JP2005204462A - 車両駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大きなカントが設けられた曲線においても空転・滑走しにくく、また曲線通過が円滑に行える車両駆動制御装置を提供することである。
【解決手段】
鉄道車両の各々の車輪5a、5bに輪重を検出する輪重検出部(荷重センサ11a、11b)を設け、各々の車輪5a、5bに対してそれぞれ個別に電動機6a、6bを設け、電力変換装置7a、7bは電動機6a、6bに対してそれぞれ駆動電力を供給する。また、制御装置12は、輪重検出部(荷重センサ11a、11b)で検出された輪重に基づいて各々の電動機6a、6bが発生するトルクまたは速度を個別に制御する。これにより、大きなカントで大きく傾斜した車両においても、空転しにくく安定した走行を可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄道車両を電動機により駆動する車両駆動制御装置に関するものである。
一般に、鉄道線路は必ずしも直線だけの線路ではなく大小の曲線が存在する。一方、車両が高速であっても容易に曲線を通過できるように、鉄道線路には左右のレール面高さに差をつけたカントが設けられている。このカントの量(レール面高さの左右の差)は、曲線の曲率だけで決まるものではなく、その区間を走行する車両の速度に応じて、大きなカントとしたり小さなカントにしたりする。これは遠心力と呼ばれる慣性力とのつりあいを狙ったもので、カント量が適正であれば車両は滑らかに通過できるが、カント量が適切でないと、車両が外軌側に大きく傾いたり、線路に過大な横圧(線路を押し広げようとする力)を与えたり、車両が内軌側に大きく傾いて不安定な状態になったりする。年々、列車は高速化しており、曲線でも減速しないで通過できることが理想であるので、カント量は、その区間を通過する列車の最高速度向上にあわせて大きくするのが一般的である。
たとえば、従来運行していた車両は重心が高く、車両としての性能(走行安定性)からみると曲線区間での高速走行が困難であって、曲線での通過速度を高くできなかったものが、車両側の改善によって安定した高速走行が容易になった場合、それにあわせて線路のカント量を大きくする線路改修を行うのが一般的である。
車両の重心高さは、鉄道事業者内で規定されている最大カントで停車しているときに、強風を受けても転覆しないように抑制しているので、最大カントで強風を受けても事故に結びつくものではないが、当該曲線を低速で走行する重心が高い車両は、大きく内軌側に傾いてしまうことは否めない。
図6は従来例の構成図である。図6では、カント上における車両の状態を模式的に示している。車体1は枕ばね2a、2bによって台車3の上に支持されており、台車3は軸ばね4a、4bによって支持されており、軸ばね4a、4bにかかっている荷重は、車輪5a、5bの輪重にほぼ等しい。一般には、車輪5a、5bは車軸により左右連結されており、その車軸と電動機6とが歯車などの伝達装置を介して組み合されており、車両に搭載された電力変換装置7により電動機6を駆動する。電動機6の駆動により車輪5a、5bが回転するので車両が走行する。電力変換装置7から電動機6へ電力Pの供給が行われて回転力となり、その実際の回転数は電動機6に設けられている回転数検知器からの信号Nにより電力変換装置7に送られる。
一方、車両が軌道捩れ区間(線路の曲線区間)を走行することによって発生する各空気ばねの給排気に起因する輪重変動や乗客の乗り降りに起因する輪重変動を微妙に調整して低減でき、曲線カント逓減区間を安全に走行できるようにしたものがある(たとえば、特許文献1参照)
特開2003−165436号公報(図1)
ところが、大きなカントが設けられたような曲線を走行する車両では、以下のような問題点があった。
(1)速度の低い列車の場合には、転覆しないとしても車体が内軌側に大きく傾き、結果として左右の輪重差が大きくなる。車両が発生する牽引力は、各車輪がレール面に対して発生する摩擦力であって、レール面に対しての垂直荷重に大きく起因するものであるから、左側に傾斜した図6における状態では、車輪5aは車輪5bよりも低いトルクで空転しやすい。左右の車輪が車軸で連結されている一般的な構成であっては、左右の車輪に一律のトルクを発生させると、一方の不安定さが原因になって左右の車輪ともに空転するにいたる。
(2)高速で走行する車両では、車輪のフランジが外軌側レールに沿って滑らかに走行するとしても、低速で走行する車両の車輪フランジは必ずしも外軌側レールに沿わず、車両側の左右フランジ間の距離と、線路側の曲線を容易に通過できるように曲率に応じて拡げてある軌道間隔の差(スラック)分を左右に振れながら(内側のフランジが当たったり、外側のフランジが当たったりしながら)不安定に走行する。一旦、外軌側に昇っていくが車両自身の重さのために内軌側にずり落ちるその瞬間が空転の原因になる。
(3)国内の軌間1067mmの在来線と軌間1435mmの新幹線とを同じ区間に走行させるためには、1435mmの軌道の内側に1067mmの軌道に対応したもう一本のレールを敷くことがよく行われるが、在来線の最大カントよりも新幹線の最大カントのほうが大きく(水平面に対しての軌道の傾斜角は新幹線のほうが大きく)、このような一般に3線式と呼ばれる方式の場合、新幹線の最大カントでも安定して走行できるように(内軌側に転覆しないように)在来線車両の重心高さを抑制した車両設計を行うか、それが困難な場合には、3線式とせずに車輪間隔が可変であって在来線線路と新幹線線路とを両方走行可能な車両にする必要がある。
新幹線の最大カントは在来線にくらべて極めて大きいので、新幹線の最大カントでも安定して走行できるように重心高さを抑制するためには、従来の電気機関車のように非常に重い装置が車体床上に搭載されている機器配置では成立しがたく、重心を下げるために装置を床下に配置する必要があり、そうすると不必要に車両長が長くなる不具合がある。
(4)車体が大きく傾斜するような大きなカントがついている曲線は、もともと半径の小さい曲線であり、線路に対しての横圧が過大に大きかったり、車輪のフランジがほかに比較して早く磨耗するような状況にある。その対策として、操舵台車が実用化されているが構成部品の点数が多く、設計、製造、検修のいずれも容易でない。
本発明の目的は、このような問題点に鑑みてなされたもので、大きなカントが設けられた曲線においても空転・滑走しにくく、また曲線通過が円滑に行える車両駆動制御装置を提供することである。
請求項1の発明に係わる車両駆動制御装置は、鉄道車両の各々の車輪に設けられ輪重を検出する輪重検出部と、前記各々の車輪に対してそれぞれ設けられた電動機と、前記車輪の電動機に対してそれぞれ設けられ各々の電動機に駆動電力を供給する電力変換装置と、前記輪重検出部で検出された輪重に基づいて各々の電動機が発生するトルクまたは速度を個別に制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる車両駆動制御装置は、請求項1の発明において、前記輪重検出部は、前記鉄道車両の車輪に設けられた荷重センサ、前記鉄道車両の車体を支持している枕ばねまたは前記車体の台車の軸ばねのたわみ量を検出する変位計、または車体を支持している空気ばねの圧力を検出する圧力検出器であることを特徴とする。
請求項3の発明に係わる車両駆動制御装置は、請求項2の発明において、車両が曲線を容易に通過できるように設けられたカントにより車体が傾斜している状態を検出する傾斜検知部を設け、前記制御装置は、前記車体が内軌側に傾斜している状態における前記左右車輪の輪重差に基づいて各々の電動機が発生するトルクまたは速度を個別に制御することを特徴とする。
請求項4の発明に係わる車両駆動制御装置は、鉄道車両が走行する線路情報を予め記憶または地上からの電文で受信する情報制御装置と、前記鉄道車両の各々の車輪に対してそれぞれ設けられた電動機と、前記車輪の電動機に対してそれぞれ設けられ各々の電動機に駆動電力を供給する電力変換装置と、前記情報制御装置から得られた線路情報の線路の曲率やカント量に基づいて各々の電動機が発生するトルクまたは速度を個別に制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
請求項5の発明に係わる車両駆動制御装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の発明において、鉄道車両の各々の車輪の回転数検知器を設け、前記制御装置は、前記回転数検知器からの車輪の回転数に基づいて左右車輪の周速度を個別に制御し、外軌側の回転数を内軌側よりも大きくして曲率の大きな急曲線においても円滑に通過させることを特徴とする。
請求項6の発明に係わる車両駆動制御装置は、請求項5の発明において、前記制御装置は、前記回転数検知器からの車輪の回転数変化に基づいて車輪の空転・滑走状況を推定し、前記車輪の空転・滑走状況を加味して左右車輪の周速度を個別に制御することを特徴とする。
請求項7の発明に係わる車両駆動制御装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項の発明において、前記鉄道車両の車輪の横圧を検出する荷重センサを設け、前記制御装置は、前記荷重センサにより前記車輪のフランジが線路に与えていると推定される横圧を測定し、前記荷重センサで測定された横圧に基づいて、左右車輪の回転数差を制御することを特徴とする。
請求項8の発明に係わる車両駆動制御装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項の発明において、軌道間隔が可変または固定である鉄道車両に搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、各々の車輪に対して独立の電動機をそれぞれ設け、各々の車輪を独立して駆動制御ができるので、大きなカントで大きく傾斜した車両においても、空転しにくく安定した走行が可能である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図である。鉄道車両の各々の車輪5a、5bには輪重を検出する輪重検出部である荷重センサ11a、11bが設けられている。図1では、左右の車輪5a、5bの円周上に沿って複数個の荷重センサ11a、11bが設けられた場合を示しており、荷重センサ11a、11bで検出された輪重は制御装置12に入力される。また、各々の車輪5a、5bに対してそれぞれ電動機6a、6bが設けられ、電動機6a、6bは電力変換装置7a、7bにより独立して車輪5a、5bを駆動できるようになっている。また、各々の電動機6a、6bにはそれぞれ回転数検知器8a、8bが設けられており、回転数検知器8a、8bで検出された回転数は制御装置12に入力される。制御装置12は輪重検出部で検出された輪重に基づいて、目標値設定器9に設定された目標値になるように電力変換装置7a、7bにそれぞれ指令を出力し、各々の電動機6a、6bが発生するトルクまたは速度を個別に制御する。
すなわち、各々の車輪5a、5bに対してそれぞれ電動機6a、6bが設けられており、車輪5aには専用の電動機6aが組み合わされており、また、車輪5bには専用の電動機6bが組み合わされている。もちろん、電動機6a、6bも車輪5a、5bも左右は接続されておらず、個別に回転することができる。電動機6a、6bに対しては、それぞれ個別の電力変換装置7a、7bがあり、左右の電動機6a、6bを個別に駆動制御することができる。また、電動機6a、6bには、回転数を出力するための回転数検知器8a、8bが設けられており、実際の電動機6a、6bの回転状態、すなわち車輪5a、5bの空転・滑走状態を制御装置12に入力する。なお、この回転数検知器8a、8bについては、ここでは電動機6a、6bに設けられている場合を示しているが、必ずしも電動機6a、6bに設ける必要はない。
左右の車輪5a、5bには、予め歪みゲージなどを用いた複数個の荷重センサ11a、11bが設けられている。もともと、走行中の車輪5a、5bの輪重は時々刻々変化するものであり、あまり細かいデータを入手しても処理が煩雑になって高度なシステムが必要になるだけなので、円周上に沿って細かく複数個の荷重センサ11a、11bを配置する必要はなく飛び飛びのもので十分である。左右の車輪5a、5bにそれぞれ設けられた複数個の荷重センサ11a、11bからの信号は、スリップリングなどを介して制御装置12に入力される。
ここで、荷重センサ11a、11bで検出された信号のうち、短時間での急激な変化量は特異値としてキャンセルし、ある時間平均での値を取り出して左右の車輪5a、5bの輪重を比較する。歪ゲージなどの荷重センサ11a、11bが車輪5a、5bの円周に沿って配置されているので、荷重センサ11a、11bからの出力が最大値を示したときがその輪重であると考えてよい。なお、荷重センサ11a、11bが真下にないときは当然小さい値を示している。したがって、車輪5a、5bの回転に伴いゼロから輪重まで変化する量を連続的に演算する必要があるが、基本的には、ほぼ同じ量が最大値として続けて現れるはずなので、特異値をキャンセルすればいいはずである。
また、水平な線路上では、左右の車輪5a、5bの輪重はほぼ等しいはずであるが、現実には若干の誤差があるのが普通であり、予め測定可能な基準となる線路上で測定した値を各車輪の基準輪重とし、その基準値と走行中に得られた左右の各輪重とを比較して、内外の電動機6a、6bの発生するトルクを適正に制御する。
基本的には、運転士のマスコン扱いによる目標トルク指令値が発揮できるように、左右の車輪5a、5bのうち輪重が軽い側に対しては電動機6a、6bのトルクを低く、輪重が重い側に対しては電動機6a、6bのトルクが高くなるように制御し、その左右のトルク差は輪重の変化値から演算する。なお、不用意に最終目標トルクまで制御すると空転・滑走する場合があるので、車輪5a、5bの回転数を、他の車輪5a、5bの回転数も含めて常時監視し、回転数の変化から空転・滑走していることを監視する。車輪5a、5bが空転・滑走していると判断される場合には、トルクを絞って再粘着させるというような空転・再粘着制御を行う。また、左右の車輪5a、5bの回転数だけでなく、前後の車輪の回転数も時々刻々変化するので、前後の車輪の輪重変化も同時に監視し、台車のピッチングにより基準輪重よりも軽くなった場合には、瞬時にトルクを変化させることができるようにする。
以上の説明では、車輪5a、5bの空転・滑走状態を車輪5a、5bの回転数の変化から求めるようにしたが、実際の各電動機6a、6bに対しての電流値の変化から空転・滑走していると判断するようにしてもよい。また、制御装置12は車両に搭載してある電力変換装置7a、7bの制御部に組み込むようにしてもよい。
第1の実施の形態によれば、各々の車輪5に対して独立の電動機6をそれぞれ設け、各々の車輪5を独立して駆動制御ができるので、大きなカントで大きく傾斜した車両においても、空転しにくく安定した走行が可能となる。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、輪重を検出する輪重検出部である荷重センサ11a、11bに代えて、軸ばね4a、4bのたわみの変化量を検出する変位計13a、13bを設け、軸ばね4a、4bのたわみの変化量から間接的に輪重の変化を読み取るようにしたものである。
第1の実施の形態のように、車輪5a、5bに荷重センサ11a、11bを組み込んで直接的に車輪5a、5bの輪重を測定する方が間接的に車輪5a、5bの輪重を推定する方法よりも精度がよい。しかし、回転している車輪5a、5bから輪重の情報を受け取ることが難しく、また、振動や衝撃が激しいことによる信頼性の低下などが考えられる。そこで、第2の実施の形態では、測定精度をやや犠牲にするとしても、比較的容易で信頼性のある輪重検出部として軸ばね4a、4bの偏移を変位計13a、13bで測定し、輪重の変化を測定する。
基準となる線路上であらかじめ軸ばね4a、4bのたわみ量を基準値として測定し、走行中に変化量を変位計13a、13bにより測定し、その変化量を輪重の変化量として制御を行う。なお、旅客電車などでは、各駅での乗客の乗降によって各車両あるいは車両の前後での重さが変化するため、基準値は、たとえば駅出発時などに毎回更新する。以上の説明は、軸ばね4a、4bのたわみ量を測定する場合について説明したが、枕ばね2a、2bのたわみ量を変位計13a、13bで検出するようにしてもよい。
第2の実施の形態によれば、輪重検出部として軸ばね4a、4bまたは枕ばね2a、2bの偏移を変位計13a、13bで測定し輪重の変化を測定するので、比較的容易で信頼性のある輪重の変化を測定できる。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、輪重を検出する輪重検出部である変位計13a、13bに代えて、車両の車体を支持している枕ばね(空気ばね)2a、2bのたわみの変化量を検出する圧力検出器10a、10bを設け、枕ばね2a、2b(空気ばね)のたわみ変化量から間接的に輪重の変化を読み取るようにしたものである。
第2の実施の形態の場合には、変位計13a、13bにより直接的に軸ばね4a、4bまたは枕ばね2a、2bのたわみ量を測定する必要があり、変位計13a、13bはたとえば距離センサなど繊細で特殊な装置を振動の大きい台車上に取付ける必要がある。そこで、第3の実施の形態では、たとえば枕ばね(空気ばね)2a、2bの内圧を圧力検出器10a、10bで測定することで、左右車輪5a、5bの輪重にどれだけの差が発生しているかを測定する。
なお、枕ばね(空気ばね)2a、2bの圧力を測定しているだけでは、車体1がどれだけ傾いているかが、よくわからない可能性があるので、カントによって車体1がどれだけ傾斜しているはずかを判断するために、予め車両に搭載している情報制御装置14から別途線路情報15を制御装置12に入力するようにしている。線路情報15については、情報制御装置14などに予め入力するようにしてもよいし、あるいは、その都度インストールしておいてもよい。また、地上子と車上子により情報を受け渡しする方法でもよい。
そして、線路情報15と実際の枕ばね(空気ばね)2a、2bの圧力とから車体1がどれだけ傾いているかを間接的に算出する。すなわち、線路情報15とそのときの車両の重さ(これは、前述のように乗客の乗降などが見込まれる場合には、適宜、更新する必要がある)とから、左右の車輪5a、5bの輪重にどれだけの差が発生しているかを間接的に算出する。線路情報15については、予め車両に搭載している情報制御装置などに入力するようにしてもよいし、あるいは、その都度インストールしておいてもよい。また、地上子と車上子により情報を受け渡しする方法でもよい。
第3の実施の形態によれば、枕ばね(空気ばね)2a、2bの内圧を圧力検出器10a、10bで測定することで、左右車輪5a、5bの輪重にどれだけの差が発生しているかを測定するので、間接的ではあるが容易に左右車輪5a、5bの輪重を測定でき車体1がどれだけ傾いているかを測定できる。
図4は、本発明の第4の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図である。この第4実施の形態は、図3に示した第3の実施の形態に対し、車両が曲線を容易に通過できるように設けられたカントにより車体が傾斜している状態を検出する傾斜検知部21を追加して設け、制御装置12は、車体1が内軌側に傾斜している状態における左右車輪5a、5bの輪重差に基づいて各々の電動機6a、6bが発生するトルクまたは速度を個別に制御するようにしたものである。
図4において、傾斜検知部21としてたとえばジャイロを車内に搭載し、この傾斜検知部21で車体1の傾斜を測定し間接的に輪重の変化を推定する。第3の実施の形態における空気ばねの圧力を利用する方法では、圧力検出器10a、10bなど現在一般的に用いられているもので簡単に構成できる利点があるが、その反面、空気圧力の測定という面からは、空気という非常に応答性の悪いものを測定することになるので、実際の空気ばねが支持している荷重を正確に測定するためには精度が低い可能性があり、また、旅客電車などではそのときの積載状態で左右の車両の輪重が変化する。したがって、基準とする数値をどこに設定するかが難しい場合がある。
そこで、第4の実施の形態では、車体1の実際の傾斜量は傾斜検知部21で正確に測定し、線路の曲線に入る前の積載荷重を圧力検出器10a、10bで測定する。たとえば、駅停車中に測定した枕ばね(空気ばね)2a、2bの圧力から現在の積載荷重を測定し、現在の積載荷重において、傾斜検知部21の変化がどれだけあったかを測定する。これにより、左右の車輪5a、5bが負担しているはずのそれぞれの輪重を間接的に得ることができる。
以上の説明では、輪重検出部や傾斜検知部を設けたが、電気機関車のように乗員人数や砂の量などの微々たる変化を除けば常に一定の重量である車両に対しては、輪重検出部や傾斜検知部に代えて、線路情報15を予め把握しておき、車両1がその区間に入ったときに予め設定しておいた数値で左右の車輪5a、5bのトルクを可変することも可能である。車両重量が一定、すなわち重心高さが一定の車両であれば、自車の速度とカント量とがわかっていれば、そのときの車体1の傾斜量、すなわち左右の車輪5a、5bに発生する輪重差は一義的な量であり実際の輪重を測定する必要はない。なお、カント量については、工事により増減することも考えられるので、その場合には、地上子と車上子を利用した伝送方法などで、最新の条件に更新できるようにしておく。
また、実際の走行においては、線路表面や車輪表面の状態に起因する空転・滑走が発生すると、それが原因となって、車体や台車がピッチングを起こし、結果的に輪重を変化させることが多いと考えられるので、これらに対する制御機能も組み合わせた制御とすることが望ましい。
なお、ここでは電気車両を例としたが、もちろんディーゼルなどの内燃式車両でもよい。一般的には、電気車の高速トルク制御にくらべて、内燃式での制御速度は遅いと考えられるが、油圧などを利用したアクティブ制御が可能な車両であれば、十分応用可能であると考えられる。
ここで、空転・滑走防止を図るために以上述べたようなトルク制御を行うことに加え、必要に応じて、左右の車輪5a、5bの回転数制御を行う。この回転数制御により曲線通過を円滑に行うことが可能となる。たとえば、図4における左に傾斜するカントは、左に曲がっていく曲線に設けられているものであるが、電動機6aの回転数を電動機6bの回転数よりもやや大きくすると、その分だけ車輪5aの周速度が車輪5bよりも速くなる。したがって、車輪5aのほうが大きく進むので、無理やり、レールとフランジとがきしみながら走行する状態でなく、自ずから図上左方向に旋回していき、どんな曲線であっても曲率に一致した走行が可能となるので、構造が複雑にならざるを得なかった操舵台車を用いる必要がない。
なお、このときの左右の回転数差については、すでに述べたようなトルク制御のなかで若干のすべり(実際の走行距離と車輪の回転数から得られる走行したはずの距離との差)が発生しているはずなので、単純に曲率で回転数の差をつけるのでなく、空転・滑走している分については加算または減算して補正する。
図5は、本発明の第5の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図である。この第5の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、荷重センサ11a、11bは鉄道車両の車輪の上下方向の荷重に加え横方向の横圧も検出するように配置し、制御装置12は、荷重センサ11a、11bにより車輪5a、5bのフランジが線路に与えていると推定される横圧を測定し、荷重センサ11a、11bで測定された横圧に基づいて左右車輪5a、5bの回転数差を制御するようにしたものである。
図5において、複数個の荷重センサ11a、11bの一部を上下だけでなく、左右方向に配置しレールにかかっている横圧を反力として検出する。荷重センサ11a、11bで検出された左右の車輪5a、5bにかかっている横圧は制御装置12に入力される。
図5では、右側車輪5aの横圧が小さくなるように、右の電動機6aの回転数が左の電動機6bの回転数よりも大きくなるように制御する。右側の車輪5aが左側の車輪5bよりも速く進むようにすれば、自ずから左に旋回していくので、右側の車輪5aの横圧、すなわち外軌側のレールが受ける横圧が低減される。横圧差を必要以上につけてしまうと、かえって走行安定性を悪くしてしまうので、単純に横圧だけを制御に用いるのではなく、線路情報から得られた、線路の曲率から求められる適切な回転数差よりも大きくならないように制限することは言うまでもない。
車輪5a、5bが空転している場合に、再粘着させようとしてトルクを下げながら、かつ曲線通過のために電動機6a、6bの回転数を上げることは相反する作用であるので、列車の速度を下げずに円滑な曲線通過させるためには、他の空転していない軸のトルクをあげて車両全体のトルクを維持する必要がある。大きな牽引力を発揮して、軸重移動が生じているときには、空転しやすい軸重が軽くなっている軸がある以上、空転しにくい輪重が重くなっている軸があるはずなので、その軸に対してトルク増加させればよい。
一般に、先頭軸は軸重が軽くなって空転しやすく、同時に曲線通過の際に案内の役目を持つためにフランジの磨耗が激しいという特徴がある。したがって、先頭軸のトルクを他の空転しにくい軸重が重くなっている軸に負担させ、先頭軸は回転数の調整に重点を置き、フランジ磨耗の低減を図るとよい。
これは、輪重監視方法を他の車輪5a、5bの状況も把握できるように制御装置12を構成すれば容易に達成できる。一つの制御装置12にその車両のすべての輪重を入力する方法でもよいし、複数の制御装置12があって、お互いの制御装置12同士が情報の伝達を行って適切な制御を行う方法のいずれでもよい。
また、新幹線車両と在来線車両とを同じ区間に走行させるために、3線式と呼ばれる新幹線軌道の内側に、在来線の軌道にあわせた第三の線路を敷設する方式があるが、新幹線電車が曲線を高速で通過することが要求される新幹線で規定されている最大カントでは、在来線車両に対しては傾斜が大きすぎて安定した走行ができない。しかし、本発明のように、左右の車輪に対して個別の電動機6a、6bを持たせた方式であれば、予め軌間可変車両にしておくことが容易であり、在来線の狭い軌間でなく、新幹線の広い軌間にて走行できるので、当然、新幹線で規定されている最大カントでも安定した走行が可能である。カントに対して安定であるだけでなく、車体が大きく傾斜した状態で、左右の輪重に著しく差がついてしまった場合でも、左右個別に適正トルクを発生できる。
本発明の第1の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図。 本発明の第2の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図。 本発明の第3の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図。 本発明の第4の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図。 本発明の第5の実施の形態に係わる車両駆動制御装置の構成図。 従来例の構成図。
符号の説明
1…車体、2枕ばね、3…台車、4…軸ばね、5…車輪、6…電動機、7…電力変換装置、8…回転数検知器、9…目標値設定器、10…圧力検出器、11…荷重センサ、12…制御装置、13変位計、14…路線情報、15車輪、21…ジャイロ

Claims (8)

  1. 鉄道車両の各々の車輪に設けられ輪重を検出する輪重検出部と、前記各々の車輪に対してそれぞれ設けられた電動機と、前記車輪の電動機に対してそれぞれ設けられ各々の電動機に駆動電力を供給する電力変換装置と、前記輪重検出部で検出された輪重に基づいて各々の電動機が発生するトルクまたは速度を個別に制御する制御装置とを備えたことを特徴とする車両駆動制御装置。
  2. 前記輪重検出部は、前記鉄道車両の車輪に設けられた荷重センサ、前記鉄道車両の車体を支持している枕ばねまたは前記車体の台車の軸ばねのたわみ量を検出する変位計、または車体を支持している空気ばねの圧力を検出する圧力検出器であることを特徴とする請求項1記載の車両駆動制御装置。
  3. 車両が曲線を容易に通過できるように設けられたカントにより車体が傾斜している状態を検出する傾斜検知部を設け、前記制御装置は、前記車体が内軌側に傾斜している状態における前記左右車輪の輪重差に基づいて各々の電動機が発生するトルクまたは速度を個別に制御することを特徴とする請求項2記載の車両駆動制御装置。
  4. 鉄道車両が走行する線路情報を予め記憶または地上からの電文で受信する情報制御装置と、前記鉄道車両の各々の車輪に対してそれぞれ設けられた電動機と、前記車輪の電動機に対してそれぞれ設けられ各々の電動機に駆動電力を供給する電力変換装置と、前記情報制御装置から得られた線路情報の線路の曲率やカント量に基づいて各々の電動機が発生するトルクまたは速度を個別に制御する制御装置とを備えたことを特徴とする車両駆動制御装置。
  5. 鉄道車両の各々の車輪の回転数検知器を設け、前記制御装置は、前記回転数検知器からの車輪の回転数に基づいて左右車輪の周速度を個別に制御し、外軌側の回転数を内軌側よりも大きくして曲率の大きな急曲線においても円滑に通過させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の車両駆動制御装置。
  6. 前記制御装置は、前記回転数検知器からの車輪の回転数変化に基づいて車輪の空転・滑走状況を推定し、前記車輪の空転・滑走状況を加味して左右車輪の周速度を個別に制御することを特徴とする請求項5記載の車両駆動制御装置。
  7. 前記鉄道車両の車輪の横圧を検出する荷重センサを設け、前記制御装置は、前記荷重センサにより前記車輪のフランジが線路に与えていると推定される横圧を測定し、前記荷重センサで測定された横圧に基づいて、左右車輪の回転数差を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の車両駆動制御装置。
  8. 軌道間隔が可変または固定である鉄道車両に搭載したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の車両駆動制御装置。
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