JP6159628B2 - 被覆管の製造方法、その製造方法によって得られる被覆管および被覆鋼材 - Google Patents
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Description
に関する。
これに関連した従来法として、例えば特許文献1、2に記載の方法が挙げられる。
本発明は次の(1)〜(7)である。
(1)金属管の内面に、2液反応型樹脂塗料を塗布してなる防食塗膜層と、
2液反応型ポリウレタンエラストマー材料からなるウレタン樹脂層と、
分子量が100万〜1,000万である超高分子量ポリエチレンを主成分とする超高分子量ポリエチレン層と、を有する被覆管。
(2)鋼材の表面に、2液反応型樹脂塗料を塗布してなる防食塗膜層と、2液反応型ポリウレタンエラストマー材料からなるウレタン樹脂層と、
分子量が100万〜1,000万である超高分子量ポリエチレンを主成分とする超高分子量ポリエチレン層と、を有する被覆鋼材。
(3)内径がRである金属管の内面に、2液反応型樹脂塗料を塗布して防食塗膜層を形成する防食塗装工程と、
外径がr(r<R)であり、分子量が100万〜1,000万である超高分子量ポリエチレンを主成分とする超高分子量ポリエチレン管の外面に酸化処理を施した後、前記金属管の管内へ前記超高分子量ポリエチレン管を挿入する酸化・挿入工程と、
前記金属管の内面と前記超高分子量ポリエチレン管の外面との隙間に、2液反応型ポリウレタンエラストマー材料を流し込んでウレタン樹脂層を形成するウレタン樹脂層形成工程と、を備え、
前記金属管の内面に、前記防食塗膜層、前記ポリウレタンエラストマー材料からなるウレタン樹脂層、および前記超高分子量ポリエチレンからなる超高分子量ポリエチレン層を有する被覆管が得られる、被覆管の製造方法。
(4)前記ポリウレタン塗料のB型回転粘度計によって測定する粘度が5000mPa・s/25℃以下である、上記(3)に記載の被覆管の製造方法。
(5)R−rが1〜20mmである、上記(3)または(4)に記載の被覆管の製造方法。
(6)前記超高分子量ポリエチレン管が、その外面に複数の突起部を有し、前記金属管の管内へ前記超高分子量ポリエチレン管を挿入した際に、前記金属管の中心軸と前記超高分子量ポリエチレン管の中心軸とが一致するように構成されている、上記(3)〜(5)のいずれかに記載の被覆管の製造方法。
(7)前記酸化・挿入工程における酸化処理が、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、化学的エッチング処理およびUV処理からなる群から選ばれる少なくとも1つである、上記(3)〜(6)のいずれかに記載の被覆管の製造方法。
本発明は、内径がRである金属管の内面に、2液反応型樹脂塗料を塗布して防食塗膜層を形成する防食塗装工程と、外径がr(r<R)であり、分子量が100万〜1,000万である超高分子量ポリエチレンを主成分とする超高分子量ポリエチレン管の外面に酸化処理を施した後、前記金属管の管内へ前記超高分子量ポリエチレン管を挿入する酸化・挿入工程と、前記金属管の内面と前記超高分子量ポリエチレン管の外面との隙間に、2液反応型ポリウレタンエラストマー材料を流し込んでウレタン樹脂層を形成するウレタン樹脂層形成工程と、を備え、前記金属管の内面に、前記防食塗膜層、前記2液反応型ポリウレタンエラストマー材料からなるウレタン樹脂層、および前記超高分子量ポリエチレンからなる超高分子量ポリエチレン層を有する被覆管が得られる、被覆管の製造方法である。
このような被覆管の製造方法を、以下では「本発明の方法」ともいう。
このような被覆管を、以下では「本発明の被覆管」ともいう。
このような被覆鋼材を、以下では「本発明の被覆鋼材」ともいう。
防食塗装工程について説明する。
防食塗装工程では、初めに、金属管を用意する。
金属管の大きさ、材質等は特に限定されない。例えばアルミニウム管であってよいが、鋼やステンレスからなる鋼管であることが好ましい。なお、本発明の方法において金属管は金属バルブを含むものとする。
2液反応型樹脂塗料は防食性能を備える膜を形成することができるものであれば特に限定されず、エポキシ系の2液反応型樹脂塗料を好ましく用いることができる。
2液反応型樹脂塗料は、塗料の主剤として1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ当量が250未満のビスフェノール型液状エポキシ樹脂を100重量部、応力改質剤としてモノグリシジルエーテルを7〜15重量部、顔料として80〜120重量部、溶剤として5〜30重量部、の割合で配合した塗料ベース剤に、イソホロンジアミンをベースとした変性アミン硬化剤を配合して使用するエポキシ樹脂塗料組成物であることが好ましい。
酸化・挿入工程について説明する。
酸化・挿入処理工程では、初めに、超高分子量ポリエチレンを主成分とする超高分子ポリエチレン管を用意する。
ここで、Rとrとの差(R−r)が1〜20mmであることが好ましく、1〜10mmであることがより好ましく、2〜7mmであることがより好ましく、2〜3mmであることがさらに好ましい。
このような好ましい態様の超高分子量ポリエチレン管について図1〜3を用いて説明する。
なお、図1〜3に示すように、外面に突起部3を有する超高分子量ポリエチレン管1の場合、その外径(r)は、突起部を含まない(突起部がないと仮定した)外径を意味するものとする。
なお、金属管10の中心軸と超高分子量ポリエチレン管1の中心軸とは完全に一致することは困難であり、略一致すれば、上記のような効果を奏する。
尚、超高分子量ポリエチレン管が有する前記突起部は、超高分子量ポリエチレン管を製造する際に当該管製造に用いる超高分子量ポリエチレンと同一の材料で当該管外面に一体的に形成させる方法、若しくは予め成形した超高分子量ポリエチレン管体外面に前記ウレタン樹脂層の被覆に用いた2液反応型ウレタンエラストマー材料と同一の材料に依る成形体を貼り付ける方法の、何れかに依って成形させることができる。
酸化処理は、超高分子量ポリエチレン管の外面(表面)を酸化することができる処理であれば特に限定されず、酸化処理が、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、化学的エッチング処理およびUV処理からなる群から選ばれる少なくとも1つを好適例として挙げられる。これらの中でもプラズマ処理が好ましい。
ウレタン樹脂層形成工程について説明する。
ウレタン樹脂層形成工程では、前記金属管の内面と前記超高分子量ポリエチレン管の外面との隙間に、2液反応型ポリウレタンエラストマー材料を流し込んでウレタン樹脂層を形成する。
主剤として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネート等が挙げられる。
硬化剤として、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートが挙げられる。
ここで、多価アルコールとして、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオールなどが挙げられる。
多塩基性カルボン酸として、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
多価アミンとして、ジエチルトルエンジアミンが好適例として挙げられる。
鋼板(SS400)の表面に、エポキシ樹脂塗料(EP−4000、日塗化学株式会社製)を500μmの厚さの膜厚となるように塗布し、防食塗膜層を形成した。
次に、その上に、2液反応型ポリウレタンエラストマ―材料を塗布してウレタン樹脂層を形成した。この2液反応型ポリウレタンエラストマ―材料の粘度は50mPa・s、数平均分子量は1300、ポットライフは30分である。2液反応型ポリウレタンエラストマ―材料は、形成されるウレタン樹脂層の層厚が1.5mmの厚さとなるように塗布した。
次に、その上に、超高分子量ポリエチレン層として、厚さ6mmの板(RU1000、ナック・ケイ・エス株式会社製)を重ね合わせた。なお、この超高分子量ポリエチレン層(超高分子量ポリエチレンからなる板)における、前記ウレタン樹脂層と接する側の主面に、事前にプラズマ処理を施した。プラズマ処理は、プラズマシャワー照射装置(PS−601SW、ウェッジ株式会社製)を用い、電圧10kV、クリアランス10mm、送り速度5m/min、処理回数3回という条件で行った。
このようにして得られた、鋼板の主面上に、防食塗膜層、ウレタン樹脂層および超高分子量ポリエチレン層が形成されたものを、以下では試験片1とする。
実施例1では鋼板の表面に防食塗膜層およびウレタン樹脂層をこの順に形成したが、比較例1では防食塗膜層を形成せず、さらにウレタン樹脂層の代わりにエポキシ樹脂塗料を塗布した。具体的には、実施例1で用いたものと同じ鋼板の表面に、2液反応型エポキシ樹脂塗料を2mmの厚さの膜厚となるように塗布した。
次に、その上に、実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン層として、厚さ6mmの超高分子量ポリエチレンからなる板を重ね合わせた。なお、実施例1と同様のプラズマ処理を施したものである。
このようにして得られた、鋼板の主面上に、エポキシ樹脂からなる層および超高分子量ポリエチレン層が形成されたものを、以下では試験片11とする。
実施例1では鋼板の表面に防食塗膜層およびウレタン樹脂層をこの順に形成したが、比較例2では防食塗膜層を形成せず、さらにウレタン樹脂層の代わりにエポキシ樹脂塗料を塗布した。具体的には、実施例1で用いたものと同じ鋼板の表面に、2液反応型注入用エポキシ樹脂塗料を2mmの厚さの膜厚となるように塗布した。
次に、その上に、実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン層として、厚さ6mmの超高分子量ポリエチレンからなる板を重ね合わせた。なお、実施例1と同様のプラズマ処理を施したものである。
このようにして得られた、鋼板の主面上に、エポキシ樹脂からなる層および超高分子量ポリエチレン層が形成されたものを、以下では試験片12とする。
実施例1では鋼板の表面に防食塗膜層およびウレタン樹脂層をこの順に形成し、さらに超高分子量ポリエチレン層を形成したが、比較例3では超高分子量ポリエチレン層を形成せず、それ以外は実施例1と同様として試験片を形成した。具体的には、鋼板(SS400)の表面にウレタン樹脂層を形成し、さらに超高分子量ポリエチレン層を形成した。
このようにして得られた、鋼板の主面上に防食塗膜層およびウレタン樹脂層が形成されたものを、以下では試験片13とする。
実施例1では超高分子量ポリエチレン層のウレタン樹脂層と接する側の主面に、事前にプラズマ処理を施したが、比較例4ではプラズマ処理を施さず、アセトン脱脂洗浄のみを行った。それ以外は実施例1と同様として試験片を形成した。
このようにして得られた、鋼板の主面上に防食塗膜層、ウレタン樹脂層および超高分子量ポリエチレン層が形成されたものを、以下では試験片14とする。
各試験片の主面に直線状の切れ込みを複数入れた。各切れ込みは略平行であって約20mmの間隔となるように形成した。次に、直線状の切れ込みに対してたがねの刃を垂直に押し当て、たがねの端部をハンマーでたたき、鋼板上の皮膜等を直線状の切れ込みに沿って引き剥がした。そして、鋼板上の皮膜等が容易に剥がれるか否かについて試験した。
結果を第1表に示す。
耐摩耗試験について図4を用いて説明する。
図4に示すように、2.5m上から砕石11(砕石3号(30〜50mm))を、アクリル管13(断面直径:20cm)を用いて、各試験片15に対して衝突角度30度で投下し、摩耗重量を測定した。具体的には、50kgの砕石を投下する操作を4回行い、累積での砕石の投下量が200kgである場合の摩耗量を測定した。
結果を第1表に示す。
上記の耐摩耗試験を行った後の各試験片の表面を観察し、鋼板上の被膜の剥離によるふくれ、浮上りや色の変化の有無を確認した。そして、鋼板上の皮膜等が容易に剥がれるか否かについて試験した。
結果を第1表に示す。
3 突起部
10 金属管
11 砕石
13 アクリル管
15 試験片
Claims (5)
- 内径がRである金属管の内面に、防食塗料を塗布して防食塗膜層を形成する防食塗装工程と、
外径がr(r<R)であり、分子量が100万〜1,000万である超高分子量ポリエチレンを主成分とする超高分子量ポリエチレン管の外面に酸化処理を施した後、前記金属管の管内へ前記超高分子量ポリエチレン管を挿入する酸化・挿入工程と、
前記金属管の内面と前記超高分子量ポリエチレン管の外面との隙間に、2液反応型ポリウレタンエラストマー材料を流し込んでウレタン樹脂層を形成するウレタン樹脂層形成工程と、を備え、
前記金属管の内面に、前記防食塗膜層、前記2液反応型ポリウレタンエラストマー材料からなるウレタン樹脂層、および前記超高分子量ポリエチレンからなる超高分子ポリエチレン層を有する被覆管が得られる、被覆管の製造方法。 - 前記2液反応型ポリウレタンエラストマー材料のB型回転粘度計によって測定する粘度が5000mPa・s/25℃以下である、請求項1に記載の被覆管の製造方法。
- R−rが1〜20mmである、請求項1または2に記載の被覆管の製造方法。
- 前記超高分子量ポリエチレン管が、その外面に複数の突起部を有し、前記金属管の管内へ前記超高分子量ポリエチレン管を挿入した際に、前記金属管の中心軸と前記超高分子量ポリエチレン管の中心軸とが一致するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆管の製造方法。
- 前記酸化・挿入工程における酸化処理が、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、化学的エッチング処理およびUV処理からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆管の製造方法。
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