JP6159059B2 - プラント運転最適化システムおよび方法 - Google Patents

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Description

本開示は、産業プラントの運転に関し、より詳細には、産業プラントの運転を最適化するためのシステムおよび方法に関する。
発電所などの産業プラントは、相互に関連する複数の設備およびプロセスを含む。たとえば、発電所は、タービンシステムを操作し維持するためのタービンシステムおよびプロセスを含むことがある。プラント運転中に、設備およびプロセスは、プラント全体にわたって状態を詳細に示すことができる動的データを生成する。たとえば、タービンシステムは、タービンシステム内で見られる運転状態を表すデータを生成することができる。同様に、プラントの設計データなど、静的データが使用可能であり得る。設備利用を向上させ、リソースの休止時間を減少させるために、動的入力および静的データを使用することが有益である。
米国特許第7778856号明細書
最初に特許請求された発明に範囲が等しい特定の実施形態について、下記に要約する。これらの実施形態は、特許請求された発明の範囲を限定するためのものではなく、これらの実施形態は、本発明の可能な形について簡潔に要約するためのものにすぎない。実際に、本発明は、下記に述べられた諸実施形態に類似することも、それらと異なることもある様々な形を包含し得る。
本開示の第1の実施形態では、システムが提供される。このシステムは、静的入力および動的入力に基づいてリスクを計算するように構成されたリスク計算システムと、そのリスクを使用し決定を導出するように構成された意志決定支援システムとを含む。このシステムは、将来のプラント状態を予測する決定に基づいてプラントの運転を更新するように構成されたプラント制御システムをも含む。
本開示の第2の実施形態では、方法が提供される。この方法は、イベント規則、およびプラントの構成要素に関連する動的入力に基づいてイベントの発生を決定するステップを含む。この方法は、イベントが発生する場合、イベントの発生に応答するステップをも含む。応答ステップは、少なくとも1つの動的入力に基づいてリスク予測を更新するステップと、少なくとも1つの静的入力に基づいてリスク閾値を更新するステップと、リスク予測がリスク閾値を超えるかどうか判定するステップと、リスク予測がリスク閾値を超える場合は第1のアクションを決定するステップとを含む。第1のアクションを決定するステップは、1つまたは複数の緩和アクションが使用可能な場合は、第1のアクションとして1つの緩和アクションを選択し、あるいは1つまたは複数の緩和アクションが使用可能でない場合は、第1のアクションとして、推奨アクションを決定するステップを含む。この方法は、リスク予測がリスク閾値を超えない場合は第2のアクションを決定するステップをも含む。第2のアクションを決定するステップは、第2のアクションとして、次の予定されたアクションを計算するステップを含む。
本発明のこれら他の特徴、態様および利点は、添付の図面を参照して下記の詳細な説明を併せ読めば、よりよく理解されよう。諸図面に渡って同じ符号は、同様の部分を表す。
産業プラントの一実施形態を示すブロック図である。 図1のプラントで使用できるタービンシステムの一実施形態を示す概略図である。 プラント運転を最適化するための論理の一実施形態を示すフローチャートである。 システムの試験に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 計器の較正に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 次回の設備使用の監視に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 信頼性の低い計器を用いた運転の最適化に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 複数のプラントの管理に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 有益なシステムアップグレードの特定に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 設備の試験に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 より効率的な設備運転に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 より効率的な計器使用に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 より効率的な設備検査に適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。 プラント運転に影響を及ぼすアクションの優先順位付けに適用される図3の論理の一実施形態を示すフローチャートである。
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態について、下記に述べられる。これらの実施形態について簡潔に述べるために、本明細書では、実際の実装形態のすべての特徴について述べるとは限らないことがある。いずれかのこうした実際の実施形態の開発においては、任意のエンジニアリングまたは設計プロジェクトと同様に、開発者の特定の目標を達成するために、実装形態によって異なり得るシステム関連およびビジネス関連の制約の順守など、実装形態特有の複数の決定を行う必要があることを理解されたい。さらに、こうした開発努力は複雑で、多大な時間を要することがあるが、それにもかかわらず、本開示の利益を得る当業者にとっては、設計、製作および製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
本発明の様々な実施形態の要素について述べるとき、冠詞「a」、「an」、「the」および「said(前記)」は、要素のうちの1つまたは複数があることを意味するものである。用語「comprising(備える、含む)」、「including(含む)」および「having(有する)」は、包括的であり、また列挙された要素以外の追加の要素があり得ることを意味するものである。
本開示の実施形態は、それだけに限定されないが、発電所、化学プラント、製造工場、精油所などを含めて様々な産業プラントに適用することができる。産業プラントは、様々な運転およびサービスを提供するのに有用な様々な設備およびプロセスを含み得る。たとえば、発電所の設備または機械は、発電に適した運転を行うことができる。同様に、化学処理機械は、化学製品の製造および/または処理に有用な運転を行うことができる。同様に、製造機械は、物理的なアイテムを作成し、または他の方法で再形成するのに適した運転を行うことができる。
産業プラントは、プラント運転に有用なプロセスを含むこともできる。たとえば、プラント設備の寿命および性能を最適化するのに適した保守プロセスが施行されてもよい。たとえば、市況に基づく現在の所望の発電量など、プラントパラメータを計算するために、ビジネスプロセスを使用することもできる。さらに、排出レベル、試験間隔、報告要件など、運転パラメータを導出するために、州および連邦の規制、規約および/または規格(たとえば業界標準)に関連するプロセスを使用してもよい。産業設備およびプロセスは、一般に動的データおよび静的データとして分類可能なデータを生成することができる。動的データは、プラント運転中に生成されたデータ、たとえばセンサ計器などのプラント計器を使用することによって生成されたデータを含むことができる。静的データは、一般にプラント建設中に決定されたデータを含むことができ、またあまり頻繁に修正されない可能性がある。たとえば、静的データは、図1に関してより詳細に述べられたように、プラント設計データと現在のプラント構成データとを含むことができる。
本明細書に述べられたシステムおよび方法を使用することによって、動的データと静的データは、プラント運転の最適化に有用な情報を導出するために組み合わせることができる。一実施形態では、リスク計算エンジンは、意志決定支援システム(DSS:decision support system)と組み合わせてもよい。リスク計算エンジンは、リスクを計算することができ、DSSは、リスクを使用して、プラント運転の最適化に有用な1つまたは複数の決定を導出することができる。たとえば、設備故障のリスクは、リスク計算エンジンによって、動的データおよび静的データに基づいて計算することができる。次いで、導出されたリスクは、DSSに入力することができ、次いで、DSSは、より効率的なプラント運転をもたらし得るリスク緩和の決定および推奨されるアクションなど、運転上の決定を導出することができる。プラント設備および運転に関連するリスク予測および/またはリスク閾値を更新するために、動的入力および静的入力の連続監視を可能にできる方法も提供される。図3に関してより詳細に述べられるように、次いで、リスク予測および/または閾値は、設備の使用を改善し、プラントの信頼性および効率を向上させるのに適したアクションを導出するために使用することができる。実際に、図4〜図14に関してより詳細に述べられるように、この方法は、プラント設備およびプラント運転のいくつかの態様に適用することができる。
次に図を参照すると、図1は、リスク計算エンジン12とDSS 14とを含むプラント10の一実施形態のブロック図である。示された実施形態では、リスク計算エンジン12およびDSS 14は、制御コンピュータ16によってホストされる。リスク計算エンジン12、DSS 14および制御コンピュータ16は、本明細書に開示された技法を実施するためにコンピューティングデバイスによって使用できるコードまたはコンピュータ命令を格納する非一時的なマシン読取り可能媒体を含むことができる。他の実施形態では、リスク計算エンジン12およびDSS 14は、別個の制御コンピュータ16内にホストされてもよいし、分散コンピュータ(たとえば「クラウド」コンピューティング)のシステム内にホストされてもよいことに留意されたい。プラント10は、1つまたは複数のフィールドデバイス18、プラント作業員20、および/またはプラントプロセス22を含む。フィールドデバイス18は、複数のプラント設備24とプラント計器26とを含むことができる。たとえば、プラント設備24は、産業プラント10の運転に有用なタービンシステム(たとえば蒸気タービン、ガスタービン、水力発電タービン、風力タービン)、発電機、エキスパンダ、ポンプ、コンプレッサ、バルブ、電気システム、化学反応器、ガス化装置、ガス処理システム(たとえば酸性ガス除去システム)、空気分離装置(ASU:air separation unit)、ボイラ、炉、水処理システム、熱回収蒸気発生器(HRSG:heat recovery steam generator)システム、バット、コンベヤベルトシステム、導管、フライス盤、鍛造設備、鋳物設備などを含むことができる。プラント計器26は、たとえば圧力センサ、温度センサ、フローセンサ、ステータスおよび位置インジケータ(たとえばリミットスイッチ、ホール効果スイッチ、音響近接スイッチ、線形可変差動変圧器(LVDT:linear variable differential transformer)、位置変換器などを含むことができる。
フィールドデバイス18、作業員20、および/またはプロセス22は、一般に静的入力28または動的入力30として分類されるデータを生成することができる。静的入力28は、プラント10建設中に作成されたデータを含むことができ、あまり頻繁に更新されない可能性があるが、動的入力30は、プラント運転中に生成されたデータを含むことができる。たとえば、静的入力28は、設計データ32と、製造データ34と、プラント構成データ36と、故障モード解析/リスクレビューデータ38と、連邦/州規制、規約、規格データ40と、未知要因限界データ42とを含むことができる。設計データ32は、プラントプロセス(たとえば機械的プロセス、化学的プロセス、発電プロセス、製造プロセス、保守プロセス)を詳細に示すプロセスフローチャートなど、プラント10の設計に関連するデータ、プラント能力(たとえばメガワット単位の発電出力、化学製品生産能力、精製能力、製造能力)を詳細に示すデータ、設備および計器能力を詳細に示すデータなどを含むことができる。
製造データ34は、プラント設計からのいずれかの逸脱、プラントおよび設備の部品表(BOM:bill of materials)など、プラント10の製作に関連するデータを含むことができる。プラント構成データ36は、プラント10が運転のために現在どのように設定または構成されているかに関連するデータを含むことができ、運転に使用されたフィールドデバイス18、予備の設備24、予備の計器26、作業員20のリスト、作業員20の資格、使用されたプロセス22(たとえばISO−9000プロセス、保守プロセス、運転プロセス、安全性プロセス)などのデータを含む。故障モード解析およびリスクレビューデータ38は、プラント運転に関連する特定のリスクを導出するのに有用なデータを含むことができる。たとえば、故障モード解析/リスクレビューデータ38は、低サイクル疲労(LCF:low cycle fatigue)寿命予測モデル、計算流体力学(CFD:computational fluid dynamics)モデル、有限要素解析(FEA:finite element analysis)モデル、ソリッドモデル(たとえばパラメータまたは非パラメータモデリング)、および/または設備故障のリスクまたは設備保守の必要性を予測するために使用できる3次元から2次元へのFEAマッピングモデルなど、物理ベースのモデルを含むことができる。
故障モード解析/リスクレビューデータ38は、回帰解析モデル、データマイニングモデル(たとえばクラスタ化モデル、分類モデル、連想モデル)など、統計モデルを含むこともできる。たとえば、クラスタ化技法は、何らかの形で「類似する」、データ内のグループまたは構造を発見することができる。分類技法は、データ点を特定のグループのメンバとして、たとえば予定外の保守イベントに遭遇する確率がより高いフィールドデバイス18として分類することができる。回帰解析は、将来の動向を特定の誤差範囲内でモデル化できる機能を見つけるために使用できる。連想技法は、変数間の関係を見つけるために使用できる。たとえば、連想規則学習技法の使用によって、特定のコールドスタート手順からタービンシステム内のブレード摩耗の増加が連想されることになり得る。
規制、規約、規格データ40は、連邦法および州法の順守を維持し、また工業規格を支持するのに有用なデータを含むことができる。たとえば、プラント排出、プラント安全性、使用される燃料のタイプ、最大達成可能制御技術(MACT:maximum achievable control technology)、プラント運転および/または作業員に関連する連邦および州の規制、規約、および許可要件が、データ40として含まれてもよい。未知要因限界データ42は、たとえば、安全マージンの追加と関連しており、未知の要因に対処するためのデータを含むことができる。すなわち、データ42は、安全運転の向上に適した追加の安全マージンデータ、特定のリスク(たとえば設備故障リスク)の発生の減少に適したリスクマージンデータ、および/またはプラント10の運転に悪影響を及ぼし得る未知の要因の発生に対処するのに一般的に適したデータを含むことができる。
動的データ30は、プラント計器データ44、プラント設備データ46、プラント外部相互依存システムデータ48、ビジネス環境データ50、外部システムデータ52、および/または実際のデータで未知要因を置き換えること54を含むこともできる。プラント計器データ44は、計器26に基づく測定および導出を含むことができる。たとえば、データ44は、温度測定、圧力測定、流量測定、クリアランス測定(たとえば回転する構成要素と静止している構成要素との間の距離の測定)、振動測定、位置測定、化学的測定、発電測定、排ガス測定、ストレスまたは緊張測定、漏出測定、速度測定などを含むことができる。プラント設備データ46は、個々の設備24に関連するデータを含むことができる。たとえば、データ46は、設備24の運転状態(たとえば速度、温度、圧力、振動、流れ、燃料消費、発電、クリアランス)、保守履歴(たとえば保守記録)、性能履歴(たとえば発電記録)などを含むことができる。
プラント外部相互依存システムデータ48は、示された産業プラント10に相互に関連し、または相互に依存し得る他のプラント10(たとえば発電所、化学プラント、精製所、製造工場)など、外部システムに関連するデータを含むことができる。こうしたデータ48は、送電網情報、燃料供給情報(たとえばガス供給、原料供給、石油供給)、水道設備情報、原料供給情報などを含むことができる。ビジネス環境データ50は、プラント10に影響を及ぼし得る経済状況および事業状況に関連するデータを含むことができる。たとえば、データ50は、電力、製品、燃料、原料(たとえば金属、化学品)、および/または加工材(たとえば加工済み化学品、精製油)の需給の市場データを含むことができる。さらに、データ50は、先物市場、たとえば先物電力出力、先物商品、先物原料などの販売に関連するデータを含むことができる。さらに、データ50は、キャップアンドトレード市場(すなわち排出量市場)のなど、規制市場の需給データを含んでもよい。さらに、データ50は、排ガス規制への税額控除、特定の技術(たとえば炭素捕捉技術、炭素隔離技術)の使用への税額控除、特定の化学物質の排出(たとえば硫黄排出、CO2排出)に関連する規制コストなどに関連するビジネスデータを含むことができる。外部システムデータ52は、天気予報システム、保守システム(たとえば電子保守記録)など、外部システムからのデータを含むことができる。
動的入力30は、約250ミリ秒、1秒、10秒、1時間、1週間、1ヶ月ごとなど、様々なサンプルレートでサンプリングすることができる。次いで、動的入力30は、たとえばプラントデータハイウェイ56を使用することによって、制御コンピュータ16に転送することができる。プラントデータハイウェイ56は、制御コンピュータ16に動的入力30を送信するのに適したワイヤレスルータ、モデム、イーサネット(登録商標)カード、ゲートウェイなど、ネットワーク機器を含むことができる。プラントデータハイウェイ56は、制御コンピュータ16をプラント制御システム58に通信可能に接続するために使用することもできる。プラント制御システム58は、分散制御システム(DCS:distributed control system)、製造実行システム(MES:manufacturing execution system)、監視制御データ収集(SCADA:supervisor control and data acquisition)システム、および/またはヒューマンマシンインターフェース(HMI:human machine interface)システムを含むことができる。したがって、プラント制御システム58は、現在の制御設定およびアラームなど、制御コンピュータ16への入力を供給することができる。さらに、図3〜図14に関して下記により詳細に述べられるように、制御コンピュータ16は、プラント10の制御アクションの実施に適した命令をプラント制御システム58に送信することができる。
ディスプレイ/インターフェースシステム60は、オペレータがプラント制御システム58、制御コンピュータ16および他のプラント10構成要素と対話することを可能にすることができる。たとえば、ディスプレイ/インターフェースシステム60は、動的入力30および静的入力32を含めて、情報を入力し、様々なデータを表示するのに適した画面を含むことができる。特定の実施形態では、ディスプレイ/インターフェースシステム60は、インターネットやウェブアクセスなど、プラント10の様々な構成要素へのリモートアクセスを可能にすることができる。実際に、ディスプレイ/インターフェースシステム60は、フィールドデバイス18、制御コンピュータ16およびプラント制御システム58を含めて、プラント10の様々な構成要素へのローカルアクセスまたはリモートアクセスを可能にすることができる。
ディスプレイ/インターフェースシステム60は、監視されたプロセスの予定されたアクション、保守スケジュール、プロセスマップまたはフローチャート、および制御コンピュータ16によって導出されたアクションを示す視覚化を提供することができる。さらに、ディスプレイ/インターフェースシステム60は、推奨された保守スケジュール、リスク緩和のアクション、自動および手動のアクション、入力28に関連するデータ28および30、ならびにリスク計算エンジン12およびDSS 14に関連するデータへの変更など、導出されたアクションに関連するデータを提供してもよい。
制御コンピュータ16は、フィールドデバイス18および作業員20を含めて、プラント10のリソースのより最適な利用を導出するためにリスク計算エンジン12およびDSS 14によって使用できる複数のイベント規則62およびアルゴリズム64をさらに含むことができる。たとえば、イベント規則62は、1つまたは複数のプラント10イベントを検出するために使用することができ、次いで、イベントを使用して、アルゴリズム64のうちの1つまたは複数を選択することができる。アルゴリズム64は、たとえば、設備24および/または計器26の誤動作のリスクの緩和、ならびに信頼性の低い設備24および/または計器26の影響の緩和に有用なアクションを導出するのに適した緩和アクションアルゴリズム66を含むことができる。
アルゴリズム64は、様々なプラント10状態に応答するのに有用であり得るアクションを推奨するのに適した推奨アクションアルゴリズム68を含むこともできる。リスク計算アルゴリズム70を使用することもでき、このリスク計算アルゴリズム70は、たとえば、下記により詳細に述べられるように事故シナリオレビュー解析を使用することによって様々なリスクの計算を可能にする。故障予測アルゴリズム72は、設備24および/または計器26の故障の確率またはリスクを予測するために使用することができる。たとえば、故障のリスクを予測するために、CF寿命予測モデル、CFDモデル、FEAのモデル、ソリッドモデル、および/または3次元から2次元へのFEAマッピングモデル、回帰解析モデルおよびデータマイニングモデルを使用することができる。モデル更新アルゴリズム74は、上記のCF寿命予測モデル、CFDモデル、FEAモデル、ソリッドモデル、および/または3次元から2次元へのFEAマッピングモデル、回帰解析モデルおよびデータマイニングモデルを、最新のデータおよび/または計算で更新することができる。アクションスケジューリングアルゴリズム76は、図2に関して下記に述べられたタービンシステムリソースなど、プラント10リソース使用を向上させるのに適した保守や運転アクションなど、アクション実施のスケジュールを導出することができる。
図2は、発電所10など、特定のプラント10内で電力を提供できるタービンシステム10の一実施形態を示している。図のように、タービンシステム80は、燃焼器82を含むことができる。燃焼器82は、燃焼器82内のチャンバで燃焼するために空気と混合された燃料を受け取ることができる。この燃焼によって、加圧された高温の排ガスがもたらされる。燃焼器82は、排ガスを、高圧(HP)タービン84および低圧(LP)タービン86を通って排気口88に向ける。HPタービン84は、HPロータの一部であってもよい。同様に、LPタービン86は、LPロータの一部であってもよい。排ガスがHPタービン84およびLPタービン86を通過するとき、そのガスによってタービンブレードは、駆動軸90をタービンシステム80の軸に沿って回転させることになる。図のように、駆動軸90は、HPコンプレッサ92とLPコンプレッサ94とを含めて、タービンシステム80の様々な構成要素に接続されている。
駆動軸90は、たとえば同心円状に整列され得る1つまたは複数の軸を含むことができる。駆動軸90は、HPロータを形成するために、HPタービン84をHPコンプレッサ92に接続する軸を含むことができる。HPコンプレッサ92は、駆動軸90に結合されたブレードを含むことができる。したがって、HPタービン84内のタービンブレードが回転すると、HPタービン84をHPコンプレッサ92に接続する軸がHPコンプレッサ92内のブレードを回転させることになる。これによって、HPコンプレッサ92内の空気が圧縮される。同様に、駆動軸90は、LPロータを形成するために、LPタービン86をLPコンプレッサ94に接続する軸を含む。LPコンプレッサ94は、駆動軸90に結合されたブレードを含む。したがって、LPタービン86内のタービンブレードが回転すると、LPタービン86をLPコンプレッサ94に接続する軸がLPコンプレッサ94内のブレードを回転させることになる。HPコンプレッサ92およびLPコンプレッサ94内のブレードが回転すると、空気取入れ口96を介して受け取られる空気が圧縮される。圧縮された空気は、燃焼器82に供給され、燃料効率の向上を可能にするために燃料と混合される。したがって、タービンシステム80は、2重の同心の軸系装置を含むことができ、LPタービン86は駆動軸90の第1の軸によってLPコンプレッサ94に駆動的に接続されており、同様にHPタービン84は、第1の軸の内側にあり、かつそれと同心の駆動軸90の第2の軸によってHPコンプレッサ92に駆動的に接続されている。軸90は、発電機98に接続することもできる。発電機98は、発電機98によって生産された電気を分配するのに適した送電網99に接続されてもよい。
タービンシステム80は、本明細書に述べられたように、タービンシステム80の運転および性能に関連する複数のエンジンパラメータを監視するように構成された複数の計器26を含むことができる。計器26は、たとえば、それぞれHPタービン84、LPタービン86、HPコンプレッサ92および/またはLPコンプレッサ94の入口部分および出口部分に隣接して置くことができる。計器26は、たとえば、周囲温度、周囲圧力など、環境状態、ならびに排ガス温度、ロータ速度、エンジン温度、エンジン圧力、ガス温度、機関燃料の流れ、振動、回転部品と固定部品の間のクリアランス、圧縮機の吐出し圧力、排ガス/汚染物質およびタービン排気圧力など、タービンシステム80の運転および性能に関連する複数のエンジンパラメータを測定することができる。さらに、計器26は、バルブ位置、および可変形状部品(たとえば空気吸込み口)の幾何学位置など、アクチュエータ情報を測定することもできる。計器26によって得られた測定は、プラントデータハイウェイ56を介して送信され、制御コンピュータ16およびプラント制御システム58によって受信されてもよい。同様に、制御コンピュータ16およびプラント制御システム58からのデータは、計器26に送信されてもよい。次いで、送信された測定は、たとえば、図3に関して下記により詳細に述べられる論理100を使用することによって、プラント運転を最適化するために動的入力30の一部として処理することができる。
図3は、リスク計算エンジン12およびDSS 14を含めて、(図1に示された)制御コンピュータ16によって使用されてもよい、プラント10の運転を最適化するための論理100の一実施形態を示している。実際に、図3〜図14に述べられた論理100は、プラント10運転の様々な態様を向上させるために、制御コンピュータ16によって使用することができる。たとえば、論理100を使用して、1つまたは複数の動的イベント102および静的イベント104の発生を検出し、次いで、イベント102および104に関連する静的入力28および動的入力30を使用して、プラント10運転の更新のために、プラント制御システム58(図1および図2に示す)によって実施できるアクションを含めて、一連のアクションを導出することができる。論理100は、たとえば制御コンピュータ16によって実行される非一時的マシン読取り可能媒体内に格納されたコードまたはコンピュータ命令として実装することができる。
示された実施形態では、動的入力30は、イベント102の発生を決定するために、1つまたは複数のイベント規則62を適用することによって絶えず監視することができる。たとえば、動的入力30は、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、250ミリ秒ごと、1秒ごと、10秒ごと、1時間ごとに監視され、イベント規則62を適用することによって処理されてもよい。一実施形態では、イベント規則62は、「IF…THEN…」規則の一般的な形をとることができ、「IF」の部分が前件規則として定義され、「THEN」の部分が後件規則として定義される。たとえば、「IF バルブ1データ=送信データなし THEN イベントA=バルブ1故障」などの規則を使用して、バルブ故障イベントまたは送信失敗イベントが発生したと決定することができる。一実施形態では、イベント規則62の使用によって動的入力30を評価するために、エキスパートシステムまたは推論エンジンを使用することができる。実際に、エキスパートシステムは、1つまたは複数のイベント102のリストを自動的に導出するために、イベント規則62を適用することによって動的データ30を継続して処理することができる。特定の実施形態では、イベント規則62は、「非常に高温」、「低流量」、「クリアランス良好」など、曖昧な値の処理に適したファジー理論システムを使用するファジー規則を含むことができる。次いで、ファジー理論システムは、ファジー理論規則の使用に基づいてイベント102を導出することができる。
導出可能なイベント102の非網羅的なリストは、設備運転イベント(たとえば、設備がオンになる、設備が要望通りに作動している)、基準となる運転に対する設備運転(たとえば設備の動作状態の決定)イベント、フルスパンの計器運転のイベント、指定されたスパンの計器運転のイベント、既知の基準較正された計器のイベント、計器の動作状態変化のイベント(たとえば冗長性の損失、部分故障、完全故障など)、設備のトリップまたは予期しない停止(たとえばタービンシステムトリップ)、設備運転時間イベント(たとえば100時間超、1000時間超、10,000時間超)、計器運転時間イベント、圧力イベント(たとえば低圧、通常圧力、高圧)、温度イベント(たとえば低温、通常温度、高温)、一時的な運転イベント、手動オペレータのイベント(たとえば設備開始、設備の停止、警告への応答)、外部システムのイベント(たとえば別のプラントの予期しない停止、天候の変化、電力の市場需要の増加または減少)、システム故障のイベント、設備保守のイベント(たとえば設備交換、設備修理、実施された保守のタイプ、実施された保守の長さ)、外部相互依存のシステムの変化に関連するイベント、許容リスクレベルの変化に関連するイベント、新しい故障モードまたはモデルの識別に関連するイベント、自動システム試験の結果生じるイベント(たとえばバルブ漏れ試験)、故障リスクを示すプロセス状態に関連するイベント(たとえばバットレベルの変動)、監視システムの出力に基づくイベント(たとえばタービン監視システム)、設備の傾向の変化に関するイベント(たとえば低温の傾向、高圧の傾向)変化などを含む。静的入力28によって、静的入力に関連する変化(たとえば更新された設計、更新された設備手順、更新されたプラントプロセス)など、静的イベント104が導出されることにもなり得ることをやはり理解されたい。
次いで、イベント102および/またはイベント104を使用して、リスク予測を更新し(ブロック106)、リスク閾値を更新することができる(ブロック108)。更新されたリスク予測および閾値は、イベント102および/またはイベント104に関連するリスクを含むことができる。すなわち、イベント102が設備動作状態イベントの決定を含む場合、リスクは、設備故障のリスク、設備が予期しない保守を受けることのリスク、設備が予備の部品を必要とすることのリスクなど、設備の動作状態に関連するリスクを含み得る。同様に、イベント102が気象イベントを含む場合、リスクは、天候によるプラント停電のリスク、電力需要の増加(または減少)のリスク、天気による燃料供給の減速または停止のリスクなどを含み得る。実際に、それぞれのイベント102およびイベント104は、1つまたは複数の関連するリスクを含み得る。
一実施形態では、リスク予測の更新(ブロック106)は、新しい、または更新されたリスク予測を導出するために、イベント102およびイベント104に関連する静的入力28および動的入力30を処理することを含むことができる。たとえば、イベント102のうちの1つまたは複数がタービンシステムの動作状態に関連する場合、故障モード解析/リスクレビューデータ38は、タービンシステム80の運転のリスクを更新するためにタービンシステム80(図2に示す)に関連する物理ベースのモデルおよび統計モデルを使用することを含むことができる。一例では、事故シナリオレビュー(ASR:accident scenario review)プロセスが、更新されたリスク予測を得るために使用される。ASRでは、リスク解析において確率論的イベントモデルを構築し、使用することができる。アリゾナ州ツーソンReliasoft Corporationから入手可能なRENO(商標)などのソフトウェアツールを使用して、ASRのマルチノードグラフまたはフローチャートモデリングを構築することができる。フローチャートまたはグラフの根は、LPタービン86内のブレードの分離など、事故シナリオを表すことができ、フローチャートは、タービンシステム80の他の構成要素の故障につながり得るブレード分離のリスクを導出することができる。次いで、フローチャートまたはグラフ内の「葉」または低レベルのノードは、特定の構成要素の故障のリスクスコアを伝えることができる。
したがって、プラント10の構成要素のリスクスコアは、たとえば統計および/または物理学ベースのモデルへの入力として静的入力28および動的入力30を使用することによって導出することができ、プラント10内の特定のシステムまたは構成要素の故障のリスク予測を得るために、ASR解析を実施することができる。たとえば、LCF寿命予測モデル、CFDモデル、FEAのモデル、ソリッドモデル、および/または3次元から2次元へのFEAマッピングモデル、回帰解析モデルおよびデータマイニングモデルを使用して、ASRプロセスへの入力として使用されるリスクスコアを導出することができる。リスク予測を更新または導出するために(ブロック106)、フォルトツリー解析(FTA:fault tree analysis)など、他のリスクモデリング技法を使用することもできる。FTAは、モデル化されたシステムまたは構成要素の故障の確率を計算するために故障イベントおよびシステムツリー図を使用する。実際に、リスク予測の更新(ブロック106)は、プラント10、ならびにタービンシステム80など、プラント10の任意の構成要素を更新することを含むことができる。
リスク閾値の更新ブロック(ブロック108)は、イベント102およびイベント104に関連する動的データ30および/または静的データ28に基づいてリスク閾値を上昇または低下させることを含むことができる。たとえば、イベント102が、電力の高い市場需要などのイベントを含む場合、発電所の運転のリスク閾値は、十分な安全性および運転の効率を維持しながらプラント10の収益を増加させるために、特定の範囲内で上昇させることができる。別の例では、イベント102が、タービンシステム80のトリップイベントなどのイベントを含む場合は、タービンシステム80の再開のリスク閾値を更新してもよい。静的入力28および動的入力30の変化に応答してリスク閾値を更新することによって、論理100は、現実世界の状況の状態(たとえば天気、市場、設備運転状態)についての知識を組み込むのに適した、より焦点が絞られた閾値を使用することを可能にすることができる。実際に、リスク閾値は、最近のイベント、および入力28および/または入力30の変更を組み込むように動的に連続して(たとえば1秒ごと、10秒ごと、1時間ごと、24時間ごとに)再計算することができる。
論理100は、更新されたリスク予測が更新されたリスク閾値を超えないと決定する場合(決定110)、次のスケジュールアクションを計算し(ブロック112)、現在のおよび/または予定されたどんなアクションをもオペレータに表示することができる(ブロック114)。次の予定されたアクションは、保守アクション(すなわち次の予定された保守アクション)、運転アクション(すなわち次の予定された運転)および/またはプロセスアクション(すなわち次の予定されたプロセス)を含むことができる。たとえば、保守スケジュールは、プラント設備の検査、特定の構成要素の定期的な交換、設備耐久試験の実施など、複数のアクションを含むことができる。同様に、運転スケジュールは、たとえばプラント運転および/または設備の起動に有用な時間ベースのアクションを含むことができる。たとえば、タービンの起動は、燃料を供給し、燃料を点火し、特定のタービン速度に達するように燃料および空気の供給を制御することに基づく運転アクションのスケジュールを含むことができる。同様に、プロセススケジュールは、プロセスを実施する際に行うステップのスケジュールを詳細に示すプロセスフローチャートを含むことができる。したがって、次の予定されたアクションを計算することができる(ブロック112)。したがって、現在のおよび/または予定されたアクションの表示(ブロック114)は、アクション継続時間、アクションコスト、完了までの推定時間、使用される推定リソースなど、アクションに関連するデータと共に、時間ベースのアクションリストなどのリストを提示することを含むことができる。次の予定されたアクションを計算し(ブロック112)、表示すること(ブロック114)によって、論理100は、反復して入力28および入力30を処理し、リスク予測の更新(106)およびリスク閾値の更新(ブロック108)を行うことができる。
論理100は、更新されたリスク予測が、更新されたリスク閾値を超えると決定した場合(決定110)、緩和アクションが使用可能かどうか判定することができる(決定116)。たとえば、論理100によって現在処理されているリスクのタイプに基づくアクションの緩和のリストを緩和アクションアルゴリズム66(図1に示す)によって使用し、緩和アクションが使用可能かどうか判定することができる(決定116)。たとえば、設備故障のリスクは、ある部品を交換し、その部品を修理し、設備24を交換し、設備24を総点検し、計器26を交換し、計器26を修理することなどによって緩和することができる。規制を順守しないことに関連するリスクは、規制に従うために設備を追加し、かつ/または規制の需要に基づいて特定のプロセス(たとえば汚染監視プロセス、炭素捕捉隔離プロセス、排出権取引戦略)を作成することによって緩和することができる。1つまたは複数の緩和アクションが使用可能であると決定される場合は(決定116)、1つまたは複数の緩和アクションを選択することができる(ブロック118)。緩和アクション(複数可)は、コスト(たとえば新しい設備のコスト、設備修理のコスト、新しいプロセス実施のコスト)などの要因、緩和成功の確率、相互依存するシステムへの影響、規制、規約および規格への影響、作業員および設備への影響など基づいて選択してもよい。
緩和アクションが使用可能でない場合(決定116)、推奨アクションアルゴリズム(ブロック68)などのアルゴリズムを使用して、推奨アクションを決定してもよい(ブロック120)。推奨アクションは、リスクの軽減に有用なアクションを導出するために、現在の状況ステータスおよび入力28および入力30を解析することによって決定することができる(ブロック120)。たとえば、リスクが、発電運転に対するあり得る天気の乱れ(および/または地震、津波、ハリケーン、竜巻などの自然災害)に関連する場合、推奨アクションは、悪天候(および/または自然災害)、および送電網の使用可能な部分を通る電力の経路変更に備えて作業員およびシステムを準備することを含むことができる。同様に、推奨アクションは、天気の乱れおよび/または自然災害に付随するいずれかの悪影響によりよく備えるために、先物市場の発電コストを引き上げることを含むことができる。
緩和アクションの選択(ブロック118)および推奨アクションの決定(ブロック120)は、手動のアクションと自動のアクションとを含むことができる。手動のアクションは、たとえば警告およびアラームによってオペレータに伝えることができる(ブロック122)。提供された警告およびアラーム(ブロック122)は、緩和アクションまたは推奨アクションを表すテキスト情報およびマルチメディア(たとえば画像、ビデオ、3Dビュー、オーディオ)を含むことができる。たとえば、警告およびアラームは、緩和アクションおよび推奨アクションの実施に有用な情報についてユーザに警告するのに適した可聴音、およびフローチャート、ならびにCAD図形、テキスト記述、ビデオ、画像などを含むことができる。次いで、上記に述べられたように、現在のおよび/または予定のアクションを表示してもよい(ブロック114)。
緩和アクションの選択(ブロック118)、および推奨アクションの決定(ブロック120)は、自動のアクションをも含むことができる。たとえば、プラント制御システム58(図1に示す)による実施に適したアクションを導出することができる。したがって、自動のアクションは、プラント制御システム58に伝達され、プラント10内で実施されてもよい(ブロック124)。次いで、論理100は、緩和アクションまたは推奨アクションに基づいて講じられた自動のアクションについてオペレータに警告し(ブロック122)、現在のアクションおよび/または予定のアクションを表示することができる(ブロック114)。このように、論理100は、データ28およびデータ30に関連するどんなリスクをも導出するためにデータ28およびデータ30を連続的に処理し、導出されたリスクを最小限に抑え、取り除くのに適した手動のアクションおよび/または自動のアクションを発することによって応答することができる。論理100は、様々なプロセスおよび設備に適用できることを理解されたい。実際に、図4〜図14に関して下記により詳細に述べられるように、論理100は、設備保護システムの試験、圧力除去バルブ運転の試験、計器の較正、計器の交換、計器検査の実施、計器保守の実施、指定された時間中の設備故障のリスク、所望の信頼性レベルを維持するための設備運転の実施、試験のタイミング、所望の信頼性レベルを維持するための運転および較正手順、有益なシステムアップグレードの特定、および値の優先順位付け(たとえば、特定のプラント100アクションの影響の優先順位付け)を向上させるための決定を導出するために使用することができる。示された図4〜図14は、図3で見られる同様の要素を含むので、これらの要素は、同じ参照符号を使用して示されている。
図4は、過速度防止システムなど、設備保護システムの試験の最適化に適用される論理100の一実施形態を示している。発電システムなど、特定のタイプの設備では、設備は、設備がプラント10内で運転し続けることが適切であるか決定するのに使用可能な周期的な耐久試験を受けることができる。すなわち、耐久試験は、システムが適切に応答することを保証するために、発電システムを送電網から分離することによってなど、特定の方法で設備を使用してもよい。たとえば、全負荷遮断の間、送電網99は、タービンシステム80によって生成された電力を受け取り損なうことがある。次いで、過速度保護システムなど、特定のシステムは、タービン負荷を迅速に減少させ、それと同時に過速度を制限することによって反応することができる。次いで、タービンシステム80は、送電網が電力を受け取り始めると、タービンシステム80の送電網99との同期を最適化するのに適した状態に持ってくることができる。
設備保護システムの試験は、たとえば年に1回、月に1回、週に1回行われるようにスケジューリングすることができる。試験の実施は、タービンシステム80を送電網99からオフライン化することによりプラント10に影響を及ぼすことがあり、それに対応して、プラント10によって生成される電力が減少する。論理100は、試験を行う代わりに、通常運転中に発生したかもしれない全負荷遮断など、特定のイベントに「クレジットを与える」ことを可能にするために使用できる。すなわち、予期しないイベントを、予定された試験の代わりに使用することができる。たとえば、全負荷遮断は、予定された全負荷遮断試験の数週間前に発生することがある。次いで、全負荷遮断の間の設備の挙動を観察することができ、システムが適切に動作する場合、システムを全負荷遮断試験に合格したと見なすことができる。次いで、予定された全負荷遮断試験を再スケジューリングすることができる。このように、履歴イベントに「クレジットを与える」ことができ、必要に応じてプラント10の試験を将来に移動することができる。したがって、プラント10のリソースを、より効率的に使用することがきる。
図のように、静的入力28は、保険要件128(たとえば全負荷遮断試験を年に1回実施する)、システム構成130、および耐久試験間隔またはスケジュール132を含むことができる。動的入力30は、タービン速度入力134、発電機ブレーカ136のステータス(たとえば開いた状態または閉じた状態)、タービンシステム運転情報138(たとえばシステムがランプアップ中である、システムがランプダウン中である)、運転介入情報140(たとえばオペレータがバルブ位置を手動で設定中)、およびシステム全体のステータス142(たとえば発電電力、天候状況など)を含むことができる。イベント規則62は、発電機ブレーカのトリッピング、および所望の速度の100%超で測定されるタービン速度の増加(たとえば、現在の速度が所望の速度の109%で測定され得る)ことに基づいて、全負荷遮断イベント102が発生していることを導出することができる。
次いで、論理100は、入力28および入力30を使用して、現在のステータスの加速度保護システムおよび関連する構成要素(たとえばバイパス弁、配管、コントローラ)を用いた運転の継続のリスク保護を更新することができる(block 106)。たとえば、ASRプロセスまたはFTAを使用して、動的入力30に基づいてリスク予測を更新することができる。過速度保護装置システムが全負荷遮断イベント102の管理に成功した場合、更新されたリスクは、現在の設備(たとえばタービンシステム80)を用いた運転継続のリスク閾値を超えない可能性が高い(決定110)。すなわち、予期しない全負荷遮断の間に加速度保護システムが要望通りに作動しており、したがって、予定された全負荷遮断試験に合格したことであろう。
したがって、計算された次の予定されたアクション(ブロック112)は、新しい延長された耐久試験間隔144を計算し、いずれかの既存の耐久試験を再スケジューリングすることを含むことができる。新しい間隔は、たとえば、ASRプロセスを「逆方向に」使用することによって計算することができる。すなわち、通常ASRプロセスから導出されたリスクは、その代わりに、ASRプロセスへの入力として使用することができ、ASRフローチャートは、新しい耐久試験間隔に得るために逆にナビゲートすることができる。新しい耐久試験間隔を導出するために、FTAなどの他の技法を使用することもできる。新しい耐久試験間隔は、新しい間隔を導出するために使用されるデータおよび計算と共に、オペレータに表示することができる(ブロック114)。このように、プラントトリップ、加速度イベント、オペレータ停止イベントなど、プラントの出来事を、正式の試験の「クレジット」付与のために使用し、また改訂された試験スケジュールを決定する際に使用することができる。こうした試験「クレジット」は、個々の計器26、個々の設備24、設備サブシステム(たとえばコンプレッサ92および94、タービン84および86、発電機98)、および複合システム(たとえばタービンシステム80、プラント10)を含めて、様々なタイプのプラント10の構成要素に適用できることに留意されたい。
図5は、計器26のより効率的な較正に適用される論理100の実施形態を示している。示された実施形態では、計器26の再較正、計器26の保守および/または計器26の交換に影響を及ぼすアクションを導出するために、様々な動的入力30をプラント運転中に収集し、静的入力28と共に使用することができる。たとえば、動的入力30は、計器26の動作状態146を含むことができる。動作状態146は、目視検査によって導出することができ、または計器26によって自動的に報告することができる。実際に、計器26は、制御コンピュータ16およびプラント制御システム58と動作状態を通信することができるHart、Foundation Fieldbus、Profibusなど様々なプロトコルを含むことができる。動作状態146は、2値ステータス(すなわち良好、または不良)であってもよいし、一連の動作状態146(たとえば約100%良好から0%良好)であってもよい。動作状態146は、各ビットがそれぞれ異なる動作状態146に対応し得るマルチビット動作状態146とすることもできる。たとえば、バルブ計器は、2つ以上の測定(たとえば圧力、流量、温度)、および提供された各測定の動作状態146を報告可能であってもよい。
保守表示148を動的入力30に含めることもできる。たとえば、実施された保守、保守のタイプ、問題などを詳細に示す紙および電子記録を含めて、計器26および関連設備24の保守記録を使用することができる。他の計器26からの指示値を含めて、計器指示値150を使用することもできる。たとえば、冗長計器は、ほぼ同じ指示値を送信すべきであり、特定の範囲外の指示値は、疑わしいとマーク付けしてもよい。同様に、それぞれが1つまたは複数の計器26を有する、2つ以上のプロセス点の間の相関性を使用して、計器性能を導出することができる。たとえば、温度計器26は、燃焼器82、化学バット、冷却器などの前、内部および後に置かれた温度センサなど、熱利得(または熱損失)をもたらす操作の前、中および後に置いてもよい。したがって、計器26から送信された測定は、計器26の位置に基づく予期された測定に相関させることができる。最後の保守の日付、実施された保守のタイプ、保守理由(たとえば定期保守、計画外保守)など、最後の保守154入力を使用することもできる。
論理100は、たとえば計器26の動作状態測定イベント102を導出するために、イベント規則62を使用してもよい。イベント規則62は、イベント102を導出するために、「IF 計器指示値=0% THEN 計器=故障」、「IF 計器指示値=100% THEN 計器=良好」、「IF 計器指示値=信頼できない THEN 動作状態=良好でない」などの規則を含むことができる。イベント102は、2値の測定(すなわち良好対不良)、動作状態の範囲(たとえば0%〜100%)、および/または非常によい動作状態、良好な動作状態、名目動作状態、修理要として測定された計器26の動作状態を含むことができる。静的入力28は、たとえば、所望の較正スケジュールを詳細に示す推奨された較正間隔156を提供することによってイベント102を導出する際の助けとするために使用することができる。静的入力28は、設計精度または許容値158を含むこともできる。設計精度または許容値158は、およそ±0.5%、1%、5%、10%誤差など、計器によって導出される測定に望ましい値の範囲を含むことができる。
次いで、論理100は、導出された計器26の動作状態に基づいて運転継続のリスク予測を更新してもよい(ブロック106)。リスクが運転継続のリスク閾値を超えなければ(決定110)、次の予定されたアクションを計算してもよい(ブロック112)。次の予定されたアクションは、計器較正日の再スケジューリング(たとえば期日を前にし、または期日を後ろにする)、あるいは計器26の交換または修理の作業指示の作成を含むことができる。実際に、動的入力30および静的入力28を連続的に監視することによって、論理100は、計器26の較正、修理および保守を最適化することができる。次いで、次のスケジュールアクションをオペレータに表示することができる(ブロック114)。計器26の動作状態を連続的に導出し、導出された動作状態に関連するリスクを更新し、適切なアクションを導出することによって、プラント10全体の運転および保守を向上させることができる。論理100は、リスク閾値を超えないならば(決定110)、バックアップ計器の使用など緩和アクション、ならびに計器の交換など、推奨アクションをも提供できることに留意されたい。さらに、論理100は、図6に関して下記により詳細に述べられるように、次回の設備運転または将来の使用を監視することによりプラント10の効率を向上させるために使用することができる。
図6は、次回の設備使用を監視し、現在の設備状態を導出し、適切なアクションで応答することによる設備運転の効率を向上させることに適用される論理100の一実施形態を示している。このように、論理100は、設備の自動化された動的な事前運転点検を可能にすることができる。たとえば、動的入力30は、タービンシステム80の次回の起動(または停止)を詳細に示すデータなど、計画されたプラント運転のデータ160を含むことができる。起動(または停止)運転は、標準の稼動運転中に定期的には使用されない設備を使用することを必要とすることがあり、または標準の稼動運転中に定期的には使用されない特定の方法で設備を使用することを必要とすることがある。たとえば、タービンシステム10は、標準稼動中ではなく起動運転の間に1次およびバックアップの点火用エキサイタを使用することがある。同様に、以前に使用されなかった特定のバルブは、今は必要ないことがある。論理100は、設備を使用するリスクを導出するために、設備を実際に使用する前に設備を事前に試験してもよい。たとえば、運転の有効性を測るために、バルブをストロークする(たとえば完全にまたは部分的に開き、完全にまたは部分的に閉じる)ことができる。
論理100は、イベント102を導出するために、構成要素162、現在の構成要素のデータ164(たとえば現在のバルブ位置、構成要素の動作状態)、計画された構成要素使用166(たとえば計画されたバルブ位置、構成要素使用回数)、および/またはプロセス状態168(たとえばプロセス温度、圧力、流量、クリアランス、使用される燃料のタイプする)の最後の運転など、動的入力30を使用することができる。イベント102は、起動運転中に特定のバルブを操作する必要があること、および特定の時間ウィンドウ内に特定のバルブがフルストロークで運転されていないことなどのイベントを含むことができる。
論理100は、要望通りに作動していない設備24および/または計器26のリスク予測(ブロック106)を更新するために、システムの信頼性モデル170、計画運転の信頼性モデル172(たとえばタービン起動信頼性モデル、停止信頼性モデル、過渡信頼性モデル、定期運転信頼性モデル)、故障モード解析モデル174、設計寿命予測176、業界故障率データ178および/または運転状態180など、静的入力28を使用することもできる。たとえば、システムの信頼性モデル170は、基準の信頼性を決定するために使用することができる。計画運転の信頼性モデル172(たとえばタービン起動信頼性モデル)は、たとえば起動運転、停止運転、トリップ運転などの間の構成要素の故障の統計的確率など、追加の情報に基づいて基準の信頼性を更新するために使用することができる。故障モード解析174は、バルブ、計器、パイプ、燃料供給システムなど、特定の部品故障の結果どうなるかを導出するために使用することができる。設計寿命予測176は、予測寿命および実際の構成要素の使用に基づいて様々な構成要素の現在の寿命を導出するために使用することができる。業界故障率データ178は、業界データベースからのデータに基づいて構成要素の故障についての統計モデルを導出するために使用することができ、この業界データベースは、製造元データベースおよび他の履歴故障率データベースを含み得る。運転構成180は、部品構成またはレイアウトおよび従来の使用を決定するために使用することができる。
論理100は、上述されたように次回の計画運転に関連するリスクのリスク予測(ブロック106)を更新し、また関連するリスク閾値を更新する(ブロック108)ために、入力28および入力30のすべてを使用してもよい。たとえば、更新されたリスク閾値は、次回の計画プラント10運転(たとえばタービン起動)および静的入力28に基づいて上昇させてもよいし、低下させてもよい。一部の状況では、リスク閾値を超えることがある(決定110)。次いで、論理100は、いずれかの緩和アクションが使用可能かどうか判定することができる(決定116)。1つまたは複数の緩和アクションが使用可能な場合は、論理100は、今後の運転のリスクを減少させるのに適した1つまたは複数の緩和アクションを選択してもよい(ブロック118)。たとえば、特定のバルブが次回の運転で使用されることになっており、それらのバルブが一定の期間(24時間超、3日間超、1週間超、1ヶ月超など)使用されていない場合、選択された緩和アクションは、制御システムによってバルブをストロークし、または部分的にストロークする(すなわちバルブを開方向、または閉方向に動かす)など自動のアクション(ブロック124)を含むことができる。このようにして、次回の運転に適しているものとして自動的に「事前検査」することができる。同様に、他の緩和アクションは、確実に運転準備が整った状態にするために、可変形状入口、フライス盤、化学処理装置、バックアップシステム、タービンシステム10部品など、設備24を自動にまたは手動で作動させることを含むことができる。実際に、論理100は、システムが運転を始める前にシステムを事前試験するために、様々なプラント設備24および計器26に適用することができる。
図7は、計器26の一部が信頼できなくなり、または他の方法で動作不可能になる場合でも、プラント10(図1に示す)をより効率的に運転するために適用される論理100の一実施形態を示している。たとえば、計器26のうちの1つまたは複数の計器を不意に失うことが、故障した計器26の即時交換を必ずしも必要としないことがあり、プラント10の運転は、特定の状況下で継続することが許され得る。このように、一部の計器26が故障した状況でさえ、プラント10の最適なリソース使用および生産を実現することができる。
示された実施形態では、動的入力30は、図5に関して上述されたように、計器26の動作状態146、保守表示148、計器指示値150、およびそれぞれが1つまたは複数の計器26を有している2つ以上のプロセス点152間の相関を含むことができる。やはり図5に関して上述されたように、静的入力28は、推奨された較正間隔156、ならびに設計精度(許容値)158を含むこともできる。論理100は、イベント規則62を使用して、「動作状態=不良」、「信号=失敗」など、特定の計器故障イベント102が発生したこと、あるいは計器が所望の許容値外であることを導出することができる。したがって、論理100は、計器26使用のリスク予測を更新することができ(ブロック106)、計器26に関連するどんなリスク閾値をも更新することもできる(ブロック108)。特定の計器26、たとえば冗長計器を有する計器26、およびプラント運転にとって重要でないことがある計器26(たとえば排気口88温度センサ)の場合、計器を使用しないことのリスク閾値を超え得ない(決定110)。次いで、論理100は単に、交換の作業指示を作成し、通常の保守スケジュールの一環として作業指示を、次の予定されたアクションとしてスケジューリングしてもよい(ブロック112)。次いで、作業指示をオペレータに表示することができる(ブロック114)。
プラント運転にとってより重要であり得る計器26の場合、計器26を使用しないことのリスク閾値を超えることがある(決定110)。次いで、論理100は、いずれかの可能な一連の緩和策を決定してもよい(決定116)。特定の状況では、特定の緩和アクションを選択することによって(ブロック118)プラント運転に対するリスクを緩和することが可能であり得る。たとえば、故障した計器26がタービン温度(たとえばHPタービン84またはLPタービン86)を測定している場合、範囲が減少するといえ、動作することを許され得る。たとえば、タービンは、最大負荷の95%、90%、80%、50%で動作することを許され得る。同様に、タービンの燃焼温度は、同様に制限され得る。蒸気タービンの例では、タービンは、ボイラ出口の温度センサと、蒸気タービン入口の温度センサとを含むことができる。入口センサが故障すれば、蒸気タービンは、出口センサによって測定されたように、低下した温度で運転を継続することを許され得る。同様に、出口センサが故障すれば、ボイラは、入口センサによって測定されたように、温度が低くなるとはいえ、蒸気を供給し続けることを許され得る。実際に、より制限された運転モードを実施するために、自動のアクションは、制御システムを対象としてもよい(ブロック124)。手動の緩和アクションを実施することもできる。たとえば、第1のポンプ上で重要な振動センサが故障するが、第2の待機ポンプが使用可能であるならば、論理100は、作業員に第2の待機ポンプを開始するよう手動で指示することができる。このように、計器の故障を認識することができ、プラント100運転を継続するために、適切な緩和アクションを講じることができる。
緩和アクションが使用可能ではないと決定される場合は(決定116)、規制順守の運転など、プラント運転を最適化するために特定の推奨アクションを講じることができる。たとえば、動作不可能になったかもしれない計器26が、排出監視に必要な計器26を含む場合、推奨アクションは、故障した計器26の早急な交換を推奨すること、および一定の期間(たとえば15分、1時間、4時間、1日)の終了の前に交換が完了しない場合にはプラントを停止する自動のアクションを含むことができる。このように、論理100は、重要な計器が信頼できなくなったと検出し、プラント10運転を継続するのに適した推奨アクションを開始することができる。さらに、図8に関して下記により詳細に述べられるように、論理100は、複数のプラント10に渡ってプラント運転を最適化することができる。
図8は、複数の発電所10など、複数のプラント10の管理に適用される論理100の一実施形態を示している。示された実施形態では、静的入力28は、電力購入契約データ160を含む。電力購入契約データ160は、一定の期間の間、たとえば送電網99に供給される電力量を詳細に示すことができる。電力供給元は、電力購入契約160に従って送電網99に電力を供給するために、1つまたは複数の発電所10を使用することがある。論理100は有利には、電力購入契約160を守りながら電力供給を最適化するために、1つまたは複数の発電所10、ならびにエネルギー市場、環境状態などを監視することができる。
示された実施形態では、動的入力30は、他のプラントステータス162(たとえば他のプラントの運転状態、他のプラントの発電容量)、グリッドステータス164(たとえば、送電網によって分配された現在の電力、予測された電力、停電が生じているかもしれない送電網、系統電力のルーティング図)、エネルギー需要165(たとえば現在の需要、予測された需要)、エネルギーコスト166(たとえば燃料費、発電コスト)、すべての発電所10の動作状態168、保守表示170(たとえば設備24および計器26の次回の保守、設備24および計器26の現在の保守、現在の作業指示)、プラント状態172(たとえばプラント設備のステータス、休暇中の作業員、バックアップ発電容量)、および環境状態174(たとえば現在の天気、予測された天気)を含むことができる。
論理は、たとえば現在のエネルギーまたは電力の経済的価値を反映するようにリスク閾値を更新してもよい(ブロック108)。より具体的には、エネルギーの価値が高くなると、リスク閾値の上昇につながることがあり、エネルギーの価値が低くなると、リスク閾値の低下がもたらされることがある。エネルギー評価に基づいてリスク閾値を調整することによって、論理100は、プラント10(複数可)内の運転上の決定を導出する際にエネルギー評価を使用することを可能にすることができる。実際に、複数の発電所10の生産効率および利益を増加させるのに適した決定を行うために、エネルギー市場ならびに天候を使用することができる。
図示された例では、論理100は、たとえばエネルギー市場(たとえば電力市場、石油市場、ガス市場、石炭相場、先物市場)のエネルギー需給を観測することによって、動的データ30を監視して、エネルギー価値を導出することができる。「IF エネルギー価値>閾値」など、イベント規則62を使用して、イベント102を導出し、したがって、プラント10に関連するリスク予測の解析を開始することができる。リスク予測は、予定された保守、天気事象による休止時間に関連するリスク、統計および/または物理モデルを使用して導出された設備24および計器26の故障リスク、需要の増加に関連する経済的リスクを含むことができる。リスク閾値は、電力購入契約160、関連する静的入力28および動的入力30の解析に基づいて、改訂されたリスク閾値を組み込むように更新することもできる(ブロック108)。たとえば、エネルギー価値が高い(たとえば、通常のエネルギー価値より10%、20%、50%高い)場合は、リスク閾値を増加させてもよい。エネルギー価値が低い(通常のエネルギー価値より10%、20%、50%低い)場合は、リスク閾値を低下させてもよい。同様に、電力購入契約160が、十分な電力を提供しないことのペナルティを含む場合、リスク閾値は、ペナルティに相関して上昇させてもよい。このように、リスク閾値は、経済的な状態、技術的な状態および契約の状態を反映するように動的に調整することができる。
リスク閾値を超過しない場合(ブロック110)、増加したエネルギー価値、および入力28および入力30に基づいて、特定のアクションを予定することができる(ブロック112)。たとえば、プラント10は、増加した収益を得、かつ/または天候関連の停電の際に役立つように、通常の制限(たとえば発電制限、設備使用時間制限、保守間隔制限)より高い制限で動作することを許されてもよい。たとえば、天気事象(たとえばハリケーン、暴風雪、洪水、竜巻、地震)が生じ、または予測されるならば、天気事象を最小限に抑えるために、さもなければ保守のために停止されたかもしれない発電所10を運転し続けるなど、様々な予定されたアクション112を講じることができる。同様に、プラント10は、他のプラント10内で予期しない休止時間が生じた場合、または経済状況のせいで必要な電力を提供するために、特定の制限(たとえば発電制限、設備使用時間制限、保守間隔制限)を超えて運転することが許されてもよい。このように、エネルギー市場(たとえばエネルギー需要165、エネルギーコスト166)、環境状況174、および他のプラント162のステータスは、プラント10リソースのより最適な利用を導出するために監視することができる。さらに、図9に関して下記により詳細に述べられるように、論理100は、プラント10(複数可)内の有益なシステムアップグレードを特定することができる。
図9は、プラント10にとって有益なシステムアップグレードの特定に適用される論理100の一実施形態を示している。たとえば、プラント10は、およそ最大容量で、またはほぼ最大容量(たとえば容量の80%、90%、95%、99%)で運転していることがある。したがって、たとえば特定の設備24および/または計器26を、改良された設備24および/または計器26で置き換えることによってプラント10の生産容量を増加させることが有益であり得る。同様に、特定のプラント10の設備24および/または計器26は、同じタイプ、寿命および/また使用履歴の設備24および/または計器26に期待された中央または平均のイベント数を超えるいくつかの予期しない保守イベントに遭遇していることがある。すなわち、設備24および/または計器26は、予測されるよりも頻繁に故障していることがある。論理100は有利には、プラント10のアップグレードに関連するイベント102を導出し、プラント10全体の効率を向上させるのに適したアクションを提供することができる。
示された実施形態では、静的入力28は、新製品導入(NPI:new product introduction)設計概念176、システム構成178および国の要件180を含むことができる。NPI設計概念176は、設備24、計器26、および/またはプラント10運転の向上に適したプラントプロセス22の近い将来の設計を含むことができる。たとえば、タービンシステム80の運転、保守および発電を向上させることができるタービンシステム80に対するNPI修正を特定することができる。システム構成178は、プラント10の現在のシステム構成を含むことができ、したがって、そこからのシステムアップグレードを提供するために、基準の構成を提供することができる。国要件180は、国によって変化するプラント10用の規制要件を含むことができる。さらに、国要件180は、プラント10が稼動している国に関する産業法規要件、構築要件、資金調達要件など、他の要件を含むことができる。
動的入力30は、燃料変化182、負荷要件184、システム運転186、オペレータ介入188、システムステータス190、および/またはシミュレーション環境192を含むことができる。燃料変化182は、設備に対するどんなタイプのアップグレードによって使用可能な燃料の利用が向上するか決定するのに有用であり得る。たとえば、石炭ベースの燃料の新製品導入(NPI)設計176によって、排出レベルをも減少させながら、エネルギー生産の向上をもたらすことができる。負荷要件184は、タービンシステム80など、特定の設備24の負荷率の使用を含むことができる。すなわち、負荷率は、発電機98など、特定の設備の稼動に望ましい率の負荷を近似することができる。より高い負荷要件80は、保守の必要性の増加をもたらすことがある設備24使用の増加に対応し得る。システム運転186は、システムをどのように運転すべきか、たとえばバックアップとして使用するために他のどんなシステムが相互に関連し得るか、運転を監視する作業員のタイプ、数および訓練、典型的な燃焼温度、典型的な運転圧力、燃料および他の流量などを詳細に示すデータを含むことができる。オペレータ介入188は、プラント10内に存在する手動の介入のタイプ、ならびにオペレータがプラント10の設備24および/または計器26と対話する時間量を詳細に示すことができる。システムステータス190は、システムの現在の運転状態(たとえば現在の発電レベル、前月比の発生収益、付随するコスト、作業員入れ替え率)を含むことができる。シミュレーション環境192は、プラント10へのアップグレードの影響をシミュレートするのに適した統計および/または物理モデルを含むことができる。たとえば、NPI設計概念176は、いずれかの有益な影響を測るためのシミュレーションの一環として使用することができる。同様に、シミュレーション環境192は、税金払戻し(たとえば「グリーン」技術戻し減税)、償却スケジュール、株価評価への影響などを含めて、新しい設備および/または計器の調達の費用対効果解析を導出するのに適した経済モデルを含むことができる。
論理100は、有益なシステムアップグレードを特定するために、入力28および入力30を絶えず監視してもよい。たとえば、新しいNPI設計176が作成される場合、論理100は、新しいNPI設計の外観を詳細に示すイベント104を導出する。次いで、論理100は、プラント10内でNPI設計176を実施することがエンジニアリング面および経済面で適しているか決定するために、シミュレーション環境192を実行することができる。論理100は、設備24および/または計器26の過剰使用を追跡するために、発電機トリップ、タービントリップ、予期しない保守のイベント(たとえば部品故障)などのイベント102を監視することもできる。こうした過剰使用を監視することによって、過剰使用イベント102が導出されることになり得る。同様に、論理100は、たとえば、現在の使用メトリクス(使用時間、燃焼温度、発電、燃料使用、1年当たりの起動数)を平均または中央値の使用メトリクスと比較することによって、設備24および/または計器26の活用不足を監視することができる。したがって、論理100は、交換の候補として、過剰使用されたリソース、および十分に活用されていないリソースを識別することができる。
論理100は、設備24および/または計器26をより新しい設計に置き換えることのリスク予測を更新し(ブロック106)、交換リスクを、いずれかの更新されたリスク閾値(ブロック108)と比較することができる。同様に、プラント10リソースをアップグレードしないリスクを比較点として使用することができる。設備のアップグレードのリスク閾値が、更新されたリスク閾値を超えないならば(ブロック110)、次の予定されたアクションは、設備24および/または計器26アップグレードのスケジュールおよびリストを含むように計算することができる(ブロック112)。このように、論理100は、プラントの効率および生産を増加させることができるプラント10への1つまたは複数のアップグレードを導出するために、入力28および30を監視することができる。
図10は、圧力除去バルブなど、個々の設備24および/または計器26に関連する入力28および30を監視すること、ならびに監視された入力を使用して、たとえば設備24および/または計器26について新しい保守スケジュールを導出し、かつ/または新しい作業指示を発行することに適用される論理100の一実施形態を示している。圧力除去バルブなどの特定の設備24は、あまり頻繁には使用されないことがある。たとえば、圧力除去バルブは、圧力があるレベルに達するときに流体の流れをバイパスし、または取り除くために使用される。したがって、圧力除去バルブは、他のバルブと比べてあまり頻繁に使用されないことがある。安全弁の信頼性を保証するために、ある圧力レベルで安全弁が開き、または閉じるなど、所望のバルブ挙動を試験する保守試験をスケジュールすることができる。しかし、保守試験は、設備24をオフライン化し、したがって、プラント10の運転全体に影響を及ぼすことがある。論理100は、バイパス弁を開けさせ、かつ/または閉じさせるバイパスイベントなど、特定のバルブ関連イベントの発生について入力28および入力30を連続的に監視してもよい。バイパスイベントに関連するデータを監視することによって、論理10は、バルブが適切に機能していることを導出し、バルブ試験を行う代わりに、イベントに「クレジットを与える」ことができる。次いで、予定されたどんなバルブ試験をも、それに応じて再スケジューリングすることができる。
示された例では、動的入力30は、圧力除去バルブの設定圧力194およびシステム圧力196を含む。設定圧力194は、設定圧力194に達するときにバルブが上がり、作動するように調整することができ、したがって、流体の流れの向きが変わり、システム圧力196が不所望のレベルに達することが防止される。論理100は、システム圧力196を連続的に監視し、過剰圧力イベント102の発生中にバルブデータを捕捉することができる。たとえば、「IF 現在のシステム圧力≧設定圧力」などのイベント規則62を使用して、過剰圧力イベント102の発生を導出することができる。次いで、圧力安全弁が上がったかどうか、バルブの作動時間、およびバルブの再設定の作動時間(すなわち、過剰圧力以前の元の位置にバルブが戻ること)を使用して、更新されたリスク予測を導出することができる(ブロック106)。更新されたリスク予測は、実際の過剰圧力状態中のバルブの観測された性能に基づいて、過剰圧力試験イベントなど、バルブ保守を再スケジューリングするリスクを含むことができる。バルブが設計パラメータ198内で作動した場合、リスク閾値を超え得ず(決定110)、次の予定されたアクションの計算(ブロック112)は、次回のどんな過剰圧力試験をも再スケジューリングすることを含むことができる。次いで、過剰圧力試験の再スケジューリング、過剰圧力イベント102の観測中に照合されたデータが、オペレータに表示されてもよい(ブロック114)。このように、実際のプラント10イベントの発生102を使用して、イベント102に関連する特定の試験を実施する代わりに、「クレジット」を与えることができる。
バルブが要望通りに作動しなかった場合は、十分に作動しないバルブのリスク閾値を超えていることがある(決定110)。論理100が、緩和アクションが使用可能であると決定した場合(決定116)、特定の緩和アクションを選択してもよい(ブロック118)。緩和アクションは、バルブ較正の作業指示の作成、バルブ交換の作業指示の作成、追加のバルブ試験実施の作業指示の作成を含むことができる。論理100は、手動の緩和アクション(たとえば作業指示)を提供し(ブロック122)、オペレータに作業指示を表示してもよい(ブロック114)。したがって、論理100は、オペレータが、是正アクションが必要であることを示し得る動的入力30の変化に対してより効率的に応答することを可能にすることができる。実際に、図11に関して下記により詳細に述べられるように、ポンプなどの個々の設備24および/または計器26を連続的に監視することができ、したがって運転を向上させることができる。
図11は、新しく識別された状態に基づいて、設備24の運転および保守に適用される論理100の一実施形態を示している。ポンプなど、特定の設備24は、振動制限200、設備温度定格202、通常の軸受運転温度204、圧力曲線208および流れ曲線210など、設計条件を詳細に示す静的入力28を含むことができる。振動制限200は、不所望の振動レベルに基づく制限を含むことができる。設備温度定格202は、設備の寿命および運転能力の向上に適した設備に望ましい運転温範囲度を含むことができる。同様に、通常の軸受運転温度204は、ポンプ軸受(たとえばたとえば玉軸受、ころ軸受)運転の所望の温度範囲を含むことができる。さらに、圧力曲線206は、所与の流量に望ましい圧力を詳細に示すことができる。同様に、流れ曲線208は、所与のバルブ開き位置に望ましい流量または流れ率を詳細に示すことができる。
静的入力28は、故障モード解析210および設計寿命予測212を含むこともできる。故障モード解析210は、現在の振動214、現在の温度216、現在の圧力218、流れ(たとえば流量、流れ率)、および電力222(たとえば駆動力またはトルク)など、特定の動的入力30に基づいて設備故障を予測するのに有用な統計および/または物理ベースのモデルを含むことができる。同様に、設計寿命予測212は、使用された時間、使用タイプ、保守記録など、設備24の使用履歴に基づいて設備24の除却または交換を予測するために使用することができる。論理100は、設備24に関連するリスク予測を更新するために(ブロック106)、静的入力28を、現在の振動214、温度216、圧力218、流れおよび/または電力222などの動的入力30と組み合わせることができる。たとえば、設備24故障のリスク予測または保守の必要性を更新することができる(ブロック106)。更新されたリスク予測は、バルブが誤動作し、または他の方法で動作不可能になるリスクを含むことができ、それは、たとえば、故障モード解析210および/または設計寿命予測212(および他の静的入力28)を使用して導出することができる。
バルブの誤動作のリスク閾値がリスク閾値を超えると見られる場合(決定110)は、論理100は、使用可能な緩和アクションがあるかどうか判定することができる(決定116)。使用可能な緩和アクションがある場合は(決定116)、論理100は、1つまたは複数の緩和アクションを選択してもよい(ブロック118)。たとえば、手動の待機ポンプが使用可能な場合は、論理100は、待機ポンプを開始するようオペレータに警告またはアラームを提供し(ブロック122)、次いで、現在のアクション(たとえば待機ポンプを開始するアクション)の表示をオペレータに提供することができる(ブロック114)。同様に、待機ポンプが使用可能であり、自動制御されている場合は、プラント制御システム58に待機ポンプを駆動するよう指示することができ(ブロック124)、講じられたばかりのアクションについてオペレータに警告することができる(ブロック126)。次いで、論理100は、現在のアクション(たとえば待機ポンプの自動開始)をオペレータに表示することができる(ブロック114)。
緩和アクションが使用可能でない場合は(決定116)、論理100は、推奨アクションを決定してもよい(ブロック120)。たとえば、ポンプが重要なポンプである場合は、推奨アクションは、ポンプを使用しているシステムを停止することを含むことができる。システム停止は、自動であっても、手動であってもよい。手動の停止では、論理100は、システム停止を詳細に示す警告またはアラームをオペレータに提供してもよい(ブロック122)。自動停止では、論理100は、プラント制御システム58にシステムを停止するよう指示し(ブロック124)、講じられた停止アクションについてオペレータに警告してもよい(ブロック126)。次いで、論理100は、停止アクションおよび関連するデータをオペレータに表示してもよい(ブロック114)。設備24からの動的入力30を連続的に監視することによって、論理100は、プラント10をより効率的に操作するのに適した保守および/または運転上のアクションを導出することができる。このように、障害の不所望の影響を最小限に抑え、または取り除くために、設備24に対する可能な障害を検出し、アクションを施行することができる。実際に、図12に関してより詳細に述べられたように、設備26に対する可能な障害を、論理100によって検出し、それに基づいてアクションすることができる。
図12は、計器26が動作不可能になり、または故障状態になることの表示を検出し、それに基づいてアクションするために、動的入力30を監視することに適用される論理100の一実施形態を示している。冗長の計器および/または冗長のチャネルの使用など、特定のアクションを提供することによって、論理100は、故障した計器24に関連する影響を緩和し、または取り除くことができる。たとえば、監視された動的入力30は、計器26の動作状態146を含むことができる。図5に関して上記に言及されたように、動作状態146は、目視検査によって導出してもよいし、計器26によって自動的に報告してもよい。実際に、計器26は、制御コンピュータ16およびプラント制御システム58と動作状態を通信することができるHart、Foundation Fieldbus、Profibusなど、様々なプロトコルを含むことができる。動作状態146は、2値ステータス(すなわち良好または不良)、または動作状態146の範囲(たとえば約100%良好から0%良好まで)であってもよい。動作状態146は、それぞれのビットがそれぞれ異なる動作状態146に対応し得るマルチビット動作状態146とすることもできる。
保守表示148もまた、動的入力30に含まれてもよい。たとえば、実施された保守、保守のタイプ、問題などを詳細に示す紙および電子記録を含めて、計器26の保守記録および関連設備24の保守記録を使用することができる。温度、圧力、フロー、クリアランスまたは他のプロセス情報を測定するプロセス変数224を使用してもよい。制御変数226は、たとえば、計器26が比例積分微分制御(PID:proportional−integral−derivative)技法、閉ループ制御技法および/または開ループ制御技法など、制御モダリティを使用する状況では、制御変数226を使用することができる。プラント状態172(たとえばプラント設備のステータス、休暇中の作業員、バックアップ発電容量)、および環境状態174(たとえば現在の天気、予測された天気)を監視することもできる。
静的入力28は、計器26の改修または保守のスケジュールを詳細に示す改修間隔228を含むことができる。計器26の残りの寿命を決定するのに有用な計器26のライフサイクルまたは陳腐化期間を詳細に示すために、陳腐化入力230を使用することができる。計器26についていずれかの現在のメーカリコールまたは返品が、計器26のリコールまたは返品の履歴と同様に整っているか決定するために、リコール232を使用することができる。したがって、静的入力28を使用して、計器故障、または計器26による誤測定の送信のリスクの導出に有用な情報を提供することができる。
所望の制御変数226からの逸脱(たとえば、「IF 制御設定点変動>X%」、ただしX%は1%、5%、10%、15%、20%にほぼ等しい)を詳細に示す規則など、1つまたは複数のイベント規則を使用して、動作状態イベント102を検出することができる。他のイベント規則62は、保守表示148(たとえば「IF 予期しない保守の履歴=高い」、「IF 最後の保守>1年」)、プロセス変数224(たとえば「IF 測定>最大測定範囲」、「IF 測定<最小測定範囲」)、および計器26によって送信された測定(たとえば、「IF 測定の受信なし>1時間」、「IF 測定データ=雑音入りデータ」)などに関する規則を含むことができる。計器26は、動作状態測定146を提供することもできる。実際に、Foundation Fieldbus計器26など、特定の「スマート」計器26は、動作状態146を送信するのに適した自動解析モードを含むことができる。したがって、論理100は、たとえば、計器26が不良であり、または故障したかもしれないことを詳細に示すイベントなど、動作状態イベント102を導出することができる。
動作状態イベント102は、プラント10運転の障害の影響のリスク予測を更新し(ブロック106)、またリスク閾値を更新するために使用することができる(ブロック108)。たとえば、計器がタービンシステム80に含まれている場合、タービンシステム80の誤動作のリスク予測は、ASRプロセスを使用することによって見つけることができる(ブロック106)。実際に、計器80を含む任意のシステムの誤動作のリスク予測を、動的入力30および静的入力28を使用することによって更新することができる(ブロック106)。同様に、誤動作のリスク閾値または許容リスクを更新することもできる(ブロック108)。たとえば、計器26がプラント10の運転に重要であると考えられる場合は、リスク閾値は、プラント運転中の計器26の重要性を反映するように低下させることができる。同様に、計器26がバックアップ計器26を有し、またはプラント10の運転にとってそれほど重要でない場合は、リスク閾値の更新より、リスク閾値を低下させることになり得る(ブロック108)。
論理100は、計器26故障のリスク閾値を超えたと決定した場合(決定110)、可能な緩和アクションがあるかどうか判定することができる(決定116)。1つまたは複数の緩和アクションがある場合は、論理100は、緩和アクションのうちの1つまたは複数を選択してもよい(ブロック118)。たとえば、計器26は、2つ以上のチャネルを含むことがあり、チャネルのうちの1つが、所望のパラメータ内で機能していると決定されていることがある。したがって、選択された緩和アクションは、故障したチャネルを使用しないままにしながら、機能しているチャネルを自動的に使用することを含むことができる。実際に、プラント制御システム58は、機能しているチャネルを使用する自動のアクションを実施することを対象とすることができ(ブロック124)、次いで、講じられるアクションについての警告をオペレータに送ることができる(ブロック126)。緩和アクションが使用可能でない場合は(決定116)、論理100は、計器26の交換など、推奨された手動のアクションを決定することができる(ブロック120)。次いで、こうしたアクションをアラームまたは警告としてオペレータに提供することができる(ブロック122)。さらに、論理100は、計器26が特定の時間制限内に交換されない場合は、プラント制御システム48に特定の運転を停止するよう指示するなど、自動の推奨アクションを提供することもできる(ブロック122)。次いで、講じられた自動のアクションは、警告としてオペレータに提供されてもよい(ブロック126)。次いで、すべての警告および関連するデータ(たとえば警告の原因、警告を導出するために使用される測定)をオペレータ114に表示することができる。
論理100は、たとえば計器が重要でないため、または計器26の動作状態が良好な状態にほぼ近い状態であるためリスク閾値を超えていなと決定する場合(ブロック110)、次の予定されたアクションを計算することができる(ブロック112)。次の予定されたアクションは、計器26の交換の推奨されたスケジュール、ならびに計器の動作状態の決定に使用されるデータ(たとえば動的入力30)を含むことができる。次いで、次のスケジュールアクションおよび関連するデータをオペレータに表示してもよい(114)。計器26の動作状態イベント102を連続的に導出し、入力28および入力30を使用してリスク予測の更新(ブロック106)およびリスク閾値の更新(ブロック108)を行うことによって、論理100は、誤動作する計器26から発生するどんな問題をも最適に診断し、それに応じて応答することができる。実際に、図13に関して下記により詳細に述べられるように、論理100は、たとえば相互に関連する設備24および/または計器26を介して送信されているデータによって、設備24および/または計器26を間接的に監視するために使用することもできる。
図13は、設備24の直接的な検査および/または間接的な検査から有用な結果を導出し、プラント10の運転の最適化に適した特定のアクションを可能にすることを含めて、設備24の検査に適用される論理100の一実施形態を示している。一例では、検査される設備24は、「噴霧」すなわちコンプレッサ94に蒸気を加えることに適した水洗浄システムなど、出力増加システム(power augmentation system)を含むことができる。追加される蒸気は、コンプレッサ94の冷却を可能にし、また追加の液体質量流量を注入することによって質量流量を増し、それによって、タービンシステム80からの追加電力の生産をもたらすことができる。ある動作モードでは、出力増加システムのスイッチを、たとえばグリッドコードを使用してオンにすることができる。たとえば、特定の規制40は、送電網99に電力を加えることによって発電所10がグリッドコードに応答することを詳細に示すことができる。したがって、発電所10は、発電を増強するために出力増加システムをオンにすることができる。
一実施形態では、出力増加システムを直接に検査する代わりに、出力増加システムの運転挙動を使用することができる、このように、出力増加システムは、間接的に観察することができる。たとえば、出力増加システムの使用中に収集された動的入力30を使用して、出力増加システムの信頼性または動作状態を示す特定のイベント102の発生を導出することができ、リスク閾値(ブロック108)と共に、運転の継続のリスク予測を更新することができる(ブロック106)。次いで、論理100は、運転を向上させ、プラント10の安全性を高めるのに適した決定を提供することができる。
示された実施形態では、動的入力30は、オンラインパワー洗浄システム運転236からのデータ(たとえば蒸発速度、コンプレッサ温度、質量流量)、グリッドコードに応答するバルブからのバルブ(たとえばCvバルブ)データ283(たとえば現在のバルブ位置、バルブを通る現在の流れ、流れの温度)、流れを提供し、または出力増加で使用される流体を他の方法で加圧するポンプなどのデバイスからの流れまたは圧力デバイスデータ240を含むことができる。動的入力30は、出力増加システムに影響を及ぼす1つまたは複数のイベント102の発生を導出するために、イベント規則62と共に使用することができる。たとえば、いくつかのイベント規則は、現在の動的入力30を解析し、出力増加システム内の可能な問題を示す低い質量流量、低圧力、高い質量流量、高圧力、流れの中の微粒子、汚い流れ、パワー洗浄をオンにするときの低い出力増加、または出力増加が行われないことなど、イベント102を導出する規則を含むことができる。
次いで、イベント102が発生すると、出力増加システムを使用した運転継続のリスク予測を更新されることになり得る(ブロック106)。たとえば、事故シナリオレビュー(ASR)または故障樹解析(FTA)を使用して、動的入力30(および静的入力28)に基づいて新しいリスクを導出することができる。同様に、プラント運転を継続するリスク閾値は、たとえばエネルギーの市場需要に基づいて更新してもよいし、同じレベルのままにしてもよい(ブロック108)。リスク閾値を超える場合は(決定110)、論理100は、いずれかの緩和アクションも使用可能かどうか判定することができる(決定116)。緩和アクションが使用可能な場合は(決定116)、論理100は、緩和アクションのうちの1つまたは複数を選択してもよい(ブロック118)。たとえば、出力増加システムに信頼性の問題が生じているように見え、また出力増加システムが近い将来(たとえば1日、1週間、1ヶ月)必要になると思われない場合は、手動の緩和アクションは、出力増加システムを修理し、かつ/または他の方法で維持するために作業指示を発行することを含むことができる。作業指示は、警告またはアラームとして伝えることができ(ブロック122)、その後、現在のアクション(また他のいずれかの予定されたアクション)をオペレータに表示することができる(ブロック114)。
さらに、または別法として、電力追加のどんな要求にも応えるために、代替の発電サービスへの自動入札を発行するなど、自動の緩和アクションを提供することができる。緩和アクションが使用可能でない場合は、論理100は、タービンシステム80の停止など、特定の推奨アクションを決定してもよい(ブロック120)。推奨アクションは、手動であってもよいし、手動であってもよい。まずオペレータ警告またはアラームとして手動のアクションを行うことができ(ブロック120)、その後に、関係のある情報がオペレータに表示される(ブロック114)。自動のアクションは、実施のために制御システム28に伝達されてもよく(ブロック124)、その後に、取られるアクションの警告が続き(ブロック126)、その後、それは、現在のアクション、および現在のアクションに関連するデータをオペレータに表示することを含むことができる(ブロック114)。直接に検査する代わりに入力28および入力30を監視することによって、論理100は、設備24の向上した信頼性および運転効率を維持するのに有用な決定を行うことができる。実際に、論理100は、図14に関して下記により詳細に述べられるように、たとえばプラント10の運転中のアクションの影響を減少(または増加)させるために、決定および対応するアクションを優先順位付けすることを可能にすることもできる。
図14は、プラント10の運転に影響を及ぼすアクションの相対的価値または影響を優先順位付けすることに適用される論理100の一実施形態を示している。すなわち、論理100は、たとえば、アクションがプラント10の運転に対して及ぼし得る影響に基づいて、特定のアクションを導出するだけでなく、アクションを優先順位付けすることを可能にすることができる。示された例では、一例としてタービン80の過速度保護システムなどのシステムを使用できるが、プラント10内のどんなシステムをも、論理100によって有利に監視できることに留意されたい。実際に、論理100は、図3〜図14に述べられたように、プラント10の任意のシステムで使用することができる。
任意の新しい静的入力28を含めて静的入力28を使用することによって、論理100は、それぞれの使用可能な入力30についてすべてのリスク閾値を更新することができる(ブロック108)。より具体的には、それぞれ入力30は、入力に関連する1つまたは複数のリスク閾値に割り当てることができる。たとえば、速度134入力は、タービンシステム80故障のリスク閾値およびプラント10故障のリスク閾値に割り当てることができる。リスク閾値の更新(ブロック108)は、いずれかの新しい入力を含めて静的入力28のすべてを使用することによって、また特定のアクションを優先順位付けすることによってASRプロセスを実施することを含むことができる。たとえば、プラント10が高い保険要件128を有するハリケーン多発地域に位置する場合、ASRプロセスによるリスク閾値の更新(ブロック108)は、ASRプロセスの間にハリケーン関連の要素を優先順位付けすることを含むことができる。ASRプロセスのどんな要素をも、ASRフローチャート内のあるブランチを別のブランチより優先するなど、所望のアクションに従って優先順位付けすることができる。同様に、リスクノードなどのASRフローチャート内のノードは、より高いまたはより低い優先度を反映するように、アクションの優先順位に応じて変更されるリスクスコアを有することができる。このように、リスク閾値は、特定の所望の優先度を組み込むように更新することができる(ブロック108)。
図のように、静的入力28は、保険要件128(たとえば1年に1度の全負荷遮断試験の実施)、システム構成130、および耐久試験の間隔またはスケジュール132を含むことができる。動的入力30は、タービン速度入力134、発電機ブレーカ136のステータス(たとえば開いた状態または閉じた状態)、タービンシステム運転情報138(たとえばシステムがランプアップ中である、システムがランプダウン中である)、運転介入情報140(たとえばオペレータがバルブ位置を手動で設定中)、およびシステム全体のステータス142(たとえば発電電力、天候状況など)を含むことができる。イベント規則62は、発電機ブレーカのトリッピング、および所望の速度の100%超でタービン速度の増加が測定される(たとえば、現在の速度が所望の速度の109%で測定され得る)ことに基づいて、全負荷遮断イベント102が発生していることを導出することができる。動的入力30および静的入力30を使用することによって、論理100は、現在の加速度保護システムおよび関連する構成要素(たとえばバイパス弁、配管、油圧制御装置)を用いた運転の継続のリスク保護を更新することができる(ブロック106)。たとえば、全負荷遮断イベント102が成功するときは、更新されたリスクは、現在の設備(たとえばタービンシステム80)を用いた運転継続のリスク閾値を超えない可能性が高い(決定110)。
論理100は、図4に関して述べられたように、リスク予測を更新することができる(ブロック106)。すなわち、任意の新しい静的入力28を含めて、動的入力30および静的入力28を使用して、たとえばタービンシステム80またはプラント10の故障の確率を表すリスク予測を導出することができる。リスク閾値を超えない場合(決定110)、論理100は、次の予定されたアクションを計算することができる(ブロック112)。たとえば、全負荷遮断イベント102が成功するとき、更新されたリスクは、現在の設備(たとえばタービンシステム80)を用いた運転継続のリスク閾値を超えない可能性が高い(決定110)。したがって、論理100は、次の予定されたアクション112を計算することができる。たとえば、ASRプロセスは、予測されるリスクを一定に保ち、1つまたは複数のアクションに達するためにASRフローチャートを逆に解くことによって「逆向きに」使用することができる。次いで、様々なアクションの影響が、オペレータ114に表示されてもよい。このように、論理100は、所望の優先度を組み込むことができる。
本発明の技術的効果は、予定された試験を実施する代わりに、予期しない特定のイベントの発生を検出し、イベント発生に「クレジットを与える」ことができることを含む。技術的効果は、論理100は、設備保護システムの試験、圧力除去バルブ運転の試験、計器の較正、計器の交換、計器検査の実施、計器保守の実施、指定された時間中の設備故障のリスク、所望の信頼性レベルを維持するための設備運転の実施、試験のタイミング、所望の信頼性レベルを維持するための運転および較正手順、有益なシステムアップグレードの特定、および値の優先順位付けを向上させるための決定を導出することをも含む。
記載されたこの説明は、ベストモードを含めて本発明を開示し、また任意のデバイスまたはシステムを作成し使用し、組み込まれたいずれかの方法を実施することを含めて当業者が本発明を実施することを可能にするために実施例を用いている。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想起される他の実施例を含み得る。他のこうした実施例は、特許請求の範囲の文言(literal language)とは異ならない構造的要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と僅かにしか異ならない均等な構造的要素を含む場合は、特許請求の範囲内のものとする。
10 産業プラント
12 リスク計算エンジン
14 決定支援システム
16 制御コンピュータ
18 フィールドデバイス
20 プラント作業員
22 プラントプロセス
24 プラント設備
26 プラント計器
28 静的入力
30 動的入力
32 設計データ
34 製造データ
36 プラント構成データ
38 故障モード解析/リスクレビューデータ
40 連邦/州規制、規約、規格データ
42 未知要因データ
44 プラント計器データ
46 プラント設備データ
48 プラント外部相互依存システムデータ
50 ビジネス環境データ
52 外部システムデータ
54 実際のデータで未知要因を置き換えること
56 プラントデータハイウェイ
58 プラント制御システム
60 インターフェースシステム
62 複数イベント規則
64 アルゴリズム
66 緩和アクションアルゴリズム
68 推奨アクションアルゴリズム
70 リスク計算アルゴリズム
72 故障予測アルゴリズム
74 モデル更新アルゴリズム
76 アクションスケジューリングアルゴリズム
80 タービンシステム
82 燃焼器
84 高圧(HP)タービン
86 低圧(LP)タービン
88 排気口
90 駆動軸
92 HPコンプレッサ
94 LPコンプレッサ
96 空気取入れ口
98 発電機
99 送電網
100 論理
102 動的イベント
104 静的イベント
106 ブロック
108 ブロック
110 決定
112 ブロック
114 ブロック
116 決定
118 ブロック
120 ブロック
122 ブロック
124 ブロック
126 ブロック
128 保険要件
130 システム構成
132 スケジュール
134 タービン速度入力
136 発電機ブレーカ
138 タービンシステム運転情報
140 運転介入情報
142 システム全体のステータス
144 耐久試験間隔
146 動作状態
148 保守表示
150 計器指示値
152 プロセス点
154 最後の保守
156 推奨された較正間隔
158 許容値
160 計画されたプラント運転のデータ
162 構成要素
164 現在の構成要素のデータ
165 エネルギー需要
166 計画された構成要素利用
168 プロセス状態
170 システムの信頼性モデル
172 計画運転の信頼性モデル
174 故障モード解析モデル
176 設計寿命予測
178 産業故障率データ
180 運転状態
182 燃料変化
184 負荷要件
186 システム運転
188 オペレータ介入
190 システムステータス
192 シミュレーション環境
194 設定圧力
196 システム圧力
198 設計パラメータ
200 振動限界
202 設備温度定格
204 通常の軸受運転温度
206 圧力曲線
208 圧力曲線
210 流れ曲線
212 設計寿命予測
214 現在の振動
216 現在の温度
218 現在の圧力
220 流量
222 電力
224 プロセス変数
226 制御変数
228 改修間隔
230 陳腐化入力
232 リコール
236 洗浄システム運転
238 バルブデータ
240 加圧装置データ

Claims (11)

  1. 静的入力(28)および動的入力(30)に基づいてリスクを計算するように構成されたリスク計算システム(12)と、
    前記リスクを使用し決定を導出するように構成された意志決定支援システム(14)と、
    前記決定に基づいてプラント(10)の運転を更新し、プラントシステムを観察し、プラントシステム観察結果を履歴データとして格納するように構成されたプラント制御システム(58)と、
    を備え、
    前記決定は、将来のプラント(10)状態を予測し、
    前記静的入力(28)は、ビジネス環境データを含み、
    前記動的入力(30)は、予期しない保守イベントを示す信号を含み、
    前記プラント制御システム(58)は、前記予期しない保守イベントを、前記プラントシステムの保守イベントに関する設備試験の代わりに使用し、前記予期しない保守イベント下でプラントシステムが適切に動作する場合には、前記設備試験に合格したとみなして前記設備試験のスケジュールを調整するように構成されている、
    システム。
  2. 前記静的入力(28)が、設計データ(32)、製造データ(34)、プラント構成(36)、故障モード解析(38)、規制(40)、未知要因の許容範囲(42)、またはその組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記動的データ(30)が、プラント計器入力(44)、プラント設備入力(46)、プラント外部相互依存システムデータ(48)、ビジネス環境入力(50)、外部システム入力(52)、未知要因を置き換える入力(54)またはその組合せを含む、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記プラント(10)、前記プラント制御システム(58)、前記リスク計算システム(12)、前記意志決定支援システム(14)に通信可能に結合されたデータハイウェイ(56)を備え、
    前記データハイウェイ(56)が、前記プラント(10)と前記プラント制御システム(58)と前記リスク計算システム(12)と前記意志決定支援システム(14)との間の通信を可能にするように構成されている、
    請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
  5. 前記意志決定支援システム(14)が、前記プラント制御システム(58)に前記決定を伝え、
    前記プラント制御システム(58)が、前記決定に基づいてアクションを実行するように構成されている、
    請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
  6. 前記意志決定支援システム(14)が、イベント規則(62)、緩和アクションアルゴリズム(66)、推奨アクションアルゴリズム(68)、リスク計算アルゴリズム(70)、故障予測アルゴリズム(72)、モデル更新アルゴリズム(74)、アクションスケジューリングアルゴリズム(76)またはその組合せを使用し、前記決定を導出するように構成されている、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
  7. 前記プラント制御システムが、分散制御システム(DCS)、製造実行システム(MES)、監視制御データ収集(SCADA)システム、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)システム、またはその組合せを含む、請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
  8. 前記プラント(10)が、発電所、化学プラント、精製所、製造工場、またはその組合せを含む、請求項1から7のいずれかに記載のシステム。
  9. 発電所(10)に関連する動的入力(30)および静的入力(28)を受信し、プラントシステムを観察し、プラントシステム観察結果を履歴データとして格納し、
    発電所(10)の運転に影響を及ぼす決定を導出し、
    前記動的入力(30)および前記静的入力(28)の監視ならびに前記履歴データに基づいて前記発電所(10)の構成要素の試験が推奨されるときを決定し、
    前記試験に関連する予期しない保守イベントの発生を識別し、
    前記予期しない保守イベントを、前記プラントシステムの保守イベントに関する設備試験の代わりに使用し、前記予期しない保守イベント下でプラントシステムが適切に動作する場合には、前記設備試験に合格したとみなして前記設備試験のスケジュールを調整する
    ように構成された発電所制御装置(58)
    を備えるシステム。
  10. 前記構成要素が、電力、機械力、またはその組合せを供給するように構成されたタービンシステム(80)を含む、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記試験が、プラント(10)の運転を実施する際に前記構成要素が適切であるか試験するように構成された耐久試験を含む、請求項9または10に記載のシステム。
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