JP2020162511A - カフェイン及びアブシンチンを含有する飲料 - Google Patents

カフェイン及びアブシンチンを含有する飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】飲料中のカフェインを低減又は除去することなく、カフェインに起因する不快な苦味が抑制された飲料を提供する。【解決手段】200mg/100mL以下又は100mg/100mL以下のカフェインを含有する飲料に対して、特定量のアブシンチンを配合する。【選択図】なし

Description

本発明は、カフェイン及びアブシンチンを含有する飲料に関する。より詳しくは、カフェインの含有量が特定の範囲内にあり、アブシンチンの含有量が特定の範囲内にある飲料、前記飲料の製造方法、及び飲料におけるカフェインの苦味を抑制する方法に関する。
茶飲料やコーヒー飲料などに苦味成分として含まれるカフェインは、飲料中にある程度存在することで飲用時に心地よい刺激となる一方、その含有量によっては過度な苦味の原因となることがある。また、カフェインは覚醒効果など重要な機能成分の一つであることから、これを低減又は除去してしまうと、本来、茶飲料やコーヒー飲料が有している機能が損なわれてしまうという問題がある。そこで、カフェインを低減又は除去することなく、カフェインに起因する過度の苦味を抑制する技術が検討されてきた。例えば、カフェインを含有する組成物にガティガム、プルラン、アラビアガム及び大豆多糖類からなる少なくとも1種を配合することを特徴とするカフェインの苦味抑制方法が知られている(特許文献1)。また、コーヒーの苦味を低減させる方法としては、α−ガラクトオリゴ糖を使用する方法(特許文献2)、へスペリジン配糖体を使用する方法(特許文献3)などが知られている。特にエスプレッソのような苦味の顕著なコーヒー飲料の苦味を低減させる方法として、カリウム塩を使用する方法が知られている(特許文献4)。
特開2011−078363号公報 特開2003−250486号公報 特開平11−318379号公報 特開2010−119386号公報
本発明においては、カフェイン由来の不快な苦味が抑制された飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、セスキテルペンラクトンの一種であるアブシンチンの利用に着目した。まず、本発明者らは、アブシンチンを単独で飲料に用いた場合には、後引きの心地よい良好な苦味を呈することを見出した。アブシンチンはニガヨモギにおける主な苦味成分であることが知られており、ニガヨモギは古くからワインや蒸留酒の香味付けに使われ親しまれてきた。一方で、カフェインを単独で飲料に用いた場合には、前立ちの不快な苦味を呈することが分かった。しかし、驚くべきことに、本発明者らは一定量のカフェインを含有する飲料に対して、前述の通り後引きの苦味を有するアブシンチンを一定量配合することで、カフェインの不快な苦味を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に関するが、これらに限定されない。
(1)カフェイン及びアブシンチンを含有し、カフェインの含有量及びアブシンチンの含有量が以下の条件(a)又は(b):
(a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
(b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
を満たす、飲料。
(2)カフェインの含有量が1mg/100mL以上である、(1)に記載の飲料。
(3)アブシンチンがニガヨモギ抽出物に由来するものである、(1)又は(2)に記載の飲料。
(4)コーヒー飲料である、(1)〜(3)のいずれか1に記載の飲料。
(5)緑茶飲料である、(1)〜(3)のいずれか1に記載の飲料。
(6)紅茶飲料である、(1)〜(3)のいずれか1に記載の飲料。
(7)烏龍茶飲料である、(1)〜(3)のいずれか1に記載の飲料。
(8)容器詰め飲料である、(1)〜(7)のいずれか1に記載の飲料。
(9)カフェイン及びアブシンチンを含有する飲料の製造方法であって、以下の条件(a)又は(b):
(a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
(b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
を満たすようにカフェインの含有量及びアブシンチンの含有量を調整する工程を含む、上記製造方法。
(10)飲料におけるカフェインの苦味を抑制する方法であって、以下の条件(a)又は(b):
(a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
(b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
を満たすようにカフェインの含有量及びアブシンチンの含有量を調整する工程を含む、上記方法。
本発明によると、カフェインに起因する不快な苦味が抑制された飲料を得ることができる。また、本発明によれば、アブシンチンに由来する良好な後引きの苦味を有する飲料を得ることができる。さらに、本発明では、カフェイン特有の前立ちの不快な苦味とアブシンチン特有の後引きの良質な苦味のバランスが良く、好ましい味わいを有する飲料を実現することができる。加えて、本発明を利用することにより、飲料中のカフェインに起因する不快な苦味を抑制することができる。
1.飲料
本発明の一態様は、カフェイン及びアブシンチンを含有し、カフェインの含有量が特定の範囲内にあり、アブシンチンの含有量が特定の範囲内にある飲料である。カフェイン及びアブシンチンの含有量は、以下の条件(a)又は(b):
(a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
(b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
を満たす。
1−1.カフェイン
本発明の飲料におけるカフェインの含有量は、200mg/100mL以下または100mg/100mL以下である。カフェインの含有量が200mg/100mLを超えると、アブシンチンによるカフェインの苦味抑制効果が得られにくくなる場合がある。本発明の飲料におけるカフェインの含有量の下限値は、飲料100mLに対して1mg以上が好ましい。本発明の飲料におけるカフェインの含有量は、条件(a)において、典型的には1〜200mg/100mL、好ましくは5〜200mg/100mL、より好ましくは10〜200mg/100mLであり、条件(b)において、典型的には1〜100mg/100mL、好ましくは5〜100mg/100mL、より好ましくは10〜100mg/100mLである。なお、条件(a)において、カフェインの含有量は150mg/100mL以下、又は100mg/100mL以下であってもよい。
カフェインの含有量は公知の方法で測定することができ、例えばHPLC法、LC−MS法、GC−MS法、LC法、GC法、近赤外線法などの分光法などにより測定することができる。
飲料中のカフェインの含有量の調整方法は特に限定されず、カフェインを含有する原料(飲食品や植物など)を配合すること、当該原料から抽出又は精製したカフェインを配合すること、或いは有機合成したカフェインを配合することなどによって調整することが出来る。例えば、飲食品に配合することができる精製品(カフェイン含量98.5%以上の製品など)や、粗精製品(カフェイン含量50%〜98.5%の製品など)の他、カフェインを含有する植物(茶葉、コーヒー豆など)の抽出物又はその濃縮物を、本発明においてカフェインを含有する原料として用いてもよい。本発明では、市販品若しくは合成品のカフェイン、又はカフェインを含有する原料の一種のみを用いてもよく、或いはそれらの二種以上を組み合わせて用いてもよい。
1−2.アブシンチン
アブシンチンは、セスキテルペンラクトンの一種であり、2つの同一なモノマーが、グアイアノリドの5員環とアルケンとのディールス・アルダー反応によって構築された構造を有する化合物である。
アブシンチンは、ニガヨモギ抽出物に含まれる苦味成分であることが知られている。ニガヨモギはキク科ヨモギ属の多年草であり、その葉や枝は健胃薬や駆虫薬として用いられることがある。また、ニガヨモギ抽出物は、清涼飲料水やリキュールなどに香り付けを行うために使われることもあり、向精神作用を有するツヨンを除いたニガヨモギ抽出物(ニガヨモギエキス)は食品添加物として認可されている。アブシンチンは市販のサントニンを出発原料として全合成される。また、アブシンチンはニガヨモギにおいて生合成されるが、その経路は明らかにされていない。
本発明で用いるアブシンチンは、当該分野で公知の方法に従って調製することができる。例えば、形質転換体を用いる方法(特開2016−154502)や、化学合成を用いる方法(B. Bach et al Food Chemistry 213, 2016, 813-817)に従って調製することもできる。一方、キク科ニガヨモギ(Artemisia absinthium L.)の全草より、水又は室温時エタノールで抽出することで天然物としての調製もできる。ニガヨモギ抽出物の調製方法は特に限定されないが、例えば、乾燥したニガヨモギ全草を、30〜120℃の水、食品の製造に許容される溶媒(エタノール等の有機溶媒)又はこれらの混合物で抽出することによって得ることができる。水と有機溶媒との混合物としては、例えば40〜60%エタノール等が挙げられる。また、抽出処理に関する温度や時間は特に限定されず、例えば室温で3〜12時間かけて抽出を行うことができる。本発明で用いるアブシンチンは、化学的又は生理的に合成されたものであってもよいし、或いは植物から得られたものであってもよい。
本発明の飲料におけるアブシンチンの含有量は、0.004〜0.2mg/100mLである。アブシンチンの含有量が0.2mg/100mLを超えると、アブシンチンの苦味が強くなりすぎて、飲用に適さなくなる場合がある。本発明の飲料におけるアブシンチンの含有量は、条件(a)において、0.006〜0.2mg/100mL、好ましくは0.01〜0.2mg/100mL、より好ましくは0.02〜0.2mg/100mLであり、条件(b)において、0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満、好ましくは0.0045〜0.006mg/100mL、より好ましくは0.005〜0.006mg/100mLである。
アブシンチンの含有量は公知の方法で測定することができ、例えば、LC−MS/MS法などにより測定することができる。
本発明においては、飲料中のアブシンチンの含有量が前記の範囲内にあれば、アブシンチンの含有量の調整方法は特に限定されない。例えば、市販品のアブシンチンを用いること、形質転換体を用いる方法や化学合成法により製造された合成品のアブシンチンを用いること、或いはアブシンチンを含む植物であるニガヨモギの抽出物を用いることなどによってアブシンチンの含有量を調整することができる。また、本発明では、市販品若しくは合成品のアブシンチン、又はアブシンチンを含むニガヨモギ抽出物の一種のみを用いてもよく、或いはそれらの二種以上を組み合わせて用いてもよい。
1−5.飲料の種類
本発明の一態様は、カフェインの含有量が特定の範囲内にあり、アブシンチンの含有量が特定の範囲内にある飲料である。飲料の種類は特に限定されないが、例えば、茶飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、炭酸飲料、果実飲料、野菜飲料、スポーツ飲料、乳性飲料、アルコール飲料、栄養飲料、機能性飲料、ニアウォーター系飲料、ゼリー飲料などが挙げられる。本発明において好ましい飲料としては、例えば、緑茶、烏龍茶、杜仲茶、ほうじ茶、ブレンド茶、麦茶、マテ茶、ジャスミン茶、紅茶などの茶飲料及びコーヒー飲料が挙げられ、緑茶飲料又はコーヒー飲料が特に好ましい。なお、本明細書において、茶飲料とは、茶葉抽出物を主成分として含有する飲料を意味し、コーヒー飲料とは、コーヒー豆の抽出物を主成分として含有する飲料を意味する。
1−6.他の成分
本発明の飲料は、上記に示した各種成分のほか、各種添加剤等が配合されていてもよい。各種添加剤としては、例えば、上記以外の糖類等の甘味料、酸味料、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、食物繊維、pH調整剤、品質安定剤等が挙げられる。
1−7.容器詰め飲料
本発明の飲料は、上述した成分を適宜配合することにより製造することができる。また、本発明の飲料は、必要に応じて殺菌等の工程を経て、容器詰め飲料とされる。例えば、飲料を容器に充填した後に加熱殺菌等を行う方法や、飲料を殺菌してから無菌環境下で容器に充填する方法により、殺菌された容器詰め飲料を製造することができる。
容器の種類は特に制限されず、例えば、ペットボトルなどの樹脂製容器、紙パックなどの紙容器、ガラス瓶などのガラス容器、アルミ缶やスチール缶などの金属製容器、アルミパウチなど、通常、飲料に用いられる容器であればいずれも用いることができる。
2.飲料の製造方法
本発明の別の態様では、本発明は、カフェイン及びアブシンチンを含有する飲料の製造方法であって、以下の条件(a)又は(b):
(a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
(b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
を満たすようにカフェインの含有量及びアブシンチンの含有量を調整する工程を含む、上記製造方法である。
本発明で製造される飲料の種類は、前述の通りであり、好ましくは緑茶飲料又はコーヒー飲料である。
本発明の飲料の製造方法には、飲料に通常配合する添加剤等を配合する工程や、飲料を容器詰めする工程を含めることもできる。なお、添加剤や容器の種類は上記した通りであり、容器詰めの方法については公知の方法を用いることができる。
3.カフェインの苦味を抑制する方法
本発明の別の態様は、飲料におけるカフェインの苦味を抑制する方法であって、以下の条件(a)又は(b):
(a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
(b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
を満たすようにカフェインの含有量及びアブシンチンの含有量を調整する工程を含む、上記方法である。
本発明の方法における飲料の種類は、前述の通りであり、好ましくは緑茶飲料又はコーヒー飲料である。
さらに、前記方法では、飲料に通常配合する添加剤等を配合する工程や、飲料を容器詰めする工程を含めることもできる。なお、カフェイン及びアブシンチンの含有量の調整方法や、それらの含有量範囲などについては、前記した通りである。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
飲料中のカフェインの含有量とアブシンチンの含有量を様々に変えてサンプル飲料を調製し、それぞれについて官能評価試験を行った。各サンプル飲料の調製方法及び官能評価試験の方法を以下に示す。
<サンプル飲料1〜6>
飲料水をベースにして、カフェイン及びアブシンチンが以下の濃度になるように飲料水に添加してサンプル飲料1〜6を調製した。
・サンプル飲料1:
カフェイン50mg/100mL、アブシンチン0.004mg/100mL
・サンプル飲料2:
カフェイン100mg/100mL、アブシンチン0.004mg/100mL
・サンプル飲料3:
カフェイン100mg/100mL、アブシンチン0.005mg/100mL
・サンプル飲料4:
カフェイン125mg/100mL、アブシンチン0.005mg/100mL
・サンプル飲料5:
カフェイン125mg/100mL、アブシンチン0.006mg/100mL
・サンプル飲料6:
カフェイン200mg/100mL、アブシンチン0.006mg/100mL
なお、アブシンチンの濃度を調整する上では、0.2mg/mLのアブシンチンを含むニガヨモギ抽出物を用いた。カフェインは、食品添加物基準の精製品(カフェイン含量98%以上)を使用した。
<サンプル飲料7〜10>
市販のコーヒー飲料又は茶飲料に対してカフェイン及びアブシンチンを添加して、飲料中のカフェインの濃度が100mg/100mL、アブシンチンの濃度が0.01もしくは0.02mg/100mLになるようにサンプル飲料7〜10を調製した。各サンプル飲料のカフェイン及びアブシンチンの濃度、並びにベース飲料の種類を以下に示す。
・サンプル飲料7:
カフェイン100mg/100mL、アブシンチン0.02mg/100mL、コーヒー
・サンプル飲料8:
カフェイン100mg/100mL、アブシンチン0.01mg/100mL、緑茶
・サンプル飲料9:
カフェイン100mg/100mL、アブシンチン0.01mg/100mL,紅茶
・サンプル飲料10:
カフェイン100mg/100mL、アブシンチン0.01mg/100mL、烏龍茶
サンプル飲料1〜6と同様に、アブシンチンの濃度を調整する上ではニガヨモギ抽出物を使用し、カフェインは食品添加物基準の精製品を使用した。
<官能評価試験>
サンプル飲料1〜10について、専門パネラー3名による官能評価試験を実施した。具体的には、専門パネラーごとに下記基準に基づいて○もしくは×でマスキング効果を調べた。
(官能評価の基準)
○:カフェイン由来の苦味がマスキングされている。
×:カフェイン由来の苦味がマスキングされていない。
官能評価試験の結果を表1に示す。なお、カフェイン単独では1〜200mg/100mLの範囲、アブシンチン単独では0.004〜0.2mg/100mLの範囲で飲用可能な苦味を呈した。
Figure 2020162511
表1の結果から、200mg/100mLのカフェインの苦味は、0.006mg/100mLのアブシンチンによりマスキングされることが明らかとなった。上記の結果から、飲料中のアブシンチン含有量を0.006〜0.2mg/100mLとすることによって、カフェイン含有量が1〜200mg/100mLの飲料において、カフェインの苦味を十分にマスキングできることが示唆された。また、カフェイン含有量が1〜100mg/100mLの飲料においては、飲料中のアブシンチン含有量を0.004〜0.006mg/100mLとすることによって、十分にカフェインの苦味をマスキングする効果が得られることが示唆された。
一方、飲料中のアブシンチン含有量が0.005mg/100mLの場合には、カフェイン含有量が125mg/100mLの飲料においてマスキング作用を発揮しない為、アブシンチン含有量が0.005mg/100mL以下の時にはカフェインの苦味マスキング作用の範囲が限定されることが示唆された。
表1に示された通り、カフェイン及びアブシンチンの濃度が所定の範囲内となることによって、カフェインの苦味を感じることなく飲料を飲用できることが明らかとなった。さらに、市販のコーヒー飲料又は茶飲料をベースとした場合にも本発明の効果が得られることが示された。従って、本発明によると、飲料中のカフェイン含有量とアブシンチン含有量とを本発明の範囲内に調整することで、カフェインに起因する不快な苦味が抑制された飲料を実現できることが明らかとなった。
本発明は、カフェインに起因する不快な苦味が抑制された、良好な味わいを有する飲料を調製する新たな手段を提供するものであるため、産業上の利用性が高い。

Claims (10)

  1. カフェイン及びアブシンチンを含有し、カフェインの含有量及びアブシンチンの含有量が以下の条件(a)又は(b):
    (a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
    (b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
    を満たす、飲料。
  2. カフェインの含有量が1mg/100mL以上である、請求項1に記載の飲料。
  3. アブシンチンがニガヨモギ抽出物に由来するものである、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. コーヒー飲料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
  5. 緑茶飲料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
  6. 紅茶飲料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
  7. 烏龍茶飲料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
  8. 容器詰め飲料である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の飲料。
  9. カフェイン及びアブシンチンを含有する飲料の製造方法であって、以下の条件(a)又は(b):
    (a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
    (b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
    を満たすようにカフェインの含有量及びアブシンチンの含有量を調整する工程を含む、上記製造方法。
  10. 飲料におけるカフェインの苦味を抑制する方法であって、以下の条件(a)又は(b):
    (a)カフェインの含有量が200mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.006mg/100mL以上0.2mg/100mL以下である;又は
    (b)カフェインの含有量が100mg/100mL以下であり、アブシンチンの含有量が0.004mg/100mL以上0.006mg/100mL未満である;
    を満たすようにカフェインの含有量及びアブシンチンの含有量を調整する工程を含む、上記方法。
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