JPH11157005A - 接着強度の高い樹脂フィルムラミネート金属板 - Google Patents

接着強度の高い樹脂フィルムラミネート金属板

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JPH11157005A
JPH11157005A JP32552697A JP32552697A JPH11157005A JP H11157005 A JPH11157005 A JP H11157005A JP 32552697 A JP32552697 A JP 32552697A JP 32552697 A JP32552697 A JP 32552697A JP H11157005 A JPH11157005 A JP H11157005A
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JP
Japan
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weight polyethylene
film
molecular weight
metal plate
polyethylene resin
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JP32552697A
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Koji Mori
浩治 森
Kenichi Okubo
謙一 大久保
Kenji Koshiishi
謙二 輿石
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種加工によってもフィルム剥離等が生じる
ことなく、超高分子量ポリエチレン樹脂の優れた摺動性
や耐摩耗性が活用されるラミネート金属板を提供する。 【構成】 金属板表面に接着剤層を介して超高分子量ポ
リエチレン樹脂フィルムが積層されたラミネート金属板
であり、超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムとしてコ
ロナ放電処理によって接着剤層に接する面がJIS K
6768の濡れ指数で38dyne/cm以上の表面張
力をもつフィルムが使用され、接着剤層がポリオール樹
脂の−OH基に対するイソシアネートの−NCO基の比
率が3〜15に調整されたポリオール樹脂とイソシアネ
ートからなる接着剤で形成されている。下地金属板と接
着剤層との間には、ポリエステル樹脂系,高分子ポリエ
ステル樹脂系,エポキシ樹脂系等のプライマー層を形成
してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動販売機内部のディ
ストリビュータ,エスカレータの側壁下部,郵便物配送
センターの荷物分配設備部材等の摺動部材として使用さ
れ、自己摺動性及び耐摩耗性に優れたフィルムラミネー
ト金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以
下、PTFEという),フェノール樹脂,アセタール樹
脂等は、環境悪化の原因となるオイルを必要としない自
己摺動性材料として各種分野で使用されている。たとえ
ば、PTFE粉末を分散した塗料をポストコートしたス
テンレス鋼板がエスカレータの側壁下部に、PTFE削
出しシートを粘着剤で張り付けた鋼板が郵便物配送セン
ターの荷物分配シュータに使用されている。また、PT
FEをも上回る自己摺動性をもつ材料として、超高分子
量ポリエチレン樹脂が知られている。超高分子量ポリエ
チレン樹脂とは、通常分子量が数百万で100℃以上の
融点をもつポリエチレンをいう。超高分子量ポリエチレ
ン樹脂は、通常の押出し成形や射出成形によって成形す
ることが難しく、PTFEと同様に圧縮成形材を切り出
す方法,極限粘度が超高分子量ポリエチレン樹脂よりも
低いポリエチレン樹脂を超高分子量ポリエチレン樹脂に
配合したオレフィン樹脂組成物を押出し成形する方法
(特開平1−272646号公報)等によってフィルム
化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、超高分子量ポ
リエチレン樹脂は、フッ素樹脂と同様に難接着性プラス
チックであるポリオレフィン樹脂であることから、フィ
ルムの接着に有効な手段が開発されていない。たとえ
ば、特開昭62−45634号公報では、超高分子量ポ
リエチレン成形体の表面に不飽和エポキシド化合物を塗
布した後、プラズマ放電処理によって接着性を改善して
いる。しかし、プラズマ放電処理は、減圧下で操作され
る専用の設備を必要とし、工程数も複雑になるため、コ
ストや生産性の面から実用的な改質方法とはいえない。
【0004】また、特開昭61−26632号公報は、
有機過酸化物を配合した未加硫ゴムを超高分子量ポリエ
チレンと金属との間に配置し、超高分子量ポリエチレン
の軟化点以上に加熱して加硫接着することを提案してい
る。しかし、加硫接着条件として30分間程度の接着時
間が必要であるため、一般的な連続式樹脂フィルムラミ
ネート鋼板製造設備に適用できない。本発明は、このよ
うな問題を解消すべく案出されたものであり、コロナ放
電処理で発生したヒドロペルオキシ基に硬化剤のイソシ
アネートが効率よく反応するように過剰量のイソシアネ
ートを配合した接着剤で超高分子量ポリエチレン樹脂を
接着することにより、各種加工によってもフィルム剥離
等が生じない優れた接着強度をもち、超高分子量ポリエ
チレン樹脂の優れた摺動性や耐摩耗性が活用される樹脂
フィルムラミネート金属板を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂フィルムラ
ミネート金属板は、その目的を達成するため、金属板表
面に接着剤層を介して超高分子量ポリエチレン樹脂フィ
ルムが積層されたラミネート鋼板であり、超高分子量ポ
リエチレン樹脂フィルムとしてコロナ放電処理によって
接着剤層に接する面がJIS K6768の濡れ指数で
38dyne/cm以上の表面張力をもつフィルムが使
用され、接着剤層がポリオール樹脂の−OH基に対する
イソシアネートの−NCO基の比率が3〜15に調整さ
れたポリオール樹脂とイソシアネートからなる接着剤で
形成されていることを特徴とする。下地金属板と接着剤
層との間には、ポリエステル樹脂系,高分子ポリエステ
ル樹脂系,エポキシ樹脂系等のプライマー層を形成して
もよい。
【0006】
【作用】本発明者等は、超高分子量ポリエチレン樹脂も
ポリオレフィン樹脂の1種であることから、鋼板に対す
るポリオレフィン樹脂フィルムの一般的な積層方法であ
る熱融着法を先ず検討した。具体的には、超高分子量ポ
リエチレン樹脂の圧縮成形材を切り出したフィルム,極
限粘度が超高分子量ポリエチレン樹脂よりも低い高分子
量ポリエチレン樹脂を超高分子量ポリエチレン樹脂に配
合したオレフィン樹脂組成物を押出し成形したフィルム
を使用し、次のように溶融亜鉛めっき鋼板に積層した。
接着剤として働く無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂
を微粉砕し、得られた微粉末を芳香族炭化水素系溶剤主
体のエポキシ樹脂溶解塗料に分散させた。そして、塗布
型クロメート処理を施した溶融亜鉛めっき鋼板に塗料を
塗布・乾燥し、超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムを
積層した。この場合に得られたラミネート鋼板は、18
0度剥離強度試験で測定できる程度の接着強度を示さな
かった。
【0007】そこで、超高分子量ポリエチレン樹脂フィ
ルムを積層する際の鋼板温度を無水マレイン酸変性ポリ
エチレン樹脂の融点115℃から200℃までの高温側
へ段階的にシフトさせ、鋼板温度が接着性に及ぼす影響
を調査した。しかし、何れの鋼板温度においても大きな
差異がみられず、十分な接着性が得られなかった。この
ような接着性不良は、一般的なポリオレフィン樹脂に比
較して超高分子量ポリエチレン樹脂が著しく高い溶融粘
度をもつことに由来するものと考えられる。次いで、難
接着性プラスチックであるフッ素樹脂でフィルム表面を
易接着化するために一般的に採用されているコロナ放電
処理について検討した。コロナ放電処理フッ素樹脂フィ
ルム用のポリエステル樹脂系接着剤(硬化剤:イソシア
ネート)を用い、コロナ放電処理を施した超高分子量ポ
リエチレン樹脂フィルムについて鋼板との接着を試み
た。しかし、この場合にも十分な接着強度が得られず、
超高分子量ポリエチレン樹脂フィルム/接着剤層間での
界面剥離が発生した。
【0008】コロナ放電処理フッ素樹脂フィルム用接着
剤として、イソシアネート(硬化剤)とポリウレタン樹
脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂等の種々のポリオール
樹脂についても検討した。しかし、結果は同様であり、
超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムを強固に接着する
には至らなかった。ところで、コロナ放電処理した樹脂
表面は、赤外分光分析(IR),X線光電子分光分析
(XPS)等の分析技術を駆使しても明確には解明され
ていないが、コロナ放電処理によって高分子の幹となる
炭素原子にラジカルが発生し、このラジカルに空気中の
酸素が反応してパーオキシラジカルとなり、更に空気中
の水と反応してヒドロペルオキシ基になることが報告さ
れている。ヒドロペルオキシ基は、種々の反応によって
カルボニル基,カルボキシル基等の極性基となり、表面
張力が高い表面を形成するものと考えられている。
【0009】このコロナ放電処理による樹脂表面の変質
を前提とし、コロナ放電処理したフッ素樹脂フィルムが
接着剤で強固に接着されるが、JIS K6768の濡
れ指数でフッ素樹脂フィルムと同等の40〜50dyn
e/cm程度の表面張力をもつコロナ放電処理超高分子
量ポリエチレン樹脂フィルムが接着できない違いを種々
調査・研究した。ポリオレフィン樹脂は、フッ素樹脂に
比較して耐酸性が劣る。そこで、コロナ放電処理を施し
た超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムでは、フッ素樹
脂フィルムに比較してヒドロペルオキシ基濃度が非常に
低いことや、生成したヒドロペルオキシ基が直ちにカル
ボニル基等に変化する酸化反応がフッ素樹脂との比較で
接着性に大きな相違をもたらしている原因であると推察
した。この点、コロナ放電処理後にヒドロペルオキシ基
濃度が高いフッ素樹脂フィルムでは、フィルム/接着剤
層間の界面剥離がヒドロペルオキシ基とイソシアネート
との反応によって抑制されているものと考えられる。
【0010】そこで、ヒドロペルオキシ基とイソシアネ
ートとを積極的に反応させるため、通常では用いられて
いない過剰量のイソシアネートを配合した接着構成につ
いて検討した。その結果、超高分子量ポリエチレン樹脂
フィルムの材料破断に至る強固な接着強度が得られた。
超高分子量ポリエチレン樹脂は、ガラス転移温度が−8
5〜−30℃であり、室温付近において超高分子量ポリ
エチレン樹脂の主鎖回転が生じ、コロナ放電処理面から
フィルム内層にヒドロペルオキシ基が潜り込むことが考
えられる。しかし、超高分子量ポリエチレン樹脂は、結
晶化度が高く、実質的に主鎖回転が拘束された領域も多
い。したがって、イソシアネートは、過剰量が配合され
ることにより、コロナ放電処理で発生したヒドロペルオ
キシ基が低濃度であっても、ヒドロペルオキシ基と効率
よく反応し、結果として強固な接着強度を示すものと推
察される。
【0011】
【実施の形態】超高分子量ポリエチレン樹脂フィルム 本発明では、溶融粘度法による極限粘度[η]が8〜4
0dl/gであり、算出される粘度平均分子量が(10
0〜800)×104 の超高分子量ポリエチレン樹脂が
使用される。超高分子量ポリエチレン樹脂を圧縮成形し
て円柱状のビレットを製造し、ビレットからフィルムを
削り出す(スカイブ)ことにより超高分子量ポリエチレ
ン樹脂フィルムが得られる。或いは、極限粘度が超高分
子量ポリエチレン樹脂よりも低い低分子量又は高分子量
ポリエチレン樹脂を超高分子量ポリエチレン樹脂に配合
したポリオレフィン樹脂組成物を押出し成形することに
よっても、超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムが得ら
れる。超高分子量ポリエチレン樹脂には、必要に応じて
種々の顔料や添加剤を配合することも可能である。
【0012】使用される超高分子量ポリエチレン樹脂フ
ィルムの厚みは、特に制約されるものではないが、製造
性,取扱い性等の諸性能を考慮すると、50〜300μ
mの厚みが好ましい。また、予めエンボス加工等による
模様を超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムにつけても
良い。超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムは、接着剤
層に接する面にコロナ放電処理が施される。コロナ放電
処理では、たとえば絶縁された電極と接地された対極誘
電ロールとの間に超高分子量ポリエチレン樹脂フィルム
を通し、この間に高周波,高電圧を印加することによっ
てフィルム表面の表面張力を高める。コロナ放電処理装
置としては、スパークギャップ方式,真空管方式,ソリ
ッドステート方式等があるが、何れの方式の装置でも使
用可能である。
【0013】コロナ放電処理の処理条件は、設備方式等
によって調整されるものであり、特に制約を受けるもの
ではない。具体的には、金属板への積層に際しコロナ放
電処理された超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムの表
面張力がJIS K6768の濡れ指数で38dyne
/cm以上を示すように、周波数1〜600kHz,印
加電圧5〜30kV,処理電力5〜30W/m2 /分の
範囲で処理条件が設定される。表面張力が38dyne
/cmに満たない場合、一部内層を含めてフィルム表面
に存在するヒドロペルオキシ基が低濃度であると推察さ
れ、コロナ放電処理した超高分子量ポリエチレン樹脂フ
ィルムと接着剤層との間で十分な界面接着力が得られな
い。コロナ放電処理したフィルムは、コロナ放電処理後
の経過時間に応じて表面張力が低下することから、38
dyne/cm以上の表面張力が維持されている段階で
金属板に積層することが重要である。
【0014】下地金属板 コロナ放電処理した超高分子量ポリエチレン樹脂フィル
ムが積層される金属板としては、亜鉛めっき鋼板,Zn
−Alめっき鋼板,Alめっき鋼板等の各種めっき鋼板
やアルミ板,ステンレス鋼板等がある。
【0015】接着剤層の形成 金属板に必要に応じてリン酸塩処理,塗布型クロメート
処理等の前処理を施し、ロールコート法,カーテンコー
ト法等によって接着剤を塗布し、焼付け乾燥することに
より金属板表面に接着剤層を形成する。接着剤層は、乾
燥塗膜厚さで2〜20μmに調整されることが好まし
い。接着剤層の下層として、接着剤層と同様な方法でプ
ライマー層を必要に応じて設けることもできる。プライ
マー塗料としては、ポリエステル樹脂系,高分子ポリエ
ステル樹脂系,エポキシ樹脂系等が使用され、必要に応
じて種々の顔料や添加剤が配合される。プライマー層
は、2〜10μmの厚みをもつことが好ましい。
【0016】使用する接着剤 ポリオール樹脂及びイソシアネートを含み、ポリオール
樹脂の−OH基に対するイソシアネートの−NCO基の
比率(以下、−NCO/−OH比という)が3〜15の
範囲に調整された接着剤が使用される。必要に応じて、
着色顔料,防錆顔料,体質顔料等を接着剤に配合しても
良い。ポリオール樹脂は、樹脂種に制約を受けるもので
はなく、ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,アクリ
ル樹脂,エポキシ樹脂等がある。イソシアネートとして
は、特に制約されるものではないが、2,4−トリレン
ジイソシアネート,2,6−トリレンジイソシアネー
ト,4.4’−ジフェニルメタンジイソシアネート,ト
リデンジイソシアネート,メタキシリレンジイソシアネ
ート,イソホロンジイソシアネート,ヘキサメチレンジ
イソシアネートやこれらの3量体,アダクト体等が使用
される。
【0017】−NCO/−OH比は、OH基濃度が知ら
れているポリオール樹脂(主剤)に対する−NCO基濃
度が知られているイソシアネート(硬化剤)の配合量で
調整される。−NCO/−OH比が3未満では、コロナ
放電処理した超高分子量ポリエチレン樹脂フィルム表面
(一部フィルム内層も含む)に存在するヒドロペルオキ
シ基と反応し得るイソシアネート基が量的に不足し、樹
脂フィルム/接着剤層の界面接着力が弱くなる。逆に、
15を超える−NCO/−OH比では、マトリックス中
におけるイソシアネート基の濃度が高くなりすぎ、接着
剤層の柔軟性が損なわれる。その結果、超高分子量ポリ
エチレン樹脂をラミネートした金属板を成形加工した際
に、接着剤層が脆性破壊し、金属板の表面から超高分子
量ポリエチレン樹脂フィルムが剥離する。
【0018】この点、従来のプレコート鋼板では、塗膜
の脆性破壊を考慮して−NCO/−OH比を1未満とし
ている。フィルムラミネート鋼板でも、過剰な尿素結合
の生成による接着剤層の脆性破壊を抑制するため、−N
CO/−OH比を1〜2程度の範囲に調整している。他
方、本発明における−NCO/−OH比は、従来の比率
と大きく異なり、コロナ放電処理した超高分子量ポリエ
チレン樹脂フィルムの表面(一部フィルム内層も含む)
に存在するヒドロペルオキシ基とイソシアネートとの反
応を促進させることから定められている。そして、過剰
量の尿素結合に起因する接着剤層の脆性破壊は、柔軟性
に優れた超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムとの組合
せによって抑制している。
【0019】
【実施例】超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムとして
は、カーボンブラックを5重量%配合した膜厚150μ
mのフィルムにエンボスロールによって微細な砂目エン
ボス模様を刻印したものを使用した。板厚0.5mm,
片面当りの亜鉛目付け量45g/m2 の溶融亜鉛めっき
鋼板に塗布型クロメート処理を施し、表1に示す各種接
着剤を乾燥膜厚で5μmとなるようにバーコータで塗布
し、最高到達鋼板温度が130℃となるように1分間焼
き付けた。接着剤層が形成された鋼板表面に超高分子量
ポリエチレン樹脂フィルムをラミネータで積層し、直ち
に水冷することにより超高分子量ポリエチレン樹脂フィ
ルムラミネート鋼板を得た。なお、試験番号3,4では
ポリエステル樹脂系プライマーを、試験番号5,6では
エポキシ樹脂系プライマーをバーコータで乾燥膜厚が5
μmとなるように塗布した後、接着剤を塗布した。
【0020】表1における削出しフィルムには三井石油
化学工業株式会社製のハイゼックス・ミリオン240S
をビレット化して削り出したスカイブフィルムを、押出
しフィルムには三井石油化学工業株式会社製のリュブマ
ーL4000を押出し成形したフィルムを使用した。接
着剤のイソシアネートには、2,4−トリレンジイソシ
アネート(TDI),ヘキサメチレンジイソシアネート
3量体(HMDI),イソホロンジイソシアネート(I
PDI)を使用した。
【0021】
【0022】得られた各フィルムラミネート鋼板の各種
性質を次のように調査した。 超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムの表面張力:JI
S K6768に準拠して濡れ指数を測定した。 下地鋼板に対する超高分子量ポリエチレン樹脂フィルム
の接着強度:180度剥離試験によりフィルムの剥離強
度を測定した。なお、フィルムラミネート鋼板では、好
ましくはフィルム自体の材料破断又は30N/10mm
以上の接着強度が要求される。 フィルム表面のエンボス模様変化:超高分子量ポリエチ
レン樹脂フィルム単体は、エンボス面の60度反射光沢
が12であった。この値を基準とした光沢度変化によっ
て、超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムラミネート鋼
板のエンボス模様保持性を評価した。 加工性:超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムラミネー
ト鋼板に絞り比2の円筒絞り加工を施し、加工後のフィ
ルム性状を調査することにより加工性を評価した。
【0023】表2の調査結果にみられるように、本発明
に従った超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムラミネー
ト鋼板では、何れもフィルム破断が生じており、良好な
接着強度で超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムが鋼板
に接着されていることが判る。また、絞り加工性にも優
れていた。これに対し、比較例の超高分子量ポリエチレ
ン樹脂フィルムラミネート鋼板では、接着強度が不十分
であったり、絞り加工時にフィルム剥離が発生した。な
お、試験番号1〜6のフィルムラミネート鋼板は、何れ
も動摩擦係数が0.06〜0.10,静摩擦係数が0.
08〜0.12と優れた摺動性を示した。更に、AST
M D1044に基づいた摩擦指数も35〜40であ
り、耐摩耗性にも優れたものであった。
【0024】
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の超高分
子量ポリエチレン樹脂フィルムラミネート金属板は、下
地金属板に対する超高分子量ポリエチレン樹脂フィルム
の接着強度が高く、深絞り等の加工に対してもフィルム
剥離等が発生しない。そのため、超高分子量ポリエチレ
ン樹脂フィルムの優れた摺動性や耐摩耗性が活用され、
各種摺動部材に使用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板表面に接着剤層を介して超高分子
    量ポリエチレン樹脂フィルムが積層されたラミネート金
    属板であり、超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムとし
    てコロナ放電処理によって接着剤層に接する面がJIS
    K6768の濡れ指数で38dyne/cm以上の表
    面張力をもつフィルムが使用され、接着剤層がポリオー
    ル樹脂の−OH基に対するイソシアネートの−NCO基
    の比率が3〜15に調整されたポリオール樹脂とイソシ
    アネートからなる接着剤で形成されていることを特徴と
    する接着強度の高い樹脂フィルムラミネート金属板。
  2. 【請求項2】 金属板表面と接着剤層との間にプライマ
    ー層が形成されている請求項1記載の接着強度の高い樹
    脂フィルムラミネート金属板。
JP32552697A 1997-11-27 1997-11-27 接着強度の高い樹脂フィルムラミネート金属板 Withdrawn JPH11157005A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015054483A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 日鉄住金防蝕株式会社 被覆管の製造方法、その製造方法によって得られる被覆管および被覆鋼材
JP2015108399A (ja) * 2013-12-04 2015-06-11 トヨタ自動車株式会社 高圧タンクの製造方法
JP2022534134A (ja) * 2019-05-29 2022-07-27 明▲暘▼科技(▲蘇▼州)股▲フン▼有限公司 薄肉接着自己潤滑性板材

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