンフレーバー
からなる群から選ばれる苦み低減物質の1種または2種以上を含有す ることを特徴とする炭酸飲料、
(2)カフェインを0.01〜1W/V%含有する(1)に記載の炭酸飲料、
(3)月桂樹、花椒、小荳蒄または山椒の抽出物を0.001〜0.1W/V %含有する(1)または(2)に記載の炭酸飲料、
(4)pHが2.5〜7.0である(1)〜(3)の何れかに記載の炭酸飲料である。
また、本発明は、カフェインを含有する炭酸飲料に、以下の(a)および(b)、
(a)月桂樹、花椒、小荳蒄または山椒の抽出物
(b)ジンフレーバー
からなる群から選ばれる苦み低減物質の1種または2種以上を配合することを特徴とするカフェインを含有する炭酸飲料の苦み低減方法である。
本発明の炭酸飲料は、カフェインを含有する炭酸飲料に苦み低減物質を配合することにより炭酸で増強するカフェインの苦み、特に口中に入れて直に感じる苦みを抑制されたものとなる。
また、本発明の炭酸飲料は、これに配合する苦み低減物質そのものの風味によって飲みやすさが損なわれることもない。
本発明の炭酸飲料は、カフェインと、以下の(a)および(b)、
(a)月桂樹、花椒、小荳蒄または山椒の抽出物
(b)ジンフレーバー
からなる群から選ばれる苦み低減物質の1種または2種以上を含有するものである。なお、本発明において、炭酸飲料とは、飲用可能な液体と二酸化炭素(炭酸ガス)を含む飲料をいう。
本発明の炭酸飲料の必須成分であるカフェインとしては、飲料に用いることができる品質のものであれば特に限定されず、例えば、食品添加物として使用できる精製品(カフェイン含量98.5質量%以上の精製品)、食品として使用できる粗精製品(カフェイン含量50〜98.5質量%)の他、茶葉、コーラの実、コーヒー豆、ガラナ等のカフェインを含有する植物の抽出物、その濃縮物等が挙げられる。これらの中でも、本発明の炭酸飲料においては、呈味や沈殿等の観点から、精製品または粗精製品を用いることが好ましく、特に精製品を用いることが好ましい。また、本発明の炭酸飲料におけるカフェインの含有量は、特に限定されないが、0.01〜1W/V%以下、単に「%」という)であり、好ましくは0.02〜0.4%である。
本発明の炭酸飲料におけるもう1つの必須成分である苦み低減物質は、カフェインの苦みを低減できるものである。本発明の炭酸飲料における苦み低減物質の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.001〜1%、好ましくは0.005〜0.5%、特に好ましくは0.005〜0.1%である。
苦み低減物質のうち(a)の月桂樹の抽出物とは、ゲッケイジュ属くすのき科の植物である月桂樹(Laurus nobilis)の葉を、そのまま、あるいは必要に応じて、乾燥、破砕、粉砕処理等を行った後に抽出することにより得られる。抽出手段は特に限定されず、エタノール等の有機溶媒や水またはそれらの混合物を用いた撹拌・振盪・浸漬抽出法や、減圧水蒸気蒸留抽出法、二酸化炭素等の超臨界流体を用いた超臨界ガス抽出法等公知の抽出方法にて行なえばよい。具体的に月桂樹の抽出物を浸漬抽出法で得る場合、その条件は0〜35℃で15分〜10時間である。
本発明の炭酸飲料における月桂樹の抽出物の含有量は、上記の通りであるが、より具体的には、例えば、ブリックス20程度のもので、0.001〜1%、好ましくは0.005〜0.5%、特に好ましくは0.005〜0.1%である。また、本発明の炭酸飲料には、この月桂樹の抽出物をカフェイン1質量部に対して通常0.045〜3.6質量部とし、好ましくは0.1〜0.5質量部とする。0.045質量部未満であると、カフェインの苦み低減効果が充分でないことがあるためであり、3.6質量部を超えると月桂樹の抽出物そのものの風味が強くなり、好ましくないことがある。
苦み低減物質のうち(a)の花椒の抽出物は、サンショウ属ミカン科の植物である花椒(Zanthoxylum bungeanum)の果実および/または果皮を、そのまま、あるいは必要に応じて、乾燥、破砕、粉砕処理等を行った後に抽出することにより得られる。抽出手段は特に限定されず、エタノール等の有機溶媒や水またはそれらの混合物を用いた撹拌・振盪・浸漬抽出法や、減圧水蒸気蒸留抽出法、二酸化炭素等の超臨界流体を用いた超臨界ガス抽出法等公知の抽出方法にて行なえばよい。具体的に花椒の抽出物を浸漬抽出法で得る場合、その条件は0〜35℃で15分〜10時間である。
本発明の炭酸飲料における花椒の抽出物の含有量は、上記の通りであるが、より具体的には、例えば、ブリックス23程度のもので、0.001〜1%、好ましくは0.005〜0.5%、特に好ましくは0.005〜0.1%である。また、本発明の炭酸飲料には、この花椒の抽出物をカフェイン1質量部に対して通常0.045〜3.6質量部とし、好ましくは0.1〜0.5質量部とする。0.045質量部未満であると、カフェインの苦み低減効果が充分でないことがあるためであり、3.6質量部を超えると花椒の抽出物そのものの風味が強くなり、好ましくないことがある。
苦み低減物質のうち(a)の小荳蒄の抽出物は、エレタリア属しょうが科の植物である小荳蒄(Elettaria cardamomum)の種子を、そのまま、あるいは必要に応じて、乾燥、破砕、粉砕処理等を行った後に抽出することにより得られる。抽出手段は特に限定されず、エタノール等の有機溶媒や水またはそれらの混合物を用いた撹拌・振盪・浸漬抽出法や、減圧水蒸気蒸留抽出法、二酸化炭素等の超臨界流体を用いた超臨界ガス抽出法等公知の抽出方法にて行なえばよい。具体的に小荳蒄の抽出物を浸漬抽出法で得る場合、その条件は0〜35℃で15分〜10時間である。
本発明の炭酸飲料における小荳蒄の抽出物の含有量は、上記の通りであるが、より具体的には、例えば、ブリックス21程度のもので、0.001〜1%、好ましくは0.005〜0.5%、特に好ましくは0.005〜0.1%である。また、本発明の炭酸飲料には、この小荳蒄の抽出物をカフェイン1質量部に対して通常0.045〜3.6質量部とし、好ましくは0.1〜0.5質量部とする。0.045質量部未満であると、カフェインの苦み低減効果が充分でないことがあるためであり、3.6質量部を超えると小荳蒄の抽出物そのものの風味が強くなり、好ましくないことがある。
苦み低減物質のうち(a)の山椒の抽出物は、サンショウ属ミカン科の植物である山椒(Zanthoxylum piperitum)の果実および/または果皮を、そのまま、あるいは必要に応じて、乾燥、破砕、粉砕処理等を行った後に抽出することにより得られる。抽出手段は特に限定されず、エタノール等の有機溶媒や水またはそれらの混合物を用いた撹拌・振盪・浸漬抽出法や、減圧水蒸気蒸留抽出法、二酸化炭素等の超臨界流体を用いた超臨界ガス抽出法等公知の抽出方法にて行なえばよい。具体的に山椒抽出物を浸漬抽出法で得る場合、その条件は0〜35℃で15分〜10時間である。
本発明の炭酸飲料における山椒の抽出物の含有量は、上記の通りであるが、より具体的には、例えば、ブリックス24程度のもので、0.001〜1%、好ましくは0.005〜0.5%、特に好ましくは0.005〜0.1%である。また、本発明の炭酸飲料には、この山椒の抽出物をカフェイン1質量部に対して通常0.045〜3.6質量部とし、好ましくは0.1〜0.5質量部とする。0.045質量部未満であると、カフェインの苦み低減効果が充分でないことがあるためであり、3.6質量部を超えると山椒の抽出物そのものの風味が強くなり、好ましくないことがある。
苦み低減物質のうち(b)のジンフレーバーは、蒸留酒であるジン(Gin)特有の風味を有するものである。ジンフレーバーとしては、一般に市販されているものを用いてもよいし、公知の処方(「最新 香料の辞典」、荒井綜一、小林彰夫、矢島泉、川崎通昭著、株式会社朝倉書店発行、525ページ 表7.86 ドライジンフレーバーの処方例)に基づいて調製したものを用いてもよい。
本発明で用いるジンフレーバーは0.5〜50%のオイルベースと50〜99.5%の溶剤成分から成り、通常、ジンフレーバーのオイルベースの主成分はジュニパーベリーオイルである。本発明の炭酸飲料には、このジンフレーバーをカフェインの1質量部に対して通常ジンフレーバー0.01〜500質量部とし、好ましくは0.3〜100質量部とする。ジンフレーバーの量が少ないと苦み低減効果が損なわれ、500質量部を超えると炭酸飲料全体の風味が損なわれることがある。
本発明の炭酸飲料には、上記した苦み低減物質を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい苦み低減物質の組み合わせは、花椒、山椒およびジンフレーバーである。
本発明の炭酸飲料のpHは、特に限定されず、例えば、2.5〜7.0である。風味の観点からは低pHであることが好ましく、更に好ましくはpH3.2〜4.4である。本発明の炭酸飲料のpH調整は、通常使用されるpH調整剤を使用することができる。具体的なpH調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、酢酸、マレイン酸、グルコン酸、アスパラギン酸、アジピン酸、グルタミン酸、フマル酸等の有機酸およびそれらの塩類、塩酸等の無機酸、水酸化ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
また、本発明の炭酸飲料には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分として、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類またはその塩類、生薬類、生薬抽出物類、ローヤルゼリー、トウガラシ抽出物等を適宜に配合することができる。
上記成分の中でも特に本発明の炭酸飲料にトウガラシ抽出物を配合した場合、トウガラシ抽出物の辛さも低減される。本発明の炭酸飲料におけるトウガラシ抽出物の含有量は、特に限定されないが、辛みを感じる量、例えば、カプサイシンの総量として炭酸飲料中に、一回の経口摂取量当たり0.0005mg以上、好ましくは0.0005mg〜0.5mgとなる量である。
更に、本発明の炭酸飲料には、本発明の効果を損なわない範囲で、抗酸化剤、着色料、香料、矯味剤、界面活性剤、増粘剤、安定剤、保存料、甘味料、酸味料等の添加物を適宜配合することができる。
なお、本発明の炭酸飲料は、従来カフェインの苦みを低減するために用いられてきた界面活性剤、乳化剤、ガム類を用いる必要はないのでこれらを実質的に含有しない飲料が好ましい。ここで実質的に含有しないとは、炭酸飲料における界面活性剤、乳化剤、ガム類の含有量がそれぞれ0.1%以下であることをいう。
本発明の炭酸飲料は、従来公知の方法により製造することができる。なお、炭酸飲料の製法には、プレミックス法とポストミックス法とがあるが、本発明においてはいずれを採用してもよい。具体的にプレミックス法は、まず、水、果汁等の飲用可能な液体に、カフェインおよび苦み低減物質を添加し、更に所望により前述した他の成分を添加して攪拌し、飲料原液を調製する。そして、必要に応じてpHの調整、希釈、加熱殺菌をしてから冷却した後、ガス圧が所定の範囲、例えば、0.2〜4.0kg/cmになるように炭酸ガスをガス封入(カーボネーション)、容器に充填して、殺菌する工程により炭酸飲料を製造することができる。また、ポストミックス法は、前記と同様の飲料原液に、必要に応じてpHの調整、加熱殺菌等をしたものを調製しておき、これをガス圧が上記範囲の炭酸水で希釈する工程により炭酸飲料を製造することができる。
以下に、実施例等を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
参 考 例 1
抽出物の調製:
月桂樹の葉の粉末1gに対し95%エタノールを6mlを加え、室温で2時間攪拌後、ろ紙で濾過して抽出物を得た(月桂樹抽出物:ブリックス20.3)。また、同様にして花椒の果実および果皮の抽出物(花椒抽出物:ブリックス23.3)、小荳蒄の種子の抽出物(小荳蒄抽出物:ブリックス20.9)、山椒の果実および果皮の抽出物(山椒抽出物:ブリックス23.8)、オレンジの皮の抽出物(オレンジピール抽出物:ブリックス20.7)、シナモン抽出物(ブリックス22.0)、ウコン抽出物(ブリックス21.6)、ガランガル抽出物(ブリックス21.0)を得た。小荳蒄水抽出物は小荳蒄の粉末1gに対し精製水10mlを加え、2時間還流抽出した後に放冷し、ろ紙で濾過して抽出物を得た(ブリックス1.8)。なお、山椒水抽出物については水蒸気蒸留して得られた市販品(ブリックス0.5)を用いた。これらの抽出物を以下の実施例および比較例で用いた。
実 施 例 1
炭酸飲料の調製:
下記表1に記載の処方および次の方法に従い炭酸飲料を調製した。まず、全量(100ml)の15%程度の水にカフェインを添加し、十分に攪拌した。次に、これにクエン酸、クエン酸ナトリウムおよび参考例1に示した苦み低減物質を添加した後、塩酸または水酸化ナトリウムでpHを調整し、全量の25%の濃度の飲料原液を調製した。最後にこの飲料原液に炭酸水を加えて全量とし、炭酸飲料を得た(製品1〜14)。また、苦み低減物質を添加しない炭酸飲料を対照とした(比較製品1)。
これらの炭酸飲料について、25〜40歳までの4人をパネルとして、試験液約20mLを服用し、調製直後のカフェインの苦みについて評価した。なお、一つのサンプルを評価した後は、前の試験液の味がなくなるまで水で口中をすすぎ、十分経過してから次の試験液の評価を行った。評価は絶対評価で行い、苦みが「非常に強い」を6点、「強い」を5点,「やや強い」を4点、「感じる」を3点、「やや弱い」を2点、「弱い」を1点、「非常に弱い」を0点とした7段階の評価で行った。結果を表1に、パネル4名の平均を評価点として示した。
Figure 0006161594
表1から明らかなように月桂樹抽出物、花椒抽出物、小荳蒄の抽出物(小荳蒄抽出物および小荳蒄水抽出物)または山椒の抽出物(山椒抽出物および山椒水抽出物)は、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減した。特に、山椒抽出物の苦み低減効果が大きかった。
実 施 例 2
炭酸飲料の調製:
下記表2に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(製品15〜18および比較製品2)。この炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表2にあわせて示した。
Figure 0006161594
表2から明らかなように月桂樹抽出物、花椒抽出物、小荳蒄抽出物または山椒抽出物は、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減した。
実 施 例 3
炭酸飲料の調製:
下記表3に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(製品19〜22および比較製品3)。これらの炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表3にあわせて示した。
Figure 0006161594
表3から明らかなように月桂樹抽出物、花椒抽出物、小荳蒄抽出物または山椒抽出物は、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減した。特に、山椒抽出物の苦み低減効果が大きかった。
実 施 例 4
炭酸飲料の調製:
下記表4に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(製品23〜26および比較製品4)。これらの炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表4にあわせて示した。
Figure 0006161594
表4から明らかなように月桂樹抽出物、花椒抽出物、小荳蒄抽出物または山椒抽出物は、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減した。特に、山椒抽出物は大きく苦味を低減した。
実 施 例 5
炭酸飲料の調製:
下記表5に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(製品27〜30および比較製品5)。これらの炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表5にあわせて示した。
Figure 0006161594
表5から明らかなように月桂樹抽出物、花椒抽出物、小荳蒄抽出物または山椒抽出物は、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減した。特に、山椒抽出物は大きく苦味を低減した。
比 較 例 1
炭酸飲料の調製:
下記表6に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(比較製品1、6〜10)。これらの炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表6にあわせて示した。
Figure 0006161594
表6から明らかなようにオレンジピール抽出物、シナモン抽出物、ウコン抽出物およびガランガル抽出物は、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減できなかった。
実 施 例 6
炭酸飲料の調製:
下記表7に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(製品31〜33および比較製品1)。これらの炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表7にあわせて示した。
Figure 0006161594
表7から明らかなようにジンフレーバーは、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減した。
実 施 例 7
炭酸飲料の調製:
下記表8に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(製品34〜37および比較製品3〜5、11)。これらの炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表8にあわせて示した。
Figure 0006161594
表8から明らかなようにジンフレーバーは、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減した。
比 較 例 2
炭酸飲料の調製:
下記表9に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(比較製品12〜14)。これらの炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表9にあわせて示した。
Figure 0006161594
表9から明らかなように、ウイスキーフレーバー、ラムフレーバーおよびウオッカフレーバーは、炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減できなかった。
実 施 例 8
炭酸飲料の調製:
下記表10に記載の処方を用いる以外は実施例1と同様にして炭酸飲料を調製した(製品38〜41および比較製品1)。これらの炭酸飲料について実施例1と同様にしてカフェインの苦みを評価し、その結果を表10にあわせて示した。
Figure 0006161594
表10から明らかなようにジンフレーバーは月桂樹抽出物、花椒抽出物、小荳蒄抽出物または山椒抽出物と組み合わせることにより相乗的に炭酸飲料におけるカフェインの苦みを低減した。
実 施 例 9
炭酸飲料の調製:
下記表11に記載の成分を全量の15%の水に溶解し、十分に攪拌した。次に、塩酸または水酸化ナトリウムでpHを3.8に調整し、全量の28%の濃度の飲料原液を調製した。最後にこの飲料原液に炭酸水を加えて全量(185ml)とし、190mlのアルミ缶に充填し、炭酸飲料を得た。
Figure 0006161594
*1:カフェイン含量99.7%
*2:カプサイシンの総含量0.14%
この炭酸飲料は、カフェインの苦みだけでなく、辛みを感じる量で添加されていたトウガラシの辛みも低減され、服用性が良好であった。
実 施 例 10
炭酸飲料の調製:
下記表12に記載の成分を全量の15%の水に溶解し、十分に攪拌した。次に、塩酸または水酸化ナトリウムでpHを3.8に調整し、全量の38%の濃度の飲料原液を調製した。最後にこの飲料原液に炭酸水を加えて全量(185ml)とし、190mlのアルミ缶に充填し、炭酸飲料を得た。
Figure 0006161594
この炭酸飲料は、カフェインの苦みだけでなく、辛みを感じる量で添加されていたトウガラシの辛みも低減され、服用性が良好であった。
本発明の炭酸飲料はカフェインを含有しているにもかかわらず苦みが低減されているので、カフェインの有する健康効果を得るのに好適である。

Claims (4)

  1. カフェインを0.027〜0.1W/V%と、山椒の抽出物をカフェイン1質量部に対して0.1〜3.6質量部含有し、pHが2.5〜4.4であることを特徴とする炭酸飲料。
  2. 山椒の抽出物を0.001〜0.1W/V%含有する請求項に記載の炭酸飲料。
  3. 山椒の抽出物を0.005〜0.049W/V%含有する請求項1に記載の炭酸飲料。
  4. カフェインを0.01〜1W/V%含有し、pHが2.5〜4.4である炭酸飲料に、山椒の抽出物を配合することを特徴とするカフェインを含有する炭酸飲料の苦み低減方法。
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