JP6157794B1 - 独立車輪駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

独立車輪駆動制御装置は、車輪回転センサ51〜54と、電動機回転センサ41〜44と、車両の直線路惰性走行中に補正指示を出力する補正指示部81と、補正指示の受信時に車輪回転センサ51〜54出力に基づいて各車輪31〜34のN回回転分の回転時間を演算し、電動機回転センサ41〜44出力に基づいて各車輪31〜34のN回回転分の電動機11〜14の回転角を演算する回転角演算部91と、回転時間と回転角とに基づいて、駆動装置1〜4間の回転速度差をキャンセルする補正値を演算する補正値演算部75と、補正値を記録する補正値記録部101と、補正値記録部101に記録された補正値に基づいて速度指示部82からの速度指示を補正した補正速度指示を出力する回転速度補正部111とを備えている。

Description

この発明は独立車輪駆動制御装置に関し、特に、鉄道車両用の独立車輪駆動制御装置に関する。
従来の鉄道車両においては、一般的に、右側の車輪と左側の車輪とが車軸により連結された一体型車輪が用いられていた。しかしながら、近年、低床構造等を採用するために、独立車輪動力台車の開発が進められている。
従来の独立車輪動力台車については、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の独立車輪動力台車においては、電動機と遊星減速機と車輪とを同軸上に連結した駆動装置を複数設け、それぞれの車輪を独立に駆動制御可能な構成としている。独立車輪動力台車は、走行方向に対し、左右の車輪の間に車軸がないため、車体の床面を低床化することができ、例えば、路面電車のように地上高が低いホームにおいて、車両にステップを設けることなく乗降が可能な車体を実現できるメリットを有している。一方、車輪を独立駆動としたことから、それぞれの車輪外周速度を直線路や曲線路にあわせ、制御する必要がある。具体例としては、直線路では、それぞれの車輪外周速度を予め設定された走行速度に合わせるように、一方、曲線路では、曲線内径側と外径側に位置する車輪の外周速度に差をつけ、ステアリング作用が生じるように制御する。しかしながら、このような、各車輪の駆動制御が適切に行われなかった場合には、車輪とレールとの間で空転や滑走が生じ、車輪の異常な摩耗や異音・騒音といった問題を発生させる。
しかしながら、特許文献1においては、そのような問題を回避するための構成・制御に関する具体的な記載はなく、車輪とレールとの間の空転や滑走を抑制することについては何ら意図されていない。
特許文献2においては、車輪の空転を精度良く検知することを意図している。特許文献2においては、独立駆動装置を構成する電動機に設けられた速度検出器で、走行中の電動機の回転速度を検出し、その検出値に、車輪径差補正係数を乗算し、各制御装置に補正した速度指令を出力している。
特開2000−309268号公報 特開2001−145207号公報
上述したように、特許文献1では、各車輪の駆動制御が適切に行われなかった場合には、車輪とレール間で空転や滑走が生じ、車輪の異常な摩耗や異音・騒音といった問題を発生させるという課題があった。
また、特許文献2では、車輪径差に関する補正しか実施されていないため、減速機または弾性車輪に起因する車輪外周速度の差を補正できないという問題がある。そのため、特許文献2においても、依然として、走行中の空転や滑走が生じるという問題が残る。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、各車輪の回転に要する車輪回転時間と電動機の回転角度とから補正値を求めて、駆動装置間の回転角度差を補正するための補正値を演算することで、車輪径差だけでなく、減速機及び弾性車輪に起因する車輪外周速度の差も考慮した補正値を得て、車輪とレールとの間の空転や滑走を抑制することが可能な、独立車輪駆動制御装置を得ることを目的としている。
本発明は、互いに車輪を独立に駆動制御が可能な複数の駆動装置を有した独立車輪駆動制御装置であって、各前記駆動装置は電動機を有しており、前記独立車輪駆動制御装置は、さらに各前記駆動装置ごとに、各前記車輪の回転角を検出する車輪回転センサと、前記車輪回転センサの検出結果に基づいて前記車輪が予め設定された設定回分だけ回転するのに要した車輪回転時間を演算するとともに、前記電動機の回転角に基づいて前記車輪の前記設定回分の回転の間の前記電動機の電動機回転角を演算する回転角演算部と、前記回転角演算部によって演算された前記車輪回転時間と前記電動機の前記回転角とに基づいて、前記駆動装置間の回転速度差をキャンセルするための各前記駆動装置ごとの補正値を演算する補正値演算部と、前記補正値演算部によって演算された前記補正値および外部からの入力に基づく前記電動機に対する速度指示を用いて補正速度指示を算出する回転速度演算・補正部とを備えた独立車輪駆動制御装置である。
本発明に係る独立車輪駆動制御装置によれば、各車輪の回転に要する車輪回転時間と電動機の回転角度とから、駆動装置間の回転角度差を補正するための補正値を演算することで、車輪径差だけでなく、減速機及び弾性車輪に起因する車輪外周速度の差も考慮した補正値を得るようにしたので、車輪とレールとの間の空転や滑走を抑制し、車両の良好な走行を実現することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた駆動装置の構成を示した平面図である。 本発明の実施の形態1に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた駆動装置の構成を示した側断面図である。 本発明の実施の形態1に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の回転速度演算・補正部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る独立車輪駆動制御装置が設けられた車両の惰性走行中の走行時間と速度との関係をグラフで説明した説明図である。 弾性部材を有する弾性車輪における回転半径を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示す部分ブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示す部分ブロック図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた複数の駆動装置の構成を示した平面図である。また、図2は、実施の形態1に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた複数の駆動装置のうちの駆動装置1台分の構成を示した側断面図である。図3及び図4は、実施の形態1に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示したブロック図である。
図1に示すように、独立車輪駆動制御装置には、複数の駆動装置1〜4が設けられている。駆動装置1〜4は、図1に示すように、台車枠201に固定されている。台車枠201は、図示を省略した列車の車体に機械的に接続されている。駆動装置1〜4は、それぞれ互いに独立に回転可能な構成となっている。
駆動装置1〜4について、駆動装置1を例に挙げて、構成を説明する。駆動装置2〜4の構成については、駆動装置1と同じであるため、説明を省略する。なお、駆動装置i(i=1,・・・,4)を構成する各部材を示す符号は、1i,2i,3i,4i、5iとする。すなわち、駆動装置1であれば、11,21,31,41,51となり、駆動装置2であれば、12,22,32,42,52となる。
図1に示すように、駆動装置1は、電動機11と、減速機21と、車輪31とから構成されている。駆動装置1においては、図1に示すように、電動機11が減速機21に接続され、減速機21には車輪31が接続されている。また、電動機11の外壁には、電動機11の回転角を検出するための電動機回転センサ41が設けられている。電動機回転センサ41は、電動機11の回転軸の回転角に応じた信号を出力する。なお、電動機11の当該外壁は、電動機11において、回転しない部分となっている。
台車枠201は、図1に示すように、全体の形状が、H型になっている。すなわち、台車枠201の中央部分201aから、左右前後の方向に4本の脚部201bが延びている。これらの脚部201bの1本ずつに、駆動装置1〜4が1つずつ取り付けられている。台車枠201の脚部201bには、車輪31の回転角を検出するための車輪回転センサ51が設けられている。車輪回転センサ51は、車輪31の回転角に応じた信号を出力する。
電動機回転センサ41および車輪回転センサ51には、例えば、光学式あるいは電磁式といった、非接触式のセンサを用いる。光学式センサは、各回転軸1回転を等分するスリットや反射マークに対し、光を当て、光の透過あるいは反射を検知し、電気信号を出力する。また、電磁式センサは、例えば、各回転軸1回転を等分する歯車状回転体に対し、磁石と検出コイルを有する磁気センサを対向させた構成からなる。歯車状回転体の歯先と磁気センサが近接あるいは離間することで、検出コイルを通過する磁束が変化する。電磁式センサは、その磁束の変化に応じて電気信号を出力する。
図2に、駆動装置1の具体的な構成の一例を示す。図2においては、図1と同一の部材について、同一の符号を付して示している。図2において、電動機軸152は、電動機11の回転軸である。電動機11の電動機軸152の同軸上に、減速機21が取り付けられている。図2の例においては、減速機21は、遊星歯車減速機から構成されている。減速機21の太陽歯車161と、電動機軸152とは、一体軸となっている。減速機21は、太陽歯車161と、遊星歯車162と、内歯車163と、遊星キャリア軸164と、車輪軸165と、車輪軸軸受166とから構成されている。遊星歯車162は自転しながら、太陽歯車161と内歯車163との間を公転する。遊星歯車162の公転運動は、遊星キャリア軸164を介して、車輪軸165を回転させる。車輪軸165は車輪軸軸受166によって回転自由に支持されている。車輪軸軸受166は、内歯車163の外周に取り付けられている。
車輪軸165の外周には車輪31が固定されている。車輪31は、弾性車輪から構成されている。従って、車輪31は、周方向に、弾性部材172を備えている。弾性部材172の外周には、レール接触車輪面175が設けられている。レール接触車輪面175は、車輪31において、図6に示すレール300に接触する面である。車両の走行中には、レール300からレール接触車輪面175に振動が伝わる。そのため、この振動が駆動装置の内部に伝わることを防止するために、弾性部材172が設けられている。弾性部材172は、ゴムまたは樹脂から構成され、弾性を有している。従って、弾性部材172が弾性を利用して変形することで、弾性部材172の当該変形損失を利用して、レール300からの振動の伝わりを低減している。
内歯車163は、台車枠201に、台車固定枠173を介して固定されている。台車固定枠173の上部には、車輪31の回転を検出する車輪回転センサ51が配置されている。車輪回転センサ51は、車輪31の側面に設けられた複数の車輪回転センサ用マーク174を読み取ることで、車輪31の回転角を検出する。
図3に、本実施の形態に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示す。図3に示すように、制御装置には、回転速度演算・補正部71〜74と、補正値演算部75と、補正指示部81と、速度指示部82とが設けられている。回転速度演算・補正部71〜74は、駆動装置1〜4に対して、それぞれ、1つずつ設けられている。また、補正値演算部75は、各回転速度演算・補正部71〜74に対して、1つずつ、設けられている。
駆動装置1〜4に設けられた電動機回転センサ41〜44および車輪回転センサ51〜54の出力信号は、回転速度演算・補正部71〜74に、それぞれ入力される。具体的には、電動機回転センサ41および車輪回転センサ51の出力信号が回転速度演算・補正部71に入力され、電動機回転センサ42および車輪回転センサ52の出力信号が回転速度演算・補正部72に入力され、電動機回転センサ43および車輪回転センサ53の出力信号が回転速度演算・補正部73に入力され、電動機回転センサ44および車輪回転センサ54の出力信号が回転速度演算・補正部74に入力される。
また、回転速度演算・補正部71〜74には、速度指示部82が接続されている。速度指示部82は、列車の走行速度を指示する速度指示V0を出力する。回転速度演算・補正部71〜74のそれぞれには、速度指示部82から速度指示V0が入力され、後述する構成に基づき、電動機11〜14のそれぞれに対する駆動信号が演算・出力される。具体的には、回転速度演算・補正部71が電動機11に対する駆動信号を演算・出力し、回転速度演算・補正部72が電動機12に対する駆動信号を演算・出力し、回転速度演算・補正部73が電動機13に対する駆動信号を演算・出力し、回転速度演算・補正部74が電動機14に対する駆動信号を演算・出力する。
また、回転速度演算・補正部71〜74のそれぞれには、補正指示部81が接続されている。補正指示部81は、電動機11〜14に対する駆動信号の補正を実施する条件を満たしたときに、回転速度演算・補正部71〜74に対して、補正指示の信号を発する。本実施の形態では、車両が直線路を惰性走行しているという条件を満たしているときに、補正指示部81が、補正指示の信号を発することとする。このように、本実施の形態においては、回転速度の補正値の測定・算出は、車両が直線路で惰性走行中に実施されるものであり、補正指示部81による補正指示の発生は、これを満たす条件の際に、運転者またはメンテナンス作業者が実施するものである。
図4に、回転速度演算・補正部71〜74の具体的な構成を示す。図4においては、駆動装置1〜4に対して設けられた回転速度演算・補正部71〜74について、回転速度演算・補正部71を例に挙げて、その構成を説明する。回転速度演算・補正部72〜74の構成については、回転速度演算・補正部71と同じであるため、説明を省略する。
なお、上述した図3は、台車枠201に固定された4つの駆動装置1〜4のそれぞれが、図4に示す制御装置の構成を備え、それらの制御装置に対して補正指示部81と速度指示部82とが共通であることを示している。
図4に示すように、回転速度演算・補正部71には、回転角演算部91と、補正値記録部101と、回転速度補正部111と、駆動制御部121とが設けられている。すなわち、回転速度演算・補正部7i(i=1,2,3,4)には、回転角演算部9iと、補正値記録部10iと、回転速度補正部11iと、駆動制御部12iとが設けられている。
回転速度の補正値の算出は、上述のように、車両が直線路において惰性走行中に、補正指示部81を運転者またはメンテナンス作業者が操作することで開始される。補正指示部81からの補正指示の信号は、回転角演算部91に入力される。回転角演算部91は、補正指示の信号を受信すると、車輪31の回転角に応じて車輪回転センサ51から出力される信号列に同期して、車輪31が、予め設定されたN回分だけ回転するのに要した回転時間を計測する。車輪31の回転時間の計測は、少なくとも1回転以上、すなわち、予め設定されたN回転分で行うよう設定されている。回転角演算部91は、予め設定されたN転回分の回転時間の計測を実施後、車輪1回転の平均回転時間T1を演算する。平均回転時間T1の情報は、補正値演算部75に出力される。補正値演算部75には、他の駆動装置2〜4に対して設けられた他の回転角演算部92〜94からも、演算された平均回転時間T2〜T4が入力される。補正値演算部75では、T1〜T4の平均回転時間Taveを算出し、次式(1)により、各車輪の平均直径差に関する補正値Cs1〜Cs4を算出する。
Csi=Ti/Tave (1)
ここで、i=1,2,3,4とする。
電動機回転センサ41から出力される電動機11の回転角は、回転角演算部91に入力される。回転角演算部91では、車輪回転センサ51からの入力信号をもとに、車輪31が、予め設定されたNd回分の回転を行う間に変化した電動機11の回転角を演算する。上記のNとNdとは同じであっても異なっていてもよい。本実施の形態においては、回転角演算部91は、車輪31のNd回転毎(Ndは整数)に、電動機11の平均回転角θ1を算出する。θ1は、少なくとも車輪31の1回転以上、かつ、あらかじめ設定されたNd回転分で行うよう設定されている。算出された平均回転角θ1は、補正値演算部75に出力される。補正値演算部75には、同様に、回転角演算部92〜94からも、算出された平均回転角θ2〜θ4が入力される。補正値演算部75は、入力されたθ1〜θ4に基づいて、次式(2)により、減速機21〜24の減速比のずれと変動および車輪31の弾性部材172部分の弾性変形による車輪回転径の変化分(詳細は後述)に対応する補正値Cdiを算出する。
Cdi=(Nd×360)/θi/R0
={(Nd×360)/(δθ×n)}/R0 (2)
ここで、i=1,2,3,4とし、Nd及びnは1以上の整数とし、R0は減速機21〜24の公称減速比とする。
式(2)において、δθは、電動機回転センサ41〜44の回転角分解能(360・を電動機回転センサ1回転中に出力される電気信号数で除算した値)であり、nはNd回転中にカウントされた電動機回転センサ41〜44からの出力パルスである。
補正値演算部75で算出された補正値CsiおよびCdi(i=1,2,3,4)は、それぞれ、該当する補正値記録部101〜104に出力され、記録される。補正値記録部101〜104は、メモリから構成されている。以上の行程で、補正指示部81からの信号により開始された、補正値の算出行程が完了する。
一方、走行時には、速度指示部82から、運転者の操作により、所望の速度指示V0が回転速度演算・補正部71〜74に入力される。以降の具体的な行程について、回転速度演算・補正部71を例に説明する。回転速度演算・補正部72〜74の動作は、回転速度演算・補正部71と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
回転速度補正部111に速度指示V0が入力されると、回転速度補正部111は、補正値記録部101に信号を発し、補正値記録部101から補正値Cs1、Cd1を読み出す。そうして、回転速度補正部111は、次式(3)によって、補正速度指示V1を算出して、駆動制御部121に出力する。
V1=V0×Cdi/Csi (3)
ここで、i=1,2,3,4である。
駆動制御部121は、入力されたV1をもとに、電動機11に出力すべき電流値を、電動機11のトルク速度特性を基に演算する。そうして、駆動制御部121は、算出した電流値に相当する電流を供給して電動機11を回動させる。
なお、補足ながら、図3及び図4に示す制御装置のハードウェアの構成について説明する。制御装置を構成する回転速度演算・補正部71〜74、補正値演算部75、補正指示部81、速度指示部82の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、制御装置は、車両が直線路を惰性走行しているときに補正指示を出力し、車輪回転時間と電動機回転角とに基づいて駆動装置間の回転速度差をキャンセルするための各駆動装置ごとの補正値を演算し、車両の走行中に外部からの入力に基づいて電動機に対する速度指示を出力し、記録された補正値に基づいて速度指示を補正して補正速度指示を出力するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であってもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。回転速度演算・補正部71〜74、補正値演算部75、補正指示部81、速度指示部82の各部の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
処理回路がCPUの場合、回転速度演算・補正部71〜74、補正値演算部75、補正指示部81、速度指示部82の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。処理回路は、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、車両が直線路を惰性走行しているときに補正指示を出力するステップ、車輪回転時間と電動機回転角とに基づいて駆動装置間の回転速度差をキャンセルするための各駆動装置ごとの補正値を演算するステップ、車両の走行中に外部からの入力に基づいて電動機に対する速度指示を出力するステップ、記録された補正値に基づいて速度指示を補正して補正速度指示を出力するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを備える。また、これらのプログラムは、回転速度演算・補正部71〜74、補正値演算部75、補正指示部81、速度指示部82の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリとは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
なお、回転速度演算・補正部71〜74、補正値演算部75、補正指示部81、速度指示部82の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、回転速度演算・補正部71〜74については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、補正値演算部75、補正指示部81については処理回路がメモリに格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現するというように、専用のハードウェアとソフトウェアまたはファームウェアとを組み合わせることが可能である。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
詳細説明として、上述の行程における車輪31〜34および電動機11〜14の回転角の検出タイミングを図5で説明する。図5は、駆動装置1〜4のうちの一台の駆動装置において、惰性走行中の回転角度検出タイミングを走行時間と速度との関係で示している。図5において、横軸は走行時間、縦軸は速度を示す。
また、図5において、破線501は車両自体の惰性走行速度、すなわち、車輪外周速度Vjを示している。矢印503は、弾性車輪の変形分を示し、矢印504は、減速比ずれ分を示し、矢印505は、車輪径の変動分を示している。矢印506は、車輪1回転相当の時間長さを示している。また、実線502は、おなじく惰性走行中の電動機回転速度から算出される公称の車輪外周速度を示している。公称の車輪外周速度は、実際の電動機の回転速度に、設計上の公称減速比と公称車輪径から算出される値である。減速比や、車輪径が設計どおりの公称値であれば、実線の計算値は、破線の値と同じになる。しかし、実際には、加工誤差や経年的な使用による摩耗や変形などによって、車輪径や減速比において公称値との差が生じる。また、車輪31が弾性車輪の場合には、図6に示すように、車輪31には、ゴムまたは樹脂から構成された弾性部材172が設けられている。弾性部材172は、図6に示すように、車輪31の輪重601によって弾性変形するため、車輪31の回転中心の位置がレール方向にずれ、輪重が有る場合の回転半径R2が、輪重の無い場合の回転半径R1に比べて短くなる。このため、車輪軸を回転駆動させたときの単位回転あたりの走行距離、あるいは、走行速度が減少するため、実際の速度に差異が生じる。なお、ここで、輪重601とは、車輪31にかかる荷重のことである。
上述の理由から、図5のように、破線501で示す惰性走行中の車輪外周速度Vjと、実線502で示す電動機11の回転速度から算出される車輪外周速度(実線)には差異が生じる。なお、図5の例では、弾性車輪の弾性変形により車輪の回転径が減少し、減速比は公称の値より大きく(電動機からみれば、公称値より低速側に減速される)、車輪外周は楕円状になっている場合を示している。但し、説明を簡単にするため、実際にはあるが、弾性変形の周方向の弾性変形量や、減速比の出力軸1回転中の減速比変動はないものとしている。
本実施の形態では、車輪Nd回転毎(図5では1回毎)のタイミングで電動機11〜14の回転角度を検出するため、車輪径、弾性変形、減速機のそれぞれ1回転中に発生する変動に影響されることなく、電動機11〜14の回転と車輪外周速度の関係の設計値からのずれを補正することができる。さらに、複数の車輪間の平均径の差異は、車輪Nd回転毎の回転時間から算出し補正される。
上述のように、複数の駆動装置の車輪径の差異、および、駆動装置内の減速機または弾性車輪に起因した差異分を計測して、電動機の回転速度を補正するように駆動するため、レールと車輪間の空転・滑走を抑制する効果が得られる。
以上のように、本実施の形態に係る独立車輪駆動制御装置は、車両に取り付けられた台車枠201に配置され、互いに独立に駆動制御が可能な複数の駆動装置1〜4を有している。各駆動装置1〜4は、車輪31〜34と、減速機21〜24と、電動機11〜14とから構成されている。独立車輪駆動制御装置は、各駆動装置1〜4ごとに、各車輪31〜34の回転角を検出する車輪回転センサ51〜54と、各駆動装置1〜4ごとに、各電動機11〜14の回転角を検出する電動機回転センサ41〜44と、車両が直線路を惰性走行しているときに補正指示を出力する補正指示部81と、補正指示部81から補正指示を受信したときに、車輪回転センサ51〜54の検出結果に基づいて車輪31〜34が予め設定された設定回分だけ回転するのに要した車輪回転時間を演算するとともに、電動機回転センサ41〜44の検出結果に基づいて車輪31〜34の設定回分の回転の間に変化した電動機11〜14の電動機回転角を演算する回転角演算部91と、回転角演算部91によって演算された車輪回転時間と電動機回転角とに基づいて、駆動装置1〜4間の回転速度差をキャンセルするための各駆動装置1〜4ごとの補正値を演算する補正値演算部75と、補正値演算部75によって演算された補正値を記録する補正値記録部101と、車両の走行中に、車両の運転者の操作に基づいて、電動機11〜14に対する速度指示を出力する速度指示部82と、補正値記録部101に記録された補正値に基づいて速度指示部82からの速度指示を補正した補正速度指示を出力する回転速度補正部111と、回転速度補正部111から出力された補正速度指示に従って、電動機11〜14を駆動する駆動制御部121とを備えている。この構成により、車輪31〜34ごとに車輪回転時間と電動機回転角とを演算し、駆動装置1〜4間の回転速度差をキャンセルするための補正値を各駆動装置1〜4ごとに演算するようにしたので、各駆動装置1〜4の駆動速度差の要因となる、車輪径の差異や、弾性車輪の弾性変形による車輪回転径の差異、減速機の減速比の差異などの影響を補正し、走行時のレールと車輪間のすべりによる摩耗や騒音を低減することができる。
さらに、本実施の形態においては、車輪N回転毎(図5では1回毎)のタイミングで電動機11〜14の回転角度を検出するため、車輪径、弾性変形、減速機のそれぞれ1回転中に発生する変動に影響されることなく、電動機11〜14の回転と車輪外周速度の関係の設計値からのずれを補正することができる。
なお、本実施の形態においては、電動機11〜14とは別に電動機回転センサ41〜44を設けているが、必ずしも電動機回転センサは必要とはならない。電動機が回転センサレスで制御されている場合には、電動機を制御する制御装置で算出される回転角の推定値を用いてもよい。
また、本実施の形態においては、車両が直線路を惰性走行しているときに、補正指示を出力する補正指示部81を設けているが、必ずしも補正指示部は必要とはならない。車両が直線路を惰性走行しているという条件を満たしているときに、運転者などから補正指示が出されてもよい。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示す部分ブロック図である。図7は、上述の実施の形態1の図4に相当する図である。図7においては、駆動装置1〜4に対して設けられた回転速度演算・補正部71〜74について、回転速度演算・補正部71を例に挙げて、構成を示している。回転速度演算・補正部72〜74の構成については、回転速度演算・補正部71と同じであるため、ここでは説明を省略する。図7と図4との構成の違いは、図7においては、図4の構成に対して、補正値外部出力部131が設けられている点である。他の構成については、図4と同一であるため、図4と同一符号を付して示し、ここでは説明を省略する。また、本実施の形態に係るその他の構成および動作についても、すべて、上述の実施の形態1と同じであるため、図1〜図3,図5,図6を参照することとし、ここでは説明を省略する。
図7に示すように、本実施の形態においては、補正値外部出力部131が設けられている。補正値外部出力部131は、回転速度演算・補正部71〜74に接続されている。補正値外部出力部131は、回転速度演算・補正部71〜74の補正値記録部101〜104に記録された補正値Csi、Cdi(i=1,2,3,4)を表示するか、あるいは、外部に出力する。補正値外部出力部131は、ディスプレイまたはインタフェースから構成される。
図7を用いて、回転速度演算・補正部71を例に挙げて説明する。図7に示すように、補正値外部出力部131は、補正値記録部101に接続され、補正値記録部101に記録された補正値Cs1,Cd1の値を読み出し、それを表示あるいは外部の記録装置に出力する機能を有する。なお、補正値外部出力部131は、他の回転速度演算・補正部72〜74と共通化された1個のものでもよく、あるいは、回転速度演算・補正部71〜74ごとに別個に設けてもよい。
メンテナンス作業者が、駆動装置1〜4のメンテナンス時期あるいは設定された期間毎に、補正値外部出力部131を用いて、補正値Csi,Cdiを外部に読み出し、その径年的変化を比較することで、機器の異常や交換箇所を特定することに用いる。具体的に説明する。
例えば、車輪の外周径と関係するCsi(i=1,2,3,4)の値のすべてあるいはいずれかが低下していれば、車輪31〜34のすべてあるいはいずれかの摩耗が進んだことがわかる。なお、例えばCs1が減少しても、Cd1の値は、車輪31の1回転の周期で検出される値のため変化しない。すなわち、Cs1の変化は、車輪31の変化に起因するものと判断できる。
一方、Cdi(i=1,2,3,4)の値が変化した場合は、減速機21〜24の歯面の摩耗、すなわち、歯車のピッチ円径の変化による減速比の変化、あるいは、車輪31〜34の弾性部材172の劣化による弾性変形分の変化に起因する。このため、Cdiの値の変化は、減速機21〜24の変化あるいは弾性部材172の変化、あるいは、その両方の変化に起因するものと判断できる。
以上のように、本実施の形態によれば、補正値記録部101に記録された補正値Csi、Cdi(i=1,2,3,4)を表示するか、あるいは、外部に出力する機能を有した補正値外部出力部131を備えるようにしたので、補正値Csi、Cdiの変化の有無により、径年的な車輪径の変化量や減速機の速比の変化量の有無を割り出すことができ、メンテナンスの要否の判定を行えるとともに、補正値Csi、Cdiのそれぞれの変化の有無により、駆動装置1〜4を構成する車輪31〜34、その弾性部材172、および、減速機21〜24の中で、いずれの部分が変化したかを把握でき、メンテナンス部位を特定できるため、不要に、減速機21〜24を分解する、あるいは、車輪31〜34を外すなどの作業が省け、メンテナンス時間およびコストの削減といった効果が得られる。
実施の形態3.
本実施の形態は、車両の曲線部走行時に、レールと車輪間の空転や滑走を抑制する構成に関するものである。図8は、本実施の形態に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示したブロック図であり、図9は、本実施の形態に係る独立車輪駆動制御装置に設けられた制御装置の構成を示す部分ブロック図である。
図8は、上述の実施の形態1の図3に相当する図である。また、図9は、上述の実施の形態1の図4に相当する図である。図9においては、駆動装置1〜4に対して設けられた回転速度演算・補正部71〜74について、回転速度演算・補正部71を例に挙げて、構成を示している。回転速度演算・補正部72〜74の構成については、回転速度演算・補正部71と同じであるため、ここでは説明を省略する。
本実施の形態と実施の形態1との構成の違いは、図8と図3とを比較すれば分かるように、図8においては、左右輪速度差補正部191〜194と、左右輪速度差演算部181,182とが、追加されている点である。また、図8及び図9においては、図の簡略化を図るため、図3及び図4で示した補正値演算部75の図示を省略しているが、実際には、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、補正値演算部75が設けられていることとする。左右輪速度差補正部191〜194は、各駆動装置1〜4ごとに、1つずつ設けられている。一方、左右輪速度差演算部181,182は、左右の1対の駆動装置ごとに設けられている。すなわち、左右輪速度差演算部181は駆動装置1,3に対して設けられ、左右輪速度差演算部182は駆動装置2,4に対して設けられている。他の構成および動作については、上述の実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
図8及び図9に示されるように、左右輪速度差補正部191〜194は、それぞれ、速度指示部82と回転速度演算・補正部71〜74との間に接続されている。走行時に、速度指示部82から、運転者の操作により、所望の速度指示V0が、左右輪速度差補正部191〜194に入力される。左右輪速度差補正部191〜194は、後述する左右輪速度差演算部181,182から出力される補正値に基づいて、左右の1対の車輪間の速度差を補正した速度指示V0'を演算し、回転速度演算・補正部71〜74に出力する。
また、図8及び図9に示されるように、左右輪速度差演算部181,182は、電動機回転センサ41〜44と、回転速度演算・補正部71〜74と、左右輪速度差補正部191〜194とに、接続されている。駆動装置1,3に対して設けられた左右輪速度差演算部181は、回転速度演算・補正部71,73の回転速度補正部111,113から補正後の補正速度指示V1が入力されるとともに、電動機回転センサ41,43から検出結果が入力されて、それらに基づき、左右の速度差を縮小する方向の回転速度の補正値を求め、左右輪速度差補正部191,193に出力する。同様に、駆動装置2,4に対して設けられた左右輪速度差演算部182は、回転速度演算・補正部72,74の回転速度補正部112,114から補正後の速度指示が入力されるとともに、電動機回転センサ42,44から検出結果が入力されて、それらに基づき、左右の速度差を縮小する方向の回転速度の補正値を求め、左右輪速度差補正部192,194に出力する。
左右輪速度差演算部181は、図9に示すように、速度偏差計測部185,186と、左右輪速度差判定部187と、左右輪速度差補正演算部188とが設けられている。左右輪速度差演算部182の構成は、左右輪速度差演算部181と同じである。
以降、本実施の形態の動作について、図9を用いて説明する。回転速度演算・補正部71の回転速度補正部111から出力された補正後の補正速度指示V1は、速度偏差計測部185に入力される。速度偏差計測部185には、電動機回転センサ41で検出された信号パルスも併せて入力される。速度偏差計測部185は、予め設定された時間間隔ΔTsで回転速度補正部111からの補正速度指示V1を読み取るとともに、ΔTs間の電動機回転センサ41からの信号パルスをカウントすることで、実際の電動機11の回転速度V1'を演算する。速度偏差計測部185は、さらに、次式(4)により、速度差ΔV1を演算する。
ΔVi=Vi'−Vi (4)
ここで、i=1,2,3,4である。
一方、速度偏差計測部186でも上述と同様の行程で、電動機13側の速度差ΔV3を演算する。すなわち、回転速度演算・補正部73の回転速度補正部111から出力された補正後の補正速度指示V3は、速度偏差計測部186に入力される。速度偏差計測部186には、電動機回転センサ43で検出された信号パルスも併せて入力される。速度偏差計測部186は、予め設定された時間間隔ΔTsで回転速度補正部113からの補正速度指示V3を読み取るとともに、ΔTs間の電動機回転センサ43からの信号パルスをカウントすることで、実際の電動機13の回転速度V3'を演算する。速度偏差計測部186は、さらに、上式(4)により、速度差ΔV3を演算する。
ここで、ΔV1とΔV3の値の意味について説明する。車両がカーブを走行する際、レール内外径の差に起因し、カーブ内側のレールに位置する駆動装置(駆動装置1と仮定する)には、進行方向に進めようとする駆動力が作用する。一方、カーブ外側のレールに位置する駆動装置(駆動装置3と仮定する)には進行方向と逆に遅らせようとする制動力が作用する。このレールと車輪との間に働く作用力により、レールと車輪との間に、すべりが生じ、車輪およびレールの摩耗を生じさせる。このとき、カーブ内側の電動機11の回転速度において、指示された補正速度指示V1と、実際の電動機11の回転速度V1'との間に、差ΔV1が発生する。同様に、カーブ外側の電動機13の回転速度において、指示された補正速度指示V3と、実際の電動機13の回転速度V3'との間に、差ΔV3が発生する。
ΔV1とΔV3は左右輪速度差判定部187に入力される。左右輪速度差判定部187は、ΔV1とΔV3との差の絶対値を求め、当該絶対値の値が閾値以上か否かを判定する。判定の結果、閾値以上であれば、左右輪速度差判定部187は、補正要と判定し、ΔV1及びΔV3の値と、左右輪速度差を補正することを指示する補正指示信号とを、左右輪速度差補正演算部188に出力する。一方、判定の結果、閾値未満であれば、左右輪速度差判定部187は、補正不要と判定し、補正指示信号を出力しない。
左右輪速度差補正演算部188では、例えば、ΔV1が正値であれば、ΔV1分を減速する方向に、ΔV1が負値であればΔV1分を増速する方向に、速度指示部82からの速度指示を補正するための補正値を、左右輪速度差補正部191に出力する。同様に、左右輪速度差補正演算部188では、例えば、ΔV3が正値であれば、ΔV3分を減速する方向に、ΔV3が負値であればΔV3分を増速する方向に、速度指示部82からの速度指示を補正するための補正値を、左右輪速度差補正部193に出力する。
左右輪速度差補正部191,193は、それぞれ、左右輪速度差補正演算部188から入力された補正値に基づいて、速度指示部82からの速度指示V0を補正して、補正後の補正速度指示V0'を出力する。
回転速度補正部111に速度指示V0'が入力されると、回転速度補正部111は、補正値記録部101に信号を発し、補正値記録部101から補正値Cs1、Cd1を読み出す。そうして、回転速度補正部111は、次式(5)によって、補正速度指示V1を算出して、駆動制御部121に出力する。
V1=V0'×Cdi/Csi (5)
ここで、i=1,2,3,4である。
駆動制御部121,123は、入力されたV1をもとに、電動機11,13に出力すべき電流値を、電動機11,13のトルク速度特性を基に演算する。そうして、駆動制御部121,123は、算出した電流値に相当する電流を供給して電動機11,13を回動させる。
以上のように、本実施の形態によれば、カーブ走行中でも、カーブ内側と外側の車輪ごとに、速度指令を補正するための補正値を算出するようにしたので、複数ある駆動装置1〜4の車輪径の差異、および、駆動装置内の減速機や弾性車輪に起因した差異分を補正しながら、レールと車輪間のすべり(空転、滑走)を抑え、レールや車輪の摩耗進行やすべりに起因する騒音を低減する効果が得られる。
なお、本実施の形態は、上記の実施の形態1の構成に適用させた例を挙げて説明したが、その場合に限らず、上記の実施の形態2の構成に適用させてもよい。すなわち、本実施の形態においても、上記の実施の形態2で示した補正値外部出力部131を備えるようにしてよい。
実施の形態4.
上記の実施の形態1〜3の車輪回転センサ51〜54は、車輪31〜34が1回転以上の整数回転を検出する機能を有していればよく、車輪1回転分を等分割するマーキングやスリットに対し、センサ構造や検出アルゴリズムの簡素化が計れ、コスト低減の効果が得られる。
1,2,3,4 駆動装置、11,12,13,14 電動機、21,22,23,24 減速機、31,32,33,34 車輪、41,42,43,44 電動機回転センサ、51,52,53,54 車輪回転センサ、71,72,73,74 回転速度演算・補正部、75 補正値演算部、81 補正指示部、82 速度指示部、91 回転角演算部、101 補正値記録部、111 回転速度補正部、121 駆動制御部、131 補正値外部出力部、152 電動機軸、161 太陽歯車、162 遊星歯車、163 内歯車、164 遊星キャリア軸、165 車輪軸、166 車輪軸軸受、172 弾性部材、173 台車固定枠、174 車輪回転センサ用マーク、175 レール接触車輪面、181,182,183,184 左右輪速度差演算部、191,192,193,194 左右輪速度差補正部、201 台車枠、300 レール。

Claims (6)

  1. 互いに車輪を独立に駆動制御が可能な複数の駆動装置を有した独立車輪駆動制御装置であって、各前記駆動装置は電動機を有しており、
    前記独立車輪駆動制御装置は、さらに
    各前記駆動装置ごとに、各前記車輪の回転角を検出する車輪回転センサと、
    前記車輪回転センサの検出結果に基づいて前記車輪が予め設定された設定回分だけ回転するのに要した車輪回転時間を演算するとともに、前記電動機の回転角に基づいて前記車輪の前記設定回分の回転の間の前記電動機の電動機回転角を演算する回転角演算部と、
    前記回転角演算部によって演算された前記車輪回転時間と前記電動機の前記回転角とに基づいて、前記駆動装置間の回転速度差をキャンセルするための各前記駆動装置ごとの補正値を演算する補正値演算部と、
    前記補正値演算部によって演算された前記補正値および外部からの入力に基づく前記電動機に対する速度指示を用いて補正速度指示を算出する回転速度演算・補正部と
    を備えた独立車輪駆動制御装置。
  2. 各前記駆動装置ごとに、各前記電動機の前記回転角を検出する電動機回転センサと、
    前記車輪が設けられた車両が直線路を惰性走行しているときに、補正指示を出力する補正指示部と
    をさらに備え、
    前記回転角演算部は、
    前記補正指示部から前記補正指示を受信したときに、前記車輪回転センサの検出結果に基づいて前記車輪が前記設定回分だけ回転するのに要した前記車輪回転時間を演算するとともに、前記電動機回転センサの検出結果に基づいて前記車輪の前記設定回分の回転の間の前記電動機の前記電動機回転角を演算する、
    請求項1に記載の独立車輪駆動制御装置。
  3. 前記回転速度演算・補正部は、
    前記補正値演算部によって演算された前記補正値を記録する補正値記録部と、
    前記車輪が設けられた車両の走行中に、外部からの入力に基づいて、前記電動機に対する速度指示を出力する速度指示部と、
    前記補正値記録部に記録された前記補正値に基づいて、前記速度指示部からの前記速度指示を補正し、補正速度指示を出力する回転速度補正部と、
    前記回転速度補正部から出力された前記補正速度指示に従って、前記電動機を駆動する駆動制御部と
    を備えた、
    請求項1または2に記載の独立車輪駆動制御装置。
  4. 各前記駆動装置は減速機をさらに有しており、
    前記補正値演算部が演算する前記補正値は、
    前記回転角演算部によって演算された前記車輪回転時間に基づいて演算される、前記駆動装置の前記車輪の車輪径の変化に対応する第1の補正値と、
    前記回転角演算部によって演算された前記電動機回転角に基づいて演算される、前記駆動装置の前記減速機の減速比の変化および前記車輪の弾性変形の変化に対応する第2の補正値と
    を含む、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の独立車輪駆動制御装置。
  5. 前記補正値記録部から前記補正値を外部に出力する補正値外部出力部を備えた、
    請求項3に記載の独立車輪駆動制御装置。
  6. 各前記駆動装置ごとに、各前記電動機の前記回転角を検出する電動機回転センサと、
    前記電動機回転センサで検出された前記電動機の前記回転角と前記回転速度補正部から出力される前記補正速度指示とに基づいて、前記電動機ごとに前記電動機の実回転速度と前記補正速度指示との速度差を演算する速度偏差計測部と、
    前記速度偏差計測部で演算された前記速度差を左右1対の前記電動機間で比較し、対応する左右1対の前記車輪間の速度補正の要否を判定する左右輪速度差判定部と、
    前記左右輪速度差判定部によって前記速度補正が必要と判定された場合に、前記左右1対の前記車輪間の速度差を縮小するための前記電動機の回転速度に対する左右輪速度補正値を演算する左右輪速度差補正演算部と、
    前記速度指示部と前記回転速度補正部との間に設けられ、前記左右輪速度差補正演算部が演算した前記左右輪速度補正値に基づいて、前記速度指示部からの前記速度指示を補正した左右輪補正速度指示を前記回転速度補正部に出力する左右輪速度差補正部と
    をさらに備え、
    前記回転速度補正部は、前記速度指示部からの前記速度指示の代わりに、前記左右輪速度差補正部からの前記左右輪補正速度指示が入力され、前記補正値記録部に記録された前記補正値に基づいて前記左右輪補正速度指示を補正した補正速度指示を出力する、
    請求項3に記載の独立車輪駆動制御装置。
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